JPH0739833B2 - スクロール流体装置 - Google Patents

スクロール流体装置

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JPH0739833B2
JPH0739833B2 JP15998988A JP15998988A JPH0739833B2 JP H0739833 B2 JPH0739833 B2 JP H0739833B2 JP 15998988 A JP15998988 A JP 15998988A JP 15998988 A JP15998988 A JP 15998988A JP H0739833 B2 JPH0739833 B2 JP H0739833B2
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修一 山本
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、密閉容器内を高圧側と低圧側とに仕切ったス
クロール流体装置に関するものである。
従来の技術 スクロール圧縮機は、吸入室が外周部にあり、吐出ポー
トが渦巻き中心部に設けられ、吐出ポートを中心とする
対称な渦巻き形の圧縮空間で吸入・圧縮され、圧縮比が
一定で、往復動式圧縮機や回転式圧縮機のような圧縮の
ための吐出弁を必要とせず、圧縮流体の流れが一方向で
圧縮トルクの変動が往復動式圧縮機や回転式圧縮機に比
べて小さく、振動や騒音も極めて小さいことが一般に知
られている。
このスクロール圧縮機を冷凍サイクル配管系に接続して
使用し、多量の液冷媒が圧縮機に戻される場合には、特
に、吸入室にも吐出室にも通じない常時密閉空間の圧縮
室内で液圧縮が生じやすく、過大な圧縮負荷による圧縮
室構成部材の破損や軸受損傷などを起こすことがあり、
スクロール圧縮機においては、特に、圧縮過負荷軽減と
液圧縮防止の何れかの手段を備えることが不可欠である
ことも知られている。
上述のような課題解決の方策として、第12図に示す如
く、スクロール圧縮機の密閉容器206の内壁に取りつけ
られたフレーム209に固定スクロール202を固定すると共
に、フレーム209の外周部に装着したO−リング214によ
り、密閉容器206内を低圧室206bと高圧室206aに密閉区
分し、この低圧室206bで吸入冷媒ガスの気液分離をする
と共に、高圧室206aから密閉容器206を介して伝わる熱
量を利用し、吸入冷媒をある程度の加熱により完全蒸発
させた後に、吸入管210を経由して圧縮室に吸入させて
液圧縮を防止する構成が考えられている(特開昭57−70
984号公報)。
発明が解決しようとする課題 しかし、第12図のような固定スクロール202の一方の側
が低圧室206bで、他方の側が圧縮室に接する構成では、
特開昭55−46046号公報の第2b図でも記載されているよ
うに、圧縮室圧力によって、固定スクロール202の中央
部が低圧室206bの方へ膨らみ変形をする。この結果、圧
縮室の軸方向隙間が増加し、圧縮冷媒ガスの漏れ量が多
くなり、圧縮効率の低下が著しいという課題があった。
このような課題解決の方策として、特開昭55−46046号
公報の第4図で記載のように、固定スクロールの背面に
背圧室を形成し、その背圧室の流体圧力によって固定ス
クロールを背圧付勢し、圧縮室圧力による固定スクロー
ル中央部の膨らみ変形を阻止し、圧縮室の軸方向隙間を
適正に維持しながら圧縮効率の低下を防ぐ構成が考えら
れている。
しかし、上述の特開昭55−46046号公報では、固定スク
ロールの背面側に特別な背圧室を形成する必要があり、
部品数が増加してコスト高であり、また、低圧室の占有
容積も小さくなり、吸入冷媒の気液分離効率が悪くなる
という課題があった。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明のスクロール流体装置
は、スクロール圧縮機構を密閉容器内に収納し、固定ス
クロールの反旋回スクロール側の鏡板の外周部には、密
閉容器と同材質系の薄肉円筒形状のライナーを圧入固定
し、固定スクロールとライナーとの組立部材により、密
閉容器内を高圧室と低圧室とに仕切るべく、ライナーの
外周部と密閉容器の内壁内とを固定し、圧縮流体を密閉
容器外に排出するための吐出管と吐出ポートとの間の連
通を仲介する高圧室には駆動軸に連結した駆動装置を配
置し、吸入流体を密閉容器内に導入するための吸入管と
吸入室との間に連通を仲介する低圧室が固定スクロール
の鏡板に接するべく構成したものである。
作用 本発明は上記構成によって、固定スクロールの鏡板が、
密閉容器とライナー外周部との溶接固定時の密閉容器の
収縮力と、ライナーの圧縮締め付け力とによって圧縮室
の側へ反り変形をし、圧縮室中央部の組立時の軸方向隙
