JPH0742240B2 - ビフエノ−ル類の製造方法 - Google Patents

ビフエノ−ル類の製造方法

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JPH0742240B2
JPH0742240B2 JP60216749A JP21674985A JPH0742240B2 JP H0742240 B2 JPH0742240 B2 JP H0742240B2 JP 60216749 A JP60216749 A JP 60216749A JP 21674985 A JP21674985 A JP 21674985A JP H0742240 B2 JPH0742240 B2 JP H0742240B2
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正浩 近藤
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明はフェノール類の酸化カップリング反応によるビ
フェノール類の製造方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 フェノール類特にアルキル置換フェノール類を特定の条
件下で酸化すると、酸化カップリング反応によりビフェ
ノール類およびジフェノキノン類が生成することが知ら
れており、これら生成物のうちビフェノール類は、酸化
防止剤、ポリエステルまたはポリカーボネートなどの合
成樹脂改質剤、染料、医農薬中間体あるいは写真薬など
として用いられている。
ところでフェノール類特にアルキル置換フェノール類
を、たとえば米国特許第3,306,874号明細書あるいは同
第3,306,875号明細書などに教示された従来公知の方法
により酸化カップリング反応させた場合には、目的性生
物であるビフェノール類はほとんど生成せず、ビフェノ
ール類がさらに酸化されたジフェノキノン類が主として
生成する。このため目的生成物であるビフェノール類を
得るためには、上記反応で生成したジフェノキノン類を
たとえば水素還元するなどしてビフェノール類に戻すこ
とが必要であった。また上記米国明細書に記載された方
法によれば、ジフェノキノン類以外にビフェニルエーテ
ル、ポリフェニレンエーテルなどが生成されてしまうと
いう問題点があった。なお参考までに、2,6−ジアルキ
ル置換フェノールを酸化カップリング反応させた場合の
反応式を以下に示す。
上記ような問題点を解決するため、アルキル置換フェノ
ール類を酸化するに際してジフェノキノン類の生成を抑
制してアルキル置換ビフェノール類の選択率を高める方
法が提案されている。たとえば特開昭53−65,834号公報
には、Mn,Fe,Co,Cuから選ばれる金属のアミン錯体を触
媒として用いて、アルキル置換フェノール類の酸化カッ
プリング反応をアルカリ水溶液中で行なうことを特徴と
するアルキル置換ビフェノール類の製造方法が開示され
ている。この方法によれば、目的生成物であるアルキル
置換フェノールの選択率は50〜70%と高いが、反応を油
水層で行なっているため、界面活性剤の存在が必要であ
るとともに6000rpmと強攪拌下に反応を行なう必要があ
り、さらに得られるアルキル置換ビフェノール類はアル
カリ塩として得られるため、酸で後処理しなければなら
ないという問題点があった。
またアルキル置換フェノール類を酸化カップリング反応
させて一段で直接に目的化合物であるアルキル置換ビフ
ェノール類を得る他の方法として、たとえば特開昭55−
120,529号公報には、塩基性酸化第二銅を酸化剤とし
て、2,6−ジメチルフェノール(2,6−キシレノールの別
名)を無溶媒下に溶融状態で反応させて、3,3′,5,5′
−テトラメチルビフェノールを得る方法が開示されてい
る。ところがこの方法では、塩基性酸化第二銅は酸化剤
として用いられているため、反応後に再度この銅化合物
を用いるには空気中で加熱して再生しなければならない
という問題点があった。
さらに特開昭47−4,569号公報には、2,6−ジイソプロピ
ルフェノールを水性媒質中でたとえば塩酸などの非酸化
性酸の第二鉄塩を触媒として酸素酸化して3,3′,5,5′
−テトライソプロピル−4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルを得る方法が開示されており、該公報には第二鉄塩中
の3価鉄イオンのフェノールに対する比および水のフェ
ノールにする比を特定の範囲に設定することにより、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルが高収率で得られること
が教示されている。
