JPH0743562Y2 - フロースイッチ付逆止弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 産業上の利用分野 本考案は圧力タンク式給水装置のポンプユニットに使用
するフロースイッチ付逆止弁に関するものである。

従来の技術 従来かかる逆止弁としては、実公開昭62−183179号公報
に記載のフロースイッチ付逆止弁が知られているも、か
かる逆止弁は流入口から吐出口へ至る流路中にて一次側
圧力室と二次側圧力室とを区割せしめる主弁口を開閉制
御せしめる弁体の下方に主弁口内径より僅か小径に設定
せしめた流量制御部とのクリアランスにより流量を検出
せしめて流量制御部に装着するマグネットを徐々にリー
ドスイッチの作動範囲内に移動して該リードスイッチか
らポンプに対する停止信号を発して所定流量以下になっ
た時にポンプを停止せしめるものであるが、しかしなが
ら主弁口内径と流量制御部外径とのクリアランス設定
は、給水システムにおける個別の給水栓に供給しなけれ
ばならず、必然的に主弁口が大径になり、このことはク
リアランス設定に対する要因としての内外径の加工精度
はもとより、内外径の加工公差による累積のため流量検
出にバラツキが発生する欠点を有し、かかる欠点の解消
を図るためには加工精度、組立精度を精密にする必要
上、コストが高騰する欠点を有している。

又、弁体に設けているマグネットを徐々にリードスイッ
チの作動範囲内に移動して一定流量を検出せしめている
も、かかるリードスイッチの作動範囲にも公差を有する
ため、リードスイッチ受け入れ時に作動範囲の特性を揃
えなければならず、検査工程を必要とすると共に、リー
ドスイッチの特性に対応せしめて前記クリアランスを設
定しなければならない欠点を有していた。

考案が解決しようとする課題 本考案は流量制御部に設けた小径なる流量制御孔でもっ
て流量を検出せしめることにより、検出流量の調整を容
易に図らしめると共に、加工性、組立性を向上せしめた
フロースイッチ付逆止弁を提供せんとするものである。

〔考案の構成〕

課題を解決するための手段 本考案はかかる点に鑑み、本体の流入口から吐出口へ流
路を形成せしめ、該流路の同軸上に本体内部を一次側圧
力室と二次側圧力室とに区割せしめる弁口を形成せし
め、二次側圧力室において吐出口に螺着せしめたガイド
に、連通孔を有すると共にその上部にはパイロット弁口
を形成せしめた弁軸を流路の同軸上に沿って上下摺動自
在に支持せしめ、弁軸の下方には弁口を開閉する弁体を
装着せしめると共に、弁体とガイドとの間には弁口を閉
弁弾圧せしめる主弁スプリングを圧入せしめ、又弁軸の
連通孔にはパイロット弁軸とによりパイロット流路を形
成せしめる様にパイロット弁軸を上下摺動自在に支持せ
しめ、該パイロット弁軸の上端部にはパイロット弁口を
開閉するパイロット弁体を装着せしめると共に、下端部
には流量制御孔を穿設せしめた流量制御部を弁体と着離
自在成さしめる様に配置せしめると共に、弁体と流量制
御部との間には該流量制御部を弁体より離脱弾圧せしめ
る前記主弁スプリングより弾発力の弱いパイロットスプ
リングを圧入せしめ、更にパイロット弁軸の下端部には
マグネットを装着せしめると共に、該マグネットの下方
対向位置には本体横方向からリードスイッチを挿入配置
せしめたフロースイッチ付逆止弁を提供して上記欠点を
解消せんとしたものである。

