JPH0737620B2 - 石炭液化用スラリーの調製方法 - Google Patents

石炭液化用スラリーの調製方法

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JPH0737620B2
JPH0737620B2 JP61142715A JP14271586A JPH0737620B2 JP H0737620 B2 JPH0737620 B2 JP H0737620B2 JP 61142715 A JP61142715 A JP 61142715A JP 14271586 A JP14271586 A JP 14271586A JP H0737620 B2 JPH0737620 B2 JP H0737620B2
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、連続式石炭液化装置の安定運転を達成するた
めのスラリー調製方法に関する。
(従来技術とその問題点) 石炭の液化は、固体石炭を軽質油、重質油等の液状物に
転化する技術であり、反応の原理は従来から既に知られ
ており、通常は高温高圧下で石炭に水素を添加して液化
する方法が採られる。また、固体の石炭が常温液状油に
まで転化する速度は比較的遅く、一般には1時間前後の
反応時間が必要であるが、この反応を促進もしくは良質
の液化油を得る目的で反応雰囲気下に触媒を共存させる
こともまた一般的である。
このような石炭液化反応を連続装置で実施するために
は、石炭の如き固体粉を連続的に高圧系内に圧送する必
要があるが、固体粉単独を100気圧以上の高圧反応域に
連続安定的に流送することは、現状の技術ではほとんど
不可能である。そこで、固体石炭を高圧反応域に圧送す
るために、原料石炭はあらかじめ微粉砕され、これと液
体の溶剤とが混合されて疑似液体状のスラリーが形成さ
れることになる。更に、触媒を使用する場合には、触媒
もまたスラリー中に添加されるのが一般的である。この
ような石炭スラリーは特別の配慮が為されない場合に
は、固液二相分離という不都合を非常に生じ易い。と言
うのは、スラリーを構成する各成分の比重は、溶剤が約
1.0、石炭が1.5そして触媒にいたっては2以上と大幅に
異るため、この比重差によってほぼ不可避的に相分離を
生ずることになる。
一方、石炭中には、本質的に無機質を主体とする灰分が
混在しており、特に液化用に供される石炭の如き比較的
低質炭中には、一般に10%程度の灰分が含まれる。勿
論、この灰分中には鉄等の元素も含まれているために、
灰分が石炭液化反応に対して触媒作用を示すことも十分
予想されることではあるが、しかし灰分中の例えばカル
シウム等は、液化反応装置或いは配管部等において塩の
形で析出し、配管付着或いは塊状化して沈積する等の装
置安定運転に対して甚だ不都合な現象を引き起こすこと
も、当業者間においては一般的に認められた事実であ
る。
即ち、石炭スラリーは特別な配慮を施さない場合には、
上述のような装置安定運転に重大な影響を及ぼす現象を
おこす可能性があるため、従来よりこれを回避するため
の特別の工夫が為されてきた。例えば、スラリー中に予
め鉄、コバルト、ニッケル等の化合物又は塩類を添加す
る方法(特開昭53−142402号)、或いは石炭を予め酸化
硫黄及び酸化剤で処理する方法(特開昭55−125190号)
があるが、これらの方法の目的は、炭酸カルシウムのよ
うな沈積、付着し易いカルシウム塩の生成を抑止するた
めに、カルシウムを予め付着しにくい形の塩に変換する
ことにあった。勿論、このような方法によってもカルシ
ウムに起因する不都合を抑制出来る可能性はあるが、こ
れらの方法は相当煩雑であり、プロセスの操作性もしく
は経済性の面からも好ましい方法とは言い難い点があっ
た。
(発明の目的) 本発明は、上述の問題点を改善したもので、比較的簡単
な手法によって石炭液化装置の安定運転を保証するスラ
リー調製方法を提供するものである。
