JPH0737435B2 - オキシム類の製法 - Google Patents
オキシム類の製法Info
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- JPH0737435B2 JPH0737435B2 JP63173527A JP17352788A JPH0737435B2 JP H0737435 B2 JPH0737435 B2 JP H0737435B2 JP 63173527 A JP63173527 A JP 63173527A JP 17352788 A JP17352788 A JP 17352788A JP H0737435 B2 JPH0737435 B2 JP H0737435B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はオキシム類の製法に関するもので、詳しくは、
ケトン類あるいはアルデヒド類とヒドロキシルアミン鉱
酸塩とから無機塩の副生をさせることなく、対応するオ
キシム類を製造する方法に関するものである。
ケトン類あるいはアルデヒド類とヒドロキシルアミン鉱
酸塩とから無機塩の副生をさせることなく、対応するオ
キシム類を製造する方法に関するものである。
例えば、シクロヘキサノンオキシムはナイロン原料であ
るε−カプロラクタムの中間体として有用なもので工業
的に大量に生産されているが、通常、シクロヘキサノン
とヒドロキシルアミンとを反応させることにより製造さ
れる。しかし、ヒドロキシルアミンはそれ自身の形では
不安定であるため、一般的に硫酸艶などの鉱酸塩の形で
用いられ、そのため、オシキム化反応では硫酸などの鉱
酸が副生し、系内のpHは強酸性となる。通常のオキシム
化反応では、系内のpHが強酸性の場合には、オキシム化
反応が平衡反応であるため反応が十分に押し切れず、ま
た、生成するオキシム類が酸水溶液に比較的溶け易いの
で、反応混合物をオキシム類を含む油相と水相とに良好
に分液することができない。
るε−カプロラクタムの中間体として有用なもので工業
的に大量に生産されているが、通常、シクロヘキサノン
とヒドロキシルアミンとを反応させることにより製造さ
れる。しかし、ヒドロキシルアミンはそれ自身の形では
不安定であるため、一般的に硫酸艶などの鉱酸塩の形で
用いられ、そのため、オシキム化反応では硫酸などの鉱
酸が副生し、系内のpHは強酸性となる。通常のオキシム
化反応では、系内のpHが強酸性の場合には、オキシム化
反応が平衡反応であるため反応が十分に押し切れず、ま
た、生成するオキシム類が酸水溶液に比較的溶け易いの
で、反応混合物をオキシム類を含む油相と水相とに良好
に分液することができない。
そこで、従来、上記のオキシム化反応において、アンモ
ニアなどの中和剤を添加して系内のpHを4以上に調節し
て反応を行なう方法が採用されている。要するに、この
方法においては、副生する鉱酸が中和されるので平衡が
移動しオキシム化反応が更に進行し、また、中和により
副生する無機塩の塩析効果により水相中へのオキシム類
の溶解が防止され、反応混合物が油相と水相とに良好に
分液できるメリットがある。
ニアなどの中和剤を添加して系内のpHを4以上に調節し
て反応を行なう方法が採用されている。要するに、この
方法においては、副生する鉱酸が中和されるので平衡が
移動しオキシム化反応が更に進行し、また、中和により
副生する無機塩の塩析効果により水相中へのオキシム類
の溶解が防止され、反応混合物が油相と水相とに良好に
分液できるメリットがある。
ところが、この従来法においては、当然のことながら大
量の無機塩の副生を伴なう。例えば、ヒドロキシルアミ
ンの硫酸塩を用い、中和剤としてアンモニアを用いた場
合には、硫酸アンモニウムが極めて多量に副生すること
になる。しかし、この硫酸アンモニウムなどの無機塩は
経済的価値の低い物質であるため、近年、無機塩の副生
を伴なわないオキシム類の製造が要望されている。
量の無機塩の副生を伴なう。例えば、ヒドロキシルアミ
