JPH0744753U - 金型等の表面硬化金属製品 - Google Patents

金型等の表面硬化金属製品

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JPH0744753U
JPH0744753U JP006335U JP633595U JPH0744753U JP H0744753 U JPH0744753 U JP H0744753U JP 006335 U JP006335 U JP 006335U JP 633595 U JP633595 U JP 633595U JP H0744753 U JPH0744753 U JP H0744753U
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nickel alloy
mold
metal products
plating
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JP006335U
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恭伸 秋本
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恭伸 秋本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】寸法や形状精度が良好で表面の均一性を良好に
保されつつしかも耐摩耗性が極めて良く、大型、複雑形
状も長期に渡って高精度に成形することができるモジュ
ールパッケージ用金型などの金属製品を提供する。 【構成】母地の表面に無電解複合ニッケルめっき法によ
るニッケル合金層を有し、かつ該ニッケル合金層の所要
部分のみにレーザー光線の照射による体心立方晶焼き入
れ硬化層を形成した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はモジュールパッケージ成形金型で代表される金型等表面硬化金属製品 に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその技術的課題】
最近の半導体モジュールのパッケージ材は、主たる材種に硬度の高いプラスチ ックを用いたり、添加剤としてシリカ等を混入することにより、半導体のリード フレームと樹脂の密着性を向上させ、また、生産性向上のためショット数を増加 させる傾向にある。 これに対応して、これらモジュールパッケージ成形用金型には、SKD−11 やSKS−3等の鋼材に硬質クロムめっきを3〜5μmの厚さで施すことが行わ れているが、寸法精度の要求が一段と高くなり、また、樹脂の硬度が高くなって きたため、硬質クロームメッキを施しても短期間で摩耗が生じて、リードフレー ム上に樹脂バリが発生したり、樹脂ロスが大きくなるなどの問題が生じていた。 この対策としては、金属製品成形用の金型にニッケルめっき処理を施し、この めっき済み金型を加熱炉にて熱処理することも考えられるが、硬化を要しない部 分を含む全体か硬化するため、熱歪により寸法、形状精度が損なわれ、また金型 全体を装入しうるボリューム大きな熱処理炉を必要とするため、設備コスト、処 理コストが非常に高くなるという問題があり、実用性が乏しかった。
【0003】
【考案が解決しようする問題点】
本考案は上記した従来の問題点を解決するために研究して考案されたもので、 その目的とするところは、寸法や形状精度が良好で表面の均一性を良好に保され つつしかも耐摩耗性が極めて良く、大型、複雑形状も長期に渡って高精度に成形 することができるモジュールパッケージ用金型などの金属製品を提供することに ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本考案は、母地の表面に無電解複合ニッケルめっき法 によるニッケル合金層を有し、かつ該ニッケル合金層の所要部分のみにレーザー 光線の照射による体心立方晶焼き入れ硬化層を形成した構成としたものである。
【0005】
【作用】
本考案は母地金属に無電解複合ニッケルめっきによるニッケル合金層を形成し ているため、表面の均一性を向上することができる。しかもそのニッケル合金層 の所要部分のみにレーザー光線の照射による体心立方晶焼き入れ硬化層を形成し ている。すなわち、ニッケル合金層の結晶を、レーザービームの必要最小限度の 照射により、耐摩耗性の必要な個所だけ体心正方晶になるようにヒートアップす るので、金型などの形状や寸法を問わず、要部だけを確実に硬化させることがで きる。 体心立方晶を得る温度は400℃程度までで十分であり、この温度は表面を溶 融するような大エネルギーではなく、従って、レーザー出力は小さくて済み、か つビームを照射する部分以外は無電解複合ニッケルめっきによるニッケル合金層 のままの状態が維持されるため、形状、寸法精度が損なわれず、無電解複合ニッ ケルめっきによる良好な均一性を保持させることができる。
【0006】 以下本考案を添付図面に基いて説明する。 4は金属製品の母材金属であり、この実施例では半導体モジュールパッケージ 用金型やその部品(以下単に金型と称す)の母材金属である。5は前記母材金属 4に施されたニッケル合金層であり、無電解複合ニッケルめっき法により所要厚 みに形成されたものである。 前記無電解複合ニッケルめっき法は、対象とする金型を脱脂、洗浄等の前処理 後、無電解複合ニッケルめっき浴を使用して行えば良い。 3は前記金型の局部ことに摩耗しやすい所要部分のニッケル合金層5に設けら れた体心立方晶からなる焼き入れ硬化層である。金型の局部ことに摩耗しやすい 所要部分は、代表的にはキャビテイ部分であり、この部分のニッケル合金層5に 体心立方晶からなる焼き入れ硬化層3を形成するのが本考案の特徴である。
【0007】 前記体心立方晶からなる焼き入れ硬化層5は、前記めっき処理を施した金型を 適宜活性化処理などの表面調整した後、テーブルや治具類に取付け、所要範囲の ニッケル合金層5のめっき表面2にアルゴン式など任意のレーザーガンを対峙さ せ、所定の出力、送り速度でレーザー光線1を第1図の矢印ように照射し、当該 範囲のニッケル合金層だけを体心立方晶となる温度、すなわち通常400℃程度 まで加熱することにより得られたものである。
