JP2017500097A - 組成物を分注する装置及び組成物を分注する方法 - Google Patents

Abstract

組成物を分注するための装置及びそれに関連する方法が提供され、装置は、内側先細状漏斗部分（７４）を備える先端部（７２）と、先細状外表面部分（８６）、内表面、開放前端、及び開放前端とは反対側の開放後端を含む中空筒（８４）と、ピストン（１６）と、を備え、筒の先細状外表面部分が、先端部の内側先細状漏斗部分と整列すると共に解放可能に係合しており、ピストンが筒と摺動係合している。用途としては、合成物、接着剤、エッチング剤、ガラスアイオノマー、セメント、及びシーラントなどの歯科材料を分注することが挙げられるが、それに限定されない。

Description

注射器及びカプセルを含む容積式ディスペンサーは、多種多様な工業的及び商業的用途で使用されている。かかる装置は、医薬、実験室プロセス、料理、接着剤、インクなどに使い道がある。装置の特定の用途は、例えば、薬物、接着剤、潤滑剤、樹脂、又は更にはケーキの砂糖衣などの食品の量の分注及び測定において見出される。

容積式ディスペンサーの１つの一般的なタイプは注射器である。注射器は、円筒状の管又は筒にぴったり収まるプランジャから成る単純なピストンポンプを使用する。組成物は、筒内のチャンバに提供され、プランジャは筒に沿って押し引きすることができ、それによって注射器が、筒の開放端に位置するオリフィスを通して組成物を取り込む、及び／又は排出することが可能になる。任意に、開放端は、皮下注射針、ノズル、又は管材と嵌合されて、組成物を筒に流入させ、またそこから流出させるように方向付けるのを助ける。

多くの用途では、分注された組成物中に空気が混入しないようにするため、空気ポケット又は気泡が注射器のチャンバから排出されることが望ましい。場合によっては、これは、単に注射器を逆さにして、チャンバの前端で気泡を統合し、それらを使用前にオリフィスを通して放出することによって遂行することができる。しかしながら、これは不便で余分な工程であり、粘性のペースト又は液体を扱うときには、必ずしも実用的又は可能なわけではない。

この課題に対する別の方策は、通気式注射器（vented syringes）を使用するというものである。通気式注射器は、一般に、組成物に対して不透過性であるが空気は容易に通過させる、出口チャネルを備えたプランジャを用いる。プランジャを注射器の筒内へと前進させるにつれて、チャネルは、望ましくない空気ポケット又は気泡をチャンバの外へと向け直して、それらを分注される組成物から排除する。通気式注射器の概念の例は、交付済み米国特許第４，５７２，２１０号（ＭｃＫｉｎｎｏｎ）、第４，６６０，５６９号（Ｅｔｈｅｒｉｎｇｔｏｎ）、第５，８６５，８０３号（Ｍａｊｏｒ）、第６，９１６，３０８号（Ｄｉｘｏｎ）、及び第７，５０３，９０５号（Ｊｅｓｓｏｐら）、米国特許出願公開第２００２／００７６６７１号（Ｍａｒｋｕｓら）、発行済み英国特許出願ＧＢ １ ４７５ ４３０号（Ｆｉｓｃｈｂａｃｈ）、国際出願ＷＯ ２００９／０２９９７４号（Ｋｉｅｈｎｅ）、並びに米国特許出願公開第２０１２／０１８１３００号（Ｍａｘａら）に開示されている。

入手可能なディスペンサーの商業的な成功は目覚ましいものであったが、特に空気ポケット又は気泡を低減することに関して、かかるディスペンサーの性能を更に改善することが望ましい。

本発明の１つの態様は、組成物を分注する装置を提供する。一実施形態では、装置は、内側先細状漏斗部分を備える先端部と、先細状外表面部分、内表面、開放前端、及び前端とは反対側の開放後端を含む中空筒と、ピストンと、を備え、筒の先細状外表面部分が、先端部の内側先細状漏斗部分と整列すると共に解放可能に係合しており、ピストンが筒と摺動係合している。別の実施形態では、組成物を分注する装置は、内側先細状漏斗部分及び内側先細状漏斗部分に隣接するドーム部分を備える先端部であって、先端部の内側先細状漏斗部分が円錐状表面を含む、先端部と、円錐状表面を含む先細状外表面部分、複数の通気溝、内表面、開放前端、及び前記前端とは反対側の開放後端を含む中空筒と、ピストンと、ドーム部分で先端部に取り付けられたカニューレと、を備え、筒の先細状外表面部分の円錐状表面は、先端部の内側先細状漏斗部分の円錐状表面と整列すると共に解放可能に係合する。

本発明の別の態様は、組成物を装置から分注する方法を提供する。一実施形態では、方法は、組成物を分注する装置を提供する工程であって、装置が、内側先細状漏斗部分を備える先端部と、先細状外表面部分、内表面、開放前端、及び前記前端とは反対側の開放後端を含む中空筒と、ピストンとを備え、筒の先細状外表面部分が、先端部の内側先細状漏斗部分と整列すると共に解放可能に係合しており、ピストンが筒と摺動係合している、工程と、装置に歯科用組成物を充填する工程と、ピストンを中空筒に対して移動させることによって、歯科用組成物を分注する工程であって、ピストンが中空筒に対して移動すると、歯科用組成物が分注され、ピストンが中空筒に対して停止すると、歯科用組成物は分注されない、工程を含む。

