JPH0742454A - ド ア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 斬新且つ美麗であり、また、サイズ調整のた
めの切削が容易で、しかもデザインの変更も安価にでき
るドアを提供する。 【構成】 主体材料としては切削が容易であり立て付け
現場でサイズ調整が簡便にできる木材又は合板を採用す
る。そしてその鏡板部分２の少なくとも一部には、凹凸
形成や彩色によって化粧された金属板３を嵌め込む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、新規な木質ドアの構造
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】建築業界においても、近時微細にわたる
規格化が進み、個性を具象化する部分が少なくなった中
で、ドア、特に住宅用ドアは、比較的安価にそうした希
望を適えることができる数少ない部材の一つとなってい
る。

【０００３】基本的には、鉄とアルミニウムに代表され
る金属製のものと、天然木材や改良木材、合板等より成
る木製のものとに大別できる。実用上はいずれも長短が
あるため甲乙付けがたいものであるが、上述した個性の
演出という意味では、木質ドアが優れていると言われて
いる。まず、切削が容易であるので非常に複雑なレリー
フも表現できるし、釘や接着剤が自由に使えるので組合
せによる妙味も表現しやすい。また木目が見えるように
彩色すれば独特の高級感もある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】とはいえ、彫り、彩
色、明かり採りのためのガラス嵌め込み、といった程度
の方策しかないため、より高級感のあるドア、より個性
的なドアを多大な費用をかけずに手に入れることは次第
に困難なものとなっている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで本発明者はこうし
た状況に鑑み鋭意研究の結果、斬新であって、個性の演
出も簡単に適うドアとして遂に本発明を成したものであ
り、その特徴とするところは、木材又は合板を主体材料
とするドアであって、鏡板部分の少なくとも一部に、化
粧金属板を嵌め込んだ点にある。

【０００６】ここで「木材」とは、天然木材を指す語句
である。「合板」とは、木材以外のものを使用した改良
木材、集成木材等を含むもので、カンナ掛け等によって
サイズを微調整することができるものという意味であ
る。

【０００７】「鏡板部分」とは、ドアを「小口（こぐ
ち）」、「框（かまち）」、「鏡板（かがみいた）」に
分けた時の「鏡板」に相当する部分という意味の語句で
ある。従来のドア構造には種々あり、例えば「框」でい
うと、両側にある「縦框」と上下にある「上框」「下
框」以外に、「腰框」を一つ有しており、鏡板部が２つ
に分画されたものや、鏡板部分の中央に開口があり、該
開口にガラスを嵌め込んだもの、等々従来からも「鏡
板」と称されている部分以外に、桟材が表面にわたされ
ている戸板に相当する部分（外見上は多数に区画された
もの）も、「鏡板部分」の概念に含まれるものとして定
義する。更に、框と鏡板とが分画されておらず面一とな
ったドアについては、その中央付近が「鏡板部分」とい
うことになるが框との境界は存在しない。

【０００８】またこの「鏡板部分」は、通常ドアの表裏
両面に存在している。そして上記したように、これは框
を介して複数枚存在していることもあるし、実質的には
１枚であるけれど桟によって複数に分画されているとい
う場合がある。

【０００９】「化粧金属板」とは、表面が化粧された金
属板のことである。この化粧には、塗料の塗布、エンボ
ス加工、等々種々の方式が存在するが、本発明において
は特に限定するものではない。また、前述した框と鏡板
が分画されておらず面一になっているドアについては、
その中央付近にこの化粧金属板を嵌め込んで鏡板部分を
創出するようにしても良いが、ドア全面に化粧金属板を
嵌め、化粧金属板自体の化粧（凹凸や色彩その他）によ
って框風部分と鏡板風部分とを作るようにしても美麗で
ある。

【００１０】なお本発明者が種々試作した範囲では以下
述べる化粧方法によって、色彩の塗り分けと凹凸の形成
を得るのが、美麗であり好適であった。即ち、着色され
た金属板上に、該着色とは色彩の異なる粉体塗料を静電
的に付着させ、その後該粉体塗料の一部を除去して最初
の着色部分を露呈させた後焼き付けするという方法であ
る。この方法によると、塗料同士の干渉がないため境界
が鮮明になるし、粉体塗料を使用するため均一な肉厚
で、しかも高低差の大きい模様が形成できる。

