JPH0741162B2 - マイクロカプセルの製造方法並びに有機及び無機粉体入りのマイクロカプセル - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法並びに有機及び無機粉体入りのマイクロカプセル

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JPH0741162B2
JPH0741162B2 JP282588A JP282588A JPH0741162B2 JP H0741162 B2 JPH0741162 B2 JP H0741162B2 JP 282588 A JP282588 A JP 282588A JP 282588 A JP282588 A JP 282588A JP H0741162 B2 JPH0741162 B2 JP H0741162B2
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J13/00Colloid chemistry, e.g. the production of colloidal materials or their solutions, not otherwise provided for; Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/02Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/06Making microcapsules or microballoons by phase separation
    • B01J13/08Simple coacervation, i.e. addition of highly hydrophilic material

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はマイクロカプセルの製造方法並びに有機及び無
機粉体入りマイクロカプセル、さらに詳しくは、有機顔
料等の疎水性有機物質の粉体を無機質系の微小中空状の
壁材内に封入したマイクロカプセルを製造する方法、並
びにこの製造方法に関連して得られる有機顔料及び無機
顔料等の有機,無機両種の粉体を封入したマイクロカプ
セルに関するものである。
(従来の技術及び発明が解決しようとする問題点) 周知のように、マイクロカプセルはミクロン単位の粒径
を有する微小中空状の壁材内に粉体等を封入することに
よって得られるものであり、その粒径の極小さ故に、近
年においては薬剤,化粧料,塗料,印刷等種々の技術分
野においてマイクロカプセルの技術が利用されている。
(イ)方法に関する従来技術及び問題点 ところで、上記のような微小中空状の壁材内に粉体を封
入して得られるマイクロカプセルの製造方法としては従
来より種々の方法が開発されているが、その中でも無機
物質を壁材としたマイクロカプセルのとりわけ優れた製
造方法としてたとえば特公昭54−6251号公報所載の発明
がある。
すなわちこの発明は、いわゆるW/O型の2液の乳化状態
における界面反応を利用するマイクロカプセルの製造方
法を前提に、予め上記2液のうちの分散相である水溶液
中に粉体を分散させておいて上記界面反応により微小中
空状の壁材を形成すると同時にその壁材内に粉体を封入
する方法に関するものである。
これをより詳細に説明すれば、アルカリ金属の珪酸塩等
の無機化合物の水溶液に、防食塗料等の顔料粉末を懸濁
させ、その懸濁液に有機溶媒を混合してW/O型乳濁液を
調製し、次に上記無機化合物との水溶液反応によって水
不溶性沈澱を生成しうる無機化合物の水溶液を上記乳濁
液と混合して上記2種の無機化合物を反応させることに
より上記微小中空状の壁材を形成してマイクロカプセル
を製造する方法である。
しかしながら、このような方法によれば、上記防食塗