作用 本考案にあっては、所定のポンプ給水システムにおいて
逆止弁本体の流路を通過する水の使用量が減少してくる
と、弁体の上下面に作用する一次側圧力室と二次側圧力
室との差圧が減少し、弁体は主弁スプリングに押圧され
て徐々に閉弁方向に下降して弁口を閉弁せしめ、更に使
用量が減少して流量制御部の流量制御孔により設定した
流量以下になると流量制御部が弁体から離脱するやいな
や流量制御部の側方から流れ込む流量と流量制御孔から
流れ込む流量とにより差圧が急激になくなり、よってパ
イロットスプリングの弾発力にて瞬間的にパイロット弁
口が閉弁されて二次側からの逆流を阻止すると共に、リ
ードスイッチの作動範囲内へと流量制御部のマグネット
が瞬間的に移動することにより、リードスイッチが作動
し、この信号によりポンプが停止されるのである。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明すると、 １はフロースイッチ付逆止弁の本体であり、該本体１は
上下両端部に流入口２、吐出口３を開口形成せしめて流
入口２から吐出口３へ至るストレートの流路４を一次側
圧力室５と二次側圧力室６とに区割せしめる弁口７を形
成せしめ、該弁口７の周縁部には二次側圧力室６へ突出
する弁座８を周設せしめ、又上下両端面には配管への接
続用のフランジ９、10を一体形成せしめている。

11は流路４に着脱自在に装着される逆止弁ユニットであ
り、吐出口３の内周部に対して、中心軸上に筒状の軸受
12を形成せしめたガイド13を螺着せしめ、軸受12には一
次側圧力室５と二次側圧力室６とを連通せしめる連通孔
14を形成し且つ、上端部にパイロット弁座15を有するパ
イロット弁口16を形成せしめた弁軸17を流路４の流れ方
向同軸上に沿って上下摺動自在なさしめて支持せしめ、
弁軸17の下方には弁口７に対向して膨出形成せしめた弁
体18を介して弁口７の弁座８に着離する弁体ディスク19
を装着せしめると共に、弁軸17の下端部にパイロット室
20を形成せしめて主弁21と成し、該主弁21の弁体18とガ
イド13との間には主弁21を閉弁方向に弾圧せしめる主弁
スプリング22を圧入せしめている。

23は逆止弁ユニット11を構成せしめているパイロット弁
であり、該パイロット弁23は断面略正方形状にパイロッ
ト弁軸24を形成せしめ、該パイロット弁軸24を連通孔14
内の流れ方向同軸上に沿って上下摺動自在に貫通せしめ
てパイロット流路25を形成せしめ、又パイロット弁軸24
の上端部に前記パイロット弁座15に対向して膨出形成せ
しめたパイロット弁体26を着脱自在に装着せしめ、該パ
イロット弁体26を介してパイロット弁座15に着離するパ
イロット弁ディスク27を装着せしめ、又パイロット弁軸
24の下端部には弁口７より適宜小なさしめた円盤状の流
量制御部28を形成せしめて装着せしめ、該流量制御部28
の外周縁に弁座29を上方へ突出せしめて周設せしめると
共に、流量制御部28の適宜個所に流量制御孔30、30aを
穿設せしめ、又弁体18と流量制御部28との間には該流量
制御部28を弁体18より離脱弾圧せしめる前記主弁スプリ
ング22より弾発力の弱いパイロットスプリング31を圧入
せしめ、更にパイロット弁軸24の下端部を流入口２側へ
延出せしめて先端にマグネット32を装着せしめている。

尚、パイロット弁軸23の形状としては本実施例では断面
略正方形状にて図示しているも、かかる形状には何ら限
定されず、要するに弁軸17の連通孔14にパイロット弁軸
24を挿入せしめた状態で一次側圧力室５と二次側圧力室
６との連通をパイロット流路25により確保される形状で
あれば良く、又流量制御部28の流量制御孔30、30aの径
は検出流量に応じて適宜設定して決められる。

33はリードスイッチであり、該リードスイッチ33はマグ
ネット32に対向してフランジ10の周面から流入口２内へ
挿通せしめる封入管34内に挿入配置せしめてマグネット
32の磁力作用によりON−OFF作動せしめるものである。

尚、流量制御部28の形状としては上記のものに限定され
ず、第４図に示す様に弁体18の弁体ディスク19の固着部
35に流量制御部28を着離せしめる形状であっても何ら問
題はない。

36は本体１の周面において一次側圧力室５と二次側圧力
室６との間を連通せしめるバイパス流路であり、該バイ
パス流路36には本体１外部よりハンドル等（図示せず）
の回動操作にて開閉操作されるバイパス弁37を装着せし
め、メンテナンス時における水抜き操作を可能ならしめ
ている。

