JPH07221374A - レーザ発振装置 - Google Patents

レーザ発振装置

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JPH07221374A
JPH07221374A JP2729294A JP2729294A JPH07221374A JP H07221374 A JPH07221374 A JP H07221374A JP 2729294 A JP2729294 A JP 2729294A JP 2729294 A JP2729294 A JP 2729294A JP H07221374 A JPH07221374 A JP H07221374A
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Akira Uesugi
彰 上杉
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Abstract

(57)【要約】 [目的]出力ミラーと光ファイバ入射面と間のレーザ光
路に小型・簡易な構成で効率的な防塵対策を施すととも
に、光共振器の組立ておよび光軸合わせの調整を簡単に
行えるようにする。 [構成]箱型ベース10の中央部に下部レーザチャンバ
組立体12が固定配置され、光軸が通る両ベース側壁1
0a,10bにそれぞれ全反射ミラーホルダ14および
出力ミラーホルダ16が取付される。全反射ミラーホル
ダ14には全反射ミラー19が固定状態で保持され、出
力ミラーホルダ16には出力ミラー23が傾き調整可能
に保持される。ベース側壁10bにはレーザ光通し穴1
0eが形成され、このレーザ光通し穴10eの外側に、
入射ユニット60がベース側壁10bの外側面にレーザ
光入口をぴったり付けるようにしてボルト96で取り付
けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ発振装置に係
り、特にレーザチャンバと光共振ミラーとを共通のベー
スに設けるレーザ発振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のレーザ加工用レーザ発振装置の構
成を図6および図7に示す。図6は正面図、図7は平面
図である。
【0003】この従来のレーザ発振装置において、熱伝
導度の高い金属たとえばアルミニウムからなる四角筒状
の支持台またはベース100上には、全反射ミラーホル
ダ102、光共振器シャッタ104、レーザチャンバ1
06、光共振器シャッタ108および出力ミラーホルダ
110が光軸を合わせて一列に配置される。さらに、レ
ーザチャンバ106側から見て出力ミラーホルダ110
の後方には、反射ミラー112が反射面を光軸に対して
所定の角度たとえば45゜傾けて配置されるとともに、
反射ミラー112の反射側の光軸上に外部レーザシャッ
タ114および入射ユニット116が配置される。入射
ユニット116の出口には光ファイバ118の一端が接
続されており、ユニット116内部には反射ミラー11
2側からのレーザ光を光ファイバ118の端面に集光入
射させるための集光レンズ116aが入っている。光フ
ァイバ118の他端は、加工場所に配置されている出射
ユニット(図示せず)に接続されている。
【0004】全反射ミラーホルダ102には全反射ミラ
ーが保持されており、出力ミラーホルダ110には出力
ミラーが保持されている。レーザチャンバ106は、た
とえばアクリル樹脂製のケーシングからなり、その内部
にはレーザロッド、励起ランプ、反射鏡筒等が設けられ
ている。
【0005】レーザチャンバ106内で励起ランプが点
灯すると、その光エネルギによってレーザロッドが励起
され、誘導放出によってレーザロッドの両端面からレー
ザ光が放出され、この放出されたレーザ光のうち共振周
波数の光が全反射ミラーホルダ102側の全反射ミラー
と出力ミラーホルダ110側の出力ミラーとの間で反射
を繰り返して共振増幅ののち出力ミラーを抜けて出力さ
れる。
【0006】出力ミラーより出力されたレーザ光は、反