料、たとえば鉛丹,亜酸化鉛等の表面親水性の無機顔料
についてはマイクロカプセル化が実現できるが、これ以
外のタール色素等の有機顔料については上記壁材内に封
入することが困難となっていたために、マイクロカプセ
ル化が実現できなかった。
すなわち、この問題点をより詳細に説明すると、上記乳
濁液は、いわゆるW/O型のものであり、第5図に示すよ
うにその乳濁液における分散媒1cである有機溶媒に対し
て上記無機化合物の水溶液の液滴2cが分散相として散在
し、その水溶液の液滴2c中にタール色素等の有機顔料の
粒子3cを含むものであるが、この有機顔料は一般に疎水
性のものであるため、上記のように乳化した状態におい
ては、疎水性の有機顔料の粒子3cが同図に示すように直
ちに分散相の水相から分散媒である有機溶媒相に移行す
ることとなっていた。
従って、上記微小中空状の壁材が形成されるに到るまで
に、有機顔料の粒子が分散相側から分散媒側に移行する
ために、上記壁材内に有機顔料を封入することができな
かったのである。
いずれにしても、従来の方法では、無機質の微小中空壁
材内に有機顔料等の疎水性の有機質粉体を封入すること
はできなかったのである。
本発明のマイクロカプセルの製造方法としての目的は、
上記のような問題点を解決するために、上記乳化状態に
おいて有機顔料等の疎水性の有機質粉体が分散相である
水溶液から分散媒である有機溶媒側に移行するのを阻止
し、それによって無機質の微小中空状の壁材内に有機顔
料等の疎水性の有機質粉体を封入したマイクロカプセル
の提供を実現せんとするものである。
(ロ)有機及び無機粉体入りマイクロカプセルについて
の従来技術及び問題点 次に、従来のマイクロカプセルは、上述のような疎水
性,親水性等の性質の相違に基づき、上記のように無機
質の粉体は、無機質の微小中空状の壁材内に封入され、
又、有機質の粉体は有機質の壁材内に封入されていた。
ところで、一般に無機質及び有機質の双方の粉体を混合
する場合には、比重や表面の性質の相違により両者を均
一に混合することは非常に困難となっていたものであ
る。たとえば、化粧料の分野においては、このような問
題に起因して、無機及び有機色素の色分れ,色むらが生
ずるという問題点があった。
そして、この問題点は、両粉体を上記のようにマイクロ
カプセル化したとしても上記比重の相違等に起因して解
決し得なかったのである。
本発明のマイクロカプセルとしての目的は、このような
問題点を解決すべく、上記無機質の粉体及び有機質の粉
体を均質に混合させうることを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、このような問題点を解決せんとしてなされた
もので、マイクロカプセルの製造方法としての特徴は、
疎水性の有機物質からなる粉体の表面に予め吸着性の水
溶性高分子を吸着させ、その水溶性高分子の吸着された
粉体を、アルカリ金属の珪酸塩若しくは炭酸塩又はアル
カリ土類金属のハロゲン化物若しくは硝酸塩から選択さ
れた少なくとも1種の無機化合物の水溶液に懸濁,分散
させ、水に対する溶解度が5%以下の有機溶媒を前記分
散液に混合してW/O型乳濁液とし、次に前記選択された
無機化合物との水溶液反応によって水不溶性沈澱を生成
しうる無機化合物の水溶液を前記乳濁液と混合すること
により、水不溶性沈澱からなる微小中空状の壁材を形成
し、その後、必要に応じて濾過,水洗し、前記壁材内に
少なくとも前記疎水性有機物質からなる粉体を封入して
マイクロカプセルを製造することにある。
又、有機及び無機粉体入りマイクロカプセルとしての特
徴は、金属珪酸塩,金属炭酸塩,金属硫酸塩,金属酸化
物,金属水酸化物から選択された少なくとも1種の無機
化合物からなる微小中空状の壁材内に、疎水性有機物質
からなる粉体と、無機物質からなる粉体との双方の粉体
を封入してなることにある。