本考案に係るフロースイッチ付逆止弁の作用について説
明すると、 本体１は一例として第６図に図示する様に流入口２にポ
ンプ38から給水配管を接続すると共に、吐出口３には途
中の圧力スイッチ39を有する圧力タンク40を介して給水
栓41に至る給水配管を接続せしめている。

そして通常は圧力タンク40内の空気圧により配管全体が
高圧に加圧され、ポンプ38は停止状態を維持している。

かかる状態より給水栓41を開いて水を使用すると、圧力
タンク40内の水が押出されて給水栓41より吐出し、更に
水の使用を継続すると圧力タンク40内が減圧し、起動圧
力で圧力スイッチ30が作動してこの信号によりポンプ38
が作動する。

そしてポンプ38が作動すると、本体１の一次側圧力室５
が加圧されることにより、二次側圧力室６とに差圧が発
生し、流量制御部28が上方に押圧されてパイロット弁口
16が開弁し、そして更に差圧が増加すると流量制御部28
の弁座29が弁体ディスク19に近ずくにつれてパイロット
室20へ流量制御部28の側方より流れ込む流量が流量制御
部28の流量制御孔30、30aより流れ込む流量に比し少な
くなる時、パイロット室20と一次側圧力室５とに発生す
る差圧と流量制御部28の側方から流れ込む流量による吸
引力と相俟って瞬間的に流量制御部28の弁座29が弁体デ
ィスク19に当接された状態となり、かかる状態のまま弁
体18が上方に押圧されて弁口７を開弁せしめ、ポンプ38
より供給される水が流路４およびパイロット流路25を通
して吐出口３より圧力タンク40、給水栓41へ供給される
のである。

次に水の使用量が減少してくると、弁体18の上下面に作
用する一次側圧力室５と二次側圧力室６との差圧が減少
し、弁体18は主弁スプリング22に押圧されて徐々に閉弁
方向に下降し、弁口７を閉弁せしめ、更に使用量が減少
して流量制御部28の流量制御孔30、30aにより設定した
流量以下になると流量制御部28の弁座29が弁体ディスク
19から離脱するやいなや流量制御部28の側方より流れ込
む流量と流量制御孔30、30aより流れ込む流量とにより
差圧が急激になくなり、よってパイロットスプリング31
の弾発力にて瞬間的にパイロット弁口16が閉弁されて二
次側からの逆流を阻止すると共に、リードスイッチ33の
作動範囲内へと流量制御部28のマグネット32が移動する
ことにより、リードスイッチ33が作動し、この信号によ
りポンプ38が停止されるのである。