ンの硫酸塩を用い、中和剤としてアンモニアを用いた場
合には、硫酸アンモニウムが極めて多量に副生すること
になる。しかし、この硫酸アンモニウムなどの無機塩は
経済的価値の低い物質であるため、近年、無機塩の副生
を伴なわないオキシム類の製造が要望されている。
例えば、反応系にアンモニアなどの中和剤を添加しない
で、副生する鉱酸を水溶液として回収することができれ
ば、この鉱酸水溶液を種々の化学合成プラントで鉱酸を
用いる工程に有効に活用することができる。そこで、反
応系に中和剤の代りに、水不混和性の有機溶媒を添加
し、生成するオキシム類を有機溶媒相に抽出しながら反
応を行なう方法が考えられる。すなわち、オキシム類を
有機溶媒相に抽出することにより、オキシム化反応の平
衡を移動させるとともに、反応混合物の油相と水相との
分液性を改良しようとするものである。従来、オキシム
類を抽出するための有機溶媒としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、酢
酸ブチルなどが知られている。
で、副生する鉱酸を水溶液として回収することができれ
ば、この鉱酸水溶液を種々の化学合成プラントで鉱酸を
用いる工程に有効に活用することができる。そこで、反
応系に中和剤の代りに、水不混和性の有機溶媒を添加
し、生成するオキシム類を有機溶媒相に抽出しながら反
応を行なう方法が考えられる。すなわち、オキシム類を
有機溶媒相に抽出することにより、オキシム化反応の平
衡を移動させるとともに、反応混合物の油相と水相との
分液性を改良しようとするものである。従来、オキシム
類を抽出するための有機溶媒としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、酢
酸ブチルなどが知られている。
しかしながら、従来公知の有機溶媒を用いた場合には、
抽出すべきオキシム類に対して相当量のケトン類あるい
はアルデヒド類も一緒に抽出され、しかも、オキシム類
自体の抽出率も、特にオキシム化反応混合物のように水
相が酸水溶液の場合には、高いものとは言えなかった。
抽出すべきオキシム類に対して相当量のケトン類あるい
はアルデヒド類も一緒に抽出され、しかも、オキシム類
自体の抽出率も、特にオキシム化反応混合物のように水
相が酸水溶液の場合には、高いものとは言えなかった。
本発明者等は上記事実に鑑み、オキシム化反応の系内に
中和剤を添加することなく、有機溶媒を存在させ生成し
たオキシム類を抽出するオキシム類の製造法において、
オキシム類の抽出率が高い上、所定量のオキシム類を抽
出する場合のケトン類あるいはアルデヒド類の抽出割合
が少ない有機溶媒を得ることを目的として種々検討した
結果、特定のアルコール系有機溶媒を選定することによ
り、本発明の目的が達成され、オキシム類を高い回収率
で取得できることを見い出し本発明を完成した。
中和剤を添加することなく、有機溶媒を存在させ生成し
たオキシム類を抽出するオキシム類の製造法において、
オキシム類の抽出率が高い上、所定量のオキシム類を抽
出する場合のケトン類あるいはアルデヒド類の抽出割合
が少ない有機溶媒を得ることを目的として種々検討した
結果、特定のアルコール系有機溶媒を選定することによ
り、本発明の目的が達成され、オキシム類を高い回収率
で取得できることを見い出し本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、ケトン類あるいはアルデヒ
ド類とヒドロキシルアミン鉱酸塩とを水媒体中で反応さ
せて対応するオキシム類を製造するに当り、反応系又は
反応混合物もしくはこれを分液した後の水相に、C
2〜4のハロゲン化脂肪族アルコール、C4〜10の脂肪
族アルコール及びフェノール類から選ばれた少なくとも
一種の有機溶媒を添加し、オキシム類を有機溶媒相に抽
出することを特徴とするオキシム類の製法に存する。
ド類とヒドロキシルアミン鉱酸塩とを水媒体中で反応さ
せて対応するオキシム類を製造するに当り、反応系又は
