JPH0738922B2 - アルコール中の不純物分離方法 - Google Patents

アルコール中の不純物分離方法

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JPH0738922B2
JPH0738922B2 JP2250150A JP25015090A JPH0738922B2 JP H0738922 B2 JPH0738922 B2 JP H0738922B2 JP 2250150 A JP2250150 A JP 2250150A JP 25015090 A JP25015090 A JP 25015090A JP H0738922 B2 JPH0738922 B2 JP H0738922B2
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浩俊 堀添
徹哉 谷本
五郎 山本
良和 加納
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通商産業省基礎産業局長
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
  • Extraction Or Liquid Replacement (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は化学合成アルコール又は発酵アルコール製造プ
ロセスから生じる水/エタノール/不純物の混合物から
不純物を分離する方法に関する。
〔従来の技術〕
化学合成アルコールは通常エチレンの水和反応によって
製造され、合成反応後の組成は約20wt%のエタノールと
約80wt%の水を主成分とするが、これ以外にエチルエー
テル、アセトアルデヒド、メチルエチルケトン、2−ブ
タノール、アセトン等の微量の不純物を含んでおり、ア
ルコールの濃縮と独立に又は並行してこれらの不純物を
分離し、アルコール専売法又はJIS規格に適合するよう
に精製する必要がある。
一方、発酵アルコールは約10wt%のエタノールと約90wt
%の水を主成分とするが、これ以外にアセトアルデヒ
ド、メタノール、酢酸エチル、n−プロパノール、i−
ブタノール、n−ブタノール、i−アミルアルコール、
ジアセチル、酢酸等の微量の不純物を含んでおり、やは
り規格に適用するように精製する必要がある。
従来、これら不純物の精製は蒸留又は溶剤抽出法により
行なわれている。蒸留法では、不純物のエタノールに対
する揮発度が不純物の種類及びエタノール濃度により複
雑に変化するために、プロセスが複雑となり多くのエネ
ルギーと多大の装置コストが必要である。又、溶剤抽出
法では、液体又は超臨界状態のCO2を溶剤として用いる
方法が特開昭60−41627号公報にみられる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は合成法又は発酵法により製造された水/エタノ
ール/不純物からなる混合物から、不純物を選択的に分
離する方法に関し、水/エタノールを無水化できる溶剤
として本発明者らが特願平1−160696号で提案したプロ
パン、プロピレン、n−ブタン、i−ブタンを該不純物
の抽出溶剤として用いることによって水/エタノール/
不純物からなる混合物から不純物を分離する方法を提供
しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは超臨界状態又は擬臨界状態のプロパン、プ
ロピレン、n−ブタン、i−ブタンを抽出溶剤として用
いることによりエタノール/水混合物からエタノールを
選択的に、かつ経済的に抽出分離できることを既に見い
だしている(例えば、特願平1−160696号)。
本発明者らは、かかる溶剤と同一のものを用いて合成法
又は発酵法により製造された水/アルコール/不純物混
合物から不純物を選択的に分離する方法を鋭意検討した
結果、プロパン、プロピレン、n−ブタン、i−ブタン
を液体状態に保持して抽出溶剤として用いることによ
り、過度のアルコールを抽出することなく、経済的に大
部分の不純物を選択的に抽出できることを見出した。
すなわち、本発明者は発酵法又は化学合成法により製造