〔考案の効果〕

要するに本考案は、本体１の流入口２から吐出口３へ流
路４を形成せしめ、該流路４の同軸上に本体１内部を一
次側圧力室５と二次側圧力室６とに区割せしめる弁口７
を形成せしめ、二次側圧力室６において吐出口３に螺着
せしめたガイド13に、連通孔14を有すると共にその上部
にはパイロット弁口16を形成せしめた弁軸17を流路４の
同軸上に沿って上下摺動自在に支持せしめ、弁軸17の下
方には弁口７を開閉する弁体18を装着せしめると共に、
弁体18とガイド13との間には弁口７を閉弁弾圧せしめる
主弁スプリング22を圧入せしめ、又弁軸17の連通孔14に
はパイロット弁軸24とによりパイロット流路25を形成せ
しめる様にパイロット弁軸24を上下摺動自在に支持せし
め、該パイロット弁軸24の上端部にはパイロット弁口16
を開閉するパイロット弁体26を装着せしめると共に、下
端部には流量制御孔30、30aを穿設せしめた流量制御部2
8を弁体18と着離自在成さしめる様に配置せしめると共
に、弁体18と流量制御部28との間には該流量制御部28を
弁体18より離脱弾圧せしめる前記主弁スプリング22より
弾発力の弱いパイロットスプリング31を圧入せしめ、更
にパイロット弁軸24の下端部にはマグネット32を装着せ
しめると共に、該マグネット32の下方対向位置には本体
横方向からリードスイッチ33を挿入配置せしめたので、
第３図に示す様な弁口７が開弁された状態より、水の使
用量が減少してくると、弁体18の上下面に作用する一次
側圧力室５と二次側圧力室６との差圧が減少し、弁体18
は主弁スプリング22に押圧されて徐々に閉弁方向に下降
して弁口７を閉弁せしめ、更に使用量が減少して流量制
御部28の流量制御孔30、30aにより設定して流量以下に
なると流量制御部28の弁座29が弁体ディスク19から離脱
するやいなや流量制御部28の側方より流れ込む流量と流
量制御孔30、30aより流れ込む流量とにより差圧が急激
になくなり、よってパイロットスプリング31の弾発力に
て瞬間的にパイロット弁口16が閉弁されて二次側からの
逆流を阻止すると共に、リードスイッチ33の作動範囲内
へと流量制御部28のマグネット32を瞬間的に移動せしめ
てリードスイッチ33を作動することが出来ることによ
り、流量制御部28に設けている流量制御孔30、30aの小
径でもって流量設定することが出来るため、従来の主弁
口内径と流量制御部外径とのクリアランスによる精密性
を有する流量設定に比し、流量設定に対して影響する加
工精度、組立精度を著しく低減せしめることが出来、又
リードスイッチ33の作動範囲内へ瞬間的にマグネット32
を確実に移動することが出来ることにより、リードスイ
ッチ33の特性のバラツキによる流量設定への影響を排除
出来ると共に、リードスイッチ33の特性を揃えるための
検査工程をも省略出来、又流量設定範囲も広範囲にして
且つ容易に出来、従って加工性、組立性を向上せしめて
コスト低減を図らしめる等その実用的効果甚だ大なるも
のである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すものにして、 第１図は本考案に係るフロースイッチ付逆止弁の断面
図、第２図、第３図は同上作動状態を示す断面図、第４
図は流量制御部の他の実施例の要部断面図、第５図は第
１図のＡ−Ａ端面図、第６図は配管例を示す図である。 １……本体、２……流入口、３……吐出口 ４……流路、５……一次側圧力室、６……二次側圧力室 ７……弁口、13……ガイド、14……連通孔 16……パイロット弁口、17……弁軸、18……弁体 22……主弁スプリング、24……パイロット弁軸 25……パイロット流路、26……パイロット弁体 30、30a……流量制御孔、28……流量制御部 31……パイロットスプリング、32……マグネット 33……リードスイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 伊藤 敏男 愛知県小牧市大字入鹿出新田字宮前955― ５ 株式会社ヨシタケ製作所小牧工場内 (56)参考文献 実開 昭64−12980（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体の流入口から吐出口へ流路を形成せし
   め、該流路の同軸上に本体内部を一次側圧力室と二次側
   圧力室とに区割せしめる弁口を形成せしめ、二次側圧力
   室において吐出口に螺着せしめたガイドに、連通孔を有
   すると共にその上部にはパイロット弁口を形成せしめた
   弁軸を流路の同軸上に沿って上下摺動自在に支持せし
   め、弁軸の下方には弁口を開閉する弁体を装着せしめる
   と共に、弁体とガイドとの間には弁口を閉弁弾圧せしめ
   る主弁スプリングを圧入せしめ、又弁軸の連通孔にはパ
   イロット弁軸とによりパイロット流路を形成せしめる様
   にパイロット弁軸を上下摺動自在に支持せしめ、該パイ
   ロット弁軸の上端部にはパイロット弁口を開閉するパイ
   ロット弁体を装着せしめると共に、下端部には流量制御
   孔を穿設せしめた流量制御部を弁体と着離自在成さしめ
   る様に配置せしめると共に、弁体と流量制御部との間に
   は該流量制御部を弁体より離脱弾圧せしめる前記主弁ス
   プリングより弾発力の弱いパイロットスプリングを圧入
   せしめ、更にパイロット弁軸の下端部にはマグネットを
   装着せしめると共に、該マグネットの下方対向位置には
   本体横方向からリードスイッチを挿入配置せしめたこと
   を特徴とするフロースイッチ付逆止弁。