本明細書及び特許請求の範囲において特定の用語が使用されており、それらの大部分は周知であるが、ある程度の説明を要するものもある。「蛇行状」と言う場合、これは、複数の捻れ、曲がり、又は曲線を含む経路に沿っていることを意味するものと理解すべきである。「螺旋状」又は「螺旋」という用語は、全体的に渦巻状の経路に沿っていることを意味する。「合致」という用語は、同期された形で移動することを意味する。「整列する（align）」又は「整列する（aligns）」という用語は、一直線になっていることを意味する。

本発明の上記の「発明の概要」は、本発明の開示される各実施形態又は全ての実施について説明することを意図したものではない。以下の図面及び「発明を実施するための形態」は、実例となる実施形態をより具体的に例示するものである。

本発明について添付図面を参照して更に説明するが、その際、同様の構造は、いくつかの図面を通して同様の数字によって参照される。
先端部アセンブリが注射器及びプランジャのアセンブリから係脱されている、従来技術のディスペンサーを示す斜視図である。 組み立てられた図１Ａの従来技術のディスペンサーを示す斜視図である。 従来技術のディスペンサーの一部分を示す断面図である。 図１の従来技術のディスペンサーの一部分を示す断面図である。 図１Ａ、１Ｂ、及び２Ｂの従来技術のディスペンサー内にある歯科用組成物のＸ線写真である。 先端部の「ランオン（run on）」組成物を示している、図１Ａ、１Ｂ、及び２Ｂの従来技術のディスペンサーを示す写真である。 本発明のディスペンサーの一部分の一実施形態を示す断面図である。 図５に示される部分及び図１０の筒を含む、本発明のディスペンサーの一実施形態を示す断面図である。 使用中の図５及び６の透明な一実施形態のディスペンサーを示す写真である。 使用中の図５及び６の透明な一実施形態のディスペンサーを示す写真である。 使用中の図５及び６の透明な一実施形態のディスペンサーを示す写真である。 使用後に「ランオン」がないことを示している、図７Ａ〜７Ｃのディスペンサーを示す写真である。 図７ＣのディスペンサーのＸ線写真である。 本発明の中空筒の実施形態を示す斜視図である。 複数の通気溝の一実施形態を含む中空筒を示す拡大図である。 複数の通気溝の別の実施形態を含む中空筒を示す拡大図である。 複数の通気溝の更に別の実施形態を含む中空筒を示す拡大図である。 通気溝の更なる実施形態を含む中空筒を示す更なる拡大図である。 中空筒の外表面に沿って位置する溝をより詳細に示す挿入図である。 図５の先端部アセンブリを備えた図１１Ｃの中空筒を示す断面図である。 本発明のディスペンサーの一部分の別の実施形態を示す断面図である。

多種多様な工業的及び商業的用途で使用される、注射器及びカプセルを含む、当該技術分野で知られている様々な容積式ディスペンサーがある。かかるディスペンサーは様々な組成物を分注する。用途としては、合成物、接着剤、エッチング剤、ガラスアイオノマー、セメント、及びシーラントなどの歯科材料を分注することが挙げられるが、それに限定されない。

容積式ディスペンサーの１つの共通のタイプは、上述の背景技術で考察したような注射器である。図１Ａ〜１Ｂ及び２Ａ〜２Ｂは、２つのタイプの従来技術の注射器を示している。図１Ａ、１Ｂ、及び２Ｂは、ミネソタ州セントポール（St. Paul, Minnesota）所在の３Ｍ社から入手可能である、第１の従来技術の注射器を示している。注射器１０は、図１Ａに示されるように、中空筒１４と解放可能に係合される先端部アセンブリ１２Ｂを有する。この構成により、先端部を簡単に交換し、単回使用の先端部を提供して、新しい先端部を新しい患者毎に使用することが可能になる。先端部アセンブリ１２Ｂは、先端部アセンブリ１２Ｂの一端に取り付けられたカニューレ１８を有する。先端部アセンブリ１２Ｂは、先端部アセンブリ１２Ｂのカニューレ１８とは反対側の端部において、筒１４に解放可能に係合又は付着する。先端部アセンブリ１２Ｂは、３Ｍ社から部品番号７０−２０１０−５０３８−５として市販されている。中空筒１４は、３Ｍ社から部品番号７８−８１３１−１６２１−３として市販されている。注射器１０はまた、筒に沿って押して、注射器１０が筒１４の開放端に位置するオリフィスを通して中に収容された組成物を排出できるようにすることができる、ピストン又はプランジャ１６を含む。注射器１２が人の手に適合するように構成するのを支援し、ピストン１６が筒１４と摺動可能に係合するのを支援するため、筒１４は指フランジ２０を含み、ピストンは親指フランジ２２を含む。

図２Ａは、第２の従来技術のディスペンサーの先端部アセンブリ１２Ａの構成を示している。このディスペンサーは、ドイツ国キール（Kiel, Germany）所在のトランスコデント（Transcodent GmbH & Co.）から市販されている。先端部アセンブリ１２Ａは先端部３０Ａ及びカニューレ１８を含む。先端部３０Ａは外表面３４及び内表面３２Ａを含む。内表面３２Ａはカニューレ１８を受け入れるように構成される。内表面３２Ａは、全体的に円筒形状であって、ほぼ円筒形状の先端部３０Ａの一端に第１の開口部３６を、反対側の端部に第２の開口部を形成している。カニューレ１８も、第１の開口部２６と、第１の開口部２６とは反対側の第２の開口部２８とを有する。カニューレ１８の円筒状外側部分は、圧力嵌めによってカニューレ１８を先端部３０Ａの円筒状内表面に取り付ける。カニューレ１８の第１の開口部２６は、筒１４の第２の端部４８に位置する中空筒１４の小さいチャンバ５１に入る、先端部３０Ａの開口部に隣接して終端する。

