JPH0741926A - 耐高温腐食性に優れた溶射用粉末及び溶射皮膜 - Google Patents
耐高温腐食性に優れた溶射用粉末及び溶射皮膜Info
- Publication number
- JPH0741926A JPH0741926A JP20289793A JP20289793A JPH0741926A JP H0741926 A JPH0741926 A JP H0741926A JP 20289793 A JP20289793 A JP 20289793A JP 20289793 A JP20289793 A JP 20289793A JP H0741926 A JPH0741926 A JP H0741926A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- corrosion resistance
- resistance
- thermal spraying
- high temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高温下での酸化や、硫黄、バナジウム等の腐
食成分に対して充分な耐食性を有すると共に、耐熱衝撃
性に優れた溶射皮膜を形成し得る溶射用粉末材料を提供
する。 【構成】 この溶射用粉末は、Ｃr：３０〜８０wt％、
Ａl：１５〜５０wt％、希土類元素(Ｙを含む)：０.１〜
２wt％、残部：Ｎi及びＣoの１種又は２種からなる粉末
(Ａ粉末という)と、Ｃr：１５〜３０wt％、必要に応じ
て更にＡl：１５wt％以下、希土類元素(Ｙを含む)：２w
t％以下の１種又は２種を含有し、残部：Ｎi及びＣoの
１種又は２種からなる粉末(Ｂ粉末という)とを、重量割
合で、 Ａ粉末：Ｂ粉末＝４０：６０〜８０：２０ の割合で混合してなることを特徴とする耐高温腐食性に
優れた溶射用粉末である。ボイラー、ガスタービンなど
の高温酸化、高温腐食が発生する機械に対して高温での
耐食性に優れた溶射皮膜を得ることができる。
食成分に対して充分な耐食性を有すると共に、耐熱衝撃
性に優れた溶射皮膜を形成し得る溶射用粉末材料を提供
する。 【構成】 この溶射用粉末は、Ｃr：３０〜８０wt％、
Ａl：１５〜５０wt％、希土類元素(Ｙを含む)：０.１〜
２wt％、残部：Ｎi及びＣoの１種又は２種からなる粉末
(Ａ粉末という)と、Ｃr：１５〜３０wt％、必要に応じ
て更にＡl：１５wt％以下、希土類元素(Ｙを含む)：２w
t％以下の１種又は２種を含有し、残部：Ｎi及びＣoの
１種又は２種からなる粉末(Ｂ粉末という)とを、重量割
合で、 Ａ粉末：Ｂ粉末＝４０：６０〜８０：２０ の割合で混合してなることを特徴とする耐高温腐食性に
優れた溶射用粉末である。ボイラー、ガスタービンなど
の高温酸化、高温腐食が発生する機械に対して高温での
耐食性に優れた溶射皮膜を得ることができる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はボイラー、ガスタービン
などの高温酸化、高温腐食が発生する機械に対して高温
での耐食性に優れた溶射皮膜を得ることのできる溶射用
粉末材料と溶射皮膜に関するものである。
などの高温酸化、高温腐食が発生する機械に対して高温
での耐食性に優れた溶射皮膜を得ることのできる溶射用
粉末材料と溶射皮膜に関するものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
電力需給が著しく逼迫してきている。そのため、発電効
率を高めるために燃焼ガスを今まで以上に高温にした
り、一方、自家発電設備を設置する事業所も増加してき
ており、このような設備ではコスト低減のため硫黄やバ
ナジウムを多く含む低品質油の使用が増えている。
電力需給が著しく逼迫してきている。そのため、発電効
率を高めるために燃焼ガスを今まで以上に高温にした
り、一方、自家発電設備を設置する事業所も増加してき
ており、このような設備ではコスト低減のため硫黄やバ
ナジウムを多く含む低品質油の使用が増えている。
【０００３】このような使用環境の変化に伴い、使用部
材もクロム鋼、ニッケル・クロム鋼からニッケル基、コ
バルト基の超合金が使用されるようになった。しかし、
