JPH0740937B2 - β−アミラーゼの分離法 - Google Patents
β−アミラーゼの分離法Info
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- JPH0740937B2 JPH0740937B2 JP4056052A JP5605292A JPH0740937B2 JP H0740937 B2 JPH0740937 B2 JP H0740937B2 JP 4056052 A JP4056052 A JP 4056052A JP 5605292 A JP5605292 A JP 5605292A JP H0740937 B2 JPH0740937 B2 JP H0740937B2
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- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
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- C12N9/14—Hydrolases (3)
- C12N9/24—Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2)
- C12N9/2402—Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2) hydrolysing O- and S- glycosyl compounds (3.2.1)
- C12N9/2405—Glucanases
- C12N9/2408—Glucanases acting on alpha -1,4-glucosidic bonds
- C12N9/2411—Amylases
- C12N9/2425—Beta-amylase (3.2.1.2)
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D15/00—Separating processes involving the treatment of liquids with solid sorbents; Apparatus therefor
- B01D15/08—Selective adsorption, e.g. chromatography
- B01D15/26—Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism
- B01D15/38—Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism involving specific interaction not covered by one or more of groups B01D15/265 - B01D15/36
- B01D15/3804—Affinity chromatography
- B01D15/3814—Affinity chromatography of the substrate or co-factor - enzyme type
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】β−アミラーゼは、大豆,小麦,
大麦,さつまいも等の植物やバチルス(Bacillus)属,ク
ロストリジウム(Clostridium) 属等の微生物に存在して
いることが知られている。これらの中で大豆,小麦,大
麦から調製されたβ−アミラーゼは、α−1,4−グル
カンからマルトースを生成する性質を生かして澱粉糖化
工業でマルトースシラップ製造のため広く使用されてい
る。
大麦,さつまいも等の植物やバチルス(Bacillus)属,ク
ロストリジウム(Clostridium) 属等の微生物に存在して
いることが知られている。これらの中で大豆,小麦,大
麦から調製されたβ−アミラーゼは、α−1,4−グル
カンからマルトースを生成する性質を生かして澱粉糖化
工業でマルトースシラップ製造のため広く使用されてい
る。
【0002】
【従来の技術】大豆,小麦,大麦等の中にはβ−アミラ
ーゼの他にα−アミラーゼが含まれている。そこで、こ
のα−アミラーゼを除くため、従来からpH,温度変
化,キレート化剤によるα−アミラーゼの失活法等が用
いられてきた。しかしながら、本方法でα−アミラーゼ
を完全に除去しようとした場合、β−アミラーゼの失活
もともなうため、収率を考えると、完全にα−アミラー
ゼを除くことは困難であった。
ーゼの他にα−アミラーゼが含まれている。そこで、こ
のα−アミラーゼを除くため、従来からpH,温度変
化,キレート化剤によるα−アミラーゼの失活法等が用
