JP2581538B2 - イソホロンジアミンの精製法 - Google Patents
イソホロンジアミンの精製法Info
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- JP2581538B2 JP2581538B2 JP60252833A JP25283385A JP2581538B2 JP 2581538 B2 JP2581538 B2 JP 2581538B2 JP 60252833 A JP60252833 A JP 60252833A JP 25283385 A JP25283385 A JP 25283385A JP 2581538 B2 JP2581538 B2 JP 2581538B2
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- isophoronediamine
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- carbonate
- crude
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はイソホロンジアミンを蒸溜精製する方法に関
し、更に詳しくはイソホロンジアミンに対し、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムを添加して蒸溜することを特
徴とするイソホロンジアミンの精製法に関するものであ
る。
し、更に詳しくはイソホロンジアミンに対し、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムを添加して蒸溜することを特
徴とするイソホロンジアミンの精製法に関するものであ
る。
イソホロンジアミンは、耐候性ウレタン樹脂原料のひ
とつであるイソホロンジイソシアネートの原料物質とし
て、又、エポキシ硬化剤としての用途があり、工業的に
有用な化合物である。
とつであるイソホロンジイソシアネートの原料物質とし
て、又、エポキシ硬化剤としての用途があり、工業的に
有用な化合物である。
<従来技術及び問題点> イソホロンジアミンの合成法としては、例えば特開昭
57−28030などによって既に公知であり、普通、シアノ
イソホロンをアンモニアの存在下、水素添加する方法が
行なわれている。これらの製造法において反応器より取
り出された反応粗液は接触分離後、脱アンモニア、脱溶
剤されて粗イソホロンジアミンとなり、次に精留されて
製品として目的物が得られる。
57−28030などによって既に公知であり、普通、シアノ
イソホロンをアンモニアの存在下、水素添加する方法が
行なわれている。これらの製造法において反応器より取
り出された反応粗液は接触分離後、脱アンモニア、脱溶
剤されて粗イソホロンジアミンとなり、次に精留されて
製品として目的物が得られる。
しかしながら、これらの蒸溜分離工程において運転面
で見て大きな問題があることが明らかとなった。即ち反
応粗液中に含まれる反応副生物が上記分離塔の各処に析
出、附着し、閉塞をおこし、蒸溜不能になる現象がしば
しばみられた。また、この結晶物の生成は反応触媒が新
しく活性が強いときには特に多く、反応条件、蒸溜条件
等の変更では完全に生成を抑えることができなかった。
で見て大きな問題があることが明らかとなった。即ち反
応粗液中に含まれる反応副生物が上記分離塔の各処に析
出、附着し、閉塞をおこし、蒸溜不能になる現象がしば
しばみられた。また、この結晶物の生成は反応触媒が新
しく活性が強いときには特に多く、反応条件、蒸溜条件
等の変更では完全に生成を抑えることができなかった。
<技術的課題> 先ず、本発明者は種々分析方法を駆使して、この析出
物の正体がアミン炭酸塩であることをつきとめた。この
炭酸塩は、例えば反応から副生した、あるいは空気中の
炭酸ガス等から炭酸根(CO3)が原料アンモニア、生成
アミンと結合したものと考えられ、分析の結果では反応
粗液中の炭酸根は通常100〜1000ppm存在することが判明
した。
物の正体がアミン炭酸塩であることをつきとめた。この
炭酸塩は、例えば反応から副生した、あるいは空気中の
炭酸ガス等から炭酸根(CO3)が原料アンモニア、生成
アミンと結合したものと考えられ、分析の結果では反応
粗液中の炭酸根は通常100〜1000ppm存在することが判明
した。
そして、一連の蒸溜分離工程において、反応粗液と共
に系内に搬入された炭酸根が蒸溜温度に達した時、容易
に熱分解して炭酸ガスを発生(放出)し、蒸溜塔内を炭
酸ガスが上昇していく。その上昇途中にはイソホロンジ
アミン及び他の低沸点副生物がある組成で塔内に分布し
ているので、炭酸ガスは再びこれ等塩基性物質と塩を形
成する。実際前述の特開昭57−28030等によって得られ
たイソホロンジアミンの反応粗液中には他のアミン系化
合物であるトリメチルシクロヘキシルアミンや1,3,3−
トリメチル−6−アザビシクロ−〔3,2,1〕−オクタン
等も低沸点副生物として含有しており、目的物と共にそ
れらの炭酸塩が蒸溜塔内で生成して白色固体として析出
し、塔の閉塞を引きおこすものと推察される。
に系内に搬入された炭酸根が蒸溜温度に達した時、容易
に熱分解して炭酸ガスを発生(放出)し、蒸溜塔内を炭