間を予め小さくしておく。このような状態で、スクロー
ル流体装置が運転され、圧縮室の圧縮圧力と低圧室の吸
入圧力との差圧によって、固定スクロールの中央部が低
圧室の側へ押し戻され、最終的には、圧縮室の中央部
も、外周部の軸方向隙間がほぼ適正化されて正常な圧縮
室隙間を保ち、効率の良い圧縮運転を継続するものであ
る。
実施例 以下、本発明の一実施例のスクロール冷媒圧縮機につい
て、第1図〜第11図を参照しながら説明する。
第1図において、1は鉄製の密閉ケースで、その内部が
旋回スクロール18と噛み合って圧縮室を形成する固定ス
クロール部材15eにより上側のモータ室6と下側のアキ
ュームレータ室46とに仕切られている。モータ室6は高
圧雰囲気で、上部にモータ3、下部に圧縮部を配置し、
モータ3の回転子3aに固定された駆動軸4を支承する圧
縮部の本体フレーム5は、軽量化と軸受部の熱発散を主
目的とした熱伝導特性に優れたアルミニウム合金製で、
固定スクロール部材15eにボルト固定されると共に、そ
の外周部に溶接性に優れた鉄製のライナー8が焼ばめ固
定され、ライナー8の外周面が密閉ケース1に全周内接
し部分的に溶接固定されている。
モータ3の固定子3bは、密閉ケース1に内接固定されて
いる。
駆動軸4は本体フレーム5の上端部に設けられた上部軸
受11、中央部に設けられた主軸受12、本体フレーム5の
上端面とモータ3の回転子3aの下部端面との間に設けら
れたスラスト玉軸受13とで支持され、その下端部には駆
動軸4の主軸から偏心した偏心軸受14が設けられてい
る。
固定スクロール部材15eは、第3図のように、アルミニ
ウム合金製の固定スクロール15とその外周に焼きばめ固
定された溶接性に優れた鉄製の仕切りライナー79とで構
成されている。
固定スクロール15は、渦巻き状の固定スクロールラップ
15aと鏡板15bから成り、鏡板15bの中央部には、固定ス
クロールラップ15aの巻き始め部に開口する吐出ポート1
6がモータ室6に開通する吐出通路80に連通して設けら
れ、固定スクロールラップ15aの外周部には吸入室17が
設けられている。
また、固定スクロール15は、第4図のように、仕切りラ
イナー79を焼きばめした時の締め付け力や、仕切りライ
ナー79と密閉ケース1を溶接した時の仕切りライナー79
と密閉ケース1の収縮力によって、その中央部が固定ス
クロールラップ15aの方へ反った状態で組み込まれてい
る。
固定スクロールラップ15aに噛み合って圧縮室を形成す
る渦巻き状の旋回スクロールラップ18aと、駆動軸4の
偏心軸受14に支持された旋回軸18bとを直立させ、その
表面を硬化処理したラップ支持円板18cとから成るアル
ミニウム合金製の旋回スクロール18は、固定スクロール
15と本体フレーム5と駆動軸4とに囲まれて配置されて
おり、固定スクロール部材15eとで圧縮室を形成してい
る。
また、第4図のように、固定スクロール15の中央部が反
り変形しているので、圧縮室の軸方向隙間は、圧縮室の
中央部が狭められている。
吐出通路80は、本体フレーム5に取りつけられた吐出ガ
スガイド81、本体フレーム5に設けられたガス通路A80
a、固定スクロール15に設けられたガス通路B80b、ガス
通路C80cとから成り、吐出ポート16に連通して横方向に
設けられたガス通路C80cと縦方向に設けられたガス通路
B80bとの通路途中には、逆止弁装置50が設けられてい
る。
逆止弁装置50は、逆止弁穴50aと弁体50bと弁体付勢用の
バネ装置50cとから成る。逆止弁穴50aはガス通路C80cの
直径よりも大きい円筒状の横穴で、固定スクロール15の
外周面に開口し、側面にはガス通路B80bが開口してお
り、その開口端は弁体50bやバネ装置50cの外形寸法より
も小さく設定されている。
弁体50bは、ガス通路C80cと逆止弁穴50aとの接続部の段
付き部にまで移動し得る寸法構成である。
仕切りライナー79は、第1図〜第4図のように、固定ス
クロール15の段付き外周部の下側の小径外周部に焼きば
め固定され、その焼きばめ面を密封すると共に、逆止弁
穴50aの開口端を塞ぐ。
また、仕切りライナー79の外周部とその外周面部の全周
に設けられた突起条部79aとは、上部密閉ケース1aと下
部密閉ケース1bとの内壁面とに当接しており、突起条部
79aと上部密閉ケース1aと下部密閉ケース1bとが単一の
溶接ビード79bによって密封溶接されている。
冷凍サイクルの蒸発器側に通じるアキュームレータ室46
は、下部密閉ケース1bと固定スクロール部材15eとで形
成され、下部密閉ケース1bの内部には樹脂製の断熱カバ
ー82が取りつけられている。
樹脂製のバッフル83は、固定スクロール部材15eと断熱
カバー82との間に挾持されて、アキュームレータ室46を
下側の気液分離室84と上側の吸入通路85とに仕切ってい
る。