(作用) すなわち、本発明のマイクロカプセルの製造方法は、上
述のように、無機化合物の水溶液中に懸濁された疎水性
有機物質からなる粉体の表面に、予め吸着性の水溶性高
分子を吸着させたものなるため、上記のようにW/O型乳
濁液とされた状態において、分散相である水溶液中の有
機物質の粉体は本来疎水性のものであるが、その表面に
吸着された水溶性高分子によって親水性化されて分散相
から分散媒側への移動が阻止され、上記有機物質の粉体
は水溶液からなる分散相中に保持されることとなる。従
って、その後に水不溶性沈澱が生じて微小中空状の壁材
が形成された場合において、上記有機物質の粉体がその
まま微小中空状の壁材内に封入されることとなるのであ
る。
又、本発明の有機及び無機粉体入りのマイクロカプセル
においては、1個の微小中空状の壁材内に有機物質の粉
体と無機物質の粉体との双方の粉体が封入されてなるた
め、このようなマイクロカプセルを他の物質に多量に混
合する場合において有機物質の粉体と無機物質の粉体と
が均一に混合されることとなるのである。
(実施例) 以下、本発明の実施例について説明する。
〔マイクロカプセルの製造方法の実施例〕
先ず本発明のマイクロカプセルの製造方法について、そ
の実施例を次に説明する。
実施例1 先ず、有機顔料の一例としての赤色226号(ヘリンドン
ピンクCN)の20gをメタノール20mlで湿潤させ、水溶性
高分子の一例としての2%のカルボキシメチルセルロー
ス(CMCダイセル1110,ダイセル化学)水溶液500mlを加
えて撹拌し、上記赤色226号の分散液を調製する。
次に、この分散液150mlと2mol/の1号ケイ酸ナトリウ
ム(Na2O・2SiO2・xH2O)溶液150mlとを混合し、顔料を
十分に分散させた後、乳化剤としてのソルビタンモノス
テアレートとポリオキシエチレンソルビタンモノオレエ
ート(1:1)混合物の2%トルエン溶液400mlに注ぎ、ホ
モミキサーで15秒間乳化し、W/O型乳濁液を調製する。
次に、この調製液を、1mol/の塩化カルシウム水溶液1
500mlに注ぎ、30分間撹拌した後、3時間静置する。
その後、遠心分離により粒子を沈降させ、トルエン水溶
液を分離し、濾過,水洗,アルコール洗浄及び乾燥を行
う。
これによって、ケイ酸カルシウムからなる微小中空状の
壁材の中空部に上記赤色226号の9.7重量%(球体重量に
対する重量%)を封入して構成された多孔質球状体であ
る57.8gの粒径1〜5μmのマイクロカプセルが得られ
た。
尚、上記のような一連の操作において、マイクロカプセ
ルが製造されるまでの過程を図面に従って説明すると、
先ず上記乳濁液が調製された状態においては、第1図
(イ)のように有機溶媒としてのトルエン溶液からなる
分散媒1中に、上記ケイ酸ナトリウム水溶液の分散相す
なわち液滴2が散在している。
又、第1図(ロ)に示すように、分散相としての水溶液
の液滴2中には上記有機顔料である赤色226号の粒子3
が分散されている。
さらに、この場合において、前記有機顔料の分散液には
予め水溶性高分子としてのカルボキシメチルセルロース
が溶解されていたため、上記のような乳化状態におい
て、第1図(ハ)に示すように、有機顔料の粒子3の表
面に上記水溶性高分子の粒子4が吸着されることとな
る。
従って、このように水溶性高分子としてのカルボキシメ
チルセルロースの分子4が吸着した有機顔料の粒子3
は、本来疎水性であるが、上記カルボキシメチルセルロ
ースの分子4によって親水性化され、分散相である水溶
液中に安定に分散し、水溶液の液滴2から分散媒1側へ
移行することもないのである。
次に、上記乳濁液を前記塩化カルシウム水溶液に混合
し、その後、上述のように撹拌された際に下記の反応に
基づいて上記水溶液の液滴2の周囲に第2図に示すよう
にケイ酸カルシウムからなる微小中空状の壁材5が形成
されることとなる。
