JPH0743656U - 推進用多孔管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】地下水等を集水するために用いられる推進用多
孔管で、推進埋設完了後の集水時に集水孔の目詰まりや
土砂の浸入を防止する多孔管を提供することにある。 【構成】プレストレストコンクリート管又は鉄筋コンク
リート管或いは遠心力コンクリート管等の壁面に中空鋼
製パイプを装着した推進用多孔管において、多孔管の外
周面に集水可能なスリットを有するスクリーン材を装着
した推進用多孔管である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、推進工法で施工して埋設する推進用多孔管に係わり、詳しくは推進 完了後の集水時に集水孔の目詰まりや土砂の侵入を防止する推進用多孔管に関す る。

【０００２】

【従来技術】

地下水等を集水する目的で壁面に集水用の孔を必要数開孔したコンクリート多 孔管では、その集水用の孔のところでコンクリートの断面が欠除し、集水孔のな いところの断面よりも面積が小さくなっている。従って推進工法にこの多孔管を 使用した時の軸方向推進耐荷力は、孔あきでない通常の推進管よりも著しく減少 する。このため推進工法として採用されるのは、推進延長の極端に短い場合のみ に希に使用されているのが現状であった。

【０００３】 また、コンクリート多孔管を推進工法で実施しなければならない時は、必要な 推進耐荷力を得るために孔あきでないコンクリート管と同じ断面積を確保するた めに全体の管壁厚を厚くする方法が一般的に用いられているが、開孔していない 断面部分では、無用の耐荷力が付加されたり、全体の重量が大きくなったり、管 の価格が上昇する等の欠点がある。

【０００４】 このため、集水孔部にコンクりートとの付着力があり、熱膨張係数がほぼ等し い中空の剛度の高い鋼材等を挿着することにより、通常の推進管と同じ壁厚でも 、推進管の軸方向耐荷力と同等か又はそれ以上の耐荷力を有する推進用多孔管が 開発されて、長延長の推進でも安全、確実に施工することが可能となった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

集水孔部に中空の剛度の高い鋼材を挿着することにより、通常の推進管と同等 かそれ以上の軸方向耐荷力を得ることができ、安全で確実な長延長推進を可能と した。

【０００６】 本推進用多孔管を推進埋設した後、集水孔の盲蓋を外して地下水の集水を行う が、推進用多孔管の外周部は直ぐに地盤があり、集水孔からの集水速度が非常に 早く、地下水の流入と共に土砂も管内に流入して多孔管周辺地盤の沈下を招来す る。このため、集水孔部に細かい網目状のフィルタを設けて土砂の侵入を防止す る方法が用いられるが、この場合、フィルタ部に細かい土粒子が詰まり易く、集 水ができなくなることが多々ある。

【０００７】 このため本考案は、推進埋設完了後の多孔管が土砂の流入や目詰まりをおこさ ず、効率よく集水できる推進用多孔管を提供することにある。

【０００８】

【考案の構成】

すなわち本考案は、プレストレストコンクリートや鉄筋コンクリート或いは遠 心力コンクリート管等の壁面に直角又はやや斜めに中空鋼製パイプを挿着した推 進用多孔管において、多孔管の全外周面に集水可能なスクリーン材を装着した推 進用多孔管である。

【０００９】 挿着する中空鋼製パイプとしては、コンクリートとの付着力があり、熱膨張係 数がほぼ等しい鋼材等が用いられ、外力に対して一体となって働くことが必要で あり、鋼管等が用いられる。

【００１０】 スクリーン材としては、全周に複数個のスリットを設けた薄鋼板を推進用多孔 管外径よりやや大きめの環状に製作し、鋼板と多孔管の隙間に砕石を充填したも のや断面が角状や台形状及び円形状のものを所定の間隔をおいてスリットができ るように、多孔管外周に沿うように環状に装着したものが用いられる。

