JPH074222B2 - 細胞破砕選別装置及び選択的遺伝子導入装置 - Google Patents

細胞破砕選別装置及び選択的遺伝子導入装置

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JPH074222B2
JPH074222B2 JP63124642A JP12464288A JPH074222B2 JP H074222 B2 JPH074222 B2 JP H074222B2 JP 63124642 A JP63124642 A JP 63124642A JP 12464288 A JP12464288 A JP 12464288A JP H074222 B2 JPH074222 B2 JP H074222B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は全く新規なバイオテクノロジーに係り、流路を
流れる細胞のうち不要な細胞のみを電気的に破砕するこ
とにより必要な細胞を選別する細胞破砕選別装置、及
び、流路を流れる細胞のうち特定の細胞に対し選択的に
遺伝子核酸を導入する選択的遺伝子導入装置に関する。
[従来の技術] 細胞選別装置には、静電気力により選別を行う装置があ
る。この装置は、細胞懸濁液を細い流れにして細胞を一
個ずつ送り、この細胞流をシース流で覆い、細胞に光束
を照射して蛍光や散乱光を受光し、受光データを処理し
て細胞の性質を調べ、超音波振動子で流れの方向に振動
を与え、流体を帯電させてノズルからこれらを滴下さ
せ、細胞の性質に応じ、その液滴を電圧印加偏向板で振
り分けて選別する構成である。
また、他の細胞選別装置として、圧力波により流路を変
更させて選別を行うものがある。この装置は、細胞の性
質の検出については前記同様であるが、Y字状流路を用
い、その交差点付近の一方の下流側分岐路内に、この流
路に直交する方向からプランジャを往復移動させて圧力
波を生ぜしめ、交差点を通る細胞を他方の分岐路に送る
構成である(特開昭61-137062号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、静電気力を用いた選別装置では、液滴作成のた
めに振動を与え、かつ、液滴を大気中に放出、すなわち
急激に減圧させるので、全ての細胞に機械的衝撃が加え
られ、特に、細胞壁がなく機械的衝撃に弱い植物プロト
プラストの場合には、ノズルの内径を太くするとともに
振動数を低くして細胞生存率を高める必要があり、分取
速度は高々104個/時(2.8個/秒)程度である(BIO IN
DUSTRY Vol.4 No.11 887〜894頁1987)。本発明者は105
個/min(1670個/秒)の速度で2核雑種融合細胞を作成
する電気的細胞融合装置を開発しており、この速度に比
較すれば選別速度は極めて遅いといえる。しかも、この
ための装置の構成が複雑であり、製造コストが高い。
また、圧力波を用いた選別装置では、流速を大きくする
程圧力波の圧力を大きくしなければならず、この圧力を
大きくすると目的とする細胞にも衝撃が加わる。また、
プランジャを機械的に移動させるので、その速度の上限
は低い。したがって、上記同様に選別速度は小さい。し
かも内径0.1mm程度の細管にプランジャを通す必要があ
るので、装置の製作が容易でない。
一方、複数種の細胞集団のうち、送定の細胞のみ選択的
に遺伝子を導入できれば、例えば、血液中のリンパ球の
みに対しある特定の遺伝子核酸を導入できれば、その生
物的、医学的応用は計り知れない。
本発明者は連続的に遺伝子核酸を細胞に導入する装置を
開発したが、特定の細胞のみに選択的に遺伝子核酸を導
入することができず、このような場合、従来では少量の
細胞について顕微鏡下で手作業により一個ずつ遺伝子核
酸注入を行っていた。
本発明の第1の目的は、上記問題点に鑑み、構成が簡単
で、しかも、細胞に機械的衝撃を与えずに選別を高速化
できる細胞破砕選別装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、上記問題点に鑑み、複数
種からなる大量の細胞集団について高速かつ自動的に、
特定の細胞に対してのみ選択的に遺伝子核酸を導入する