射ミラー112でほぼ直角に反射してから外部シャッタ
114を通って入射ユニット116に入り、ユニット1
16内で集光レンズ116aにより光ファイバ118の
一端面に集光入射させられ、光ファイバ118内を伝わ
って出射ユニットに入り、出射ユニットの集光レンズに
より被加工物(図示せず)に集光照射されるようになっ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
レーザ発振装置では、全反射ミラーホルダ102および
出力ミラーホルダ110をベース100上にほぼ垂直に
立設するようにして取付し、両ミラーホルダ102,1
10のそれぞれの調整ツマミ102a,110aを操作
して両光共振ミラー(全反射ミラーおよび出力ミラー)
間の平行度を調整するようにしており、光共振器の取付
けおよび光軸合わせの作業が面倒で、多くの手間と時間
を要していた。レーザチャンバ106にあっても、単に
ボルト107でベース100に取付するだけで、位置決
め手段を備えていないため、レーザロッドの端面が光共
振ミラーの反射面に対して位置ずれしたり傾いたりする
おそれがあった。
【0008】また、レーザロッドの端面や光共振ミラー
の反射面に塵や埃が付着すると、そこにレーザ光のエネ
ルギが集中して(吸収されて)、ロッド端面またはミラ
ー反射面が焼損してしまうおそれがある。そこで、この
種のレーザ発振装置では、各隣合う光学部品間にレーザ
光路を覆うような筒状の光路カバーを設けて、ロッド端
面またはミラー反射面に塵埃が付着するのを防ぐように
している。
【0009】しかし、従来のレーザ発振装置では、出力
ミラーの後方でレーザ光を反射ミラー112で直角に曲
げてから入射ユニット116に導く構成であるため、そ
の部分のレーザ光路は、光路カバーを取付するのが極め
て難しく、ほとんど露出したままにしているのが実状で
あり、防塵対策の施しようがなかった。レーザチャンバ
とミラーホルダとの間のレーザ光路にあっても、レーザ
発振装置が小型化すると、狭い空間に光路カバーを取付
するのは、取付作業の面からも、機構の面からも難しく
なってくる。
【0010】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
もので、その第1の目的は、出力ミラーと光ファイバ入
射面との間のレーザ光路に小型・簡易な構成で効率的な
防塵対策を施したレーザ発振装置を提供することにあ
る。
【0011】本発明の第2の目的は、光共振器の組立て
および光軸合わせの調整を簡単に行えるレーザ発振装置
を提供することにある。
【0012】本発明の第3の目的は、レーザ媒体から光
ファイバ入射面に至るまでの全ての光学系を塵埃、水等
の付着または汚染、損傷等から効果的に保護できるレー
ザ発振装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の第1のレーザ発振装置は、レーザ媒
体およびレーザ励起手段を保持するレーザチャンバと前
記レーザ媒体より出たレーザ光を共振増幅するための一
対の光共振ミラーとを備えるレーザ発振装置において、
前記一対の光共振ミラーのうちの出力ミラーを保持する
出力ミラー保持部に前記出力ミラーより出力されたレー
ザ光を光ファイバの一端面に入射させるための入射ユニ
ットを一体に取付してなる構成とした。
【0014】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の第2のレーザ発振装置は、レーザ媒体およびレ
ーザ励起手段を保持するレーザチャンバと前記レーザ媒
体より出たレーザ光を共振増幅するための一対の光共振
ミラーとを共通のベースに設けるレーザ発振装置におい
て、前記一対の光共振ミラーのうちの少なくとも一方の
ミラーを支持するミラー支持部を前記ベースと一体に形
成し、かつ前記一方のミラーを前記ミラー支持部に固定
状態で取付してなる構成とした。
【0015】また、上記第1および第2の目的を同時に
達成するため、本発明の第3のレーザ発振装置は、レー
ザ媒体およびレーザ励起手段を保持するレーザチャンバ
と前記レーザ媒体より出たレーザ光を共振増幅するため
