JPH0741045B2

JPH0741045B2 - 歯科組成物用アプリケ−タ−シリンジおよびその製法

Info

Publication number: JPH0741045B2
Application number: JP61505387A
Authority: JP
Inventors: ミュ−ルバウア−、エルンスト
Original assignee: ミュ−ルバウア−、エルンスト
Priority date: 1985-10-07
Filing date: 1986-10-06
Publication date: 1995-05-10
Anticipated expiration: 2010-05-10
Also published as: JPS63501055A; EP0220551A1; WO1987001929A1; US4904437A; US4798596A; ATE52685T1; DE3671163D1; DE8528512U1; EP0220551B1

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、細い放出チューブに先細になって円筒形スペ
ースを包囲しているシリンジボディおよび円筒形スペー
スの中で動かし得るピストンを有し、静止状態において
円筒形スペースは、前部において、歯科組成物、例えば
充填材料、仮封剤、結合セメント、エッチングゲルを受
容し、後部においてピストンを受容する使い捨てアプリ
ケーターシリンジ並びにその製法に関する。

歯科医は、通例、個別に混合した歯科用組成物を、細い
放出チューブで終わり、動かし得るピストンを有する再
使用可能シリンジで取って、このシリンジによって適用
する（英国公開特許第734,983号および米国特許第4,18
4,490号）。この操作は、とりわけ、シリンジを使用の
度に清浄および滅菌しなければならないので面倒であ
る。

それ故、水銀および銀の充填材料が別々の室に入ってお
り、これらの成分をシリンジ自体の中で混合する一回だ
け使用するアプリケーターシリンジが開発された（西独
公開特許第2,903,331号）；しかし、水銀をそのシリン
ジ内に密封貯蔵することおよび成分を精密な量で組み合
わせて充分に混合することが困難であるので、このよう
なシリンジは適当でないことがわかった。

いわゆる使い捨て（ディスポーザブル）シリンジは、シ
リンジ様アプリケーターカートリッジに入れられた光硬
化一成分充填組成物に関して最初にうまく用いられた。
これらは、シリンダーを中で動かし得るシリンジボディ
および曲った放出チューブを有する。シリンジボディ中
でピストンを動かすには大きな力が必要なので、これを
使用するには、例えばトング型またはピストル型の工具
が必要である（西独公告特許第2,045,509号、西独公開
特許第2,110,463号、西独公開特許第3,235,232号および
米国特許第4,391,590号）。特殊な工具を必要とするこ
とは、とりわけ、それが患者の口に接触する可能性があ
り、それ故滅菌しなければならないので不利である。湾
曲形放出チューブ用のキャビティの形成には複雑な構造
の数個割りコアーを要するので、このような使い捨てシ
リンジの製造には大きな経費がかかる。この製造におけ
る他の欠点は、曲がった放出チューブは、比較的短いも
のしか得られないということである。

収容能が大きく、反復使用するための、一成分充填組成
物用アプリケーターシリンジも既知である（西独公開特
許第3,212,187号）。これらも、使用の度に滅菌すべき
であるが、充填された状態にあるので、それはほとんど
不可能である。

従って、本発明の目的は、工具を用いずに、衛生的に使
用し得る、安い使い捨てアプリケーターシリンジを提供
することである。更に、本発明の目的は、どのような長
さであってもよい湾曲放出チューブのあるそのようなア
プリケーターシリンジの簡単な製法を提供することであ
る。

本発明の解決法において、シリンジボディおよびロッド
としてデザインされたピストンは細く作られ、特に有効
行程と円筒形スペースおよびシリンジピストン直径との
比は少なくとも約10であり、ピストンの直径は円筒形ス
ペースの後部の直径より小さい。

本発明は、全体として一回だけ使用するようにデザイン
されたアプリケーターシリンジ（即ち、使い捨てアプリ
ケーターシリンジ）を提供することによって、２つの問
題を克服しなければならない。一つは、特殊な工具を使
用する必要が無いように、ピストンを推進するのに要す
る力を非常に小さくしなければならないことである。も
う一つは、アプリケーターカプセルよりも実質的に経費
がかかるが、小さく簡単なアプリケーターカプセルの分
野における競争を考慮して、全経費を非常に低くしなけ
ればならないことであり、その結果、上述のアプリケー
ターカプセルと競争できることになる。

