JPH0745170B2 - 多層容器の製造法 - Google Patents

多層容器の製造法

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JPH0745170B2
JPH0745170B2 JP13946087A JP13946087A JPH0745170B2 JP H0745170 B2 JPH0745170 B2 JP H0745170B2 JP 13946087 A JP13946087 A JP 13946087A JP 13946087 A JP13946087 A JP 13946087A JP H0745170 B2 JPH0745170 B2 JP H0745170B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A. 本発明の技術分野 本発明は食品及医薬品、化粧品その他薬品などの包装用
に好適な多層容器の製造法、さらに詳しくは高度な気体
遮断性を示す多層容器の製造法に関するものである。
B. 従来技術 エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(以下EVOHと
記す)は、酸素、炭酸ガスなどのガスバリヤー性に優
れ、熱可塑性で、容易に成形できるので、食品、化粧
品、医薬品等の包装材料として広く使用されている。し
かしEVOHは親水性の水酸基を有するため、単体では耐水
性、防湿性が不十分であり、疎水性又は耐水性の他樹脂
と積層し、多層体として使用されることが多い。中空容
器としても、内外層には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート等のような樹脂を用い
中間層にEVOHを用いる方法が提案または実用化されてい
る。例えば特開昭55−139228号には不飽和カルボン酸グ
ラフト変性ポリプロピレンとEVOHを同時射出して、2種
3層のパリソンを形成し、これを延伸ブロー成形して多
層延伸中空容器を得る方法が開示されている。また特開
昭56−167442には内外層がポリエチレンテレフタレート
であり、中間層がEVOHである多層延伸ボトルが提案され
ている。しかしながら特に高度のガスバリヤー性を必要
とし、しかも高温度下で用いられる用途、例えば、炭酸
飲料、ビール、ワイン、ミネラルウオーターなどの容器
の場合には湿度によるEVOHのガスバリヤー性の低下が問
題になつていた。米国特許第4425410号にはEVOH層に乾
燥剤を配合することにより、レトルト時の吸水によるEV
OHのバリヤー性の低下を防止する方法が提案されてお
り、更にヨーロツパ特許公開第0059274号、米国特許第4
407897号、特開昭55−170748号にはEVOHに隣接する樹脂
層に乾燥剤を配合しレトルト時の吸水によるEVOHのバリ
ヤー性の低下を防止する方法が開示されている。
C. 本発明が解決しようとする問題点 しかるに上記の特許または特許公開で開示された方法に
よつてEVOH層に乾燥剤を配合して多層容器を製造しこれ
を飲料の保存に適用したときEVOHを使用した場合に比較
すれば、耐気体透過性の向上がみられるが、その程度は
なお低く、さらに悪いことには層間の接着力が乾燥剤粒
子のため著しく低下し、層間剥離が起りやすく実用に耐
えないものであつた。他方EVOHに隣接する樹脂層に乾燥
剤を配合する方法は有効な効果を発揮せしめるためには
乾燥剤を含む接着性樹脂層を厚く使用する必要があり、
経済性に難点がある。
D. 問題点を解決するための手段 本発明者らはかかる状況のもとに層間接着性が良好で、
経済性もあり高湿度下でのガスバリヤー性の良好なEVOH
を用いた多層容器について鋭意検討した結果、EVOHのマ
トリツクス中に乾燥剤粒子を微粒子状態で分散させた組
成物を中間層とし疎水性または耐水性熱可塑性樹脂を内
外層とした多層容器を射出成形により製造することによ
りこの問題を解決できることを見出した。
E. 発明のより詳細な説明 本発明にいうEVOHとはエチレンと酢酸ビニルの共重体中
の酢酸ビニル単位を加水分解したものであれば任意のも
のを含むものであるが、本発明の目的に適合するものと
して、特に、エチレン単位の含量が25〜60モル%で、酢
酸ビニル単位の鹸化度が96%以上、とりわけ99%以上の
ものが挙げられ、メルトインデツクス(190℃、2160g)
の値としては0.2〜60g/10分の範囲が例示される。ま
た、本発明にいうEVOHは5モル%以下の範囲の共重合モ
ノマーで変性されていてもよく、かかる変性用モノマー
としてはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテン、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、高
級脂肪酸ビニルエステル、アルキルビニルエーテル、N
−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド類、
あるいはその4級化物、N−ビニルイミダゾール、ある
いはその4級化物、N−ビニルピロリドン、N−n−ブ
トキシメチルアクリルアミド、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン等を例示することができる。
