JPH073793A - ケーシングドライバの施工管理装置 - Google Patents

ケーシングドライバの施工管理装置

Info

Publication number
JPH073793A
JPH073793A JP30533493A JP30533493A JPH073793A JP H073793 A JPH073793 A JP H073793A JP 30533493 A JP30533493 A JP 30533493A JP 30533493 A JP30533493 A JP 30533493A JP H073793 A JPH073793 A JP H073793A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casing
construction management
management device
driver
building
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP30533493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3201686B2 (ja
Inventor
Koji Yamagata
幸司 山形
Satoshi Nozaki
敏 野崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP30533493A priority Critical patent/JP3201686B2/ja
Publication of JPH073793A publication Critical patent/JPH073793A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3201686B2 publication Critical patent/JP3201686B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Placing Or Removing Of Piles Or Sheet Piles, Or Accessories Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 現在のケーシングの建て込み深度を容易かつ
確実に把握できる建て込み深度検出装置を提供する。 【構成】 ケーシングCの建て込み方向に往復移動する
昇降フレーム3の昇降量をベースフレーム2に取り付け
たストロークセンサ11で検出する。ベースフレーム2
上の特定位置でのケーシングCの外周面までの距離を距
離センサ10で検出する。距離センサ10の検出値が変
化するとき、昇降フレーム3によってケーシングCが駆
動されていると判断し、この間にストロークセンサ11
が検出したストローク量を建て込み深度の変化量として
取り込む。取り込まれた昇降フレーム3のストローク量
を積算し、現在の建て込み深度を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケーシングドライバに
よるケーシングの建て込み施工状況を管理する施工管理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地中へケーシングを建て込む装置の一例
として例えば図11および図12に示すものが知られて
いる。このケーシングドライバは特開昭61−2704
18号公報に開示されたもので、地表面Gにジャッキ1
を介して水平設置されるベースフレーム2と、ベースフ
レーム2の四隅の縦ガイド2a〜2dに沿って上下方向
に昇降可能に設けられた昇降フレーム3と、昇降フレー
ム3を上下に駆動する4本の油圧式のスラストシリンダ
4a〜4dと、昇降フレーム3の中心部に取付けられた
旋回輪5と、旋回輪5をその中心線の回りに回転させる
2基の油圧モータ6a,6bと、旋回輪5の内周に嵌装
されたバンド7と、バンド7の両端間で伸縮してバンド
7の内径を増減させる油圧式のバンドシリンダ8とを備
える。
【0003】以上のケーシングドライバでは、バンドシ
リンダ8を収縮したときバンド7の内周に挿入されたケ
ーシングCが締め付けられて旋回輪5と一体に回転可能
かつ昇降フレーム3と一体に昇降可能となり、バンドシ
リンダ8を伸張させたときにはバンド7が緩んで昇降フ
レーム3および旋回輪5とケーシングCとの連結が解除
される。したがって、旋回輪5を回転させつつ昇降フレ
ーム3を繰り返し昇降させるとともに、昇降フレーム3
の下降時にはケーシングCが締め付けられ、昇降フレー
ム3の上昇時にはケーシングCが解放されるようにバン
ド7の締め付け、解放動作を繰り返すことで、ケーシン
グCを昇降フレーム3のストローク量ずつ段階的に地中
へ建て込むことができる。
【0004】上記のケーシングドライバで建て込まれる
ケーシングの本数および各ケーシングの長さは作業者に
より逐次記録される。作業者はかかる記録に基づいて現
在のケーシングの建て込み深度を判断し、ハンマグラブ
バケット等の中掘り掘削機によりケーシングの建て込み
深度を越えない範囲でケーシングC内部の中掘り掘削を
行なう。ケーシングCの建て込み深度が目標深さに達す
るとケーシングCの内部に鉄筋籠が挿入され、その中央
にトレミ管が挿入されて生コンクリートが打設される。
これにより所望の杭体が施工される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したケーシングの
建て込み作業において、ケーシングCの建て込みよりも
中掘り掘削を先行させることは孔壁の崩壊や杭の信頼性
の低下を招くので許されない。しかし、上述した方法で
は、ケーシングCの建て込み本数や長さの誤記録、ある
いは記録の読み間違いによって現在の建て込み深度を誤
って把握するおそれを排除できず、これを避けるために
は複数の記録を取って相互に比較するなどの措置が必要
となって手間がかかる。かかる誤判断を防止する一手段
として、建て込まれるケーシングの外周に例えば1mご
とに目盛を付し、ケーシングの建て込み順にしたがって
各目盛に対応する建て込み深さを明記することも考えら
れる。しかし、この方法では建て込まれるケーシングの
本数が多くなると事前の作業量が増加し、手間が解消さ
れない。
【0006】また、上述したケーシングドライバによる
建て込み作業において、スラストシリンダ4a〜4dや
油圧モータ6a,6bへ供給する圧油の圧力を上昇させ
てケーシングCに過剰な押込力や回転トルクを作用させ
ると、ケーシングCの先端に取付けられた掘削ビット
(不図示)が異常摩耗あるいは損傷し、掘削効率が著し
く低下する。このため、作業者はスラストシリンダ4a
〜4dや油圧モータ6a,6bへの供給圧力を圧力計で
監視し、その指示値から現在どの程度の力でケーシング
が建て込まれているかを判断しつつ作業を続行する必要
がある。しかしながら、圧力計の指示値からケーシング
