JPH0740595U - 飲料用配管装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は飲料を通す流通管における腐敗物の発
生を簡単な構成で抑制し、もって飲料流通管を流通する
飲料の品質を損なうことなく飲料を流通できる使用期間
を長くして飲料流通管を保守する上での経済性を向上さ
せるとともに、飲料流通管の保守を容易にした飲料用配
管装置を提供することを目的とする。 【構成】飲料が流通される第１の流通管と、この第１の
流通管の外側に第１の流通管を囲んで配置された第２の
流通管と、この第２の流通管の外側に第２の流通管を囲
んで配置された且つ第２の流通管と連通された第３の流
通管とを具備し、これら第２の流通管と第３の流通管は
冷却流体が流通されて前記飲料流通管を冷却する冷却流
体流通管であることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は飲料用配管装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

飲料の移動容器、例えばビール樽は、飲料店などに設置されているビール用の 注ぎ出し装置と飲料流通管であるホースにより接続してビール樽の内部に溜めら れたビール液を注ぎ出し装置に供給している。すなわち、注ぎ出し装置には流体 継手を設け、この継手に接続したホースを介してビール樽からビール液を供給す るようにしている。そして、ビール樽からホースを介して注ぎ出し装置に供給さ れたビールは、注ぎ出し装置に設けられた冷却機により冷却されて注ぎ出し口か ら外部に注ぎ出される。ホースは一般に合成樹脂で形成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、注ぎ出し装置に接続された合成樹脂からなるホースに長時間ビールを 通していると、ホースの内部に野生酵母や細菌などの微生物によって腐敗物が発 生して、ホースの内面に付着する。この状態でホースに通すビールの味や品質を 低下させることになる。そこで、ビール樽と注ぎ出し装置とを接続するホースは 一定期間使用した時点で、洗浄あるいは新しいホースと交換している。このため 、洗浄による手間および洗浄時に発生するビールのロス、あるいは交換に用いる ホースの費用の負担が大きく、ホースを保守する上での経済性が悪く、またホー スの交換に手数を要してホースの保守が面倒であった。

【０００４】 本考案は前記事情に基づいてなされたもので、飲料を通す流通管における野生 酵母や細菌などの微生物による腐敗物などの発生を簡単な構成で抑制し、もって 飲料流通管を流通する飲料の品質を損なうことなく飲料を流通でき使用期間を長 くして飲料流通管を保守する上での経済性を向上させるとともに、飲料流通管の 保守を容易にした飲料用配管装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために本考案の飲料用配管装置は、飲料が流通される第１ の流通管と、この第１の流通管の外側に第１の流通管を囲んで配置された第２の 流通管と、この第２の流通管の外側に第２の流通管を囲んで配置された且つ第２ の流通管と連通された第３の流通管とを具備し、これら第２の流通管と第３の流 通管は冷却流体が流通されて前記飲料流通管を冷却する冷却流体流通管であるこ とを特徴とする。

【０００６】

【作用】

冷却流体流通管に冷却流体を流通して飲料流通管を冷却することにより、飲料 流通管における野生酵母や細菌による微生物などの著しい増殖による腐敗物の発 生を抑制し、これにより飲料流通管における飲料の品質を損なうことなく飲料を 流通できる使用期間を従来に比較して大幅に長くすることができる。

【０００７】 すなわち、飲料を通す流通管において野生酵母や細菌などの微生物によって腐 敗物が発生する原因は、使用済みの樽を交換する時に樽からビールを注出するデ ィスペンスヘッドを取り外すことによってディスペンスヘッドの先端内部が空気 などに触れ、ビールホース内に空気中に浮遊する野生酵母や細菌による微生物 が混入する。一方、ビールホースはビール冷却装置から排出される熱などの影響 を受け、これら微生物が短時間で著しい増殖がし易い最適温度となり、ビールホ ース内での多量の微生物がすることによって発生する。

【０００８】 このため、飲料流通管を一定の温度まで瞬間的に冷却することにより、飲料流 通管における野生酵母や細菌による微生物などの著しい増殖を腐敗物の発生を抑 制することができる。

【０００９】 また、本考案では飲料が流通される第１の流通管の外側に、冷却流体が流通さ れて飲料流通管を冷却する冷却流体流通管である第２の流通管と第３の流通管を 同心的に配置しているので、装置全体がコンパクトなユニットにまとめられ、保 管や運搬、さらには接続などの取扱いが容易である。

【００１０】

【実施例】

本考案の一実施例について図１および図２を参照して説明する。

【００１１】 この実施例は、本考案の飲料用配管装置を、ビール樽と注ぎ出し装置との間を 接続する配管装置に適用したものである。

【００１２】 図２においてビール樽と注ぎ出し装置について説明する。

【００１３】 図中１はビール液を溜めたビール樽で、これはビール吐出口２を有している。 このビール吐出口２にはホース３を介して炭酸ガスボンベ４が接続されている。 ５は注ぎ出し装置で、これは本体ケース６、圧縮器７、凝縮器８、冷却水Ｗを溜 めるタンク９、このタンク９に設けられた蒸発器１０、タンク９に設けられたビ ール冷却コイル１１を有しており、圧縮機７、凝縮器８および蒸発器１０は図示 しない配管で接続されている。ビール冷却コイル１１の一端はビール入口１２に 接続され、他端は本体ケース６に設けたドラフトコック１３に接続されている。

