JPH0741188B2 - スポット照射装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明はショートアーク型の放電灯からの放射光を被
照射物に導いて、被照射物を光処理するスポット照射装
置に関するものである。

［従来の技術］ 光照射によって、接着剤，塗料，インク及びレジスト等
を硬化させたり乾燥させたり、また、逆に溶融させたり
軟化させたり、様々な処理をすることが行われている。
そして、上記被照射物である接着剤，塗料，インク，レ
ジスト等に対して、例えばキセノンランプや超高圧水銀
灯等のショートアーク型の放電灯からの光を利用して、
被照射物に光照射処理が行われている。

光照射処理には、CD用ピックアップレンズの接着や、電
子部品の基板への仮止めなどのように、微少域に光を照
射しなければならない場合があり、これらの場合、従来
より導光ファイバを用いて上記ショートアーク型の放電
灯からの光を導き、スポット照射する装置が知られてい
る。

第２図は従来のスポット照射装置の側断面図であり、１
はショートアーク型の放電灯（以下ランプという）、３
はこのランプ１の放電アークの中心が、その第１焦点に
位置するように配置された楕円集光鏡、５はランプ１か
らの光を被照射物に導くための導光ファイバで、この導
光ファイバ５の出射側の先端部に集光レンズ８を取付け
るレンズホルダ９がある。10は灯体で、12はこの灯体10
をスタンド11に取付けるための取付部である。

第２図の装置において、導光ファイバ５の入射側の先端
部5aはランプ１の光が楕円集光鏡３の第２焦点に位置す
るように設置されているので、ランプ１の光は導光ファ
イバ５の先端部5aに効率良く入射し、ランプ出射側でレ
ンズ８により再び集光されて、被照射物に光照射され
る。

また、第３図は灯体の側面から導光ファイバ５を導出す
るよう構成した場合のスポット照射装置の概略を示す図
で、第３図において、ランプ１からの光は楕円集光鏡３
で集光され、この楕円集光鏡３からの光を反射ミラー４
で反射させて、灯体７の側面に設けられた導光ファイバ
５の先端部5aに集光させるものである。従って、楕円集
光鏡３の第１焦点の位置にランプ１の放電アークの中心
がくるようにランプ１を設置し、また、反射ミラー４で
90゜転回された光が集光する楕円集光鏡３の第２焦点の
位置に、導光ファイバ５の入射部の先端5aがくるように
設定されている。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記第２図に示すような従来のスポット照射装置は、灯
体の下部に導光ファイバを取付けているために、灯体を
空間で支持する支柱や取付部材が必要であり、また、導
光ファイバが下から出ているため操作をする際に煩わし
く、その上、装置が大がかりになって小型化できないと
いう問題があった。

また、装置を小型にするために、第３図に示すように灯
体の側面に導光ファイバを取付けることも考えられる
が、この場合には、楕円集光鏡の第２焦点の位置に導光
ファイバの先端部を設置して、導光ファイバへの入射効
率を高める必要があり、そのために、楕円集光鏡と反射
ミラーと導光ファイバの入射側の先端部との３つの光学
系の光学的位置関係を最適に保たなければならないとい
う問題があった。

この発明はかかる従来の問題点を解決するためになされ
たもので、ランプに対して楕円集光鏡，反射ミラー，導
光ファイバの各光学系が、簡単な手段で最適の光学的位
置関係を保つことができるスポット照射装置を提供する
ことを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために、この発明のスポット照射
装置は楕円集光鏡と反射ミラーと導光ファイバの入射
端、もしくは導光ファイバ入射部ホルダとをそれぞれ一
体の支持フレームで支持することによって、光学的位置
関係を保持した構成を有するものである。

［作用］ 上記の構成を有することにより、輸送や運転中の振動等
によっても上記光学系の位置ずれは生じないので、装置
を組立てた後はランプの位置の微調整のみで光学的位置
関係が最適な状態に保たれる。

