JPH0739606Y2 - 型枠用仕切板の固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば軽量気泡コンクリート（ALC）製パネ
ル等の建築用内外装材を成形する際に用いる型枠用仕切
板の固定装置に関する。

〔従来の技術〕 従来、例えば長さ寸法のみ異なるコンクリートパネル等
を製造する場合には、１つの成形用型枠を共通に使用す
るのが一般的であり、短尺のパネルを成形する場合に
は、長尺のパネルに合わせて作った型枠に仕切板を設置
することによって短尺のパネルを成形している。

第５図・第６図はその一例を示すもので、従来は仕切板
51の上部両側に設けた取手51a・51aを持って該仕切板51
を型枠Ｆ内に挿入し、その取手51a・51aを利用して仕切
板51の上部２箇所を固定具52で型枠Ｆの対向側板F1・F1
に固定すると共に、仕切板51の下部を押え具53で押さえ
るようにしている。

即ち、固定具52は、第５図のように型枠Ｆの対向側板F1
・F1の上縁に上方から係合するように構成してハンドル
付の押ねじ54の先端を側板F1に押付けて所定の位置に位
置決め固定し、固定具52に設けた筒部52aにハンドル付
の固定ねじ55を挿通し仕切板51の取手51aに形成したね
じ孔にねじ込んで仕切板51の上部２箇所を固定する。

また押え具53は、筒体56と、それに進退自由にねじ込ん
だねじ杆57とよりなり、筒体56に設けた係止片56aを、
型枠Ｆの底板F2に形成した溝F2aに係合して固定し、ね
じ杆57の先端57aを仕切板51の下部に当接させて仕切板5
1の移動を防ぐものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、上記従来のように一対の固定具52・52と押さ
え具53とで仕切板51を固定するものは、型枠Ｆに対する
位置決め固定が面倒な上、熟練者が注意深く設置しない
と、仕切板が外れるなど思わぬ失敗をすることがあっ
た。

また、押え具53の設置作業を行う際には、型枠Ｆの中に
入って作業をしなければならないので面倒であり、しか
も型枠Ｆの内面には、一般に成形品の型離れをよくする
ために離型用の潤滑油等が塗布されているので、仕切板
の設置作業時に手足を汚す等の不具合があり、作業方法
の改善が望まれていた。

本考案は上記のような状況の下で提案されたもので、前
記のような型枠用仕切板を簡単な操作で型枠内の所定の
位置に確実に位置決め固定することのできる固定装置を
提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本考案による型枠用仕切板
の固定装置は以下の構成としたものである。

即ち、連結ビームで一体的に連結され、型枠の対向側板
の上部に位置決め固定される左右一対のホルダに、仕切
板の上部を揺動可能に取付け、その仕切板の下部にテン
ションロッドの一端を回動自由に連結し、そのテンショ
ンロッドの他端を、上記両ホルダ間に渡した横材に進退
自由に挿通し、そのロッドの端部に仕切板を所定の位置
に移動して固定するナットを備えたことを特徴とする。

〔作用〕

上記の構成により、型枠内に仕切板を設置するに当たっ
ては、上記のナットを弛めた状態で、仕切板を取付けた
左右のホルダを、型枠の対向側板の上部に位置決め固定
し、ナットを締付けることにより、仕切板を所定の位置
に確実に位置決め固定することができる。

〔実施例〕

第１図は本考案によるコンクリート型枠用仕切板の固定
装置の一実施例を示す斜視図、第２図はその縦断正面
図、第３図は縦断側面図である。

図において、１は仕切板で、図の場合は金属等よりなる
方形の枠体２の片面に金属板３等を張った構成であり、
型枠Ｆの内面と接する左右両側辺と下辺には、スポンジ
ラバー等の弾性シール材４が取付けられている。５・５
は上記仕切板１を型枠Ｆの所定の位置に位置決め固定す
る左右一対のホルダで、その両ホルダ５・５は連結ビー
ム６で一体的に連結されている。