反応混合物もしくはこれを分液した後の水相に、C
2〜4のハロゲン化脂肪族アルコール、C4〜10の脂肪
族アルコール及びフェノール類から選ばれた少なくとも
一種の有機溶媒を添加し、オキシム類を有機溶媒相に抽
出することを特徴とするオキシム類の製法に存する。
以下、本発明の構成につき詳細に説明する。
本発明の原料となるケトン類あるいはアルデヒド類とし
ては、通常、シクロヘキサノン、シクロドデカノン、ア
セトン、ジメチルアセトン、アセトフェノンなどのケト
ン類、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアル
デヒド類が挙げられる。一方、ヒドロキシルアミン鉱酸
塩としては、例えば、硫酸塩、燐酸塩、塩酸塩、硝酸塩
などが挙げられるが、硫酸塩が一般的である。ケトン類
あるいはアルデヒド類に対するヒドロキシルアミン鉱酸
塩の使用割合は、通常、0.5〜1.5モル倍であり、ほぼ等
モルで用いるのが望ましい。
ては、通常、シクロヘキサノン、シクロドデカノン、ア
セトン、ジメチルアセトン、アセトフェノンなどのケト
ン類、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアル
デヒド類が挙げられる。一方、ヒドロキシルアミン鉱酸
塩としては、例えば、硫酸塩、燐酸塩、塩酸塩、硝酸塩
などが挙げられるが、硫酸塩が一般的である。ケトン類
あるいはアルデヒド類に対するヒドロキシルアミン鉱酸
塩の使用割合は、通常、0.5〜1.5モル倍であり、ほぼ等
モルで用いるのが望ましい。
上述のケトン類あるいはアルデヒド類とヒドロキシルア
ミン鉱酸塩は水媒体中で反応させるが、この際の水量は
通常、ヒドロキシルアミン鉱酸塩に対して1〜5重量倍
である。なお、通常、この水はヒドロキシルアミン鉱酸
塩の水溶液として反応系に供給される。
ミン鉱酸塩は水媒体中で反応させるが、この際の水量は
通常、ヒドロキシルアミン鉱酸塩に対して1〜5重量倍
である。なお、通常、この水はヒドロキシルアミン鉱酸
塩の水溶液として反応系に供給される。
本発明の第1の発明においては、反応系内に中和剤であ
るアルカリを添加することなしに、C2〜4のハロゲン
化脂肪族アルコール、C4〜10の脂肪族アルコール及び
フェノール類から選ばれた少なくとも一種の有機溶媒を
存在させることを必須要件とする。すなわち、オキシム
化反応により副生する鉱酸を中和しないで、そのままの
状態で水相中の生成オキシム類を有機溶媒中に抽出しな
がら反応を行なうものである。
るアルカリを添加することなしに、C2〜4のハロゲン
化脂肪族アルコール、C4〜10の脂肪族アルコール及び
フェノール類から選ばれた少なくとも一種の有機溶媒を
存在させることを必須要件とする。すなわち、オキシム
化反応により副生する鉱酸を中和しないで、そのままの
状態で水相中の生成オキシム類を有機溶媒中に抽出しな
がら反応を行なうものである。
本発明で用いる上記有機溶剤の具体例としては、例え
ば、ジクロロエタノール、トリクロロエタノール、モノ
ブロモエタノール、モノクロロ−iso−プロパノール、
モノクロロ−n−ブタノールなどのC2〜4のハロゲン
化脂肪族アルコール、n−ブタノール、イソブタノー
ル、2−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノ
ール、シクロペンタノール、n−ヘキサノール、シクロ
ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノ
ール、n−デカノールなどのC4〜10、好ましくはC
4〜8の脂肪族アルコール、及びフェノール、クレゾー
ル、イソプロピルフェノール、クロロフェノール、ジク
ロロフェノールなどのフェノール類が挙げられ、なかで
も、ブタノール、ペンタノールが特に好ましい。この有
機溶媒の使用量は、通常、水媒体に対して0.1〜20重量
倍、好ましくは0.5〜5重量倍である。有機溶媒の使用
量があまり少ないと、生成したオキシム類を良好に抽出