さらにまた、米国特許第4,361,708号明細書には、アル
キル置換フェノール類を不活性ガス範囲気下に、白金、
パラジウム、ルテニウムなどの触媒を用いてニトロベン
ゼン中で加熱して反応させると、アルキル置換ビフェノ
ール類が1段で得られることが示されているが、その選
択率は約50%と低いという問題点があった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴なう問題点を解決
しようとするものであって、フェノール類特にアルキル
置換フェノール類から一段で直接ビフェノール類特にア
ルキル置換ビフェノール類を高収率で得るための方法を
提供することを目的としている。
発明の概要 ジフェノキノン類の水素化反応工程を経ることなく、フ
ェノール類を金属塩触媒および溶媒の存在下に酸化カッ
プリングさせて直接ビフェノール類を製造するに際し
て、金属塩触媒としてマンガン、鉄、銅、セリウム、バ
ナジウム、パラジウムからなる群から選ばれた少なくと
も1種の金属の塩を用い、溶媒としてアミド結合を有す
る化合物を用いることを特徴としている。
本発明によれば、触媒として特定の金属塩触媒を用い、
また溶媒としてアミド結合を有する化合物を用いて、フ
ェノール類を酸化カップリングさせているため、フェノ
ール類から高収率および高選択率でビフェノール類が生
成する。したがって従来方法のように、フェノール類か
ら一旦ジフェノキノン類を生成させ、このジフェノキノ
ン類を還元してビフェノール類を製造するという複雑な
工程を経ずして、フェノール類から一段でビフェノール
類を製造することができる。なお、上記の反応において
本発明で特定する触媒および溶媒を用いなければ、ビフ
ェノール類を高収率および高選択率で製造することはで
きない。
発明の具体的説明 以下本発明に係るビフェノール類の製造方法を実施例も
含めて具体的に説明する。
本発明において原料として用いらえるフェノール類は下
記一般式[I]で示されるが、このうちアルキル置換フ
ェノール類が好ましい。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5は同一であっても異なって
いてもよく、これらは水素、炭素数1〜8の炭化水素基
あるいはアルコキシ基からなり、R1、R2、R4のうち少な
くとも1つは水素である。) 上記一般式[I]で示されるフェノール類としては、具
体的には、フェノール、o−クレゾール、o−エチルフ
ェノール、o−イソプロピルフェノール、o−t−ブチ
ルフェノール、o−シクロペンチルフェノール、o−シ
クロヘキシルフェノール、o−メトキシフェノール、o
−アリルフェノール、o−ベンジルフェノール、o−フ
ェノキシフェノール、p−クレゾール、p−エチルフェ
ノール、p−イソプロピルフェノール、p−t−ブチル
フェノール、p−シクロペンチルフェノール、p−シク
ロヘキシルフェノール、p−メトキシフェノール、p−
アリルフェノール、p−ベンジルフェノール、p−フェ
ノキシフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ
イソプロピルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノ
ール、2−エチル−6−メチルフェノール、2−イソプ
ロピル−6−メチルフェノール、2−メトキシ−6−メ
チルフェノール、2−エトキシ−6−エチルフェノー
ル、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジベンジルフェ
ノール、2,6−ジシクロヘキシルフェノール、2,4−ジメ
チルフェノール、2,4−ジイソプロピルフェノール、2,4
−ジ−t−ブチルフェノール、2−エチル−4−メチル
フェノール、4−エチル−2−メチルフェノール、2−
イソプロピル−6−メチルフェノール、4−イソプロピ
ル−2−メチルフェノール、2−メトキシ−4−メチル
フェノール、4−メトキシ−2−メチルフェノール、2
−エトキシ−4−エチルフェノール、2,4−ジフェニル
フェノール、2,4−ジベンジルフェノール、2,4−ジシク
ロヘキシルフェノール、2,4−ジフェノキシフェノー
ル、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,6−
トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノー
ル、2,3,4−トリメチルフェノール、2,3,5,6−テトラメ
チルフェノール、2,3,4,5−テトラメチルフェノール、
6−イソプロピル−2,3−ジメチルフェノール等を例示
できる。
これらのフェノール類のうち2,6−キシレノール、2,3,6
−トリメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノ
ール、2,6−シクロヘキシルフェノール、o−クロゾー
ル、o−フェニルフェノール、2,6−ジイソプロピルフ
ェノール、2,4−キシレノール、2,4,5−トリメチルフェ
ノールなどが特に好ましい。
金属塩触媒 本発明では、上記のようなフェノール類は、金属塩触媒
および溶媒の存在下に液相で酸化カップリング反応され
て、ビフェノール類が得られるが、この際用いられる金
属塩触媒としては、マンガン、鉄、銅、セリウム、バナ
ジウム、パラジウムからなる群から選ばれた少なくとも
1種の金属の塩が用いられる。
金属塩の種類としては、上記の金属のハロゲン化物、塩
基性ハロ水酸化物、カルボン酸塩、塩酸塩、硝酸塩、硫
酸塩、炭酸塩、塩基性炭酸塩、水酸化物、塩素酸塩、ア
セチルアセトン塩などが挙げられる。
ハロゲン化物としては、具体的には、塩化マンガン、塩
化鉄、塩化セリウム、塩化バナジル、塩化パラジウム、
塩化銅、臭化マンガン、臭化鉄、臭化銅、ヨウ化銅など
が例示される。
カルボン酸塩としては、具体的には、酢酸マンガン、酢
酸鉄、酢酸銅、酢酸セリウム、酢酸パラジウム、安息香
酸鉄、安息香酸銅、シュウ酸バナジル、シュウ酸マンガ
ンなどが例示される。
硝酸塩として、具体的に硝酸マンガン、硝酸セリウム、
硝酸パラジウム、硝酸銅が、また硫酸塩として硫酸マン
ガン、硫酸鉄、硫酸バナジル、硫酸パラジウム、硫酸銅
などがそれぞれ例示される。
また塩基性炭酸塩としてはCuCO3−Cu(OH)が、塩素
酸塩としてはCu(ClO3などが例示される。そのほか
アセチルアセトン塩としては、マンガンアセチルアセト
ナート、鉄アセチルアセトナート、バナジウムアセチル
アセトナートなどが例示される。なお、これらの化合物
は乾燥状態で用いられることが望ましいが、結晶水を有
するもの、あるいは吸湿したものでも十分使用できるこ
とができる。また、上記の化合物を複数種組み合せて用
いることもできる。
上記金属塩触媒のうちハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、
硫酸塩およびアセチルアセトン塩を用いることが好まし
い。
上記の金属塩触媒は、原料であるフェノール類1モル部
に対して通常0.005〜1モル部の量で用いられる。
溶 媒 本発明では、上記のような金属塩触媒を用いたフェノー
ル類の酸化カップリング反応は、分子中に−CONR−(式
中RはHまたはアルキル基)なるアミド結合を有する化
合物が溶媒として用いられる。このようなアミド結合を
有する化合物としては、いわゆるアミド化合物だけでな
く、尿素化合物(−NHCONH−)あるいはイミド化合物
(−CONHCO−)などが含まれる。
本発明で用いられる溶媒は、分子中にアミド結合を有す
る化合物であるが、取り扱い上100〜200℃で液体である
ことが好ましく、また酸素存在下で容易には酸化されな
いものであることが好ましい。
このような条件をすべて満たす溶媒としては、アミド結
合に含まれる窒素原子はすべて水素以外の置換基で置換
された、いわゆる3級アミンであることが望ましい。こ
の場合のN−置換基としては、低級脂肪族炭化水素基、
脂環族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基であること
が好ましい。
上記のような分子中にアミド結合を有する化合物とし
て、具体的には以下のような化合物が挙げられる。
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジプロピルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチル
プロピオアミド、ホルムピペリジン、ホルムピロリジ
ン、アセチルピペリジン、アセチルピロリジン、ホルム
アニリド、N−メチルアセトアニリド、アセチルピリジ
ン、N−メチルホルムトルイド、アセトトルイド、ジメ
チルベンズアミド、テトラメチル尿素、N,N−ジメチル
トリル尿素、スクシンイミド、グルタルイミド、フタル
イミドなど。
これらのうち、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テト
ラメチル尿素などが特に好ましい。
このような溶媒は、原料であるフェノール類1モル部に
対して、通常0.1〜100モル部好ましくは5〜50モル部の
量で用いられる。
反応条件 上記のような触媒および溶媒を用いて、フェノール類の
酸化カップリング反応が行なわれるが、反応温度は通常
70〜300℃好ましくは120〜200℃であり、反応時間は反
応温度によって大きく変化しうるが通常0.2〜5時間程
度である。