いられてきた。しかしながら、本方法でα−アミラーゼ
を完全に除去しようとした場合、β−アミラーゼの失活
もともなうため、収率を考えると、完全にα−アミラー
ゼを除くことは困難であった。
【0003】一方、澱粉糖化工業においても、マルトー
スシラップの高純度化が進み、α−アミラーゼの混入に
よるマルトース以外の糖の生成がほとんどない高純度の
β−アミラーゼが要求されるようになっている。
スシラップの高純度化が進み、α−アミラーゼの混入に
よるマルトース以外の糖の生成がほとんどない高純度の
β−アミラーゼが要求されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】酵素タンパク質の迅速
で特異的精製法としてアフィニティークロマトグラフィ
ーがある。本方法は目的とする酵素のみを、その基質あ
るいは基質類似物質を固定化した不溶性担体に目的物質
を特異的に吸着させることにより可溶性の夾雑物を除
き、目的とする物質のみを特異的かつ迅速に分離、精製
する方法である。
で特異的精製法としてアフィニティークロマトグラフィ
ーがある。本方法は目的とする酵素のみを、その基質あ
るいは基質類似物質を固定化した不溶性担体に目的物質
を特異的に吸着させることにより可溶性の夾雑物を除
き、目的とする物質のみを特異的かつ迅速に分離、精製
する方法である。
【0005】β−アミラーゼのアフィニティークロマト
グラフィーについても既にいくつか報告がある。例え
ば、Per Vretblad(FEBS Letters,47(1974)86-89)はβ−
アミラーゼの拮抗阻害剤であるα−シクロデキストリン
を固定化したセファロースカラムにさつまいものβ−ア
ミラーゼが特異的に吸着され、その際夾雑蛋白質のモデ
ルとして同時に加えた牛血清アルブミンは本カラムには
吸着せず除去できること、またα−シクロデキストリン
を溶出液に加えることにより、吸着したβ−アミラーゼ
をカラムから特異的に溶出できることを報告している。
また、A. Hoschkeら(Starch,28(1976), 426-432)も起源
は明記されていないが、β−アミラーゼがα−シクロデ
キストリンを固定化したセファロースカラムに吸着する
ことを報告している。
グラフィーについても既にいくつか報告がある。例え
ば、Per Vretblad(FEBS Letters,47(1974)86-89)はβ−
アミラーゼの拮抗阻害剤であるα−シクロデキストリン
を固定化したセファロースカラムにさつまいものβ−ア
ミラーゼが特異的に吸着され、その際夾雑蛋白質のモデ
ルとして同時に加えた牛血清アルブミンは本カラムには
吸着せず除去できること、またα−シクロデキストリン
を溶出液に加えることにより、吸着したβ−アミラーゼ
をカラムから特異的に溶出できることを報告している。
また、A. Hoschkeら(Starch,28(1976), 426-432)も起源
は明記されていないが、β−アミラーゼがα−シクロデ
キストリンを固定化したセファロースカラムに吸着する
ことを報告している。
【0006】しかしながら、最近K. Subbaramiahら(Sta
rch, 41,(1989)357-359)は、先に述べたPer Vretblad(F
EBS Letters,47,1974)と同様の方法でα−シクロデキス
トリンを固定化したセファロースを調製したところ、さ
つまいも,ジャガイモ,麦芽由来のβ−アミラーゼがい
ずれも吸着しないという異なった報告をしている。
rch, 41,(1989)357-359)は、先に述べたPer Vretblad(F
EBS Letters,47,1974)と同様の方法でα−シクロデキス
トリンを固定化したセファロースを調製したところ、さ
つまいも,ジャガイモ,麦芽由来のβ−アミラーゼがい
ずれも吸着しないという異なった報告をしている。
【0007】そこで、我々もPer Vretblad(FEBS Letter
s,47,1974)の報告に従いα−シクロデキストリンを固定
化したセファロースカラムを調製し試験したところ、澱
粉糖化工業で重要な役割を担っている大豆及び麦芽由来
のβ−アミラーゼは本担体に吸着しなかった。そして現
在のところ、大豆及び麦芽由来のβ−アミラーゼの特異
的アフィニティークロマトグラフィーに関する報告はな
いのが現状である。
s,47,1974)の報告に従いα−シクロデキストリンを固定
化したセファロースカラムを調製し試験したところ、澱
粉糖化工業で重要な役割を担っている大豆及び麦芽由来
のβ−アミラーゼは本担体に吸着しなかった。そして現
在のところ、大豆及び麦芽由来のβ−アミラーゼの特異
的アフィニティークロマトグラフィーに関する報告はな
いのが現状である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述したような条件の中