【0008】 無電解複合ニッケルめっき処理後の硬化法として、めっき処理物を加熱炉に装 入し、めっき膜中のニッケルを400℃付近までに加熱してNi3Pに結晶変化 させる手法も考えられるが、この方法では、硬化を要しない部位を含む製品全体 が硬化する。そのため、熱歪みにより寸法、形状精度が損なわれたり、金型の一 部だけを効率良く硬化することができず、また、金型全体を装入し得るボリュー ムの熱処理炉を必要とするため、大型金型の要部を経済的に硬化処理することが できず、設備コスト、熱エネルギーのロスが大きくなるという問題がある。 本考案の場合はこのような問題が全くないというメリットがある。すなわち、 金型のニッケル合金層の結晶をレーザービームの必要最小限度の照射により、耐 摩耗性の必要な個所だけ体心正方晶になるようにヒートアップするので、金型の 形状や寸法を問わず、要部だけを確実に硬化させることができ、体心立方晶を得 る温度は400℃程度までで十分であり、この温度は表面を溶融するような大エ ネルギーではなく、従って、レーザー出力は小さくて済み、かつビームを照射す る部分以外は無電解複合ニッケルめっきによるニッケル合金層5のままの状態が 維持される。このため金型にとって重要な形状、寸法精度が損なわれず、無電解 複合ニッケルめっきによる良好な均一性を保持させることができる。
【0009】
【実施例】
次に本考案の実施例を示す。 本考案を適用して半導体モジュールパッケージ用金型を得た。 対象金型は、材質SKS−3、寸法90×250×35mmである。 機械加工して得た上記金型を以下のような行程で処理した。 I.脱脂処理 中性洗剤 40℃×5min II.無電解複合ニッケルめっき 成分組成: NiCl2 0.126mol/l マロン酸 0.378mol/l ジエチルアミンボラン 0.06mol/l TiNO3 70ml/l 酸性度:pH6 浴温度:70℃ 処理時間:30min III.表面調整 活性化処理 IV.レーザー照射 照射範囲:上記製品のキャビテイ部分(10×20mm) レーザー出力:1KW 送り速度:10mm/sec 硬化深さ:0.005mm V.以上の行程で処理した製品のレーザー照射部の硬度はHv1300、非照射 部のそれはHv400で、硬質クロムめっきの硬度Hv800より高い硬度を 示した。比較のため、無電解複合ニッケルめっき後、熱処理炉で400℃で加 熱焼き入れしたものは硬度Hv800であった。
【0010】 得られた金型を用いて成形を行った結果を示すと下記のごとくである。 a.硬質めっきによる場合 めっき剥離ショット数(ランナー部):500〜600回 樹脂バリ発生ショット数:50000回 b.本考案の場合 めっき剥離ショット数(ランナー部):1300〜4000回 樹脂バリ発生ショット数:100000回 c.加熱炉装入焼き入れの場合 めっき剥離ショット数(ランナー部):0回 樹脂バリ発生ショット数:0回 以上の結果から明らかなように、本考案は、表面の均一性と精度に優れている ため樹脂バリが発生しにくく、耐久性が非常に優れていることがわかる。加熱炉 焼き入れでは、寸法変化を起し、使用不可能であった。
【0011】 なお、本考案は、半導体モジュールパッケージ用金型に好適であるほか、耐摩 耗性を必要とする電子計算機の磁気ディスクのNi−Co−Pめっきの処理、あ るいはその上の保護層としての無電解Ni−B−Pめっきの処理等に適用しても 同様の効果が得られる。
【0012】
【考案の効果】
以上説明した本考案によれば、母地の表面に無電解複合ニッケルめっき法によ るニッケル合金層を有し、かつ該ニッケル合金層の所要部分のみにレーザー光線 の照射による体心立方晶焼き入れ硬化層を形成したため、半導体モジュールパッ ケージ用金型で代表される金型などの高い精度の要求される無電解複合ニッケル めっき金属製品の形状、寸法を良好に保ちつつ、キャビティなど摩耗しやすい部 分だけを大幅に耐摩耗性を向上させることができ、しかも、大型の加熱炉や熱源 を要さないうえに、レーザーの出力も比較的小さくて足りるため、経済的に実現 することができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による金型等の表面硬化金属製品を模式
的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 レーザー光 3 体心立方晶焼き入れ硬化層 4 母地金属 5 ニッケル合金層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/56 T

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】母地の表面に無電解複合ニッケルめっき法
    によるニッケル合金層を有し、かつ該ニッケル合金層の
    所要部分のみにレーザー光線の照射による体心立方晶焼
    き入れ硬化層を形成したことを特徴とする金型等の表面
    硬化金属製品。
JP006335U 1995-06-01 1995-06-01 金型等の表面硬化金属製品 Pending JPH0744753U (ja)

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JP006335U JPH0744753U (ja) 1995-06-01 1995-06-01 金型等の表面硬化金属製品

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JP006335U JPH0744753U (ja) 1995-06-01 1995-06-01 金型等の表面硬化金属製品

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JPH0744753U true JPH0744753U (ja) 1995-11-28

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ID=18527905

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4959041A (ja) * 1972-10-12 1974-06-07
JPS533913A (en) * 1976-07-01 1978-01-14 Kiyuuroku Kk Method of heatttreating with laser beams
JPS56141922A (en) * 1980-04-04 1981-11-05 World Metal:Kk Metallic mold formed alloy layer for molding
JPS5816096A (ja) * 1981-07-22 1983-01-29 Toshiba Corp 金属表面処理方法

Patent Citations (4)

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