これは、ピストンの有効断面積が約10mm²以下、好まし
くは7mm²以下となるようにピストンの直径を非常に小さ
くした結果、組成物を所定の大きさのノズルオリフィス
から押し出すのに要する力が非常に小さくなる。ピスト
ン直径を小さくすると、例えば100mm³の所定の体積のも
のを放出するのに必要な行程が非常に大きくなるが、例
えば3cmのオーダーの行程は人間の手で操作するのに問
題が無い。本発明のアプリケーターシリンジの経費は、
一方ではピストンパッキンの品質に依存する。既知のア
プリケーターカプセルとの比較において、同じ封止要件
を満足するには、本発明のシリンジにおける断面許容差
は封止領域の周がより短いので既知のカプセルより実質
的に大きくできる。他方では、製造経費は、充填操作が
どれほど複雑であるかに依存するが、本発明のシリンジ
では、これは非常に簡単である。

アプリケーターシリンジを使用可能状態とする場合に、
ピストンが位置する円筒形スペースの後部においてピス
トンはシリンダー壁に対して直接戴置されないので、組
成物が円筒形スペースの前部に導入された後であって
も、ピストンを円筒形スペースに押し込むことができ
る。それは、組成物とピストンとの間に位置するガス
（空気または不活性ガス）がシリンダー壁とピストンと
の間のギャップを通って逃げることができるからであ
る。ピストンがその上に形成されたシールリップを有す
る場合、シールリップの直径は、組成物が充填されてい
ない、ピストンが位置することになるシリンジボディの
後部の円筒形スペースよりいくらか小さい必要がある決
定的なピストン直径であると考えられる。たとえ、シー
ルリップが組成物に突き当たる時のシールリップの緩和
した直径が円筒形スペースの直径よりいくらか小さくて
も、ピストンが組成物に突き当たるとすぐに、または、
それに対して押し付けられるとすぐに、ピストンのシー
ルリップに作用する圧力は増加し、シールリップをシリ
ンダー壁に押し付ける。これらおよび他の理由のため、
組成物が充填された前部とピストンが位置する後部の間
の境界において、ピストンの直径は円筒形スペースの直
径にちょうど等しい必要はない。

本発明のジリンジを形成するシリンジボディの円筒形ス
ペースは細くかつ長いので、その製造には数個割り湾曲
成形コアーを用いることができないために、シリンジボ
ディおよび湾曲放出チューブを単一の射出成形によって
製造するという既知の製法を用いることができない。し
かし、本発明の細長いシリンジを製造するには、一様な
コアーを１個だけ有する射出成形型１個を用いて、シリ
ンジボディおよび放出チューブを最初に軸方向に整列さ
せて製造し、次いで熱可塑性材料がまだ高温の間に、ま
たは再加熱状態において、放出チューブを曲げることを
含んで成る、実質的により簡単な製法を用いることが可
能である。既知のアプリケーターカプセルでは放出チュ
ーブがその長さに対して非常に太いので、この方法を既
知のアプリケーターカプセルの製造に使用することはで
きない。円筒形スペースの断面積の放出チューブの放出
端部の断面積に対する割合が小さい細い形状故に本発明
のシリンジは製造が簡単である。この割合は5:1以下、
好ましくは3:1以下であるのが有利である。

以下、本発明の好ましい態様を示す図面を参照して、本
発明を詳細に説明する。図面において、第１図は、本発明のアプリケーターシリンジの長手方向
断面図である。

第２図は、第１の製造工程後のシリンジボディを示す。

第３図は、直径の大きく拡大した図である。

アプリケーターシリンジは、粘性組成物を入れる円筒形
スペース（２）を囲み、先細にされて先端において細い
放出チューブ（３）に一体になっており、更に把持フラ
ンジ（ハンドル部材）（４）を有するシリンジボディ
（１）と、把持プレート（グリップ部分）（６）を有す
るロッド状ピストン（５）とから成る。ピストン（５）
は、細くても推進力によって曲がらないように、曲げ抵
抗性材料から成る。適当な材料は、シリンジボディに
は、充分な弾性を有するポリプロピレン、ポリエチレン
またはポリアミド、およびピストンには、ガラスファイ
バー強化プラスチックである。

放出チューブ（３）には、脱着可能なクロージングキャ
ップを付けてよい。シリンジ内に貯蔵する組成物を危険
な影響から保護するために、代わりに、器具をフィルム
バッグに入れて溶接するか、または他の方法で安全に包
装することも可能である。