Cに作用する力を把握するには熟練が必要であった。ま
た、掘削用ビットの異常摩耗や損傷を防止するにはケー
シングCの回転数も一定以下に制限して切削速度を抑制
する必要があるが、従来のケーシングドライバではケー
シングCの回転数を検出していないので、切削速度を適
切に調整することが困難であった。
【0007】さらに、杭の垂直性の評価は、一般的に杭
長に対する杭の偏心量、すなわち傾斜勾配で評価する
が、従来の傾斜計は図11に示すXとY方向の傾斜角度
と傾斜方向のみを表示していたため、傾斜勾配を知るに
は表示された角度から判断しなければならず、傾斜勾配
を瞬時に確認することは困難であった。
【0008】本発明の目的は、現在のケーシングの建て
込み深度やケーシングの押し込み力等の施工状況を容易
かつ確実に把握できるケーシングドライバの施工管理装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1に対
応付けて説明すると、請求項1の発明は、ケーシングC
の建て込み方向に往復移動する昇降部材3とケーシング
Cとの連結および連結解除を繰り返してケーシングCの
建て込みを行なうケーシングドライバの施工管理装置に
適用される。そして、上述した目的は、昇降部材3のケ
ーシング建て込み方向への移動量を計測する昇降部材移
動量計測手段11と、昇降部材3とケーシングCとが連
結状態にあるか否かを判別する連結状態判別手段10,
20と、昇降部材移動量計測手段11が計測する移動量
と、連結状態判別手段10,20の判別結果とに基づい
てケーシングCの建て込み深度を演算する演算手段20
と、演算手段20の演算結果を表示する表示手段21と
を備えることにより達成される。
【0010】請求項2の発明では、演算手段20は、ケ
ーシングCと昇降部材3とが連結状態にあるときの昇降
部材3の移動量を積算してケーシングCの建て込み深度
を求める。
【0011】請求項3の発明では、連結状態判別手段1
0,20が、ケーシングCの外周面から離れた一定位置
からケーシングCの外周面までの距離を検出するセンサ
10を有し、このセンサ10が検出した距離情報の変化
に基づいてケーシングCと昇降部材3とが連結状態にあ
るか否かを判別する。
【0012】また、一実施例を示す図5に対応付けて説
明すると、請求項4の発明は、油圧アクチュエータ4a
〜4dによりケーシングCに所定の建て込み運動を与え
てケーシングCを建て込むケーシングドライバの施工管
理装置に適用される。そして、上述した目的は、油圧ア
クチュエータ4a〜4d,6a,6bの負荷圧力を検出
する圧力検出手段12a,12b,13a,13bと、
検出された負荷圧力に基づいてケーシングCに作用する
力を演算する演算手段30と、演算手段30の演算結果
を表示する表示手段31,33とを備えることにより上
述した目的を達成する。
【0013】請求項5の発明では、圧力検出手段12
a,12bがケーシングCを建て込み方向に移動させる
油圧シリンダ4a〜4dの負荷圧力を検出し、演算手段
30は検出された負荷圧力に基づいてケーシングCに作
用する建て込み方向の力を演算する。
【0014】請求項6の発明では、圧力検出手段13
a,13bがケーシングCを回転させる油圧モータ6
a,6bの負荷圧力を検出し、演算手段30は検出され
た負荷圧力に基づいてケーシングCに作用する回転トル
クを演算する。
【0015】請求項7の発明では、ケーシングCの建て
込み方向に対する傾きに対応した値を検出する傾き検出
手段14と、検出された傾きに対応する値に基づいてケ
ーシングCの傾斜勾配を演算する演算手段30と、演算
手段30の演算結果を表示する表示手段31,33とを
備えることにより上述した目的を達成する。
【0016】請求項8の発明では、ケーシングCの回転
数に対応した値を検出する回転数検出手段15と、検出
された回転数に対応する値からケーシングCの回転数を
演算する演算手段30と、演算手段30の演算結果を表
示する表示手段31,33とを備えることにより上述し
た目的を達成する。
【0017】請求項9の発明では、演算手段30の演算
結果を記録する記録手段32を設けた。そして、請求項
10の発明では、記録手段が、演算結果を磁気記録媒体
に記録する磁気的記録手段32と、演算結果を記録紙に
記録する紙記録手段33とを備える。請求項11の発明
では、磁気記録手段32に記録された情報をケーシング
Cの建て込み終了後に紙記録手段33に記録させる。
【0018】
【作用】請求項1の発明では、連結状態判別手段10,
20によりケーシングCと昇降部材3とが連結状態にあ
るか否かが判別されるので、昇降部材3がケーシングC
を移動させているときの昇降部材3の移動量のみを取り
出してケーシングCの建て込み深度を求めることができ
る。請求項2の発明では、昇降部材3とケーシングCと
が例えばバンド7等により連結されているときの昇降部
材3の移動量が積算されてケーシングCの建て込み深度
が求められる。請求項3の発明では、ケーシングCの横
断面が真円でない限り、センサ10の検出距離がケーシ
ングの移動に応じて変化する。この距離情報の変化に基
づいてケーシングCが昇降部材3と連結状態にあるか否
かが判別される。
【0019】また、請求項4の発明では、圧力検出手段
12a,12b,13a,13bが検出した油圧アクチ
ュエータ4a〜4d、6a,6bの負荷圧力に基づいて
ケーシングCに作用する力が演算され、その結果が表示
手段31,33で表示される。請求項5の発明では、圧
力検出手段12a,12bが検出した油圧シリンダ4a
〜4dの負荷圧力に基づいてケーシングCに作用する建
て込み方向の力が演算され、その結果が表示手段31,
33で表示される。請求項6の発明では、圧力検出手段
13a,13bが検出した油圧モータ6a,6bの負荷
圧力に基づいてケーシングCに作用する回転トルクが演
算され、その結果が表示手段31,33で表示される。
請求項7の発明では、傾き検出手段14が検出したケー
シングCの建て込み方向に対する傾きに対応する値に基
づいてケーシングCの傾斜勾配が演算され、その結果が
表示手段31,33で表示される。請求項8の発明で
は、回転数検出手段15が検出したケーシングCの回転
数に対応する値に基づいてケーシングCの回転数が演算
され、その結果が表示手段31,33で表示される。
【0020】さらに、請求項9の発明では、演算手段3
0の演算結果が記録手段32,33に記録され、その記
録から現在までの施工状況を把握できる。請求項10の
発明では、磁気的記録手段32により磁気記録媒体に記
録した演算結果を紙記録手段33により記録紙に任意に
出力して施工管理を行なうことができる。請求項11の
発明では、施工中の演算結果を施工後に紙記録手段33
で記録紙に出力させて施工管理を行なうことができる。
【0021】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0022】
【実施例】
−第1実施例− 以下、図1〜図4を参照して本発明の第1実施例を説明