Na2O・2SiO2+CaCl2→CaO・2SiO2+2NaCl この場合において、上記有機顔料の粒子3は水溶液の液
滴2から分散媒1側に移行しないために、有機顔料の粒
子3が上記壁材5内に封入されることとなる。
それ故、上記濾過,水洗等の後に、第3図に示すように
従来実現し得なかった有機顔料入りのマイクロカプセル
6の製造が実現し得たのである。
実施例2 黄色205号(ベンヂジンイエローG)20gをメタノール8m
lで湿潤させ、2%カルボキシメチルセルロース(CMCダ
イセル1107,ダイセル化学)水溶液500mlを加えて撹拌
し、黄色205号分散液を調製する。
次に、この分散液100mlと2mol/の1号ケイ酸ナトリウ
ム水溶液100mlとを混合し、顔料を十分に分散させた
後、ソルビタンセスキオレエートとポリオキシエチレン
ソルビタントリオレエート(7:3)混合物の2%キシレ
ン溶液300mlに添加して20秒間ホモミキサーで乳化し、W
/O型乳濁液を調製する。
次に、この調製液を0.6mol/の硫酸アンモニウムと0.6
mol/のリン酸二水素ナトリウムとの混合水溶液1000ml
中に注入し、1時間撹拌し、1晩静置する。
その後、上記実施例1と同様に操作を行い、シリカから
なる微小中空状の壁材の中空部に黄色205号の14.0重量
%を封入した粒径1〜5μmのマイクロカプセルの27.3
gを得た。
実施例3 青色404号(フタロシアニンブルー)20gをエタノール5m
lで湿潤させ、3%カルボキシメチルセルロース(セロ
ゲン7A,第一工業製薬)水溶液500mlを加えて撹拌し、青
色404号分散液を調製する。
次に、この分散液100mlと2mol/の1号ケイ酸ナトリウ
ム水溶液100mlとを混合し、顔料を十分に分散させた
後、ソルビタンセスキオレエートとポリオキシエチレン
ソルビタンモノオレエート(2:1)混合物の2%ケロシ
ン溶液300mlに添加して15秒間ホモミキサーで乳化し、W
/O型乳濁液を調製する。
次に、この調製液を1.2mol/の塩化マグネシウム水溶
液1000ml中に注入し、30分間撹拌し、2時間静置する。
その後、上記実施例1と同様に操作を行い、ケイ酸マグ
ネシウムからなる微小中空状の壁材の中空部に青色404
号の10.7重量%を封入した粒径1〜5μmのマイクロカ
プセルの35.3gを得た。
実施例4 赤色226号の10gをメタノール4mlで湿潤させ、3%のカ
ルボキシメチルセルロース(CMCダイセル1107,ダイセル
化学)水溶液200mlを加えて撹拌し、上記赤色226号の分
散液を調製する。
次に、この分散液150mlと2.2mol/の1号ケイ酸ナトリ
ウム溶液150mlとを混合し、さらに酸化チタン粉末20gを
添加してホモジナイザーにて5分間顔料を十分に分散さ
せた後、ソルビタンモノオレエートとポリオキシエチレ
ンソルビタンモノオレエート(2:1)混合物の2%ベン
ゼン溶液400mlに注ぎ、ホモミキサーで20秒間乳化し、W
/O型乳濁液を調製する。
次に、この調製液を、1mol/の塩化カルシウム水溶液2
000mlに注ぎ、20分間撹拌した後、3時間静置する。
その後、実施例1と同様の操作を行い有機顔料赤色226
号の8.9重量%及び無機顔料酸化チタンの24.8%の双方
を、ケイ酸カルシウムからなる微小中空状の壁材内に封
入して構成された桃色を呈する80.2gのマイクロカプセ
ルが得られた。
実施例5 黄色205号及び青色404号の各5gをメタノール5mlで湿潤
させ、2%カルボキシメチルセルロース(CMCダイセル1
110,ダイセル化学)水溶液200mlを加えて撹拌し、黄色2
05号及び青色404号を含む緑色の分散液を調製する。
次に、この分散液100mlと2mol/の1号ケイ酸ナトリウ
ム水溶液100mlとを混合し、さらに酸化ジルコニウム粉
末15gを添加してホモジナイザーにて10分間顔料を十分
に分散させた後、ソルビタンセスキオレエートとポリオ