することができず、逆に、あまり多すぎるとオキシム類
との分離操作が面倒になる。
ば、ジクロロエタノール、トリクロロエタノール、モノ
ブロモエタノール、モノクロロ−iso−プロパノール、
モノクロロ−n−ブタノールなどのC2〜4のハロゲン
化脂肪族アルコール、n−ブタノール、イソブタノー
ル、2−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノ
ール、シクロペンタノール、n−ヘキサノール、シクロ
ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノ
ール、n−デカノールなどのC4〜10、好ましくはC
4〜8の脂肪族アルコール、及びフェノール、クレゾー
ル、イソプロピルフェノール、クロロフェノール、ジク
ロロフェノールなどのフェノール類が挙げられ、なかで
も、ブタノール、ペンタノールが特に好ましい。この有
機溶媒の使用量は、通常、水媒体に対して0.1〜20重量
倍、好ましくは0.5〜5重量倍である。有機溶媒の使用
量があまり少ないと、生成したオキシム類を良好に抽出
することができず、逆に、あまり多すぎるとオキシム類
との分離操作が面倒になる。
本発明では上述の有機溶媒の使用により、水相中に副生
した鉱酸が存在するにも拘らず、生成オキシム類が良好
に有機溶媒相に抽出される。しかし、本発明では更に、
反応系内に少量の無機塩を添加しておくと、オキシム類
の有機溶媒相への抽出が一層促進されるので望ましい。
要するに、無機塩の塩析効果により水相中のオキシム類
の溶解度が低下するためである。この無機塩としては、
通常、硫酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、塩酸アン
モニウム、硝酸アンモニウムなどが挙げられるが、硫酸
アンモニウムが一般的である。この無機塩の添加量は、
通常、水媒体に対して5〜40重量%程度である。
した鉱酸が存在するにも拘らず、生成オキシム類が良好
に有機溶媒相に抽出される。しかし、本発明では更に、
反応系内に少量の無機塩を添加しておくと、オキシム類
の有機溶媒相への抽出が一層促進されるので望ましい。
要するに、無機塩の塩析効果により水相中のオキシム類
の溶解度が低下するためである。この無機塩としては、
通常、硫酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、塩酸アン
モニウム、硝酸アンモニウムなどが挙げられるが、硫酸
アンモニウムが一般的である。この無機塩の添加量は、
通常、水媒体に対して5〜40重量%程度である。
オキシム化反応は常圧下又は加圧下で実施することがで
き、また、反応温度は通常、0〜120℃、好ましくは20
〜90℃である。反応は連続法又は回分法のいずれでも実
施できるが、工業的には連続法が採用される。連続法の
場合には、通常、反応成分を均一混合してオキシム化反
応を行なうための撹拌式反応槽(ミキサー)と反応混合
物を水相と油相とに分液するための分液槽(セトラー)
とを一組とする装置又は充填塔あるいは回転円板式反応
器のような向流反応器を用いることができる。そして、
反応段数は適宜、選定され、例えば、2〜20段である。
また、連続多段反応の場合、ケトン類あるいはアルデヒ
ド類とヒドロキシルアミン鉱酸塩とを並流で接触させて
もよいが、通常、ケトン類あるいはアルデヒド類を含む
有機要媒相とヒドロキシアミン鉱酸塩の水溶液を含む水
相とを向流で接触させ順次、反応を行なう方法が好まし
い。
き、また、反応温度は通常、0〜120℃、好ましくは20
〜90℃である。反応は連続法又は回分法のいずれでも実
施できるが、工業的には連続法が採用される。連続法の
場合には、通常、反応成分を均一混合してオキシム化反
応を行なうための撹拌式反応槽(ミキサー)と反応混合
物を水相と油相とに分液するための分液槽(セトラー)
とを一組とする装置又は充填塔あるいは回転円板式反応
器のような向流反応器を用いることができる。そして、
反応段数は適宜、選定され、例えば、2〜20段である。
また、連続多段反応の場合、ケトン類あるいはアルデヒ
ド類とヒドロキシルアミン鉱酸塩とを並流で接触させて
もよいが、通常、ケトン類あるいはアルデヒド類を含む
有機要媒相とヒドロキシアミン鉱酸塩の水溶液を含む水
相とを向流で接触させ順次、反応を行なう方法が好まし
い。
反応終了後、分液された有機溶媒相中には主に、オキシ
ム類が含有されているので、通常、これを蒸留すること
によりオキシム類を簡単に回収することができる。ま
た、必要に応じて、蒸留前の有機溶媒相中に若干、含有
される酸をアンモニアなどのアルカリで中和してもよ
い。そして、オキシム類を分離した有機溶媒は上記オキ
シム化反応にリサイクル使用される。一方、水相はオキ
シム類を殆んど含有していない鉱酸水溶液であるので、
これはそのまま種々の化学合成プラントで鉱酸を用いる
工程に有効に利用することができる。
ム類が含有されているので、通常、これを蒸留すること
によりオキシム類を簡単に回収することができる。ま
た、必要に応じて、蒸留前の有機溶媒相中に若干、含有
される酸をアンモニアなどのアルカリで中和してもよ
い。そして、オキシム類を分離した有機溶媒は上記オキ
シム化反応にリサイクル使用される。一方、水相はオキ
シム類を殆んど含有していない鉱酸水溶液であるので、
これはそのまま種々の化学合成プラントで鉱酸を用いる
工程に有効に利用することができる。
本発明の第2の発明は、上述のオキシム化反応で使用す
る有機溶媒をオキシム化反応で添加する代りに、反応終
了後の反応混合物に直接に、又はこの混合物を水相と油
相とに分液した後の水相に添加することを必須要件とす
る。すなわち、オキシム化反応で生成したオキシム類を
反応後に前記第1の発明で用いた有機溶媒と接触させる
ことにより、オキシム類を有機溶媒相に抽出するのであ
る。この抽出により、オキシム類が効率的に有機溶媒相
に移行し、高い回収率でオキシム類を回収することがで
きる。
る有機溶媒をオキシム化反応で添加する代りに、反応終
了後の反応混合物に直接に、又はこの混合物を水相と油
相とに分液した後の水相に添加することを必須要件とす
る。すなわち、オキシム化反応で生成したオキシム類を
反応後に前記第1の発明で用いた有機溶媒と接触させる
ことにより、オキシム類を有機溶媒相に抽出するのであ
る。この抽出により、オキシム類が効率的に有機溶媒相
に移行し、高い回収率でオキシム類を回収することがで
きる。
抽出に用いる有機溶媒の使用量は、通常、反応混合物中
の水媒体又は分液した水相に対して0.1〜10重量倍、好
ましくは0.5〜5重量倍である。抽出の温度は通常、0
〜120℃、好ましくは20〜90℃である。抽出は連続法で
も、回分法でも差し支えなく、通常、ミキサーとセトラ
ーを一組とする装置、又は充填塔あるいは回転円板式反
応器のような向流抽出装置が用いられる。抽出段数は1
段又は例えば、2〜10段の多段である。抽出後に得られ
る有機溶媒相中にはオキシム類の大部分が抽出されてい
るので、これを蒸留することによりオキシム類を簡単に
単離、回収することができる。また、水相中にはオキシ
ム類は殆んど含有されていないので、これを鉱酸原料と
して種々の分野に応用することが可能である。
の水媒体又は分液した水相に対して0.1〜10重量倍、好
ましくは0.5〜5重量倍である。抽出の温度は通常、0
〜120℃、好ましくは20〜90℃である。抽出は連続法で
も、回分法でも差し支えなく、通常、ミキサーとセトラ
ーを一組とする装置、又は充填塔あるいは回転円板式反
応器のような向流抽出装置が用いられる。抽出段数は1
段又は例えば、2〜10段の多段である。抽出後に得られ
る有機溶媒相中にはオキシム類の大部分が抽出されてい
るので、これを蒸留することによりオキシム類を簡単に
単離、回収することができる。また、水相中にはオキシ
ム類は殆んど含有されていないので、これを鉱酸原料と
して種々の分野に応用することが可能である。
尚、連続法で行なう場合は反応工程で第1の発明、抽出
工程で第2の発明を実施するというように組合せて実施
することもできる。この場合は分液器で得られた水相を
反応系内に供給する前の新しい有機溶媒で抽出処理を行
なうことによって、水相中のオキシム類の濃度を更に低
下することができ望ましい。この場合の抽出は上記反応
と同様な方式で実施することができる。また、水相中に
は少量の未反応のケトン類あるいはアルデヒド類が含有
されているが、本発明によればかかる未反応物も同時に
回収することができる。
工程で第2の発明を実施するというように組合せて実施
することもできる。この場合は分液器で得られた水相を
反応系内に供給する前の新しい有機溶媒で抽出処理を行
なうことによって、水相中のオキシム類の濃度を更に低
下することができ望ましい。この場合の抽出は上記反応
と同様な方式で実施することができる。また、水相中に
は少量の未反応のケトン類あるいはアルデヒド類が含有
されているが、本発明によればかかる未反応物も同時に
回収することができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、
本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定
されるものではない。
本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定
されるものではない。
実施例1 第1図に示すフローに従い、撹拌型反応器と分液器とが
一組となった3段反応工程で、シクロヘキサノン/有機
溶媒混合物とヒドロキシルアミン硫酸塩水溶液を向流接
触させシクロヘキサノンオキシムの製造を行なった。そ
して、最終工程からの有機溶媒相は蒸留してシクロヘキ
サノンオキシムを回収し、一方、水相は有機溶媒と3段
で向流抽出した後、回収し、この有機溶媒は第1反応器
1aに供給した。
一組となった3段反応工程で、シクロヘキサノン/有機
溶媒混合物とヒドロキシルアミン硫酸塩水溶液を向流接
触させシクロヘキサノンオキシムの製造を行なった。そ
して、最終工程からの有機溶媒相は蒸留してシクロヘキ
サノンオキシムを回収し、一方、水相は有機溶媒と3段
で向流抽出した後、回収し、この有機溶媒は第1反応器
1aに供給した。
すなわち、第1反応器1aに図中6からシクロヘキサノン
500g/hr及び後記の抽出工程の第1分液器10bからの有機
溶媒相であるn−ブタノール及び第2反応分液器2bから
の水相(ヒドロキシルアミン硫酸塩と硫酸アンモニウム
を含有)を供給し、窒素ガス雰囲気中で撹拌下、75℃の
温度で平均滞留時間が10分となるように反応を行なった
後、これを第1反応分液器1bに供給し水相と有機溶媒相
を分液し、次いで、有機溶媒相は第2反応器2aに供給
し、第3反応分液器3bからの水相と混合して第1反応と
同条件で反応を行なった。また、第3反応器3aにはヒド
ロキシルアミン硫酸塩と硫酸アンモニウムを4.0N及び3.
0Nに溶解調整した水溶液1500ml/hrを図中4から供給
し、第2反応分液器2bからの有機溶媒相と混合して第1
反応と同条件で反応を行なった後、これを第3反応分液
器3bに供給し水相と有機溶媒相を分液し、次いで、水相
を第2反応器2aに供給するとともに、有機溶媒相を若干
のアンモニアで中和処理(図示せず)した後、蒸留塔5
に供給し減圧蒸留することにより塔底よりシクロヘキサ
ノンオキシムを回収した。
500g/hr及び後記の抽出工程の第1分液器10bからの有機
溶媒相であるn−ブタノール及び第2反応分液器2bから
の水相(ヒドロキシルアミン硫酸塩と硫酸アンモニウム
を含有)を供給し、窒素ガス雰囲気中で撹拌下、75℃の
温度で平均滞留時間が10分となるように反応を行なった
後、これを第1反応分液器1bに供給し水相と有機溶媒相
を分液し、次いで、有機溶媒相は第2反応器2aに供給
し、第3反応分液器3bからの水相と混合して第1反応と
同条件で反応を行なった。また、第3反応器3aにはヒド
ロキシルアミン硫酸塩と硫酸アンモニウムを4.0N及び3.