それでも、耐熱性は得られても、硫黄やバナジウムによ
る腐食や高温酸化に対しては充分な性能は得られず、現
在では、部材表面に高温耐食材料を減圧溶射し、更に寿
命延長が図られている。
材もクロム鋼、ニッケル・クロム鋼からニッケル基、コ
バルト基の超合金が使用されるようになった。しかし、
それでも、耐熱性は得られても、硫黄やバナジウムによ
る腐食や高温酸化に対しては充分な性能は得られず、現
在では、部材表面に高温耐食材料を減圧溶射し、更に寿
命延長が図られている。
【０００４】このような溶射用材料としては、Ｍ−Ｃr
−Ａl−Ｙ系(ここで、ＭはＮi、Ｃo、Ｃo−Ｎiをさす)
の粉末材料がある。
−Ａl−Ｙ系(ここで、ＭはＮi、Ｃo、Ｃo−Ｎiをさす)
の粉末材料がある。
【０００５】従来までは、このような溶射施工を施すこ
とにより、高温耐食性が充分維持することができた。し
かし、近年に見られるように、更に高温に、また更には
硫黄やバナジウム濃度が高くなって環境が過酷になるに
つれて、従来より使われている溶射皮膜では充分な耐食
性が得られず、保護皮膜としての機能を維持することが
できなくなってきた。
とにより、高温耐食性が充分維持することができた。し
かし、近年に見られるように、更に高温に、また更には
硫黄やバナジウム濃度が高くなって環境が過酷になるに
つれて、従来より使われている溶射皮膜では充分な耐食
性が得られず、保護皮膜としての機能を維持することが
できなくなってきた。
【０００６】そのため、特開昭５０−１５８５３１号や
特開昭５５−１１５９４１号に見られるように、Ｃr、
Ａlの添加量を増やして高温での耐酸化性、耐食性を上
げる手段がある。しかしながら、Ｃr、Ａlの添加量の増
加は皮膜の靭性を劣化させ、その結果、皮膜の耐熱衝撃
性が悪化するため、そのままでは溶射用材料として用い
られない。
特開昭５５−１１５９４１号に見られるように、Ｃr、
Ａlの添加量を増やして高温での耐酸化性、耐食性を上
げる手段がある。しかしながら、Ｃr、Ａlの添加量の増
加は皮膜の靭性を劣化させ、その結果、皮膜の耐熱衝撃
性が悪化するため、そのままでは溶射用材料として用い
られない。
【０００７】このような事情から、単にＣr、Ａlを増や
すだけではなく、従来材料より更に高温耐食性に優れた
溶射皮膜が得られる溶射粉末材料が要求されるようにな
ってきた。
すだけではなく、従来材料より更に高温耐食性に優れた
溶射皮膜が得られる溶射粉末材料が要求されるようにな
ってきた。
【０００８】本発明は、高温下での酸化や、硫黄、バナ
ジウム等の腐食成分に対して充分な耐食性を有すると共
に、耐熱衝撃性に優れた溶射皮膜を形成し得る溶射用粉
末材料を提供することを目的とするものである。
ジウム等の腐食成分に対して充分な耐食性を有すると共
に、耐熱衝撃性に優れた溶射皮膜を形成し得る溶射用粉
末材料を提供することを目的とするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、本発明は、Ｃr：３０〜８０wt％、Ａl：
１５〜５０wt％、希土類元素(Ｙを含む)：０.１〜２wt
％、残部：Ｎi及びＣoの１種又は２種からなる粉末(Ａ
粉末という)と、Ｃr：１５〜３０wt％、必要に応じて更
にＡl：１５wt％以下、希土類元素(Ｙを含む)：２wt％
以下の１種又は２種を含有し、残部：Ｎi及びＣoの１種
又は２種からなる粉末(Ｂ粉末という)とを、重量割合
で、Ａ粉末：Ｂ粉末＝４０：６０〜８０：２０の割合で
混合してなることを特徴とする耐高温腐食性に優れた溶
射用粉末を要旨としている。
の手段として、本発明は、Ｃr：３０〜８０wt％、Ａl：
１５〜５０wt％、希土類元素(Ｙを含む)：０.１〜２wt
％、残部：Ｎi及びＣoの１種又は２種からなる粉末(Ａ
粉末という)と、Ｃr：１５〜３０wt％、必要に応じて更
にＡl：１５wt％以下、希土類元素(Ｙを含む)：２wt％
以下の１種又は２種を含有し、残部：Ｎi及びＣoの１種
又は２種からなる粉末(Ｂ粉末という)とを、重量割合
で、Ａ粉末：Ｂ粉末＝４０：６０〜８０：２０の割合で
混合してなることを特徴とする耐高温腐食性に優れた溶
射用粉末を要旨としている。
