JPH073966U - 電線把持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電線を、その絶縁被覆を損傷させずに強力に
把持して、電線の押込み、引出し作業を容易に行い得る
電線把持具を提供する。 【構成】 一対のレバー部３の開閉操作により開閉され
る一対のクランプアーム部４の先端に、把持すべき電線
の外周に係合し得る半円筒状のクランプ爪７を、該爪の
軸線Ｏ₇ がレバー部３の枢軸６の軸線Ｏ₆ に対し傾斜す
るように固設し、このクランプ爪７に軟質の保護ライナ
９を内張りする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気部品の組立時、電線を押込んだり引出したりする際に使用する 電線把持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、電気部品の組立時、狭小な場所で電線の押込みや引出し作業を行うには 、その電線をラジオペンチで把持している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように電線の把持にラジオペンチを用いると、ラジオペンチのクランプ 部が細いため、強力に把持したとき電線の絶縁被覆を損傷させるおそれがある。

【０００４】 本考案は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、絶縁被覆を損傷させることな く電線を強力に把持して、その押込みや引出し作業を容易に行い得る電線把持具 を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の電線把持具は、中間のボス部を挟んで一 端側をレバー部、他端側をクランプアーム部とした一対の把持具半体が開閉可能 に交差するよう、両者のボス部を枢軸により相互に連結し、両者のクランプアー ム部の相対向する先端に把持すべき電線の外周面に適合し得る半円筒状のクラン プ爪をそれぞれ形成し、各クランプ爪には軟質の保護ライナを内張りしてなるこ とを第１の特徴とする。

【０００６】 また本考案の電線把持具は、上記特徴に加えて、各半円筒状クランプ爪を、そ の軸線が枢軸の軸線に対して傾斜するように形成したことを第２の特徴とする。

【０００７】

【実施例】

以下、図面により本考案の一実施例について説明する。

【０００８】 先ず図１及び図２において、電線把持具１は、一対の棒状の把持具半体２，２ を備える。各把持具半体２は、一端側のレバー部３と他端側のクランプアーム部 ４とをボス部５を介して一体に連結してなるもので、両把持具半体２，２はそれ らのボス部５，５を重ねて交差するように配置され、枢軸６により両ボス部５， ５が相対回動可能に連結される。したがって両レバー部３，３の開閉操作により 両クランプアーム部４，４間を開閉することができる。

【０００９】 両クランプアーム部４，４の相対向する先端部には、半円筒状のクランプ爪７ ，７がそれぞれ溶接等により固設される。両クランプ爪７，７は、互いに半円筒 状の内面を互いに対向させ、且つこれらの軸線Ｏ₇ が枢軸６の軸線Ｏ₆ に対し傾 斜するように配置される。その傾斜角度θは４０°〜６０°に設定することが望 ましい。

【００１０】 各クランプ爪７の横断面は中心角が１８０°より僅かに小さい円弧状をなして いて、把持すべき電線８（図３）の外周面に適用するようになっている。このク ランプ爪７の半円筒状内面にはゴム、ウレタンフォーム等の軟質材からなる保護 ライナ９が接着される。

【００１１】 次にこの実施例の作用を図３を参照ながら説明する。

【００１２】 例えばカプラ本体１０に端子金具１１を挿入係止するに当っては、先ず、端子 金具１１に接続された電線８をグロメット１２の直後で電線把持具１の両クラン プ爪７，７により把持する。このとき、両クランプ爪７，７は、それぞれ半円筒 状をなしていて、電線８の外周面を比較的広い範囲で挟圧するので、両クランプ 爪７，７に大なる把持力を加えても、電線８の外周面に加わる面圧は比較的低い 。しかも各クランプ爪７は保護ライナ９を介して電線８に接するので、面圧が低 いことゝ相俟って電線８の絶縁被覆の損傷を防止することができる。

【００１３】 このように電線把持具１により電線８をしっかり把持したまゝ、端子金具１１ をカプラ本体１０の端子挿入口１３に強く押し込めば、端子金具１１の係止凹部 １４にカプラ本体１０の係止特記１５が弾力的に係合すると共に、グロメット１ ２が端子挿入口１３に嵌合して、カプラ本体１０及び端子金具１１を水密に結合 することができる。

【００１４】 このとき、クランプ爪７，７は、その軸線Ｏ₇ を枢軸６の軸線Ｏ₆ に対し傾け てクランプアーム部４，４に固設されているので、クランプ爪７，７の、把持具 半体２，２と鈍角をなす側の一端部を端子金具１１の挿入方向に向けることによ り、クランプ爪７，７の他端側後方にレバー部３，３を位置させることになる。 したがってレバー部３，３を握った作業者は自然な姿勢で前方の端子金具１１を 見ながらカプラ本体１０への挿入作業を容易、的確に行うことができる。

【００１５】 カプラ本体１０から端子金具１１を分離するには、上記と反対の要領で行えば よいことは勿論である。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように本考案電線把持具の第１の特徴によれば、中間のボス部を挟んで 一端側をレバー部、他端側をクランプアーム部とした一対の把持具半体が開閉可 能に交差するよう、両者のボス部を枢軸により相互に連結し、両者のクランプア ーム部の相対向する先端に把持すべき電線の外周面に適合し得る半円筒状のクラ ンプ爪をそれぞれ形成し、各クランプ爪には軟質の保護ライナを内張りしてなる ので、この電線把持具により電線を、その絶縁被覆を損傷することなく強固に把 持して、その押込み、引出し作業を容易に行うことができる。

【００１７】 また本考案電線把持具の第２の特徴によれば、各半円筒状クランプ爪を、その 軸線が枢軸の軸線に対して傾斜するように形成したので、把持した電線の先を自 然な姿勢で見ながら上記作業を容易、的確に行うことができ、作業能率の向上に 寄与し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す電線把持具の平面図

【図２】同電線把持具の側面図

【図３】上記電線把持具の使用方法説明図

【符号の説明】

１ 電線把持具 ２ 把持具半体 ３ レバー部 ４ クランプアーム部 ５ ボス部 ６ 枢軸 ７ クランプ爪 ８ 電線 Ｏ₆ ボス部の軸線 Ｏ₇ クランプ爪の軸線

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中間のボス部（５）を挟んで一端側をレ
   バー部（３）、他端側をクランプアーム部（４）とした
   一対の把持具半体（２）が開閉可能に交差するよう、両
   者のボス部（５）を枢軸（６）により相互に連結し、両
   者のクランプアーム部（４）の相対向する先端に把持す
   べき電線（８）の外周面に適合し得る半円筒状のクラン
   プ爪（７）をそれぞれ形成し、各クランプ爪（７）には
   軟質の保護ライナ（９）を内張りしてなることを特徴と
   する、電線把持具。
2. 【請求項２】 請求項１記載のものにおいて、 各半円筒状クランプ爪（７）を、その軸線（Ｏ₇ ）が枢
   軸（６）の軸線（Ｏ₆）に対して傾斜するように形成し
   たことを特徴とする、電線把持具。