JPH0736948B2 - カムシャフトの鋳造方法 - Google Patents

カムシャフトの鋳造方法

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JPH0736948B2
JPH0736948B2 JP63033800A JP3380088A JPH0736948B2 JP H0736948 B2 JPH0736948 B2 JP H0736948B2 JP 63033800 A JP63033800 A JP 63033800A JP 3380088 A JP3380088 A JP 3380088A JP H0736948 B2 JPH0736948 B2 JP H0736948B2
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正敏 川口
宏 吉永
節美 畑中
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はカムシャフトを金型を用いて鋳造する方法に関
する。
(従来の技術) 従来、金型を用いた鋳造方法として金型に温度勾配を付
し、これにより指向性凝固を狙ったものが知られている
が、鋳物の離型タイミングについては何ら考案がなされ
ていない(実開昭61−82746号公報参照)。
即ち金型を用いてカムシャフトを効率よく鋳造する場
合、金型の高い熱伝導率、カムシャフトの形態等に起因
して、カムシャフトの凝固収縮速度が部分的に急激に速
められて、カムシャフトの一部が金型による拘束を受
け、その結果熱間割れを起したり金型に変形、摩耗等の
損傷が生じるという問題がある。
そこで本出願人は先に、金型のキャビティ内に溶湯を充
填した後、溶湯の表層が殻状の凝固層になったとき離型
を行う方法を提案した。
(発明が解決しようとする課題) 上述した方法によれば、熱間割れ及び金型の変形や摩耗
等を回避できるが、カムシャフトを鋳造する場合には、
カムシャフト自体が硬度及び耐摩耗性に優れたものであ
ることが要求される。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決すべく本発明は、熱伝導性に優れた金型
のキャビティ内に、JIS FC20乃至FC30相当の鋳鉄成分に
Niを1.5〜4.0wt%、Crを0.5〜1.0wt%、Moを0.5〜1.0wt
%添加した溶湯を注入し、次いでキャビティ表面に接す
る溶湯の表層が殻状の凝固層を形成した時点で離型し、
その後徐冷することで、カムシャフト表層部のセメンタ
イト組織を炭化クロム及び炭化モリブデンにて強化す
る。
(作用) カムシャフト内部が完全に凝固する前に離型することで
カムシャフトの熱間割れ等を防止することができ、また
溶湯中にNi,Cr及びMoを所定量添加することで微細組織
の耐摩耗性に優れたカムシャフトが得られる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
第1図は本発明方法を実施する鋳造装置の斜視図、第2
図は第1図のII−II線矢視図、第3図は第2図のIII−I
II線断面図、第4図は本発明方法によって製造されるカ
ムシャフトを示す図である。
鋳造装置は一対の金型1,1と、これら金型1,1に付設した
加熱回路8,8、冷却回路9,9及びノックアウト手段10,10
からなる。ここで金型1,1、加熱回路8,8、冷却回路9,9
及びノックアウト手段10,10は左右一対設けられ、いず
れも略同一であるため、以下に一方のみについて説明す
る。
先ず、金型1は0.8〜4.0wt%のCrを含有するCu−Cr合金
(熱伝導率は0.4〜0.8cal/cm・s・℃)にて構成され、
合せ面には湯口3、ランナ4、ゲート5、カムシャフト
成形用キャビティ6及びガス抜き孔7がそれぞれ形成さ
れている。
加熱回路8は、金型1に穿設された複数の挿入孔11と、
各挿入孔11に挿入保持された棒状ヒータ12とより構成さ
れる。各挿入孔11は、その一部が金型1においてカムシ
ャフト2の各軸部2aを成形する部分に接近するように配
設される。
冷却回路9は、金型1の上部において水平に穿設された
導入路14、その中間部において水平に穿設された排出路
15およびそれらを接続すべく互いに交差して水平および
垂直に延びるように金型1に穿設された複数の連通路16
a,16bを備え、導入路14に導入された冷却水を各連通路1
6a,16bを経て排出路15より排出するようになっている。
導入路14、排出路15および水平な各連通路16aは、それ
らの一部が金型1においてカムシャフト2のチル部であ
るカム部2bのノーズnを成形する部分に接近するように
配設される。
加熱回路8の各ヒータ12は加熱制御器Ch1に接続され
る。その加熱制御器Ch1は注湯に先立って加熱回路8を
作動、したがって各ヒータ12に通電して金型1を加熱
し、また注湯開始後加熱回路8を不作動、したがって各
ヒータ12への通電を停止する機能を備えている。
前記加熱時において、各ヒータ12が金型1の、ノーズn
を成形する部分よりも離間しているので、その部分の温
度は他の部分よりも低温になる。
冷却回路9の導入路14および排出路15は冷却制御器Cc1
に接続される。その冷却制御器Cc1は注湯開始後冷却回
路9を作動、したがって冷却回路9に冷却水を流通し金
型1を冷却し、その金型1に接するカムシャフト2の表
層を急冷してその表層を殻状の凝固層に変える機能を備
えている。
前記冷却時において、導入路14、排出路15および水平な
各連通路16aが金型1の、ノーズnを成形する部分に接
近しており、また加熱段階ではその部分が他の部分より
低温であることもあって、ノーズnを急速に冷却してそ
のチル化を確実に達成することができる。
ノックアウト手段10は、複数のピン17、それらピン17の
一端を支持する支持板18およびその支持板18に連結され
た作動部材19を備え、各ピン17は金型1に形成された湯
口3、ランナ4およびキャビティ6に開口する各挿入孔
20に摺合され、各挿入孔20の開口部はカムシャフト2の
各ジャーナル2cを成形する部分に配設される。
次に、前記金型鋳造装置によるカムシャフト2の鋳造作
業について説明する。
先ず、[表]に示す、JIS FC20〜FC30相当の鋳鉄成分の
溶湯を調整する。
前記鋳鉄は、第5図のFe−C系平衡状態図において斜線
の成分範囲Aにあり、共晶線Le1は前記成分範囲Aと略1
150℃にて交差している。
また前記溶湯を金型1内に注湯するに先立ち、所定量の
Ni,Cr及びMoを接種する。具体的はNiについては0.4〜0.