【００１０】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【００１１】本発明者らは、非常に過酷な腐食環境に使
用する溶射材料について研究する過程で、前述のＡ粉末
が過酷な腐食環境においても良好な性能を示すことを発
見した。しかし、Ａ粉末のみでは熱衝撃性について満足
いく結果が得られないため、更に研究を進めた結果、熱
衝撃性に優れた粉末との混合粉末を用いることにより熱
衝撃性が改善されることを発見した。しかし、混合した
粉末が選択的に腐食を受けるため、この粉末にもある程
度以上の耐食性が必要なため、各種成分の粉末を試作
し、耐酸化性、耐食性、耐熱衝撃性の３つの観点より評
価した結果、前述のＢ粉末が最も適することを発見した
ものである。
用する溶射材料について研究する過程で、前述のＡ粉末
が過酷な腐食環境においても良好な性能を示すことを発
見した。しかし、Ａ粉末のみでは熱衝撃性について満足
いく結果が得られないため、更に研究を進めた結果、熱
衝撃性に優れた粉末との混合粉末を用いることにより熱
衝撃性が改善されることを発見した。しかし、混合した
粉末が選択的に腐食を受けるため、この粉末にもある程
度以上の耐食性が必要なため、各種成分の粉末を試作
し、耐酸化性、耐食性、耐熱衝撃性の３つの観点より評
価した結果、前述のＢ粉末が最も適することを発見した
ものである。
【００１２】次にＡ粉末、Ｂ粉末の各々の各成分限定理
由、並びにそれらの粉末の混合割合の限定理由等につい
て述べる。
由、並びにそれらの粉末の混合割合の限定理由等につい
て述べる。
【００１３】〈Ａ粉末について〉Ａ粉末は皮膜の耐酸化
性、耐食性を維持するための基本材料である。
性、耐食性を維持するための基本材料である。
【００１４】ＣrはＡlと共に耐高温腐食性を維持するた
めには不可欠である。ＣrとＡlの複合酸化物が保護皮膜
となり、耐食性が向上する。そのため、どちらか一方が
なければ充分な耐食性が得られない。しかし、一方で
は、Ｃr、Ａlとも多すぎると皮膜の靭性が劣化し、耐熱
衝撃性を悪化させる。Ｃr、Ａlの双方とも上限値を超え
た粉末は、Ｂ粉末として如何なる材料を選定しても、耐
熱衝撃性が悪く、使用中に割れや皮膜剥離が発生する。
また、Ｃr、Ａlとも下限値を下回る粉末は、従来粉末と
同等であって、施工上問題はなく、耐食性も同等である
が、本発明の目的(従来粉末よりも耐酸化性、耐食性の
優れた粉末の開発)を達成できない。したがって、Ａ粉
末中のＣrは３０〜８０wt％、Ａlは１５〜５０wt％の範
囲とする。
めには不可欠である。ＣrとＡlの複合酸化物が保護皮膜
となり、耐食性が向上する。そのため、どちらか一方が
なければ充分な耐食性が得られない。しかし、一方で
は、Ｃr、Ａlとも多すぎると皮膜の靭性が劣化し、耐熱
衝撃性を悪化させる。Ｃr、Ａlの双方とも上限値を超え
た粉末は、Ｂ粉末として如何なる材料を選定しても、耐
熱衝撃性が悪く、使用中に割れや皮膜剥離が発生する。
また、Ｃr、Ａlとも下限値を下回る粉末は、従来粉末と
同等であって、施工上問題はなく、耐食性も同等である
が、本発明の目的(従来粉末よりも耐酸化性、耐食性の
優れた粉末の開発)を達成できない。したがって、Ａ粉
末中のＣrは３０〜８０wt％、Ａlは１５〜５０wt％の範
囲とする。
【００１５】希土類元素(Ｙを含む)は、保護皮膜中、及
び保護皮膜と金属皮膜の剥離を抑制し、頑固な保護皮膜
を形成する効果がある。そのためには最低０.１wt％が
必要であるが、２wt％を超えると皮膜の靭性が劣化し、
耐熱衝撃性を悪化させる。したがって、Ａ粉末中の希土
類元素(Ｙを含む)は０.１〜２wt％の範囲とする。
び保護皮膜と金属皮膜の剥離を抑制し、頑固な保護皮膜
を形成する効果がある。そのためには最低０.１wt％が
必要であるが、２wt％を超えると皮膜の靭性が劣化し、
耐熱衝撃性を悪化させる。したがって、Ａ粉末中の希土
類元素(Ｙを含む)は０.１〜２wt％の範囲とする。
【００１６】残部は、Ｃo及び／又はＮiである。Ｃo及
びＮiはこの溶射皮膜を形成する主成分であって、高温
長時間使用時の耐熱性を得るためには特に有効な元素で
ある。
びＮiはこの溶射皮膜を形成する主成分であって、高温
長時間使用時の耐熱性を得るためには特に有効な元素で
ある。
【００１７】〈Ｂ粉末について〉Ｂ粉末は、Ａ粉末をつ
