JPH0740535A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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Publication number
JPH0740535A
JPH0740535A JP5187897A JP18789793A JPH0740535A JP H0740535 A JPH0740535 A JP H0740535A JP 5187897 A JP5187897 A JP 5187897A JP 18789793 A JP18789793 A JP 18789793A JP H0740535 A JPH0740535 A JP H0740535A
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JP
Japan
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diaphragm
ink
individual electrode
ink jet
jet head
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Application number
JP5187897A
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English (en)
Inventor
Masahiro Fujii
正寛 藤井
Yasuhiro Miyashita
育宏 宮下
Shuji Koeda
周史 小枝
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Publication of JPH0740535A publication Critical patent/JPH0740535A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動板が個別電極に衝突しないようにして長
時間使用しても破壊等の不具合を生ぜず信頼性が高く、
低駆動電圧で効率良く駆動することができるインクジェ
ットヘッドを提供する。 【構成】 ノズルと、ノズルに連通するインク流路と、
流路の一部に設けられた振動板と、振動板に対向して設
けられた個別電極とを有し、振動板に取り付けらた共通
電極と個別電極間に電圧を印加し、振動板を静電気力に
より変形させ、ノズルからインク液滴を吐出するインク
ジェットヘッドにおいて、振動板と個別電極とによって
形成されるアクチュエータに付加コンデンサを直列に挿
入した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電気を利用したインク
ジェットヘッド、特にそのアクチュエータを構成する振
動板と個別電極との接触の回避に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、記録時の騒
音が極めて小さいこと、高速印字が可能であること、イ
ンクの自由度が高く安価な普通紙を使用できることなど
多くの利点を有する。この中でも記録の必要な時にのみ
インク液滴を吐出する、いわゆるインク・オン・デマン
ド方式が、記録に不要なインク液滴の回収を必要としな
いため、現在主流となっている。
【0003】従来のインク・オン・デマンド方式の駆動
方法には例えば特公平2−24218号公報に開示され
ている駆動方法がある。この駆動方法においては、イン
ク噴射圧力を発生する圧力室の容積を変化させる圧電素
子を備え、圧電素子には待機状態で圧電素子の分極電圧
と同方向のパルス電圧が印加され、圧電素子を充電して
圧力室の容積を減少させておき、インク噴射時には圧電
素子を徐々に放電させて圧力室の容積を増大させた後
に、再び圧電素子にパルス電圧を印加して圧電素子を急
速に充電させ、圧力室の容積を減少させることによりノ
ズルからインク液滴を噴射させている。そして、この駆
動方法においては、インク液滴を低電圧で最も効率良く
噴射させるために、圧力室へのインクの吸入時に起きる
インク系の減衰振動の極大値近傍で、圧電素子に再び電
圧を印加し急速に圧力室の容積を減少させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来のインクジ
ェットヘッドの駆動方法はアクチュエータに圧電素子を
用いたものには最適な方法の一つである。しかし、流路