する。なお、本実施例は上述した図11および図12に
示すケーシングドライバに本発明の検出装置を適用した
ものである。したがって、ケーシングドライバの構成要
素には図11,12と同一符号を付し、説明を省略す
る。
【0023】図1に示すように、本実施例ではベースフ
レーム2上に、ケーシングCの外周面の変位を検出する
距離センサ10と、昇降フレーム3の上下方向の移動量
を検出するストロークセンサ11が取付けられている。
図2に示すように、距離センサ10はケーシングCの外
周面と対向配置され、外周面からの距離Lに応じた電圧
を出力する。図1に示すように、距離センサ10の出力
はアンプ101で安定化処理並びに増幅され、フィルタ
102で高周波ノイズ成分が除去された上でADコンバ
ータ103でデジタル信号に変換されて演算器20に導
かれる。
【0024】ストロークセンサ11はベースフレーム2
に固定された本体11aと、昇降フレーム3の下端に当
接するロッド11bとを有するもので、昇降フレーム3
の昇降動作に応じてロッド11bの本体11aへの押込
み量を変化させ、この押込み量に応じた電圧を出力す
る。ストロークセンサ11の出力はアンプ111で安定
化処理並びに増幅され、フィルタ112で高周波ノイズ
成分が除去された上でADコンバータ113でデジタル
信号に変換されて演算器20に導かれる。演算器20は
ADコンバータ103,113からの出力信号に基づい
てケーシングCの建て込み深度を演算する。演算器20
で演算された建て込み深度は表示器21に表示される。
表示器21は求められた建て込み深度を経過時間との関
係で2次元表示するもので、ペンレコーダやCRTなど
の周知の表示手段が用いられる。
【0025】図3(a)はストロークセンサ11の出力
信号波形、同図(b)は距離センサ10からの出力信号
波形の一例を示すものである。ストロークセンサ11の
出力電圧Vbは昇降フレーム3がその移動範囲の上端に
あるとき最小値(0V)となり、昇降フレーム3が下方
へ向うにしたがって比例的に増加して昇降フレーム3が
下端に達したとき最大値Vbmaxとなる。したがって、
図3(a)の波形は、時刻0〜tx間で昇降フレーム3
が上端から下端まで一定速度で下降し、時刻tx〜tn間
で昇降フレーム3が一定速度で上昇し、tn〜ty間で昇
降フレーム3が一定速度で下降し、時刻ty以降は昇降
フレーム3が一定速度で上昇することを表している。
【0026】図2から明らかなように、ケーシングCは
一般に溶接構造物であるため、その横断面はほぼ楕円形
状をなし、外周面にはうねりや凹凸がある。また、バン
ド7の締め付けによりケーシングCは真円から一層大き
く変形する。このため、ケーシングCが旋回輪5ととも
に回転しつつ昇降フレーム3に伴って移動するとき、ケ
ーシングCの外周面と距離センサ10との距離Lは絶え
ず変動する。したがって、図3(b)の波形は、時刻0
〜ty間においてケーシングCがバンド7で締め付けら
れて旋回輪5および昇降フレーム3と一体に移動し、時
刻ty以降はケーシングCがバンド7から解放されるこ
とを表している。
【0027】次に、演算器20での処理手順を図4のフ
ローチャートに基づいて説明する。ケーシングCの建て
込み開始とともに図示の処理が開始され、最初のステッ
プS1では初期値として建て込み開始時点の距離センサ
10の出力Va0およびストロークセンサ11の出力V
b0を取り込む。次のステップS2では建て込み深度H
を0にリセットするとともに、サンプリング回数を表す
変数nを初期値1にセットする。ステップS3では、サ
ンプリング回数nに対応するサンプリングタイムtnが
到来したか否かを判断する。なお、サンプリングタイム
tnはケーシングCの建て込み開始以降一定秒時が経過
する毎に到来し、その計時は演算器20に内蔵したタイ
マにより行なわれる。
【0028】ステップS3でサンプリングタイムtnと
判断したときは、ステップS4でその時の距離センサ1
0の出力Vanとストロークセンサ11の出力Vbnを取
り込み、ステップS5で距離センサ10の出力Vanと
前回の出力Van-1との差ΔVa(=Van−Van-1)
を演算する。続くステップS6ではΔVaの絶対値|Δ
Va|が動作判定の基準値Vcよりも大きいか否かを判
断し、大きいと判断したときはステップS7でストロー
クセンサ11の出力Vbnと前回の出力Vbn-1との差Δ
Vb(=Vbn−Vbn-1)を演算する。なお、基準値V
cは、ケーシングCが停止していてもノイズ等で測定誤
差が生じて絶対値|ΔVa|が0よりも大きくなり得るた
め、かかる誤差をケーシングCの動作と誤認しないよう
に設定される。
【0029】ステップS8では、前回の処理までに積算
された建て込み深度Hに今回求めたΔVbnのストロー
ク換算値を加算して現在の建て込み深度Hを算出する。
ステップS9では、求めた深度Hを表示器21に表示さ
せるとともに、ステップS4で取り込んだ出力Van,
出力Vbnを次回の測定時のVan-1,Vbn-1として更
新するとともに、建て込み深度Hのデータを更新する。
この後、ステップS10で建て込み終了か否かを判断
し、建て込み終了ではないと判断したときはステップS
11でサンプリング回数nに1を加算しステップS3へ
戻る。ステップS3でサンプリングタイムtnが到来し
ていないと判断したときはステップS12で建て込み終
了か否かを判断し、終了でないと判断したときはステッ
プS3へ戻って判断を繰り返す。ステップS10または
ステップS12が肯定されたときは処理を終了する。ス
テップS6でΔVanの絶対値|ΔVa|がVc以下と判
断したときはステップS7およびステップS8の処理を
省略してステップS9へ進む。
【0030】以上の処理を図3の例に適用した場合、以
下のような作用効果が得られる。まず、ステップS1で
時刻0における距離センサ10の出力Va0およびスト
ロークセンサ11の出力Vb0(=0V)が読み込まれ
る。最初のサンプリングタイムt1が到来すると、ステ
ップS5においてVa1およびVa0からΔVaが算出さ
れ、|ΔVa|>VcのためにステップS6が肯定されて
ステップS7でVb1およびVb0からΔVbが算出さ
れ、ステップS8でΔVbがこれまでの建て込み深度H
(初回は0)に加算される。以下、時刻tyまでは|ΔV
a|>VcとなるのでΔVbが逐次計算され建て込み深
度Hに加算される。なお、時刻txを越えてtnまでの間
はΔVbが負の値となるので建て込み深度Hは徐々に減
少する。
【0031】建て込み開始からの経過時間がtyを越え
ると距離センサ10からの出力が一定となるので、ty
以降のサンプリングタイムではΔVa≦Vcとなってス
テップS6が否定される。したがって、ステップS8で
の建て込み深度Hの加算が行なわれず、時刻ty以降の
ストローク量の変化ΔVbは無視される。
【0032】図3(c)は以上の処理による表示器21
の出力波形を示すものである。図から明らかなように、
ケーシングCがバンド7で締め付けられている時刻0〜
