JPH0742141B2 - 非晶質鉱物繊維複合材の製造方法 - Google Patents

非晶質鉱物繊維複合材の製造方法

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JPH0742141B2
JPH0742141B2 JP61031876A JP3187686A JPH0742141B2 JP H0742141 B2 JPH0742141 B2 JP H0742141B2 JP 61031876 A JP61031876 A JP 61031876A JP 3187686 A JP3187686 A JP 3187686A JP H0742141 B2 JPH0742141 B2 JP H0742141B2
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amorphous mineral
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素彦 吉住
大介 渋田
年治 林
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Mitsubishi Materials Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 一般にプラスチックスは1014Ω・cm以上の比抵抗を有す
る絶縁体であり、このため帯電し易く、塵や芥が付着し
易い。また静電気を帯び、その放電により人体に不快感
を与える。また最近コンピューター機器が広汎に用いら
れているが、外部の電磁波が該コンピューター機器に影
響し、誤作動の要因になることが指摘されている。この
防止対策としてコンピューター機器に用いられる樹脂を
導電化して電磁シールドの効果を発揮させることが行わ
れている。
本発明は、導電フィラーとしての金属被覆非晶質鉱物繊
維の製造方法に関するものである。
<従来の技術とその問題点> 樹脂を導電化する方法として導電フィラーを樹脂中に混
入すればよく、導電フィラーとしては金属粉体、カーボ
ン、各種酸化物が知られている。然し乍ら金属は導電性
が最も優れるが、その反面比重も大きく、樹脂に必要量
含有する際、樹脂の比重も大きくなり、また樹脂の強度
が劣化する。またカーボンは比重が小さく少ない含有量
で樹脂を導電化できるが、樹脂に分散させることが難し
く、また樹脂の強度も劣化し易い。その他上記酸化物は
導電性が低く、樹脂に混入した場合、その比抵抗は103
Ω・cm以上となり、帯電防止程度の効果に止まる。
更に上記フィラーの形状は球状のものより繊維状のもの
がフィラーの含有量を少なくしても樹脂を導電化し易い
利点がある。
繊維状の導電フィラーとしては従来、Cu繊維、ステンレ
ス鋼繊維などが知られているが、これはいずれも比重が
大きい欠点がある。一方、カーボン繊維は比重は小さい
が球状のものと同様に樹脂中に分散させることが難し
い。
以上のように望ましい導電フィラーとしては金属と同等
の導電性を持ち、比重が低く、繊維状を呈していること
である。この目的のために各種の鉱物繊維にNiまたはCu
をメッキすることが知られている。しかるに一般にはこ
れらの繊維にNiまたはCuをメッキすると金属との接着が
十分でなく、はがれ易い欠点を有する。
本発明は接着性の良好な金属被覆鉱物繊維の製法に関す
るものである。
<問題解決の手段> 金属との接着強度を上げるには、一般には、メッキをす
る前に予め、担体の表面に微細な凸凹をつけ投錨効果に
よって強度を保つ方法がとられている。鉱物繊維の場合
においても、鉱酸等による溶解が考えられる。しかしこ
の方法によると鉱物繊維全体が均一に溶出し、単に繊維
は細くなり、凸凹はつかない。本発明者等は鉱物繊維と
して非晶質のものを用いると強腐食性でない鉱酸の水溶
液による処理(強腐食性の鉱酸とは、フッ酸およびガラ
スに対してこれと同等の腐食性を有する酸を意味する)
により表面が凸凹になることを見出した。
鉱物繊維はCaO,MgO,SiO2,Al2O3,TiO2、アルカリ等から
構成され、例えばワラストナイト、アスベスト、チタン
酸アルカリ等は結晶性を呈し、これらは酸処理すること
になって凸凹にはならない。
比較的最近、非晶質鉱物繊維が開発された。これは鉱石