下部密閉ケース1bと断熱カバー82の側壁を貫通してバッ
フル83より下部に設けられた吸入管47は、その終端部が
バッフル83に対抗して開口し、気液分離室84と吸入通路
85とを連通するバッフル83に設けられた吸入ガイド穴86
から離れた位置に設けられている。
また、吸入管47の途中には小径の油穴87が設けられ、気
液分離室84の底部に滞留している冷媒液や潤滑油が少量
ずつ吸入管47に再流入する。
固定スクロール15に設けられた縦穴の2個の吸入穴43
は、吸入室17と吸入通路85とを連通している。
本体フレーム5に固定された割りピン形の平行ピン19に
拘束されて軸方向にのみ移動が可能なスラスト軸受20
と、固定スクロール15の鏡板15bとの間には、スペーサ2
1が設けられ、スペーサ21の軸方向寸法は、油膜による
摺動面のシール性向上のために、ラップ支持円板18cの
厚さよりも約0.015〜0.020mm大きく設定されている。
駆動軸4の偏心軸受14の底部と、旋回スクロール18の旋
回軸18bの軸部との間の偏心軸受空間36と、ラップ支持
円板18cの外周部空間37とは、旋回軸18bとラップ支持円
板18cに設けられた油穴A38aにより連通されている。
スラスト軸受20は焼結合金製で第2図、第7図、第8図
のように、その中央部が2つの平行な直線部分22と、そ
れに連なる2つの円弧状曲線部分23から成る形状の精密
な穴が貫通成形されている。
旋回スクロール18の自転阻止部材(以下、オルダムリン
グという)24は、焼結成形や射出成形工法などに適した
軽合金や強化繊維複合樹脂材料から成り、含油特性も有
し、第2図、第6図、第7図、第8図のように両面が平
行な薄い環状板24aと、その一面に設けられた一対の平
行キー部分24bとから成り、環状板24aの外輪郭は、2つ
の平行な直線部分25とそれに連なる2つの円弧状曲線部
分26から成り、直線部分25が第7図、第8図のようにス
ラスト軸受20の直線部分22に微少隙間に係合し、摺動可
能であり、平行キー部分24bの側面24cは、直線部分25の
中央部で直交し、そして第2図のように旋回スクロール
18のラップ支持円板18cに設けられた一対のキー溝71に
微少隙間で係合し、摺動可能な形状に設定されている。
なお、環状板24aの内輪郭は、外輪郭に類似した形状で
ある。また、平行キー部分24bの付け根に設けられたヘ
コミ部24bは潤滑油の通路にもなる。また、円弧状曲線
部分に設けられたヘコミ部24eも同様な潤滑油の通路で
ある。
第1図、第5図のように、本体フレーム5とスラスト軸
受20との間には約0.1mmのレリース隙間27が設けられ、
そのレリース隙間27に対向して本体フレーム5にも環状
溝28が設けられ、環状溝28を囲んだゴム製のシールリン
グ70が、本体フレーム5とスラスト軸受20との間に装着
されている。
上部密閉ケース1aの上端壁の外周部には吐出管31が、ま
た中央部にはモータ電源接続用のガラスターミナル88が
それぞれ取りつけられている。
吐出管31とガラスターミナル88との側とモータ3の側と
を、上部密閉ケース1aに取りつけられた薄板の油セパレ
ータ89が仕切り、油セパレータ89の中央部には打ち抜き
穴90が設けられている。
モータ室6の下部に設けられた吐出室油溜34は、モータ
室6の上部とモータ3の固定子3bの外周の一部をカット
して設けた冷却通路35により連通している。また、吐出
室油溜34は、本体フレーム5に設けられた油穴D38dを介
して環状溝28に通じると共に、油穴B38bを介してオルダ
ムリング24が配置された旋回スクロール18の背圧室39に
も、下部軸受11の摺動部微少隙間と主軸受12の摺動部油
溝(図示なし)を介して通じ、更に偏心軸受14に設けら
れた油溝A40aを介して偏心軸受空間36へも連通してい
る。
また、本体フレーム5に設けられた油穴B38bは、駆動軸
4の上部軸受11に対応する下部軸部4aの表面に設けられ
た螺旋状油溝41にも通じており、螺旋状油溝41の巻き方
向は、駆動軸4が正回転する時に潤滑油の粘性を利用し
たネジポンプ作用の生じるように設けられ、その終端は
上部軸受4aの途中まで形成されている。
駆動軸4の下端部の偏肉部重量と偏心量および旋回スク
ロール18の重量によって生じる回転不釣り合いは、回転
子3aの上端と下端に取りつけられたバランスウエイト7
5、76により解消される。
吸入室17にも吐出ポート16にも連通しない第2圧縮室51
と外周部空間37とは、第2圧縮室51に開口して旋回スク
ロール18のラップ支持円板18cに設けられた細径のイン
ジェクション穴52と油穴C38cとから成るインジェクショ
ン通路55で連通されている。
第10図において、横軸は駆動軸4の回転角度を示し、縦
軸は冷媒圧力を示し、吸入・圧縮・吐出過程における冷
媒ガスの圧力変化状態を示し、実線62は正常圧力で運転