6wt%、Crについては0.5〜1.0wt%、、Moについては0.5
〜1.0wt%とする。
Niを上記の割合としてのは、1.5wt%未満であると微細
チル組織の形成及びマトリックスの強化に効果がなく、
4wt%を超えて添加しても上記効果の向上は認められな
いことにより、Cr及びMoを上記の割合としたのは、これ
らを添加することで炭化クロム及び炭化モリブデンの量
を増加せしめ、微細なセメンタイト(Fe3C)による強化
を更に向上させるためであり、両者とも0.5wt%未満で
は上記炭化物の析出強化による硬度の確保が十分でな
く、1.0wt%を超えると後の切削加工が困難となること
による。
一方、金型1は、注湯に先立って加熱回路8により加熱
され、軸部2aを成形する部分は略450℃に、またノーズ
nを成形する部分は略150℃にそれぞれ維持される。こ
の金型1に、接種後の溶湯を温度1380〜1420℃にて注入
し、カムシャフト2を鋳造する。この時の鋳込重量は5k
gである。
前記のように金型1を加熱しておくと、注湯時湯流れ性
を良好にし、また溶湯の急激な冷却に起因したカムシャ
フト2の割れ等を回避することができる。
また、注湯開始後、加熱回路8による金型1の加熱を停
止し、同時に冷却回路9により金型1の冷却を開始す
る。
第6図は金型1に接するカムシャフト2の表層温度の降
下を、注湯後の経過時間との関係で示したものである。
金型1の冷却作用を受けてカムシャフト2の表層が急冷
され、その表層温度が、点a1で示す約1150℃(共晶線Le
1)まで降下すると、カムシャフト2は凝固状態とな
り、その表層が殻状の凝固層に変化する。
この場合、表層温度が点b1で示す700℃を下回ると、カ
ムシャフト2に熱間割れを生じる。また表層温度が点c1
で示す800℃を下回ると、カムシャフト2の凝固収縮に
起因して金型1に対するカムシャフト2の密着等が発生
して金型に変形、摩耗等の損傷を生じる。
そこで、注湯後約3〜約8秒後カムシャフト2の表層温
度が点d1で示す950℃から点e1で示す850℃に達したと
き、型開きを行い、ノックアウト手段10を作動してカム
シャフト2を離型する。
前記手法により得られたカムシャフト2は熱間割れを生
じておらず、また金型1にも何等損傷を生じていない。
その上、カムシャフト2は殻状の凝固層により覆われて
いるので離型に際し変形することもない。
さらに、各カム部2bのノーズnは、それを成形する金型
1の部分が比較的低温に加熱されており、また冷却段階
では急速に冷却されるので確実にチル化されている。
即ち、JIS FC20〜FC30相当の鋳鉄よりなる鋳鉄鋳物の離
型最適範囲は、その表層温度が1150〜800℃、したがっ
て共晶線Le1とその直下350℃との間にあるときといえ
る。
(発明の効果) 第7図及び第8図は本発明方法によって鋳造したカムシ
ャフトと従来法によって鋳造したカムシャフト(Ni,Cr,
Moを所定の割合で添加していない)との硬度及び摩耗量
を比較したグラフであり、これらのグラフから明らかな
ように本発明によれば、硬度及び耐摩耗性に優れた品質
のカムシャフトを得ることができる。
更に本発明にあってはカムシャフトの表層が殻状の凝固
層になったとき離型を行うので、離型に際し凝固層の保
形能を得て正常なカムシャフトを得るとともに金型の損
傷を防止してその延命を図ることができ、且つ離型を高
温領域で行うので生産能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は鋳造装置の斜視図、第2図は第1図II−II線矢
視図、第3図は第2図III−III線断面図、第4図はカム
シャフトを示す図、第5図はFe−C系平衡状態図、第6
図は注湯後の経過時間とカムシャフトの表層温度との関
係を示すグラフ、第7図及び第8図は本発明方法によっ
て鋳造したカムシャフトと従来法によって鋳造したカム
シャフトとを硬度及び摩耗量において比較したグラフで
ある。 尚、図面中、1は金型、2はカムシャフト、6はキャビ
ティ、8は加熱回路、9は冷却回路、10はノックアウト
手段である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑中 節美 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 池田 英明 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−174775(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱伝導性に優れた金型のキャビティ内に、
    JIS FC20乃至FC30相当の鋳鉄成分にNiを1.5〜4.0wt%、
    Crを0.5〜1.0wt%、Moを0.5〜1.0wt%添加した溶湯を注
    入し、次いでキャビティ表面に接する溶湯の表層が殻状
    の凝固層を形成した時点で離型し、その後徐冷すること
    で、カムシャフト表層部のセメンタイト組織を炭化クロ
    ム及び炭化モリブデンにて強化することを特徴とするカ
    ムシャフトの鋳造方法。
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