JP4698398B2 - 地山補強用パイプ及びこれを用いたトンネル掘削工法 - Google Patents

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本発明は、先端側に設けられる削孔ビットによる削孔に伴って、孔内に進入する地山補強用パイプ及びこれを用いたトンネル掘削工法に関する。

軟弱な地盤を掘削するトンネル工事においては、例えば特許文献1のように、地山にパイプを挿入し、このパイプを通じて注入材を注入することで地山を補強している。そして、近年、そのような地山を補強するための種々の工法が提案されている。例えば、長尺先受工法では、切羽の周囲に斜め前方に補強用パイプを打設し、このパイプを通して注入材を注入する。これにより、注入材を地山に浸透させて硬化させることで地山補強及び改良を行う。この場合、打設したパイプは地山に残しておき、トンネル形成領域の周囲を補強した後、トンネルの掘削を行う。一方、トンネルの形成領域を補強するには、鏡面へパイプを打設し、上記と同様に注入材を注入して地山の補強を行う。その後、打設されたすべてのパイプを掘削機で撤去しながら、掘削を行う。
このとき、パイプを鋼や鉄(鋼管)で形成すると、その剛性と強度のために掘削機の刃が損傷するおそれがある。そのため、鏡面に打設されるパイプの大部分は、容易に破壊できるグラスファイバー、塩化ビニル管などの樹脂系材料、強化樹脂管などで形成されている。
特開平7−76822号公報
ところで、上述した鏡面に打設したパイプを破壊する際には、砕かれた細片が掘り出された土砂中に分散するため、産業廃棄物と再利用可能な資源との分別回収が非常に困難になり、産業廃棄物としての処理に多大なコストと労力を要するという問題がある。また、強化樹脂管は、剛性及び強度が鋼管に劣るため、パイプを打設する際に、軟弱地盤中に存在する転石など、地質変化時に十分対応できるとは言えなかった。さらに、パイプ接続部の強度も強いとは言えず、最悪の場合、パイプ打設中に折損に至ることもある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、パイプ打設時に十分な強度を有する一方、トンネル掘削後の分別回収を容易に行うことができる地山補強用パイプ及びこれを用いたトンネル掘削工法を提供することを目的とする。
本発明は、先端側に設けられる削孔ビットによる削孔に伴って、孔内に進入する地山補強用パイプであって、上記問題を解決するためになされたものであり、複数の鋼管を軸方向に接続することで構成され、前記各鋼管の外周面には、軸方向に所定間隔をおいて環状溝が形成されており、前記環状溝で仕切られる領域には、軸方向に延びる少なくとも一つのスリットが形成され、隣接する前記領域に形成されているスリットは、周方向に互いにずれた位置に形成されている。
この構成によれば、パイプが鋼管によって構成されているため、従来の強化樹脂管よりも高い剛性及び強度を得ることができ、地山の地質の変化にも十分に対応することができる。また、補強用パイプを構成する複数の鋼管に、所定間隔おきに環状溝を形成するとともに、これら環状溝で仕切られた領域にスリットを形成している。そのため、打設したパイプを掘削に伴って露出させた後、力を加えることで、環状溝に沿って鋼管を容易に切断することができるため、パイプの撤去を容易に行うことができる。さらに、鋼管内部に注入材を注入した場合、管状溝に沿って鋼管を切断すると同時に、鋼管と硬化した注入材とを容易に分離することができるため、分別回収が可能となる。
上記パイプにおいて、複数の鋼管のうち最後尾に配置されている端末管の後端と、当該端末管において最も後側に形成されている環状溝との間の末端領域には、スリットが形成されていないようにすることができる。
