JPH0745328B2 - 光学ガラス素子の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

光学ガラス素子の製造方法及びその製造装置

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JPH0745328B2
JPH0745328B2 JP18896090A JP18896090A JPH0745328B2 JP H0745328 B2 JPH0745328 B2 JP H0745328B2 JP 18896090 A JP18896090 A JP 18896090A JP 18896090 A JP18896090 A JP 18896090A JP H0745328 B2 JPH0745328 B2 JP H0745328B2
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、レンズやプリズム等の高精度な光学ガラス素
子および前記光学ガラス素子のリヒートプレス成形用素
材の光学ガラス成形体等の光学ガラス素子の製造方法及
びその製造装置に関する。
従来の技術 近年、光学ガラスレンズは光学機器のレンズ構成の簡略
化とレンズ部分の軽量化の両方を同時に達成しうる非球
面化の方法にある。この非球面レンズの製造にあたって
は、従来の光学レンズの製造方法である研磨法では、加
工および量産化が困難であり、金型を用いた成形法が有
望視されている。
この金型を用いた成形法というのは、予め所望の画品質
および面精度に仕上げた金型上に水酸化アルミニウム,
炭酸マグネシウム,カーボン等の離型材を塗布あるいは
被覆した状態で、光学ガラスの塊状物を加熱成形する
か、あるいは溶融状態の光学ガラスの塊状物を加熱成形
を行なう方法である。
特開昭61−132526号公報には、予備成形用ガラス素材と
してガラス溶融炉の導管から流出する溶融ガラスを間欠
的に切断して得られたガラスを、予備成形金型で押圧成
形する予備成形後、予備成形ガラスを本成形金型により
所望の最終形状に押圧成形する本成形工程によって光学
レンズを製造する方法が提案されている。
発明が解決しようとする課題 非球面レンズ,プリズム等の光学ガラス素子の場合、欠
陥あるいは離型剤の付着のない表面、面粗度,および面
精度であることが要求されるため、光学ガラス素子およ
び前記光学ガラス素子のリヒートプレス成形用素材の光
学ガラス成形体は非常に高価なものになっていた。
すなわち光学ガラス成形体の表面に欠陥がない状態(例
えば表面粗さRMSで0.005ミクロン以下の鏡面状態)にす
るために、研磨またはエッチング処理を施す必要があり
光学ガラス成形体が高価なものになっており、低コスト
で高精度な光学ガラス成形体が製造できる方法の開発が
強く望まれていた。
特開昭61−132526号公報に記載された光学レンズの製造
方法の場合、予備成形金型として420系ステンレスか超
硬合金、成形雰囲気として高真空か不活性ガスで行なう
ため、金型温度が高いとき予備成形金型に溶融ガラスが
融着したり、金型温度が低いとき溶融ガラスにしわやひ
けと呼ばれる収縮痕や溶融ガラスの急冷による低圧の真
空泡が発生したりするため、予備成形用ガラス素材の表
面に欠陥がない状態にすることはできなかった。
課題を解決するための手段 本発明は前記課題を解決するために、凸形状を有した第
一の熱加工治具で大気中で溶融ガラスを受ける工程、非
酸化性雰囲気で、第二の熱加工治具に溶融ガラスを接着
させた状態で溶融ガラスと第二の熱加工治具とを反転さ
せて溶融ガラスを第一の熱加工治具から第二の熱加工治
具に置換する工程、第二の熱加工治具上での溶融ガラス
の熱変形により光学ガラス成形体を作製する工程、光学
ガラス成形体をプレス成形用金型で加熱加圧成形する工
程とを含む光学ガラス素子の製造方法及び、凸形状を有
した第一の熱加工治具で大気中で溶融ガラスを受ける手