の一部に設けられた振動板と、振動板に対向して設けら
れた個別電極間にパルス電圧を印加し、振動板を静電気
により変形させ、ノズルからインク液滴を吐出させるも
の、即ちアクチュエータに静電気を用いたインクジェッ
トヘッドが開発されてきており、このようなインクジェ
ットヘッドの駆動方法に、上述の圧電素子によるものの
駆動方法を単純に適用したのでは、以下に述べるような
問題を生じ、実用化が困難であった。
【0005】アクチュエータに静電気を用いたインクジ
ェットヘッドは、圧電素子を用いたものと異なり、振動
板と個別電極間に発生する静電気による引力が強すぎる
と、即ち振動板と電極間に印加するパルス電圧の電圧値
が高すぎるか通電幅が長すぎると、振動板と個別電極と
が接触、短絡し、ヘッドが破壊するという静電気を用い
たインクジェットヘッド特有の問題があった。この問題
を回避するには、振動板と個別電極間の距離を充分に確
保すればよいが、振動板と電極間の距離を必要以上にと
ると、振動板と個別電極間に発生する静電気力はそのキ
ャップ長の2乗に反比例するので、プリンタとして用い
られる標準的な電圧では、インクを吐出又は流路内のイ
ンクを吸引するだけの圧力を発生させることができな
い。
【0006】ここで、アクチュエータに静電気を用いた
インクジェットヘッドの動作を更に詳細に説明する。振
動板は外部からの電圧の印加による静電気力により吸引
されて撓んだ状態となり、一方で、振動板は撓んだ状態
で復元力を生ずる。従って、アクチュエータに電圧を印
加した時の振動板の撓み量(振動板の変位量)は、静電
気力と振動板の復元力とが釣りあった位置となる。振動
板の復元力Pと変位量xは振動板のコンプライアンスを
Cとすると、 P=x/C …(1) で表される。また、静電気力は、実行電圧をVa、ギャ
ップ量をδ、誘電率をεとすると、 P=ε/2{Va/(δ−x)} …(2) で表される。この式(1)及び式(2)から振動板の変
位の釣合の位置が決まる。
【0007】図10は振動板の変位量と静電気力及び振
動板の復元力との関係を上式から求めた特性図である。
横軸に振動板変位量xを、縦軸は静電気力及び振動復元
力による発生圧力を示してある。計算に使用したパラメ
ータは実際の実験に使ったものであり、それは以下の通
りである。 C=5×10-13 [m2 /N],δ=0.25[μ
m],ε=8.85[pF/m] 静電気力は印加電圧ごとに計算されており、図中の曲線
でそれぞれ示されている。これらの曲線と振動板復元力
とを示す直線との交点が釣合の位置であり、この交点は
各印加電圧における振動板の撓み量(変位量)を示して
いる。また、振動板の復元力と静電気力が交わらない印
加電圧(例えば35V)では(1)式と(2)式を満足
する正の実数解が存在しないため、変位は無限大とな
る。実際には対抗電極(個別電極)があるため、振動板
は対抗電極(個別電極)まで変位する。即ち振動板は対
抗電極(個別電極)に接触、短絡することになる。
【0008】また、振動板と個別電極に絶縁性の高い保
護膜を形成して短絡を防止しても、振動板と個別電極と
が保護膜を介して接触し、保護膜に極めて大きな電圧が
かかり、また、前述のように振動板と電極間の距離を必
要以上に大きくとれないので保護膜自体も非常に薄く形
成しなければならないため、ヘッドが破壊しやすく、実
用上の充分な寿命は得られない。
【0009】このようなことから振動板と個別電極間の
ギャップ長さを適切にとり、かつ振動板を個別電極に接
触しない範囲でぎりぎりまで撓ませてインクを吐出する
ことが望まれるが、振動板が個別電極に近接したギャッ
プ長が短い領域においては、駆動電圧に対する振動板の
撓み量が大きく、振動板の撓み量の制御が難しいという
問題点があった。
【0010】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、振動板が個別電極に接触する
のを回避して長時間使用しても破壊等の不具合を生ぜず
信頼性が高く、かつ低い駆動電圧で効率よく駆動するこ
とができるインクジェットヘッドを提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、ノズルと、ノズルに連通するインク流路と、
流路の一部に設けられた振動板と、振動板に対向して設
けられた個別電極とを有し、振動板に取り付けらた共通
電極と個別電極間に駆動電圧を印加し、振動板を静電気
力により変形させ、ノズルからインク液滴を吐出するイ
ンクジェットヘッドにおいて、振動板と個別電極とによ
って形成されるアクチュエータに直列に接続された付加