tyの間ではストロークセンサ11の出力波形に連動し
て建て込み深度Hが増減し、バンド7が緩められる時刻
ty以降はストロークセンサ11の出力と無関係に建て
込み深度Hが一定となる。ケーシングCがバンド7で締
め付けられている間はケーシングCと昇降フレーム3と
が一体となって上下に移動し、バンド7が緩められてい
るときは昇降フレーム3が移動してもケーシングCは同
一位置に保持されるから、図3(c)の波形はケーシン
グCの建て込み深度の変化を正確に表現している。
【0033】以上説明したように、本実施例ではストロ
ークセンサ11が検出する昇降フレーム3の昇降量のう
ち、ケーシングCが実際に上下に移動しているときの昇
降量だけが加算されるので、ケーシングCの現在の建て
込み深度を正確に検出することができ、これにより中掘
り掘削の先行を確実に防止できるとともに、建て込み深
度を求めるための面倒な記録作業を省略できる。
【0034】距離センサ10およびストロークセンサ1
1は実施例のものに限らず、アンプ101,111が不
要なもの、変位を電流値の変化で表すものなど種々変更
してよい。変位をデジタル信号で出力するものを用いて
検出信号を演算器20に直接導いてもよい。距離センサ
10の出力を微分器で微分してから演算器20に導け
ば、演算器20でΔVaを求める必要がなく、処理の負
担が軽減される。ストロークセンサ11は非接触式のも
のでも良く、スラストシリンダ6にストローク検出機能
付きのものを使用して代用してもよい。昇降フレーム3
とケーシングCの連結状態の検出は、バンド7によるケ
ーシングCの締め付け力の変化やケーシングCが軸方向
に移動しているか否かを検出するなど、種々変更可能で
ある。ただし、実施例のようにケーシングCの外周面の
変位を直接監視すれば、バンド7の締め付け力が高くて
もケーシングCがスリップして建て込みが進行しない状
態を検出できるので、建て込み深度の検出精度が一層高
まる。距離センサ10を複数設けて相互の信号を比較
し、ケーシングCの移動を判断してもよい。
【0035】以上の実施例と請求項との対応において、
昇降フレーム3が昇降部材を、ストロークセンサ11が
昇降部材移動量検出手段を、距離センサ10および演算
器20が連結状態判別手段を、演算器20が請求項1〜
請求項3の演算手段を、表示器21,22が請求項1の
表示手段を構成する。
【0036】−第2実施例− 図5〜図10により第2実施例を説明する。なお、上述
した図1〜図4に示す第1実施例との共通部分には同一
符号を付し、説明を省略する。図5に示すように、本実
施例ではスラストシリンダ4a〜4dのいずれか一つの
ロッド側油圧回路およびボトム室側油圧回路に圧力セン
サ12a,12bが、油圧モータ6a,6bのいずれか
一方の入口側油圧回路および出口側油圧回路に圧力セン
サ13a,13bがそれぞれ取付けられる。なお、油圧
モータ6a,6bへの圧油の供給方向はモータ回転方向
に応じて変化するが、ここでは便宜上正転時を基準とし
て入口側、出口側を定義する。圧力センサ12a,12
b,13a,13bは、各々が接続された回路の圧力に
応じた電圧信号を出力する。これらの出力信号はアンプ
121a,121b,131a,131bにおいてそれ
ぞれ安定化処理並びに増幅され、フィルタ122a,1
22b,132a,132bで高周波ノイズ成分が除去
された上でADコンバータ123a,123b,133
a,133bでデジタル信号に変換されて演算器30に
導かれる。
【0037】昇降フレーム3には、昇降フレーム3の昇
降方向に対するケーシングCの傾斜角を、旋回輪5の回
転面内で互いに直交する2方向(図11にx,y方向と
して示す。)において検出する傾斜センサ14と、旋回
輪5の回転数に応じた周期のパルス信号を出力する回転
センサ15とが取付けられる。傾斜センサ14からは上
述した2方向におけるケーシングCの傾斜角に応じた電
圧が並列に出力される。これらの出力信号は、アンプ1
41において安定化処理並びに増幅され、フィルタ14
2で高周波ノイズ成分が除去された上でADコンバータ
143でデジタル信号に変換されて演算器30に導かれ
る。回転センサ15から出力されるパルス信号はカウン
タ16に導かれ、カウンタ16の積算値はデジタル信号
として演算器30に導かれる。
【0038】演算器30には、既述の距離センサ10お
よびストロークセンサ11の出力信号がADコンバータ
103,113を介して導かれる。演算器30は距離セ
ンサ10およびストロークセンサ11の出力信号に基づ
いてケーシングCの建て込み深度を演算するとともに、
圧力センサ12a,12bの出力信号に基づいてケーシ
ングCの押込力F1、引抜力F2、ケーシングCの先端に
取付けられた掘削ビット1個当たりの荷重(以下、ビッ
ト荷重と呼ぶ。)F3、ケーシングCと地盤との間に作
用する摩擦力fを演算し、圧力センサ13a,13bの
出力信号に基づいてケーシングCに作用する回転トルク
Tを演算し、傾斜センサ14の出力信号に基づいてケー
シングCの傾斜勾配を演算し、カウンタ16の積算値に
基づいてケーシングCの回転数Nを演算する。
【0039】ここで、図6を参照して演算器30による
上述した各物理量の算出方法を説明する。なお、回転数
Nは一定時間内のカウンタ16の積算値を換算すれば求
められるので、詳細は省略する。 回転トルクT 圧力センサ13a,13bが検出する油圧モータ6a
(または6b)の入口圧をPi、出口圧をPo、油圧モ
ータの台数をNm(実施例では2)とすれば、回転トル
クTは下式(1)で与えられる。
【数1】 T=|Pi−Po|・km・Nm ……(1) ここで、kmは油圧モータの機械効率、ギヤ減速比等か
ら定まる既知の係数である。入口圧Piと出口圧Poの
差の絶対値を取るのは、油圧モータの逆転時を考慮した
ものである。
【0040】引抜力F2 スラストシリンダ4a〜4d(図6では4a)のピスト
ンのロッド室側の受圧面積をAr、ボトム室側の受圧面
積をAb、圧力センサ12a,12bが検出するスラス
トシリンダ4aのロッド圧をPr、ボトム圧をPb、ス
ラストシリンダの本数をNc(実施例では4)とすれ
ば、4本のスラストシリンダ4a〜4dの合計推力Fs
は下式(2)で与えられる。
【数2】 Fs=|Ab・Pb−Ar・Pr|・Nc ……(2) 昇降フレーム3が上昇してケーシングCが地中から引き
抜かれるとき、圧力センサ12a,12bの検出値を上
式(2)に代入して合計推力Fsを求めれば、その値が
引抜力F2となる。
【0041】押込力F1,ビット荷重F3 昇降フレーム3が下降してケーシングCが地中に押し込
まれるときの4本のスラストシリンダ4a〜4dの合計
推力をFs1、スラストシリンダ4a〜4dの動作に伴
って昇降する部分(昇降フレーム3からケーシングCま
で)の自重をWとすれば、ケーシングCには合計推力F
s1および自重Wが下向きに、摩擦力fが上向きに働く
ので、
【数3】 F1=Fs1+W−f ……(3)
【0042】ここで、バンド7(図11参照)によりケ
ーシングCが締め付けられて昇降フレーム3と連結さ