なぐバインダー的役割を果たすものである。そのため、
Ｂ粉末は靭性が良く耐熱衝撃性に優れた粉末であり、耐
酸化性、耐食性とも或る程度良好な粉末を選ぶ必要があ
る。
なぐバインダー的役割を果たすものである。そのため、
Ｂ粉末は靭性が良く耐熱衝撃性に優れた粉末であり、耐
酸化性、耐食性とも或る程度良好な粉末を選ぶ必要があ
る。
【００１８】Ｃrは皮膜の耐酸化性、耐食性に寄与する
成分である。そのためには、最低１５wt％が必要である
が、３０wt％を超えると、Ｃrは皮膜の靭性を劣化さ
せ、耐熱衝撃性を悪化させる。したがって、Ｂ粉末中の
Ｃrは１５〜３０wt％の範囲とする。
成分である。そのためには、最低１５wt％が必要である
が、３０wt％を超えると、Ｃrは皮膜の靭性を劣化さ
せ、耐熱衝撃性を悪化させる。したがって、Ｂ粉末中の
Ｃrは１５〜３０wt％の範囲とする。
【００１９】Ａlは、Ｃrと同様、皮膜の耐酸化性、耐食
性に寄与する成分であるが、Ｂ粉末はＡ粉末を結合させ
る目的で使用されるため、Ａlは添加しないでもよい。
しかし、添加する場合には、１０wt％を超えるとＣrと
同様、皮膜の靭性を劣化させ、耐熱衝撃性を悪化させる
ので、１０wt％以下とする。５wt％を超え１０wt％以下
の添加が望ましい。
性に寄与する成分であるが、Ｂ粉末はＡ粉末を結合させ
る目的で使用されるため、Ａlは添加しないでもよい。
しかし、添加する場合には、１０wt％を超えるとＣrと
同様、皮膜の靭性を劣化させ、耐熱衝撃性を悪化させる
ので、１０wt％以下とする。５wt％を超え１０wt％以下
の添加が望ましい。
【００２０】希土類元素(Ｙを含む)は、保護皮膜中、及
び保護皮膜と金属皮膜の剥離を抑制し、堅固な保護皮膜
を形成する成分であるが、Ａlと同様、Ｂ粉末は結合さ
せる目的で使用されるため、Ｙは添加しないでもよい。
しかし、添加する場合には、２wt％を超えると、Ａlや
Ｃrと同様、皮膜の靭性を劣化させ、耐熱衝撃性を悪化
させるので、２wt％以下とする。０.２％を超え２wt％
以下の添加が望ましい。
び保護皮膜と金属皮膜の剥離を抑制し、堅固な保護皮膜
を形成する成分であるが、Ａlと同様、Ｂ粉末は結合さ
せる目的で使用されるため、Ｙは添加しないでもよい。
しかし、添加する場合には、２wt％を超えると、Ａlや
Ｃrと同様、皮膜の靭性を劣化させ、耐熱衝撃性を悪化
させるので、２wt％以下とする。０.２％を超え２wt％
以下の添加が望ましい。
【００２１】〈Ａ粉末とＢ粉末の混合比率について〉Ａ
粉末は、従来粉末に比べ、耐食性、耐酸化性とも非常に
優れている。しかし、Ａ粉末だけで形成された皮膜は靭
性が低く、熱衝撃性に劣る。そのため、Ａ粉末を８０％
を超える割合で混合するとＡ粉末同士で結合する部分が
多くなり、耐熱衝撃性が劣化する。一方、Ａ粉末が４０
％未満の混合割合では、Ａ粉末に比べ、耐食性、耐酸化
性とも劣るＢ粉末の皮膜中に占める割合が多くなり、耐
酸化性、耐食性とも従来皮膜と差がなくなる。したがっ
て、Ａ粉末とＢ粉末との混合割合は、重量割合で、Ａ粉
末：Ｂ粉末＝４０：６０〜８０：２０の範囲とする。
粉末は、従来粉末に比べ、耐食性、耐酸化性とも非常に
優れている。しかし、Ａ粉末だけで形成された皮膜は靭
性が低く、熱衝撃性に劣る。そのため、Ａ粉末を８０％
を超える割合で混合するとＡ粉末同士で結合する部分が
多くなり、耐熱衝撃性が劣化する。一方、Ａ粉末が４０
％未満の混合割合では、Ａ粉末に比べ、耐食性、耐酸化
性とも劣るＢ粉末の皮膜中に占める割合が多くなり、耐
酸化性、耐食性とも従来皮膜と差がなくなる。したがっ
て、Ａ粉末とＢ粉末との混合割合は、重量割合で、Ａ粉
末：Ｂ粉末＝４０：６０〜８０：２０の範囲とする。
【００２２】なお、皮膜特性を更に向上させるために
は、Ａ粉末及びＢ粉末の双方の粉末中の酸素は０.０７w
t％以下にするのが好ましい。酸素はＣr、Ａl、希土類
元素と粉末の状態から既に酸化物を形成し、そして皮膜
形成時に皮膜内部に巻き込まれると、酸化、耐食環境下
に曝された際、この酸化物は前述したような保護皮膜の
形成には寄与しないため、皮膜の寿命を減少させるため
である。
は、Ａ粉末及びＢ粉末の双方の粉末中の酸素は０.０７w
t％以下にするのが好ましい。酸素はＣr、Ａl、希土類