先端部アセンブリ１２Ａは、当業者には良く知られている「ルアーロック」式接続を使用することによって、筒１４に装填される。この接続により、先端部３０Ａの外表面３４上にある耳４０は、ルアーロックコネクタ４２の螺旋状ネジ山４４に解放可能に係止される。ルアーロック式接続の１つの不利な点としては、患者に使用する毎に接続を消毒するのが困難な場合がある点が挙げられる。

図２Ｂは、図１Ａ〜１Ｂに示される従来技術のディスペンサーの先端部アセンブリ１２Ｂの構成を示している。先端部アセンブリ１２Ｂは、３Ｍ社から部品番号７０−２０１０−５０３８−５として市販されている。先端部アセンブリ１２Ｂは、先端部３０Ｂと、図２Ａのカニューレ１８よりは短く、先端部３０Ｂの奥まで入り込まないことを除いてそれと類似した、カニューレ１８とを含む。先端部アセンブリ１２Ｂはまた、図２Ａと同じルアーロック式接続を使用して、先端部３０Ｂを備えた筒１４に付着する。しかしながら、先端部１２Ｂは、先端部１２Ａと比べて追加のチャンバ構成を含む。先端部１２Ｂは、大きいチャンバ５２及び小さいチャンバ５３を含む。大きいチャンバ５２に隣接して筒１４の端部に位置するリップがあり、大きいチャンバ５２と小さいチャンバ５３との間に縁部５８を形成する、逆テーパー又はアンダーカット５４がある。

図２Ｂでは、ピストン１６（図示なし）が中空筒１４に押し込まれると、筒に収容された歯科用組成物が、筒１４の大きいチャンバ５０から小さいチャンバ５１に流れ込む。次に、歯科用組成物は、先端部アセンブリ１２の大きいチャンバ５２及び小さいチャンバ５３に流れ込む。最後に、歯科用組成物は、カニューレ１８の第１の開口部２６に流れ込み、第２の開口部２８から流れ出る。組成物は、この方向で流れるにつれて、Ｅ１、Ｅ２、Ｅ３、Ｅ４、Ｅ５、Ｅ６、及びＥ７として示される、少なくとも７つの異なる縁部又は角に出会う。（先端部アセンブリ１２Ａは、より少数の縁部又は角Ｅ１〜Ｅ４を含むことに留意されたい。）これらの縁部又は角によって乱流が増大する可能性又は傾向が生じることがあり、したがって、組成物中に気泡が形成される傾向又は可能性が増大するのが促進されることがある。いくつかの縁部又は角は乱流を大きくするのに寄与することがあり、その場合、他の縁部又は角は乱流を小さくするのに寄与することがある。それにもかかわらず、上述したように、これらの縁部又は角によって乱流が増大する可能性又は傾向が生じ、したがって、図３に関してより詳細に考察するように、組成物中に気泡が形成される。

図３は、歯科用組成物に形成された気泡の問題を例証するのに便利な、図１Ａ〜Ｂ及び２Ｂの従来技術のディスペンサー内にある歯科用組成物のＸ線写真である。Ｘ線写真の白い部分は、従来技術の装置１０内の歯科用組成物６０を示している。このＸ線写真では、歯科用組成物６０は、ミネソタ州セントポール（St. Paul, Minnesota）所在の３Ｍ社から市販されている、ＦＩＬＴＥＫブランドのＳｕｐｒｅｍｅ Ｕｌｔｒａ Ｆｌｏｗａｂｌｅ Ｒｅｓｔｏｒａｔｉｖｅであった。Ｘ線写真は、従来技術のディスペンサーの中空筒１４及び先端部アセンブリ１２Ｂの輪郭を黒で描いている。

ディスペンサーは、複数の患者に対して使用される量の歯科用組成物６０を保持する。分注先端部１２Ｂは、各患者に対して新しい先端部を有するように設計される。先端部がある患者に対して使用された後、それは廃棄され、次の患者用の新しい先端部１２Ｂと交換される。図示される交換可能な先端部アセンブリ１２Ｂは、一般に、大きいチャンバ５２とカニューレ１８の第１の開口部２６との間の空間のどこかで気泡を発達させる。上述したように、先端部アセンブリ１２Ｂ内の様々な縁部Ｅは、気泡の形成に寄与することがある。歯科用組成物６０中の気泡６２は、アンダーカット５４とカニューレ１８との間で先端部３０ａに示されている。しかしながら、気泡は先端部アセンブリ１２Ｂ内のどこにでも形成される可能性がある。気泡６２は、ピストンがカニューレ１８を通して歯科用組成物６０を押すにつれて圧力下で圧縮される。次に、ユーザーが、ピストンの前進を停止することによって、カニューレ１８の第２の端部２８から歯科用組成物を押し出すのを停止し、したがって組成物６０に対する圧力を減少させると、気泡６２は弛緩し、拡大してその元のサイズにゆっくりと戻る。このことにより、今度は、歯科用組成物がカニューレ１８の第２の端部２８から出続け、それによって、先端部アセンブリ１２Ｂからの「ランオン」又は「垂れ落ち」としても知られる、組成物６０の残余の放出が起こる。かかるランオン６４が図４に示される。図４は、ピストンを押したときの、歯科医などのユーザーが意図するように分注された、表面上の歯科用組成物６０を示している。カニューレ１８の第２の端部２８から滴るランオン６４は、歯科医が装置１０内におけるピストンの前進を停止した後に起こるものである。このランオンは無駄であり、意図しないものである。更に、従来技術の装置１０を使用して歯科用組成物を患者の口内に直接適用した場合、ランオンは患者の口内で意図せずして適用され、このことは歯科医及び患者の両方にとって厄介である。