れ、かつ昇降フレーム3がスラストシリンダ4a〜4d
に支えられて静止している状態を考える(以下、この動
作を保持動作と呼ぶ)。この保持動作時には、スラスト
シリンダ4a〜4bがケーシングCを上向きに押す力と
摩擦力fとの和が上述した自重Wと吊り合うと考えられ
るので、このときのスラストシリンダ4a〜4dの合計
推力をFs2とすれば、
【数4】 Fs2=W−f ……(4) (4)式を(3)式に代入すれば、
【数5】 F1=Fs1+Fs2 ……(5) 掘削ビットの数をNbとすれば、ビット荷重F3は、
【数6】 F3=F1/Nb ……(6)
【0043】合計推力Fs1,Fs2は、ケーシングCの
押し込み動作時および保持動作時の圧力センサ12a,
12bの検出値を(2)式にそれぞれ代入すれば求めら
れる。なお、ケーシングCの押し込み中には保持動作時
の合計推力Fs2を求めることができないので、保持動
作時が実行されて合計推力Fs2が演算されるつどその
値を演算器30の内蔵メモリに記録し、その値を(5)
式の演算で使用する。
【0044】摩擦力f 上述したケーシングCの引抜力F2は、自重Wと摩擦力
fとの和として考えられるので、
【数7】 F2=W+f ……(7) (4),(7)式からWを消去すれば、
【数8】 f=(F2−Fs2)/2 ……(8) 引抜力F2はケーシングCの引き抜き動作時の圧力セン
サ12a,12bの検出値を(2)式に代入すれば求め
られ、合計推力Fs2は保持動作時の圧力センサ12
a,12bの検出値を(2)式に代入すれば求められ、
これらの値が判明すれば直ちに摩擦力fも判明する。な
お、引抜力F2および保持動作時の合計推力Fs2を同時
に求めることはできないので、これらが演算されるつど
その値を演算器30の内蔵メモリに格納し、その値を
(8)式の演算に使用する。
【0045】傾斜勾配 上述した傾斜センサ14がn回目のサンプリングで検出
したx方向およびy方向の傾斜角をそれぞれθxn,θyn
としたとき、演算器30は指数平滑化法により第1回目
のサンプリングから第n回目のサンプリングまでの傾斜
角の移動平均値αxn,αynを下表の通り算出する。
【表1】 ρは0〜1の間で適当に設定される定数である。杭の傾
斜角αnは次式で求められる。
【数9】 αn=√((αxn2+(αyn2) ……(9) 本実施例では、1/tanαnを傾斜勾配として定義す
る。
【0046】図5を参照して説明すると、演算器30に
は、CRTや液晶パネルを用いたモニタ31,磁気記録
装置32およびプリンタ33がそれぞれ接続されるとと
もに、モニタ31およびプリンタ33の表示内容の選択
指令や各種のデータを入力する入力器34が接続され
る。演算器30は、ケーシングCの施工中に上述した方
法により各種の物理量を演算するとともに、演算結果に
対応する画像データを作成してモニタ31に出力し、演
算された各種の物理量を画像表示させる。この施工中に
表示される画像の一例を図7に示す。この画像には、ケ
ーシングCの建て込み深度、回転トルク、回転数、押込
力、ビット荷重、引抜力が数値および棒グラフ状に表示
されるとともに、ケーシングCと地盤との間の摩擦力お
よびケーシングCの傾斜勾配が数値表示される。
【0047】磁気記録装置32は、演算器30から出力
される演算結果を磁気情報に変換して磁気記録媒体に記
録する。ケーシングCの施工終了後に入力器34から特
定の物理量の演算結果の出力が指令されると、演算器3
0は指令された物理量に関するデータを磁気記録装置3
2の磁気記録媒体から読み取り、モニタ31およびプリ
ンタ33へ出力する。入力器34により複数の物理量の
相関関係を示すグラフの出力が指令されると、演算器3
0は選択された物理量に対応するデータを磁気記録装置
32から読み取ってグラフ表示用の画像データを作成
し、その画像データをモニタ31へ出力する。このと
き、入力器34からプリンタ33への出力が併せて指令
されると、演算器30は磁気記録装置32から読み取っ
たデータをグラフ型式で印刷するために必要な印刷デー
タを作成し、その印刷データをプリンタ33へ出力す
る。プリンタ33は入力された印刷データに基づいてモ
ニタ31の表示と同一内容のグラフを記録紙に印刷す
る。図7は施工後にモニタ31およびプリンタ33で出
力されるグラフの一例を示すものである。図7(a)で
は建て込み作業の経過時間に対する建て込み深度の変化
がグラフ表示され、同図(b)では建て込み深度に対す
るケーシングの回転数、回転トルク、押込力、引抜力、
ビット荷重の変化がグラフ表示されている。入力器34
ではこれらのグラフの縦軸と横軸の物理量を指令する。
なお、作業の経過時間は演算器30に備えられた時計に
より施工中に逐次計時され、上述した各種の演算値とと
もに磁気記録装置32に記録される。
【0048】次に、図9および図10によりケーシング
Cの施工中における演算器30のデータ処理手順を説明
する。なお、図示のフローチャート中、ステップS21
〜ステップS28は建て込み深度Hを算出する図4のス
テップS1〜ステップS8に対応し、ステップS40〜
ステップS42は演算を繰り返すか否かを判断する図4
のステップS10〜ステップS12に対応する処理であ
り、僅かにステップS21およびステップS24にて距
離センサ10およびストロークセンサ11の出力に加え
て圧力センサ12a,12b,13a,13b、傾斜セ
ンサ14および回転センサ15の出力を取り込む点が図
4の処理と異なるのみである。したがって、これらのス
テップについての説明は省略し、以下では本実施例の特
徴部分を説明する。
【0049】本実施例の演算器30は、ステップS21
〜ステップS28の処理により建て込み深度Hを演算し
た後、ステップS29にて前回計測した距離センサ10
の出力電圧と今回計測した出力電圧との変化量ΔVb
(ステップS27にて算出)が0か否かを判断する。0
でなければステップS30へ進み、ΔVbが正の値か否
かを判断する。正の値であればステップS31へ進み、
圧力センサ12a,12bの出力を上述した(2)式に
代入して(5)式の合計推力Fs1を求め、この値と演
算器30の内蔵メモリに格納された合計推力Fs2とに
基づいて(5)式および(6)式によりケーシングCの
押込力F1およびビット荷重F3を演算する。ステップS
30にてΔVbが正でないと判断したときはステップS
32にて圧力センサ12a,12bの出力を上述した
(2)式に代入してケーシングCの引抜力F2を演算
し、続くステップS33で演算した引抜力F2と演算器
30の内蔵メモリに格納された合計推力Fs2とに基づ
いて(8)式により摩擦力fを算出する。
【0050】ステップS29にてΔVb=0と判断した
ときはステップS34へ進み、ストロークセンサ11の
出力電圧Vbが昇降フレーム3の下限位置に対応する最
大値Vbmax(図3参照)未満か否かを判断する。最大
値Vbmax未満であればステップS35へ進み、保持動
作時におけるスラストシリンダ4a〜4dの合計推力F