【００１１】

【作用】

推進用多孔管外周に設置されたスクリーン材により、地下水の集水速度を遅く することができ、土砂の流入や目詰りが防止される。このため集水孔部において は、地下水のみの集水が確実に行える。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の詳細について図面に基づいて具体的に説明する。第１図は、本 考案の実施例である推進用多孔管を説明する縦断面図である。コンクリート多孔 管１の壁面には、集水に必要な集水孔２が必要数開孔されており、集水孔２には 剛性の高い中空鋼製パイプが、多孔管１の壁厚と同じ長さで壁面に挿着されてい る。推進用多孔管１の外周には、複数このスリット８を設けた薄鋼板を推進用多 孔管１外径よりやや大きめの環状に製作し、薄鋼板と多孔管１の間隙に砕石４を 充填したスクリーン材３が装着されている。

【００１３】 第２図は、第１図の横断面図である。推進用多孔管１の壁面には集水孔２が放 射状に設けられ、集水孔２には中空鋼製パイプ５が壁面に挿着されている。推進 用多孔管１の外周には、複数個のスリット８を設けたスクリーン材３が装着され ている。

【００１４】 第３図は、推進用多孔管１の接続状況を示す縦断面図である。多孔管１の外周 に装着されたスクリーン材３により、多孔管１外径が大きくなり、多孔管１を接 続するカラー６部で段差が生じ、推進時支障となるため、カラー６部に接続リン グ７が装着されている。

【００１５】 第４図は、推進用多孔管１のスクリーン材３の形状を説明する平面図である。 地下水の集水を行うスリット８が、全周に複数個設けられて集水速度を遅くする よう配置されている。

【００１６】 第５図は、他の実施例によるスクリーン材９を説明する縦断面図である。断面 が台形をしたリングを、スリットができるように所定の間隔をおいて接続してス クリーン材９が環状に製作されている。本実施例ではスクリーン材９として台形 断面を例示したが、角状や円形状とすることも可能である。

【００１７】 第６図は、第５図によるスクリーン材９の形状を説明する平面図である。スリ ット幅はできる限り狭くして集水速度を遅くすると効率のよい集水が可能になる 。また、スクリーン材９を複数層に配置して、より効果的で目詰まりのない集水 ができる。

【００１８】 本推進用多孔管１の推進施工は、通常の方法で施工され、推進完了後、集水孔 ２に取り付けられた盲蓋を取り外す。推進用多孔管１外の地下水は、比較的緩や かな流入速度でスクリーン３、９内を通過して集水孔２に集まり、長期間安定し た大量の集水が行える。

【００１９】

【考案の効果】

本考案の推進用多孔管により、地下水は比較的緩やかな速度で集水されるので 、地下水による土砂の流入がなくなり、多孔管１周辺の地盤沈下等が皆無となっ た。また、スクリーン材の装着により土砂が流入しなくなり、集水孔の目詰りも なくなった。

【００２０】

【図面の簡単な説明】

【第１図】本考案の推進用多孔管を説明する縦断面図で
ある。

【第２図】第１図の推進用多孔管を示す横断面図であ
る。

【第３図】推進用多孔管の接続状況を示す縦断面図であ
る。

【第４図】推進用多孔管のスクリーン材の形状を示す平
面図である。

【第５図】他の実施例によるスクリーン材の形状を示す
平面図である。

【符号の説明】

１ 推進用多孔管 ２ 集水孔 ３ スクリーン材 ４ 砕石 ５ 中空鋼製パイプ ６ カラー ７ 接続リング ８ スリット ９ スクリーン材

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【手続補正書】

【提出日】平成６年１２月１６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の推進用多孔管を説明する縦断面図であ
る。

【図２】図１の推進用多孔管を示す横断面図である。

【図３】推進用多孔管の接続状況を示す縦断面図であ
る。

【図４】推進用多孔管のスクリーン材の全体形状を示す
平面図である。

【図５】他の実施例によるスクリーン材を示す断面図で
ある。

【図６】図５によるスクリーン材の全体形状を示す平面
図である。

【符号の説明】 １ 推進用多孔管 ２ 集水孔 ３ スクリーン材 ４ 砕石 ５ 中空鋼製パイプ ６ カラー ７ 接続リング ８ スリット ９ スクリーン材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プレストレストコンクリートや鉄筋コンク
   リート或いは遠心力コンクリート管等の壁面に直角又は
   やや斜めに中空鋼製パイプを挿着した推進用多孔管にお
   いて、多孔管の外周面に集水可能なスクリーン材を装着
   したことを特徴とする推進用多孔管。