それに加えて、気泡６２が不規則に分割してより小さい気泡になり、次に、歯科用組成物６０中に混合されてカニューレ１８を通る可能性がある。この場合、歯科用組成物が修復物に適用されたとき、気泡が組成物に混入される可能性がある。これにより、歯科医が、歯科用組成物が硬化する前に修復物を再加工する必要が生じることがあるが、これは歯科医及び患者の両方にとって非効率かつ厄介である。

最後に、各使用後に複数回使用向けの注射器を清浄にし、消毒することにおける懸念がある場合がある。先端部アセンブリ１２Ａ、１２Ｂを筒１４に装填する「ルアーロック」式コネクタ４２の雌部分は、その様々な螺旋状ネジ山４４（図２Ａ〜２Ｂに図示される）により、消毒が困難な場合がある。多くの場合、消毒薬をネジ山４４の全ての表面に沿わせるのが困難なことがある。

本発明の組成物を分注する装置は、上述したこれらの困難を克服し、ユーザー及び患者の両方に対して他の利益を提供する助けとなる。１つの態様では、本発明の装置は、互いに整列すると共に解放可能に係合する、装置の特別に設計された部品を提供する。例えば、図５〜９及び図１３を参照してより詳細に後述するように、筒の先細状外表面部分が、先端部の内側先細状漏斗部分と整列すると共に解放可能に係合している。この先細の漏斗形状の設計は、歯科用組成物が本発明の装置から分注される際に、それよりも先に空気を先端部から押し出すのを支援する。別の態様では、本発明の装置はまた、筒の先細状外側部分上に特別に設計された通気溝を提供する。例えば、図１０〜１２を参照してより詳細に後述するように、筒の通気溝は、先端部と筒との間の雰囲気に空気を放出することが可能になるように形状及びサイズが決められるが、歯科用組成物が全く漏れないように設計される。

図５及び６は、本発明の組成物を分注する装置７０の一実施形態を示している。歯科用組成物６０は、キャビティ９８内に存在し、中空筒８４を少なくとも部分的に充填する。組成物は、ペースト、ゲル、粘性液体、又は分注装置７０から変位させ押し出すことができる、他の任意の変形可能な材料であってもよい。例示的な実施形態では、組成物６０は、合成物、接着剤、エッチング剤、ガラスアイオノマー、セメント、又はシーラントなどの歯科材料である。本発明の装置７０は、粘性の歯科用ペーストなどの高粘性材料を分注するのに特に適している。

装置７０は、先端部アセンブリ７２と、中空筒８４と、ピストン１６とを含む。先端部アセンブリ７２は先細状漏斗部分７４を含む。図示される実施形態では、先細状漏斗部分は、キャビティ９８を形成する円錐状表面７８及びドーム状表面７６を含む。しかしながら、先細状漏斗部分の他の実施形態が当業者によって想起されてもよい。平滑な先細状漏斗表面は、図７及び９に示されるように、組成物がキャビティ９８を通り、カニューレ１８に流れ込む際に、組成物と接触する硬い縁部は有さず、そのことは、気泡が組成物中に形成されるのを最小限に抑える助けとなる。図示される実施形態では、中空筒８４は先細状外表面部分８６を有する。カニューレ１８はプラスチック又は金属で作られてもよい。この先細状外表面部分８６の様々な実施形態は、図６、１０、１１Ａ〜１１Ｅ、１２、及び１３に示される。図６及び１０は、平滑な先細状外表面部分８６を示しており、図１１Ａ〜Ｅ及び１２は、複数の通気溝を備えた溝付き領域を示している。それにもかかわらず、先端部７０の内側先細状漏斗部分７４が、筒１４の先細状外表面部分８６と整列すると共に解放可能に係合しており、又はその逆に、筒１４の先細状外表面部分８６が先端部７０の内側先細状漏斗部分７４と整列すると共に解放可能に係合している。ピストン１６は中空筒８４と摺動係合している。組成物は中空筒８４内部のチャンバ内に提供され、ピストンをユーザーが筒８４に沿って押して、上述したような先端部の組成物のランオンを心配しながら、装置７０がカニューレ１８の第２の開口部２８を通して組成物を排出することが可能になる。換言すれば、組成物は、ピストン１６が中空筒８４に対して移動するときにのみ、ディスペンサー７０から分注される。