時の圧力変化を示し、点線63は異常圧力上昇時の圧力変
化を示す。
第11図において、横軸は駆動軸4の回転角度を示し、縦
軸は冷媒圧力を示し、実線64は吐出室2にも吸入室17に
も連通しない第2圧縮室51a、51bのインジェクション穴
52a、52bの開口位置における圧力変化を示し、点線65は
吸入室17に連通する第1圧縮室61a、61b(第7図参照)
の定点における圧力変化を示し、一点鎖線66は吐出室2
に連通する第3圧縮室60a、60bの定点における圧力変化
を示し、二点鎖線67は第1圧縮室61a、61bと第2圧縮室
51a、51bとの間の定点における圧力変化を示し、二重点
線68は背圧室39の圧力変化を示す。
以上のように構成されたスクロール気体圧縮機につい
て、その動作を説明する。
第1図〜第11図において、モータ3によって駆動軸4が
回転駆動すると、旋回スクロール18は駆動軸4のクラン
ク機構によって駆動軸4の主軸回りに回転しようとする
が、オルダムリング24の平行キー部分24bが旋回スクロ
ール18のキー溝71に係合し、直線部分25が回転を阻止さ
れたスラスト軸受20の直線部分に係合しているので、自
転を阻止され、公転運動をして固定スクロール15と共に
圧縮室の容積を変化させ、冷媒ガスの吸入・圧縮作用を
行う。
そして、圧縮機に接続した冷凍サイクルから潤滑油を含
んだ気液混合の吸入冷媒が、吸入管47からアキュームレ
ータ室46に流入し、バッフル83に衝突し、気体と液体の
重量差や方向転換時の慣性力によって気液分離し、液冷
媒がアキュームレータ室46の底部に溜まる。
上部密閉ケース1aを介して下部密閉ケース1bに伝わるモ
ータ室6の熱量は断熱持性を備えた断熱カバー82、バッ
フル83によって遮熱され、吸入冷媒への伝熱が少ない。
また、冷媒がアキュームレータ室46に流入し、内壁など
に衝突した再に生じる衝突音や振動は、断熱カバー82に
よって遮閉、吸振される。
分離された吸入ガスは、吸入ガイド穴86、吸入通路42、
吸入穴43を順次経て吸入室17に流入し、旋回スクロール
18と固定スクロール15との間に形成された第1圧縮室61
a、61bを経て圧縮室内に閉じ込められ、常時密閉空間と
なる第2圧縮室51a,51b、第3圧縮室60a,60bへと順次移
送圧縮され、中央部の吐出ポート16から逆止弁装置50の
付勢力に抗して吐出通路80を経てモータ室6へと吐出さ
れる。
冷媒ガスが圧縮室で圧縮されることにより、圧縮室と圧
力とアキュームレータ室46の圧力との差圧によって、固
定スクロール15の鏡板15bがアキュームレータ室46の方
へ撓む。その撓み形状は、鏡板15bの中央部が大きく、
外周部が小さい。この結果、圧縮機組立時に、圧縮室中
央部の軸方向隙間が狭くなるように形成させて組み込ま
れていた圧縮室の軸方向隙間は、圧縮室の中央部、外周
部とも平準化される方向に補正される。
また固定スクロールラップ15aと旋回スクロールラップ1
8aの中央部は、その外周部よりも圧縮熱による温度が高
く、熱膨張寸法が大きい。その結果、圧縮室の軸方向隙
間は、中央部が狭く、外周部が広い状態に保たれ、圧縮
室間の圧力差が大きい中央部における圧縮冷媒ガス漏れ
が少なくなる。
吐出ガスガイド81の先端から斜め内向き方向に排出した
吐出冷媒ガスは、モータ3の回転子3aとバランスウエイ
ト75に衝突して拡散され、モータ3の下部コイルエンド
30aの巻き線の間に通過後、固定子3bの外周部の冷却通
路35を経て、モータ3を冷却しながらモータ室6の上部
空間に流れ、再び、内向きの流れに変換後、中央部の内
抜き穴90を経て、外周部の吐出管31から外部の冷凍サイ
クルへ送出される。
この際、吐出冷媒ガス中の潤滑油は、その一部がモータ
コイルエンドの多数の巻き線の表面に付着して冷媒ガス
から分離し、吐出室油溜34に収集する。
吐出室油溜34の底部の潤滑油は、モータ室6の高圧冷媒
ガスが固定スクロール15の鏡板15bと、仕切りライナー7
9との焼きばめ固定面を介して、アキュームレータ室46
に漏洩するのを油膜密封する。
なお、圧縮機運転時の温度上昇により、アルミニウム合
金製の固定スクロール15は、鉄製の仕切りライナー79よ
りも熱膨張寸法が大きいので、仕切りライナー79との焼
きばめによる締め付け力を増加しており、高圧冷媒ガス
がモータ室6からアキュームレータ室46に漏洩するの
を、一層少なくする。また、圧縮冷媒ガス圧力により圧
縮室がアキュームレータ室46に方へ膨らみ、圧縮室の軸
方向隙間が広がるのを防ぐ。
吐出室油溜34の潤滑油は、後述する経過を経て背圧室39
に流入し、次第に背圧室圧力が高まる。その背圧力によ
り旋回スクロール18のラップ支持円板18cが固定スクロ
ール15の鏡板15bに付勢接触し、圧縮室の軸方向隙間が
無くなり圧縮室が密封され、吸入冷媒ガスが効率良く圧
縮され、安定運転が継続する。