を高温で溶解し、これを遠心力により吹き飛ばした繊維
は高温からの急冷法で作られるもので、X線回折による
構造解析からは結晶性は見出されない。この繊維を酸処
理した場合、表面に1μm程度の凸凹が形成された。こ
の原因ははっきりしないが、種々の組成で合成した非質
質繊維でも見られ、非晶質繊維特有のものであった。
<発明の構成> 本発明によれば非晶質鉱物繊維を鉱酸の水溶液中に浸漬
し、繊維の表面をエッチングしてから化学メッキを行
い、金属被覆した非晶質鉱物繊維を得る方法が提供され
る。
本発明において、非晶質鉱物繊維とは、日本セメント株
式会社より「アサノCMF」の商標名で提供される製品に
よって代表される。
なる化学組成を有し、添付図面に示すような赤外線吸収
スペクトルを示す。図中1000〜900cm-1、700cm-1、500c
m-1付近の各吸収はこの物質によるものである。3500cm
-1付近の吸収は水分によるものである。
典型的製品は 色調 白〜灰白色 繊維形状 繊維径(D)平均5μm 繊維長(L)150μm、3mm、他各種 (アスペクト比=L/D) 非繊維分含有量 1wt%以下(74μ篩残分) 真比重 2.7 耐熱温度 750℃(融点1300℃) 硬度 2.5〜4.0(モース硬度) 単繊維の引張強度 10〜140kg/mm2(平均50kg/mm2) 耐薬品性 アルカリに比較的強く、酸に弱い。
といった物理的性質を示す。本発明にいう非晶質鉱物繊
維は、上記製品に均等なすべての材料を包含する。
酸処理は強腐食性でない通常の塩酸、硫酸、硝酸又はそ
の混合物で行える。これらの酸水溶液中に非晶質鉱物繊
維を入れ室温から80℃の適当な温度にて10分から180分
懸濁させ、反応させることで表面に微細な凸凹が形成さ
れる。この状態の繊維に金属メッキを行うとメッキ層と
繊維との接着が強く剥離することがない。
金属メッキは通常の化学メッキで行える。例えばCu,Ni
等をメッキする時は、繊維にPd等の活性剤を付着した
後、Cu又はNi塩水溶液中に懸濁し、還元剤を加えて、金
属を析出させる。金属の析出量としては目的とする導電
性の程度によって異なるが、通常、5〜70wt%である。
このように製造した金属メッキ鉱物繊維は樹脂等に含有
され、導電性樹脂を形成し帯電防止及び電磁シールドに
使用される。また塗料中に分散し、基体上へ塗布すると
導電層が形成される。
本発明による導電繊維は金属の接着が強固であり通常の
樹脂成形工程において金属層が剥離することなく安定し
た導電層が得られる。また、導電樹脂形成後、熱変化に
よっても剥離することはない。例えば0℃から100℃の
熱サイクルを与えた時、従来の金属被覆繊維であると、
容易にメッキ層がはがれ、導電性が劣化するが、本発明
によれば劣化が少ない。
<発明の具体的記載> 実施例 「アサノCMF」(長さ150μm、径5μm)1kgを0.9wt%
の塩酸水溶液30中に分散させ、40℃で1hr撹拌し、表
面を溶出させた。ろ別、水洗、乾燥を行い705gを回収し
た。これから120gをとり0.1g/の塩化パラジウム水溶
液3中へ分散させ、パラジウムの触媒活性化を行った
後、硫酸ニッケル水溶液中で硫酸ヒドラジンによる化学
めっきを施した。収量は199gであり約40wt%のNi被覆量
である。このNi被覆鉱物繊維を練込み機で塩化ビニル樹
脂中へ50wt%混練し、厚さ1mmのシートを作製した。次
にこれを0〜100℃間の熱サイクル試験を行って導電性
の劣化を調べた。
結果は表に示したが比較例として酸エッチングを施さな
いフィラーの場合を併記した。
【図面の簡単な説明】 添付図面は本発明に使用した非晶質鉱物繊維材料の赤外
線吸収スペクトル図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非晶質鉱物繊維を強腐食性でない鉱酸の水
    溶液中に浸漬し、繊維の表面をエッチングしてから化学
    メッキを行い、金属被覆した非晶質鉱物繊維を得る方
    法。
JP61031876A 1986-02-18 1986-02-18 非晶質鉱物繊維複合材の製造方法 Expired - Lifetime JPH0742141B2 (ja)

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