ピストン（５）および円筒形スペース（２）の横断面積
は、約１〜7mm²である。

ピストン（５）の有効行程は距離（７）で示され、ピス
トンは、使用前の位置から充分に押し込んだ位置まで移
動し得る。

実用に適当な本発明のシリンジにおいて、ピストンの横
断面積は6mm²であり、有効行程は約25mmである。

シリンジボディは、例えば、射出成形によって第２図に
示すような形に製造される。放出チューブの内部を含む
シリンジボディの内部を形成するのに、単一の真直な型
コアーが必要であるに過ぎないので、成形用型は単純な
ものであってよい。次いで放出チューブを曲げるだけで
あるが、放出チューブはシリンジボディの円筒形部分に
隣接する部分においても比較的細く、その直径はあまり
変化しないので、問題なく行うことができる。

ピストン（５）とそれを囲む壁（８）の間に、適当なシ
ールを供給するべきである。これを確実にするために、
既知のように、ピストンの直径は円筒形スペース（９）
の内径よりもわずかに大きいものであってよく、シリン
ダー壁は、弾性的に拡張して間隙無くピストンに接する
ように、適度に弾性であってよい。この目的のために、
ピストンをその前端で太くするか、ピストンにシールリ
ップを設けることができる。

以下に、第１図の直径拡大図である第３図を参照して、
好ましい態様を記載する。これによると、シリンダー壁
（８）は、厳密には円筒形ではなく、ピストンのある側
の端に向かってわずかに広がるように、やや円錐形であ
る。ピストン（５）の前端はシールリップ（10）により
取り巻かれており、その直径は、組成物（13）を部分
（12）に入れた後は空のままの（すなわち気体の入っ
た）シリンジボディの後部（11）における円筒形スペー
ス（９）の内径よりも少し小さい。組成物を入れた後、
ピストン（５）をシリンジボディに押し込む時、その間
に存在する気体は壁（８）とシールリップ（10）の間の
間隙を通って逃がされ、ピストン端は第３図の位置（1
4）において示すように組成物（13）と接触する。ピス
トンおよび円筒形スペースの寸法は、この位置において
シールリップ（10）がシリンダー壁（８）にほぼ達する
ような寸法である。しかし、この位置でリップ（10）の
直径が壁（８）の直径よりも幾分小さくても、組成物に
当たると、ピストン前部の圧力が増して、リップ（10）
がシリンダー壁に対して外向きに押されるので問題はな
い。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】熱可塑性材料から作られ、後方端部にハン
ドル部材を有するシリンジボディを有し、シリンジボデ
ィはグリップ部分が供給されたロッド状ピストンを配置
できる円筒状スペースを有する歯科組成物用使い捨てア
プリケーターシリンジであって、ピストンの直径に対す
る有効工程の割合が少なくとも約10であって、ピストン
の有効断面積は約10mm²以下であること、シリンジボデ
ィの先端においてシリンジボディが細い曲がった放出チ
ューブと一体に接続されていること、ならびに、円筒状
スペースの断面に対応する遷移断面から始まる放出チュ
ーブの断面が、約3:1以下の割合で放出チューブの放出
断面に減少することを特徴とするアプリケーターシリン
ジ。
【請求項２】ピストンの有効断面積が約7mm²以下である
第１項記載のアプリケーターシリンジ。
【請求項３】シリンジボディと放出チューブの細い端部
との断面積の割合が約5:2以下である第１項または第２
項記載のアプリケーターシリンジ。
【請求項４】熱可塑性材料から作られ、後方端部にハン
ドル部材を有するシリンジボディを有し、シリンジボデ
ィはグリップ部分が供給されたロッド状ピストンを配置
できる円筒状スペースを有する歯科組成物用使い捨てア
プリケーターシリンジであって、ピストンの直径に対す
る有効工程の割合が少なくとも約10であって、ピストン
の有効断面積は約10mm²以下であり、シリンジボディの
先端においてシリンジボディが細い曲がった放出チュー
ブと一体に接続されているアプリケーターシリンジの製
造方法であって、直線軸に沿って相互に整列されたシリンジボディおよび
出口チューブを最初に形成し、引き続いて、熱可塑性材
料がまだ熱い状態で、またはそれを再加熱した状態で出
口チューブを曲げ、円筒状チャンバーの断面に対応する
遷移断面から始まり、約3:1以下の割合で放出チューブ
の放出断面に減少するように放出チューブの断面を選択
することを含んで成る方法。