元素と粉末の状態から既に酸化物を形成し、そして皮膜
形成時に皮膜内部に巻き込まれると、酸化、耐食環境下
に曝された際、この酸化物は前述したような保護皮膜の
形成には寄与しないため、皮膜の寿命を減少させるため
である。
【００２３】また、窒素も多すぎると皮膜の靭性を損な
う。そのため、Ａ粉末及びＢ粉末の双方の粉末中の窒素
は０.１wt％以下にするのが好ましい。
う。そのため、Ａ粉末及びＢ粉末の双方の粉末中の窒素
は０.１wt％以下にするのが好ましい。
【００２４】また、皮膜内のＡ粉末及びＢ粉末のそれぞ
れの粉末の分布はできるだけ細かく、且つ均一に分布す
るのが、前述した３特性(耐高温酸化性、腐食成分に対
する耐食性、耐熱衝撃性)の面から好ましい。そのため
には、それぞれの粉末の粒径は小さい程望ましいが、粉
末の生産性、溶射時の作業性を考慮すると、４５μm以
下の粒径が好ましく、更には５μmから４５μmの間の粒
径の粉末を用いることが最も望ましい。
れの粉末の分布はできるだけ細かく、且つ均一に分布す
るのが、前述した３特性(耐高温酸化性、腐食成分に対
する耐食性、耐熱衝撃性)の面から好ましい。そのため
には、それぞれの粉末の粒径は小さい程望ましいが、粉
末の生産性、溶射時の作業性を考慮すると、４５μm以
下の粒径が好ましく、更には５μmから４５μmの間の粒
径の粉末を用いることが最も望ましい。
【００２５】また、皮膜厚さは特に制限されない。しか
し、使用環境、目的により異なるが、５０〜５００μm
の範囲にすると、耐熱衝撃性の良い皮膜を得られる。
し、使用環境、目的により異なるが、５０〜５００μm
の範囲にすると、耐熱衝撃性の良い皮膜を得られる。
【００２６】次に本発明の実施例を示す。
【００２７】
【００２８】表１及び表２に示す組成の材料を真空溶解
し、アルゴンガスアトマイズした。得られた粉末を分級
し、１０〜４５μmに粒度調整して、Ａ粉末とＢ粉末を
得た。また、このＡ粉末とＢ粉末を表３に示す割合で混
合した。
し、アルゴンガスアトマイズした。得られた粉末を分級
し、１０〜４５μmに粒度調整して、Ａ粉末とＢ粉末を
得た。また、このＡ粉末とＢ粉末を表３に示す割合で混
合した。
【００２９】次いで、直径３０mm、厚さ５mmに加工した
コバルト基超合金(母材)の円盤面にアルミナ粒子でブラ
スト処理した後、表３に示す粉末(Ａ粉末、Ｂ粉末、及
び両者の混合粉末)を皮膜厚さ３００μmにて減圧溶射し
た。そして、この試験片を用いて溶射皮膜の高温耐食性
試験、耐熱衝撃性試験を行った。その試験結果を表３に
併記する。
コバルト基超合金(母材)の円盤面にアルミナ粒子でブラ
スト処理した後、表３に示す粉末(Ａ粉末、Ｂ粉末、及
び両者の混合粉末)を皮膜厚さ３００μmにて減圧溶射し
た。そして、この試験片を用いて溶射皮膜の高温耐食性
試験、耐熱衝撃性試験を行った。その試験結果を表３に
併記する。
【００３０】高温耐食性試験：合成腐食灰(２０％Ｎa2
ＳＯ4−８０％Ｖ2Ｏ5)を試薬で調合し、溶射皮膜表面に
５０mg／cm2の割合で均一に塗布した。これを９００℃
に保持した電気炉に挿入し、２０時間保持後取り出し、
再び合成腐食灰を塗布し電気炉に挿入した。これを３回
繰り返した後、断面組織観察して腐食損傷深さ(最大腐
食減厚)を測定した。
ＳＯ4−８０％Ｖ2Ｏ5)を試薬で調合し、溶射皮膜表面に
５０mg／cm2の割合で均一に塗布した。これを９００℃
に保持した電気炉に挿入し、２０時間保持後取り出し、
再び合成腐食灰を塗布し電気炉に挿入した。これを３回
繰り返した後、断面組織観察して腐食損傷深さ(最大腐
食減厚)を測定した。
【００３１】高温熱衝撃性試験：試験片を１１００℃に
３０分間保持後、水冷の工程を１０回繰り返し、毎回割
れの有無を調査した。
３０分間保持後、水冷の工程を１０回繰り返し、毎回割
れの有無を調査した。
【００３２】表３に示すように、本発明例は、母材や従
来材による溶射皮膜に比較して、腐食損傷が顕著に低減
することがわかる。また、耐熱衝撃性も優れている。
来材による溶射皮膜に比較して、腐食損傷が顕著に低減
することがわかる。また、耐熱衝撃性も優れている。
【００３３】
【表１】
【００３４】
【表２】
【００３５】
【表３】