上記のフェノール類の酸化カップリング反応は、酸素の
存在下で行なわれる。反応系に導入される酸素として
は、純酸素、空気または酸素を窒素などの不活性ガスで
希釈した酸素含有ガスが用いられる。
上記反応は、通常常圧または加圧下で行なわれる。常圧
で反応を行なう場合には、純酸素あるいは酸素含有ガス
を反応液中にバブリングするなどして反応系に酸素を導
入し、一方加圧下で反応を行なう場合には、純酸素ある
いは酸素含有ガスを反応系内に圧入するなどして反応系
に酸素を導入することができる。
本発明に係るフェノール類の酸化カップリング反応によ
るビフェノール類の合成反応は、連続式によっても、バ
ッチ式によっても行なうことができる。この反応では水
が副生成物として生ずるが、この生成水は反応中にたと
えば共沸蒸溜などの方法によって系外に速やかに除去し
ながら反応を行なうことが好ましい。この場合、水と共
沸混合物を形成する炭化水素類、例えばヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等を反応系
に添加しておくか、あるいは反応中、徐々に反応系に加
えていくといった方法を採ることもできる。
本発明に係るフェノール類の酸化カップリング反応によ
るビフェノール類の合成反応によれば、以下に示すビフ
ェノール類[II]および[III]が高選択率で生成す
る。
(式中R1、R2、R3、R4、R5は前記と同じである。) このようなビフェノール類[II]および[III]として
は、原料たる前記フェノール類[I]に応じて種々の化
合物が示されるが、具体的には、3,3′,5,5′−テトラ
メチル−4,4′−ジヒドロキシジフェノール、3,3′,5,
5′−テトラメチル−2,2′−ジヒドロキシジフェノー
ル、2,2′,3,3′,5,5′−ヘキサメチル−4,4′−ジヒド
ロキシジフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロ
キシジフェニル、3,3′−ジイソプロピル−4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルなどが好ましい。
本発明において、反応終了後に反応混合物から生成物で
あるビフェノール類を分離するには、以下のようにすれ
ばよい。すなわち、反応混合物から溶媒であるアミド結
合を有する化合物を蒸溜などによって除去したのち、反
応混合物に抽出剤として水および水に相溶しない有機溶
媒を加えて、水相および油相の2相とし、生成物である
ビフェノール類を油相に、触媒を水相に抽出分離する。
この抽出操作は通常0〜95℃好ましくは70〜90℃で行な
われる。また抽出剤としての有機溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレ
ン、プロピルベンゼン、サイメンなどの芳香族炭化水
素、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトンな
どのケトン類、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、ク
ロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、テ
トラヒドロフランなどの環状エーテル類が用いられう
る。
これらの抽出剤として水および有機溶媒は、抽出剤が添
加される反応混合物1重量部に対して、水は通常10〜10
0重量部の量で、また有機溶媒は通常10〜100重量部の量
で用いられる。
なお水相に抽出された触媒は、必要に応じて水相から回
収して再使用することもできる。
一方油相に抽出されたビフェノール類は、油相を冷却す
ることにより油相から析出させることができる。油相か
ら析出したビフェノール類は、必要に応じて再結晶を繰
り返すことによって純度を高めることができる。また未
反応の原料フェノール類は、ビフェノール類が析出され
た後の晶析母液を蒸溜することによって回収でき、再使
用することができる。
発明の効果 本発明に係るフェノール類からのビフェノール類の製造
方法によれば、触媒として特定の金属塩触媒を用い、ま
た溶媒としてアミド結合を有する化合物を用いているた
め、ビフェノール類が高収率、高選択率で得られる。し
たがって従来方法のように、フェノール類から一旦ジフ
ェノキノン類を生成させ、このジフェノキノン類を還元
してビフェノール類を得るというような手間のかかる操
作を経ることなく、フェノール類から直接ビフェノール
類を製造することができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。
実施例 1 酢酸第1マンガン4水和塩[Mn(CH3COO)・4H2O]5.
