JPH0742327A - 軒樋構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 接続後も意匠が良く、しかも内側樋のある軒
樋同士を簡単かつ確実に接続することができる軒樋構造
を提供することを目的とする。 【構成】 軒樋１の端部に下側支持部材６を固着し、そ
の下側支持部材６の上に内側樋３を載置させ、その上か
ら上側支持部材５を嵌合させ内側樋３を上側支持部材５
と下側支持部材６で挟持するようにし、そのとき、上側
支持部材５と下側支持部材６は軒樋１内にあるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建築物の屋根から流れ
落ちる雨水等を受ける軒樋に関する。

【０００２】

【従来技術】軒樋は屋根の軒先に設置され、雨が降った
ときに屋根の上から流れ落ちる雨水を受けて地上に導き
流すものである。

【０００３】軒樋に建築物の意匠を高めるため、最近は
軒先と一体となるような軒樋が使用されてきている。こ
の軒樋は傾斜面を有するよう構成され、この傾斜面が屋
根と一体に見えるため、建築物全体の意匠が向上する効
果がある。

【０００４】この軒樋は、傾斜面と屋根との間に開口部
があり、その開口部に雨水が流れ落ち、その雨水は軒樋
と、その軒樋と地上との間に設けられた立て樋内を流
れ、地上に導き流されるのである。

【０００５】

【発明が解決しようとする問題点】このように構成され
た軒樋を接続するときは、接続部材を使用して接続して
いるが、これでは外側から接続部材が見えてしまい意匠
性が悪くなり、軒樋の内側に内側樋を設ける場合には、
内側樋を軒樋に固着する固着部材と内側樋同士を接続す
る接続部材と軒樋同士を接続する部材が必要であるた
め、部品点数が多くなりコストがかかるものであった。

【０００６】本発明は、上記の問題点に鑑み、接続後も
意匠が良く、しかも内側樋のある軒樋同士を簡単かつ確
実に接続することができる軒樋構造を提供することを目
的とする。

【０００７】

【問題点を解決するための手段】このため本発明は、軒
樋に下側支持部材を固着し、その下側支持部材の上に内
側樋を載置させ、上側支持部材を内側樋に嵌合させて内
側樋を上側支持部材と下側支持部材で挟持するようにし
たものである。

【０００８】

【作用】上側支持部材は、内側樋を下側支持部材側に押
圧するようになっており、この押圧力により上側支持部
材と下側支持部材で内側樋を挟持することができる。

【０００９】

【実施例】次に本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。なお、本発明は次に説明する実施例に限定されるも
のではなく、請求の範囲を超えない範囲で種々実施可能
であることはいうまでもない。

【００１０】図１から図１０は本発明の軒樋構造の一実
施例を示す図であり、図１は軒樋構造を示す斜視図、図
２は上側支持部材および下側支持部材の斜視図、図３は
内側樋を挟持している状態を示す斜視図、図４は接続す
る前の軒樋を示す斜視図、図５は軒樋を接続している状
態を示す正面図、図６は下側支持部材を固着している状
態を示す断面図、図７は上側支持部材を固着している状
態を示す断面図、図８は吊り金具を用いて軒樋を軒先に
固着している状態を示す断面図、図９は他の吊り金具を
示す斜視図、図１０は図９の吊り金具を用いて軒樋を軒
先に固着している状態を示す断面図である。１は軒樋、
２は軒樋１の係合部、３は軒樋１の内側に設けられる内
側樋、４は内側樋３の係合部、５は内側樋２を上側から
支持する上側支持部材、６は内側樋２を下側から支持す
る下側支持部材、７は上側支持部材５を固着する止着
具、８は軒樋１、および内樋２を吊り固定させる吊り部
８ｂ、建築物の軒下に固着し軒樋１を任意の位置に設置
させる固定部８ａからなる吊り金具、９は建築物の屋
根、１０は屋根９の屋根下地材、１１は建築物の軒先で
ある。

【００１１】本発明に係る軒樋構造は、軒樋１に下側支
持部材６を固着し、その下側支持部材６の上に内側樋３
を設置させ、その上から上側支持部材５を嵌合させ内側
樋３を上側支持部材５と下側支持部材６で挟持するよう
にしたものであり、そのとき、上側支持部材５と下側支
持部材６は軒樋１内にあるようにした。

【００１２】軒樋１は、図１に示されるように断面略台
形の形状であり、両端に係合部２を有し、この係合部２
に内側樋３の係合部４が係合できるようになっている。

【００１３】内側樋３は、断面略円形の形状であり、そ
の両端に軒樋１とほぼ同一形状の係合部４を有し、この
係合部４が軒樋１の係合部２に係合し内側樋３が脱落し
ないようになっている。

【００１４】上側支持部材５は、内側樋３を上側から押
圧し支持するものであり、図２および図３に示されるよ
うに断面略円形の形状であり、その両端は係合部５ｂが
形成され軒樋１に係合している内側樋３の係合部４に係
合できるようになっている。なお、上側支持部材５の裏
面には防水テープ等が貼り付けてある。

【００１５】下側支持部材６は、図２に示されるように
断面略円形の支持部６ａがあり、この支持部６ａの断面
形状は内側樋３とほぼ同一となっており、この支持部６
ａは内側樋３を下側から支持し、図３に示されるように
内側樋３を上側支持部材５の支持部５ａとで挟持するよ
うになっている。また、下側支持部材６は固着部６ｂを
有し、この固着部６ｂにより下側支持部材６が軒樋１の
側面、底面あるいはその両面に固着できるようになって
いる。軒樋１同士を接続させる場合、それぞれの軒樋１
の端部に下側支持部材６を固着した軒樋１同士を向い合
わせるようにする。

【００１６】次に軒樋１の接続について説明する。ま
ず、図４に示されるように、下側支持部材６を軒樋１の
端部に固着し、その下側支持部材６の支持部６ａの上に
内側樋３を設置する。次に、図５Ａに示すように、内側
樋３を設置した軒樋１同士を接近させ、図５Ｂに示すよ
うに向かい合わせて接触させて、下側支持部材６の支持
部６ａの部位に合うよう上から上側支持部材５を嵌合さ
せる。これにより内側樋３が下側支持部材６の支持部６
ａ側に押圧されるため、内側樋３の上側支持部材５、お
よび下側支持部材６による挟持が強固となり、確実に内
側樋３同士が接続できる。

【００１７】このとき、下側支持部材６は図６に示され
るように、固着部６ｂがボルト等の止着具、あるいは接
着剤等により軒樋１の端部に固着しており、また、上側
支持部材５は図７に示されるように、上側支持部材５を
内側樋３を介して軒樋１に止着具７で固着する際に、隣
接する軒樋１の係合部２と、そこに係合している内側樋
３の係合部４を同時に固着できるため、上側支持部材５
の下側支持部材６側の係合、軒樋１への固着により確実
に軒樋１同士が接続できる。

【００１８】このように上側支持部材５、下側支持部材
６を用いることにより、図１に示されるように内側樋３
のある軒樋１同士を簡単かつ確実に接続することがで
き、そのとき、上側支持部材５、下側支持部材６は軒樋
１内にあるので、軒樋１同士を接続した後においても外
側から見えることはないため意匠が良好となる。

【００１９】また、上側支持部材５、および下側支持部
材６は、内側樋３を挟持して軒樋１内に固定できるた
め、内側樋３の材質を従来の金属製、あるいは塩化ビニ
ル製等の材質だけでなく、その他の材質、例えばゴム
製、あるいはビニール製等の軟質な材質から構成するこ
とが可能である。この場合、係合部４は金属製、あるい
は塩化ビニル製等の材質で構成し、また、裏面に例えば
防水テープを貼る、等の防水処理を施す。

【００２０】このように構成した軒樋１は図８に示すよ
うに軒先１１に設けられる。この場合、吊り金具８の固
定部８ａは軒先１１に固着しており、吊り部８ｂの両端
は軒樋１の係合部２、内側樋３の係合部４、および上側
支持部材５の係合部５ｂを係合するようになっており、
これにより軒樋１が軒先１１に設けられる。

