JPH0741031B2 - 核磁気共鳴を用いた検査装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は被検体中の各種原子核の核磁気共鳴信号を計測
し、その密度、緩和時間あるいは化学シフトを測定する
装置に関する。

〔発明の背景〕

被検体のサイズに応じて信号検出コイルの充填係数が最
大となるようにする方法として、特開昭59−32855号公
報に示されるように、信号検出コイルの寸法を出来るだ
け最良の値に調節する手段を有した装置が知られてい
る。しかし、この方法では被検体のあらゆる部位に対し
てコイルの形状を変えることはできず、またコイルの形
状を変えた場合、同調を逐一取る必要があつた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は検出コイルの充填係数を最大にし、かつ
自動的に同調をとり、検出コイルの感度を最大にするこ
とである。

〔発明の概要〕

かかる目的を達成するために、本発明は信号検出コイル
の形状およびサイズを対象とする被検体あるいは被検体
の形状およびサイズに合わせて変形させ、しかるのちに
信号検出コイルの同調を自動的に制御し、信号検出コイ
ルの感度を最大とすることを特徴とする。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を図面により説明する。第１図は
本発明の一実施例である検査装置の構成を示すものであ
る。制御装置１は各装置へ種々の命令を一定のタイミン
グで出力する。高周波パルス発生器２の出力は電力増幅
器３で増幅され、コイル４を励磁する。信号はコイル５
により受信され、受信された信号成分は増幅器６を通
り、検波器７で検波後、信号処理装置８で画像に変換さ
れる。なお、受信コイル５の同調は自動同調制御回路９
により行われる。高周波パルス発生器２の出力は、検波
器７で直角位相検波する時の基準信号として用いられ
る。Ｚ方向及びそれに直角な方向の傾斜磁場の発生はそ
れぞれコイル10,11,12で行ない、これらのコイルはそれ
ぞれ増幅器13,14,15により駆動される。静磁場の発生は
コイル16で行ない、コイル16は電源17により駆動され
る。コイル12はコイル11をＺ軸のまわりに90゜回転させ
たもので、互いに直交する傾斜磁場を発生する。検査対
象である人体18はベツド19上に置かれ、ベツド19は支持
台20上を移動する。

第２図は第１図における検出コイル５の一実施例を示す
図である。この検出コイル５は表面コイルとして用いら
れる。検出コイル５の線材には柔らかくて変形しやすい
銅線、銀線、金線、白金線、アルミ線あるいは網動線を
用いる。また検出コイル５のサイズはコイルの固定具21
によつて調節する。そして検出コイル５は形状およびサ
イズを目的とする部位の形状およびサイズに合わせて調
節したあと、そのまま目的とする部位に固定するか、あ
るいはコイルの形状およびサイズを固定するためにシリ
コンラバー22によつて固定する。

なお、検出コイル５の検出回路系への接続の部分23も被
検体に固定しやすいように変形可能である。材質は検出
コイル５と同質である。

第３図，第４図，第５図，第６図は部位の形状によつて
変形させた検出コイルの例を示した図である。第３図に
示すコイル25は四肢の関節24に対する充填係数を最大に
するように変形したコイルである。また第４図に示すコ
イル27は乳房26用のコイルである。また第５図に示すコ
イル29は耳28用のコイルである。また第６図に示すコイ
ル31は目30用のコイルである。

第７図は検出コイル５の充填係数を最大にするように変
形させたあと、検出コイルの同調を自動的に制御する自
動同調制御回路の１例を示す図である。検出コイル５に
直列に接続された可変容量ダイオード32は同調用のコン
デンサである。また検出コイル５と可変容量ダイオード
32に並列に接続された可変容量ダイオード33とコンデン
サ37はインピーダンス整合用コンデンサを形成する。可
変容量ダイオード33とコンデンサ37は第７図に示した直
列接続に限らず、並列に接続してもよい。可変容量ダイ
オード32の容量は電圧制御部34によつて、信号出力が最
大になるように制御する。また可変容量ダイオード33の
容量は可変容量34を制御してから、電圧制御部35によつ
て、出力が最大になるように制御する。すなわちプロー
ブからの信号は、増幅器36により増幅されるが、この増
幅器36の出力は検波器40で検波後、電圧制御部34および
電圧制御部35へフイードバツクされる。以上の操作をく
り返すことにより最適な同調点が得られる。なお、電圧
制御部34および35とプローブ系との接続は、プローブか
らの高周波が電圧制御部34および35へ流入するのを阻止
するため、抵抗あれいは並列共振回路などからなる高周
波阻止器38を介して行なう。さらに、各電圧制御ダイオ
ード32および33はこれらを単独で用いる場合を第７図に
示したが、容量を増すために並列にコンデンサを追加接
続してもよい。

〔発明の効果〕

本発明によれば、柔軟な導体材を、被検体によらず、被
検体の検査対象部位（関節、乳房等）の形状およびサイ
ズに合わせて変形させ、検出コイルを得るので、予め検
査対象部位ごとに検出コイルを個別にとくに作成準備す
ることなく、容易に検査部位ごとに検出コイルを得て、
充填系数が最大、すなわち感度を最大にすることが可能
となった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明で用いる装置の一構成を示す図、第２図
〜第６図は検出コイルの構成例を示す図、第７図は自動
同調制御回路の一構成を示す図である。 １……制御装置、２……高周波パルス発生器、３……電
力増幅器、４……コイル、５……受信コイル、７……検
波器、８……信号処理装置、９……自動同調制御回路、
10,11,12……傾斜磁場発生用コイル、16……静磁場発生
用コイル。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】静磁場、傾斜磁場および高周波磁場の各磁
   場発生手段と、検査対象からの核磁気共鳴信号を検出す
   る信号検出コイルと、前記核磁気共鳴信号が最大となる
   ように前記信号検出コイルの同調を自動的に制御する手
   段と、前記信号検出コイルの検出信号の演算を行う計算
   機およびこの計算機による演算結果の出力手段とを有す
   る核磁気共鳴を用いた検査装置において、前記信号検出
   コイルが柔軟導体材とコイルのサイズを保持する部材と
   から構成され、前記信号検出コイルは充填係数を最大と
   するように前記検査対象の検査部位の表面に配置され、
   前記信号検出コイルのサイズと形状は、前記柔軟導体材
   が前記検査部位の表面凹凸形状に応じて変形されて定め
   られることを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
2. 【請求項２】前記信号検出コイル柔軟性を有する部材に
   よって前記検査部位の表面に固定されることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の核磁気共鳴を用いた検
   査装置。