段と、非酸化性雰囲気中で、第一の熱加工治具で受けた
溶融ガラスに第二の熱加工治具を接触させて、溶融ガラ
スを第二の熱加工治具に付着させ、溶融ガラスが第二の
熱加工治具に付着した状態で第二の熱加工治具を反転さ
せて、溶融ガラスを第一の熱加工治具から第二の熱加工
治具に置換する手段を少なくとも備えた光学ガラス素子
の製造装置を提供するものである。
作用 高温の溶融ガラスは化学的に極めて活性な状態にあるた
め、熱加工治具に非常に大きなダメージを与え、光学ガ
ラスと反応あるいは融着した。このことを防ぐために熱
加工治具を加熱せずに使用することは有効であるが、熱
加工治具と接した溶融ガラス面には熱加工治具と溶融ガ
ラスとの温度差に起因するしわやひけと呼ばれる収縮痕
や真空泡などの欠陥が発生する。
本発明では、熱加工治具と接した光学ガラス面の種々の
欠陥を取り除くために、半球状,円柱状,円錐状のよう
な凸形状を有した第一の熱加工治具で大気中で溶融ガラ
スを受け、溶融ガラスを載置した第一の熱加工治具を直
ちに非酸化性雰囲気中に保持した装置に導入後、溶融ガ
ラスに第二の熱加工治具を接触させて、溶融ガラスを第
二の熱加工治具に付着させ、溶融ガラスが第二の熱加工
治具に付着した状態で第二の熱加工治具を反転させて、
溶融ガラスを第一の熱加工治具から第二の熱加工治具に
置換し、第二の熱加工治具で溶融ガラスのしわ状の面を
上にして熱変形を行って光学ガラス成形体を作製する。
溶融ガラスは、表面から急激に冷却されて表面には薄い
皮膜が形成されるが、内部は高温状態であり、粘度が低
く流動性が高い。溶融ガラスが時間とともに冷却されて
収縮するとき、内部の高温部はきわめて大きな収縮量を
示すが、表面の薄い皮膜は固化し始めているので収縮量
は小さい。その結果溶融ガラスの表面と内部との間の収
縮量の差によって、溶融ガラスと濡れている第二の熱加
工治具と溶融ガラスとの界面に応力が発生する。その応
力を緩和するために第二の熱加工治具と溶融ガラスとの
界面が真空状態になって、いわゆる真空泡が発生する。
これに対して本発明のように半球状,円柱状,円錐状の
ような凸形状を有した第一の熱加工治具で大気中で溶融
ガラスを受けることによって、溶融ガラスがメニスカス
形状になり、溶融ガラスにおいてとりわけ高温になって
いる中央部の肉厚が小さくなる。中央の高温部の肉厚が
小さくなることによって、冷却時の収縮量が低減されて
第二の熱加工治具と溶融ガラスとの界面に発生する応力
が低減される。その結果、第二の熱加工治具と溶融ガラ
スとの界面には、いわゆる真空泡が発生しない。また、
中央部が凹状になった溶融ガラスのしわ状の面を上にし
て第二の熱加工治具で熱変形させることにより、しわや
凹状のくぼみがのびるように大きな変形をするため表面
が非常に平滑になる。さらにこの光学ガラス成形体をプ
レス成形用金型で加熱加圧成形することにより、表面に
欠陥のない光学ガラス素子を製造することができる。
溶融ガラスを直接受ける第一の熱加工治具は、溶融ガラ
スと濡れ性が悪く、離型性が優れている材料、例えばカ
ーボン,ボロンナイトライド,窒化アルミ,窒化クロ
ム,酸化クロム,ステンレス鋼等が適している。また、
第二の熱加工治具及びプレス成形用金型に被覆する薄膜
は、非酸化性雰囲気中で光学ガラスと反応しないが、高
温ガラスと濡れやすく比較的溶融しやすい貴金属,タン
グステン,タンタル,レニウム,ハフニウムの単体ある
いはそれらの合金であることが望ましい。
本発明において、好ましい非酸化性雰囲気は、窒素,ア
ルゴン,ヘリウム等の不活性ガス、およびこれらの不活
性ガスに水素、あるいは一酸化炭素,二酸化炭素の炭素
酸化物、メタン,エタン,エチレン,トルエン等の炭化
水素類、トリクロロエチレン,トリクロルトリフルオル
エタン等のハロゲン化炭化水素類、エチレングリコー
ル,グリセリン等のアルコール類、F−113,F−11等の
フルオロカーボン類を適宜混合したものである。これら