コンデサを有する。この付加コンデンサは、例えば共通
電極と振動板との間に挿入された誘電体によって形成さ
れる。或いは、この付加コンデンサは、個別電極と、個
別電極に繋る端子部との間に挿入された誘電体によって
形成される。
【0012】
【作用】図11は振動板の変位量とアクチュエータの静
電容量の関係とを数値計算により求めたものの特性図で
ある。振動板が変位すると、個別電極との距離が縮ま
り、振動板の変位により振動板と個別電極により構成さ
れるアクチュエータの静電容量は大きくなる。横軸に振
動板の変位量を、縦軸に静電容量を示してある。静電容
量は振動板の変位に対してこの場合には約370[p
F]〜1000[pF]まで増加することが分かる。
【0013】図12は図10で求めた振動板の駆動電圧
に対する変位量を計算した結果を示した特性図である。
横軸に端子電圧を、縦軸に振動板の変位量を示してあ
る。ここで、端子電圧に対する振動板の変位について説
明する。駆動電圧Vaをアクチュエータに実際に印加す
る電圧、Vhを端子電圧とすると、振動板の変位は駆動
Vaにより一義的に決まる。また、付加コンデンサを付
けた場合に、付加コンデンサの容量をCo、アクチュエ
ータの容量をCa(x)とすると、駆動電圧は、 Va=Co/{Co+Ca(x)}×Vh …(3) となる。Ca(x)は図11で計算された値により求め
られるので、付加コンデンサが有る場合の端子電圧に対
する振動板の変位はこれにより求められる。付加コンデ
ンサCoが無い場合はVa=Vhとなる。このため、振
動板の変位量は図12に示されるように、付加容量なし
の曲線となる。この場合は端子電圧=駆動電圧であり、
端子電圧に対する振動板の変位量の感度は敏感になって
いることが分かる。この場合例えば0.04〜0.08
[μm]の変位を制御するためには、端子電圧を30〜
33Vの間で制御する必要がある。振動板を対抗電極
(個別電極)に衝突させずにかつ最も効率のよい変位量
を確保する為には、端子電圧を非常に狭い範囲で高精度
に制御する必要がある。
【0014】本発明においては、アクチュエータに付加
コンデンサを付加して駆動電圧Vaを制御しており、図
中の各付加容量に対応する曲線が得られている。付加容
量が小さくなるほど、付加容量が無い場合に比べて端子
電圧に対する振動板の変位量の感度は鈍くなることが分
かる。例えば0.5[nF]の付加コンデンサを設けた
場合には、0.04〜0.08[μm]の変位を制御す
るための端子電圧は45〜65[V]でよいことにな
る。実際には端子電圧が高電圧にならずにかつ、制御性
が良くなるように付加コンデンサの容量を決める。な
お、図10〜図12は本発明の作用を効果的に説明する
ために記載したものであり、これらの図において記載さ
れている各種の数値は本発明を限定するものではない。
【0015】
【実施例】図1は本発明の一実施例におけるインクジェ
ットヘッドの分解斜視図であり、一部断面図で示してあ
る。本実施例はインク液滴を基板の端部に設けたノズル
孔から吐出させるエッジエジェクトインクジェットタイ
プの例を示すものであるが、基板の上面部に設けたノズ
ル孔からインク液滴を吐出させるフェイスエジェクトタ
イプでもよい。図2は組み立てられたインクジェットヘ
ッド全体の断面側面図、図3は図2のA−A線矢視図で
ある。本実施例のインクジェットヘッド10は次に詳述
する構造を持つ3枚の基板1、2、3を重ねて接合した
積層構造となっている。
【0016】中間の第1の基板1は、シリコン基板であ
り、複数のノズル孔4を構成するように、基板1の表面
に一端より平行に等間隔で形成された複数のノズル溝1
1と、各々のノズル溝11に連通し、底壁を振動板5と
する吐出室6を構成することになる凹部12と、凹部1
2の後部に設けられたオリフィス7を構成することにな
るインク流入口のための細溝13と、各々の吐出室6に
インクを供給するための共通のインクキャビティ8を構
成することになる凹部14とを有する。また、振動板5
の下部には後述する電極を装着するため振動室9を構成
することになる凹部15が設けられている。
【0017】本実施例においては、振動板5とこれに対
向して配置される個別電極との対向間隔、即ちギャップ
部16の長さG(図3参照、以下「ギャップ長」と記
す。)が、凹部15の深さと電極の厚さとの差になるよ
うに、間隔保持手段を第1の基板1の下面に形成した振
動室用の凹部15により構成されている。また、別の例
として凹部の形成は第2の基板2の上面でもよい。ここ
では、凹部15の深さをエッチングにより0.6μmと