［実施例］ 第１図はこの発明の一実施例を示すスポット照射装置の
主要部の側断面図で、２はランプ１を保持する保持体、
21はこの保持体２を支持する支持台、22はこの支持台21
を支える支柱、31は楕円集光鏡３の端部を押さえる板ば
ね、41は反射ミラー４の固定部に設けるスペーサ、42は
反射ミラー４を押える板ばね、43はこの板ばね42を固定
するビス、51は導光ファイバ入射部取付ホルダ、52は導
光ファイバ取付用のネジ、53は導光ファイバ入射部取付
ホルダ51を取付けるネジ、６は鋳物等で一体成形された
支持フレーム、61はこの支持フレーム６を支える支柱、
７はスポット照射装置の筐体、71はこの筐体７の脚部で
ゴム等で構成されたものであり、また、第２図，第３図
と同一符号は同一または相当部分を示す。

第１図の装置において、導光ファイバ入射部取付ホルダ
51は、導光ファイバ５の先端部5aが支持フレーム６の所
定位置（この位置は楕円集光鏡３の第２焦点の位置）に
くるように、直接固定するのであれば必ずしも必要とし
ない。そして、支持フレーム６に対して、楕円集光鏡３
と反射ミラー４とを導光ファイバ５とが最適な光学的位
置関係を保持するように取付けるために、支持フレーム
６の機械加工を精度よく行う。従って、支持フレーム６
はインゴットを研削加工する等して作製してもよいが、
鋳物を用いると安価になる。また、反射ミラー４は被照
射物によって異なるが、ランプ１からの熱線を透過し可
視光や紫外線を反射するコールドミラーを用いる場合が
多い。上記の構成によって、楕円集光鏡３は支持体６の
上面に板ばね31を介してビス32によって固定され、また
反射ミラー４は板ばね42,スペーサ41を介してビス43で
固定され、さらに導光ファイバ５は導光ファイバ入射部
取付ホルダ51を介するか、あるいは直接にネジ53によっ
て導光ファイバ５の先端部5aが所定箇所にくるように取
付けられることによって、楕円集光鏡３の第２焦点の位
置に導光ファイバ５の先端部5aが自然に固定される。従
って、その後の光学的位置合わせはランプ取付の際の微
調整以外は、全く必要としない。

尚、本実施例の導光ファイバ入射部ホルダ51には、他の
取付け構造の同一な種々のタイプの導光ファイバや直接
照射の光学ユニットなどが、適宜、交換取付けられて使
用される。

［発明の効果］ 以上説明したとおり、この発明のスポット照射装置は、
楕円集光鏡と反射ミラーと導光ファイバの入射端、もし
くは導光ファイバ入射部ホルダとをそれぞれ一体の支持
フレームで支持することによって、光学的位置関係を保
持した構成を有するので、組立ての際の光学的位置関係
の調節が不要で、上記各部品の組立てが容易に行えると
共に、輸送時の振動等による位置ずれが生ずるおそれが
なく、導光ファイバへの入射状態が常に最適なものとな
り、信頼性の高いものが得られる。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの発明の一実施例を示すスポット照射装置の
主要部の側断面図、第２図は従来のスポット照射装置の
側断面図、第３図は灯体の側面から導光ファイバを導出
するスポット照射装置の概略を示す図である。 図中． 1:ランプ、3:楕円集光鏡 4:反射ミラー、5:導光ファイバ 6:支持フレーム

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ショートアーク型の放電灯と、この放電灯
   の保持体と、放電灯からの光を集光する楕円集光鏡と、
   この楕円集光鏡により集光された光を反射する反射ミラ
   ーと、この反射ミラーからの光を被照射物に伝送する導
   光ファイバとを有し、前記楕円集光鏡と反射ミラーと導
   光ファイバの入射端、もしくは導光ファイバ入射部ホル
   ダとをそれぞれ一体の支持フレームで支持することによ
   って、光学的位置関係を保持した構成を有することを特
   徴とするスポット照射装置。
2. 【請求項２】一体の支持フレームは鋳物で構成されたこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第（１）項記載のスポッ
   ト照射装置。