JPH0744981Y2 - 焦電型赤外線検出器 - Google Patents
焦電型赤外線検出器Info
- Publication number
- JPH0744981Y2 JPH0744981Y2 JP483290U JP483290U JPH0744981Y2 JP H0744981 Y2 JPH0744981 Y2 JP H0744981Y2 JP 483290 U JP483290 U JP 483290U JP 483290 U JP483290 U JP 483290U JP H0744981 Y2 JPH0744981 Y2 JP H0744981Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pyroelectric
- pyroelectric element
- infrared detector
- pyroelectric infrared
- alumina substrate
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- Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
- Radiation Pyrometers (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、焦電素子の固定構造を改良した焦電型赤外線
検出器に関する。
検出器に関する。
焦電体は、赤外放射エネルギーを吸収して分極変化に伴
う表面電荷を生じることから赤外線センサーとして利用
されており、焦電材料としてチタン酸ジルコン酸鉛系
(PZT系)の磁器が広く用いられている。
う表面電荷を生じることから赤外線センサーとして利用
されており、焦電材料としてチタン酸ジルコン酸鉛系
(PZT系)の磁器が広く用いられている。
このPZT系材料からなる焦電素子を焦電型赤外線検出器
として放射温度計のような温度計測器にセットする場合
には、第3図および第4図に示したように受光面と裏面
との両面に電極膜1を蒸着した焦電素子2を中心部に穴
を設けたディスク状アルミナ基板3の面に重ね、焦電素
子2の対向周縁部を導電性接着剤4により固着する固定
構造が採られている。ところが、前記の構成による焦電
素子の固定構造では、測温時に焦電素子2が第5図に示
すように反りや歪みを起こす変形現象が発生する。この
原因は、焦電素子2の熱膨張特性(PZTの熱膨張係数と
して4〜10×10-3/℃)とアルミナ基板3の熱膨張特性
(熱膨張係数6〜9×10-6/℃)との間に極端な差異が
あるためであり、この差は5mm角の焦電素子を例にとっ
た場合に10℃の温度変化で素子だけが500μm伸びるこ
とに相当する。
として放射温度計のような温度計測器にセットする場合
には、第3図および第4図に示したように受光面と裏面
との両面に電極膜1を蒸着した焦電素子2を中心部に穴
を設けたディスク状アルミナ基板3の面に重ね、焦電素
子2の対向周縁部を導電性接着剤4により固着する固定
構造が採られている。ところが、前記の構成による焦電
素子の固定構造では、測温時に焦電素子2が第5図に示
すように反りや歪みを起こす変形現象が発生する。この
原因は、焦電素子2の熱膨張特性(PZTの熱膨張係数と
して4〜10×10-3/℃)とアルミナ基板3の熱膨張特性
(熱膨張係数6〜9×10-6/℃)との間に極端な差異が
あるためであり、この差は5mm角の焦電素子を例にとっ
た場合に10℃の温度変化で素子だけが500μm伸びるこ
とに相当する。
PZT系の焦電素子に応力が掛かると、その比誘電率(ε
r)に変動を生じることが確認されている。一方焦電型
赤外線検出器の電圧感度は次式(1)により焦電素子の
比誘電率(εr)に、また検出能(D)は次式(2)に
より焦電素子のεr1/2に依存することになる。
r)に変動を生じることが確認されている。一方焦電型
赤外線検出器の電圧感度は次式(1)により焦電素子の
比誘電率(εr)に、また検出能(D)は次式(2)に
より焦電素子のεr1/2に依存することになる。
但し、上式において、Rvは電圧感度、ηは輻射率、γは
焦電係数、Aは受光面積、ωは角周波数、ρは密度、ε
0は真空の誘電率、εrは比誘電率、cは質量比熱、κ
は熱伝導率、tan δは誘電損失、dは厚み、D*は規格化
検出能、Tは温度である。
焦電係数、Aは受光面積、ωは角周波数、ρは密度、ε
0は真空の誘電率、εrは比誘電率、cは質量比熱、κ
は熱伝導率、tan δは誘電損失、dは厚み、D*は規格化
検出能、Tは温度である。
このような関係から、従来の焦電型赤外線検出器構造に