0gおよび2,6−キシレノール200gをN,N−ジメチルホルム
アミド500gが導入されたフラスコ(反応器)に入れ150
℃に昇温した。500rpmの速度で攪拌しながら空気を1.5
/minの流速にコントロールしつつ溶液中に吹き込みバ
ブリングした。フラスコから排出される溶媒および生成
した水を含むガスは、冷却後脱ガスした後、オルダーシ
ョウ型蒸溜塔により、反応中に生成した水と溶媒のN,N
−ジメチルホルムアミドとに分離し、溶媒は反応器に戻
し、一方生成した水は系外に除去しながら反応を継続し
た。
1時間反応した後、反応液をガスクロマトグラフィー
(充填剤OV−17)で分析したところ、2,6−キシレノー
ルの転化率は73モル%であり、生成物の選択性は表1の
通りであった。ジフェノキノン類ならびにジフェニルエ
ーテル類の生成は極めて少なく、目的とするジヒドロキ
シジフェニルの選択性が高かった。
つぎに、溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミドを反応
混合物から留去した後、反応混合物に抽出液として500m
lの水と500mlのメチルイソブチルケトンとを加え、90℃
て油相と水相とに分離して、触媒を水相に分離した。さ
らに、油相を3%の酢酸水溶液で洗浄後メチルイソブチ
ルケトンを蒸溜で除去することによって、粗結晶を得
た。つぎにクロロホルムを用いて晶析することにより、
純度99%以上の3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニル92gを得た。
実施例 2 無水の酢酸第2銅[Cu(CH3COO)]1.1gおよび2,3,6
−トリメチルフェノール20gを、N,N−ジメチルホルムア
ミド130mlが導入されたフラスコ内に入れ、実施例1と
同様に、空気をバブリングしながら、トリメチルフェノ
ールの酸化カップリング反応を行った。
1時間反応を継続した後の結果を表2に示す。
実施例 3 塩化パラジウム(PdCl2)0.63gおよび2,4−ジメチルフ
ェノール12,5gをN,N−ジメチルホルムアミド80mlととも
に500mlSUS製オートクレーブに入れ、130℃で空気を圧
入し、内圧を30kg/cm2−Gとした。1時間攪拌を継続し
た後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析した。結
果を表3に示す。
実施例 4 無水の酢酸第2銅[Cu(CH3COO)]1.1gおよびo−イ
ソプロピルフェノール23gをN,N−ジエチルホルムアミド
150mlが導入されたフラスコ内に入れ、実施例1と同様
に空気をバブリングさせながら反応温度を178℃に昇温
させ、o−イソプロピルフェノールの酸化カップリング
反応を行った。6時間反応した後の結果を表4に示す。
実施例5〜12および比較1〜3 触媒として以下の金属塩を使用した以外はすべて実施例
1と同じ方法で、それぞれ2,6−キシレノールの酸化カ
ップリング反応を行なった。
これらの結果を実施例1の結果と合せて表5に示す。
実施例 13〜16 溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドを使用する代り
に、N,N−ジエチルホルムアミド[(C2H52N−CHO]
(実施例13)、N,N−ジメチルホルムアミド[(CH32N
−COCH2](実施例14)、テトラメチル尿素[(CH32N
−CO−N(CH3](実施例15)、N−メチルアセト
アニリド (実施例16)を使用した以外はすべて実施例1と同じ方
法で2,6−キシレノールを酸化カップリング反応を行な
った。結果を表6に示す。
比較例 4〜7 溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドを使用する代り
に、ベンゾニトリル (比較例4)、オクタン酸[C7H12COOH](比較例
5)、メチル安息香酸 (比較例6)およびo−ジクロルベンゼン (比較例7)を使用した以外はすべて実施例1と同じ方
法で2,6−キシレノールの酸化カップリング反応を行な
った。結果を表6に示す。
比較例 8 ベンゾニトリル135mlとCuCl2gを250mlフラスコに仕込
み、これに酸素をバブリングしながらスチームバスで加