で本発明者らは、澱粉糖化工業で重要な役割を担ってい
る大豆及び麦芽由来のβ−アミラーゼを吸着させるアフ
ィニティークロマトグラフィーについて鋭意検討した結
果、緩衝液等では吸着しないこれらβ−アミラーゼが、
硫酸アンモニウムを溶液に添加することにより、効率的
にα−シクロデキストリンを固定化した担体に吸着する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
で本発明者らは、澱粉糖化工業で重要な役割を担ってい
る大豆及び麦芽由来のβ−アミラーゼを吸着させるアフ
ィニティークロマトグラフィーについて鋭意検討した結
果、緩衝液等では吸着しないこれらβ−アミラーゼが、
硫酸アンモニウムを溶液に添加することにより、効率的
にα−シクロデキストリンを固定化した担体に吸着する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、β−アミラーゼを含有
する溶液中よりβ−アミラーゼを分離するに当たり、硫
酸アンモニウムの存在下にα−シクロデキストリンを固
定した水不溶性高分子化合物を作用させ、該高分子化合
物とβ−アミラーゼとの吸着複合体を生じせしめ、該高
分子化合物に吸着しない可溶性の不純物を分離、除去す
ることを特徴とするβ−アミラーゼの分離法に関する。
する溶液中よりβ−アミラーゼを分離するに当たり、硫
酸アンモニウムの存在下にα−シクロデキストリンを固
定した水不溶性高分子化合物を作用させ、該高分子化合
物とβ−アミラーゼとの吸着複合体を生じせしめ、該高
分子化合物に吸着しない可溶性の不純物を分離、除去す
ることを特徴とするβ−アミラーゼの分離法に関する。
【0010】本発明のβ−アミラーゼの分離法は、β−
アミラーゼをα−シクロデキストリンを固定した担体に
吸着させるに際し、硫酸アンモニウムの存在下に反応さ
せることを特徴とする。一方、α−アミラーゼのアフィ
ニティークロマトグラフィーに関しては、エタノール等
の有機溶媒や、塩析効果のある数種の塩類の添加で澱粉
に効率的に吸着することが知られているが、本発明にお
いて効果があるのは硫酸アンモニウムだけであり、この
ような事実は今までに報告されていない。
アミラーゼをα−シクロデキストリンを固定した担体に
吸着させるに際し、硫酸アンモニウムの存在下に反応さ
せることを特徴とする。一方、α−アミラーゼのアフィ
ニティークロマトグラフィーに関しては、エタノール等
の有機溶媒や、塩析効果のある数種の塩類の添加で澱粉
に効率的に吸着することが知られているが、本発明にお
いて効果があるのは硫酸アンモニウムだけであり、この
ような事実は今までに報告されていない。
【0011】以下、本発明の好ましい態様を挙げて具体
的に説明する。本発明のβ−アミラーゼの分離の手段で
あるアフィニティークロマトグラフィーにおいてβ−ア
ミラーゼが吸着するリガンドは、β−アミラーゼの拮抗
阻害剤であるα−シクロデキストリンを使用する。α−
シクロデキストリンを固定化するために用いる担体とし
ては特に制限はなく、任意の水不溶性高分子化合物が使
用され、例えばアガロースゲル等は好適である。その他
シクロデキストリンポリマーのようにシクロデキストリ
ン自身を架橋させたものを不溶性担体としてもよい。
的に説明する。本発明のβ−アミラーゼの分離の手段で
あるアフィニティークロマトグラフィーにおいてβ−ア
ミラーゼが吸着するリガンドは、β−アミラーゼの拮抗
阻害剤であるα−シクロデキストリンを使用する。α−
シクロデキストリンを固定化するために用いる担体とし
ては特に制限はなく、任意の水不溶性高分子化合物が使
用され、例えばアガロースゲル等は好適である。その他
シクロデキストリンポリマーのようにシクロデキストリ
ン自身を架橋させたものを不溶性担体としてもよい。
【0012】β−アミラーゼを吸着させる際に使用する
硫酸アンモニウムの濃度は、溶液中の蛋白質が塩析しな
い範囲で濃度が高ければ高いほど効果的であるが、通常
0.5M以上、更に好ましくは1M以上が望ましい。しか
し、2Mを越えると酵素液の種類によってはタンパク質
が析出することがあるので、硫酸アンモニウムの濃度の
上限は、実用に際しタンパク質の析出が認められない程
度に濃度(一般に2M程度)を高くすればよい。また、
吸着方法に関しては、制限がなくバッチ法でもカラム法
でもよい。吸着した酵素の溶出法に関しては、硫酸アン
モニウムを含まない適当な溶液で行えば十分であるが、
α−シクロデキストリンを含む溶液で溶出してもよい。
硫酸アンモニウムの濃度は、溶液中の蛋白質が塩析しな
い範囲で濃度が高ければ高いほど効果的であるが、通常
0.5M以上、更に好ましくは1M以上が望ましい。しか
し、2Mを越えると酵素液の種類によってはタンパク質
が析出することがあるので、硫酸アンモニウムの濃度の