上記鋼管の外周面には、削孔形成方向とは反対側へ径方向外方に斜めに延び、径方向内方に弾性的に揺動可能な固定部材が少なくとも一つ設けることが好ましい。この固定部材を用いると、パイプを打設した後、例えば打設に用いた削孔ロッドを回収する際に、パイプが削孔ロッドとともに孔から抜け出るのを防止することができる。すなわち、この固定部材は、削孔形成方向とは反対側へ径方向外方に斜めに延びていることから、削孔形成時には、孔の壁面によって径方向内方に弾性的に揺動するので、パイプの進入の妨げとはならないが、パイプを削孔形成方向とは反対側に抜き出そうとすると、固定部材が径方向外方に揺動しつつ孔の壁面に引っ掛かるので、パイプの抜けが防止される。この固定部材は、上記構成を有していれば、棒状、板状など種々の形状にすることができる。また、先頭の鋼管に設けることが好ましいが、その他の鋼管に設けることもできる。さらに、その数も特には限定されない。
また、次のような効果を得ることもできる。すなわち、ある鋼管の打設が完了した後、その後端に他の鋼管を継ぎ足す場合、先の鋼管に上記固定部材を取り付けておけば、継ぎ足し作業中に先の鋼管が動くのを防止することができる。例えば、先の鋼管にネジ止めによって鋼管を継ぎ足す場合、後の鋼管を回転させながらねじ込む際に、先の鋼管が固定部材によって孔内に固定されるため、空回りするのを防止することができる。その結果、鋼管の継ぎ足し作業を効率的に、且つ迅速に行うことができる。
また、各スリットの端部を、環状溝を越えて隣接する領域まで延びるように構成することができる。こうすることで、鋼管が環状溝で切断されたときには、切断された領域のスリットはその領域の全長に亘って連続したものとなる。その結果、スリットによって各領域は確実に軸方向に分割されるため、分別回収がさらに容易になる。
また、鋼管同士の接続部分において、一方の鋼管の端部の外周面には雄ネジが形成されるとともに、他方の鋼管の端部の内周面には前記雄ネジに螺合する雌ネジが形成されており、前記他方の鋼管の端部における雌ネジ形成部分は、他の部分と略同一の肉厚を有した状態で拡径するように構成することができる。
このように雌ネジ形成部分を拡径して他の部分とほぼ同じ肉厚を確保することで、比較的径が小さく、且つ肉厚の薄い鋼管であっても、十分な剛性を得ることができる。特に、本発明に係るパイプを鏡面に打設するものとして使用する場合には、径が小さいものが好まれるため、上記のように構成すると有利である。
また、本発明に係るトンネルの掘削工法は、上記問題を解決するためになされたものであり、上述した地山補強用パイプを地山に打設する工程と、前記端末管の後端領域に栓を配置して当該端末管を閉塞する工程と、前記栓を介して前記パイプ内に注入材を注入し、前記各鋼管のスリットを介して注入材を地山に浸透させる工程と、地山を掘削しつつ前記鋼管を露出させ、前記鋼管に力を加えることで、前記鋼管を前記環状溝において折り曲げて切断するとともに前記スリットによって分割し、内部の注入材とともに前記鋼管を地山から除去する工程とを備えている。
本発明に係る地山補強用パイプによれば、パイプ打設時に十分な強度を有する一方、トンネル掘削後の分別回収を容易に行うことができる。
以下、本発明に係る地山補強用パイプの一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る補強用パイプの分解斜視図、図2(a)は図1のA−A線断面図、図2(b)は図1のB−B線断面図である。なお、以下の説明では削孔形成方向を前または先端側、それとは反対側を後または後端側と称することにする。
図1に示すように、本実施形態に係る地山補強用パイプは、4本の鋼管を軸方向に接続することで構成されており、図1(a)〜図1(d)に示される鋼管が先頭から順に接続される。以下、これらの鋼管を先頭管1、第1中間管3、第2中間管5、及び端末管7と称することとする。先頭管1の先端には、図示を省略する削孔ビットが装着され、パイプに挿通される削孔ロッドからこの削孔ビットに打撃力、推力、及び回転力が付与され、削孔が行われる。そして、この削孔ビットによる削孔に伴って補強用パイプが孔内に進入していく。