圧縮機内圧力が均衡し、アキュームレータ室46は勿論の
こと、圧縮室内にまで液冷媒が存在し、液圧縮が生じや
すい状態などからの圧縮機冷時起動初期には、圧縮室内
の圧縮冷媒圧力によって旋回スクロール18に吐出ポート
16と反対の方向のスラスト力が作用する。しかし、旋回
スクロール18の背面には付勢に必要な背圧力が生じてい
ないので、旋回スクロール18が固定スクロール15から離
れ、スラスト軸受2に支持される。この時、圧縮室の軸
方向には約0.015〜0.020mmの隙間が生じる。その結果、
圧縮室内圧力が一時的に降下して、起動初期の圧縮負荷
が軽減する。
なお、スラスト軸受20が旋回スクロール18を支持する初
期の支持力は後述する如く、シールリング70の弾性力と
補助的なバネ装置(例えば、米国特許第3600114号公
報)に依存する。
万一、圧縮室内で液圧縮などが生じて瞬時的に圧縮室圧
力が異常上昇した場合は、旋回スクロール18に作用する
スラスト力が旋回スクロール18の背面に作用する付勢力
よりも大きくなり、旋回スクロール18が軸方向に移動
し、旋回スクロール18のラップ支持円板18cが、固定ス
クロール15の鏡板15bから離れてスラスト軸受20に支持
されると共に、圧縮室の密封が解除して、圧縮室圧力が
降下し、圧縮負荷が軽減する。
吐出室油溜34の潤滑油は、油穴B38bから吸い込まれ、駆
動軸4の上部軸部4aの表面に設けられた螺旋状油溝41の
ネジポンプ作用により、スラスト玉軸受13へ給油され、
上部軸部4aの端部の微少受隙間が通過する際に、その油
膜のシール作用により、モータ室6の吐出冷媒ガス雰囲
気と上部軸受10の上流側空間とが遮断される。
吐出室油溜34の溶解吐出ガスを含んだ潤滑油は、下部軸
受11の微少隙間を通過する際に、吐出圧力と吸入圧力と
の中間圧力に減圧され、背圧室39に流入する。その後、
偏心軸受14の油溝A40a、偏心軸受空間36、旋回スクロー
ル18を通る油穴A38を経て漸次減圧されながら外周部空
間37に流入する。
外周部空間37の潤滑油は、ラップ支持円板18cに設けら
れた油穴C38c、細径のインジェクション穴52a,52bを経
て吐出ポート16にも吸入室17にも通じない第2圧縮室51
a,51bに流入し、その通路途中の各摺動面を潤滑する。
第2圧縮室51a,51bにインジェクションされた潤滑油
は、吸入冷媒ガスと共に圧縮室に流入した潤滑油と合流
し、隣接する圧縮空間の微少隙間に油膜により密封して
圧縮冷媒ガス漏れを防ぎ圧縮室間の摺動面を潤滑しなが
ら圧縮冷媒ガスと共に吐出ポート16を経てモータ室6に
再び吐出される。
また、吐出室油溜34は、環状溝28やレリース隙間27とも
通じているので、スラスト軸受20は、その背圧力により
付勢されてスペーサ21の端面に当接する。そして、旋回
スクロール18のラップ支持円板18cは、スラスト軸受20
と固定スクロール15の鏡板15bとの間で微少隙間を保持
されて円滑に摺動すると共に、固定スクロールラップ15
aの端面とラップ支持円板18cとの間、旋回スクロールラ
ップ18aの端面と鏡板15bとの間の隙間も微少に保持され
て隣接する圧縮室間の気体漏れを少なくする。
第2圧縮室51a,51bのインジェクション穴52a,52b開口部
は、第11図の如くの圧力変化をし、モータ室6の圧力に
追従して変化する背圧室圧力68よりも瞬時的に高いが平
均圧力が低い。そのため、背圧室39からの潤滑油は、間
欠的に第2圧縮室51a,51bに流入し、また、正常運転時
の背圧室圧力68よりも瞬時的に高い第2圧縮室51a,51b
内の圧縮冷媒ガスは、細径のインジェクション穴52a,52
bで減圧されて瞬時的な油穴C38cへの逆流が少なく、油
穴C38c内の圧力が背圧室圧力68よりも高くならない。
また、前述のように圧縮機起動初期には、シールリング
70の弾性力やバネ装置により、スラスト軸受20を介して
旋回スクロール18を支持するが、圧縮機起動安定後の背
圧室39に差圧給油された潤滑油は、中間圧力の付勢力を
旋回スクロール18に作用させて、ラップ支持円板18cを
鏡板15bとの摺動面に押圧油膜シールし、外周部空間37
と吸入室17との間の連通を遮断する。
また、背圧室39の潤滑油は、スラスト軸受20とラップ支
持円板18cとの摺動面の隙間に介在し、その隙間(約0.0
15〜0.020mm)を密封する。また、背圧室39の潤滑油圧
力によって、旋回スクロール18のラップ支持円板18cが
圧縮室の方へ反り変形し、固定スクロール15の場合と同
様に、圧縮室の中央部の軸方向隙間が狭くなり、圧縮室
間の圧縮冷媒ガス漏れが少なくなる。
また、冷時起動直後のように吸入冷媒ガスの圧力が非常
に高く、スクロール圧縮機の圧縮比が一定であることか
ら圧縮室圧力も非常に高くなった場合、あるいは、異常
な液圧縮が生じた場合などは、上述のように旋回スクロ