キシエチレンソルビタントリオレエート(7:3)混合物
の2%トルエン溶液300mlに添加して20秒間ホモミキサ
ーで乳化し、W/O型乳濁液を調製する。
次に、この調製液を1.2mol/の硫酸アンモニウム,0.8m
ol/のリン酸,及び0.8mol/のリン酸二水素ナトリウ
ムの混合水溶液1500mlに注ぎ、1時間撹拌した後、1晩
静置する。
その後、上記実施例1と同様に操作を行い、シリカから
なる微小球壁材の中空部に有機顔料である黄色205号及
び青色404号の11.0重量%及び無機顔料である酸化ジル
コニウムの33.7重量%の双方を封入した粒径2〜5μm
のマイクロカプセルの43.2gを得た。
尚、上記マイクロカプセルの製造方法の各実施例におい
ては、顔料の表面に吸着させる水溶性高分子としてカル
ボキシメチルセルロースを使用してなるが、水溶性高分
子の種類は決してこれに限定されるものではなく、たと
えばヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピル
セルロース,アラビアゴム,ポリアクリルアミド,ポリ
ビニルピロリドン,ガゼインナトリウム,ゼラチン,ポ
リビニルアルコール,アルギン酸ナトリウム,アルギン
酸プロピレングリコールエステル等のものを使用するこ
とも可能である。
ただし、この中でもカルボキシメチルセルロース,ヒド
ロキシエチルセルロース,アラビアゴム,ポリアクリル
アミド,ガゼインナトリウム,ゼラチンが好ましく、と
りわけ上記実施例のカルボキシメチルセルロースが最も
好ましい水溶性高分子である。
又、水溶性高分子の量はその種類によっても異なるが、
有機顔料の重量に対して20〜200%であり、これより少
ない場合には、有機顔料は好適に水相に分散しない。一
方、多すぎる場合には、W/O型乳濁液の安定性が悪くな
り、又、粘度が増大しすぎて取扱いが困難となる。水溶
性高分子の粘度については特に制限はないが、高粘度の
ものが取扱いが困難なるため、低い粘度のものが好まし
い。
さらに、湿潤させる極性有機溶媒としては、メタノー
ル,エタノール,アセトン等が挙げられるが、極性の高
いもの程好ましい。又、この有機溶媒の量は、顔料の重
量に対して10〜500%であり、これより少ないと顔料の
表面を湿潤させることが困難であり、又、多すぎるとW/
O型乳濁液の安定性が悪くなり、良好なマイクロカプセ
ルが調製されない。
さらに、分散液に混合される無機化合物水溶液の種類
も、該実施例のケイ酸ナトリウム水溶液に限らない。要
は、アルカリ金属の珪酸塩若しくは炭酸塩又はアルカリ
土類金属のハロゲン化物若しくは硝酸塩から選択された
少なくとも1種の無機化合物の水溶液が使用されていれ
ばよい。従って、上記の無機化合物から2種以上のもの
が混合されていてもよい。
さらに、上記水溶液に混合してW/O型乳濁液を調製する
ための有機溶媒の種類も該実施例のトルエン,キシレ
ン,ケロシン,ベンゼン等に限定されない。要は、常温
で液状を呈し反応に関与せず、溶解度が5%以下の水難
溶性乃至不溶性のもので且つ乳化状態においてW/O型乳
濁液を調製しうるものであればよい。
さらに、乳濁液に混合する水溶液の種類も、該実施例の
塩化カルシウム水溶液,硫酸アンモニウム水溶液とリン
酸二水素ナトリウムの混合液,塩化マグネシウム水溶液
等に限定されない。要は、上記アルカリ金属珪酸塩等の
無機化合物水溶液との反応によって水不溶性沈澱を生成
する無機化合物の水溶液であればよい。
さらに、乳化剤の種類も上記実施例のソルビタンセスキ
オレエート等に限定されず、その種類を問うものではな
いが、HLB価が3.5〜6.0の範囲にあるものが好ましい。
さらに、マイクロカプセル製造のための操作手順も上記
各実施例に限定されるものではない。要は、疎水性有機
物質からなる粉体の表面に吸着性の水溶性高分子を予め
吸着させ、その水溶性高分子の吸着された粉体をアルカ