上限は、実用に際しタンパク質の析出が認められない程
度に濃度(一般に2M程度)を高くすればよい。また、
吸着方法に関しては、制限がなくバッチ法でもカラム法
でもよい。吸着した酵素の溶出法に関しては、硫酸アン
モニウムを含まない適当な溶液で行えば十分であるが、
α−シクロデキストリンを含む溶液で溶出してもよい。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。 製造例1 α−シクロデキストリンの担体への固定化 α−シクロデキストリンを固定化する担体としては、種
々のものが考えられるが、ここでは吸着に関する担体の
影響をできるだけ減らすため、親水性の高分子担体であ
るアガロースゲル(商品名:セファロース、ファルマシ
ア製)を使用した。固定化は、次のように行った。エポ
キシ活性化セファロース(ファルマシア製)4gを25
mlの水中に懸濁して膨潤させた後、400mlの水を
用いて膨潤・吸引濾過を繰り返して行い、最後に0.1M
NaOH25mlで洗った。α−シクロデキストリン
300mgを0.1M NaOH12mlに溶解した溶液
に先の洗浄活性化担体を加え、45℃で16時間振とう
した。反応終了後、濾過して吸着体を水100ml,2.
5%グルコース溶液200ml,水100ml,0.5M
NaCl含有0.1M ほう酸緩衝液(pH8.0)10
0mlおよび0.5MNaCl含有0.1M 酢酸緩衝液
(pH4.0)100mlを用いて順次洗浄してα−シク
ロデキストリンセファロースを調製した。
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。 製造例1 α−シクロデキストリンの担体への固定化 α−シクロデキストリンを固定化する担体としては、種
々のものが考えられるが、ここでは吸着に関する担体の
影響をできるだけ減らすため、親水性の高分子担体であ
るアガロースゲル(商品名:セファロース、ファルマシ
ア製)を使用した。固定化は、次のように行った。エポ
キシ活性化セファロース(ファルマシア製)4gを25
mlの水中に懸濁して膨潤させた後、400mlの水を
用いて膨潤・吸引濾過を繰り返して行い、最後に0.1M
NaOH25mlで洗った。α−シクロデキストリン
300mgを0.1M NaOH12mlに溶解した溶液
に先の洗浄活性化担体を加え、45℃で16時間振とう
した。反応終了後、濾過して吸着体を水100ml,2.
5%グルコース溶液200ml,水100ml,0.5M
NaCl含有0.1M ほう酸緩衝液(pH8.0)10
0mlおよび0.5MNaCl含有0.1M 酢酸緩衝液
(pH4.0)100mlを用いて順次洗浄してα−シク
ロデキストリンセファロースを調製した。
【0014】実施例1 大豆β−アミラーゼのα−シク
ロデキストリンセファロースへの各種溶液からの吸着 1ml容のα−シクロデキストリンセファロースを表1
に示す溶液で平衡化した後、脱脂大豆から抽出したβ−
アミラーゼ粗酵素品500単位を含む3mlの溶液(α
−シクロデキストリンセファロースの平衡化に使用した
溶液)を加え、低温室(4℃)で1時間振とうし、β−
アミラーゼをα−シクロデキストリンセファロースにバ
ッチ法で吸着させた。
ロデキストリンセファロースへの各種溶液からの吸着 1ml容のα−シクロデキストリンセファロースを表1
に示す溶液で平衡化した後、脱脂大豆から抽出したβ−
アミラーゼ粗酵素品500単位を含む3mlの溶液(α
−シクロデキストリンセファロースの平衡化に使用した
溶液)を加え、低温室(4℃)で1時間振とうし、β−
アミラーゼをα−シクロデキストリンセファロースにバ
ッチ法で吸着させた。
【0015】その後、未吸着部分を同溶液にて洗い流し
た後、50mM 酢酸緩衝液pH5.7を加え30分振と
うし吸着酵素を溶出した。次いで、その画分の活性を測
定することにより1ml容のα−サイクロデキストリン
セファロースへのβ−アミラーゼの吸着活性単位を求め
た。なお、吸着時におけるそれぞれの種類の塩濃度が異
なるのは、塩類の溶解度を考慮したためである。活性測
定は、可溶性澱粉を基質として、50mM 酢酸緩衝液
(pH5.7)中で行い、37℃、1分間に1マイクロモ
ルのマルトースを生成する量を1単位(U)と定義し
た。結果を表1に示す。
た後、50mM 酢酸緩衝液pH5.7を加え30分振と
うし吸着酵素を溶出した。次いで、その画分の活性を測
定することにより1ml容のα−サイクロデキストリン
セファロースへのβ−アミラーゼの吸着活性単位を求め
た。なお、吸着時におけるそれぞれの種類の塩濃度が異
なるのは、塩類の溶解度を考慮したためである。活性測
定は、可溶性澱粉を基質として、50mM 酢酸緩衝液
(pH5.7)中で行い、37℃、1分間に1マイクロモ
ルのマルトースを生成する量を1単位(U)と定義し