0Nに溶解調整した水溶液1500ml/hrを図中4から供給
し、第2反応分液器2bからの有機溶媒相と混合して第1
反応と同条件で反応を行なった後、これを第3反応分液
器3bに供給し水相と有機溶媒相を分液し、次いで、水相
を第2反応器2aに供給するとともに、有機溶媒相を若干
のアンモニアで中和処理(図示せず)した後、蒸留塔5
に供給し減圧蒸留することにより塔底よりシクロヘキサ
ノンオキシムを回収した。
また、第1反応分液器1bからの水相は抽出器10aに供給
し第2分液器11bからの有機溶媒相と第1反応と同条件
で抽出を行なった後、第1分液器10bに供給し水相と有
機溶媒相とを分液し、次いで、有機溶媒相は第1反応器
1aに供給した。一方、水相は第2抽出器11a、第2分液
器11b、第3抽出器12a及び第3分液器12bに順次、供給
し、第3抽出器12aに図中13から供給される新しいn−
ブタノール1000g/hrと向流接触させ、最終的に硫酸水溶
液よりなる水相を回収した。
し第2分液器11bからの有機溶媒相と第1反応と同条件
で抽出を行なった後、第1分液器10bに供給し水相と有
機溶媒相とを分液し、次いで、有機溶媒相は第1反応器
1aに供給した。一方、水相は第2抽出器11a、第2分液
器11b、第3抽出器12a及び第3分液器12bに順次、供給
し、第3抽出器12aに図中13から供給される新しいn−
ブタノール1000g/hrと向流接触させ、最終的に硫酸水溶
液よりなる水相を回収した。
上記のような方法において、蒸留塔5から回収されたシ
クロヘキサノンオキシムの回収率(シクロヘキサノンに
対する収率)と未反応シクロヘキサノンの回収率を求め
るとともに、最終的に回収された水相中のシクロヘキサ
ノンオキシムとシクロヘキサノンの濃度を求めたところ
第1表に示す結果を得た。
クロヘキサノンオキシムの回収率(シクロヘキサノンに
対する収率)と未反応シクロヘキサノンの回収率を求め
るとともに、最終的に回収された水相中のシクロヘキサ
ノンオキシムとシクロヘキサノンの濃度を求めたところ
第1表に示す結果を得た。
実施例2 実施例1の方法において、有機溶媒としてn−ブタノー
ルの代りに同量のn−ペンタノールを用いて全く同様の
方法で反応を実施した場合の結果を第1表に示す。
ルの代りに同量のn−ペンタノールを用いて全く同様の
方法で反応を実施した場合の結果を第1表に示す。
比較例1 実施例1の方法において、有機溶媒としてn−ブタノー
ルの代りに同量のトルエンを用いて全く同様の方法で反
応を実施した場合の結果を第1表に示す。
ルの代りに同量のトルエンを用いて全く同様の方法で反
応を実施した場合の結果を第1表に示す。
実施例3〜8及び比較例2〜5 撹拌機及び温度調節器を備えた1密閉型反応器に、シ
クロヘキサノン196gと、ヒドロキシルアミン硫酸塩4.0N
及び硫酸アンモニウム3.0Nを含むように調整した水溶液
0.5を仕込み、撹拌下、75℃の温度で20分間、反応を
行なった。この反応におけるシクロヘキサノンオキサム
の生成率は82%であり、また、未反応シクロヘキサノン
は18%であった。次いで、この反応混合物を水相と油相
に分液したところ、シクロヘキサノンオキシムは油相に
49%、水相に33%、また、シクロヘキサノンは油相に11
%、水相に7%含有されていた。そして、水相の組成を
分析したところ第2表の通りであった。
クロヘキサノン196gと、ヒドロキシルアミン硫酸塩4.0N
及び硫酸アンモニウム3.0Nを含むように調整した水溶液
0.5を仕込み、撹拌下、75℃の温度で20分間、反応を
行なった。この反応におけるシクロヘキサノンオキサム
の生成率は82%であり、また、未反応シクロヘキサノン
は18%であった。次いで、この反応混合物を水相と油相
に分液したところ、シクロヘキサノンオキシムは油相に
49%、水相に33%、また、シクロヘキサノンは油相に11
%、水相に7%含有されていた。そして、水相の組成を
分析したところ第2表の通りであった。
上記反応で得られた第2表に示す組成を有する水相100g
(OXM:CHN=82.3モル:17.7モル)に対し、第3表に示す
有機溶媒50gを混合し25℃の温度で15分間撹拌すること
により抽出を行ない、次いで、この混合物を水相と有機
溶媒相に分液した後、有機溶媒相中に抽出されたシクロ
ヘキサノンオキシムとシクロヘキサノンの抽出率(シク
ロヘキサノンオキシムとシクロヘキサノンとの合計量に
対する)を求めたところ第3表に示す結果を得た。
(OXM:CHN=82.3モル:17.7モル)に対し、第3表に示す
有機溶媒50gを混合し25℃の温度で15分間撹拌すること
により抽出を行ない、次いで、この混合物を水相と有機
溶媒相に分液した後、有機溶媒相中に抽出されたシクロ
ヘキサノンオキシムとシクロヘキサノンの抽出率(シク
ロヘキサノンオキシムとシクロヘキサノンとの合計量に
対する)を求めたところ第3表に示す結果を得た。
〔発明の効果〕 本発明によれば、ケトン類あるいはアルデヒド類とヒド
ロキシルアミン鉱酸塩とを水媒体中で反応させて対応す
るオキシム類を製造する場合、反応系又は反応混合物も
しくはこれを分液した後の水相に、特定の有機溶媒を添
加することにより、高い回収率でオキシム類を有機溶媒