ール18が固定スクロール15から離反し、スラスト軸受20
に支持される。しかしながら、背圧付勢されたスラスト
軸受20は、異常に上昇した圧縮室圧力により生じて旋回
スクロール18に作用するスラスト荷重を支持できず、レ
リース隙間27を減少させる方向に後退して、旋回スクロ
ール18と固体スクロール15との間の軸方向隙間が拡大す
る。これにより、圧縮室間に多くの漏れが生じて圧縮室
圧力が急低下し、圧縮負荷が瞬時に軽減した後、スラス
ト軸受20が瞬時に元の位置に復帰し、背圧室39の圧力は
著しい低下もせず、安定運転が再継続する。
また、旋回スクロール18と固定スクロール15との間の軸
方向隙間部に異物の噛み込みが生じた場合も上述と同様
に、スラスト軸受20が後退して異物を除去する。
また、冷時起動初期や定常運転時に、瞬時的な液圧縮が
生じた場合の圧縮室圧力は、第10図の点線63のように異
常な圧力上昇と過圧縮が生じるが、吐出ポート16に連通
する高圧空間容積が大きいため、モータ室6圧力の上昇
は極めて小さい。
なお、液圧縮途中でスラスト軸受け20が後退することに
より、圧縮室圧力は第10図の一点鎖線63aの如く途中で
降圧する。
圧縮機停止跡は、圧縮室内圧力により旋回スクロール18
に逆旋回トルクが生じ、旋回スクロール18が逆旋回して
吐出冷媒ガスが吸入側に逆流する。この吐出冷媒ガスの
逆流に追従して、逆止弁装置50が第1図の位置から吐出
ポート16の側へ移動し、逆止弁穴50aの底面を密封して
吐出冷媒ガスの逆流を制止し、旋回スクロール18の逆旋
回が停止し、吸入通路42とガス通路C80cとの間の空間は
吸入側圧力を保持する。
また、モータ室6の圧力がある程度にまで低下すると、
吐出室油溜34の潤滑油は、給油通路の通路抵抗によって
外周部空間37への差圧給油が停止する。
また、圧縮機運転中、上部軸受11の給油上流側は、吐出
室油溜34に連通し、給油下流側は中間圧力状態の背圧室
39に連通してその間に差圧が生じ、モータ3の回転子3a
を固定した駆動軸4が旋回スクロール18の方向へ付勢さ
れる。この付勢力は、スラスト玉軸受13を介して本体フ
レーム5に支持され、駆動軸4が上部軸受10と主軸受12
との間の隙間の範囲内で、駆動軸4の不釣り合いや圧縮
負荷に起因して、倒れが生じるのを阻止して上部軸受10
と主軸受12の片当たりを防止する。
また、圧縮機運転時の温度上昇により、アルミニウム合
金製の本体フレーム5は熱膨張して鉄製のライナー8を
拡管し、ライナー8の外周面と密閉ケース1の内壁との
密着を強めて互いの剛性向上に役立つ。
また、上記実施例では吐出室油溜34の潤滑油を第2圧縮
室51a,51bに油インジェクションしたが、圧縮機使用条
件などにより吸入室17に通じる第1圧縮室61a,61bに油
インジェクションしてもよい。
また、上記実施例では、スラスト軸受20の背面に設けた
レリース隙間27や環状溝28に吐出室油溜34の潤滑油を導
入したが、モータ室6の吐出冷媒ガスや第2圧縮室51a,
51bなどから中間圧力冷媒ガスを導入してもよい。
また、上記実施例では吐出通路80に逆止弁装置50を設け
たが、密閉ケース1の内容積や潤滑油量によっては、吸
入室17と吸入穴43との間に、上下方向に作動するフリー
バルブ型の逆止弁を設けてもよい。
また、上記実施例では吸入穴43と吸入ガイド穴86との間
に吸入通路85を設けたが、吸入穴43と吸入ガイド86とを
直接連通してもよい。
以上のように上記実施例によれば、スクロール圧縮機構
を鉄製の密閉ケース1に収納し、アルミニウム合金製の
固定スクロール15の反旋回スクロール側の鏡板15bの外
周部には、密閉ケース1と同材質の鉄製薄肉円筒形状の
仕切りライナー79を焼きばめ圧入固定し、固定スクロー
ル15と仕切りライナー79により、密閉ケース1内を高圧
側のモータ室6と低圧側アキュームレータ室46とに仕切
り、モータ室6にはスクロール機構に係わるモータ3、
モータ3に連接した駆動軸4、その駆動軸4を支承する
本体フレーム5、本体フレーム5に係合する旋回スクロ
ール自転阻止用のオルダムリング24などから成る駆動装
置を配置し、アキュームレータ室46は仕切りライナー79
と固定スクロール15の鏡板15bに接すると共に、吸入室1
7に通じ、仕切りライナー79の外周部の突条部79aと密閉
ケース1とを密閉溶接固定したことにより、簡易な構成
部材で密閉ケース1内を高圧側のモータ室6と低圧側の
アキュームレータ室46とに仕切ることができ、コストが
安く、仕切り密封の信頼性も高いので、吸入冷媒の気液
分離と蓄積のためのアキュームレータ室46を固定スクロ
ール15に隣接させた構成のスクロール冷媒圧縮機の実現
がコスト、信頼性の面で可能となる。
また固定スクロール15の鏡板15bを、密閉ケース1と仕
切りライナー79の外周部の突条部79aとの溶接固定時の