の一対の光共振ミラーとを共通のベースに設けるレーザ
発振装置において、前記ベースを箱型に構成し、前記レ
ーザ媒体の光軸が通る前記箱型ベースの一方の側壁に前
記一対の光共振ミラーのうちの全反射ミラーを保持する
全反射ミラー保持部を取付し、前記レーザ媒体の光軸が
通る前記箱型ベースの他方の側壁にレーザ光通し穴を形
成し、このレーザ光通し穴を間に挟んで前記箱型ベース
の他方の側壁に前記一対の光共振ミラーのうちの出力ミ
ラーを保持する出力ミラー保持部と前記出力ミラーより
出力されたレーザ光を光ファイバの一端面に入射させる
ための入射ユニットとを取付してなる構成とした。
【0016】また、上記第3の目的を達成するため、本
発明の第4のレーザ発振装置は、箱型のベースと、半楕
円形に湾曲した光反射面を有する下部集光体と、前記下
部集光体内の所定位置に配置されたレーザロッドと、前
記下部集光体の上面開口部に配置された光透過性の板体
とを有し、前記下部集光体の前記光反射面を上方に向け
て前記箱型ベースに取付された下部レーザチャンバ組立
体と、前記レーザロッドの光軸が通る前記箱型ベースの
第1の側壁に取付された全反射ミラーと、前記レーザロ
ッドの光軸が通る前記箱型ベースの第2の側壁に取付さ
れた出力ミラーと、半楕円形に湾曲した光反射面を有す
る上部集光体と、前記上部集光体内の所定位置に配置さ
れた励起ランプとを有し、前記上部集光体の前記光反射
面を下方に向けて前記下部レーザチャンバ組立体に着脱
可能に合わせられる上部レーザチャンバ組立体と、前記
全反射ミラーおよび前記出力ミラーを前記上部レーザチ
ャンバ組立体および装置外部から遮蔽する遮蔽手段と、
前記出力ミラーより出力されたレーザ光を光ファイバの
一端面に入射させるために前記箱型ベースの第2の側壁
に取付された入射ユニットとを具備する構成とした。
【0017】
【作用】第1のレーザ発振装置では、出力ミラー保持部
に入射ユニットが直結されることにより、出力ミラーか
ら光ファイバの端面(入射面)に至るまでの光路が入射
ユニットの筐体によって外部から遮断され、塵芥から保
護される。
【0018】第2のレーザ発振装置では、一対の光共振
ミラーのうちの少なくとも一方のミラーを支持するミラ
ー支持部がベースと一体に形成され、かつ該一方のミラ
ーが該ミラー支持部に固定状態で取付されることによ
り、ミラー回りの構造が簡易化・小型化して取付が簡単
になるとともに、片側のミラー側でのみ平行度の調整を
行えば済むため、光軸合わせの調整も簡単になる。
【0019】第3のレーザ発振装置は、ベースを箱型に
構成し、光軸が通る箱型ベースの両側壁をミラー支持部
として用い、出力ミラー保持部にベース側壁を介して入
射ユニットを直結することにより、第1および第2のレ
ーザ発振装置の好適な構成例を実現する。
【0020】第4のレーザ発振装置では、レーザ発振器
および光共振器の光学系が遮蔽板によって遮蔽されるた
め、上部組立体の着脱状態に関係なく、上部組立体側の
塵芥や水等が光学系に及ぶことはなく、さらに箱型ベー
スの外側面に入射ユニットが接続されるため、出力ミラ
ーの後方の光学系も外部の塵芥等から保護される。
【0021】
【実施例】以下、図1〜図5を参照して本発明の実施例
を説明する。図1および図2は、本発明の一実施例によ
る固体レーザ発振装置の構成を示す一部断面略正面図お
よび一部断面略平面図であり、図3は図1のA−A線に
ついての断面図である。
【0022】このレーザ発振装置のベース10は、たと
えばステンレスまたはアルミニウムあるいはインバー製
で、上面が開口した箱型に形成されている。図1および
図2に示すように、この箱型ベース10の長手方向にお
いて、ベース中央部に下部レーザチャンバ組立体12が
固定配置され、その両側に全反射ミラーホルダ14およ
び出力ミラーホルダ16が固定配置されている。
【0023】図2に示すように、下部レーザチャンバ組
立体12は、ベース10の底面の所定位置に立設された
複数本たとえば2本の位置決めピン13を組立体下面の
それぞれ対応する位置に凹設したピン穴18bに嵌合さ
せるようにしてベース10上に位置決めされ、ボルト1
5で固定される。
【0024】全反射ミラーホルダ14は、下部レーザチ
ャンバ組立体12に保持されているレーザロッドの光軸
が通るベース10の一方(右側)のほぼ垂直な側壁10
aを両面から挟むようにしてボルト17で取付され、全
反射ミラー19を固定状態で保持している。
【0025】出力ミラーホルダ16は、ミラー保持板1
6aにボルト21で取付され、出力ミラー23をミラー
傾き調整機構により傾き調整可能に保持している。この
出力ミラーホルダ16におけるミラー傾き調整機構は、
ベース側壁10bの内側で出力ミラー23を保持するミ
ラー保持板16aと、ベース側壁10bおよびミラー保
持板16aをベース10の外側と内側から挟むようにし
て互いに螺合する複数組のボルト16bおよびナット1
6cと、ミラー保持板16aを位置決めする板バネ16
dと、ベース側壁10aに対してミラー保持板16aを
ベース中心側へ付勢する皿バネ16eとから構成され、
各組のボルト16bとナット16c間の締め具合を加減
することで、出力ミラー23の光軸に対する傾きを任意
に調整できるようになっている。
【0026】このように、出力ミラーホルダ16側のミ
ラー傾き調整機構によって出力ミラー23と全反射ミラ
ー19との間の平行度を調整できるようになっており、
全反射ミラーホルダ14側ではミラー傾き調整機構が省
かれている。また、ベース10内に下部レーザチャンバ
組立体12が位置決めされて取付されるため、下部レー
ザチャンバ組立体12に保持されるレーザロッドの端面
とベース10の側壁10aに固定取付される全反射ミラ
ー19との間に所定の誤差内で平行度が確保される。
【0027】図3において、下部レーザチャンバ組立体
12は、下部保持体18をベース10の底面に付け、下
部保持体18の上面中央部に形成した長手方向の矩形の
溝18aの中に下部集光体20を上向きに、つまり半楕
円形に湾曲した光反射面20aを上方に向けて配設して
なる。下部保持体18の下面には、ベース10に植設さ
れた位置決めピン13と嵌合するためのピン穴18aが
設けられている。
【0028】下部集光体20は、たとえば真鍮からな
り、その光反射面20aに金をメッキしてある。金は、
固体レーザの励起に有用な約500nm以上の波長を高
い効率(反射率)で反射する作用がある。下部集光体2
0内の楕円焦点位置にはレーザロッドたとえばYAGロ
ッド22が配置されるとともに、下部集光体20の上面
開口部には励起ランプ光を透過する光透過板24が配置
されている。本実施例では、レーザロッド22をガラス
チューブに収めずに露出させ、下部集光体20の光反射
面20aと天井面つまり光透過板24とで形成されるト
ンネル内に冷却水を流して、レーザロッド22を直接冷
却するようにしている。
【0029】光透過板24の外側には、フランジ部28
が下部保持体18と一体に形成されている。このフラン
ジ部28の上面とベース10の各側壁の上端面との間
に、たとえばステンレスからなる遮蔽板30が設けられ
ている。遮蔽板30の外側の縁部は下向きに直角に屈曲
してベース10の側壁上端面ないし外側面に被せられ、
内側の縁部はフランジ部28の上面にボルト32で固着
されている。遮蔽板30の内側縁部と接するフランジ部
28の上面に、Oリング34が設けられている。このO
リング34によって遮蔽板30の下面側がシーリングさ
れ、遮蔽板30より下側のベース内空間11は密閉にな
っている。図1に示すように、この遮蔽板30は、ベー
ス10の長手方向の両端部においては、ミラーホルダ1
4,16の上を通ってベース10の両側壁10a,10
bの上端面まで延在する。
【0030】下部レーザチャンバ組立体12の上に、上
部レーザチャンバ組立体36が配置される。上部レーザ
チャンバ組立体36は、箱型の上部保持体38の内側に
上部集光体40を固定配置してなり、上部集光体40の
半楕円形に湾曲した光反射面40aを下に向けて、下部
レーザチャンバ組立体12の上面にボルト等(図示せ
ず)で着脱可能に合わせられる。上部集光体40は、た
とえば真鍮からなり、その光反射面40aは金メッキさ
れている。上部集光体40内の楕円焦点位置には励起ラ
ンプ42が配置されている。
【0031】本実施例では、励起ランプ42をガラスチ
ューブに収めずに露出させ、上部集光体40の光反射面
40aと底面つまり光透過板24とで形成されるトンネ
ル41内に冷却水を流して、励起ランプ42を直接冷却
するようにしている。上部保持体38のフランジ部39
の下面と接する下部保持体18のフランジ部28の上面
にはOリング44が設けられている。このOリング44
により、上部および下部レーザチャンバ組立体36,1
2内のトンネル41がシーリングされている。
【0032】このように、下部レーザチャンバ組立体1
2の上に上部レーザチャンバ組立体36が重なることに
よって、下部集光体20と上部集光体40が1つに合体
して垂直方向に長軸を有する楕円反射鏡筒が形成される
とともに、この楕円反射鏡筒内の一対の楕円焦点位置に
それぞれレーザロッド22と励起ランプ42とを配置し
たレーザ発振器48が組み立てられる。
【0033】図1において、ベース10の底部には、レ
ーザロッド22および励起ランプ42に供給すべき冷却
水を取り入れるための入口52と、レーザロッド22お
よび励起ランプ42の冷却を終えた冷却水を取り出すた
めの出口54が設けられている。上部レーザチャンバ組
立体36の上面には、上部集光体40の内部(トンネル
41)から水を抜く際に空気を入れるための開閉可能な
ボルト形の蓋56が設けられている。上部レーザチャン
バ組立体36の両端部から出ている電気コードまたはケ
ーブル48は、チャンバ内で励起ランプ44の両電極端
子に接続されている。なお、図2は、遮蔽板30を省い
て(図示しないで)、ベース10の内部の構成を示して
いる。
【0034】レーザロッド22の光軸上で、下部レーザ
チャンバ組立体12の側面のレーザ光通し窓12aと出
力ミラーホルダ16との間には、共振器シャッタ50の
遮光板50aが配置されている。共振器シャッタ50の
シャッタ駆動部たとえばロータリ・ソレノイド50b
は、レーザ光軸の側方でベース10の外側面に取付され
たカバー50cの中に収容されている。シャッタ駆動部
50bの回転駆動力によって回転軸50dに固着されて
いる遮光板50aが実線の位置(遮光位置)と鎖線の位
置(退避位置)との間で切り換えられるようになってい
る。
【0035】出力ミラーホルダ16が取付されているベ
ース側壁10bには、出力ミラー23より出力されたレ
ーザ光をベース外部へ出すためのレーザ光通し穴10e
が形成されている。そして、このレーザ光通し穴10e
の外側に、入射ユニット60がベース側壁10bの外側
面にレーザ光入口をぴったり付けるようにしてボルト9
6で取付されている。
【0036】図4は入射ユニット60の内部構造を示す
縦断面図であり、図5は入射ユニット60における光フ
ァイバ位置合わせ調整部の外観構造を示す側面図であ
る。
【0037】この入射ユニット60は、レーザ光入口お
よび出口を有し、レーザ光入口をレーザ光通し穴10e
に合わせるようにしてベース側壁10bの外側面に密着
して取付されるユニット本体62と、このユニット本体
62のレーザ光出口に光ファイバ98の一端部を取付す
るための光ファイバ取付部64と、レーザ光入口より入
ってきたレーザ光LBを光ファイバ98の一端面に集光
入射させるための集光レンズ66,67を保持する円筒
状のレンズ保持体68とから構成されている。
【0038】光ファイバ取付部64の中央部には、光フ
ァイバ92の一端部を受けるためのレセプタクル70が
設けられている。このレセプタクル70の外側面にはX
方向の位置調整ネジ72およびコイルバネ74のそれぞ
れの先端部が相対抗して当接するとともに、Y方向の位
置調整ネジ76およびコイルバネ(図示せず)のそれぞ
れの先端部も相対抗して当接している。X方向のコイル
バネ74およびY方向のコイルバネのバネ圧は、ユニッ
ト本体62の側面に固着されたナット78,80に螺着
しているネジ82,84によって調整される。X方向位
置調整ネジ72およびY方向位置調整ネジ76のそれぞ
れのツマミ(頭部)を回転操作することで、XY方向に
おけるレセプタクル70の位置を調整し、ひいてはXY
方向における光ファイバ98の端面の位置合わせを行え
るようになっている。
【0039】集光レンズ64,67は、レンズ保持体6
8の内壁面の中間部で突起68aとストッパリング8
6,88との間で挟着保持されている。レンズ保持体6
8は、ユニット本体62の中間部から入口部にかけて延
在する円筒部62bの内側に遊嵌されている。レンズ保
持体68の側面には、後述するボルト90が螺着するた
めのネジ孔68bが設けられている。
【0040】ユニット本体62の円筒部62bには、光
軸と平行に延在する案内溝62cが形成されており、こ
の案内溝62cを介してボルト90がレンズ保持体18
のネジ孔68bに螺着している。このように、レンズ保
持体68に螺着したボルト90がユニット本体62の案
内溝62cによって光軸と平行な方向にしか移動できな
いようになっており、これにより、ユニット本体62に
対してレンズ保持体68は円周方向に移動できず光軸方
向にのみ移動できるようになっている。
【0041】ユニット本体62の案内溝62cよりもレ
ーザ光出口側の外周面には、円周方向(光軸と垂直な方
向)にたとえば約90゜の範囲にわたって切欠き62d
が形成されている。この切欠き62dと平行に位置調整
リング92がユニット本体62に外嵌されるとともに、
切欠き62dと交差するようにレンズ保持体68の外周
面にたとえば約90゜の範囲にわたって斜めに凹所また
は溝68cが形成されており、位置調整リング92の内
側面に固着されたピン94が切欠き62dを通って溝6
8cに遊嵌されている。
【0042】かかる構成においては、位置調整リング9
2を円周方向に回すと、ピン94はユニット本体62の
切欠き62dに案内されると同時にレンズ保持体68の
溝68cにも案内されることにより、直動カムの作用で
レンズ保持体68が光軸方向に移動するようになってい
る。このように、位置調整リング92を回すことによっ
て、レンズ保持体68を光軸方向に移動させ、集光レン
ズ66,67の焦点位置を光ファイバ98の端面に合わ
せることができる。
【0043】次に、本実施例におけるレーザ発振装置の
作用について説明する。図3に示すように、下部組立体
12の上に上部組立体36が重なった状態の下で、つま
りレーザ発振器48が組み立てられた状態の下で、励起
ランプ42が点灯(発光)すると、そのランプ光は光透
過板24を通ってレーザロッド22に集光照射され、レ
ーザロッド22はその光エネルギで励起され、そのロッ
ド端面よりレーザ光LBを出す。このレーザ光LBは、
ミラーホルダ14内の全反射ミラー19とミラーホルダ
16内の出力ミラー23との間で反射を繰り返して共振
増幅されてから出力ミラー23を抜け、ベース側壁10
bのレーザ光通し穴10eを通って入射ユニット60に
入る。入射ユニット60内でレーザ光LBは、集光レン
ズ66,67を通って光ファイバ98の端面に集光入射
する。光ファイバ98に入射したレーザ光LBは、ファ
イバ内を伝わって遠隔たとえば加工場所の出射ユニット
(図示せず)へ送られる。
【0044】上記したように、本実施例のレーザ発振装
置では、箱型ベース10の一側壁10bを介して出力ミ
ラーホルダ16と入射ユニット60とが直結され、出力
ミラー23より出力されたレーザ光LBはそのまま入射
ユニット60に入るようになっている。出力ミラーホル
ダ16と入射ユニット60との間のレーザ光路に外部の
塵芥が入りこむおそれはなく、両者の間に光路カバーを
設ける必要はない。さらに、出力ミラーホルダ16と入
射ユニット60との直結構造により、レーザ光路を曲げ
るための反射ミラー(112)が不要になるとともに、
レーザ発振装置全体がコンパクト化されている。
【0045】また、本実施例のレーザ発振装置では、出
力ミラーホルダ16側のミラー傾き調整機構によって出
力ミラー23と全反射ミラー19との間の平行度を調整
できるようにし、全反射ミラーホルダ14側ではミラー
傾き調整機構を設けずに全反射ミラー19を箱型ベース
10の側壁10a(ミラー支持部)に固定取付した簡易
なミラー取付構造としている。この点も、装置のコンパ
クト化および低コスト化に大きく寄与している。
【0046】また、本実施例のレーザ発振装置では、遮
蔽板30によって箱型ベース内空間11が上部組立体3
6および装置外部から遮蔽されているため、ベース内空
間11内に外部から塵埃が入り込むことはなく、レーザ
ロッド22の両端面と両ミラーホルダ14,16との間
に光路カバーを設ける必要はない。
【0047】また、レーザロッド22および励起ランプ
42に供給される冷却水は、ベース10の底部の入口5
2と出口54との間で下部組立体12および上部組立体
36内の所定の流路を流れ、ベース内空間11に漏れる
ことはない。このように、下部組立体12の上に上部組
立体36が重なった通常状態の下で、レーザロッド22
の両端面および光共振器ミラーの反射面に外部からの塵
埃や水等が付着するおそれはない。
【0048】励起ランプ42を交換するときは、上部組
立体36だけを取り外す。下部組立体12はベース10
内に固定されたままである。取り外した上部組立体36
から使い古しの励起ランプ42を抜いて、代わりに新し
い励起ランプを装着し、再び図3のように上部組立体3
6を下部組立体12の上に重ね合わせればよい。あるい
は、予め新しい励起ランプ42を装着した別の上部集光
体40ないし上部組立体36を用意しておくことで、ワ
ンタッチ方式で励起ランプ42の交換を行うことも可能
である。いずれにせよ、上部組立体36が取り外しされ
ても、レーザロッド22は光透過板24によって、ミラ
ーホルダ14,16内の光共振器ミラーは遮蔽板30に
よって、それぞれ外部から遮蔽されるため、これらの光
学部品に塵埃が付着するおそれはない。また、これらの
光学部品に作業員の手または工具が触れることはないの
で、汚れたり損傷するおそれもない。
【0049】上記した実施例では、ベース10を箱型に
構成して光軸の通るベース側壁をミラー支持部に用いた
が、箱型以外のベース構造も可能であり、たとえば平坦
なベース面から垂直上方に延在するような下駄の歯形の
ミラー支持部を設けることも可能である。また、上記実
施例では、全反射ミラー19をベース側面10aに固定
取付し、出力ミラー23をベース側面10bに傾き調整
可能に取付したが、両ミラーの関係を反対にすること、
つまり全反射ミラー19をベース側面10aに傾き調整
可能に取付し、出力ミラー23をベース側面10bに固
定取付することも可能である。
【0050】
【発明の効果】請求項1のレーザ発振装置によれば、出
力ミラー保持部に入射ユニットを直結したので、出力ミ
ラーと光ファイバ入射面間のレーザ光路に小型・簡易な
構成で効率的な防塵対策を施すことができる。
【0051】請求項2のレーザ発振装置によれば、一対
の光共振ミラーのうちの少なくとも一方のミラーを支持
するミラー支持部をベースと一体に形成し、かつ該一方
のミラーをミラー支持部に固定状態で取付することによ
り、光共振器の組立ておよび光軸合わせの調整を簡単に
行うことができる。
【0052】請求項3のレーザ発振装置によれば、ベー
スを箱型に構成し、光軸が通る箱型ベースの両側壁をミ
ラー支持部として用い、ベース側壁に入射ユニットを取
付することにより、出力ミラーと光ファイバ入射面間の
レーザ光路に小型・簡易な構成で効率的な防塵対策を施
すことができるとともに、光共振器の組立ておよび光軸
合わせの調整を簡単に行うことができる。
【0053】請求項4のレーザ発振装置によれば、レー
ザ媒体から光ファイバ入射面に至るまでの全ての光学系
について塵埃、水等の付着または汚染、損傷等を完全に
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるレーザ発振装置の構成
を示す縦断面図である。
【図2】実施例におけるレーザ発振装置の構成を示す平
面図である。
【図3】図1のA−A線についての横断面図である。
【図4】実施例のレーザ発振装置における入射ユニット
の内部構成を示す縦断面図である。
【図5】実施例のレーザ発振装置における入射ユニット
の光ファイバ位置合わせ調整部の外観構造を示す側面図
である。
【図6】従来のレーザ発振装置の構成を示す正面図であ
る。
【図7】従来のレーザ発振装置の構成を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
10 箱型ベース 10a,10b 箱型ベースの側壁 12 下部レーザチャンバ組立体 14 全反射ミラーホルダ 16 出力ミラーホルダ 19 全反射ミラー 22 レーザロッド 23 出力ミラー 30 遮蔽板 36 上部レーザチャンバ組立体 60 入射ユニット 98 光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/08 3/101

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ媒体およびレーザ励起手段を保持
    するレーザチャンバと前記レーザ媒体より出たレーザ光
    を共振増幅するための一対の光共振ミラーとを備えるレ
    ーザ発振装置において、 前記一対の光共振ミラーのうちの出力ミラーを保持する
    出力ミラー保持部に、前記出力ミラーより出力されたレ
    ーザ光を光ファイバの一端面に入射させるための入射ユ
    ニットを一体に取付してなることを特徴とするレーザ発
    振装置。
  2. 【請求項2】 レーザ媒体およびレーザ励起手段を保持
    するレーザチャンバと前記レーザ媒体より出たレーザ光
    を共振増幅するための一対の光共振ミラーとを共通のベ
    ースに設けるレーザ発振装置において、 前記一対の光共振ミラーのうちの少なくとも一方のミラ
    ーを支持するミラー支持部を前記ベースと一体に形成
    し、かつ前記一方のミラーを前記ミラー支持部に固定状
    態で取付してなることを特徴とするレーザ発振装置。
  3. 【請求項3】 レーザ媒体およびレーザ励起手段を保持
    するレーザチャンバと前記レーザ媒体より出たレーザ光
    を共振増幅するための一対の光共振ミラーとを共通のベ
    ースに設けるレーザ発振装置において、 前記ベースを箱型に構成し、前記レーザ媒体の光軸が通
    る前記箱型ベースの一方の側壁に前記一対の光共振ミラ
    ーのうちの全反射ミラーを保持する全反射ミラー保持部
    を取付し、前記レーザ媒体の光軸が通る前記箱型ベース
    の他方の側壁にレーザ光通し穴を形成し、このレーザ光
    通し穴を間に挟んで前記箱型ベースの他方の側壁に前記
    一対の光共振ミラーのうちの出力ミラーを保持する出力
    ミラー保持部と前記出力ミラーより出力されたレーザ光
    を光ファイバの一端面に入射させるための入射ユニット
    とを取付してなることを特徴とするレーザ発振装置。
  4. 【請求項4】 箱型のベースと、 半楕円形に湾曲した光反射面を有する下部集光体と、前
    記下部集光体内の所定位置に配置されたレーザロッド
    と、前記下部集光体の上面開口部に配置された光透過性
    の板体とを有し、前記下部集光体の前記光反射面を上方
    に向けて前記箱型ベースに取付された下部レーザチャン
    バ組立体と、 前記レーザロッドの光軸が通る前記箱型ベースの一方の
    側壁に取付された全反射ミラーと、 前記レーザロッドの光軸が通る前記箱型ベースの他方の
    側壁に取付された出力ミラーと、 半楕円形に湾曲した光反射面を有する上部集光体と、前
    記上部集光体内の所定位置に配置された励起ランプとを
    有し、前記上部集光体の前記光反射面を下方に向けて前
    記下部レーザチャンバ組立体に着脱可能に合わせられる
    上部レーザチャンバ組立体と、 前記全反射ミラーおよび前記出力ミラーを前記上部レー
    ザチャンバ組立体および装置外部から遮蔽する遮蔽手段
    と、 前記出力ミラーより出力されたレーザ光を光ファイバの
    一端面に入射させるために前記箱型ベースの他方の側壁
    に取付された入射ユニットと、を具備したことを特徴と
    するレーザ発振装置。
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