(発明の構成) 本発明の石炭液化用スラリーの調製方法は、石炭、スラ
リー化溶剤及び粉末触媒よりなるスラリーを混合貯蔵す
る貯槽から循環ポンプによって1時間当り最大スラリー
貯蔵量以上の容量のスラリーを、循環配管内に0.15m/秒
以上の流速で循環させる方法において、該貯槽上部にガ
ス入口とガス出口を設けて、空気あるいは不活性ガスを
貯槽上部気相部を流通させることを特徴とする。
(実施態様及び作用) 本発明では、先ず、石炭、スラリー化溶剤及び粉末触媒
を混合してスラリーを調製し、スラリー貯槽に供給す
る。スラリーの調製方法としては、粗粒石炭の粉砕とス
ラリー化を同時に行なう湿式粉砕法と粗粒石炭を乾式粉
砕した後に溶剤と混合してスラリー化する方法とがある
が、本発明ではどちらを用いても差し支えない。このよ
うにして調製されたスラリーは、これを静置した場合に
は、一般には直ちにスラリー中の成分の比重差のために
固液二相分離が生じ、スラリーの均一化を阻害するとと
もに、反応系へのスラリーの流送が著しく困難となる。
そこで、本発明ではこのようなトラブルを回避するため
に先ず、スラリーを特定の条件下で循環させる方法を採
る。即ち、スラリー貯槽から循環ポンプによって望まし
くは1時間当り最大スラリー貯蔵量以上の容量のスラリ
ーを、循環配管内に0.15m/秒以上の流速で、かつスラリ
ー温度が80℃より高く150℃より低い温度に保持される
ように循環させるものである。本発明者らの検討によれ
ば、1時間当りのスラリー循環量がスラリー貯槽の最大
貯蔵量以下の場合には、スラリーの沈降性が完全には抑
制し難いことが判明した。また、例え循環量を多くした
場合でも、循環配管内のスラリー流速が遅い場合には配
管内にて石炭粉が沈降する傾向が認められ、これを抑止
するためには配管内のスラリー流速を0.15m/秒以上とす
る必要が認められた。更に、このようなスラリーの親和
性の向上を達成するためには、スラリーの温度を高くし
た方がその達成時間が短縮されて好ましいことが判明し
た。尚、この温度としては、80℃以上でその効果が顕著
となるが、しかしこれを150℃以上とすると循環ポンプ
の性能が低下する危険性があるために、これ以上の温度
を採用することは好ましいことではない。
一方、本発明者らは、当初このような検討を実施するに
際し、密閉式のスラリー貯槽を用いたが、或種の石炭を
使用した場合にはスラリー貯槽もしくは循環配管内に球
状粗粒の析出凝固物が沈積し、スラリーの流送を極端に
悪化させる現象が認められた。そこで、この球状析出物
の生成を防止するための種々の検討を実施してみたとこ
ろ、スラリー貯槽にパージガス吹込み入口と排出用出口
を設置し、ここより適当量の空気もしくは不活性ガス等
をスラリー貯槽に流通させる方法によって、塊状析出物
の生成が完全に回避できることが判明した。
何故、このような効果が生ずるのかその理由は明白では
ないが、貯槽を開放系としたことにより、スラリー中の
水分或いは軽質分等が適当量蒸発して系外に飛散するこ
とにより、塊状物の析出生成が抑止されているものと思
われる。
以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明する。
実施例1(比較実施例) 粉砕後の性状が第1表の値を示す石炭を、予め乾式粉砕
によって全量を100メッシュ以下に粉砕した。この石炭1
00重量部に対し、第2表に性状を示すスラリー化溶剤を
150重量部、更に第3表に性状を示す鉄系触媒2重量部
及び単体硫黄1重量部を、第1図に示すスラリー貯槽
(A)(最大貯蔵量1001)にスラリー供給口(1)から
全量で101.2重量部仕込み、スラリー温度が105℃となる
ようにヒータ(D)を設定しながら、管径が1インチ
(呼び径1B)の配管(4)をへて、循環ポンプ(B)に
よってスラリーの循環運転を行った。尚、このときのス
ラリー循環量は8001/hr、また配管(4)内のスラリー