【００１４】 本考案の飲料用配管装置は、ビール樽１のビール吐出口２と注ぎ出し装置５の ビール入口１２とを接続して設けられている。飲料用配管装置について図１を参 照して説明する。

【００１５】 図中２１は合成樹脂で形成された第１の流通管で、これはこの実施例では飲料 流通管、すなわちビール流通管として使用される。第１の流通管２１の一端（ビ ル流入端）は継手管２２と接続され、他端（ビル流出端）は接続管２３の一端部 に嵌合固定されている。

【００１６】 継手管２２は長さ方向中央に鍔部２２ａを有し、一端部に第１の流通管２１の 一端が嵌合固定されている。継手管２２の他端部には周方向に並べて形成され複 数の孔２４にボール２５が移動自在に嵌合され、外周部には軸方向に移動して複 数の孔２４のボール２５を押える、あるいは自由にする操作環２６が設けられ、 さらに操作環２６に対してボール２５を押える方向に力を加える圧縮コイルばね ２７、操作環２６の移動を阻止するストッパ４３が設けられている。

【００１７】 接続管２３の他端部に継手管２８が接続され、この継手管２８には継手管２２ の場合と同様に操作環２９、図示しないボール、ばねおよびストッパが設けられ ている。なお、３０は第１の流通管２１を固定するリングである。

【００１８】 ３１は合成樹脂で形成された第２の流通管であり、３２は合成樹脂で形成され た第３の流通管であり、これらは冷却流体が流通されてビール流通管を冷却する 冷却流体流通管として使用される。これらは第１の流通管２１とほぼ同じ長さを 有している。第２の流通管３１は第１の流通管２１の外側にこれと空間を存して 同心的に配置され、第３の流通管３２は第２の流通管３１の外側にこれと空間を 存して同心的に配置されている。

【００１９】 第２の流通管３１の一端は接続管３３に嵌合され、接続管３３は第１の流通管 ２１の外側に嵌合されている。第２の流通管３１の他端は接続管３４に接続され ている。接続管３４は接続管２３の外側を囲む内管部３５と、この内管部３５を 囲む外管部３６を有するもので、第２の流通管３１の他端は内管部３５に嵌合固 定されている。接続管３４には内管部３５に連通する継手管３７と外管部３６に 連通する継手管３８が夫々設けられている。

【００２０】 第３の流通管３２の一端は接続管３９に嵌合され、接続管３９は継手管２２の 鍔部２２ａに嵌合固定されている。第３の流通管３２の他端は接続管４０に嵌合 され、接続管４０は接続管３４の外管部３６に嵌合固定されている。第３の流通 管３２の両端内面と接続管３９、４０の外面には楔形の係合部が形成され、相互 に係合している。第１の流通管２１と第２の流通管３１との間の空間および第２ の流通管３１と第３の流通管３２との間は、継手管２２、接続管２３、３４、３ ９で閉塞されている。

【００２１】 接続管３９の外周部には締め付け管４１が螺合されて第３の流通管３２の一端 を締め付け保持しており、接続管４０の外周部には締め付け管４２が螺合されて 第３の流通管３２の他端を締め付け保持している。なお、４４はシールリング、 ４５は断熱材である。

【００２２】 このように構成された配管装置において、図２に示すように第１の流通管２１ の一端に接続された継手管２２はビール樽１のビール吐出口２に接続される。こ の場合、操作環２６を操作して継手管２２のボール２５を自由にし、ビール樽１ のビール吐出口２に形成された凹部に係合した後、操作環２６でボール２５を押 さえて接続状態をロックする。第２の流通管２１の他端に接続された継手管２８ は、注ぎ出し装置５のビール入口１２に接続する。この場合の操作は継手管２２ の場合と同様である。

【００２３】 また、注ぎ出し装置５の冷却水用タンク９には冷却水を循環させる循環往路管 ４６と循環復路管４７が設けられ、循環往路管４６にはポンプ４８が接続されて いる。配管装置において接続管３４に接続された継手管３７は循環往路管４６に 接続され、継手管３８は循環復路管４７に接続されている。

【００２４】 ビール樽１に溜められたビール液は、炭酸ガスボンベ４からホース３を介して 供給される炭酸ガスの圧力により吐出口２から吐出される。そして、ビール液は 継手管２２から第１の流通管２１の一端に流入し、この第１の流通管２１を通っ てその他端に流れ、さらに接続管２３および継手管２８を介して注ぎ出し装置５ にビール入口１２に入る。さらに、ビール液はタンク９に設けた冷却コイル１１ を通り、ドラフトコック１３から外部に吐出される。