リ金属珪酸塩等の無機化合物の水溶液に懸濁,分散さ
せ、その分散液と有機溶媒とを混合してW/O型乳濁液と
し、次に前記無機化合物との水溶液反応によって水不溶
性沈澱を生成する無機化合物の水溶液を前記乳濁液と混
合して上記のようなマイクロカプセルが製造されればよ
いのである。
尚、上記実施例1〜3は有機顔料のみをマイクロカプセ
ルに封入した実施例であり、又、実施例4,5は有機顔料
及び無機顔料の双方をマイクロカプセルに封入した実施
例である。すなわち、本発明のマイクロカプセルにおい
ては、要は少なくとも有機顔料(疎水性の有機粉体)が
マイクロカプセルに封入されていればよく、無機顔料
(無機粉体)が封入されるか否かは問うものではない。
〔マイクロカプセルの実施例〕
次に本発明のマイクロカプセルの実施例について説明す
る。
すなわち、一実施例としてのマイクロカプセル6は、第
4図に示すようにケイ酸カルシウムからなる微小中空状
の壁材5内に、有機顔料としての赤色226号の粒子3a
と、無機顔料としての酸化チタンの粒子3bとの双方の粒
子を封入した構成からなるものである。
尚、有機顔料及び無機顔料の組成は次のとおりである。
(球体重量に対する重量%) 赤色226号 8.9重量% 酸化チタン 24.8重量% 本実施例におけるマイクロカプセル6は、上記のように
1個の壁材5内に、有機顔料及び無機顔料の双方の粒子
3a,3bを封入したものなるため、多量のマイクロカプセ
ル6を他の物質に混入する場合、両顔料の比重が異なっ
ているにもかかわらず、両顔料の粒子3a,3bが少なくと
も混合直後においては壁材5から飛び出さないために、
均質に混合されることとなるのである。
たとえば、上記マイクロカプセル6をファンデーショ
ン,頬紅等の化粧料に混合すると、有機顔料と無機顔料
とが均質に混合するため、色分かれや色むら等が生ずる
こともないのである。ちなみに従来の化粧料において
は、両種の顔料が単に混合されていたために、どうして
も色分かれ,色むら等が生じることとなっていたが、本
発明のマイクロカプセルを化粧料に適用すれば、上記従
来の問題点を解決しうるに至った。
さらに、有機顔料は一般に光に対する安定性が悪いため
に、従来においては有機顔料を含む化粧料を使用した場
合、光の照射等により色あせが生じるという問題点があ
ったが、本発明のようにマイクロカプセル内に有機顔料
を封入することによって、有機顔料を含む化粧料の耐光
性が向上し、上記色あせ等の問題点をも解決しうるに至
った。
さらに、一般に化粧料の粒子は、粗い場合には肌等への
付着力が低下し、又、細かい場合には肌への付着力は良
好であるが、化粧料としてののびが悪くなる欠点があ
る。この点、上記マイクロカプセルは、1〜5μmと適
度な粒径を有しているため、このマイクロカプセルを化
粧料に混入すれば、付着力及びのびの双方を維持できる
という利点がある。
又、一般に化粧料を構成する顔料等の粒子は形態が一定
ではないが、顔料を上記のようなマイクロカプセルに封
入することによって、粒子を均一化できる利点がある。
尚、上記実施例における微小中空状の壁材5の材質もケ
イ酸カルシウムに限定されない。要は、金属珪酸塩,金
属炭酸塩,金属硫酸塩,金属酸化物,金属水酸化物から
選択された少なくとも1種の無機化合物からなるもので
あればよい。
又、有機顔料及び無機顔料の種類もそれぞれ上記実施例
に限定されるものではない。
さらに、本発明は、マイクロカプセルに顔料を封入する
ことを主眼とするものではあるが、封入される粉体の種
類は決して顔料に限定されない。要は、有機粉体として
疎水性のものが使用されていればよく、有機及び無機粉
体の種類は問わない。
(発明の効果) (イ)叙上のように、本発明のマイクロカプセルの製造
方法は、無機化合物の水溶液中に懸濁された疎水性有機
物質からなる粉体の表面に、予め吸着性の水溶性高分子
を吸着させ、その後にW/O型乳濁液として調製し、且つ