ことができる選択的遺伝子導入装置を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するために、本発明に係る電気的細胞破
砕選別装置では、細胞が一個ずつ通るように細胞懸濁液
が流される流路と、該流路に対し配置され、細胞の性質
を検出する検出器と、該検出器の下流側の該流路の側壁
面に先端を略一致させ且つ互いに対向させて配置された
少なくとも一対の針電極と、該検出器により不要な細胞
が検出された場合には、該検出と同時または該検出が行
われてから所定時間後に、該細胞を破砕するのに充分な
電圧を該電極間に印加する制御手段と、を有することを
特徴とする。
また、選択的遺伝子導入装置では、前記流路には細胞が
一個ずつ通るように細胞と遺伝子核酸との懸濁液が流さ
れ、前記制御手段の代わりに次のような制御手段を備え
ている。すなわち、該検出器により標的とする細胞が検
出された場合には、該検出と同時または該検出が行われ
てから所定時間後に、標的とする該細胞に遺伝子核酸を
導入するのに適当な電圧を該電極間に印加する制御手段
を備えている。他の構成要素については、細胞破砕選別
装置と同一である。
さらに、細胞破砕選別・選択的遺伝子導入装置では、上
記両装置の構成要素を備えている。
上記電極は例えば一対の針電極からなり、上記流路の側
壁面に該針電極の先端を略一致させ、該針電極を互いに
対向させて配置している。
また、上記検出器は例えば、励起光源と、該励起光源と
上記流路との間に配置され、該励起光源から放射された
光束の横断面形状が該流路の中央で所定形状になるよう
に整形する整形手段と、該整形され、該流路を透過した
光束を分割するビームスプリッタと、該分割された光束
が入射され、特定色の蛍光のみを通過させるフィルタ
と、該フィルタを通過した光を受けて光電変換する受光
素子とを備えて構成されている。
[実施例] 以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
細胞破砕選別装置及び選択的遺伝子導入装置は目的が大
きく相異するものの、本案では細胞識別基準及び印加電
圧が異なるだけであり、これが本案の大きな特徴であ
る。最初に、細胞破砕選別装置の一実施例について説明
する。
(1)細胞破砕選別装置 第1図に示す如く、細胞破砕選別装置10は、処理管12に
対して配置された識別部10A、破砕部10B及び制御回路10
Cとからなり、破砕部10Bは識別部10Aの下流側に配置さ
れている。
この処理管12には、細胞懸濁液が通される。この細胞懸
濁液に含まれる細胞は、例えば2種の細胞(細胞A、B
と称す)を電気的に操作して融合させたものであり、融
合細胞AA、AB、BBと、少しの非融合細胞A、Bとからな
る。細胞A、Bは、自然蛍光物質、人工的に付着された
蛍光物質または人工的に導入された蛍光を発する発光遺
伝子をもっており、励起光を照射すると、例えば、細胞
Aは赤色の蛍光を放出し、細胞Bは緑色の蛍光を放出す
る。
本装置は、処理管12に細胞を一個ずつ流し、この蛍光に
より細胞を識別し、例えば2核雑種融合細胞ABのみを連
続的に得るものである。
14は励起光源であり、蛍光物質を励起するためのレーザ
光または可視・紫外の連続光等を放射する。
16Aはビームスプリッタであり、励起光源14と処理管12
との間に配置され、励起光源14から放射された光束を2
分割する。
18Aは波形整形器であり、例えばクロスして配置された
2個のシリンダレンズからなり、ビームスプリッタ16A
と処理管12との間に配置され、ビームスプリッタ16Aを
透過した光束の横断面形状が処理管12の中央で所定形状
になるように整形する。
20Aは収束レンズであり、処理管12を介し波形整形器18A
と対向する位置に配置され、細胞の蛍光物質から放出さ
れた蛍光等を集める。
22はビームスプリッタであり、収束レンズ20Aを通った
光束を2分割する。
24A、24Bはフィルタであり、それぞれ前記分割された光
束の各々が入射され、フィルタ24Aは赤色蛍光のみを通
過させ、フィルタ24Bは緑色蛍光のみを通過させる。
26A、26Bは光電子増倍管であり、それぞれフィルタ24
A、24Bを通過した光を受けて光電変換する。