おいて焦電素子に応力が掛かった場合(第5図)には、
高精度の温度計測をおこなうことが不可能であった。
おいて焦電素子に応力が掛かった場合(第5図)には、
高精度の温度計測をおこなうことが不可能であった。
上記の問題点を解消するために、支持体を焦電素子と同
一または近似する熱膨張係数の材料で構成することによ
ってノイズ等の発生を防止した焦電型赤外線検出器が提
案されている(特開昭57-113331号公報、同58-82136号
公報、同60-63426号公報)。
一または近似する熱膨張係数の材料で構成することによ
ってノイズ等の発生を防止した焦電型赤外線検出器が提
案されている(特開昭57-113331号公報、同58-82136号
公報、同60-63426号公報)。
しかしながら、焦電素子と支持体との熱膨張係数を同一
または近似する材料で構成するには材質的な制約があ
り、とくに高温環境で測温する機器においては材質選択
が困難となる。
または近似する材料で構成するには材質的な制約があ
り、とくに高温環境で測温する機器においては材質選択
が困難となる。
本考案の目的は、熱膨張特性の異なるPZT系の焦電素子
をアルミナ基板の支持体に設置する構造において、焦電
素子に応力が掛かることのない固定化構造を備える焦電
型赤外線検出器を提供するところにある。
をアルミナ基板の支持体に設置する構造において、焦電
素子に応力が掛かることのない固定化構造を備える焦電
型赤外線検出器を提供するところにある。
上記の目的を達成するための本考案による焦電型赤外線
検出器は、中心穴を有するディスク状アルミナ基板の面
に蒸着電極膜が両面に形成されたPZT系の焦電素子を設
置する検出器構造において、前記焦電素子の一点が導電
性接着剤で固定され、該固定点の対角位置が弾性のある
絶縁性接着剤を介して接着された固定構造を備えること
を構成上の特徴とするものである。
検出器は、中心穴を有するディスク状アルミナ基板の面
に蒸着電極膜が両面に形成されたPZT系の焦電素子を設
置する検出器構造において、前記焦電素子の一点が導電
性接着剤で固定され、該固定点の対角位置が弾性のある
絶縁性接着剤を介して接着された固定構造を備えること
を構成上の特徴とするものである。
本考案による固定構造によれば、焦電素子の一点のみが
アルミナ基板面に固定されており、その他の支持は前記
固定点の対角位置において弾性のある絶縁性接着剤を介
してなされているため、測温条件の変化に伴って生じる
焦電素子の熱膨張による伸びは絶縁性接着剤の弾力変動
により円滑に吸収される。したがって、高温環境の測温
中でも焦電素子に反り、歪み等が発生せず、応力が掛か
ることはないから、常に高精度の温度計測が可能とな
る。
アルミナ基板面に固定されており、その他の支持は前記
固定点の対角位置において弾性のある絶縁性接着剤を介
してなされているため、測温条件の変化に伴って生じる
焦電素子の熱膨張による伸びは絶縁性接着剤の弾力変動
により円滑に吸収される。したがって、高温環境の測温
中でも焦電素子に反り、歪み等が発生せず、応力が掛か
ることはないから、常に高精度の温度計測が可能とな
る。
以下、本考案を第1図および第2図に基づいて詳細に説
明する。なお、第3〜5図と同一部材には同一の符号を
付した。
明する。なお、第3〜5図と同一部材には同一の符号を
付した。
第1図は本考案による焦電型赤外線検出器を示した正面
図、第2図は第1図のA−A′線に沿う断面図で、2は
PZT系の焦電素子、3はアルミナ基板である。焦電素子
2は、薄板状(3mm角)に加工された分極済のチタン酸
ジルコン酸鉛系磁器組成物の受光面と裏面に蒸着電極膜
1(直径2mm)を被着して形成されており、アルミナ基
板3は中心穴および結線に必要な小孔を設けたディスク
形状に加工されている。
図、第2図は第1図のA−A′線に沿う断面図で、2は
PZT系の焦電素子、3はアルミナ基板である。焦電素子
2は、薄板状(3mm角)に加工された分極済のチタン酸
ジルコン酸鉛系磁器組成物の受光面と裏面に蒸着電極膜
1(直径2mm)を被着して形成されており、アルミナ基
板3は中心穴および結線に必要な小孔を設けたディスク
形状に加工されている。
前記焦電素子2はアルミナ基板3の面に角の一点が導電
性接着剤4により接着固定されており、この導電接着剤
4の固定点と対角位置の角は弾性のある絶縁性接着剤5
を介して接着され支持されている。導電性接着剤4には
例えば銀粉をブレンドした接着性樹脂からなる銀ペース
トを用いられ蒸着電極膜1に接触するように接着され
る。また弾性のある絶縁性接着剤5としては、シリコン
樹脂が有効に適用される。この際の接着固定は、焦電素
子2がアルミナ基板3の面より若干(100〜200μm程
度)間隔を置いた支持状態とする。
性接着剤4により接着固定されており、この導電接着剤
4の固定点と対角位置の角は弾性のある絶縁性接着剤5
を介して接着され支持されている。導電性接着剤4には
例えば銀粉をブレンドした接着性樹脂からなる銀ペース
トを用いられ蒸着電極膜1に接触するように接着され
る。また弾性のある絶縁性接着剤5としては、シリコン
樹脂が有効に適用される。この際の接着固定は、焦電素
子2がアルミナ基板3の面より若干(100〜200μm程
度)間隔を置いた支持状態とする。
導電性接着剤4の固定部分および裏面の蒸着電極膜1に
はそれぞれ銅のリード線が結着されて孔部から引き出さ
れている。
はそれぞれ銅のリード線が結着されて孔部から引き出さ
れている。
上記の固定構造を有する焦電赤外線検出器を放射温度計
にセットし、非接着状態で1000℃以上の温度を測定した
ところ、焦電素子の応力による比誘電率の変動は全く認
められず、安定した感度および検出能で高精度の測温が
できた。
にセットし、非接着状態で1000℃以上の温度を測定した
ところ、焦電素子の応力による比誘電率の変動は全く認
められず、安定した感度および検出能で高精度の測温が
できた。
以上のとおり、本考案によればPZT系焦電素子とアルミ
ナ基板を部材として素子に応力が偏らない改良された固
定構造による焦電型赤外線検出器を提供することができ
る。したがって、放射温度計などにセットして常に安定
した高精度の測温操作が保証される。
ナ基板を部材として素子に応力が偏らない改良された固
定構造による焦電型赤外線検出器を提供することができ
る。したがって、放射温度計などにセットして常に安定
した高精度の測温操作が保証される。
第1図は本考案に係る焦電型赤外線検出器の固定構造を
示した平面図、第2図は第1図のA−A′線に沿う断面
図、第3図は従来の固定構造を示した平面図、第4図は
第3図の断面図、第5図は従来の固定構造において焦電
素子の変形状態を示した断面図である。 1……蒸着電極膜、2……焦電素子 3……アルミナ基板、4……導電性接着剤 5……弾性をもつ絶縁性接着剤 6……リード線
示した平面図、第2図は第1図のA−A′線に沿う断面
図、第3図は従来の固定構造を示した平面図、第4図は
第3図の断面図、第5図は従来の固定構造において焦電
素子の変形状態を示した断面図である。 1……蒸着電極膜、2……焦電素子 3……アルミナ基板、4……導電性接着剤 5……弾性をもつ絶縁性接着剤 6……リード線
Claims (1)
- 【請求項1】中心穴を有するディスク状アルミナ基板の
面に蒸着電極膜が両面に形成されたPZT系の焦電素子を
設置する検出器構造において、前記焦電素子の一点が導
電性接着剤で固定され、該固定点の対角位置が弾性のあ
る絶縁性接着剤を介して接着された固定構造を備える焦
電型赤外線検出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP483290U JPH0744981Y2 (ja) | 1990-01-23 | 1990-01-23 | 焦電型赤外線検出器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP483290U JPH0744981Y2 (ja) | 1990-01-23 | 1990-01-23 | 焦電型赤外線検出器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0395933U JPH0395933U (ja) | 1991-09-30 |
JPH0744981Y2 true JPH0744981Y2 (ja) | 1995-10-11 |
Family
ID=31508562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP483290U Expired - Lifetime JPH0744981Y2 (ja) | 1990-01-23 | 1990-01-23 | 焦電型赤外線検出器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0744981Y2 (ja) |
-
1990
- 1990-01-23 JP JP483290U patent/JPH0744981Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0395933U (ja) | 1991-09-30 |
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