図２Ａ及び２Ｂに示される先端部アセンブリ１２Ａ及び１２Ｂとは対照的に、本発明の先端部アセンブリは、組成物が分注される際に接触する、２つの縁部Ｅ１及びＥ２のみを含む。この設計は、組成物中で乱流が増大する可能性又は傾向を低減する助けとなり、したがって、先端部アセンブリ７２内で気泡が形成される傾向を低減し、その結果、上述の「ランオン」又は「垂れ落ち」としても知られる組成物の残余の放出が劇的に低減され、それによって組成物の分注における優れた制御が提供される。筒８４の先細状外表面部分８６が平滑である場合、平滑な先細状漏斗部分７４との気密嵌め及び液密嵌めの両方が作られる。しかしながら、先細状外表面部分８６が、図１１Ａ〜Ｅに示される代替的な表面の１つを有する場合、平滑な先細状漏斗部分７４との液密嵌めは作られるが気密嵌めは作られず、それによって、より詳細に後述するような特定の利点が提供される。

先端部アセンブリ７２は、各患者用の新しい先端部７２と交換可能であるように意図され、したがって、筒８４の表面上のネジ山及び先端部７２の内表面上の溝９７を含む、ネジ付き部分と解放可能に係合している。この構成は、図２Ａ及び２Ｂに示されるような先端部と筒との間のルアーロック接続と比べて、清浄にし、消毒するのがはるかに簡単である。各使用後、先端部アセンブリ７２はネジを緩めて筒８４から外され、捨てられる。次に、筒の先細状外表面部分８６及びネジ山９６は、消毒剤を噴霧した布に対して筒８４を捻りながら部分８６及びネジ山９６に沿って布を擦ることによって、布で拭いて簡単に清浄化される。その後、新しい先端部アセンブリ７２を筒８４にネジ留めし、次の患者に装置７０を使用する準備ができる。

図７Ａ〜７Ｂは、ピストンが筒８４に対して移動する際の、歯科用組成物が中にある、ステレオリソグラフィによって作られた本発明の装置の比較的透明なプロトタイプを示している。図７Ａでは、歯科用組成物６０は、筒８４から先端部アセンブリ７２内のキャビティ９８に流れ込み始めたところである。歯科用組成物の流頭１００が図７Ａ及び７Ｂに示されている。図７Ｂでは、ピストンが筒に対して前進しており、空気は、先端部７２の先細状漏斗部分７４に沿ってカニューレ１８に向かって押されて、カニューレ１８から排気されており、先端部７２内に捕捉されていない。図７Ｃでは、ピストンは筒に対して更に前進しており、組成物６０はここではカニューレ１８に入っている。透明なプロトタイプによって例証したように、気泡は先端部に捕捉されておらず、全ての空気はカニューレ１８を通して装置７０から適切に排気された。

図８は、ピストンを中空筒に対して停止させてから約１分後の、図７Ａ〜７Ｃの装置７０を示している。図示されるように、ノズルから出た組成物のランオン又は垂れ落ちはない。（以下の実施例もこれらの現象を例証している。）このことは、図４に示される従来技術の装置とは明らかに対照的である。

図９は、図７Ｃ及び図８に示された後の、本発明の装置７０のＸ線写真である。Ｘ線によって確認されるように、装置７０内部のキャビティ９８内には気泡はない。これは、図３に示される従来技術の装置のＸ線写真とは明らかに対照的である。

図７Ａ〜７Ｃ、８、及び９は、本発明の組成物を分注する装置７０の様々な利益を便利に示している。第一に、円錐状表面７８及びドーム状表面７６を含む先細状漏斗部分７４と、円錐状表面９４を含む筒８４の先細状外表面部分８６とを組み合わせて、先端部の組成物中に本質的に気泡を形成しないキャビティを提供する。いずれの理論にもとらわれるものではないが、本発明者らは、筒の先細状外表面８６と先端部の先細状漏斗部分７４との組み合わせによって作られる幾何学形状が、組成物６０が筒１４から先端部アセンブリ７２に、またカニューレ１８に流れ込む平滑な通路を提供するので、この構成では気泡が排除されると考えている。いかなる硬く鋭い縁部又は角も排除することによって、組成物中に乱流が導入される変化が大幅に低減される。更に、この設計によって、空気が先端部を通って移動し、分注されている歯科用組成物６０の流頭１００よりも前にカニューレの外に出ることが可能になる。気泡の形成を排除することによって、ピストンが筒に対して停止された後の、装置７０からの歯科用組成物６０のランオンが起こらない。組成物のランオンを排除することによって、ユーザーがピストンの押下げを停止した後、組成物が不必要に無駄にならない。また、組成物のランオンを排除することによって、ユーザー、この場合は歯科医は、患者の口の意図しない範囲に余分な歯科用組成物が分注されることを恐れる必要がない。その代わりに、歯科医は、ピストンを筒内へと前進させる際に、意図される組成物のみが分注されるという確信を持つことができる。これにより、使い易さが改善され、組成物の適用がより滑らかになり、装置の使用に関する視認性及び信頼性が向上する。それに加えて、気泡が装置内で形成されるのを本質的に排除することによって、気泡は、カニューレ１８を通る歯科用組成物６０に混入されない。これにより、歯科用組成物が修復物に適用されるときにその中に小さい気泡を有し、それによって歯科医が歯科用組成物の硬化前に修復物を再加工することを要する傾向が実質的に低減される。本発明の「泡がない」装置７０を使用するあらゆる処置により、所要時間が短くなり、歯科用組成物のより正確な適用が歯科医に与えられる。最後に、筒８４の先細状外表面８６も、特にルアーロック接続を有する従来技術の装置と比べて、清浄化及び消毒がより簡単である。