16Bは平面鏡であり、ビームスプリッタ16Aで反射された
光束を受けて処理管12側に反射させる。
18B、20B、26Cはそれぞれ波形整形器18A、収束レンズ20
A、光電子増倍管26Aと同一構成であり、これらに並設さ
れており、処理管12を通過する細胞の蛍光以外の光学的
性質、例えば吸光度、散乱光強度等が細胞の種類やサイ
ズ等により異なることを利用して細胞の性質を検出する
ために用いられ、又は/及び細胞が2点を通過する時間
を測定するために用いられる。
28A、28Bは一対の針電極であり、処理管12の内壁面に電
極先端を一致させて流れが乱れないようにし、かつ、互
いに対向させて配置している。
32はパルス発生器であり、トリガ入力信号に応じて、直
流パルス電圧を針電極28A、28B間に印加する。この直流
パルス電圧は、処理管12を流れる細胞30を破砕するのに
充分なパルス電圧であり、細胞の種類、流速、電極間距
離により異なる。これについては後述する。
次に、第2A図、2B図に基づいて針電極28A、28Bが取り付
けられた電極ブロックの一例を説明する。第2A図は電極
ブロック34の分解斜視図であり、第2B図は組付状態の横
断面図である。
接続管12Aと12Bとの間に針電極28A、28Bを配置して電極
先端及びその付近の流路壁面を定期的に清掃可能にして
いる。この接続管12A、12Bの内径は処理管12の内径に等
しく、処理管12が中間で切断され、その切断端に接続管
12A、12Bが接続されて電極ブロック34が処理管12に介装
される。
接続管12A、12Bは、例えば、直径20〜50μmの植物プロ
トプラストに対し内径0.2〜0.4mmである。
また、針電極28A、28Bは、電界の広がりを押さえて選別
をより高速可能にするためには先端直径が小さい方が好
ましいが、強度及び取り扱い上の点から制限を受ける。
例えば先端直径10〜30μm、基端直径約750μmであ
る。針電極28A、28Bの材料は、電気分解しにくく、酸化
しにくく、かつ破砕細胞の破片が付着しにくいもの、例
えば白金、ステンレススチール等である。電極先端には
金を鍍金してもよい。
36はホルダであり、円柱ブロックの一端面中心部に処理
管12Bの一端が嵌入固着され、他端面に凹部36aが形成さ
れ、この凹部36aの底面には針電極28A、28Bに対応した
断面半円形の針溝36b、36cが形成され、凹部36aの内周
面に雌ねじ36dが形成されている。この針溝36b、36c
は、ホルダ36の外周部を貫通する孔36e、36fに連通して
おり、この孔36e、36fから針電極28A、28Bが嵌入され、
図示の如く針溝36b、36cに嵌合されている。ホルダ36の
材料は例えばテフロン(登録商標)であり、直径は例え
ば25mmである。
38はシールパッドであり、弾力性のある部材で円板状に
形成され、凹部36aに嵌合される。シールパッド38の材
料は例えばシリコンゴムであり、上記サイズの針電極を
用いた場合には、厚みは例えば0.5〜1.0mmである。
40はアダプタであり、円柱板であって、外周面に雌ねじ
36cと螺合する雌ねじ40aが形成され、一端面中心部に接
続管12Aが嵌入固着されている。アダプタ40の材料は例
えばテフロンである。
シールパッド38を凹部36aに嵌入し、このシールパッド3
8を押圧してアダプタ40をホルダ36に螺着させると、シ
ールパッド38は凹部36aの底面及び針電極28A、28Bの側
面に密着し、シールが確保される。
これらホルダ36、シールパッド38、アダプタ40の中心部
には、それぞれ接続管12A、12Bの内径に等しい孔36g、3
8a、40bが形成されている。
次に、上記の如く構成された細胞破砕選別装置10の動作
を2核雑種融合細胞の選別の例で説明する。
上述の細胞懸濁液を処理管12に通す。
制御回路10Cは、光電子増倍管26A及び26Bから同時に電
気的パルスを受け、かつ、そのパルスの高さが一定範囲
内である場合には、目的とする2核雑種融合細胞である
と判別し、この条件を満たさない場合には不要な細胞、
すなわち、非融合細胞、同種融合細胞または3以上の雑
種融合細胞と判別する。そして、不要細胞と判別した場
合には、光電子増倍管26Cからの電気的パルスと光電子
増倍管26Aまたは26Bからの電気的パルスとの時間差を定