している。なお、ノズル溝11のピッチは0.72mm
であり、その幅は70μmである。
【0018】また、第1の基板1への共通電極17の付
与については、半導体及び電極である金属の材料による
仕事関数の大小が重要であり、本実施例では共通電極材
料にはチタンを下付けとし白金、またはクロムを下付け
とし金を使用しているが、本実施例に限定されるもので
はなく、半導体及び電極材料の特性により別の組合わせ
でもよい。
【0019】第1の基板1の下面に接合される下側の第
2の基板にはホウ珪酸系ガラスを使用し、この第2の基
板2の接合によって振動室9を構成するとともに、第2
の基板2上の振動板5に対応する各々の位置に、金を
0.1μmスパッタし、振動板5とほぼ同じ形状に金パ
ターンを形成して個別電極21としている。個別電極2
1はリード部22及び端子部23を持つ。更に、電極端
子部23を除きパイレックススパッタ膜を全面に0.2
μm被覆して絶縁層24を形成し、インクジェットヘッ
ド駆動時の絶縁破壊、ショート等を防止するための膜を
形成している。第1の基板1の上面に接合される上側の
第3の基板3は、第2の基板2と同じくホウ珪酸系ガラ
スを用いている。この第3の基板3の接合によって、ノ
ズル孔4、吐出室6、オリフィス7及びインクキャビテ
ィ8が構成される。そして、第3の基板3にはインクキ
ャビティ8に連通するインク供給口31が設けられる。
インク供給口31は接続パイプ32及びチューブ33を
介して図示しないインクタンクに接続される。
【0020】次に、第1の基板1と第2の基板2を温度
300〜500℃、電圧500〜800Vの印加で陽極
接合し、また同条件で第1の基板1と第3の基板3を接
合し、図3のようにインクジェットヘッドを組み立て
る。陽極の接合後に、振動板5と第2の基板2上の個別
電極21との間に形成されるギャップ長さGは、凹部1
5の深さと個別電極21の厚さとの差であり、本実施例
では0.5μmにしてある。また、振動板5と個別電極
21上の絶縁層24との空隙間隔G1は0.3μmとな
っている。
【0021】上記のようにインクジェットヘッドを組み
立てた後は、共通電極17と個別電極21の端子部23
間にそれぞれ配線101により駆動回路102を接続
し、インクジェットプリンタを構成する。インク103
は、図示しないインクタンクよりインク供給口31を経
て第1の基板1の内部に供給され、インクキャビティ
8、吐出室6等を満たしている。そして、吐出室6のイ
ンクは、図3に示されるように、インクジェットヘッド
10の駆動時にノズル孔4よりインク液滴104となっ
て吐出され、記録紙105に印字される。
【0022】ところで、本実施例において、共通電極1
7は図1に示されるように2つの層17a,17bから
なっており、その下方の層17aと第1の基板1の上面
との間には、例えばSiO2 からなる誘電体35が積層
されており、これはコンデサCoを形成し、後述するよ
うに、振動板5と個別電極21とによって形成されるア
クチュエータに直列に接続される。
【0023】次に、上記のように構成されたインクジェ
ットヘッドの電気的接続について説明する。電極部分に
おける半導体と金属の接触において、印加電圧の極性に
より電流の値に大きな差がある場合と差のない場合とが
生ずるが、これは空間電荷層(空乏層ともいう)の影響
による現象として知られている。基板材質である半導体
がP形シリコンの場合は、基板電極側にマイナス電界を
かけた時(プラス極性とした時)は導体とみなせるが、
プラス電界をかけた時(マイナス極性とした時)は空間
電荷層の存在により導体とはみなせずに容量を持つこと
が分かっている。
【0024】図4は本実施例における振動板と個別電極
の部分詳細模式図であり、電荷の様子を模式化して示し
たものである。ここでは、第1の基板1にP形シリコン
を用い、第1の基板1(振動板5)側、すなわち共通電
極17をプラス極性、個別電極21側をマイナス極性に
し、共通電極17と個別電極21に駆動回路102によ
りパルス電圧を印加した場合について図示されている。
なお、この図においては説明を簡単にするため図1の誘
電体35を省略している。P形シリコンはボロンをドー
プしており、電子がドープ量だけ不足するので、ドープ
量と等しい正孔を持っていることが知られている。P形
シリコン中の正孔19は共通電極17のプラス電界によ
り、振動板5の絶縁層26側へ反発させられる。この正
孔19の移動により生じたボロンのマイナス電荷は、基
板電極17から電荷の供給を受けるので、第1の基板1