【００３６】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
高温での耐食性に優れ、硫黄やバナジウム等の腐食成分
に対する耐食性も優れ、更に耐熱衝撃性にも優れている
溶射皮膜が得られる。
高温での耐食性に優れ、硫黄やバナジウム等の腐食成分
に対する耐食性も優れ、更に耐熱衝撃性にも優れている
溶射皮膜が得られる。
Claims (3)
- 【請求項１】 Ｃr：３０〜８０wt％、Ａl：１５〜５０
wt％、希土類元素(Ｙを含む)：０.１〜２wt％、残部：
Ｎi及びＣoの１種又は２種からなる粉末(Ａ粉末という)
と、Ｃr：１５〜３０wt％、残部：Ｎi及びＣoの１種又
は２種からなる粉末(Ｂ粉末という)とを、重量割合で、 Ａ粉末：Ｂ粉末＝４０：６０〜８０：２０ の割合で混合してなることを特徴とする耐高温腐食性に
優れた溶射用粉末。 - 【請求項２】 Ｂ粉末が、更にＡl：１５wt％以下、希
土類元素(Ｙを含む)：２wt％以下の１種又は２種を含有
している請求項１に記載の耐高温腐食性に優れた溶射用
粉末。 - 【請求項３】 請求項１又は２に記載の溶射用粉末を用
いて機械部品表面に溶射して得られた溶射皮膜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20289793A JPH0741926A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 耐高温腐食性に優れた溶射用粉末及び溶射皮膜 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20289793A JPH0741926A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 耐高温腐食性に優れた溶射用粉末及び溶射皮膜 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0741926A true JPH0741926A (ja) | 1995-02-10 |
Family
ID=16465016
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20289793A Pending JPH0741926A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 耐高温腐食性に優れた溶射用粉末及び溶射皮膜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0741926A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19926818B4 (de) * | 1999-06-12 | 2007-06-14 | Alstom | Schutzschicht für Turbinenschaufeln |
| WO2014069180A1 (ja) | 2012-10-31 | 2014-05-08 | 福田金属箔粉工業株式会社 | 耐高温腐食特性を備えたNi-Cr-Co系合金とそれを用いて表面改質したポペットバルブ |
-
1993
- 1993-07-23 JP JP20289793A patent/JPH0741926A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19926818B4 (de) * | 1999-06-12 | 2007-06-14 | Alstom | Schutzschicht für Turbinenschaufeln |
| WO2014069180A1 (ja) | 2012-10-31 | 2014-05-08 | 福田金属箔粉工業株式会社 | 耐高温腐食特性を備えたNi-Cr-Co系合金とそれを用いて表面改質したポペットバルブ |
| EP2915892A4 (en) * | 2012-10-31 | 2016-06-29 | Fukuda Metal Foil Powder | Ni-Cr-Co ALLOY HAVING HIGH TEMPERATURE CORROSION RESISTANCE PROPERTIES, AND FUNGUS VALVE HAVING A MODIFIED SURFACE THEREWITH |
