JPH0741404Y2 - 中折れ式シートバック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、シートバックの上半部を前倒し可能に形成し
た中折れ式シートバックに関するものである。

〔従来の技術〕 トラック等の運転室には、通常、運転者が着座するシー
トと、第５図に示すように、この運転者のシートの隣の
センターシート１と、このセンターシート１の隣側のア
シスタントシート２が設けられている。センターシート
１のシートバック３は、その下端側のヒンジを支点とし
て全体が前倒し可能に構成されており、このシートバッ
ク３の裏面側には第５図の鎖線で示すように、コンソー
ル４やドリンクの缶５やボトルを収容するドリンクホル
ダ６が設けられており、センターシート１のシートバッ
ク３を起こした状態でシートクッション７への着座が可
能となり、シートバック３を前倒しにした状態でコンソ
ール４やドリンクホルダ６を物入れやドリンク缶５等の
保持台、あるいはメモ書き用の台として利用できるよう
になっている。

〔考案が解決しようとする課題〕 トラック走行時に、センターシート１が空いている場合
には、シートクッション７は物置き台としてよく利用さ
れる。しかし、シートクッション７の上に物を置くと、
シートバック３を前倒しにすることができず、コンソー
ル４やドリンクホルダ６を使用できないという不便があ
る。また、シートバック３を前倒しにしてコンソール４
やドリンクホルダ６を使用すると、センターシート１の
シートクッション７の上に物を置けないという不便があ
る。

さらに、従来のシートバック３は、下端側のヒンジ部分
を支点として前倒しにする方式であるため、シートバッ
ク３の裏側をメモ書き用の台として利用する場合には、
その台の高さが低すぎ、メモが書きにくいという不便が
あった。

本考案は上記従来の課題を解決するためになされたもの
であり、その目的は、シートクッションの上側に物を置
いた状態で、シートバックの裏側に設けたコンソールや
ドリンクホルダを支障なく使用することができ、しか
も、シートバックの裏側を利用してメモ書きを円滑に行
うことができる中折れ式シートバックを提供することに
ある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために次のように構成され
ている。すなわち、本考案の中折れ式シートバックは、
シートクッションに取り付けられた第１のシートバック
と、この第１のシートバックの上部に前倒し可能に取り
付けられた第２のシートバックとを有し、前記第２のシ
ートバックの裏面側にはコンソールが設けられているこ
とを特徴としており、また、第１のシートバックの上部
には収納部が設けられ、第２のシートバックの裏面側に
はアームレストが設けられていることも併せて本考案の
特徴的な構成としている。

〔作用〕

本考案において、第２のシートバックを前倒しにする
と、第２のシートバックはシートクッションに対してほ
ぼ平行に倒れ、第２のシートバックの裏面側のコンソー
ルは物入れ可能状態となる。また、この前倒しにした第
２のシートバックとシートクッション間には間隙が形成
されるから、この間隙を利用してシートクッション７の
上側に物を載せることが可能となる。

また、第１のシートバックの上部に収納部を設け、第２
のシートバックの裏面側にアームレストを設けたものに
あっては、第２のシートバックを前倒しにすれば、第１
のシートバックの上部の収納部に書籍その他の物を収納
でき、アームレストを肘掛けとして利用可能となる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。な
お、本実施例の説明において、従来例と同一の部分には
同一符号を付し、その重複説明は省略する。第１図およ
び第２図には本考案に係る中折れ式シートバックの第１
の実施例の構成が示されている。これらの図において、
センターシート１のシートバック３は下側の第１のシー
トバック3aとその上側の第２のシートバック3bとに分離
されており、第１のシートバック3aの下端側はシートク
ッション７とヒンジ８によって回動自在に取り付けられ
ている。そして、第１のシートバック3aの上端部裏面側
と、第２のシートバック3bの下端部裏面側とが第２図に
示すように、丁番10を用いて第１のシートバック3aに対
して第２のシートバック3bが前倒し自在に取り付けられ
ている。第１図のシートバック3aの上部、この実施例で
は上端面11に缶やボトル等を保持する凹状のドリンクホ
ルダ６が設けられている。この上端面11の側端縁には係
合爪12が上方に向けて突設されている。この係合爪12
は、常時は、外側（第２図の矢印Ｂの向きと逆方向）に
付勢されており、この係合爪12の近傍の側面（第３図）
に設けた手動操作部13を第２図の矢印Ａ方向に押すこと
により、係合爪12を矢印Ｂ方向に逃げ移動させることが
できるようになっている。

前記第２のシートバック3bの裏面側にはコンソール４が
設けられており、このコンソール４の下端面には前記ド
リンクホルダ６にドリンクの缶やボトルを収納した時に
そのボトル等の突出部から逃げる半円状の切り欠き14が
形成されている。また、第２のシートバック3bの裏面側
の運転席側の端縁部にはアームレスト15が設けられてい
る。さらに、第２のシートバック3bの下端面には前記係
合爪12と係合する係合孔16が設けられている。

第１の実施例は上記のように構成されており、以下にそ
の作用を説明する。第１図の破線および第３図（ａ）に
示すように、第２のシートバック3bを第１のシートバッ
ク3aに対して起こしている状態では、第１のシートバッ
ク3a側の係合爪12と第２のシートバック3b側の係合孔16
とが係合して第２のシートバック3bは第１のシートバッ
ク3aに対し、安定して起立状態を保つ。この状態では、
センターシート１のシートクッション７の上側は空いた
状態となり、人の着座用シートとして、あるいは物置き
台として利用できる。また、第２のシートバック3bを起
立させた状態で、切り欠き14を利用してボトルあるいは
缶のドリンクホルダ６への出し入れが可能となる。

