JPH0743353Y2 - 杭作業用足場 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、海岸や河川、泥失地等
において杭の圧入引抜作業あるいはその他の杭用作業を
行う際に使用する杭作業用足場に関する。

【０００２】

【従来の技術】河川等水上での杭圧入引抜作業には作業
用の足場が必要である。従来の作業用足場は、例えば図
６に示すようにブラケット１３を杭Ｐに直接溶接し支柱
１７で固定し、これに足場板１６を載置して構築してい
た。あるいは図７に示すように単管２１、２１を河床に
打込み、支柱２２で支持しブラケット２３の上に足場板
１６を載置して単管足場を構築していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ブラケットの溶接は、
溶接による取り付け及び切断による取り外しに多大な時
間と労力を要する。打設した杭が永久構造物で表面をそ
のまま見せる場合は、ブラケットの切断跡にサンダー掛
け等の補修をする必要があり二重手間になる。また、ウ
レタン、ポリエチレン等の被覆を表面に施した防腐杭を
使用する場合は、溶接自体が不可能であるため足場の取
り付けができない。単管足場の場合も、設置や撤去及び
分解された各部品の搬入、搬出等に前記と同様な手間と
時間がかかる。特に単管足場は設置と撤去の際には船舶
等を使用しなくてはならない。また打込個所の河床深さ
等によって上方に露出する単管長さが不揃いとなり、足
場板を掛止しにくいこともあり、河床の支持力が小さい
と立設した単管が沈下し足場が安定しなかつた。さらに
上記のいずれの場合も、足場の設置作業を杭の圧入作業
と並行して行うことは困難であるという問題点があつ
た。本考案はこれらの事情に鑑みてなされたもので、打
設した杭に簡易迅速に掛止できる杭作業用足場を提供す
ることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案は上記課題を解
決するため、支持体の上端にフックを形成し、下端に取
付けたピンにブラケットを回動可能に軸支すると共に、
該ブラケットを水平状態に固定するストッパーを取付け
た杭作業用足場において、前記支持体の上下方向に前記
ブラケットを回動可能に軸支するピン及びストッパーを
着脱自在に嵌合する多数の孔を形成し、前記支持体のフ
ックを既設杭の上端に掛止してブラケットを略水平状態
に展開し、このブラケット上に足場板を取外し可能に載
置することを特徴としている。

【０００５】

【作用】未使用時には、ブラケットを折り畳み支持体と
平行状態にして収納運搬する。使用時には 杭掛止用の
フックを既設杭の上端に掛止し、ブラケットを略水平位
置まで展開する。このブラケットに足場板を載置し各種
作業を行う。ブラケットに足場板を固着している場合
は、足場板の両端に固定した一対のブラケットと共に足
場板を略水平位置まで展開し各種作業を行う。

【０００６】

【実施例】図１は杭作業用足場の第１態様例の側面図、
図２は作業時の同側面図、図３は同平面図である。本態
様例は上端にフック１を形成した支持体２に、ブラケッ
ト３を回動可能にピン４で軸止し、ブラケット３上に足
場板６を載置して構成する

【０００７】前記支持体２は円柱状の鋼材からなり、フ
ック１の形状及び幅は鋼矢板等の抗ＰのウェブＰＷ上端
に密着して掛止可能なものとする。フック１は、掛止す
る杭Ｐの種類に応じ形状等を適宜変更できる。ブラケッ
ト３は足場板６を載置するもので平鋼、溝型鋼、鋼管等
で作成する。このブラケット３の全長は折畳時に上記支
持体２側方に収容できる長さが好ましいが、作業現場に
よっては支持体２より長くしてもよい。ブラケット３の
下端に設けたピン４の側方にストッパー５を設ける。こ
のストッパー５は支持体２に立設され、ブラケット３の
回動時にブラケット３を略水平位置で固定する。なお、
ブラケット３の上端にはサヤ管７を溶着し、ボルトある
いはピンによつて取外し可能に手摺り１０を立設するこ
ともできる。

【０００８】 本態様例は図１に示すように折畳んだ状
態で運搬し、図２、図３に示すように杭Ｐに設置して使
用する。設置は杭ＰのウェブＰＷの上端にフック１を掛
止して行う。各種作業は、ピン４を中心としてブラケッ
ト３を水平位置まで展開し、各ブラケット３に足場板６
のフック９を掛けて固定して行う。本態様例は、足場板
６を取外してブラケット３を折畳めるため、搬入、搬出
等運搬時に嵩張らず収納時のスペースも節約できる。ま
た、フック１によって杭Ｐに簡単に掛止できるため、足
場を圧入作業の進捗に並行して増設していくことができ
る。撒去や移動も設置と同様に容易となる。従って足場
構築に要していた時間と労力を従来に比して大幅に節約
でき工事時間を短縮できる。

【０００９】 図４は杭作業用足場の第２態様例の側面
図、図５は作業時の同平面図である。本実施例は支持体
２、ブラケット３等は２個を一組とし、各ブラケット
３、３に１枚の足場板６を一体に固着したものである。
その他の各構成部分は第１実施例と同様のため同一符号
を付し説明を省略する。本態様例によれば足場板６と、
一対の支持体２、２及びブラケット３、３を同時に運搬
でき、杭Ｐに足場板６を載置する手間を省略でき、図５
に示すように増設も容易に行うことができる。

【００１０】 図８は本考案の実施例の側面図である。
本実施例は支持体２にピン４用の孔２ａとストッパー５
用の孔２ｂを上下方向に多数個構成したものである。そ
の他の構成は上記各態様例と同様である。本実施例は作
業現場の状況に応じて、ピン４及びストッパー５を支持
体２の任意の高さに差替えることができるため、ブラケ
ット３を作業に最適な位置に調整して使用できる。足場
板６は前記第１態様例のような載置式、第２態様例のよ
うな固定式のどちらでももよい。本実施例によれば無理
な作業姿勢を取る必要がなくなり作業能率も向上する。
なお本実施例に用いる足場板６は鋼製としたが、これに
限られず木製等でもよい。

【００１１】

【考案の効果】 本考案によれば、杭の圧入、引抜作業
を進行させながら杭作業用足場の設置、撤去を簡単に行
うことができ大幅に作業時間を短縮できる。また、杭作
業用足場の搬入、搬出等も容易となり省スペース化も図
れる。また、作業現場の状況に応じてブラケットの高さ
を調整できるので無理な姿勢で作業をすることがないの
で作業能率が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】杭作業用足場の第１態様例の側面図

【図２】作業時の杭作業用足場の第１態様例の側面図

【図３】作業時の杭作業用足場の第１態様例の平面図

【図４】杭作業用足場の第２態様例の側面図

【図５】作業時の杭作業用足場の第２態様例の平面図

【図６】従来の杭作業用足場の一例を示す側面図

【図７】従来の杭作業用足場の他例を示す側面図

【図８】本考案の実施例の側面図

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持体の上端にフックを形成し、下端に
   取付けたピンにブラケットを回動可能に軸支すると共
   に、該ブラケットを水平状態に固定するストッパーを取
   付けた杭作業用足場において、前記支持体の上下方向に
   前記ブラケットを回動可能に軸支するピン及びストッパ
   ーを着脱自在に嵌合する多数の孔を形成し、前記支持体
   のフックを既設杭の上端に掛止してブラケットを略水平
   状態に展開し、このブラケット上に足場板を取外し可能
   に載置した杭作業用足場。
2. 【請求項２】前記ブラケットに足場板を固着した請求項
   １記載の杭作業用足場。