の雰囲気は、光学ガラス組成、熱加工治具に被覆する薄
膜組成、熱変形の温度と時間、プレス成形の温度と時
間、あるいは光学ガラス成形体の形状等の条件によって
適宜選択する。
実施例 以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら詳
細に説明する。
第1図は溶融ガラス2を載置した第一の熱加工治具24の
断面図である。第1図において、(a)は第一の熱加工
治具24の成形面1の中央部が半球状に盛り上がったも
の、(b)は第一の熱加工治具24の成形面1の中央部が
円錐状に盛り上がったもの、(c)は第一の熱加工治具
24の成形面1の中央部が円柱状に盛り上がったもの、
(d)は第一の熱加工治具24の成形面1の中央部がドー
ム状に盛り上がったもの、(e)は第一の熱加工治具24
の成形面1が半球状に盛り上がったもの、(f)は第一
の熱加工治具24の成形面1が円錐状に盛り上がったもの
である。第2図は、本発明の光学ガラス素子の製造方法
及びその製造装置を示す一実施例の断面図であり、第2
図に従って本発明の一実施例を詳細に説明する。
溶融ガラス14の熱変形及びプレス成形はガス導入口17か
らガスを導入して所望の雰囲気に調節し、かつヒータ15
で第二の熱加工治具16及びプレス成形用金型20の温度を
調節した製造装置で行なう。製造装置は、溶融ガラス14
を第一の熱加工治具24に供給する供給ステージ、第一の
熱加工治具24をアーム26によって導入口27から装置に導
入する導入ステージ、第一の熱加工治具24上の溶融ガラ
ス14に予熱した第二の熱加工治具16を接着する接着ステ
ージ、溶融ガラス14が接着した第二の熱加工治具16をア
ーム25によって反転する反転ステージ、第二の熱加工治
具16上で溶融ガラス14を加熱して熱変形させて、光学ガ
ラス成形体18を形成する熱変形ステージ、光学ガラス成
形体18をプレス成形用金型20で加熱加圧成形するプレス
成形ステージ、プレス成形した光学ガラス素子22を冷却
する冷却ステージ、光学ガラス素子22を取り出す取り出
しステージから構成されている。第一の熱加工治具24、
第二の熱加工治具16、及びプレス成形用金型20は、この
中をローラ21に載って移動する。溶融ガラス14はタンク
10の中でヒータ11で加熱溶融される。ヒータ13でノズル
12の温度を管理し、ノズル12から所望の重量の光学ガラ
ス14を第一の熱加工治具24に供給ステージの位置で滴下
する。熱変形ステージにおいて溶融ガラス14は第二の熱
加工治具16上で加熱されて形状の整った光学ガラス成形
体18が作製される。光学ガラス成形体18は連続してプレ
ス成形ステージにおいて高精度な形状と面粗度に仕上げ
たプレス成形用金型20でシリンダ19によって加熱・加圧
成形される。プレス成形後冷却ステージにおいて光学ガ
ラス素子22はプレス成形用金型20に保持しながら冷却さ
れる。取り出しステージにおいて冷却した光学ガラス素
子22は取り出し口23から取り出される。
以下実施例を示す。
実施例1 第一の熱加工治具24として第1表に示した材料を第1図
の形状の成形面1に加工した。第二の熱加工治具16の母
材として超硬合金(WC−5TiC−8Co)を用いて曲率半径
が20mmの凹形の光学面を形成した。この光学面をさらに
超微細なダイヤモンド粉末を用いてラッピングし、約1
時間で表面の表面粗さ(RMS)が約30Åの鏡面にした。
鏡面となった熱加工治具表面にスパッタ法で白金−イリ
ジウム−オスミウム合金(Pt−Ir−Os)の薄膜を被覆し
た。第二の熱加工治具16と同様に母材として超硬合金
(WC−5TiC−8Co)を用いて曲率半径が200mmの凹形の光
学面を形成し、スパッタ法で白金−イリジウム−オスミ
ウム合金(Pt−Ir−Os)の薄膜を被覆し、プレス成形用
金型20とした。
溶融ガラス14は、シリカ(SiO2)30重量パーセント,酸