数倍して、この細胞が針電極28A、28B間を通過する時点
を算出し、この時点でパルス発生器32にトリガ信号を供
給する。
これにより、不要細胞のみが各々1個の直流パルスによ
り破砕される。したがって、目的とする2核雑種融合細
胞のみを連続的かつ自動的に選別、分取することができ
る。また、この破砕により流れが少し乱れるものの、他
の細胞を破砕するような機械的衝撃を与えることがな
い。しかも、流速を大きくしても特に不都合は生じな
い。
次に、直流パルス電圧印加による細胞破砕の実験結果を
説明する。
第3図は実験結果を示すグラフであり、縦軸は細胞破砕
率(%)、横軸は直流パルス印加による電界強度であ
る。パルス幅を50μsec、100μsec、200μsec、500μse
c及び1m secと変化させて細胞破砕率がどのように変化
するかも調べた。パルス印加回数は1回である。使用し
た細胞懸濁液は、2×105個/mlのタバコ葉肉プロトプラ
スト(品種:キサンチNN)を、CaCl2を含む0.5Mのマン
ニトール液に懸濁したものである。
この図から、上記細胞を100%完全に破砕するための条
件は、例えばパルス幅が500〜1000μsecの場合には電界
強度が5kV/cm以上(電極間隔0.2mmでは100V以上)であ
り、パルス幅が200μsecの場合には10kV/cm以上(電極
間隔0.2mmでは200V以上)であることが分かる。選別速
度を高速にするにはパルス幅を狭くする必要があるが、
装置を安価にするにはパルス幅を広くして印加電圧を低
くすればよい。パルス印加回数を増やせばこの印加電圧
を低くすることができるが、本装置では、構成を簡単化
し、流れの乱れを少なくし、かつ、完全に破砕するため
に、1回で完全に破砕できる電圧を印加した方が好まし
い。
電気的細胞融合法によれば2核雑種融合細胞は全細胞の
約10%を占めるので、パルス幅を200μsecとすると、最
大500個/secの速度で2核雑種融合細胞のみを得ること
が可能である。
幅1mm、厚さ0.3mmの溝状オープンチャンバの両側に先端
直径100μmの針電極1対を1mm離して対向させ、このチ
ャンバに上記細胞懸濁液をいれ、幅1m sec、高さ200Vの
直流パルスを10回印加し、タバコ葉肉プロトプラスオの
破砕状況を顕微鏡下で観察したところ、電極間中点を中
心とする半径0.5mmの球内にあるプロトプラストがほぼ
完全に破砕されていた。このことから、細胞懸濁液を断
面円形管路に流した場合には、直流パルスの影響は、電
極間中点を中心とし半径が流路半径に等しい球内に及ぶ
と考えられる。換言すれば、細胞の間隔が管路の直径以
上になるよう細胞懸濁液の濃度を調整する必要がある。
(2)選択的遺伝子導入装置 次に、選択的遺伝子導入装置について説明する。
この装置は、制御回路10Cの細胞識別基準及びパルス発
生器32の出力電圧が細胞破砕選別装置と異なるだけであ
り、他の点は同一である。したがって、第1図に基づい
て説明する。
複数種の細胞集団のうち、特定の細胞について予め蛍光
抗体を標識しておき、この細胞集団と遺伝子核酸との懸
濁液を処理管12に通す。
制御回路10Cは、光電子増倍管26A又は26Bから電気的パ
ルスを受け、そのパルスの高さが一定範囲内である場合
には、標的とする細胞であると判別する。標的細胞と判
別した場合には、光電子増倍管26Cからの電気的パルス
と光電子増倍管26Aまたは26Bからの電気的パルスとの時
間差を定数倍して、この細胞が針電極28A、28B間を通過
する時点を算出し、この時点でパルス発生器32にトリガ
信号を供給する。この際パルス発生器32から出力される
直流パルスの電圧は、遺伝子導入に適当な電圧であり、
細胞破砕電圧よりも低い。
これにより、標的細胞のみが各々1個の直流パルスを受
け、遺伝子核酸がこの標的細胞に導入される。
次に、直流パルス電圧印加による細胞への遺伝子核酸導
入の実験結果を説明する。
第4図は実験結果を示すグラフであり、縦軸は遺伝子核
酸導入率または細胞破砕率(%)、横軸は直流パルス印
加による電界強度である。パルス幅は50μsecである。
使用した細胞懸濁液は、2×105個/mlのタバコ葉肉プロ
トプラスト(品種:キサンチNN)にタバコモザイクウイ
ルスRNA10μg/mlを加え、MgCl2を含む0.5Mのマンニトー
ル液に懸濁したものである。
この図から、上記細胞を破砕することなくほぼ100%の
率で遺伝子核酸を導入させるための条件は、電界強度が
約850V/cmであることが分かる。
遺伝子核酸導入の処理速度は、処理砕12内を流れる懸濁
液の流速、パルス幅、細胞密度、標的細胞の割合による
が、パルス幅が550μsec、細胞集団中の標的細胞の割合
が10%である場合には、最大2,000個/secの速度で標的
細胞のみに遺伝子核酸を導入することが可能である。
(3)細胞破砕・選択的遺伝子導入装置 以上の説明から、細胞破砕及び選択的遺伝子導入を1台
の装置で行うことができることは明白である。さらにこ
の装置は、細胞破砕と選択的遺伝子導入を同時に行う場
合、複数種の細胞集団のうち、不要の細胞を破砕し、標
的細胞のみに遺伝子を導入することによって、最終的に
特定の遺伝子導入細胞だけを選別することができる。し
たがって、処理時間及び処理前後の作業を半減できるの
で特に有用である。また、設備費を大幅に低減できる。
(4)拡張 なお、本発明には外にも種々の変形例が含まれる。
例えば、第1図において、流速を一定に制御したり、ま
たは、光電子増倍管26A、26Bで細胞を計数し、針電極28
A、28B間の抵抗値の変化から細胞を計数し、何番目の細
胞を破砕するかを決定するように構成すれば、構成要素
16B、18B、20B及び26Cは不要である。
また、2色の蛍光を検出する代わりに、1色の蛍光と散
乱光強度を検出してもよい。また、流路に針電極28A、2
8Bまたはこれと同様な一対の電極を置き、電極間の抵抗
値を測定して細胞の性質を捕らえてもよい。
さらに、電極間への電圧印加方法は、通常は直流破砕電
圧を印加してとき、目的とする細胞が電極間を通過する
ときのみ電圧印加を解除してもよい。この場合、細胞は
電極間を瞬間的に通過するので、流速に反比例した幅の
疑似パルスを受ける。
電極は、流路の同一断面内に複数対配置し、または異な
る複数の断面内の各々に1対または複数対配置してもよ
い。
細胞破砕選別装置は雑種融合細胞や遺伝子導入細胞の破
砕選別以外にも用いることができる。例えば、血液の癌
細胞に特異的に反応する抗体に蛍光物質を付着してお
き、この抗体を血液に混ぜ、上記処理管に通し、蛍光を
放出する細胞、即ち癌細胞を識別し、癌細胞のみを破管
するのに用いることも考えられる。また、微生物や動植
物細胞の純粋培養中に雑菌汚染が生じた場合、この雑菌
だけを選択的に破砕・除去するのに用いられる。
[発明の効果] 本発明に係る細胞破砕選別装置では、細胞が一個ずつ通
るように細胞懸濁液が流される流路に対し、細胞の性質
を検出する検出器を配置し、この検出器の下流側の流路
の側壁面に先端を略一致させ且つ互いに対向させた少な
くとも一対の針電極を配置し、不要な細胞が検出された
場合には、この検出と同時またはこの検出が行われてか
ら一定時間後に、該電極間に電圧を印加して該細胞を電
気的に破砕する構成であるので、必要とする細胞を損傷
するような機械的衝撃を与えることなく選別速度を従来
よりも高めることができるという優れた効果を奏する。
しかも、構成が簡単であり、細胞選別装置の製造コスト
を低減できるという優れた効果も奏する。
また、本発明に係る選択的遺伝子導入装置では、上記装
置において、標的とする細胞が検出された場合に、この
検出と同時にまたはこの検出が行われてから一定時間後
に、該電極間に電圧を印加して細胞に遺伝子核酸を導入
する構成であり、従来手作業で行っていた選択的遺伝子
導入を連続的、大量かつ自動的に行うことができるとい
う優れた効果を奏する。
さらに、両装置は主要な構成が共通であるので、一つの
装置で両装置を兼ねることもでき、極めて経済的である
という優れた効果も奏する。
本発明に係る細胞破砕選別装置及び選択遺伝子導入装置
は全く新規なバイオテクノロジーを提供するものであ
り、意義が大である。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は本発明の実施例に係り、第1図は連
続電気細胞破砕選別装置および選択的電気遺伝子導入装
置の全体構成図、第2A図は電極ブロックの分解斜視図、
第2B図は第2A図に示す電極ブロックの組付状態を示す横
断面図、第3図は直流パルス印加による細胞破砕率を示
す実験図、第4図は直流パルス印加による遺伝子核酸導
入率を細胞破砕率と共に示す実験図である。 10:細胞破砕選別装置あるいは選択的遺伝子導入装置 10A:識別部 10B:破砕部あるいは導入部 10C:制御回路 12:処理管 12A、12B:接続管 14:励起光源 24A、24B:フィルタ 26A〜C:光電子増倍管 28A、28B:針電極 32:パルス発生器 34:電極ブロック 36:ホルダ 38:シールパッド 40:アダプタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 風見 武 茨城県新治郡新治村藤沢1616番地 (56)参考文献 特開 昭60−251877(JP,A) 米国特許4663292(US,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細胞が一個ずつ通るように細胞懸濁液が流
    される流路(12)と、 該流路(12)に対し配置され、細胞の性質を検出する検
    出器(10A)と、 該検出器(10A)の下流側の該流路の側壁面に先端を略
    一致させ且つ互いに対向させて配置された少なくとも一
    対の針電極(28A、28B)と、 該検出器(10A)により不要な細胞が検出された場合に
    は、該検出と同時または該検出が行われてから所定時間
    後に、該細胞を破砕するのに充分な電圧を該電極間に印
    加する制御手段(10C、32)と、 を有することを特徴とする細胞破砕選別装置。
  2. 【請求項2】細胞が一個ずつ通るように細胞と遺伝子核
    酸との懸濁液が流される流路(12)と、 該流路(12)に対し配置され、細胞の性質を検出する検
    出器(10A)と、 該検出器(10A)の下流側の該流路の側壁面に先端を略
    一致させ且つ互いに対向させて配置された少なくとも一
    対の針電極(28A、28B)と、 該検出器(10A)により標的とする細胞が検出された場
    合には、該検出と同時または該検出が行われてから所定
    時間後に、標的とする該細胞に遺伝子核酸を導入するの
    に適当な電圧を該電極間に印加する制御手段(10C、3
    2)と、 を有することを特徴とする選択的遺伝子導入装置。
  3. 【請求項3】細胞が一個ずつ通るように細胞と遺伝子核
    酸との懸濁液が流される流路(12)と、 該流路(12)に対し配置され、細胞の性質を検出する検
    出器(10A)と、 該検出器(10A)の下流側の該流路の側壁面に先端を略
    一致させ且つ互いに対向させて配置された少なくとも一
    対の針電極(28A、28B)と、 該検出器(10A)により不要な細胞が検出された場合に
    は、該検出と同時または該検出が行われてから所定時間
    後に該細胞を破砕するのに充分な電圧を該電極間に印加
    し、該検出器(10A)により標的とする細胞が検出され
    た場合には、該検出と同時または該検出が行われてから
    所定時間後に標的とする該細胞に遺伝子核酸を導入する
    のに適当な電圧を該電極間に印加する制御手段(10C、3
    2)と、 を有することを特徴とする細胞破砕選別・選択的遺伝子
    導入装置。
  4. 【請求項4】前記検出器は、 励起光源(14)と、 該励起光源(14)と前記流路(12)との間に配置され、
    該励起光源から放射された光束の横断面形状が該流路の
    中央で所定形状になるように整形する整形手段(18A)
    と、 該整形され、該流路(12)を透過した光束を分割するビ
    ームスプリッタ(22)と、 該分割された光束が入射され、特定色の蛍光のみを通過
    させるフィルタ(24A、24B)と、 該フィルタ(24A、24B)を通過した光を受けて光電変換
    する受光素子(26A、26B)と、 を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の装
    置。
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