JPH0740610U - クリーンルーム用スタッカークレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 プラスチックス製ピニオンにかかる面圧を下
げ、無潤滑駆動を可能にするクリーンルーム用スタッカ
ークレーンを提供する。 【構成】 モータにより駆動されるピニオン５０を、床
に敷設されたラック４０に噛み合わせて駆動するクリー
ンルーム用スタッカークレーン２０において、ピニオン
５０を複数個Ｎ（５０₁ 、５０₂ 、５０₃ ）として各ピ
ニオンに所要総駆動力のほぼ１／Ｎを分担させ、各ピニ
オンは自己潤滑性を有するプラスチックス製であって、
ラック４０と無潤滑噛合することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、クリーンルーム用スタッカークレーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４はクリーンルーム内で成膜処理等された半導体基板を一時的に格納する保 管庫の内部を示したものである。同図において、１は上記半導体基板を収容する コンテナ、１１は保管庫１０の保管棚、１２は保管庫１０の防塵用フィルタ、２ ０は移載装置であるスタッカークレーン、３０はスタッカークレーン２０を案内 する軌道（ガイドレール）、４０はスタッカークレーン２０と図示しない電源と を接続する給電ケーブルである。スタッカークレーン２０は、昇降かつ回動する アーム２１で、保管棚１１の、上位装置から指定された棚に指定されたコンテナ を収容したり、指定された棚から指定されたコンテナを取り出したりする。

【０００３】 スタッカークレーン２０は、その動作に伴い発生する埃等を保管庫１０内へ出 さないように、防塵ケース２２で覆われているが、図５に示すように、保管庫１ ０の床１１に敷設された軌道（ガイドレール）３０と係合するガイド子部分およ び保管庫１０の床１１に敷設されたラック４０と噛み合うピニオン５０を備える 駆動機構部分は、構造上、防塵ケース２２の外にある。図５において、５０Ａは ピニオン軸、Ｍは走行用モータであって、減速機６０を介し、ピニオン５０を駆 動する。２３はピニオン５０とラック４０との摩擦粉の飛散防止用のカバーであ る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

スタッカークレーン２０は、走行用モータＭでピニオン５０を回転させ、当該 ピニオン５０をラック４０と噛み合わせることにより自走する。

【０００５】 クリーンルーム内では、クリーンルーム内雰囲気の汚染防止のために、ピニオ ン５０とラック４０と噛み合わせを無潤滑で行なわせることが要求されるが、無 潤滑にすると、ピニオン５０とラック４０が金属製である場合には、両者の摩擦 粉が発生し、この摩擦粉が雰囲気中に浮遊して半導体基板に付着する恐れがある 。

【０００６】 この防止策として、ピニオン５０をプラスチック製として、プラスチックの自 己潤滑性を利用することが考えられるが、プラスチック製とした場合、ピニオン ５０の歯面の許容面圧が小さいために、実用的ではなく、歯幅を大きくしても、 必要な強度を得ることは難しい。

【０００７】 本考案はこの問題を解消するためになされたもので、ピニオンをプラスチック ス製の複数個のピニオンとすることにより、各ピニオンにかかる面圧を下げ、無 潤滑駆動を可能にするクリーンルーム用スタッカークレーンを提供することを目 的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するため、リフトシリンダへ圧液を給排する管路中に 請求項１では、モータにより駆動されるピニオンを、床に敷設されたラックに 噛み合わせて駆動するクリーンルーム用スタッカークレーンにおいて、 上記ピニオンを複数個Ｎとして各ピニオンに所要総駆動力のほぼ１／Ｎを分担 させ、上記各ピニオンはプラスチックス製であって、上記ラックと無潤滑噛合す る構成とした。

【０００９】 請求項２では、ピニオン群の各ピニオンは、それぞれ専用のモータにより駆動 されることを特徴とする。

【００１０】 請求項３では、ピニオン群は、モータにより駆動されるピニオンと、当該ピニ オンからアイドラ歯車を介しトルクを伝達されることを特徴とする。

【００１１】

【作用】

本考案では、各ピニオンとラックとの噛み合い力が、１／Ｎになるので、各ピ ニオンに作用する面圧を、容易に、許容面圧以下にすることができる。

【００１２】 従って、ピニオンとして、自己潤滑性のあるプラスチックス製ピニオンを使用 することができる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の１実施例を図面を参照して説明する。