酸ガスが上昇していく。その上昇途中にはイソホロンジ
アミン及び他の低沸点副生物がある組成で塔内に分布し
ているので、炭酸ガスは再びこれ等塩基性物質と塩を形
成する。実際前述の特開昭57−28030等によって得られ
たイソホロンジアミンの反応粗液中には他のアミン系化
合物であるトリメチルシクロヘキシルアミンや1,3,3−
トリメチル−6−アザビシクロ−〔3,2,1〕−オクタン
等も低沸点副生物として含有しており、目的物と共にそ
れらの炭酸塩が蒸溜塔内で生成して白色固体として析出
し、塔の閉塞を引きおこすものと推察される。
<問題点を解決するための手段> 次いで、本発明者は、さらに検討を重ねて、ここにそ
の簡便なる解決法を見い出し、本発明を完成するに到っ
た。即ち、本発明は該蒸溜精製に先立ち、対象イソホロ
ンジアミンに対し、強塩基性物質を添加し、その混在す
る炭酸根を添加した強塩基性物質の炭酸塩に変換しつ
つ、蒸溜することで炭酸ガスの放出を防止して蒸溜を行
うものである。
の簡便なる解決法を見い出し、本発明を完成するに到っ
た。即ち、本発明は該蒸溜精製に先立ち、対象イソホロ
ンジアミンに対し、強塩基性物質を添加し、その混在す
る炭酸根を添加した強塩基性物質の炭酸塩に変換しつ
つ、蒸溜することで炭酸ガスの放出を防止して蒸溜を行
うものである。
本発明においては水酸化ナトリウムおよび/または水
酸化カリウムを使用することが必須であって、粉末、ペ
レット、水溶液のいずれの形態のものでも、使用に供す
ることができるが、通常は容易に溶解する該アルカリ水
溶液を用いるのが望ましい。
酸化カリウムを使用することが必須であって、粉末、ペ
レット、水溶液のいずれの形態のものでも、使用に供す
ることができるが、通常は容易に溶解する該アルカリ水
溶液を用いるのが望ましい。
添加量は対象イソホロンジアミン中に存在する炭酸根
を定量分析し、その分析値に応じて決定すべきであり、
炭酸根のモル数に対して2〜4倍モル量が適当である。
添加する時期としては、溶剤回収蒸溜の前でも、あるい
は脱溶剤後の粗イソホロンジアミンの精留前でもよい。
を定量分析し、その分析値に応じて決定すべきであり、
炭酸根のモル数に対して2〜4倍モル量が適当である。
添加する時期としては、溶剤回収蒸溜の前でも、あるい
は脱溶剤後の粗イソホロンジアミンの精留前でもよい。
ちなみに、添加された強塩基性物質は系内の炭酸根と
塩交換を行ない、熱分解温度の高い炭酸ナトリウムに変
化する。炭酸ナトリウムの熱分解温度は400℃程度であ
り、通常の蒸溜中には決して分解して炭酸ガスを放出す
ることはなくなる。
塩交換を行ない、熱分解温度の高い炭酸ナトリウムに変
化する。炭酸ナトリウムの熱分解温度は400℃程度であ
り、通常の蒸溜中には決して分解して炭酸ガスを放出す
ることはなくなる。
一連の蒸溜操作は温度及び圧力には特別な配慮をする
必要はなく、公知の方法に沿って実施される。
必要はなく、公知の方法に沿って実施される。
<発明の効果> 本発明の方法によれば、製品として取り出したイソホ
ロンジアミンは収率、品質ともに何らの影響を受けるこ
となく、炭酸塩の析出による塔の閉塞という蒸溜上の問
題点を克服できる効果は顕著である。
ロンジアミンは収率、品質ともに何らの影響を受けるこ
となく、炭酸塩の析出による塔の閉塞という蒸溜上の問
題点を克服できる効果は顕著である。
<実施例> 以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に
説明する。
説明する。
実施例1. 先ず既知の方法(特開昭57−28030)によって得られ
たイソホロンジアミンのメタノール溶液(IPDA含量20.4
%、CO2として100ppm) 注)IPDA:イソホロンジアミン 3,416gに対し、48%水酸化ナトリウム水溶液1,338を添
加した後、常圧で10段の多孔板塔を使用してメタノール
を溜去する。
たイソホロンジアミンのメタノール溶液(IPDA含量20.4
%、CO2として100ppm) 注)IPDA:イソホロンジアミン 3,416gに対し、48%水酸化ナトリウム水溶液1,338を添
加した後、常圧で10段の多孔板塔を使用してメタノール
を溜去する。
次いで、缶液として得られた粗イソホロンジアミン
(IPDA含量76.9%)905gを、減圧下(10Torr)、還流比
3〜5で、30段の多孔板塔を使用して精溜すると、イソ
ホロンジアミン(溜分110〜115℃/10Torr)566gが得ら
れた。(蒸溜収率80.9%、純度99.5%) この場合、炭酸塩の塔内での生成及び塔の閉塞も観察
されず、順調な蒸溜操作に終始した。
(IPDA含量76.9%)905gを、減圧下(10Torr)、還流比
3〜5で、30段の多孔板塔を使用して精溜すると、イソ
ホロンジアミン(溜分110〜115℃/10Torr)566gが得ら
れた。(蒸溜収率80.9%、純度99.5%) この場合、炭酸塩の塔内での生成及び塔の閉塞も観察
されず、順調な蒸溜操作に終始した。
実施例2. 先ず、実施例1に用いたイソホロンジアミンのメタノ
ール溶液を、常圧で10段の多孔板塔を使用してメタノー
ルを留去する。
ール溶液を、常圧で10段の多孔板塔を使用してメタノー
ルを留去する。
次いで、缶液として得られた粗イソホロンジアミン