流速は0.3m/秒であった。更に、このとき、第1図中の
ガス入口(2)及び出口(3)には盲フランジを取り付
けてスラリー貯槽を密閉系としておいた。Cはかく拌
機、5は反応系へのスラリー供給ラインである。循環開
始から約2時間でスラリー温度は105℃に達した。その
後22時間循環を続行後運転を停止した。
運転停止後、スラリー貯槽及び配管内の内容物全量を取
り出し、これを8メッシュの篩を用いて濾過したとこ
ろ、約1.2kgの篩上残留物が認められた。これら残留物
の形状はほぼ全量が球状であり、またその構成成分とし
ては無機質が高濃度で存在することが認められた。
実施例2 ガス入口(2)及び出口(3)の盲フランジを外し、ガ
ス入口より窒素を31/分で流通させた以外は、実施例1
と同様の装置及び手法でスラリーの循環運転を実施し
た。
運転後内容物全量を濾過したところ、8メッシュ篩上残
留物は認められず、球状析出物が生成していないことが
分った。
また、窒素の代わりに空気を31/分の流速で流通させて
同様の実験を行ったところ、やはり球状析出物の生成は
認められなかった。
実施例3 配管(4)の管径を1/4Bとし、スラリー流速が0.15m/S
以上となる条件の下で、スラリー循環量を第4表のよう
に変化させた以外は実施例2と同様の装置及び手法を用
いてスラリーの循環運転を実施した。
運転後、スラリーの一部をサンプリングして100℃にお
ける粘度を測定したところ、第2図に示すように、スラ
リー循環量が801/hr以下では粘度が低く、石炭スラリー
の親和性が良好でないことが判明した。
実施例4 スラリー循環量一定(1651/hr)条件の下、配管(4)
の管径を種々変更してスラリーの流速を種々変化させた
以外は実施例2と同様の装置及び手法を用いてスラリー
の循環運転を実施した。
運転後、実施例3と同様に粘度を測定したところ、第3
図に示すように、0.15m/秒以下ではスラリー性状が劣悪
であった。
実施例5 スラリー温度を種々変化させた以外は実施例2と同様の
装置及び手法を用いてスラリーの循環運転を実施した。
この際、運転中の任意の時間にスラリー貯槽内のスラリ
ーをサンプリングして粘度を測定したところ、第4図に
示すように、温度が高い程、特に80℃以上の温度におい
て、スラリーの性状改善が短時間で達成されることが判
明した。
(発明の効果) 本発明によれば、比較的簡単な手法によって、従来認め
られたスラリーの相分離、塊状析出物の沈着等の装置ト
ラブルを防止することが可能となり、その効果は顕著な
ものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を実施するためのスラリー調製装置の
1例を示す。第2図は実施例3におけるスラリーの循環
量と粘度の関係を示すグラフ、第3図は、実施例4にお
けるスラリー流速と粘度の関係を示すグラフ、第4図は
実施例5におけるスラリー循環時間と粘度の関係を示す
グラフである。 2.ガス入口、B.ポンプ 3.ガス出口、D.ヒーター A.貯槽

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭、スラリー化溶剤及び粉末触媒よりな
    るスラリーを混合貯蔵する貯槽から循環ポンプによって
    1時間当り最大スラリー貯蔵量以上の容量のスラリー
    を、循環配管内に0.15m/秒以上の流速で循環させる方法
    において、該貯槽上部にガス入口とガス出口を設けて、
    空気あるいは不活性ガスを貯槽上部気相部を流通させる
    ことを特徴とする石炭液化用スラリーの調製方法。
  2. 【請求項2】スラリー温度を80〜150℃に保持すること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の石炭液化用ス
    ラリーの調製方法。
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