た。結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1より、硫酸アンモニウム以外の塩溶
液,アルコールを含む緩衝液または緩衝液のみではシク
ロデキストリンを固定化したセファロースに大豆β−ア
ミーラゼはほとんど吸着しないことが判る。そのため、
硫酸アンモニウム溶液下で吸着させたβ−アミーラゼは
硫酸アンモニウムを除くことによって簡単に固定化担体
から溶出することができる。また、α−シクロデキスト
リンと1M 硫酸アンモニウムを含む緩衝液中ではシク
ロデキストリンを固定化したセファロースに大豆β−ア
ミーラゼは吸着しないことから、担体ではなくα−シク
ロデキストリンに対する親和性で大豆β−アミーラゼが
吸着していることが判る。
液,アルコールを含む緩衝液または緩衝液のみではシク
ロデキストリンを固定化したセファロースに大豆β−ア
ミーラゼはほとんど吸着しないことが判る。そのため、
硫酸アンモニウム溶液下で吸着させたβ−アミーラゼは
硫酸アンモニウムを除くことによって簡単に固定化担体
から溶出することができる。また、α−シクロデキスト
リンと1M 硫酸アンモニウムを含む緩衝液中ではシク
ロデキストリンを固定化したセファロースに大豆β−ア
ミーラゼは吸着しないことから、担体ではなくα−シク
ロデキストリンに対する親和性で大豆β−アミーラゼが
吸着していることが判る。
【0018】実施例2 麦芽由来およびさつまいも由来
のβ−アミラーゼのα−シクロデキストリンセファロー
スへの吸着 1ml容のα−シクロデキストリンセファロースを1M
硫酸アンモニウムを含む50mM 酢酸緩衝液とこれ
を含まない50mM 酢酸緩衝液でそれぞれ平衡化し
た。それぞれに、麦芽から抽出したβ−アミラーゼ粗酵
素標品またはさつまいものβ−アミラーゼ結晶標品(S
igma社製のものを脱塩)500単位を含む3mlの
溶液(α−シクロデキストリンセファロースの平衡化に
使用した溶液)を加え、低温室で1時間振とうしβ−ア
ミラーゼをα−サイクロデキストリンセファロースに吸
着させた。
のβ−アミラーゼのα−シクロデキストリンセファロー
スへの吸着 1ml容のα−シクロデキストリンセファロースを1M
硫酸アンモニウムを含む50mM 酢酸緩衝液とこれ
を含まない50mM 酢酸緩衝液でそれぞれ平衡化し
た。それぞれに、麦芽から抽出したβ−アミラーゼ粗酵
素標品またはさつまいものβ−アミラーゼ結晶標品(S
igma社製のものを脱塩)500単位を含む3mlの
溶液(α−シクロデキストリンセファロースの平衡化に
使用した溶液)を加え、低温室で1時間振とうしβ−ア
ミラーゼをα−サイクロデキストリンセファロースに吸
着させた。
【0019】その後、未吸着部分を同溶液にて洗い流し
た後、1%(W/V)シクロデキストリンを含む50m
M酢酸緩衝液を加え、30分振とうし吸着酵素を溶出
し、その画分の活性を測定することにより1ml容のα
−シクロデキストリンセファロースへの結合活性単位を
求めた。活性測定は、可溶性澱粉を基質として、50m
M 酢酸緩衝液中で行い、37℃、1分間に1マイクロ
モルのマルトースを生成する量を1単位と定義した。な
お、麦芽のβ−アミラーゼの場合に使用した緩衝液はす
べてpH5.2であり、さつまいもの場合はpH4.8であ
る。結果を表2に示す。
た後、1%(W/V)シクロデキストリンを含む50m
M酢酸緩衝液を加え、30分振とうし吸着酵素を溶出
し、その画分の活性を測定することにより1ml容のα
−シクロデキストリンセファロースへの結合活性単位を
求めた。活性測定は、可溶性澱粉を基質として、50m
M 酢酸緩衝液中で行い、37℃、1分間に1マイクロ
モルのマルトースを生成する量を1単位と定義した。な
お、麦芽のβ−アミラーゼの場合に使用した緩衝液はす
べてpH5.2であり、さつまいもの場合はpH4.8であ
る。結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2により、麦芽のβ−アミラーゼも大豆
のβ−アミラーゼと同様に1Mの硫酸アンモニウム無し
では吸着しないことが判る。また、さつまいものβ−ア
ミラーゼはPer Vretblad(FEBS Letters, 47(1974)86-8
9) の報告しているように、緩衝液のみでも吸着する
が、1Mの硫酸アンモニウム中では更に効果的に吸着す
ることが判る。
のβ−アミラーゼと同様に1Mの硫酸アンモニウム無し
では吸着しないことが判る。また、さつまいものβ−ア
ミラーゼはPer Vretblad(FEBS Letters, 47(1974)86-8
9) の報告しているように、緩衝液のみでも吸着する
が、1Mの硫酸アンモニウム中では更に効果的に吸着す
ることが判る。
【0022】実施例3 大豆β−アミラーゼのα−シク