はプラス電界となり、空間電荷層を発生せず導体とみな
すこができる。また、個別電極21側はマイナス電界で
あり、この結果、印加したパルス電圧が振動板5を撓ま
せるに充分な静電気による吸引力を発生する。従って、
振動板5は個別電極21側へ撓むことになる。
【0025】図5は図4に示された振動板5と個別電極
21とによって形成されたアクチュエータ(以下その機
能に着目してコンデンサという)Caと、図1の誘電体
35によって形成されたコンデンサCoとの関係を示し
た回路図である。これらのコンデンサCa,Coは直列
に接続されており、端子電圧Vhが印加されときのコン
デンサCaの駆動電圧Vaは次式により表される。
【0026】
【数1】
【0027】このコンデンサCaは振動板5の撓み量に
応じて変化し、上述の図11に示されるように変位量が
大きくなるに従って、即ち個別電極21に近接するに従
ってその容量は大きくなる。そして、駆動電圧Vaはコ
ンデンサCaとCoとの比に応じて変化し、その詳細は
図12において述べたとおりであり、付加コンデンサC
oの容量が小さくなるほど端子電圧Vhに対する振動板
の変位の感度は鈍くなっており、端子電圧Vhが設定が
容易になっている。
【0028】図6はインクジェットヘッド10の駆動回
路の構成を示した図である。この駆動回路102は図示
のようにトランジスタ41,42,44,45等から構
成されている。待機状態においてトランジスタ42、4
5はともにオフしており、コンデンサCo,Caには端
子電圧Vhは印加されておらず、従って振動板5−個別
電極21には駆動電圧は印加されていない。このため、
振動板5は変位せず、吐出室6のインクには全く圧力を
与えない状態にある。次に、充電信号51がオンになる
と、その信号の立ち上がりでトランジスタ41がオン
し、トランジスタ42もオンするので、コンデンサC
o,Caには端子電圧Vhが印加され、これにより振動
板5−個別電極21間に上記(4)式により表される駆
動電圧Vaが印加される。従って、矢印A方向に電流が
流れ、上述のように振動板5−個別電極21間に充電さ
れた電荷によって両者の間に働く静電気力により振動板
5は個別電極21側に引き付けられて撓む。その結果、
吐出室6の容積が増大してインクを吸引する。このとき
の振動板5の撓み量は、図12に示するように付加コン
デンサCoと端子電圧Vhに依存しており、図示のよう
に端子電圧Vhに対する変化は小さいので、その撓みが
最大許容歪みdより小さくかつその近傍になるように端
子電圧Vhを設定することができ、効率の良い駆動がで
きるようになっている。
【0029】次に、充電信号51がオフになり放電信号
52がオンになると、トランジスタ41,42はオフに
なるのでコンデンサCo,Caの充電は停止し、これに
より振動板5−個別電極21間の充電は停止する。一
方、トランジスタ44がオフになりそれによりトランジ
スタ45もオンになる。トランジスタ45のオンによ
り、コンデンサCo,Ca(振動板5−個別電極21
間)に蓄積された電荷は抵抗46を介して矢印B方向に
放電される。図において、抵抗46は抵抗43に比べて
かなり小さく設定され、放電時の時定数は小さいので、
充電時間に比べて十分短い時間で放電される。この時、
振動板5は静電気力から一気に解放され、振動板5自体
の剛性により待機位置に戻り、急激に吐出室6を押圧
し、吐出室6に発生した圧力によりインク液滴104を
ノズル孔4から吐出する。なお、本実施例においてはP
形半導体基板を基板として用いたが、N形半導体基板を
基板として用いた場合には、駆動回路102とインクジ
ェットヘッド10との接続配線はP形半導体の場合とは
逆とする必要がある。
【0030】図7は上述のインクジェットヘッド10を
搭載したプリンタの概要図である。300は記録紙10
5を搬送するプラテン、301は内部にインクを貯蔵す
るインクタンクであり、インク供給チューブ306を介
してインクジェットヘッド10にインクを供給する。3
02はキャリッジであり、インクジェットヘッド10を
記録紙105の搬送方向と直行する方向に移動させる。
303はポンプであり、インクジェットヘッド10のイ
ンク吐出不良等の場合、キャップ304、廃インク回収
チューブ308を介してインクを吸引し、排インク溜3
05に回収する機能を果たしている。
【0031】図8は振動板5と個別電極21によって構
成されたコンデンサCaに直列に接続される付加コンデ
ンサCoの他の構成例を示す図である。図示のように、
個別電極21と端子部23とはリード部22a,22b