次に、手動動作部13を第２図の矢印Ａ方向に押して、係
合爪12と係合孔16との係合を解除し、第１図の実線およ
び第３図（ｂ）に示すように、第２のシートバック3bを
前倒しにすれば、第２のシートバック3bはシートクッシ
ョン７に対して平行状態となり、コンソール４内を物入
れとして利用でき、アームレスト15を肘掛けとして利用
できる。もちろん、この状態では、第１のシートバック
3aの上端面11が開放されることで、ドリンクホルダ６へ
のドリンク用缶やボトルの出し入れを容易に行うことが
可能となる。また、第２のシートバック3bを前倒しにし
た状態では、この第２のシートバック3bとシートクッシ
ョン７との間には比較的大きな間隙17が形成されるか
ら、この間隙17を利用して横方向からシートクッション
７の上側に荷物18を載せることができる。

第４図には本考案に係る中折れ式シートバックの第２の
実施例が示されている。この第２の実施例が前記第１の
実施例と異なることは、第１のシートバック3aの上端面
11に地図等の書籍を収容する収容凹部を形成し、さら
に、この収容凹部の後端縁から書籍を保持するラック板
21を上方に突設して書籍の収納部20を形成し、第１のシ
ートバック3aと第２のシートバック3bとを摺動金具23を
用いて結合し、第２のシートバック3bが第１のシートバ
ック3aに対して前倒し自在に組み立てられていることで
あり、それ以外の構成は前記第１の実施例とほぼ同様で
ある。

この第２の実施例では、収納部20を地図22等の書籍等の
収納部として利用でき、さらに、第２のシートバック3b
の裏面側を前記第１の実施例と同様に、コンソール４を
物入れとして、アームレスト15を肘掛けとして利用で
き、この第２のシートバック3bの前倒し状態でシートク
ッション７の上側を荷物18の物置き台として利用できる
ことになる。

なお、本考案は上記各実施例に限定されることはなく、
様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施例で
は、トラックのセンターシート１のシートバック３を中
折れ式シートバックにしたが、本考案はセンターシート
１以外のシートに対しても適用でき、さらに、車両以外
の任意のシートに対しても適用できるものである。

また、第１の実施例では第１のシートバック3aの上端面
11にドリンクホルダ６を設け、第２の実施例では同部分
に書籍等の収納部20を形成したが、もちろん、第１のシ
ートバック3aの上端側にドリンクホルダ６と書籍等の収
納部20の両方を設けるようにしてもよく、収納部の形状
は収納する物の種類に応じて様々な形態に構成できるも
のである。

〔考案の効果〕

本考案は、シートバックを第１のシートバックと第２の
シートバックに分離し、第２のシートバックを第１のシ
ートバックに対して前倒れ可能に構成し、さらに、第２
のシートバックの裏面側にコンソールを設けたものであ
るから、第２のシートバックを前倒しにしてコンソール
を物入れとして利用することができ、しかも、第２のシ
ートバックを前倒しにした状態でシートクッションの上
側を荷物の物置き台として利用することができ、使用の
上で非常に便利である。

また、第１のシートバックの上部に収納部を形成し、第
２のシートバックの裏面側にアームレストを設けた考案
では、前記収納部に書籍等を収容することが可能であ
り、また、第２のシートバックを前倒しにした状態で、
アームレストを肘掛けとして利用でき、使用の上での実
用的価値は非常に大きい。

さらに、第２のシートバックを第１のシートバックに対
して前倒しにすれば、シートクッションとほぼ平行にな
る第２のシートバックの裏面がシートクッションよりも
充分に高くなり、第２のシートバックの裏面側をメモ書
き台として利用すれば、メモ書きが非常にやり易くな
り、伝票処理等の作業の効率化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る中折れ式シートバックの第１の実
施例の構成を示す斜視図、第２図は同実施例の要部を分
解状態で示す斜視構成図、第３図は同実施例における中
折れ式シートバックの動作説明図、第４図は本考案に係
る中折れ式シートバックの第２の実施例の構成を示す斜
視図、第５図は前倒し方式の一般的なシートバックの従
来例を示す斜視図である。 １……センターシート、２……アシスタントシート、３
……シートバック、3a……第１のシートバック、3b……
第２のシートバック、４……コンソール、５……缶、６
……ドリンクホルダ、７……シートクッション、８……
ヒンジ、10……丁番、11……上端面、12……係合爪、13
……手動操作部、14……切り欠き、15……アームレス
ト、16……係合孔、17……間隙、18……荷物、20……収
納部、21……ラック板、22……地図、23……摺動金具。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートクッションに取り付けられた第１の
   シートバックと、この第１のシートバックの上部に前倒
   し可能に取り付けられた第２のシートバックとを有し、
   前記第２のシートバックの裏面側にはコンソールが設け
   られている中折れ式シートバック。
2. 【請求項２】第１のシートバックの上部には収納部が設
   けられ、第２のシートバックの裏面側にはアームレスト
   が設けられている実用新案登録請求の範囲第１項の中折
   れ式シートバック。