化バリウム(BaO)50重量パーセント,ホウ酸(B2O3)1
5重量パーセント、残部が微量成分からなるホウケイ酸
バリウムガラスを用いた。このガラスをガラス溶融炉10
で加熱ヒータ11によって1200℃に溶融したあと、ノズル
加熱ヒータ13によって800℃に保持したノズル12から約
3グラムの溶融ガラス14を第一の熱加工治具24に滴下し
た。溶融ガラス14の載置した第一の熱加工治具24を直ち
にアーム26によって、窒素ガス20リッター/分,水素ガ
ス2リッター/分の割合の混合ガスをガス入口17から導
入した非酸化性雰囲気に保持した成形機28に搬入口27か
ら搬送した。成形機28内の第一の熱加工治具24及び第二
の熱加工治具16はコンベア21によって順次搬送され、ま
た加熱ヒータ15によって所望の温度に加熱した。成形機
28に搬送された溶融ガラス14に、650℃に予熱した第二
の熱加工治具16を軽く接触させて第二の熱加工治具16に
溶融ガラス14を付着させた。溶融ガラス14の付着した第
二の熱加工治具16をアーム25によって反転させ、第二の
熱加工治具16に第2図のように溶融ガラス14を置換し
た。第二の熱加工治具16で630℃,10分間熱変形させて光
学ガラス成形体18を作製した。光学ガラス成形体18をプ
レスシリンダ19に取り付けたプレス成形用金型20でプレ
ス成形した。プレス成形条件は金型温度560℃、プレス
圧力30kg/cm2、プレス時間2分であった。その後300℃
まで徐冷し、取り出し口23から光学ガラス素子2を取り
出した。
このような工程によって作製した光学ガラス素子22の各
種特性を第1表にまとめた。第1表から明らかなように
いずれの試料も、プレス成形面の表面粗さ(RMS)は約2
5Åの光学的鏡面であり、気泡,傷、あるいは剥離跡と
いった欠陥は認められず、面精度もニュートンリング2
本以内、アス5分の1本以内であり、その光学性能は極
めて優れていた。
実施例2 第一の熱加工治具24として第2表に示した材料を第1図
の形状の成形面1に加工した。第二の熱加工治具16の母
材としてオーステナイト鋼(SUS316)を用いて曲率半径
が45mmの凹形の光学面を形成した。この光学面をさらに
超微細なダイヤモンド粉末を用いてラッピングし、約1
時間で表面の表面粗さ(RMS)が約30Åの鏡面にした。
鏡面となった熱加工治具表面に、スパッタ法で白金−イ
リジウム−オスミウム合金(Pt−Ir−Os)の薄膜を被覆
した。第二の熱加工治具16と同様に母材としてオーステ
ナイト鋼(SUS316)を用いて曲率半径が150mmの凹形の
光学面を形成し、スパッタ法で金−ロジウム−タングス
テン合金(Au−Rh−W)の薄膜を被覆し、プレス成形用
金型20とした。
溶融ガラス14は、ジルコニア(ZrO2)8重量パーセン
ト,酸化ランタン(La2O3)30重量パーセント,ホウ酸
(B2O3)42重量パーセント,酸化カルシウム(CaO),
残部が微量成分からなるランタン系ガラスを用いた。こ
のガラスをガラス溶融炉10で加熱ヒータ11によって1400
℃に溶融したあと、ノズル加熱ヒータ13によって950℃
に保持したノズル12から約3グラムの溶融ガラス14を第
一の熱加工治具24に滴下した。溶融ガラス14の載置した
第一の熱加工治具24を直ちにアーム26によって、窒素ガ
ス20リッター/分、トリクリルトリフルオロエタン(C2
Cl3F3)1リッター/分の割合の混合ガスをガス入口17
から導入した非酸化性雰囲気に保持した成形機28に搬入
口27から搬送した。成形機28内の第一の熱加工治具24及
び第二の熱加工治具16はコンベア21によって順次搬送さ
れ、また加熱ヒータ15によって所望の温度に加熱した。
成形機28に搬送された溶融ガラス14に、7000℃に予熱し
た第二の熱加工治具16を軽く接触させて第二の熱加工治
具16に溶融ガラス14を付着させた。溶融ガラス14の付着
した第二の熱加工治具16をアーム25によって反転させ、
第二の熱加工治具16に第2図のように溶融ガラス14を置
換した。第二の熱加工治具16で780℃、20分間熱変形さ
せて光学ガラス成形体18を作製した。光学ガラス成形体
18をプレスシリンダ19に取り付けたプレス成形用金型20
でプレス成形した。プレス成形条件は金型温度680℃、
プレス圧力30kg/cm2、プレス時間2分であった。その後
400℃まで徐冷し、取り出し口23から光学ガラス素子22
を取り出した。
このような工程によって作製した光学ガラス素子22の各
種特性を第2表にまとめた。第2表から明らかなように
いずれの試料も、プレス成形面の表面粗さ(RMS)は約2
0Åの光学的鏡面であり、気泡,傷、あるいは剥離跡と
いった欠陥は認められず、面精度もニュートンリング2
本以内、アス5分の1本以内であり、その光学性能は極
めて優れていた。
実施例3 第一の熱加工治具24として第3表に示した材料を第1図
の形状の成形面1に加工した。第二の熱加工治具16の母
材としてサーメット(TiC−10Mo−9Ni)を用いて曲率半
径が200mmの凹形の光学面を形成した。この光学面をさ
らに超微細なダイヤモンド粉末を用いてラッピングし、
約1時間で表面の表面粗さ(RMS)が約30Åの鏡面にし
た。鏡面となった熱加工治具表面に、スパッタ法で白金
−タンタル−レニウム合金(Pt−Ta−Re)の薄膜を被覆
した。第二の熱加工治具16と同様に母材としてサーメッ
ト(TiC−10Mo−9Ni)を用いて曲率半径が500mmの凹形
の光学面を形成し、スパッタ法で白金−タンタル−レニ
ウム合金(Pt−Ta−Re)の薄膜を被覆し、プレス成形用
金型20とした。
溶融ガラス14は、シリカ(SiO2)65重量パーセント,酸
化カリウム(K2O)9重量パーセント,ホウ酸(B2O3)1
0重量パーセント,酸化ナトリウム(Na2O)10重量パー
セント,残部が微量成分からなるホウケイ酸ガラスを用
いた。このガラスをガラス溶融炉10で加熱ヒータ11によ
って1350℃に溶融したあと、ノズル加熱ヒータ13によっ
て920℃に保持したノズル12から約3グラムの溶融ガラ
ス14を第一の熱加工治具24に滴下した。溶融ガラス14の
載置した第一の熱加工治具24を直ちにアーム26によっ
て、アルゴンガス20リッター/分、エチレン(C2H4)1
リッター/分の割合の混合ガスをガス入口17から導入し
た非酸化性雰囲気に保持した成形機28に搬入口27から搬
送した。成形機28内の第一の熱加工治具24及び第二の熱
加工治具16はコンベア21によって順次搬送され、また加
熱ヒータ15によって所望の温度に加熱した。成形機28に
搬送された溶融ガラス14に、800℃に予熱した第二の熱
加工治具16を軽く接触させて第二の熱加工治具16に溶融
ガラス14を付着させた。溶融ガラス14の付着した第二の
熱加工治具16をアーム25によって反転させ、第二の熱加
工治具16に第2図のように溶融ガラス14を置換した。第
二の熱加工治具16で780℃、5分間熱変形させて光学ガ
ラス成形体18を作製した。光学ガラス成形体18をプレス
シリンダ19に取り付けたプレス成形用金型20でプレス成
形した。プレス成形条件は金型温度680℃、プレス圧力8
0kg/cm2、プレス時間1分であった。その後380℃まで徐
冷し、取り出し口23から光学ガラス素子22を取り出し
た。
このような工程によって作製した光学ガラス素子22の各
種特性を第3表にまとめた。第3表から明らかなように
いずれの試料も、プレス成形面の表面粗さ(RMS)は約2
5Åの光学的鏡面であり、気泡,傷、あるいは剥離跡と
いった欠陥は認められず、面精度もニュートリング2本
以内、アス5分の1本以内であり、その光学性能は極め
て優れていた。
実施例4 第一の熱加工治具24として第4表に示した材料を第1図
の形状の成形面1に加工した。第二の熱加工治具16の母
材としてシリコンを用いて曲率半径が55mmの凹形の光学