ロデキストリンセファロースへの吸着に対する硫酸アン
モニウム濃度の効果 1ml容のα−シクロデキストリンセファロースを表3
に示す溶液で平衡化した後、脱脂大豆から抽出したβ−
アミラーゼ粗酵素標品500単位を含む3mlの溶液
(α−シクロデキストリンセファロースの平衡化に使用
した溶液)を加え、低温室で1時間振とうしβ−アミラ
ーゼをα−サイクロデキストリンセファロースに吸着さ
せた。その後、未吸着部分を同じ溶液にて洗い流した
後、50mM酢酸緩衝液(pH5.7)を加え、30分振
とうし吸着酵素を溶出した。次に、その画分の活性を測
定することにより1ml容のα−シクロデキストリンセ
ファロースへの結合活性単位を求めた。活性測定は、実
施例1に準じて行った。その結果を表3に示す。
ロデキストリンセファロースへの吸着に対する硫酸アン
モニウム濃度の効果 1ml容のα−シクロデキストリンセファロースを表3
に示す溶液で平衡化した後、脱脂大豆から抽出したβ−
アミラーゼ粗酵素標品500単位を含む3mlの溶液
(α−シクロデキストリンセファロースの平衡化に使用
した溶液)を加え、低温室で1時間振とうしβ−アミラ
ーゼをα−サイクロデキストリンセファロースに吸着さ
せた。その後、未吸着部分を同じ溶液にて洗い流した
後、50mM酢酸緩衝液(pH5.7)を加え、30分振
とうし吸着酵素を溶出した。次に、その画分の活性を測
定することにより1ml容のα−シクロデキストリンセ
ファロースへの結合活性単位を求めた。活性測定は、実
施例1に準じて行った。その結果を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3より、硫酸アンモニウムの濃度が高い
ほど吸着効率は高くなり、少なくとも0.5M以上、更に
好ましくは1.0M以上が吸着のために適当である。上限
については、2.0M以上においても吸着率は高まると思
われるが、粗酵素液の種類によってはタンパク質が析出
し沈澱するので注意を要する。
ほど吸着効率は高くなり、少なくとも0.5M以上、更に
好ましくは1.0M以上が吸着のために適当である。上限
については、2.0M以上においても吸着率は高まると思
われるが、粗酵素液の種類によってはタンパク質が析出
し沈澱するので注意を要する。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、β−アミラーゼ
を含む混合物溶液から澱粉糖化産業上利用価値の高い高
純度のβ−アミラーゼを特異的に効率よく分離すること
ができる。
を含む混合物溶液から澱粉糖化産業上利用価値の高い高
純度のβ−アミラーゼを特異的に効率よく分離すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:145)
Claims (2)
- 【請求項1】 β−アミラーゼを含有する溶液中よりβ
−アミラーゼを分離するに当たり、硫酸アンモニウムの
存在下にα−シクロデキストリンを固定した水不溶性高
分子化合物を作用させ、該高分子化合物とβ−アミラー
ゼとの吸着複合体を生じせしめ、該高分子化合物に吸着
しない可溶性の不純物を分離、除去することを特徴とす
るβ−アミラーゼの分離法。 - 【請求項2】 硫酸アンモニウムの濃度が0.5〜2.0M
である請求項1記載のアミラーゼの分離法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4056052A JPH0740937B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | β−アミラーゼの分離法 |
US07/974,178 US5294341A (en) | 1992-02-07 | 1992-11-10 | Method for separation of β-amylase |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4056052A JPH0740937B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | β−アミラーゼの分離法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06197757A JPH06197757A (ja) | 1994-07-19 |
JPH0740937B2 true JPH0740937B2 (ja) | 1995-05-10 |
Family
ID=13016315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4056052A Expired - Lifetime JPH0740937B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | β−アミラーゼの分離法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5294341A (ja) |