【００１１】

【実施例】以下図面に示す実施例に基づいて本発明を更
に詳細に説明する。

【００１２】図１及び図２は、本発明に係るドア１の実
施例の一つを示すものであり、図より明らかなように、
本発明ドア１は、鏡板部分２以外は完成された半完成品
のドアの該鏡板部分２に化粧金属板３を嵌め込み、更に
モール４を取り付けてネジ止めすることによって得られ
る。このモール４はプラスチック製であり、また、止め
たネジを外して、化粧金属板３を交換しやすくしてい
る。なお、本例のドア１は、図２より明らかなように、
基本板５にカマチ板６を設け、周囲にコグチ７を取り付
けるという構成であり、基本板５及びカマチ板６は合板
製である。

【００１３】図３（ａ）乃至（ｃ）は、本発明の他の実
施例を示すものであり、カマチ板６の表面にも化粧金属
板３を嵌め込んだ例〔同図（ａ）〕、鏡板部分２の中央
にガラス８を嵌め込んだ例〔同図（ｂ）〕、化粧金属板
３を嵌めたのち桟９を取設した例〔同図（ｃ）〕がそれ
ぞれ示されている。

【００１４】次に図４（ａ）及び（ｂ）は、化粧金属板
３の製造方法の一例を概略的に示すもので、表面に塗料
層３２を有する金属板３１を通常の粉体塗装装置にお
き、該塗料層３２側表面に粉体塗料３３を付着させる
〔同図（ａ）〕。このとき使用する粉体塗料３３の色彩
は本例の場合、予め着色されている塗料層３２の色彩と
は異なっている。次にこの金属板３１表面の粉体塗料３
３を一部除去して塗料層３２を露呈させる〔同図
（ｂ）〕。除去方法としては、除去すべき部分に予めマ
スキング材を載置しておく方法、吸引装置を利用して除
去する方法、等々があるが本例では、工業用ロボットに
制御された吸引ノズル１０にて除去するという方法を採
った。そうした後、これを焼き付けて完成ということに
なる。

【００１５】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るドアは、木材又は合板を主体材料とするドアであっ
て、鏡板部分の少なくとも一部に、化粧金属板を嵌め込
んだものであることを特徴とするものであり、以下の如
き種々の効果を有する極めて高度な発明である。 木材又は合板を主体材料としているため、ドア取り
付け現場でカンナ掛け等によるサイズの微調整が可能で
ある。 化粧金属板を嵌め込んだものであるので、その金属
板に施す加工次第でドアの意匠が自由に表現でき、従来
には存在しない斬新なドアが得られる。 嵌め込んだ化粧金属板を外し、他の化粧金属板に変
えれば、趣の異なるドアとなるので、コストをあまり掛
けずに部屋の雰囲気を変えることができる。 鏡板部の大きさと形状を規格化すれば、ドア本体部
と化粧金属板を複数ずつ準備しておくだけで、極めて多
種のバリエーションのドアが提供できることになるの
で、在庫容量を実質的に小さいものとすることが可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るドアの一例を示す斜視図である。

【図２】図１に示したドアの概略断面図である。

【図３】（ａ）（ｂ）（ｃ）は、それぞれ本発明の他の
例を示す全て平面図である。

【図４】（ａ）（ｂ）は、本発明に使用する化粧金属板
の製造方法の一例を経時的且つ概略的に示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ドア ２ 鏡板部分 ３ 化粧金属板 ３１ 金属板 ３２ 塗料層 ３３ 粉体塗料 ４ モール ５ 基本板 ６ カマチ板 ７ コグチ ８ ガラス ９ 桟 １０ 吸引ノズル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 木材又は合板を主体材料とするドアであ
   って、鏡板部分の少なくとも一部に、化粧金属板を嵌め
   込んだものであることを特徴とするドア。
2. 【請求項２】 化粧金属板は、着色された金属板上に、
   該着色とは色彩の異なる粉体塗料を静電的に付着させ、
   その後該粉体塗料の一部を除去して最初の着色部分を露
   呈させた後焼き付けするという加工が施された、多色で
   凹凸のある金属板である請求項１記載のドア。