面を形成した。この光学面をさらに超微細なダイヤモン
ド粉末を用いてラッピングし、約1時間で表面の表面粗
さ(RMS)が約20Åの鏡面にした。鏡面となった熱加工
治具表面に、スパッタ法でロジウム−金−タングステン
合金(Rh−Au−W)の薄膜を被覆した。第二の熱加工治
具16と同様に母材としてシリコンを用いて曲率半径が10
0mmの凹形の光学面を形成し、スパッタ法でロジウム−
金−タングステン合金(Rh−Au−W)の薄膜を被覆し、
プレス成形用金型20とした。
溶融ガラス14は、シリカ(SiO2)52重量パーセント,酸
化カリウム(K2O)6重量パーセント,酸化鉛(PbO)35
重量パーセント,酸化ナトリウム(Na2O)5重量パーセ
ント,残部が微量成分からなる重量フリントガラスを用
いた。このガラスをガラス溶融炉10で加熱ヒータ11によ
って1250℃に溶融したあと、ノズル加熱ヒータ13によっ
て750℃に保持したノズル12から約5グラムの溶融ガラ
ス14を第一の熱加工治具24に滴下した。溶融ガラス14の
載置した第一の熱加工治具24を直ちにアーム26によっ
て、ヘリウムガス20リッター/分、二酸化炭素ガス2リ
ッター/分の割合の混合ガスをガス入口17から導入した
非酸化性雰囲気に保持した成形機28に搬入口27から搬送
した。成形機28内の第一の熱加工治具24及び第二の熱加
工治具16はコンベア21によって順次搬送され、また加熱
ヒータ15によって所望の温度に加熱した。成形機28に搬
送された溶融ガラス14に、600℃に予熱した第二の熱加
工治具16を軽く接触させて第二の熱加工治具16に溶融ガ
ラス14を付着させた。溶融ガラス14の付着した第二の熱
加工治具16をアーム25によって反転させ、第二の熱加工
治具16に第2図のように溶融ガラス14を置換した。第2
の熱加工治具16で610℃、5分間熱変形させて光学ガラ
ス成形体18を作製した。光学ガラス成形体18をプレスシ
リンダ19に取り付けたプレス成形用金型20でプレス成形
した。プレス成形条件は金型温度550℃、プレス圧力80k
g/cm2、プレス時間1分であった。その後380℃まで除冷
し、取り出し口23から光学ガラス素子22を取り出した。
このような工程によって作製した光学ガラス素子22の各
種特性を第4表にまとめた。第4表から明らかなように
いずれの試料も、プレス成形面の表面粗さ(RMS)は約2
0Åの光学的鏡面であり、気泡,傷、あるいは剥離跡と
いった欠陥は認められず、面精度もニュートンリング2
本以内、アス5分の1本以内であり、その光学性能は極
めて優れていた。
なお、本発明の光学ガラス素子の製造方法及びその製造
装置は、凸形状を有した第一の熱加工治具で大気中で溶
融ガラスを受ける工程、非酸化性雰囲気で、第二の熱加
工治具に溶融ガラスを接着させた状態で溶融ガラスと第
二の熱加工治具とを反転させて溶融ガラスを第一の熱加
工治具から第二の熱加工治具に置換する工程、第二の熱
加工治具上での溶融ガラスの熱変形により光学ガラス成
形体を作製する工程、光学ガラス成形体をプレス成形用
金型で加熱加圧成形する工程を含む光学ガラス素子の製
造方法及び、凸形状を有した第一の熱加工治具で大気中
で溶融ガラスを受ける手段と、非酸化性雰囲気中で、第
一の熱加工治具で受けた溶融ガラスに第二の熱加工治具
を接触させて、溶融ガラスを第二の熱加工治具に付着さ
せ、溶融ガラスが第二の熱加工治具に付着した状態で第
二の熱加工治具を反転させて、溶融ガラスを第一の熱加
工治具から第二の熱加工治具に置換する手段を少なくと
も備えた光学ガラス素子の製造装置であることを特徴と
するものであり、第一の熱加工治具の凸形状、光学ガラ
ス組成、熱加工治具に被覆する薄膜組成、熱変形の温度
と時間、あるいは光学ガラス成形体の形状等の条件は本
実施例に限定されるものではない。
発明の効果 以上説明したように、本発明の光学ガラス素子の製造方
法及びその製造装置は、凸形状を有した第一の熱加工治