【００２１】また、図９に示されるように、固定部８ａ
が軒先１１ではなく垂木、野地板等の屋根下地材１０上
に固着できるよう構成された吊り金具８を使用すること
ができる。このとき、図１０に示されるように屋根下地
材１０上に固着した固定部８ａは、屋根下地材１０と屋
根９とにより挟持されることとなるため、より強固に固
着することができる。なお、この場合、屋根下地材１０
の上だけではなく屋根を改修するときにも使用でき、既
存屋根の上に固定部８ａを固着してその上に新たに屋根
を葺くことも可能である。

【００２２】さらに、下側支持部材６は図１１に示され
るように、支持部６ａと両側に固着部６ｂから構成する
こともできる。この場合、支持部６ａの幅が半分程出る
ような位置で下側支持部材６を一方の軒樋１に固着し、
他方の軒樋１を接触させ出ている下側支持部材６をその
軒樋１に固着する。そして、内側樋３を設置してから上
側支持部材５を嵌合させ内側樋３のある軒樋１同士を接
続する。

【００２３】また、内側樋３は断面略円形であったが、
これに限らず角型とすることができる。この場合、図１
２に示されるように上側支持部材５の支持部５ａ、およ
び下側支持部材６の支持部６ａを角型に成型する。

【００２４】以上説明した実施例では、下側支持部材６
を軒樋１の端部に固着して、内側樋３のある軒樋１同士
を接続するものであったが、内側樋３が金属製、あるい
は塩化ビニル製等ではなくその他の材質、例えばゴム
製、あるいはビニール製等の軟質な材質から構成した場
合、内側樋３がその重量により撓んでしまう、等の理由
から軒樋１の任意の位置に下側支持部材６を固着し、そ
の位置で上側支持部材５と下側支持部材６とで内側樋３
を挟持し支持することができる。

【００２５】

【効果】以上のように本発明は、軒樋の端部に固着した
下側支持部材の上に内側樋を設置した軒樋同士を向い合
わせ上側支持部材を嵌合させるだけで、内側樋を有する
軒樋同士を簡単かつ確実に接続することができ、しかも
接続した後に上側支持部材、下側支持部材は軒樋内にな
り外側から見えないため、意匠を良好にすることができ
る。

【００２６】また、軒樋を接続するときの接続部材は、
上側支持部材と下側支持部材だけで良いので、部品点数
が少なくなり抵コストで軒樋を接続することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る軒樋構造の一実施例を示す斜視図
である。

【図２】本発明に係る軒樋構造の上側支持部材および下
側支持部材の一実施例を示す斜視図である。

【図３】本発明に係る軒樋構造の内側樋を挟持している
状態を示す斜視図である。

【図４】本発明に係る軒樋構造の接続する前の軒樋を示
す斜視図である。

【図５】本発明に係る軒樋構造の軒樋を接続している状
態を示す正面図である。

【図６】本発明に係る軒樋構造の下側支持部材を固着し
ている状態を示す断面図である。

【図７】本発明に係る軒樋構造の上側支持部材を固着し
ている状態を示す断面図である。

【図８】吊り金具を用いて本発明に係る軒樋を軒先に固
着している状態を示す断面図である。

【図９】他の吊り金具を示す斜視図である。

【図１０】図９の吊り金具を用いて本発明に係る軒樋を
軒先に固着している状態を示す断面図である。

【図１１】本発明に係る軒樋構造の下側支持部材の他の
実施例を示す斜視図である。

【図１２】本発明に係る軒樋構造の上側支持部材、およ
び下側支持部材の他の実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 軒樋 ２ 係合部 ３ 内樋 ４ 係合部 ５ 上側支持部材 ６ 下側支持部材 ７ 止着具 ８ 吊り金具

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軒樋に下側支持部材を固着し、その下側
   支持部材の上に内側樋を載置させ、上側支持部材を内側
   樋に嵌合させて内側樋を上側支持部材と下側支持部材で
   挟持することを特徴とする軒樋構造。