s2((4),(5)式参照)を(2)式により演算す
る。ステップS35の後は上述したステップS33へ進
み、演算した合計推力Fs2と内蔵メモリに格納された
引抜力F2とから摩擦力fを演算する。
【0051】ステップS31,ステップS33の処理が
終了した後、およびステップS34にてVbが最大値V
bmax以上と判断したときはステップS36へ進み、圧
力センサ13a,13bの出力に基づいて(1)式によ
り回転トルクTを演算し、カウンタ16の積算値に基づ
いてケーシングCの回転数Nを演算し、傾斜センサ14
の出力に基づいて傾斜勾配1/tanαnを演算する。
【0052】続くステップS37では演算した建て込み
深度H、押込力F1、引抜力F2、ビット荷重F3、摩擦
力f、回転トルクT、回転数Nおよび傾斜勾配1/ta
nαnをモニタ31により表示する。この後ステップS
38にて今回のサンプリングタイムtnで演算した物理
量を磁気記録装置32に記録する。続くステップS39
では、ステップS24で取り込んだ距離センサ10およ
びストロークセンサ11の出力Van、Vbnを次回の
演算で使用するVan-1,Vbn-1として更新するととも
に、建て込み深度Hのデータを更新する。さらに、演算
器30の内蔵メモリに格納された引抜力F2、保持動作
時の合計推力Fs2のデータを今回演算した最新データ
に更新し、かつ傾斜角の移動平均値αxn,αynを次回の
演算で使用するαxn-1,αyn-1として更新する。なお、
引抜力F2および保持動作時の合計推力Fs2のうち、今
回のサンプリングタイムtnにて演算しなかった値につ
いては更新されず、演算器30の内蔵メモリにはサンプ
リングタイムtnに最も近い時点で演算した値が引続き
保持される。ステップS39の処理後はステップS40
へ進み、建て込み終了か否かを判断する。
【0053】以上の処理によれば、ストロークセンサ1
1の出力電圧Vbの変化量ΔVbが正となるケーシング
Cの押し込み動作時にはステップS29が否定され、か
つステップS30が肯定されて押込力F1およびビット
荷重F3が演算される。また、ケーシングCの引き抜き
動作時にはステップS30が否定されて引抜力F2が演
算され、その値に基づいて最新の摩擦力fが演算され
る。さらにケーシングCの保持動作時にはストロークセ
ンサ11の出力電圧Vbの変化量ΔVbが0となるので
ステップS29が肯定され、昇降フレーム3が下限に位
置しない限りステップS34が肯定されて保持動作時の
合計推力Fs2が演算され、その値に基づいて最新の摩
擦力fが演算される。なお、ステップS34を設けて昇
降フレーム3が下限に位置するとき合計推力Fs2を演
算しないようにしたのは、昇降フレーム3が下限に位置
するとバンド7が緩められ、ケーシングCが昇降フレー
ム3から解放されるためである。自重Wが不明であって
も押込力F1、引抜力F2、ビット荷重F3が演算される
ので、複数本のケーシングCを継ぎ足して施工を継続す
るときでも、ケーシングCの追加毎に一々その自重を入
力する必要はない。
【0054】以上説明したように、本実施例ではケーシ
ングCの建て込み深度H、押込力F1、引抜力F2、ビッ
ト荷重F3、回転トルクT、回転数N、傾斜勾配1/t
anαn、摩擦力fをケーシングCの施工中にモニタ3
1で一括表示するので、熟練した作業者でなくても施工
状況を容易かつ確実に把握できる。施工中のデータを施
工後に磁気記録装置32から読み出してモニタ31やプ
リンタ33に出力させることができるので、杭施工の管
理を容易に行なうことができる。また、磁気記録装置3
2およびプリンタ33により演算結果を記録するので、
モニタ31の表示を常時監視しなくても現在までの施工
状況を確実に把握できる。さらに磁気記録装置32にて
磁気記録媒体にデータを記憶させるので、プリンタ33
の記録紙が途中でなくなっても確実にデータを保存でき
る。さらに、磁気記録装置32で記録したデータのうち
必要なもののみをプリンタ33にて出力させることによ
り、記録紙を節約できる。
【0055】なお、本実施例においても圧力センサ12
a,12b,13a,13bおよび傾斜センサ14はア
ンプが不要なもの、変位を電流値の変化で表わすものな
ど種々変更可能である。変位をデジタル信号で出力する
センサを使用し、その出力を直接演算器30に導いても
よい。図7に例示したモニタ31の表示も、棒グラフを
円グラフに置換するなど種々変更可能である。ケーシン
グCの傾斜勾配は指数平滑化法によらず、他の手法を用
いて演算してもよい。
【0056】本実施例と請求項との対応において、圧力
センサ12a,12bが請求項4および請求項5の圧力
検出手段を、圧力センサ13a,13bが請求項4およ
び請求項6の圧力検出手段を、傾斜センサ14が請求項
7の傾き検出手段を、回転センサ15が請求項8の回転
数検出手段を、演算器30が請求項1〜請求項8の演算
手段を、モニタ31およびプリンタ33が請求項1〜請
求項8の表示手段を、磁気記録装置32およびプリンタ
33が請求項9の記録手段を、磁気記録装置32が請求
項10の磁気的記録手段を、プリンタ33が紙記録手段
を構成する。また、スラストシリンダ4a〜4dが請求
項4の油圧アクチュエータおよび油圧シリンダに、油圧
モータ6a,6bが請求項4の油圧アクチュエータおよ
び請求項6の油圧モータに相当する。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、昇降部材がケーシングを移動させているときの
昇降部材の移動量のみを取り出してケーシングの建て込
み深度を正確に検出できるので、建て込み深度を誤って
把握して中掘り掘削を先行させるおそれがなく、施工の
信頼性が向上する。建て込み深度を求めるために施工状
況を記録したり、事前に目盛を書込む必要がなく、作業
の手間が大幅に省かれる。請求項2の発明では、昇降部
材とケーシングとが連結されているときの昇降部材の移
動量が積算されてケーシングの建て込み深度が正確に検
出される。請求項3の発明では、ケーシングの外周面の
変位によりケーシングが移動しているか否かを正確に知
ることができ、建て込み深度の検出精度が高まる。請求
項4の発明では、ケーシングに作用する力が表示手段で
表示されるので、油圧アクチュエータの負荷圧力からケ
ーシングに作用する力を推測する必要がなく、未熟練者
でもケーシングに作用する力を容易かつ確実に把握して
過負荷による掘削ビットの異常摩耗や損傷を防止でき
る。請求項5の発明では、ケーシングに作用する建て込
み方向の力が表示手段で表示されるので、過剰な押込力
による掘削ビットの異常摩耗や損傷を防止できる。請求
項6の発明では、ケーシングに作用する回転トルクが表
示手段で表示されるので、過剰な回転トルクによる掘削
ビットの異常摩耗や損傷を防止できる。請求項7の発明
では、ケーシングの傾斜勾配が表示手段で表示されるの
で、杭の垂直精度の管理を容易に行なうことができ、熟
練した作業者でなくても垂直精度が良好な高品質の杭を
施工できる。請求項8の発明では、ケーシングの回転数