水不溶性沈澱を生じさせてマイクロカプセルを製造する
方法なるため、上記のようにW/O型乳濁液とされた状態
において、乳濁液の分散相である水溶液中の有機物質の
粉体は本来疎水性のものであるが、その表面に吸着され
た水溶性高分子によって親水化されて水溶液相から有機
溶媒相側への移動が阻止され、上記有機物質の粉体は乳
濁液の分散相である水溶液の液滴中に保持されることと
なる。従って、その後に水不溶性沈澱が生じて微小球壁
材が形成された場合において、上記有機物質の粉体がそ
のまま微小球壁材内に封入されることとなり、その結
果、従来において微小球壁材が無機質のマイクロカプセ
ルにおいては決して得ることのできなかった有機粉体入
りのマイクロカプセルを提供することができるという格
別顕著な効果を有するに至った。
(ロ)又、本発明の有機及び無機粉体入りマイクロカプ
セルにおいては、1個の微小中空状の壁材内に有機物質
の粉体と無機物質の粉体との双方の粉体が封入されてな
るため、このようなマイクロカプセルを他の物質に多量
に混合する場合、有機物質の粉体と無機物質の粉体とを
均一に混合することができるという効果を得た。
この結果、たとえば化粧料に上記マイクロカプセルを混
合すれば、有機及び無機顔料の均質な混合により、両顔
料を含有する化粧料において一般に生じ易い色分かれや
色むらを防止することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)は水溶液と有機溶媒との乳化状態を示す概
略説明図、(ロ)は(イ)の図を拡大して水溶液の粒子
に対する顔料の分散状態を示した説明図、(ハ)は
(ロ)の図をさらに拡大して顔料に水溶性高分子が吸着
した状態を示した説明図。 第2図は微小球壁材形成時の説明図。 第3図は製造完了時のマイクロカプセルの拡大断面図。 第4図は本発明の一実施例としてのマイクロカプセルの
断面図。 第5図は従来の水溶液の液滴及び顔料粒子の作用を示す
説明図。 1……有機溶媒、2……水溶液の液滴 3……顔料の粒子、4……水溶性高分子
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 9/10 KCR C09C 3/00 PBQ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水性の有機物質からなる粉体の表面に予
    め吸着性の水溶性高分子を吸着させ、その水溶性高分子
    の吸着された前記粉体を、アルカリ金属の珪酸塩若しく
    は炭酸塩又はアルカリ土類金属のハロゲン化物若しくは
    硝酸塩から選択された少なくとも1種の無機化合物の水
    溶液に懸濁,分散させ、その分散液と、水に対する溶解
    度が5%以下の有機溶媒とを混合してW/O型乳濁液と
    し、次に前記選択された無機化合物との水溶液反応によ
    って水不溶性沈澱を生成しうる無機化合物の水溶液を前
    記乳濁液と混合することにより、水不溶性沈澱からなる
    微小中空状の壁材を形成し、その後、必要に応じて濾
    過,水洗し、前記壁材内に少なくとも前記疎水性有機物
    質からなる粉体を封入してマイクロカプセルを製造する
    ことを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。
  2. 【請求項2】金属珪酸塩,金属炭酸塩,金属硫酸塩,金
    属酸化物,金属水酸化物から選択された少なくとも1種
    の無機化合物からなる微小中空状の壁材内に、疎水性有
    機物質からなる粉体と、無機物質からなる粉体との双方
    の粉体を封入してなることを特徴とする有機及び無機粉
    体入りのマイクロカプセル。
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