相に抽出することができる。したがって、水相中に残存
するオキシム類が極めて少量となるので、水相を各種の
化学プラントにおける鉱酸源として利用することができ
る。
ロキシルアミン鉱酸塩とを水媒体中で反応させて対応す
るオキシム類を製造する場合、反応系又は反応混合物も
しくはこれを分液した後の水相に、特定の有機溶媒を添
加することにより、高い回収率でオキシム類を有機溶媒
相に抽出することができる。したがって、水相中に残存
するオキシム類が極めて少量となるので、水相を各種の
化学プラントにおける鉱酸源として利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例における反応工程の概略を示す
フローシートである。
フローシートである。
Claims (2)
- 【請求項1】ケトン類あるいはアルデヒド類とヒドロキ
シルアミン鉱酸塩とを水媒体中で反応させ対応するオキ
シム類を製造するに当り、反応系内にC2〜4のハロゲ
ン化脂肪族アルコール、C4〜10の脂肪族アルコール及
びフェノール類から選ばれた少なくとも一種の有機溶媒
を存在させ、生成するオキシム類を有機溶媒相に抽出し
ながら反応を行なうことを特徴とするオキシム類の製
法。 - 【請求項2】ケトン類あるいはアルデヒド類とヒドロキ
シルアミン鉱酸塩とを水媒体中で反応させ対応するオキ
シム類を製造するに当り、反応混合物に直接、又は反応
混合物を水相と油相とに分液した後の水相に、C2〜4
のハロゲン化脂肪族アルコール、C4〜10の脂肪族アル
コール及びフェノール類から選ばれた少なくとも一種の
有機溶媒を添加することにより、オキシム類を有機溶媒
相に抽出して回収することを特徴とするオキシム類の製
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63173527A JPH0737435B2 (ja) | 1988-07-12 | 1988-07-12 | オキシム類の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63173527A JPH0737435B2 (ja) | 1988-07-12 | 1988-07-12 | オキシム類の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0225457A JPH0225457A (ja) | 1990-01-26 |
JPH0737435B2 true JPH0737435B2 (ja) | 1995-04-26 |
Family
ID=15962177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63173527A Expired - Fee Related JPH0737435B2 (ja) | 1988-07-12 | 1988-07-12 | オキシム類の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0737435B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101282799B1 (ko) * | 2012-06-08 | 2013-07-04 | 주식회사 코원이노텍 | Pma를 재생하기 위한 유기용제의 정제 방법 |
KR101427397B1 (ko) * | 2012-07-31 | 2014-08-07 | 덕산실업(주) | Pma 정제방법 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5254734A (en) * | 1991-02-13 | 1993-10-19 | Mitsubishi Kasei Corporation | Method for preparing an oxime |
KR101177137B1 (ko) * | 2003-05-23 | 2012-08-24 | 디에스엠 아이피 어셋츠 비.브이. | 베크만 전위에 의한 카프로락탐의 제조방법 |
EP2551261B1 (en) * | 2010-03-24 | 2016-11-02 | Ube Industries, Ltd. | Method for producing oxime |
-
1988
- 1988-07-12 JP JP63173527A patent/JPH0737435B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101282799B1 (ko) * | 2012-06-08 | 2013-07-04 | 주식회사 코원이노텍 | Pma를 재생하기 위한 유기용제의 정제 방법 |
KR101427397B1 (ko) * | 2012-07-31 | 2014-08-07 | 덕산실업(주) | Pma 정제방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0225457A (ja) | 1990-01-26 |
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