熱し、CuClが溶解した後、2,6−ジメチルフェノール10g
(0.082モル)をフラスコ内に添加した。反応開始50分
後得られた赤色沈澱物8.2g(0.034モル、収率:83%)を
濾別分離した。このものは融点224℃の3,3′,5,5′−テ
トラメチルジフェノキノンであった。ビフェニル生成物
は得られなかった。
実施例 17 50mlSUS製耐圧オートクレーブに2,6−ジメチルフェノー
ル1.25g(10.246mmol)、PdCl20.063g(0.355mmol)お
よびジメチルホルムアミド8mlを仕込み、空気で30kg/cm
2Gに加圧した。これを130℃の油浴に浸し、攪拌下1時
間反応を行った。冷却後脱圧し内容物を取り出し、ガス
クロ分析により定量したところ、3,3′,5,5′−テトラ
メチル−4,4′−ビフェノール0.439(1.813mmol、収率:
35.4%)、2′,3,5,6′−テトラメチル−4−ヒドロキ
シ−ジフェニルエーテル0.032g(0.131mmol、収率:2.6
%)および2,6−ジメチルフェノール0.733g(6.004mmo
l、転化率41.4%)であった。
以上の実施例および比較例から、フェノール類を金属塩
触媒および溶媒の存在下に酸化カップリングさせてビフ
ェノール類を製造するに際して、金属塩としてマンガ
ン、鉄、銅、セリウム、バナジウム、パラジウムからな
る群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩と、溶媒と
してアミド結合を有する化合物を用いなければ、ビフェ
ノール類を高収率および高選択率で製造することはでき
ないことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 27/25 X 9342−4G 31/04 X 8017−4G 31/22 X 8017−4G C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジフェノキノン類の水素化反応工程を経る
    ことなく、フェノール類を金属塩触媒および溶媒の存在
    下に酸化カップリングさせて直接ビフェノール類を製造
    するに際して、金属塩触媒としてマンガン、鉄、銅、セ
    リウム、バナジウム、パラジウムからなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の金属の塩を用い、溶媒としてアミド
    結合を有する化合物を用いることを特徴とする、ビフェ
    ノール類の製造方法。
  2. 【請求項2】フェノール類がアルキル置換フェノール類
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】フェノール類が2,6−キシレノール、2,3,6
    −トリメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノ
    ール、o−クレゾール、2,6−ジイソプロピルフェノー
    ル、2,4−キシレノールまたは2,4,5−トリメチルフェノ
    ールである特許請求の範囲第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】金属塩触媒がマンガン、鉄、銅、セリウ
    ム、バナジウム、パラジウムからなる群から選ばれた金
    属のハロゲン化物、塩基性ハロ水酸化物、カルボン酸
    塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、塩基性炭酸塩、水酸化
    物、塩素酸塩、アセチルアセトン塩である特許請求の範
    囲第1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】溶媒がN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
    ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
    テトラメチル尿素である特許請求の範囲第1項に記載の
    方法。
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