EVOHマトリツクスとしては、組成の異なるEVOH系樹脂を
2種以上混合使用することもできる。また本発明の効果
を損わない範囲でマトリツクス中に他の樹脂をブレンド
したり、顔料、染料等の着色剤、帯電防止剤、紫外線吸
収剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤などの添加剤を加えても
良い。
また、本発明にいう乾燥剤としては、水和物形成性の塩
類、すなわち結晶水として水分を吸収する塩類、とりわ
けリン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三
ナトリウム、リン酸三リチウム、ピロリン酸ナトリウム
等のリン酸塩、特にその無水物がその効果において本発
明に最も適しているが、そのほかの水和物形成性の塩
類、たとえばホウ酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの
塩類、特にその無水物も本発明に適しており、また、そ
のほかの吸湿性化合物、たとえば、塩化ナトリウム、硝
酸ナトリウム、砂糖、シリカゲル、ベントナイト、モレ
キユラーシーブ、高吸水性樹脂なども使用可能である。
これらは2種以上を同時に使用することもできる。
本発明において、乾燥剤はEVOHのマトリツクス中に微細
な粒子として分散されていることが必要で、乾燥剤粒子
が長径10μ以上の粒子の体面積平均径が30μ以下である
ことが必要であり、かかる微細な分散状態を形成せしめ
てはじめて従来達せられたことのない高度な耐気体透過
性の多層容器を得ることができる。このような微細な分
散状態を有する組成物は目的にあつた特殊な加工方法を
注意深く組合せることによりはじめて達成することがで
きる。
まず、乾燥剤は塩類の水溶液を噴霧乾燥などで析出せし
める時にできる限り微細な粒径のものを得るように特殊
な配慮が望ましい。これを30μ以下、好ましくは10μ以
下に分別して用いることもできるが、一般には乾燥した
塩類をジエツト粉砕機、衝撃粉砕機、ボールミルあるい
は振動ボールミルなどで超微粉砕を実施する。粉砕物は
風力分級機などの分級機を使用して、30μ以下、好まし
くは10μ以下の超微粉砕物を分別する。ここに30μ以下
という場合、30μを越える粒子が体積分率で0.1%未
満、すなわち30μ以下の微粒子が少なくとも99.9%であ
ることを意味している。この粒度測定に際しては少量の
粗粒分を濃縮するために必要に応じ前もつて10〜75μの
目のひらきのふるいにかけてそのふるい上の粗粒分をコ
ールターカウンターにより分析すれば精度高く粗粒分を
分析できる。
次に上述した乾燥剤超微粉とEVOHを混合する。混合する
方法としては乾燥剤微粒子とEVOHの粉末状物、ペレツト
状物を通常の混合機、たとえばヘンシエルミキサー、ス
ーパーミキサー、タンブラー中で混合する方法、EVOH溶
融物に乾燥剤微粒子を混合してマスターバツチをつく
り、これをEVOHの粉末状物、粒状物、ペレツト状物溶融
物に混合する方法があげられる。次にこの混合物を、EV
OHの融点以上で混練して組成物を作製する。EVOHと乾燥
剤粒子を前記のように予じめ混合することなく、EVOHと
乾燥剤粒子を直接混練機に導入して混練することもでき
る。この混練操作時に乾燥剤微粒子同志が互いに凝集し
易く、10μ以下の超微粉を使用しても、これらが凝集し
て本発明で規定する体積平均径を越える凝集体を形成す
ると、本発明の顕著な効果は得られない。したがつて本
発明においては混練操作が極めて重要である。高度な分
散を有する組成物を得るための混練機としては、連続式
インテンシブミキサー、ニーデイングタイプ二軸押出機
(同方向、あるいは異方向)などの連続型混練機が最適
であるが、バンバリーミキサー、インテンシブミキサ
ー、加圧ニーダーなどのバツチ型混練機を用いることも
できる。また別の連続混練装置としては石日のような摩
砕機構を有する回転円板を使用したもの、たとえば
(株)KCK製のKCK混練押出機を用いることもできる。混
練機として通常に使用されるものの中には、1軸押出機
に混練部(ダルメージ、CTM等)を設けたもの、あるい
はブラベンダーミキサーなどの簡易型の混練機もある
が、これらを用いたのでは、本発明で用いる優れた組成
物を得ることはかなり困難である。
この中で、本発明の目的に最も好ましいものとしては連
続型インテンシブミキサーを挙げることができる。市販
されている機種としてはFarrel社製FCM、(株)日本製
鋼所製CIMあるいは(株)神戸製鋼所製KCM、NCM、LCMあ
るいはACM等がある。
実際にはこれらの混練機の下に1軸押出機を有する、混
練と押出ペレツト化を同時に実施する装置を採用するの
が好ましい。
また、ニーデイングデイスクあるいは混練用ロータを有
する二軸混練押出機、例えば(株)日本製鋼所のTEX、W
erner & Pfleiderer社のZSK、東芝機械(株)のTEM、
池貝鉄工(株)のPCM等も本発明の混練の目的に用いら
れる。
これらの連続型二軸混練機を使用するにあたつては、ロ
ータ、デイスクの形状が重要な役割を果たす。特にミキ
シングチヤンバとロータチツプあるいはデイスクチツプ