(IPDA含量77.6%、CO2として120ppm)625gに対し、45
%水酸化ナトリウム水溶液0.3gを添加した後、実施例1
と同様にして精溜すると、イソホロンジアミン391gが得
られた。(蒸溜収率80.5%、純度99.5%) この場合も、炭酸塩の塔内での生成及び塔の閉塞は全
く観察されなかった。
(IPDA含量77.6%、CO2として120ppm)625gに対し、45
%水酸化ナトリウム水溶液0.3gを添加した後、実施例1
と同様にして精溜すると、イソホロンジアミン391gが得
られた。(蒸溜収率80.5%、純度99.5%) この場合も、炭酸塩の塔内での生成及び塔の閉塞は全
く観察されなかった。
比較例1. 強塩基性物質の添加なしに実施例1と同様にしてメタ
ノールを留去し、引き続き精留を行なった。
ノールを留去し、引き続き精留を行なった。
この場合、精溜途中で塔頂コンデンサー下部より塔頂
にわたって白色析出部が生成し、ひいては、数回くり返
しの運転で塔を閉塞させ、精溜の継続は不可能となっ
た。
にわたって白色析出部が生成し、ひいては、数回くり返
しの運転で塔を閉塞させ、精溜の継続は不可能となっ
た。
Claims (1)
- 【請求項1】イソホロンニトリルを出発原料として得ら
れたイソホロンジアミンを含有し、実質的に水分を含ま
ない反応粗液に対し、水酸化ナトリウムおよび/または
水酸化カリウムを添加して蒸留することを特徴とするイ
ソホロンジアミンの精製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60252833A JP2581538B2 (ja) | 1985-11-13 | 1985-11-13 | イソホロンジアミンの精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60252833A JP2581538B2 (ja) | 1985-11-13 | 1985-11-13 | イソホロンジアミンの精製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62114943A JPS62114943A (ja) | 1987-05-26 |
JP2581538B2 true JP2581538B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=17242830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60252833A Expired - Lifetime JP2581538B2 (ja) | 1985-11-13 | 1985-11-13 | イソホロンジアミンの精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2581538B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4374102B2 (ja) * | 1999-09-24 | 2009-12-02 | 住友化学株式会社 | N,n−ジイソプロピルエチルアミンの分離方法 |
CN104292112B (zh) * | 2014-10-16 | 2016-08-24 | 重庆紫光化工股份有限公司 | 一种异佛尔酮二胺产品的分离方法 |
KR101773135B1 (ko) | 2015-05-08 | 2017-08-30 | 씨제이제일제당 주식회사 | 1,4-디아미노부탄의 정제방법 |
EP3235805B1 (de) * | 2016-04-19 | 2018-07-04 | Evonik Degussa GmbH | Kopplung der destillativen aufreinigung mit einem partialkondensator zur vorreinigung von isophorondiamin |
JP7441557B2 (ja) * | 2020-10-23 | 2024-03-01 | 東京都公立大学法人 | 二酸化炭素の回収方法、二酸化炭素の吸収方法、及び二酸化炭素の放出方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3021955A1 (de) * | 1980-06-12 | 1981-12-24 | Chemische Werke Hüls AG, 4370 Marl | Verfahren zur herstellung primaerer mono- und diamine aus oxoverbindungen |
JPS5839644A (ja) * | 1981-09-02 | 1983-03-08 | Daicel Chem Ind Ltd | アルキルアミン類の蒸溜方法 |
-
1985
- 1985-11-13 JP JP60252833A patent/JP2581538B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62114943A (ja) | 1987-05-26 |
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