図１０は、本発明の中空筒８４の一実施形態を示している。中空筒８４は、先細状外表面８６と、外表面８６とは反対側の内表面８８と、開放前端９０と、開放前端とは反対側の開放後端９２とを含む。筒８４は、任意に、指フランジ２０と、ネジ山の形態のネジ付き部分９６とを更に含んでもよい。図１０は、平滑面としての、筒８４の先細状外表面８６の円錐状表面９４を示している。これは、図５及び図６に示されるような、筒と先端部との間のきついシールを形成する助けとなる。

図１１Ａ〜図１１Ｅは、筒８４の先細状外表面部分８６の様々な実施形態を示している。

図１１Ａ〜Ｅは、複数の溝を有する外表面部分８６の様々な異なる実施形態を示している。これらの溝は、通気には有用であるが、溝の相対的サイズにより、組成物が漏れることはない。これらの様々な実施形態は、歯科用組成物がピストンによって中空筒を通して押される際に、歯科用組成物中に泡が形成されるのを低減又は排除するのを支援するように設計される。これらの実施形態は、筒の第２の開放端９２の方向で、先端部７２と筒８４との間に形成されるキャビティ９８から空気を逃がすことを可能にするか、あるいは歯科用組成物に空気が全く入らないように空気を捕捉するか、あるいは場合によってはその両方の組み合わせである。図１１Ａ〜Ｅは少なくとも４つの異なる実施形態を示しているが、他の設計が当業者に知られているので、このことは限定と解釈されるべきではない。

図１１Ａは、先細状外表面が、隣接する通気溝１２２間に台形部分１２０を含む、一実施形態を示している。

図１１Ｂは、複数の通気溝１２２が互いに平行であると共に互いに合致し、先細状外表面８６において螺旋状パターンである、別の実施形態を示している。

図１１Ｃは、複数の溝が互いに平行であると共に互いに合致し、２つ以上の溝付き領域１２４を横切って延在し、溝付き領域１２４が互いから離間しており、平滑面１２６が溝付き領域１２４の間を延在している、更に別の実施形態を示している。この特定の実施形態は、図１２の先端部アセンブリ７２と組み合わせて示されており、更に詳細に後述される。

図１１Ｄは、互いに平行であると共に互いに合致し、筒８４の先細状外表面部分８６の周りに螺旋型を形成する、複数の通気溝１２２を詳細に示している。この描写では、外表面８６は、先細状外表面８６の周りを延在する３つの蛇行溝２００、２０２、２０４を含む。溝２００、２０２、２０４は、互いに平行であると共に互いに合致し、筒８４の長手方向軸を中心にして外表面８６の周りに螺旋型を形成する。螺旋構成を使用することは、製造が簡単であり、表面８６の表面積が限定されている場合であっても、溝２００、２０２、２０４が相当な距離を横断することが可能になるため、有利である。いくつかの実施形態では、螺旋溝２００、２０２、２０４は、１センチメートル当たり４〜４０周（１インチ当たり約１０〜１００周）の範囲のピッチを有する。

図１１Ｅは、図１１Ｄに示される複数の通気溝１２２の拡大断面図を示している。この挿入図に示されるように、溝２００、２０２、２０４はほぼ台形の断面を有する。半円の溝、Ｖ字形の溝、長方形の溝、又は他の任意の形状の溝も使用されてもよい。特定の有用な一実施形態では、複数の通気溝１２２は、０．００６平方ミリメートル〜０．０６平方ミリメートルの範囲の断面積を有する。溝の特定の好適な一実施形態が、米国特許出願公開第２０１２／０１８１３００ Ａ１号、「圧力放出を用いた分注装置（Dispensing Device with Pressure Release）」（Ｍａｘａら）にて教示されており、これを参照により本明細書に組み込む。

図１１Ｂ〜１１Ｅは筒の外表面上の通気溝を示しているが、別の方法として、通気溝を先端部７２の先細状内表面の漏斗状表面７４上に設計し得ることが想到される。別の代替例として、例証されない通気溝の他の実施形態を提供するため、先細状表面を粗面化するか、又は隆起部分のパターンを設けることができる。

図１２は、図５の先端部アセンブリ７２と組み合わせた図１１Ｃの筒８４を示している。この組み合わせは、溝の異なる領域１２４間に空気を捕捉する助けとなる、狭いキャビティ２５０を作り出すのに有用である。ピストン１６（図示なし）が中空筒８４に対して移動すると、又は筒と摺動係合させると、歯科用組成物は、カニューレ２４を通して先端部アセンブリ７２から分注される。一方で、その前に先端部アセンブリ７２と筒８４との間に形成されたキャビティ９８に空気が捕捉されていた場合、新しい先端部アセンブリを装置に装着すると、複数の通気溝１２２及びネジ山９６を通して空気が雰囲気へと逃げるか、又は筒と先端部との間に形成された小さく狭いキャビティ２５０の間に一時的に捕捉される。

最後に、図１３は、本発明の組成物を分注する装置７０の更に別の実施形態を示している。図１３に示される装置７０は、いくつかの例外はあるが、図５に示される装置７０の実施形態に非常に類似している。図１３に示される構成では、縁部Ｅ１及びＥ２が排除されて、中空筒８４の内表面８８と先端部アセンブリ７２の円錐状表面７８との間の移行部がより平滑になっている。キャビティ１５０内には僅かな縁部Ｅ８及びＥ９がある。先端部アセンブリ７２のキャビティ９８は全長が僅かに短く、中空筒のキャビティ１５０は全長が短い。また、ドーム部分７６が最小限に抑えられるか又は排除されている。

本発明の動作について、次の詳細な実施例に関して更に説明する。これらの実施例は、様々な具体的であって好ましい実施形態及び技術を更に例証するために提供される。しかしながら、本発明の範囲内に留まりつつ、多くの変更及び修正を行い得ることが理解されるべきである。

実施例１：ＳＬＡモデルの準備
中空筒の注射器本体及び先端部を、ＣＡＤソフトウェア（ＮＸユニグラフィックス、バージョン７．５、ドイツ国ミュンヘン（Munich, DE）所在のシーメンスＰＬＭ（Siemens PLM）から入手可能）を使用して設計した。中空筒及び先端部の設計は図６に示されている。次に、ＣＡＤ設計を用いて、ステレオリソグラフィプリンタ（３Ｄシステムズ・バイパー（3D Systems Viper）、サウスカロライナ州ロックヒル（Rock Hill, SC）所在の３Ｄシステムズ（3D Systems）から入手可能）及びＳｏｍｏｓ ＸＣ １１１２２樹脂（イリノイ州エルジン（Elgin, IL）所在のＤＳＭから入手可能）を、ＵＶ硬化と共に使用して、ステレオリソグラフィ（ＳＬＡ）モデルを準備した。硬化後のＳＬＡモデルは透明であり、射出成形プラスチックに類似していた。ＦＩＬＴＥＫブランドのＳｕｐｒｅｍｅ Ｕｌｔｒａ Ｆｌｏｗａｂｌｅ Ｒｅｓｔｏｒａｔｉｖｅ（ミネソタ州セントポール（St. Paul, MN）所在の３Ｍ社から入手可能）に使用されるカニューレと同一の、２０ゲージのステンレス鋼金属カニューレを、単にカニューレを先端部の前部にある小さい開口部に押し込むことによって、準備したＳＬＡ注射器の先端部に固着した。中空筒の内部は、ＦＩＬＴＥＫブランドのＳｕｐｒｅｍｅ Ｕｌｔｒａ Ｆｌｏｗａｂｌｅ Ｒｅｓｔｏｒａｔｉｖｅの２グラム注射器（ミネソタ州セントポール（St. Paul, MN）所在の３Ｍ社から入手可能）で使用される中空筒の内部と同じ仕様に設計した。しかしながら、中空筒の外表面は、中空筒の外表面及び使い捨て注射器先端部を図５及び６に示されるように適切に係合させたときに、それらの間の移行部が平滑であるようにして、先端部と係合するように設計した。注射器本体と、使い捨て先端部の先細状の内部設計と組み合わせた注射器先端部との間のこの平滑な移行部によって、使用の際における先端部の空気捕捉又は泡形成が排除された。

実施例２：流動性合成歯科材料の押出し
２０ゲージのステンレス鋼金属カニューレを有するＳＬＡ注射器先端部を、ＳＬＡ中空筒注射器本体（実施例１による）に固着し、次に、ＦＩＬＴＥＫブランドのＳｕｐｒｅｍｅ Ｕｌｔｒａ Ｆｌｏｗａｂｌｅ Ｒｅｓｔｏｒａｔｉｖｅペースト（ミネソタ州セントポール（St. Paul, MN）所在の３Ｍ社から入手可能）を部分的に充填した。ＦＩＬＴＥＫブランドのＳｕｐｒｅｍｅ Ｕｌｔｒａ Ｆｌｏｗａｂｌｅ Ｒｅｓｔｏｒａｔｉｖｅの２グラム注射器（ミネソタ州セントポール（St. Paul, MN）所在の３Ｍ社から入手可能）によるプランジャを、中空筒注射器本体の開放端に挿入した。プランジャを手で修復材ペーストに押し込んだ。プランジャがペーストに押し込まれるにつれて、ペーストが前進して先端部に入って、金属カニューレに向かい、空気は流頭の前方で保持され、金属カニューレから脱気された。図７Ａ〜Ｃに示されるような、注射器先端部内の修復材ペースト中における気泡の形成又は保留は見られなかった。圧力をプランジャから除去すると、修復材ペーストのフローは停止し、図８に示されるような、カニューレ開口部からのランオン又は垂れ落ちは継続しなかった。図９に示されるように、修復材が充填された注射器及び先端部のＸ線写真（ミネソタ州セントポール（St. Paul, MN）所在のノーススターイメージング（North Star Imaging）から入手可能な、ＮＳＩ Ｃａｂｉｎｅｔ Ｄｉｇｉｔａｌ Ｘ−ｒａｙ Ｍｏｄｅｌ Ｘ−ｖｉｅｗ ＩＷを使用）により、先端部内に気泡は存在しないことが確認された。

上述の実施例は予測ではなく単なる例証であるものとされ、試験手順の変更によって、生じる結果も異なるものと予想することができる。

これまで、本発明についてそのいくつかの実施形態を参照して記載してきた。上記の詳細な説明及び実施例は、単に明確な理解を目的として示してきたものである。したがってこれらによって不要な限定をするものと理解されるべきではない。本明細書に引用した全ての特許及び特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態において多くの変更を行い得ることは、当業者には明白となるであろう。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載される正確な詳細及び構造に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の文言によって記載される構造、及びそれらの構造の等価物によって限定されるべきである。