図1(a)に示すように、先頭管1には、軸方向に所定間隔をおいて4つの環状溝9が形成されている。これにより、先頭管1には、先端領域11、環状溝に挟まれた3つの中間領域13a〜13c、及び後端領域15が先頭からこの順で形成される。先端領域11は、中間領域13a〜13cよりも長さが短く、上述した削孔ビットが取り付けられる。中間領域13a〜13cは先端側から第1,第2,第3中間領域と称し、各中間領域13a〜13cには、軸方向に延びる一対のスリット17が形成されている。図2(a)及び図2(b)に示すように、各領域のスリット17は、軸心Oを挟んで径方向に対向する位置に形成されており、隣接する中間領域13a,13bでは、互いに90度ずれた位置に形成され、隣接する中間領域のスリットが重ならないようになっている。また、図1に示すように、各スリット17の端部は、環状溝9を越えて隣の領域にわずかに入った位置まで延びている。また、後端領域15は、先端領域11と同様に長さが短く、後端部の外周面には、雄ネジ19が形成されている。
次に、中間管について図1、図3、及び図4を参照しつつ説明する。図3は中間管の先端部の拡大断面図(a)及び側面図(b)であり、図4は鋼管同士の接続部分を示す側面図である。なお、第1中間管3及び第2中間管5は、同じ構成であるため、第1中間管3を例にして説明する。図1(b)に示すように、第1中間管3には、先頭管1と同様に4つの環状溝9によって5つの領域が形成されているが、先端領域21の構成が先頭管1と相違している。すなわち、図3に示すように、この先端領域21は、他の領域とほぼ同じ肉厚を確保しながら拡径されており、この拡径部分の内壁面に雌ネジ20が形成されている。そして、この雌ネジ20が上述した先頭管1の雄ネジ19、または隣接する中間管の雄ネジ19に螺合する。このとき、図4に示すように、先端領域は拡径されているため、鋼管同士の接続部分の径Dは、他の部分よりも大きくなっている。但し、この拡径部分の径Dは、削孔ビットの最大径よりは小さくなっており、パイプが孔内に進入するときの抵抗とならないようにしている。
続いて、端末管について説明する。図1(d)に示すように、端末管7には、3つの環状溝9が形成されており、これによって軸方向に4つの領域が形成されている。すなわち、端末管7には、長さの短い先端領域21、2つの中間領域13a,13b、及び中間領域とほぼ同じ長さの後端領域23が、先頭からこの順で形成されている。ここで、先端領域21及び中間領域13は、上述した中間管3,5と同じ構成である。一方、後端領域23は、中間管3,5のものとは異なり、スリットが形成されておらず、また後端部に雄ネジも形成されていない。つまり、径が一定の筒状に形成されている。ここで、本実施形態における端末管7の後端領域23が、本発明の末端領域に相当する。
次に、上記のように構成された補強用パイプによるトンネルの掘削工法について図5〜図7を参照しつつ説明する。図5はパイプが打設された鏡面付近の断面図、図6はパイプの撤去を説明する図、図7は鋼管の分割を示す図である。本実施形態では、軟弱な地山におけるトンネルの掘削を対象としている。まず、切羽の周囲に長尺先受け工法によってパイプを打設しておき、その後、切羽鏡面に上述した補強用パイプを複数打設し、注入により地山改良をした後、鏡面の掘削を行う。以下では、補強用パイプの打設から鏡面の掘削に至る工程について詳細に説明する。
補強用パイプの打設に際して、鏡面にはコンクリート22(図5参照)が吹き付けられ、その表面が補強される。続いて、図1に示された先頭管1の先端に削孔ビットを取り付けるとともに、この先頭管1の後端から削孔ロッドを挿入して削孔ビットと連結する。そして、削孔ロッドによって削孔ビットに打撃力、推力及び回転力を付与して削孔を行いつつ、鏡面Sに先頭管1を打設する。先頭管1の打設が完了すると、その後端に第1中間管3を接続するとともに、削孔ロッドの後端にも延長用のロッドを接続し、再び打設を開始する。以下、これを繰り返し第2中間管5及び端末管7を順次接続してパイプの打設を行う。そして、複数のパイプの鏡面Sへの打設が完了すると、削孔ロッドを抜き出した後、打設された補強用パイプ内にインサート管29を挿入する。図5に示すように、インサート管29には、その中間部にパッカー25が設けられており、このパッカー25が後端領域23の先端付近の所定位置に配置されるように、インサート管29が挿入される。なお、ここで用いられるパッカー25が本発明の栓に相当し、末端領域を閉塞する。
続いて、端末管7の後端と鏡面Sの開口部分にコーキング27を施し、端末管7の後端全体を閉塞する。こうして、パイプ内部と孔の外部とはインサート管29を介して連通する。そして、インサート管29からモルタル等の注入材を圧入し、注入材Gをパイプ内に注入する。こうして注入された注入材Gは、パイプ内に充填されるとともに、スリット17を介して地山に浸透する。その後、注入材Gはパイプの内外で固化し、地山が補強される。
続いて、掘削機により鏡面の掘削を行う。図6に示すように、掘削時には、パイプの周囲の土を除去しつつ、パイプを露出させていく。そして、環状溝9が露出したときに、掘削機によってパイプを押圧して折り曲げ、端末管7の後端領域23を切断する。これに続いて、さらに掘削を行い環状溝9が露出するごとに、パイプを押圧して折り曲げるとともに、図7に示すように、掘削機により、スリット17を押し開くように、鋼管13を押圧して分割する。以上のようにして、パイプが環状溝9の位置で切断されるとともに、スリット17により、鋼管13が軸方向に沿って2つに分割されるため、その内部で固化した注入材Gと鋼管13とは、分別回収される。こうして、パイプの切断と地山の掘削とを繰り返し、パイプがすべて除去されると、新たなパイプを再び打設し、上記のように掘削を行う。
以上のように、本実施形態によれば、補強用パイプを構成する複数の鋼管に、所定間隔おきに環状溝9を形成するとともに、これら環状溝9で仕切られた領域にスリット17を形成している。そのため、打設したパイプを掘削に伴って露出させた後、掘削機で力を加えることで、環状溝9に沿って鋼管13を容易に切断することができる。そのため、パイプの撤去を容易に行うことができる。さらに、スリット17に力を加えることで、鋼管13を軸方向に分割することができるため、内部で固化した注入材Gと、鋼管13とを容易に分離することができ、分別回収が可能となる。このとき、各スリット17の端部は、環状溝9を越えて隣接する領域まで延びているので、鋼管13が環状溝9で切断されたときには、切断された領域のスリット17はその領域の全長に亘って連続したものとなる。その結果、スリット17によって各領域は確実に軸方向に分割されるため、分別回収がさらに容易になる。
また、本実施形態に係るパイプでは、端末管7の後端領域23には注入材Gの注入を予定していないことから、スリットを形成していない。これは、鏡面Sには既にコンクリートが吹き付けてあり、ある程度の補強がなされているので、鏡面Sに最も近い位置にある端末管7の後端領域23近傍においては、地山の補強の必要性が低いこと、及び、鏡面Sの近傍にスリットを設けると、注入材が地山に浸透せずに外部への漏れを引き起こすおそれがあることを理由としている。
さらに、本実施形態では、鏡面Sに打設するパイプを対象としているため、通常の注入式長尺先受け工法に用いられるパイプよりも小径のパイプが用いられることが多く、パイプ内部に削孔装置などを組み込む必要性から、鋼管の肉厚は薄肉に制限される。これに対して、上記パイプでは、鋼管同士の接続部分において、一方の鋼管端部の外周面に雄ネジ19を形成するとともに、他方の鋼管端部を拡径し、その内周面に雌ネジ20を形成している。このように雌ネジ形成部分は、拡径することで他の部分と同じ肉厚を確保しており、これによって比較的径の小さい鋼管であっても、十分な剛性を得ることができ、打設中に鋼管の接続部分が破断して工事を中断させることもない。また、鋼管を用いることで、従来より用いられている強化樹脂管よりも高い機械強度を得ることができるとともに、コストも低減することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。上記実施形態では、4本の鋼管を接続することで補強用パイプを構成しているが、パイプを構成する鋼管の数は特には限定されない。例えば、中間管の数を増減させることでパイプの総打設長を長くしたり短くしたりすることができる。また、鋼管に形成される環状溝及びスリットの位置、及び数も上記以外のものに適宜変更することができる。
また、上記実施形態では、セメント系の注入材を用いているが、ウレタン系の注入材を用いることもできる。但し、この場合には、セメント系の注入材よりもパイプ内の内圧が大きくなることから、端末管の後端部外周面に雄ネジを形成し、この部分にキャップをネジ止めすることで、パイプを確実に閉塞するようにすることもできる。