各ホルダ５の上部はＬ字形に形成され、その上片5aにワ
イヤ等を掛けてクレーン（不図示）等で持ち運びできる
ように構成されている。７は補強部材である。

また各ホルダ５の下部には断面Ｌ字形の位置決めガイド
片８が一体的に設けられ、そのガイド片８とホルダ５の
下部との間に、型枠Ｆの対向側板F1の上部を係合し、ガ
イド片８に設けたホルダ固定用押ねじ９を当板10を介し
て上記側板F1に押し付けることにより、両ホルダ５・５
を所定の位置に位置決め固定する構成である。

また、前記仕切板１は、第４図に示すようにその上部両
側部に設けた軸受部材11を介してホルダ12・ナット13に
より各ホルダ５に揺動可能に取付けられている。仕切板
１の下部中央部には軸受金具14を介してテンションロッ
ド15の下端が回動自由に連結され、そのテンションロッ
ド15の上端は、左右のホルダ５・５間に回動自由に取付
けた横材16にスライド自由に挿通されている。また、そ
のロッド15には雄ねじが形成され、上記横材16と上側と
下側においてそれぞれ締付ナット17と位置決めナット18
とがねじ込まれている。19・20は座金である。

以上の構成において、仕切板１を用いて軽量発泡コンク
リート製パネル等を型成形するに当たっては、予め締付
ナット17を弛め、位置決めナット18は座金20を介して横
材16に当接したとき仕切板１がホルダ２のガイド片８と
ほぼ直角になる位置に固定した状態で、仕切板１を取付
けたホルダ５・５をクレーン等で吊り上げて型枠Ｆ内に
挿入し、仕切板１を第３図鎖線示のようにテンションロ
ッド15を反対側に傾斜させた状態で左右のホルダ５・５
のガイド片８を、それぞれ型枠Ｆの対向側板F1・F1の上
縁に係合し、その上縁に沿ってスライドさせて所定の位
置に移動し、押ねじ９をねじ込んで両ホルダ５・５を固
定する。

その状態で、締付ナット17をテンションロッド15にねじ
込んで、仕切板１を第３図の鎖線位置からエンションロ
ッド15側に引寄せるもので、位置決めナット18が座金20
を介して横材16に当接するまで締付ナット17をねじ込む
と、仕切板１が第３図実線示のように型枠底面F2と直角
にかつ所定の位置に固定されると共に、仕切板１の左右
両側辺と下辺とに設けた弾性シール部材４が型枠内面に
密着してシールされる。なお、そのシール部材４の外面
寸法は自由状態において型枠内面より大きく形成し、上
記締付ナット17の締付力で仕切板１を所定の位置まで引
寄せることにより仕切板と型枠内面との間に圧縮状態で
介在されるようにするを可とする。

次いで、上記仕切板１で仕切られた型枠Ｆ内に軽量発泡
コンクリート等の母液を流し込んで、パネル等を成形す
るもので、そのとき前記シール部材４によって母液の流
失が防止されると共に、テンションロッド15が突張り棒
の役割をして母液の圧力によって仕切板１がずれるのが
防止されるものである。

〔考案の効果〕 以上説明したように本考案による仕切板の固定装置は、
仕切板とそれを保持するホルダや位置決め固定するため
の部材を一体化した１つのユニットとして構成されるの
で、取り扱いや設置作業が容易となり、作業能率を向上
させることができる。特に前記従来の仕切板下部の押え
具のように型枠内に入って設置作業を行う必要がなくな
って作業が簡略化され、実際本考案による前記実施例の
設置作業時間は従来の３分の１程度に短縮することがで
きた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による型枠用仕切板の固定装置の一実施
例を示す斜視図、第２図はその縦断正面図、第３図は縦
断側面図、第４図は一部の拡大正面図、第５図は従来例
の斜視図、第６図はその縦断側面図である。 １は仕切板、４は弾性シール部材、５はホルダ、６は連
結ビーム、９はホルダ固定用押ねじ、15はテンションロ
ッド、16は横材、17は締付ナット、18は位置決めナッ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】連結ビームで一体的に連結され、型枠の対
   向側板の上部に位置決め固定される左右一対のホルダ
   に、仕切板の上部を揺動可能に取付け、その仕切板の下
   部にテンションロッドの一端を回動自由に連結し、その
   テンションロッドの他端を、上記両ホルダ間に渡した横
   材に進退自由に挿通し、そのロッドの端部に仕切板を所
   定の位置に移動して固定するナットを備えたことを特徴
   とする型枠用仕切板の固定装置。