| US9441287B2 (en) | 2012-10-31 | 2016-09-13 | Fukuda Metal Foil & Powder Co., Ltd. | Ni-Cr-Co-based alloy having high-temperature corrosion resistance, and poppet valve surface-modified with the same |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5066459A (en) | Advanced high-temperature brazing alloys | |
| US4910098A (en) | High temperature metal alloy mixtures for filling holes and repairing damages in superalloy bodies | |
| US5182080A (en) | Advanced high-temperature brazing alloys | |
| CA2581908C (en) | Repair of hpt shrouds with sintered preforms | |
| EP1341639B1 (en) | Nickel diffusion braze alloy and method for repair of superalloys | |
| US5040718A (en) | Method of repairing damages in superalloys | |
| EP0046368B1 (en) | Coated electrode | |
| EP0961017B1 (en) | High temperature resistant coating | |
| JPS6353250A (ja) | ア−クガン溶射用の複合ワイヤ | |
| US3904382A (en) | Corrosion-resistant coating for superalloys | |
| JPH0447018B2 (ja) | ||
| CA1214053A (en) | Homogeneous alloy powder and superalloy article repair method | |
| JPH0741926A (ja) | 耐高温腐食性に優れた溶射用粉末及び溶射皮膜 | |
| JPH04501538A (ja) | 超耐熱合金の損傷を補修する方法 | |
| JP3917568B2 (ja) | 耐熱・耐酸化性溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 | |
| Gedwill | Burner rig evaluation of thermal barrier coating systems for nickel-base alloys | |
| JP2004115906A (ja) | ＴｉまたはＴｉ合金基体に対するＡｌ−Ｓｉ合金の被覆法 | |
| JP2933799B2 (ja) | 高温耐酸化性溶射材料およびそれの溶射皮膜 | |
| JP2012207282A (ja) | 溶射材料 | |
| JPS61106763A (ja) | 溶射合金粉末 | |
| JP3917567B2 (ja) | 溶射用合金粉末およびその製造方法 | |
| CA1313596C (en) | High temperature metal alloy mixtures for filling holes and repairing damages in superalloy bodies | |
| JPS6328983B2 (ja) | ||
| CA1324242C (en) | Method of repairing damages in superalloys | |
| JPH05311386A (ja) | 高温での耐食・耐エロージョン性に優れた溶射用粉末材料 |