Claims (24)

1. 組成物を分注する装置であって、
   内側先細状漏斗部分を備える先端部と、
   先細状外表面部分、内表面、開放前端、及び前記前端とは反対側の開放後端を含む中空筒と、
   ピストンと、を備え、
   前記筒の前記先細状外表面部分が、前記先端部の前記内側先細状漏斗部分と整列すると共に解放可能に係合しており、前記ピストンが前記筒と摺動係合している、装置。
2. 前記先端部の前記内側先細状漏斗部分が円錐状表面を含む、請求項１に記載の装置。
3. 前記筒の前記先細状外表面部分が円錐状表面を含む、請求項２に記載の装置。
4. 前記筒の前記先細状外表面部分の前記円錐状表面が、前記先端部の前記内側先細状漏斗部分の前記円錐状表面と整列すると共に解放可能に係合する、請求項３に記載の装置。
5. 前記装置内に歯科用組成物を更に含む、請求項１に記載の装置。
6. 前記ピストンが前記中空筒に対して移動すると、前記歯科用組成物が分注され、前記ピストンが前記中空筒に対して停止すると、前記歯科用組成物は分注されない、請求項５に記載の装置。
7. 前記歯科用組成物が、前記先端部内において前記歯科用組成物中に気泡を本質的に形成することなく前記装置から分注される、請求項５に記載の装置。
8. 前記ピストンが前記中空筒に対して停止された後、前記先端部から歯科用組成物のランオンがない、請求項５に記載の装置。
9. 前記筒がネジ付き部分を含み、前記筒の前記先細状外表面部分及び前記ネジ付き部分が使用後に簡単に消毒される、請求項１に記載の装置。
10. 前記筒の前記先細状外表面部分が、前記開放前端に隣接する複数の通気溝を含む、請求項１に記載の装置。
11. 前記複数の通気溝が互いに平行であると共に互いに合致し、前記筒の前記先細状外表面部分の周りで螺旋型を形成する、請求項１０に記載の装置。
12. 前記先細状外表面が、隣接する通気溝間に台形部分を備える、請求項１０に記載の装置。
13. 前記複数の通気溝が前記先細状外表面上において螺旋パターンである、請求項１０に記載の装置。
14. 前記複数の通気溝が台形の断面を有する、請求項１０に記載の装置。
15. 前記複数の通気溝が、０．００６平方ミリメートルから０．０６平方ミリメートルの範囲の断面積を有する、請求項１４に記載の装置。
16. 前記溝が、互いから離間している２つ以上の溝付き領域を横切って延在する、請求項１０に記載の装置。
17. 前記先端部が、前記内側先細状漏斗部分に隣接するドーム部分を更に備え、前記装置が、前記ドーム部分で前記先端部に取り付けられたカニューレを更に備える、請求項１に記載の装置。
18. 組成物を装置から分注する方法であって、
    組成物を分注する装置を提供する工程であって、前記装置が、
    内側先細状漏斗部分を備える先端部と、
    先細状外表面部分、内表面、開放前端、及び前記前端とは反対側の開放後端を含む中空筒と、
    ピストンと、を備え、
    前記筒の前記先細状外表面部分が、前記先端部の前記内側先細状漏斗部分と整列すると共に解放可能に係合しており、前記ピストンが前記筒と摺動係合している、工程と、
    装置に歯科用組成物を充填する工程と、
    前記ピストンを前記中空筒に対して移動させることによって、前記歯科用組成物を分注する工程であって、前記ピストンが前記中空筒に対して移動すると、前記歯科用組成物が分注され、前記ピストンが前記中空筒に対して停止すると、前記歯科用組成物は分注されない、工程と、
    を含む、方法。
19. 前記分注する工程が、前記先端部内において前記歯科用組成物中に気泡を本質的に形成することなく、前記歯科用組成物を前記装置から分注することを含む、請求項１８に記載の方法。
20. 前記分注する工程が、前記ピストンが前記中空筒に対して停止された後、前記先端部から歯科用組成物のランオンがないことを含む、請求項１８に記載の方法。
21. 前記先端部の前記内側先細状漏斗部分が円錐状表面を含み、前記筒の前記先細状外表面部分が円錐状表面を含み、前記筒の前記先細状外表面部分の前記円錐状表面が、前記先端部の前記内側先細状漏斗部分の前記円錐状表面と整列すると共に解放可能に係合する、請求項１８に記載の方法。
22. 前記筒の前記先細状外表面が前記開放前端に隣接する複数の通気溝を含む、請求項１８に記載の方法。
23. 前記中空筒がネジ付き部分を含み、前記中空筒の前記先細状外表面部分及び前記ネジ付き部分が使用後に簡単に消毒される、請求項１８に記載の方法。
24. 組成物を分注する装置であって、
    内側先細状漏斗部分及び前記内側先細状漏斗部分に隣接するドーム部分を備え、前記内側先細状漏斗部分が円錐状表面を含む、先端部と、
    円錐状表面を含む先細状外表面部分、複数の通気溝、内表面、開放前端、及び前記前端とは反対側の開放後端を含む中空筒と、
    ピストンと、
    前記ドーム部分で前記先端部に取り付けられたカニューレと、を備え、
    前記筒の前記先細状外表面部分の前記円錐状表面が、前記先端部の前記内側先細状漏斗部分と整列すると共に解放可能に係合する、装置。