具で大気中で溶融ガラスを受け、非酸化性雰囲気で、第
二の熱加工治具に溶融ガラスを接着させた状態で溶融ガ
ラスと第二の熱加工治具とを反転させて溶融ガラスを第
一の熱加工治具から第二の熱加工治具に置換し、第二の
熱加工治具で光学ガラスのしわ状の面を上にして熱変形
を行うことによって、熱加工治具と接した光学ガラス面
に種々の欠陥のない光学ガラス成形体を製造することが
できる。さらにこの光学ガラス成形体をプレス成形用金
型で加熱加圧成形することにより、表面に欠陥のない光
学ガラス素子を製造することができる。
すなわち、本発明によって高精度な光学ガラス素子の大
量生産が可能になり、生産性の向上と製造コストの低減
に著しい効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は溶融ガラスを載置した第一の熱加工治具の断面
図、第2図は本発明の光学ガラス素子の製造方法及びそ
の製造装置を示す一実施例の断面図である。 1……成形面、2……溶融ガラス、10……ガラス溶融
炉、11……加熱ヒータ、12……ノズル、13……ノズル加
熱ヒータ、14……溶融ガラス、15……加熱ヒータ、16…
…第二の熱加工治具、17……ガス入口、18……光学ガラ
ス成形体、19……プレスシリンダ、20……プレス成形用
金型、21……コンベア、22……光学ガラス素子、23……
取り出し口、24……第一の熱加工治具、25……アーム、
26……アーム、27……搬入口、28……成形機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米本 忠孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 川田 紀行 埼玉県大宮市東大宮5丁目19番地24号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凸形状を有した第一の熱加工治具で大気中
    で溶融ガラスを受ける工程、非酸化性雰囲気で、第二の
    熱加工治具に溶融ガラスを接着させた状態で溶融ガラス
    と第二の熱加工治具とを反転させて溶融ガラスを第一の
    熱加工治具から第二の熱加工治具に置換する工程、第二
    の熱加工治具上での溶融ガラスの熱変形により光学ガラ
    ス成形体を作製する工程、光学ガラス成形体をプレス成
    形用金型で加熱加圧成形する工程とを含む光学ガラス素
    子の製造方法。
  2. 【請求項2】第一の熱加工治具が溶融ガラスと濡れ性が
    悪い請求項(1)記載の光学ガラス素子の製造方法。
  3. 【請求項3】第二の熱加工治具及びプレス成形用金型
    が、所望の形状と光学面に加工され、かつ溶融ガラスと
    濡れ性が良く化学的に安定な薄膜で被覆された請求項
    (1)記載の光学ガラス素子の製造方法。
  4. 【請求項4】凸形状を有した第一の熱加工治具で大気中
    で溶融ガラスを受ける手段と、非酸化性雰囲気中で、第
    一の熱加工治具で受けた溶融ガラスに第二の熱加工治具
    を接触させて、溶融ガラスを第二の熱加工治具に付着さ
    せ、溶融ガラスが第二の熱加工治具に付着した状態で第
    二の熱加工治具を反転させて、溶融ガラスを第一の熱加
    工治具から第二の熱加工治具に置換する手段を少なくと
    も備えた光学ガラス素子の製造装置。
  5. 【請求項5】第一の熱加工治具が溶融ガラスと濡れ性が
    悪い請求項(4)記載の光学ガラス素子の製造装置。
  6. 【請求項6】第二の熱加工治具が、所望の形状と光学面
    に加工され、かつ溶融ガラスと濡れ性が良く化学的に安
    定な薄膜で被覆された請求項(4)記載の光学ガラス素
    子の製造装置。
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