密閉ケース1の収縮力と、仕切りライナー79の焼きばめ
締め付け力とによって圧縮室の側へ反り変形させ、圧縮
室中央部の組立時の軸方向隙間を予め小さくしておく事
が出来る。このような状態で、スクロール冷媒圧縮機を
運転し、圧縮室の圧縮冷媒圧力とアキュームレータ室46
の吸入圧力との差圧によって、固定スクロール15の鏡板
15bの中央部をアキュームレータ室46の側へ押し戻し、
最終的には、圧縮室の中央部、外周部の軸方向隙間が拡
大するのを防いで、正常な圧縮室隙間を保ち、圧縮冷媒
ガス漏れを少なくして圧縮効率の低下を防止できる。
また、固定スクロール15の鏡板15bと仕切りライナー79
との焼きばめ代を多くし、仕切りライナー79の締めつけ
力を増加することにより、固定スクロール15の組立時の
反り変形を多くして、圧縮室中央部の軸方向隙間を狭め
て、圧縮冷媒ガス漏れを極めて少なくし、圧縮効率を向
上することもできる。
また、上記実施例によれば、固定スクロール15がアルミ
ニウム合金製で、軟鉄製の仕切りライナー79および軟鉄
製の密閉ケース1よりも熱膨張係数が大きいことによ
り、圧縮機運転時の圧縮熱や摺動部摩擦熱による温度上
昇の結果、固定スクロール15の鏡板15bを仕切りライナ
ー79よりも膨張させ、仕切りライナー79を拡管して焼き
ばめ部の接触面圧力を増加させ、モータ室6の圧縮冷媒
ガスが焼きばめ面を介してアキュームレータ室46に漏洩
するのを少なくできる。また、アルミニウム合金製の固
定スクロール15の表面は仕切りライナー79よりも軟らか
いので、固定スクロール15と仕切りライナー79との密着
が容易で、焼きばめ面を介しての圧縮冷媒ガスの漏洩を
一層少なくできる。
また、上記実施例によれば、固定スクロール15の鏡板15
bのアキュームレータ室46側の外周部直径をモータ室6
の側の外周部直径よりも小さくし、アキュームレータ室
46の側の外周部にライナーを圧入したことにより、モー
タ室6とアキュームレータ室46との差圧力、または、圧
縮室とアキュームレータ室46との差圧力により固定スク
ロール15が仕切りライナー79から抜けるのを防ぎ、焼き
ばめ固定の信頼性を高めることができる。
また、上記実施例によれば、密閉ケース1内の上部に吐
出室を兼ねたモータ室6を配置し、下部に低圧側のアキ
ュームレータ室46を配置したことにより、モータ室6で
吐出冷媒ガスから分離した潤滑油をモータ室6の底部に
収集することができ、その潤滑油を利用して固定スクロ
ール15と仕切りライナー79との焼きばめ面を油膜密封
し、モータ室6の吐出冷媒ガスが焼きばめ面を介してア
キュームレータ室46に漏洩するのを防ぐことができる。
また、上記実施例では固定スクロール15に吐出ポート16
を設けたが、米国特許第4552518号公報でも記載されて
いるような吐出ガス通路の構成にし、吐出ポートを旋回
スクロールに設けてもよい。
また、上記実施例では冷媒圧縮機について動作を説明し
たが、潤滑油を使用する酸素、窒素、などの他の気体圧
縮機や冷媒ポンプ、油圧ポンプなどの液体ポンプの場合
も同様の作用効果を期待できる。
発明の効果 以上のように本発明は、スクロール圧縮機構を密閉容器
内に収納し、固定スクロールの反旋回スクロール側の鏡
板の外周部には、密閉容器と同材質系の薄肉円筒形状の
ライナーを圧入固定し、固定スクロールとライナーとの
組立部材により、密閉容器内を高圧室と低圧室とに仕切
るべく、ライナーの外周部と密閉容器の内壁部とを固定
し、圧縮流体を密閉容器外に排出するための吐出管と吐
出ポートとの間の連通を仲介する高圧室には駆動軸に連
結した駆動装置を配置し、吸入流体を密閉容器内に導入
するための吸入管と吸入室との間の連通を仲介する低圧
室が固定スクロールの鏡板に接するべく構成したことに
より、簡易な構成部材で密閉容器内を高圧室と低圧室と
に仕切ることができ、低コストで、吸入流体の気液分離
や蓄積のための低圧室を固定スクロールに隣接させた構
成のスクロール流体装置を実現することができる。
また、固定スクロールの鏡板を、密閉容器とライナーの
外周部との溶接固定時の密閉容器の収縮力と、ライナー
の締め付け力とによって圧縮室の側へ反り変形させ、圧
縮室中央部の組立時の軸方向隙間を予め小さくしておく
事が出来る。このような状態で、スクロール流体装置を
運転し、圧縮室と圧縮流体圧力と低圧室の吸入圧力との
差圧によって、固定スクロールの鏡板の中央部を低圧室
の側へ押し戻し、最終的には、圧縮室の中央部、外周部
の軸方向隙間が拡大するのを防いで、正常な圧縮室隙間
を保ち、圧縮流体漏れを少なくして圧縮効率の低下を防
止できる。
また、固定スクロールの鏡板とライナーとの圧入代を多
くし、ライナーの締めつけ力を増加することにより、固
定スクロールの組立時の反り変形を多くして、圧縮室中
央部の軸方向隙間を狭めて、圧縮流体漏れを極めて少な