を介して接続され、リード部22aの先端部とリード部
22bの先端部との間には、ガラス等をスパッタリング
して形成された誘電体36が設けられており、この誘電
体36により上述のコンデンサCoが形成されている。
【0032】図9は上述のコンデンサCoの更に他の構
成例を示す図である。図示のように、個別電極21リー
ド部22aからは線状のリード線部37aが延びてお
り、また、端子部23とはリード部22bからも線状の
リード線部37bが延びている。これらのリード線部3
7a,37bは対向しながら渦巻き状に形成されてお
り、上述の付加コンデンサCoを形成している。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、振動
板と個別電極とによって形成されるアクチュエータ(コ
ンデンサ)に付加コンデンサを直列に挿入するようにし
たので、端子電圧に対する振動板の変位についての感度
が鈍くなり、制御性が安定し、ばらつきの少ない液吐出
が得られ、印字が良好なインクジェットプリンタが得ら
れる。更に、制御性が安定したことにより振動板と個別
電極との衝突を容易に回避することができるので、ヘッ
ドの寿命を延ばして、壊れ難い、信頼性の高いヘッドを
得ることができる。更に、振動板と個別電極との衝突を
容易に回避することができるので、振動板と個別電極間
のギャップ長を最大限利用して制御することができ、こ
れによりギャップ長を小さくとることができる。従っ
て、低い駆動電圧で効率良く駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインクジェットプリン
タの分解斜視図である。
【図2】前記実施例のインクジェットヘッドの断面側面
図である。
【図3】図2のA−A線矢視図である。
【図4】前記実施例の振動板と個別電極の部分詳細模式
図である。
【図5】図4の振動板と個別電極とによって形成された
アクチュエータ(コンデンサ)と付加コンデンサとの関
係を示した回路図である。
【図6】前記実施例のインクジェットヘッドの駆動制御
回路の構成を示した図である。
【図7】前記実施例のインクジェットヘッドを搭載した
プリンタの概要図である。
【図8】付加コンデンサの他の構成例を示した図であ
る。
【図9】付加コンデンサの更に他の構成例を示した図で
ある。
【図10】振動板の変位量と静電吸引力及び振動板の復
元力との関係を示した特性図である。
【図11】振動板の変位量とアクチュエータの静電容量
との関係を示した特性図である。
【図12】振動板の端子電圧とにその変位量との関係を
示した特性図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルと、該ノズルに連通するインク流
    路と、該流路の一部に設けられた振動板と、該振動板に
    対向して設けられた個別電極とを有し、前記振動板に取
    り付けらた共通電極と前記個別電極間に駆動電圧を印加
    し、前記振動板を静電気力により変形させ、前記ノズル
    からインク液滴を吐出するインクジェットヘッドにおい
    て、 前記振動板と前記個別電極とによって形成されるアクチ
    ュエータに直列に接続された付加コンデンサを有するこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記付加コンデンサは、前記共通電極と
    前記振動板との間に挿入された誘電体によって形成され
    ることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記付加コンデンサは、前記個別電極
    と、該個別電極に繋る端子部との間に挿入された誘電体
    によって形成されることを特徴とする請求項1記載のイ
    ンクジェットヘッド。
JP5187897A 1993-06-16 1993-07-29 インクジェットヘッド Pending JPH0740535A (ja)

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US08/259,656 US5668579A (en) 1993-06-16 1994-06-14 Apparatus for and a method of driving an ink jet head having an electrostatic actuator

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