との間隙(チツプクリアランス)は重要で狭すぎても広
すぎても本発明の良好な分散性を有する組成物は得られ
ない。チツプクリアランスとしては1〜5mmが最適であ
る。また、本発明の良好な分散性を有する組成物を得る
ためには混練機の比エネルギーとして0.1KWh/kg以上、
望ましくは0.2〜0.8KWh/kg混練することが必要であるこ
とが判明した。
比エネルギーは混練に使用されるエネルギー(消費電力
量;KW)を1時間あたりの混練処理量(kg)で除して求
められるものであり、その単位はKWh/kgである。比エネ
ルギーが通常の混練で採用される値より高い値で混練す
ることが本発明の組成物を得るためには必要であり、比
エネルギー0.1KWh/kg以上とするためには、単に混練機
の回転数をあげるだけでは不充分で混練中の組成物を冷
却(ジヤケツトなどにより)して温度を下げ粘度を上昇
させることが好ましい。粘度を低くした状態で混練した
のでは本発明の目的とする組成物を得ることがむづかし
い。したがつて混練温度は混練部の出口の排出樹脂温度
でEVOHの融点〜融点+60℃の範囲、より望ましくは融点
〜融点+40℃の範囲であることが効果的である。
また、混練機のローターの回転数は100〜1200rpm、望ま
しくは200〜1200rpm、更に望ましくは400〜1200rpmの範
囲が採用される。混練機チヤンバー内径は30mm以上、望
ましくは50〜400mm(D)の範囲のものが挙げられる。
混練部のL/Dは4〜10が好適である。また混練機はひと
つでもよいし、また2以上を連結して用いることもでき
る。
混練時間は長い方が良い結果が得られるが、EVOHの熱劣
化、変質あるいは経済性の点から10〜600秒、好適には2
0〜200秒の範囲であり、最適には20〜100秒である。
EVOHと乾燥剤の使用比率は特に制限はないが、重量比で
97:3〜50:50、とりわけ95:5〜70:30の範囲の比率が好ま
しい。
組成物中の乾燥剤粒子の粒度の測定は顕微鏡法により実
施され、通常は撮影した写真につき目視あるいは画像解
析装置により求められる。本発明においては分散粒子の
うち長径10μ以上の粒子の体面積平均径が30μ以下であ
ることが必要である。ここで長径とは各粒子の投影像を
二つの平行線ではさんだ時その最大距離を与える平行線
間距離を意味する。長径10μ以上の粒子については平均
粒子径を求める必要がある。平均粒子径の求め方には各
種の方法が知られているが、本発明の目的に適した方法
としては、長径Lとそれに直角方向の径Bの平均値Dを
もつて平均径とする方法が便利である。この方法は当業
者においてよく採用される方法の一つである。こうして
適当な測定範囲200μ×200μの中でN個の粒子について
その平均径DNを求めたとき、体面積平均径DAVは DAV=ΣDN 3/ΣDN 2 により定義される。
本発明で明らかにされたように、本組成物中の乾燥剤粒
子のうち長径10μ以上の粒子の体面積平均径がこの組成
物を層として含む多層容器の耐気体透過性に大きい影響
を与えるが、この理由は必ずしも明らかではないが粒径
が大きい粒子は吸湿効果あるいはEVOHの耐気体透過性に
特に不都合な効果を有するものと推定される。
こうして得られた組成物は内外層に他の熱可塑性樹脂を
用いた多層状態に射出して使用される。内外層に用いる
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフイン系樹脂、飽和ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステルア
ミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアセター
ル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる
が、これらの中でその効果と実用性能において本発明に
とつて特に重要なのはポリオレフイン系樹脂であり、つ
いで飽和ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂、
ポリ塩化ビニル系樹脂およびポリスチレン系樹脂も重要
である。
ポリオレフイン系樹脂としては、高密度、中密度あるい
は低密度のポリエチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エス
テル、あるいはブテン、ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテンなどのα−オレフイン類を共重合したポリエチレ
ン、アイオノマー樹脂、ポリプロピレンホモポリマー、
エチレンをグラフト共重合したポリプロピレン、あるい
はエチレン、ブテン、ヘキセン、4−メチル−1−ペン
テンなどのα−オレフイン類を共重合したポリプロピレ
ン、ポリ−1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテ
ン、あるいは上述のポリオレフインに無水マレイン酸な
どを作用させた変性ポリオレフインなどを含んでいる。
飽和ポリエステル系樹脂としては、ポリ(エチレンテレ
フタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ
(エチレンテレフタレート/イソフタレート)、ポリ
(エチレングリコール/シクロヘキサンジメタノール/
テレフタレート)などがその代表としてあげられ、さら
にこれらの重合体に共重合成分としてエチレングリコー
ル、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオールなどの
ジオール類、あるいはイソフタル酸、ベンゾフエノンジ
カルボン酸、ジフエニルスルホンジカルボン酸、ジフエ
ニルメタンジカルボン酸、プロピレンビス(フエニルカ
ルボン酸)、ジフエニルオキサイドジカルボン酸、シユ
ウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ヒメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、
ジエチルコハク酸などのジカルボン酸を含有せしめたも
のも含まれる。これらのポリエステル系樹脂には核剤と
してカーボンブラツク、グラフアイト、タルク、石こ
う、シリカ、炭酸カルシウム等の微粉、あるいは結晶化
促進剤として前述のポリオレフインを混合しても良い。
ポリアミド系樹脂としては、ポリカプラミド(ナイロン
−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−
7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポ
リウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリンラ
クタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジバ
ミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジバミ
ド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジバミド
(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド
(ナイロン−6、12)、ポリオクタメチレンアジバミド
(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジバミド(ナ
イロン−10,6)、ポリドデカメチレンセバカミド(ナイ
ロン−10,8)、あるいは、カプロラクタム/ラウリンラ
クタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペート共重合体、ラウリンラクタム/ヘ
キサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレン
ジアンモニウムセバケート共重合体、エチレンジアンモ
ニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジ
ペート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウム
セバケート共重合体、などが挙げられる。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合
体のほか、酢酸ビニル、マレイン酸誘導体、高級アルキ
ルビニルエーテルなどとの共重合体が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体の
他にブタジエンをグラフト共重合したポリスチレン、ス
チレン−ブタジエンゴムを混合したもの、あるいはスチ
レン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。本発
明で用いる熱可塑性樹脂は2種以上混合して使用するこ
ともできる。
本発明に用いる組成物を上述した他の熱可塑性樹脂を組
合せて多層容器を成形する工程において、組成物中の乾
燥剤微粒子の分散状態は本質的に変化しないことが経験
的に確認されている。
次に本発明で採用する多層射出成形方法について述べ
る。
ここで多層射出成形方法とは、複数台の射出シリンダー
を用いて1回の型締操作で多層射出する方法あるいは射
出後にブロー成形する方法を意味し、具体的には、たと
えば(1)多層射出成形、(2)多層射出ダイレクトブ
ロー成形、(3)多層射出延伸ブロー成形などである。
(1)の場合は可塑化した樹脂を同心円状の多層体とし
て直接容器金型中に多層射出成形し保圧冷却する方法
で、特公昭61−39174号、特公昭62−9007号等でそれ自
体公知である。(2)と(3)はまずパリソン(プリフ
オームという場合もある)金型内に多層射出成形して同
心円状多層有底パリソンを成形し、これをプロー金型内
に移送して圧縮空気や圧縮窒素などの圧力流体によりブ
ロー成形するものであり、(2)と(3)の相違点は
(2)はパリソンが冷却しきらずに実質的に溶融状態に
ある間に圧力流体吹込口を有するコアーごとブロー金型
内に移送しブローするのに対し、(3)は通常パリソン
を1度冷却しコアから分離して再加熱しガラス転移温度
(一般的には軟化温度)以上で融点(あるいは可塑化温
度)以下の温度に再加熱し、ブロー金型内に移送し新た
に延伸ロツドを備えた吹込コアを挿入して有底パリソン
をブロー金型内にて軸方向に延伸し、それと同時または
その後で圧力流体を吹込んでブロー成形する点で異つて
おり、物性的には(2)は樹脂の配向が殆んど生じてい
ないのに対し(3)の方はそれが生じているという相違
がある。これらは(2)については例えば特公昭58−89
71号、特表昭56−501082号、特開昭60−34819号等でそ
れ自体公知であり、(3)についても特開昭57−128520
号、特開昭60−240409号、特開昭61−152411号、特開昭
61−152412号、特開昭61−173924号、特開昭61−203332
号、特開昭61−219644号、特開昭61−235126号等でそれ
自体公知である。更に詳しく本発明の多層射出の方法の
意味について説明すると複数個の射出シリンダーを用い
て1回の型締め操作で成形する方法を意味している。こ
れに対し従来公知の方法で層の数だけ逐次大きな金型キ
ヤビテイを使用し、まず第1層用の金型キヤビテイで射
出成形を行つた後、第1層用金型キヤビテイを開き、そ
の第1次成形品をさらに大きな第2層用金型キヤビテイ
に入れて、その第2層用金型キヤビテイと第1次成形品
とのすき間に、第2層用樹脂を射出し、第1次成形品と
第2層樹脂が熱融着し、2層化した第2次成形品を得、
さらに第2次成形品より大きな金型キヤビテイを使つて
射出成形し3層化する。このような多段式の射出成形は
金型、工程、サイクル時間共多くなり、実用上重大な欠
点を有する。次に説明を単純化するため内外層に熱可塑
性樹脂Aを用い中間層に乾燥剤を分散させたEVOH(以下
EVOH組成物と記す)を用いた2種3層容器の作り方を例
として多層射出方法を説明する。多層射出装置としては
2台の射出シリンダーを有する装置を用い、まず樹脂A
をホツトランナーブロツクを通りノズル口より金型ゲー
トを通して金型内に1部1次射出し、金型内の途中まで
樹脂Aを充填し、該1次射出の途中または後で中間層と
するEVOH組成物と樹脂Aを同時または順次同心状に射出
して中間層を形成させ、EVOH組成物の射出終了後、樹脂
Aを単独射出(2次射出)して、EVOH組成物層を完全に
包み込んでしまう。ホツトランナーブロツクの構造や逐
次射出や同時射出等射出の順序や射出のタイミングなど
の組合せにより、多様な方法(たとえば特表昭56−5010
82号、特開昭60−189407号)があり、本発明は上記の例
に限定されるものではない。EVOH組成物を射出して行き
(通常は、この時樹脂Aも並行して射出しEVOH組成物を
展延させる)、最後に内外層を形成する樹脂を射出して
EVOH組成物を完全に封じ込めることが本発明で採用する
多層射出法の重要な点である。多層体の製造法としては
多層射出法以外に共押出成形法、前記の多段式射出成形
法もあるがいずれの場合も中間層を完全に内部に封じ込
むことが困難である。特にEVOH組成物を完全に内部に封
じ込めることができず、その端面が露出していると、そ
こから水分を吸収するため白化等の外観不良を生じてし
まうが、本発明の射出成形法を採用すれば、このような
外観不良を生じることがない。
このようにして得られた射出容器はさらにダイレクトブ
ローあるいは延伸ブローされることがあるが、一般にダ
イレクトブロー法は樹脂の分子の配向度が低いため、機
械的強度は高くならないが高温における寸法安定性が良
いので、高温殺菌を必要とする用途には適しており、一
方炭酸飲料容器のように耐圧、耐クリープ性が必要な用
途には延伸ブロー法が適している等である。なおダイレ
クトブローする場合は熱可塑性樹脂としてポリプロピレ
ン系樹脂が好適であり、延伸ブローする場合は飽和ポリ
エステル系樹脂が好適である。
この射出容器(パリソン)を延伸ブロー、とくに二軸延
伸ブロー成形する方法としては逐次延伸ブロー成形、あ
るいは同時延伸ブロー成形のような公知の方法を採用す
ることができる。たとえば逐次延伸ブロー成形の場合
は、パリソンの内側に押出し棒を挿入しながら、比較的
小さい圧力で流体を吹き込みながら、軸方向に延伸し、
次いで比較的大きい圧力で流体を吹き込みながら、容器
の周方向へ延伸を行なう方法などがある。また同時延伸
ブロー成形の場合には、大きい圧力で流体を吹き込みな
がら、周方向と軸方向の両軸への延伸を同時に行なうな
どがある。ブロー成形時に吹込む流体としては、空気、
窒素、加熱空気、スチーム等が使用でき、軸方向への延
伸はたとえばパリソンの口部を金型とマンドレルで挾持
し、パリソン底部の内面に延伸棒をあてがい、延伸棒を
伸張させることにより容易に行なうことができる。
縦方向には、パリソン長さの1.5倍以上、周(横)方向
には、パリソン径の2.5倍以上延伸するのがよい。特
に、横方向の延伸倍率は小さいとEVOH層の延伸が不十分
となり延伸斑が生じ易く、ボトル外観を損ねるのみなら
ず、強度も不十分なものとなる。更に横方向の延伸倍率
を3倍以上にとれば、EVOH層がポリエステル樹脂層との
共延伸であるため、延伸性がより向上するので、パイプ
中のEVOH層に局部的な厚み斑異常などが無ければ、均一
延伸が可能となり、外観を悪化させ、商品価値を低下さ
せるスジの発生がなくなる。横延伸倍率の好適範囲は、
2.5〜5倍である。また縦延伸倍率の好適範囲は1.5〜5
倍、全体の延伸倍率(横延伸倍率×縦延伸倍率)は5〜
20倍、好適には5〜15倍である。
二軸延伸ブロー成形のためのパリソンの加熱温度は、75
℃〜130℃の範囲で選ぶことが出来るが、ボトルの外観
のより優れたものを得るには80〜125℃の範囲が好まし
い。
なお本発明の多層射出容器を得るにあたつてはEVOH組成
物層と熱可塑性樹脂層の間に層間接着性樹脂を設けるこ
ともできる。層間接着性樹脂としてはとくに制限される
ものではないが、熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸エステル共重合体など)をエチレン性不飽和
カルボン酸またはその無水物(無水マレイン酸など)で
変性(付加、グラフトなど)したもの、さらには特開昭
59−115327号に記載のアルミニウム元素およびモノカル
ボン酸の結合したポリエステルが代表的なものとしてあ
げられる。
本発明の多層容器においてはEVOHの層中に高度な分散状
態の乾燥剤微粒子を含むことが特徴であるが、EVOH層以
外の層(例えば接着性樹脂層)に乾燥剤を含有していて
も良い。
本発明の多層容器は、高湿度下における耐気体透過性、
とりわけレトルト処理を実施したときの耐気体透過性性
が従来知られているプラスチツク素材とは比較にならな
いほど高度であることから容易に区別しうるものであ
る。レトルト処理は、通常レトルト釜と称されるオート
クレーブ中に、食品を充填した容器を入れ120℃で実施
される。処理時間は食品の種類などにより異なり、20分
で充分なものもあり、長い場合には120分間の処理が必
要なものもある。また、常圧の煮沸水中で殺菌するいわ
ゆるボイル殺菌を実施する食品容器に対しても、本発明
の多層容器は極めて有用である。
また、本発明の多層容器はレトルト処理あるいはボイル
処理を実施しない用途においても高度な耐気体透過性を
示すことが確認されている。とくに内外層がポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のように透湿性が
高い樹脂である場合、あるいはポリエチレン、ポリプロ
ピレンのように透湿性が低い樹脂の場合でも多層容器内
(あるいは容器外)の水分が内外層を透過してEVOHの耐
気体透過性を低下させる傾向があるが、本発明に用いる
組成物を含む多層容器においては耐気体透過性保持効果
が高く、食品保存期間を顕著に長くすることができその
工業的意義は大きい。
次に本発明における容器の層構成であるが、熱可塑性樹
脂をA、EVOH組成物層をB、接着性樹脂層をCとする
と、 (1) A/B/A (2) A/C/B/C/A (3) A/B/A/B/A (4) A/C/B/C/A/C/B/C/A などの層構成が例示されるがこれに限定はされない。以
下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、部は重量部を意
味している。
F. 実施例 実施例1及び比較例1 無水リン酸二ナトリウム粉末の超微粉砕と分級を、ジエ
ツト粉砕機(ホソカワミクロン(株)製ミクロンジエツ
トMJ−3型)および風力分級機(同社製ミクロンセパレ
ーター)を使用して実施した。メタノールを分散媒とし
て原料粉体粒子を拡大鏡で観察したところ、500μ以上
の粒子を多数含む事が確認され、コールターカウンター
による平均粒子径(メジアン径)は86μであつた。同様
に、微粉砕を実施した後の微粉末の最大粒径(コールタ
ーカウンターによる)は13μ、メジアン径は6.4μであ
つた。(粒径が13μを超える粒子は体積分率で0.1%未
満である。) この無水リン酸二ナトリウム微粉末20部と、EVOH〔エチ
レン単位の含量32モル%、190℃、荷重2160gのメルトフ
ローインデツクス5.1g/10分、融点181℃{DSC(スキヤ
ニングスピード)10℃/分による主吸熱ピーク温度}〕
80部を予備混合後高速混合を実施して混合体を得た。
しかる後に、ミキシングチヤンバの内径=54mm(D)、
L/D=5.8(1st stage)、L/D=4.2(2nd stage)で、ミ
キシングロータを二段有し、二個のロータ間で脱気機構
を有する2段2軸異方向連続混練機{(株)神戸製鋼所
製LCM−50}とこれに連結させた一軸押出機を使用して
混練押出ペレツト化を実施して組成物のペレツトを得た
(これを組成物1とする)。この時採用したミキシング
ロータはミキシングチヤンバとのチツプクリアランスが
3mmのものであり、混練温度(出口温度)は206℃〜220
℃、混練時間30〜40秒、ロータ回転数530〜650rpmおよ
び比エネルギーは0.3〜0.6KWh/kgの範囲で実施した。こ
の組成物の190℃、荷重2160gでのメルトフローインデツ
クスは4.4g/10分であつた(これを組成物1とする)。
得られたペレツトを220℃の熱プレス機を用いて、厚さ
および100μの薄膜を得た。光学顕微鏡によりこの薄膜
中の粉体の分散状態を観察した。焦点深度を向上させる
ため顕微鏡の拡大倍率を小さ目の50倍とし写真の引き伸
ばし倍率を15倍として拡大倍率800倍の写真を得た。容
器の壁の位置の異なる10点の試料につきそれぞれ200μ
×200μの領域の長径10μ以上の粒子について平均径を
測定し、体面積平均径を算出したところ17.6μであつ
た。
上記組成物1を中間層とし、固有粘度(フエノール50重
量%とテトラクロルエタン50重量%の混合溶剤に溶解
し、温度30℃にて測定)〔η〕が0.75のポリエチレンテ
レフタレート樹脂(以下PETと略記)を内外層とした
内容積700mlの多層延伸ブロー容器を多層射出成形し
た。即ち、2本の射出シリンダーA,Bを有する多層射出
成形装置を用いPETをバレル温度285℃のシリンダーA
(内径38mm)に仕込み、組成物1をバレル温度240℃の
シリンダーB(内径16mm)に仕込んだ。次いで280℃に
設定したホツトランナーを経てノズル口より金型ゲート
を通して、まずPETを温度20℃に設定したパリソンキ
ヤビテイーに1部射出し、射出開始1.2秒後PETの射出
を0.1秒間中断すると同時に組成物1を前記ホツトラン
ナーを経てノズル口より、前記金型ゲートを通じて前記
パリソンキヤビテイに同心円状に射出した。PETは0.1
秒間の射出中断後は再度EVOH組成物1と共に射出を続け
る。このとき射出するPETの樹脂量を同時に射出する
組成物1の樹脂量より多く設定することにより組成物1
の流動する先端がPETの流動先端により最終的に包み
込まれるようにしてキヤビテイ中に充填していく。次い
で組成物1の射出を停止したのち、やや遅れてPETの
射出を停止しパリソンキヤビテイ内に樹脂を完全に満た
すことにより、組成物1をPETで完全に包み込むこと
ができた。全射出時間は2.8秒であつた。保圧冷却後、
金型を開いて得られた多層パリソンを温調ポツトに移
し、多層パリソンを110℃に温調し、次いで該温調され
た多層パリソンをブロー金型に移し、延伸ロツドにより
軸方向に2倍延伸し、同時に約10kg/cm2の加圧空気によ
り周状方向に3倍延伸して金型形状に添わせ、冷却後、
取り出し目付重量26g、容量700mlの容器を製造した。
得られた多層延伸ブロー容器の胴部周状側壁の総厚は30
0μ、層構成は内層PET(160μ)/中間層組成物1(4
0μ)/外層PET(100μ)であつた(実施例1)。同
時にEVOH組成物1の代りにEVOH単独樹脂(エチレン単位
の含量32モル%、190℃、荷重2160gのメルトフローイン
デツクス5.1g/10分)を用いてほぼ同様にして多層容器
を作製し比較した(比較例1)。
この容器の胴部周状側壁の総厚は300μ、層構成は、内
層PET(160μ)/中間層EVOH(40μ)/外層PET(1
00μ)であつた。
次に、ボトルに炭酸ガスを含む水を充填し、炭酸ガスの
透過性の経時変化を測定した結果を第1表に示す。
評価方法 炭酸ガス透過量 容器内に20℃で4気圧の蒸気圧をもつ飽和炭酸ガス水を
充填して、密栓し、該容器を密閉した箱に収納、65%RH
に調湿した窒素ガスで箱内をパージし、容器壁を通して
透過した炭酸ガスをModern Controls社製Permatran C−
IV炭酸ガス透過性測定装置にて検出し容器内の炭酸ガス
が15%ロスするまでの日数を測定した。(n=2の平
均)結果を第1表に示す。
上表より本発明の容器は保存性が改良されていることが
わかる。
実施例2及び比較例2 A、B、C3本の射出シリンダーを有する多層射出装置を
用い、シリンダーAにはポリプロピレン(230℃、荷重2
160gでのメルトフローインデツクス=7.0、23℃の比重
=0.91)を仕込み、シリンダーBには無水マレイン酸グ
ラフト変性ポリプロピレン(無水マレイン酸変性量=0.
01モル%、230℃、荷重2160gでのメルトフローインデツ
クス=7.0、23℃の比重=0.91)を仕込み、シリンダー
Cには実施例1で作成した組成物1を仕込んだ。
成形金型として4ケ取りのカツプ用金型(カツプの開口
部72mm、底部直径65mm、高さ35mm壁面の厚み285μ)を
取付け20℃に温度設定し、AシリンダーとBシリンダー
のバレル温度は240℃、Cシリンダーのそれは220℃に設
定した。
まずAシリンダーから240℃に設定したホツトランナー
ブロツク、ゲートを経て金型容量の85%を満たすように
ポリプロピレンを射出し次にシリンダーBから変性ポリ
プロピレンを同様に金型容量の7.5%だけ射出し、つい
でシリンダーCから、同様に金型容量の7.5%だけ組成
物1を射出し、最後に再びシリンダーAからポリプロピ
レンを少量射出して底部外層をポリプロピレンで閉塞
し、保圧及び冷却後金型を開き、4ケの多層カツプ状容
器を取り出した。容器壁断面の層構成は、 外から、PP225μ/変性PP20μ/組成物140μ/変性PP20
μ/PP225μ総厚み=530μ であつた。
次に組成物1の代りにEVOH(エチレン含量32モル%、19
0℃、荷重2160gでのメルトフローインデツクス5.1g/10
分)を用いた以外はほぼ同様にして多層射出し、カツプ
を作製した(比較例2)。
側壁断面の層構成は外からPP225μ/変性PP20μ/EVOH40
μ/変性PP20μ/PP225μであつた。この容器をアルミ箔
入の蓋体でヒートシールし、レトルト釜中120℃で30
分、60分、120分の3種類の長さでスチーム加熱した
後、取り出してカツプ内部に水を入れた状態で酸素ガス
透過量測定装置にカツプの開口部を接続して酸素透過速