された水/エタノール/不純物からなる混合物と、液体
状態のプロパン、プロピレン、n−ブタン、i−ブタン
単独又はそれらの混合物の溶剤を、抽出塔において向流
接触させ、実質的に不純物を含まない水/エタノール/
溶剤からなる抽残相と不純物を含む溶剤相に分離し、該
溶剤相を溶剤分離塔に導入して溶剤とエタノール/不純
物に分離し、該エタノール/不純物の混合物に水を添加
して、水/エタノールからなる水相と不純物からなる有
機相に相分離し、該水相を上記抽出塔上部に再循環する
ことを特徴とするアルコール中の不純物分離方法であ
る。
以下、本発明の一実施態様を第1図に従って詳述する。
第1図において、1は向流抽出塔(充填塔,多孔板塔,
トレイ型塔などが使用しうる。)、2は原料(水/エタ
ノール/不純物)の供給ライン、3は溶剤相(溶剤,不
純物及び少量の水,エタノールからなる)の取出しライ
ン、4はラフィネート(実質的に不純物の分離された
水,エタノール及び少量の溶剤からなる)の取出しライ
ン、5は減圧弁、6はフラッシュ槽、7は溶剤ガス取出
しライン、8は水/エタノール混合物取出しライン、9
は液体溶剤供給ライン、10は減圧弁、11は減圧弁10を通
過した溶剤相供給ライン、12は溶剤分離塔(例えば加圧
蒸留塔)、13は溶剤ガス抜出しライン、14は不純物/少
量のエタノール及び水/溶剤混合物よりなるラフィネー
ト取出しライン、15は溶剤圧縮機、16は圧縮溶剤供給ラ
イン、17は加圧蒸留塔リボイラ、18は溶剤還流ライン、
19は減圧弁、20は水供給ライン、21は重力沈降槽への供
給ライン、22は重力沈降槽、23は不純物の有機物相取出
しライン及び24は水/エタノールの水相取出しラインで
ある。
(発酵アルコールの組成) 発酵アルコールの代表的な組成は下記のとおりである。
(合成アルコールの組成) 合成アルコールの代表的な組成は下記のとおりである。
原料の水/エタノール/不純物混合物は向流抽出塔1の
上部の原料供給ライン2より、一方、抽出溶剤は該向流
抽出塔1の下部の液体溶剤供給ライン9より供給し、該
抽出剤を液体状態に保持して向流抽出操作を行なうこと
により、原料中の不純物は溶剤に選択的に抽出され、溶
剤相取出しライン3より、溶剤とともに溶剤相として抜
き出される。塔底のラフィネート取出しライン4からは
不純物が実質的に分離された水/エタノール混合物が抜
き出され、この混合物は本発明者らが既に提案した方法
によりエタノールと水に分離することができる。
原料の水/エタノール/不純物からなる混合物中のエタ
ノール含有量は約5wt%から約95wt%の広範囲にわたっ
てよいが、本発明は特に40wt%以下のエタノール濃度に
対して効果的である。これは、エタノール濃度が低い
程、エタノールに対する不純物の分離度(比揮発度)が
1.0より遠ざかり、不純物をより選択的に抽出できるた
めである。
溶剤は原料1重量部に対して1〜20重量部、好ましくは
1〜10重量部である。
一方、抽出溶剤はプロパン、プロピレン、n−ブタン、
i−ブタン各々単独又はこれらの混合物として用いるこ
とができる。
抽出溶剤の液体状態とは、溶剤の臨界温度以下で、かつ
その温度における溶剤の蒸気圧以上に保持した圧力の状
態を意味する。
しかしながら、抽出溶剤の不純物抽出の選択性は温度に
よって変動し、その選択性を高めるには、温度は10〜60
℃の範囲、好ましくは10〜30℃である。
次に、溶剤相取出しライン3の溶剤相(溶剤,不純物及
び少量の水及びエタノールからなる)は、減圧弁10を介
して溶剤相供給ライン11より、溶剤分離塔12に導入さ
れ、溶剤はストリッピング蒸留操作により塔頂の溶剤ガ
ス抜出しライン13より、一方溶剤より沸点の高い不純物
及びエタノールは塔底の不純物/少量のエタノール及び
水/溶剤混合物よりなるラフィネート取出しライン14よ
り抜き出される。
前記ライン13の溶剤はガス状態であり、溶剤圧縮機15で
再圧縮してその圧縮熱を加圧蒸留塔リボイラー17で熱回
収し、向流抽出塔1へ再循環使用する。
一方、溶剤分離塔12の塔底の前記ライン14の不純物/少
量のエタノール及び水/溶剤混合物(ラフィネート)
は、減圧弁19を介し水供給ライン20より水を添加され、
ライン21を経て重力沈降槽22に導入され、ライン23より