【００１４】 図１において、７０はピニオンユニットであって、図２に示すように、ピニオ ン５０₁ 、ピニオン５０₂ 、ピニオン５０₃ とアイドラ歯車５１₁₂、アイドラー 歯車５１₁₃を備えている。ピニオン５０₁ 、ピニオン５０₂ 、ピニオン５０₃ は エンジニアリングプラスチックス製の自己潤滑性を有するピニオンである。アイ ドラ歯車５１₁₂、アイドラー歯車５１₁₃およびラック４０は、この例では、ステ ンレス等の金属製である。

【００１５】 ピニオン５０₁ は減速機６０を介し、走行用モータＭ₁ により駆動される。ピ ニオン５０₂ はとアイドラ歯車５１₁₂を介し、ピニオン５０₁ からトルクを伝達 される。ピニオン５０₃ はとアイドラー歯車５１₁₃を介し、ピニオン５０₁ から トルクを伝達される。ピニオン５０₂ 、５０₃ とアイドラ歯車５１₁₂、５１₁₃は 、それぞれスタッカークレーン２０の台車２１の底２４から伸びる回転軸５０Ｂ 、５０Ｃ、５１Ｂ、５１Ｃに支持されている。

【００１６】 本実施例では、スタッカークレーン２０の走行に必要な駆動トルクをＰとした た場合、ピニオン５０₁ 、５０₂ 、５０₃ が、それぞれ、ほぼ、Ｐ／３づつを分 担して、ラック４０と噛み合うことになる。

【００１７】 従って、各ピニオン５０₁ 、５０₂ 、５０₃ の歯面に作用する面圧も、従来の 場合に比しほぼ１／３に低下するから、プラスチックス製ピニオンの許容面圧以 下にすることができる。

【００１８】 なお、上記実施例では、１台の走行用モータを有いているが、図３に示すよう に、走行用モータＭ₁ 、Ｍ₂ 、Ｍ₃ を設け、モータＭ₁ 、Ｍ₂ 、Ｍ₃ により、そ れぞれピニオン５０₁ 、５０₂ 、５０₃ を駆動させるようにしても、同様の効果 を得ることができる。この場合、走行用モータＭ₁ 、Ｍ₂ 、Ｍ₃ は、Ｐ／３の駆 動力を発生する。

【００１９】 上記実施例においては、ピニオンの個数を、３個としているが、上記面圧を、 上記許容面圧以下に下げることができる個数であればよい。

【００２０】

【考案の効果】

本発明は以上説明した通り、モータから駆動力を受けてラックと噛み合うプラ スチック製のピニオンをＮ個とし、各ピニオンのラックとの噛み合い力を、ピニ オン１つで上記駆動力を受ける場合の１／Ｎとしたことにより、歯面に作用する 面圧を、自己潤滑性を有するプラスチックス製ピニオンの許容面圧以下にするこ とができるから、スタッカークレーンの無潤滑駆動が可能になり、クリーンルー ム内で使用するスタッカークレーンには極めて好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例のラック・ピニオン機構を示す
図である。

【図２】上記実施例の要部の詳細を示す図である。

【図３】本考案の他の実施例のラック・ピニオン機構を
示す図である。

【図４】クリーンルーム用保管庫の内部の概略を示す図
である。

【図５】上記クリーンルーム用保管庫内に設けられるス
タッカークレーンの従来のラック・ピニオン機構を示す
図である。

【符号の説明】

２０ スタッカークレーン ４０ ラック ５０₁ 、５０₂ 、５０₃ プラスチック製ピニオン ５１₁₂、５０₁₃ アイドラー歯車 Ｍ₁ 、Ｍ₂ 、Ｍ₃ 走行用モータ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータにより駆動されるピニオンを、床
   に敷設されたラックに噛み合わせて駆動するクリーンル
   ーム用スタッカークレーンにおいて、 上記ピニオンを複数個Ｎとして各ピニオンに所要総駆動
   力のほぼ１／Ｎを分担させ、上記各ピニオンは自己潤滑
   性を有するプラスチックス製であって、上記ラックと無
   潤滑噛合することを特徴とするクリーンルーム用スタッ
   カークレーン。
2. 【請求項２】 ピニオン群の各ピニオンは、それぞれ専
   用のモータにより駆動されることを特徴とする請求項１
   記載のクリーンルーム用スタッカークレーン。
3. 【請求項３】 ピニオン群は、モータにより駆動される
   ピニオンと、当該ピニオンからアイドラ歯車を介しトル
   クを伝達されることを特徴とする請求項１記載のクリー
   ンルーム用スタッカークレーン。