が表示手段で表示されるので、掘削ビットの切削速度を
適切な範囲に抑制してその異常摩耗や損傷を防止でき
る。請求項9の発明では施工状況を記録できるので、施
工中に逐次変化する演算結果の表示を常に確認しなくて
も現在までの施工状況の変化を確実に把握できる。請求
項10の発明では、演算結果が磁気記録媒体に記録され
るので、必要なときに所望のデータを記録紙に出力して
施工状況を確認でき、すべてのデータを記録紙に出力す
る場合と比べて記録紙を節約できるとともに、記録紙が
紛失しても施工状況を把握できる。請求項11の発明で
は、施工中の演算結果を施工後に紙記録手段で記録紙に
出力させて施工管理を行なうことができるので、施工中
の各種のデータを施工後に詳細に検討できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の施工管理装置の概略構成
を示す図。
【図2】図1の距離センサ10とケーシングCとの位置
関係を示す平面図。
【図3】図2のセンサ10,11からの出力波形と演算
器20から出力される建て込み深度との関係を示す図。
【図4】図1の演算器20での処理手順を示すフローチ
ャート。
【図5】本発明の第2実施例の施工管理装置の概略構成
を示す図。
【図6】第2実施例の装置における物理量の測定方法を
説明するための図。
【図7】図5の施工管理装置に設けられたモニタ31の
施工中の表示例を示す図。
【図8】図5の施工管理装置に設けられたモニタ31お
よびプリンタ33の施工後の表示例を示す図。
【図9】図5の演算器30での施工中のデータ処理手順
を示すフローチャート。
【図10】図9に続くフローチャート。
【図11】ケーシングドライバの一例を示す平面図。
【図12】図11のケーシングドライバの同図XII方向
からの側面図。
【符号の説明】
3 昇降フレーム 4a,4b,4c,4d スラストシリンダ 5 旋回輪 6a,6b 油圧モータ 7 バンド 10 距離センサ 11 ストロークセンサ 12a,12b,13a,13b 圧力センサ 14 傾斜センサ 15 回転センサ 20,30 演算器 21,22 表示器 31 モニタ 32 磁気記録装置 33 プリンタ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングの建て込み方向に往復移動す
    る昇降部材とケーシングとの連結および連結解除を繰り
    返して当該ケーシングの建て込みを行なうケーシングド
    ライバの施工管理装置であって、 前記昇降部材のケーシング建て込み方向への移動量を計
    測する昇降部材移動量計測手段と、 前記昇降部材と前記ケーシングとが連結状態にあるか否
    かを判別する連結状態判別手段と、 前記昇降部材移動量計測手段が計測する移動量と、前記
    連結状態判別手段の判別結果とに基づいて前記ケーシン
    グの建て込み深度を演算する演算手段と、 前記演算手段の演算結果を表示する表示手段と、を備え
    ることを特徴とするケーシングドライバの施工管理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は、前記ケーシングと前記
    昇降部材とが連結状態にあるときの前記昇降部材の移動
    量を積算して前記ケーシングの建て込み深度を求めるこ
    とを特徴とする請求項1記載のケーシングドライバの施
    工管理装置。
  3. 【請求項3】 前記連結状態判別手段は、前記ケーシン
    グの外周面から離れた一定位置から当該ケーシングの外
    周面までの距離を検出するセンサを有し、当該センサが
    検出した距離情報の変化に基づいて前記ケーシングと前
    記昇降部材とが連結状態にあるか否かを判別することを
    特徴とする請求項1または2記載のケーシングドライバ
    の施工管理装置。
  4. 【請求項4】 油圧アクチュエータによりケーシングに
    所定の建て込み運動を与えて該ケーシングを建て込むケ
    ーシングドライバの施工管理装置において、 前記油圧アクチュエータの負荷圧力を検出する圧力検出
    手段と、 検出された負荷圧力に基づいて前記ケーシングに作用す
    る力を演算する演算手段と、 前記演算手段の演算結果を表示する表示手段と、を備え
    ることを特徴とするケーシングドライバの施工管理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記圧力検出手段は前記ケーシングを建
    て込み方向に移動させる油圧シリンダの負荷圧力を検出
    し、前記演算手段は前記検出された負荷圧力に基づいて
    前記ケーシングに作用する建て込み方向の力を演算する
    ことを特徴とする請求項4記載のケーシングドライバの
    施工管理装置。
  6. 【請求項6】 前記圧力検出手段は前記ケーシングを回
    転させる油圧モータの負荷圧力を検出し、前記演算手段
    は前記検出された負荷圧力に基づいて前記ケーシングに
    作用する回転トルクを演算することを特徴とする請求項
    4または請求項5記載のケーシングドライバの施工管理
    装置。
  7. 【請求項7】 ケーシングを建て込むケーシングドライ
    バの施工管理装置において、 前記ケーシングの建て込み方向に対する傾きに対応した
    値を検出する傾き検出手段と、 検出された傾きに対応する値に基づいて前記ケーシング
    の傾斜勾配を演算する演算手段と、 前記演算手段の演算結果を表示する表示手段と、を備え
    ることを特徴とするケーシングドライバの施工管理装
    置。
  8. 【請求項8】 ケーシングをその軸線回りに回転させつ
    つ建て込むケーシングドライバの施工管理装置におい
    て、 前記ケーシングの回転数に対応した値を検出する回転数
    検出手段と、 検出された回転数に対応する値から前記ケーシングの回
    転数を演算する演算手段と、 前記演算手段の演算結果を表示する表示手段と、を備え
    ることを特徴とするケーシングドライバの施工管理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記演算手段の演算結果を記録する記
    録手段を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    か1項に記載のケーシングドライバの施工管理装置。
  10. 【請求項10】 前記記録手段は、演算結果を磁気記録
    媒体に記録する磁気的記録手段と、演算結果を記録紙に
    記録する紙記録手段とを備えることを特徴とする請求項
    9記載のケーシングドライバの施工管理装置。
  11. 【請求項11】 前記磁気記録手段に記録された情報を
    前記ケーシングの建て込み終了後に前記紙記録手段に記
    録させることを特徴とする請求項10記載のケーシング
    ドライバの施工管理装置。