くし、圧縮効率の向上を図ることができ、吸入流体の気
液分離と蓄積機能を備えた低圧室内蔵形スクロール流体
装置の低コスト化と圧縮効率に優れた効果を奏するもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるスクロール冷媒圧縮
機の縦断面図、第2図は同圧縮機における主要部品の分
解図、第3図は同圧縮機における固定スクロール部材と
逆止弁装置の分解断面図、第4図は固定スクロール部材
の組立後の変形を誇張した縦断面図、第5図は同圧縮機
におけるスラスト軸受部の部分詳細図、第6図は同圧縮
機におけるオルダムリングの外観図、第7図は同圧縮機
におけるオルダム機構部の組立外観図、第8図は第7図
における上平面図、第9図は第1図におけるA−A線に
沿った横断面図、第10図は同圧縮機の吸入行程から吐出
行程までの冷媒ガスの圧力変化を示す特性図、第11図は
各圧縮室における定点の圧力変化を示す特性図、第12図
は従来のアキュームレータを内蔵したスクロール気体圧
縮機の縦断面図である。 2……吐出室、3……モータ、4……駆動軸、5……本
体フレーム、6……モータ室、15……固定スクロール、
15a……固定スクロールラップ、15b……鏡板、16……吐
出ポート、17……吸入室、18……旋回スクロール、18a
……旋回スクロールラップ、18c……ラップ支持円板、2
0……スラスト軸受、27……レリース隙間、28……環状
溝、34……吐出室油溜、39……背圧室、43……吸入穴、
46……アキュームレータ室、47……吸入管、79……仕切
りライナー、83……バッフル、85……吸入通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 修一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 村松 繁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に
    形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して、
    旋回スクロールの一部をなすラップ支持円板上の旋回ス
    クロールラップを揺動回転自在に噛み合わせ、両スクロ
    ール間に渦巻き形の圧縮空間を形成し、前記固定スクロ
    ールラップ、または前記旋回スクロールラップの中心部
    には吐出ポートを設け、前記固定スクロールラップの外
    側には吸入室を設け、前記圧縮空間は、吸入側より吐出
    側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流
    体を圧縮すべく、駆動軸を支承する静止部材と前記旋回
    スクロールとの間に、前記旋回スクロールの自動阻止部
    材を係合させて前記旋回スクロールを旋回運動させるス
    クロール圧縮機構を形成し、前記スクロール圧縮機構を
    密閉容器に収納した構成において、前記固定スクロール
    の反旋回スクロール側の前記鏡板の外周部には、前記密
    閉容器と同材質系の薄肉円筒形状のライナーを圧入固定
    し、前記固定スクロールと前記ライナーとの組立部材に
    より、前記密閉容器内を高圧室と低圧室とに仕切るべ
    く、前記ライナーの外周部と前記密閉容器の内壁部とを
    固定し、圧縮流体を前記密閉容器外に排出するための吐
    出管と前記吐出ポートとの間の連通を仲介する前記高圧
    室には前記駆動軸に連結した駆動装置を配置し、吸入流
    体を前記密閉容器内に導入するための吸入管と前記吸入
    室との間の連通を仲介する前記低圧室が前記固定スクロ
    ールの前記鏡板に接するべく構成したスクロール流体装
    置。
  2. 【請求項2】固定スクロールが、ライナーおよび密閉容
    器よりも熱膨脹係数が大きい材質から成る請求項1記載
    のスクロール流体装置。
  3. 【請求項3】固定スクロールの低圧室側の外周部直径を
    高圧室側の外周部直径よりも小さくし、その低圧室側の
    外周部にライナーを圧入した請求項1または2記載のス
    クロール流体装置。
  4. 【請求項4】密閉容器内の上部に高圧室を配置し、下部
    に低圧室を配置した請求項1、2または3のいずれかに
    記載のスクロール流体装置。
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CA000604247A CA1332593C (en) 1988-06-28 1989-06-28 Scroll gas compressor
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