ところで、パイプの打設が完了し、削孔ロッドを抜き出すとき、パイプが削孔ロッドとともに、抜け出ることが考えられる。この場合、パイプを次のように構成すると、抜けを確実に防止することができる。すなわち、図8(a)に示すように、先頭管1の外周面に、一対の固定部材8を設ければよい。この固定部材8は、棒状の部材で構成され、削孔形成方向Xとは反対側へ径方向外方に斜めに延びており、径方向内方に弾性的に揺動可能となっている。この固定部材8は、削孔形成方向Xとは反対側へ径方向外方に斜めに延びていることから、図8(b)に示すように、削孔形成時には、孔の壁面によって径方向内方に弾性的に揺動する。そのため、パイプの進入の妨げとはならない。一方、図8(c)に示すように、パイプを削孔形成方向Xとは反対側に抜き出そうとすると、固定部材8が径方向外方に付勢され、揺動しつつ孔の壁面に引っ掛かるので、パイプの抜けが防止される。
また、上記固定部材8は、先頭管1の打設が完了した後に、第1中間管3を継ぎ足す場合にも、有効である。すなわち、第1中間管3をネジ止めによって先頭管に継ぎ足す際、上記固定部材8を先頭管1に設けておけば、先頭管1が孔内に固定されるため、第1中間管3を回転させながらねじ込んでも先頭管1が空回りするのを防止することができる。したがって、鋼管の継ぎ足しを効率的且つ迅速に行うことができる。
この固定部材8は、棒状以外にも、板状など種々の形状にすることができる。また、先頭管1以外でも中間管などにも設けることができ、こうすることで抜け止め効果が向上するとともに、鋼管の継ぎ足しを迅速に行うことができる。また、上記のように一つの鋼管に2つだけ設けるのではなく、1つのみまたは3以上設けることもできる。
また、上記説明では、各鋼管の先端領域21を拡径し、各鋼管の後端領域15に形成された雄ネジ19に螺合することで、鋼管同士を接続しているが、各鋼管の後端領域を拡径し、先端領域に雄ネジを形成して、これに螺合するようにすることもできる。また、鋼管を切断したり、分割するときは、掘削機以外でも力を付与できるものであれば、特には限定されない。
本発明に係る補強用パイプの一実施形態を示す分解斜視図である。 図2(a)は図1のA−A線断面図、図2(b)は図1のB−B線断面図である。 中間管の先端部の断面図(a)及び側面図(b)である。 鋼管同士の接続部分を示す側面図である。 パイプが打設された鏡面付近の断面図である。 パイプの撤去を説明する図である。 鋼管の分割を示す図である。 固定部材を設けた先頭管の斜視図である。
符号の説明
1 先頭管
3 第1中間管
5 第2中間管
7 端末管
8 固定部材
9 環状溝
17 スリット
19 雄ネジ
23 後端領域(末端領域)
25 パッカー(栓)

Claims (2)

  1. 複数の鋼管を軸方向に接続することで構成され、前記各鋼管の外周面には、軸方向に所定間隔をおいて環状溝が形成されており、前記環状溝で仕切られる領域には、軸方向に延びる少なくとも一つのスリットが形成され、隣接する前記領域に形成されているスリットは、周方向に互いにずれた位置に形成され、前記鋼管のうち最後尾に配置されている端末管の後端と、当該端末管において最も後側に形成されている環状溝との間の末端領域には、スリットが形成されていない、地山補強用パイプを準備する工程と、
    地山の鏡面にコンクリートを吹き付ける工程と、
    前記地山補強用パイプを前記地山の鏡面に打設する工程と、
    前記端末管の末端領域に栓を配置して当該末端領域を閉塞する工程と、
    前記栓を介して前記パイプ内に注入材を注入し、前記各鋼管のスリットを介して注入材を地山に浸透させる工程と、
    前記地山を掘削しつつ前記鋼管を露出させ、前記鋼管に力を加えることで、前記鋼管を、前記環状溝において折り曲げて切断するとともに、前記スリットによって分割し、内部の注入材とともに前記鋼管を前記地山から除去する工程と、
    を備えているトンネルの掘削工法。
  2. 前記鋼管の外周面には、削孔形成方向とは反対側へ径方向外方に斜めに延び、径方向内方に弾性的に揺動可能な固定部材が少なくとも一つ設けられている、請求項1に記載のトンネルの掘削工法。
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