JP (1) | JPH0740937B2 (ja) |
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ATE222983T1 (de) | 2000-03-07 | 2002-09-15 | E F P Floor Prod Fussboeden | Mechanische verbindung von paneelen |
FI109358B (fi) * | 2001-02-06 | 2002-07-15 | Danisco Sugar Oy | Menetelmä entsyymin uuttamiseksi |
JP4570067B2 (ja) * | 2003-07-31 | 2010-10-27 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 | β−アミラーゼの製造方法 |
US7785108B2 (en) * | 2004-06-21 | 2010-08-31 | Innovation Tap Inc. | Denture attachment system |
FR2943686B1 (fr) * | 2009-03-30 | 2013-11-01 | Roquette Freres | Procede d'obtention d'une preparation de beta-amylases a partir des fractions solubles de plantes amidonnieres |
CN110316935B (zh) * | 2019-07-19 | 2022-03-08 | 清远市清新区谷城矿业开发投资有限公司 | 一种废泥处理方法 |
Family Cites Families (7)
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JPS6327502A (ja) * | 1986-07-22 | 1988-02-05 | Agency Of Ind Science & Technol | シクロデキストリン−シリカ複合体及びその製造方法 |
US4867884A (en) * | 1988-02-24 | 1989-09-19 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of Agriculture | Separation of cyclodextrins by affinity chromatography |
DE4006923A1 (de) * | 1990-03-06 | 1991-09-12 | Merck Patent Gmbh | Trennmaterialien fuer die chromatographie |
US5080795A (en) * | 1990-05-23 | 1992-01-14 | Research Corporation Technologies, Inc. | Supported chiral liquid membrane for the separation of enantiomers |
DE4017595A1 (de) * | 1990-05-31 | 1991-12-05 | Consortium Elektrochem Ind | Maltopentaose produzierende amylasen |
US5190663A (en) * | 1992-04-16 | 1993-03-02 | Chevron Research And Technology Company | Process for purifying waste water streams by inclusion complexation of polynuclear aromatic hydrocarbons |
-
1992
- 1992-02-07 JP JP4056052A patent/JPH0740937B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1992-11-10 US US07/974,178 patent/US5294341A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5294341A (en) | 1994-03-15 |
JPH06197757A (ja) | 1994-07-19 |
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