JP30533493A 1992-12-17 1993-12-06 ケーシングドライバの施工管理装置 Expired - Fee Related JP3201686B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30533493A JP3201686B2 (ja) 1992-12-17 1993-12-06 ケーシングドライバの施工管理装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33743792 1992-12-17
JP4-337437 1992-12-17
JP30533493A JP3201686B2 (ja) 1992-12-17 1993-12-06 ケーシングドライバの施工管理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH073793A true JPH073793A (ja) 1995-01-06
JP3201686B2 JP3201686B2 (ja) 2001-08-27

Family

ID=26564256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30533493A Expired - Fee Related JP3201686B2 (ja) 1992-12-17 1993-12-06 ケーシングドライバの施工管理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3201686B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10131661A (ja) * 1996-11-05 1998-05-19 Hitachi Constr Mach Co Ltd ケーシングドライバの操作盤
JP2013234426A (ja) * 2012-05-02 2013-11-21 Sumitomo Forestry Co Ltd ポータブルコーン貫入試験方法
JP2015090049A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 大裕株式会社 挿入姿勢測定装置
JP2020105888A (ja) * 2018-12-28 2020-07-09 株式会社技研製作所 杭圧入機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10131661A (ja) * 1996-11-05 1998-05-19 Hitachi Constr Mach Co Ltd ケーシングドライバの操作盤
JP2013234426A (ja) * 2012-05-02 2013-11-21 Sumitomo Forestry Co Ltd ポータブルコーン貫入試験方法
JP2015090049A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 大裕株式会社 挿入姿勢測定装置
JP2020105888A (ja) * 2018-12-28 2020-07-09 株式会社技研製作所 杭圧入機

Also Published As

Publication number Publication date
JP3201686B2 (ja) 2001-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7795547B2 (en) Method of weight determination of a load carried by a lifter of a lifting device and weighing device
US5978749A (en) Pile installation recording system
US3960008A (en) Pile capacity testing means
EP3449227B1 (en) Method of weight determination of a load carried by a lifter of a lifting device and weighing device
CA2749198C (en) Construction modulus testing apparatus and method
JPH073793A (ja) ケーシングドライバの施工管理装置
CN113124972A (zh) 挖掘机物料称重的方法及其系统
CN113550288A (zh) 黏土地层侧摩阻力测量装置及测量方法
KR200385954Y1 (ko) 도로 노면의 평탄성 측정 장치
KR101904187B1 (ko) 시추공을 이용한 풍화대 강도특성 측정장치
CN115977170A (zh) 一种钻孔灌注桩的成孔质量检测装置及其检测方法
JP3352812B2 (ja) 地盤硬さの計測方法及び装置
JP5283555B2 (ja) コンクリートの性状の推定方法
CN211234555U (zh) 一种长螺旋钻机混凝土方量检测显示装置
JPH0354212B2 (ja)
JPS6358231A (ja) 杭の鉛直載荷試験方法
JP2711331B2 (ja) 削孔変位計測システム
JPH047439B2 (ja)
CN217980279U (zh) 一种强夯机夯击沉降量精确测量装置
CN111335877A (zh) 一种用于确定测井深度的计算处理设备
JP3159916B2 (ja) 搬送土量測定装置及び測定方法
JPS60195218A (ja) 動圧密工法
JP3167048B2 (ja) 岩盤上層の破砕性評価基準の設定方法およびその設定装置
CN115901039A (zh) 一种旋挖钻机压重比测量方法及装置
CN117415856A (zh) 一种机器人关节直线液压驱动机构输出力高精度检测方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090622

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100622

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110622

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110622

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120622

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120622

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130622

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees