JPH0740041Y2 - 非常錠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は常時は扉を閉止状態に保持し、非常時に扉を開
放可能とする非常錠に関する。

〔従来の技術〕

非常時の開放用扉は片側からデツドボルトをロツク解除
し、この扉を開放するようになっている。しかし非常扉
は非常時に他の片側から開放可能として非常時の進入用
とる要請がある。

〔考案が解決すべき課題〕

本考案は上記事実を考慮し、非常時に扉の両側のいずれ
からも開放可能とする非常錠を得ることが目的である。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の非常錠は、扉に取付けられた箱状ケースと、長
手方向に移動可能に前記ケース内に取り付けられ一端が
ケースから突出して扉を建物本体にロックするデッドボ
ルトと、前記デッドボルトの他端に把持可能に設けられ
前記扉の内側からデッドボルトを直接引張操作可能とす
る第１把手と、前記デッドボルトの移動方向と交差する
方向へ扉の外側から押圧可能に前記ケース内に取り付け
られた第２把手と、前記第２把手と前記デッドボルトと
の間に形成され第２把手の押圧力をデッドボルトのロッ
ク解除方向への移動力に変換するカム手段と、を有する
ことを特徴とし、また、前記カム手段が、前記デッドボ
ルトから突設されたピンと、前記第２把手に形成され前
記ピンと係合すると共にピンと摺動してデッドボルトを
ロック解除方向へ移動させる斜面を備えた三角形状の切
欠と、で構成されていることを特徴としている。

このため本考案では、非常時に扉の内側から第１把手を
把持し、デッドボルトを直接引張操作することによっ
て、デッドボルトが建物本体から抜き出され、ロック状
態が解除される。この第１把手は、デッドボルトの他端
に一体的に設けられているので、非常錠全体を小さく、
薄く形成できる。従って、取付部位がスペース的に制約
を受けている場合でも問題はない。

また、扉の外側から第２把手を押圧すると、カム手段に
よって、押圧力がデッドボルトのロック解除方向への移
動力に変換され、デッドボルトが建物本体から抜き出さ
れる。

このように、本考案では簡単な構造で、扉の内外からデ
ッドボルトのロック状態を解除できる。

一方、カム手段を、ピンとこのピンと係合する切欠で構
成することにより、箱状ケース側に係止手段を別途形成
しなくても、第２把手が箱状ケースから抜け落ちること
がない。

ここで、第２把手を押圧すると、ピンと摺動する切欠の
斜面の作用によって、デッドボルトのロック状態が解除
される。

〔考案の実施例〕

第２図には本考案が適用された非常扉12が建物本体14へ
ヒンジ16を介して軸支された構成が示されている。この
実施例における非常扉12は枠体18へ複数本の水平な棒材
22が掛け渡されたガラリ戸とされるが、反対側が目視不
可能とされる一般的な板状の扉であっても適用可能であ
る。

この非常扉12の一部に取付けられる非常錠24は第１図及
び第３図〜第５図に示される如く箱状ケース26が枠体18
及び棒材22へ固着されている。この箱状ケース26内には
デツドボルト28が建物本体14への進退方向（矢印Ａ方
向）に移動可能にガイド29へ案内されている。この実施
例におけるデツドボルト28は厚肉板材によって構成さ
れ、建物本体14の挿入凹部32への挿入部に補強板28Aが
固着されている。

デッドボルト28の、補強板28Aが固着された端部と反対
側の端部には、軸34の一端が固着されており、この軸34
の端は箱状ケース26から突出されると共に拡径された第
１把手36が固着されている。またこの軸34の回りには圧
縮コイルばね38が取付けられ、この圧縮コイルばね38の
一端がデツドボルト28へ、他の一端が箱状ケース26へ当
接されてデツドボルト28を挿入凹部32への挿入方向に付
勢している。

従って使用者は第１把手36を非常扉12の内側から引張操
作すことによってデツドボルト28を挿入凹部32から抜き
出すことができ、これによって非常扉12が開放可能とな
る。

箱状ケース26から突出した第１把手36を覆うために透明
箱体42がビス44で箱状ケース26へ固着されている。使用
者は非常時にこの透明箱体42を箱状ケース26から強制的
に取り外した後に第１把手36を操作することになる。

箱状ケース26には側面に開口46が形成され、第２把手48
が挿入されている。この第２把手48は板形状であり、箱
状ケース26から突出した一端は屈曲された操作部48Aと
なっている。また箱状ケース26内に配置された端部付近
には略三角形状の切欠52が形成されており、その斜面52
Aはデツドボルト28から立設されたピン54と対応してい
る。

従って使用者は非常扉12の外側からこの第２把手48を箱
状ケース26内へ押し込むと（矢印Ｂ方向）切欠52Aはカ
ム作用によってピン54へ直角方向の力を生じさせ、デツ
ドボルト28が解除方向に移動するようになっている。

次に本実施例の作用を説明する。

通常状態では圧縮コイルばね38の付勢力によってデツド
ボルト28Aは挿入凹部32内へ入り込んでおり非常扉12が
閉止状態にある。

非常錠24を操作するためには非常扉12の内側から透明箱
体42を取り外し、第１把手36へ矢印Ａ方向の引張力を加
えればデツドボルト28は圧縮コイルばね38の付勢力に抗
して補強板28Aが挿入凹部32から抜き出される。これに
よって非常扉12は建物本体14に対して回転可能となり開
放される。

また建物の外側から非常錠24のロツクを解除するために
は操作部48Aを箱状ケース26内へ押し込む。これによっ
て斜面52Aはピン54を介してデツドボルト28へ移動力を
生じさせ、補強板28Aが挿入凹部32から抜き出されて同
様に非常扉12のロツクが解除される。

〔考案の効果〕

本考案は上記の構成としたので、扉の内側及び外側から
ロツクを解除することができる優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用された非常錠の実施例を示す分解
斜視図、第２図は本考案の非常錠が取付けられた非常扉
を示す正面図、第３図は第１図のIII-III線断面図、第
４図は第３図のIV-IV線断面図、第５図は第４図のv-v線
断面図である。 12……非常扉、14……建物本体、24……非常錠、28……
デツドボルト、36……第１把手、48……第２把手、52A
……斜面、54……ピン。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】扉に取付けられた箱状ケースと、長手方向
   に移動可能に前記ケース内に取り付けられ一端がケース
   から突出して扉を建物本体にロックするデッドボルト
   と、前記デッドボルトの他端に把持可能に設けられ前記
   扉の内側からデッドボルトを直接引張操作可能とする第
   １把手と、前記デッドボルトの移動方向と交差する方向
   へ扉の外側から押圧可能に前記ケース内に取り付けられ
   た第２把手と、前記第２把手と前記デッドボルトとの間
   に形成され第２把手の押圧力をデッドボルトのロック解
   除方向への移動力に変換するカム手段と、を有すること
   を特徴とする非常錠。
2. 【請求項２】前記カム手段が、前記デッドボルトから突
   設されたピンと、前記第２把手に形成され前記ピンと係
   合すると共にピンと摺動してデッドボルトをロック解除
   方向へ移動させる斜面を備えた三角形状の切欠と、で構
   成されていることを特徴とする前記請求項（１）に記載
   の非常錠。