実質的にエタノールを含まない不純物混合物を、ライン
24より実質的に不純物を含まない水/エタノール混合物
を取り出し、このものはライン24を経て原料と共に前記
ライン2より向流抽出塔1に再供給して、エタノールの
損失を防止するようにする。
(実施例1) 発酵アルコール及び合成アルコールの模擬液を、市販の
試薬を用いて作成し、1の相平衡測定セルに仕込み、
プロパンをプランジャーポンプで相平衡測定セルに所定
温度にて所定圧力になるまで供給し、約24時間保持し、
溶剤相と液相を各々微小量サンプリングしてガスクロマ
トグラフィーでその組成を分析し、下記式で定義される
エタノールに対する各不純物の比揮発度(分離度)を求
め、その結果を第1表及び第2表に示した。
α :エタノールに対するi成分の比揮発度 Ki :i成分の平衡定数 yi:溶剤相中のi成分のモル分率 xi:液相中のi成分のモル分率 この比揮発度が1.0より大きい成分程、エタノールと分
離しやすく、逆に1.0より小さいとエタノールと分離し
にくいことを示している。第1及び第2表の結果より次
のことが見出いだされた。
プロパンの超臨界条件(130℃×100kg/cm2G)よりプロ
パンの液体条件(40℃×30kg/cm2G)のほうが、エタノ
ールに対する不純物の比揮発度が大きくかつ低い圧力で
操作できるので好ましい。しかし、エタノールの比揮発
度は1.0より小さくエタノールとの分離は困難である。
(実施例2) 実施例1において、不純物としてアセトアルデヒドを対
象とし、プロパンの他にプロピレン、i−ブタン及びn
−ブタンを用い、種々の条件下で検討した。
その結果を第3表に示した。
(実施例3) 第2図に示すプロセスフロー(フローは第1図と同じ)
に従って、図中に示す条件下で第2表の合成アルコール
模擬液を処理し、水/エタノール混合物取出しライン8
より下記の組成のものが得られた。
又、エタノールの回収率は約92wt%であった。
〔発明の効果〕
(1)プロパンの超臨界条件より液体条件の方が、 ・エタノールに対する不純物の比揮発度がより大きくな
り、より選択的に抽出分離できる。
・操作圧力を低くすることができ、蒸留法に較べてコン
パクトになり、装置コストを低く抑えることができる。
(2)プロピレン、i−ブタン、n−ブタンもプロパンと
同様な効果がある。
(3)本発明者らは、特願平1−160696号で、プロパン、
プロピレン、i−ブタン、n−ブタンを抽出溶剤として
エタノール/水混合物からエタノールを選択的にかつ経
済的に抽出分離できることを提案しているが、この方法
は本発明の不純物分離法と同一の溶剤を用いており、本
発明を該方法を統合することにより ・水/エタノール/不純物を水、エタノール及び水の3
グループに分離でき、 ・溶剤貯蔵タンクや圧縮機などの数を半減でき、 ・操作が複雑にならず ・プロセス設計の自由度が増える 効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施態様を説明するための概略図、
第2図は本発明の一実施例の物質収支を説明するための
概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−25985(JP,A) 特公 昭62−9568(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発酵法又は化学合成法により製造された水
    /エタノール/不純物からなる混合物と、液体状態のプ
    ロパン、プロピレン、n−ブタン、i−ブタン単独又は
    それらの混合物の溶剤を抽出塔において向流接触させ、
    実質的に不純物を含まない水/エタノール/溶剤からな
    る抽残相と不純物を含む溶剤相に分離し、該溶剤相を溶
    剤分離塔に導入して溶剤とエタノール/不純物に分離
    し、該エタノール/不純物の混合物に水を添加して、水
    /エタノールからなる水相と不純物からなる有機相に相
    分離し、該水相を上記抽出塔上部に再循環することを特
    徴とするアルコール中の不純物分離方法。
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