【００２５】 一方、注ぎ出し装置５では、圧縮器７、凝縮器８および蒸発器１０を有する冷 却サイクルが運転されてタンク９に溜められた冷却水を冷却する。これにより冷 却コイル１１は冷却され、冷却コイル１１を通るビール液が冷却される。

【００２６】 また、タンク９に溜められた冷却水はポンプ４８の運転により循環往路管４６ に吸い出され、継手管３７を介して接続管３４の内管部３６に送り込まれる。さ らに、冷却水は第２の流通管３１の他端から第２の流通管３１の内部に入り、第 ３の流通管３２と第２の流通管３１とに挟まれた空間部を通って第２の流通管３ １の一端まで流れる。

【００２７】 そして、冷却水は接続筒３３から第２の流通管３１と第３の流通管３２とに挟 まれた空間部を通って第３の流通管３２の他端まで流れ、接続管３４の外管部３ ７から継手管３８より循環復路管４７を通り再びタンク９に戻る。

【００２８】 このようにして冷却水はタンク９ー第２の流通管３１ー第３の流通管３２ータ ンク９という循環通路を流れる過程で第１の流通管２１の長さ方向全体を外側か ら冷却する。

【００２９】 このように冷却流体流通管である第２の流通管３１、第３の流通管３２に冷却 流体である冷却水を流通して、飲料流通管である第１の流通管２１を冷却する。 このため、飲料流通管である第１の流通管２１にビール液を流すことによる第１ の流通管２１での野生酵母や細菌などの微生物の著しい増殖を抑えて、腐敗物の 発生を長期にわたって抑制することができる。これにより飲料流通管である第１ の流通管２１を流れるビール液の品質を損なうことなくビール液を流通でき使用 期間を従来に比較して大幅に長くすることができる。

【００３０】 従って、第１の流通管２１を流通するビール液の品質を損なうことなくビール 液を流通できる使用期間を長くして流通管を保守する上での経済性を向上させる とともに、ビール液を通す流通管２１の保守を容易にすることができる。 また、本考案では飲料が流通される第１の流通管２１の外側に、冷却流体が流 通されて飲料流通管を冷却する冷却流体流通管である第２の流通管３１と第３の 流通管３２を同心的に配置しているので、装置全体がコンパクトなユニットにま とめられ、保管や運搬、さらには接続などの取扱いが容易である。

【００３１】 なお、本考案は前述した実施例に限定されずに種々変形して実施することがで きる。例えば冷却水の流れる方向が実施例とは逆であっても良い。

【００３２】 また、冷却流体流通管に流通する冷却流体は前述した実施例のように既存の冷 却装置で冷却された水を利用すると経済的であるが、その他にも専用の冷却装置 を用意して水を冷却しても良く、あるいは水道の水を利用しても良い。さらに冷 却流体としては冷却水に限定されず、空気などの気体であっても良い。

【００３３】 本考案の飲料用配管装置はビール樽と注ぎ出し装置との間を接続する配管に限 定されずに、他の飲料液を流通させる配管にも広く適用して優れた効果を得るこ とができる。

【００３４】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、冷却流体流通管を流れる冷却流体により 飲料流通管を冷却するので、飲料流通管における細菌、微生物、腐敗物の発生を 簡単な構成で抑制し、もって飲料流通管を流通する飲料の品質を損なうことなく 飲料を流通できる使用期間を長くして飲料流通管を保守する上での経済性を向上 させるとともに、飲料流通管の保守を容易にした飲料用配管装置を得ることがで きる。

【００３５】 また、本考案では飲料が流通される第１の流通管の外側に、冷却流体が流通さ れて飲料流通管を冷却する冷却流体流通管である第２の流通管と第３の流通管を 同心的に配置しているので、装置全体がコンパクトなユニットにまとめられ、保 管や運搬、さらには接続などの取扱いが容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す飲料用配管装置を一部
切欠して示す正面図。

【図２】本考案の飲料用配管装置をビール樽と注ぎ出し
装置とを接続する配管に適用した場合を示す図。

【符号の説明】

１…ビール樽、 ５…注ぎ出し装置、２
１…第一の流通管、 ３１…第２の流通管、３
２…第３の流通管、 ４６…循環往路管、３７…
循環復路。

フロントページの続き (72)考案者 村上 英雄 大阪府吹田市南吹田３丁目２番56号 株式 会社アサヒ生ビールサービス関西内 (72)考案者 山田 雅美 大阪府吹田市南吹田３丁目２番56号 株式 会社アサヒ生ビールサービス関西内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 飲料が流通される第１の流通管と、この
   第１の流通管の外側に第１の流通管を囲んで配置された
   第２の流通管と、この第２の流通管の外側に第２の流通
   管を囲んで配置された且つ第２の流通管と連通された第
   ３の流通管とを具備し、これら第２の流通管と第３の流
   通管は冷却流体が流通されて前記飲料流通管を冷却する
   冷却流体流通管であることを特徴とする飲料用配管装
   置。