度を測定した。結果を第2表に示した。レトルト後の酸
素透過速度はレトルトしていない容器の酸素透過速度の
値の3倍以下程度であり、耐気体透過性は食品の保存に
充分な程度に良好である。
酸素透過速度の測定はModern Controls社製のOX−TRAN
100型酸素透過性測定装置を用いて、20℃で内部100%R
H、外部65%RHの条件で測定した。
実施例3 3個の射出シリンダーを有する多層射出成形機を用い
て、開口部が65mm、高さが65mmの逆円錘型を有する金型
内に3種の樹脂を射出し、ポリプロピレン/接着性樹脂
/組成物/接着性樹脂/ポリプロピレンの5層構成を有
するパリソンを形成させた。ここで使用したポリプロピ
レンは宇部興産(株)製E−103Dで接着性樹脂は三井石
油化学工業(株)製アドマーQB530であり、組成物は実
施例1で示した乾燥剤微粒子を含むEVOH(組成物1)で
ある。このパリソンをダイレクトブロー成形を実施し
て、開口部65mm、高さ70mmのほぼ円筒形の容器を作製し
た。構成厚みは300/8/45/8/300μであつた。金属製のふ
たを用いてこの容器に水を入れ端部の二重巻き締めを実
施した後、レトルト釜中120℃で30分、60分120分の3種
類の長さで実施した後、カツプ内部に水を入れた状態で
容器のふた部分にパイプを2本とりつけ、これを酸素ガ
ス透過量測定装置に接続して酸素ガス透過量を測定し
た。結果を第3表に示した。
レトルトする前の容器の一部を切り取り、キシレン中12
0℃で加熱してポリプロピレンと接着性樹脂を溶かし出
し、容器中の組成物のフイルムを得た。光学顕微鏡によ
りこのフイルム中の粉体の分散状態を観察した。容器の
壁の位置の異なる10点の試料につきそれぞれ200μ×200
μの領域の長径10μ以上の粒子について平均径を測定
し、体面積平均径を算出したところ17.5μであつた。
実施例4 実施例3において、2個の射出シリンダーを有する多層
射出成形機を用いてポリプロピレン/実施例1の組成物
1/ポリプロピレンの3層構成を有するパリソンとした他
は実施例3と同様の成形方法を実施し、厚み構成が300/
45/300μの容器を作製した。この容器についても金属製
のふたをとりつけ、レトルト後酸素透過量を測定した。
結果を第3表に示した。
比較例3,4、実施例5 実施例3で、組成物に替えて、EVOH(エチレン単位の含
有量33モル%、190℃のメルトフローインデツクス5.1g/
10分)を使用した他は同様の方法で構成厚みが300/45/4
5/45/300μの容器を作成した(比較例3)。
また、比較例3において接着性樹脂に替えて、乾燥剤
(リン酸二ナトリウム)微粉末を10重量%含有する接着
性樹脂(アドマーQB530)を使用した他は比較例2と同
じ厚み構成の容器を得た(比較例4)。
比較例3,4の容器を実施例3の容器と同様に金属製のふ
たをとり付け、レトルト後酸素透過量を測定した。結果
を第3表に合わせて示した。
比較例3と4に対し、実施例3と4の容器のレトルト後
の酸素透過量は低く、保存性に優れている。
G. 発明の効果 本発明の方法を使用して得た多層容器は、レトルト処理
が必要な場合にも吸水によるEVOH層のバリヤー性の低下
がみられずレトルト処理を要しない場合にはEVOH層を薄
くしても内容物の長期保存性を有し、層間接着性も良好
で、また射出成形であるため屑の発生が殆んどなくこの
点でも経済的であり、その工業的意義は大きい。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内外層として熱可塑性樹脂層、および中間
    層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体のマトリ
    ツクス中に乾燥剤粒子が分散された層を少なくとも1層
    含む多層容器を製造するにあたり、複数台の射出シリン
    ダーを用いて1回の型締操作で多層射出成形する工程を
    含むことを特徴とする多層容器の製造法。
  2. 【請求項2】エチレン−ビニルアルコール共重合体のマ
    トリツクス中に分散された乾燥剤粒子のうち長径10μ以
    上の粒子の体面積平均径が30μ以下であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の多層容器の製造法。
  3. 【請求項3】多層射出工程の後にブロー成形工程を含む
    特許請求の範囲第1項または第2項記載の多層容器の製
    造法。
  4. 【請求項4】多層射出工程の後に延伸ブロー成形工程を
    含む特許請求の範囲第1項または第2項記載の多層容器
    の製造法。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂であ
    る特許請求の範囲第1項、第2項または第3項記載の多
    層容器の製造法。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂が飽和ポリエステル系樹脂で
    ある特許請求の範囲第1項、第2項または第4項記載の
    多層容器の製造法。
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