JPH0736678B2 - インナーロータ型電動機固定子の巻線端末処理用端子台 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は家電製品のファン駆動用等に使用されるインナ
ーロータ型電動機固定子の巻線端末処理用端子台に関す
るものである。

従来の技術 一般に電動機固定子の巻線端末線処理用端子台は、巻線
端末の上面に密着して設けられ固定子鉄心の内径を閉塞
するような構成のものはなかった。すなわち、前記端子
台を取りつけた後では固定子の巻線巻装、装着が不可能
な構成であり巻線端末処理の自動化が困難であった。し
たがって前記端子台を装着後に固定子巻線の巻装、装着
作業が可能な構成の巻線端末処理用端子台が要望されて
いた。

従来この種の電動機固定子の巻線端末処理用端子台は第
４図に示すように固定子101に巻線巻装後、巻線端末102
の上面に接着等の方法で端子台本体103を固定し、この
端子台本体103に設けた複数個の端子104に巻線端末線10
5を手で巻きつけハンダ付または溶着等により電気的接
続をしていた。

発明が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、端子台本体103は固定子101
の巻線端末102の上面に密着して固定されるため前記固
定子101に巻線巻装終了後しか前記端子台本体103の装着
固定および端子104と前記巻線端末線105との電気的接続
が不可能であり、したがって固定子101の巻線端末処理
の自動化もできないという問題点があった。

本発明はこのような課題を解決するもので、端子台を装
着した状態で固定子外径部に設けた開口から巻線の直巻
巻装を可能とし、端子の一端に対し自動機械による巻線
端末線の巻回を容易とし、端子台の面積拡大コネクタハ
ウジング一体化による口出線処理の容易化、モータ組立
作業における組立工数の削減を同時に可能とするインナ
ーロータ型電動機固定子の巻線端末処理用端子台を提供
することを目的とする。

問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために本発明は、固定子の巻線端
末線を巻回し電気的接続の可能な複数の端子の一端が端
子台本体またはコネクタハウジングの表面からモータの
軸方向へ大きく突出し、他端が口出線接続用のコネクタ
ハウジング内に配置され、前記コネクタハウジングとこ
れと一体に絶縁性材料により構成された端子台本体はそ
の外径寸法が巻線端末の内径よりも小であり、回転子シ
ャフトに挿着するシャフトワッシャの外径またはベアリ
ング軸受（図示せず）の外径寸法よりも大なる内径を有
する穴が設けられており、これらが一部品として、固定
子の巻線端末の内側に装着されてなる構成としたもので
ある。

作用 この構成により、端子が端子台本体・コネクタハウジン
グの面から、回転子のシャフト方向（反鉄心方向）へ大
きく突出しているため、自動巻線機による巻線端末線の
巻回からげ作業が容易にでき、また、端子・コネクタハ
ウジング・端子台本体の外径が巻線端末の内径寸法より
小であるため、固定子本体への取付けが容易で巻線機フ
ライヤーの巻線巻装作業が容易となる。すなわち、固定
子巻線の自動巻線、自動結線が可能となる。また端子台
本体の表面積が大きく取れるため、巻線保護用温度フュ
ーズや運転用コンデンサの取付け、配線引回しをするこ
とが可能となり、端子台本体の内径部にベアリング軸
受、シャフトワッシャの外径寸法よりも大なる孔が設け
られているため端子台とは反対側からの回転子挿入時、
ベアリング軸受、シャフトワッシャを回転子シャフトに
挿着したままモータの組立作業ができるため組立工数の
削減が可能となり、複数の端子一体のコネクタハウジン
グが設けられているため、モータハウジングに（図示せ
ず）固定子を組立て後、モータハウジング側面に設けた
切欠穴から口出線コネクターを（図示せず）差し込むこ
とにより、口出線処理が可能となる。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１図〜第３図にもとづき説
明する。

図において１は端子台本体で、中央部に穴２を有し複数
の端子３を有するコネクタハウジング４を備えている。
この端子台本体１は固定子の歯部鉄心５のスロット部６
に外径側開口７より絶縁用部材８を介して巻装された固
定子巻線の巻線端末９の一方の内径側で前記歯部鉄心５
の内径の一部を閉塞して保持され、前記歯部鉄心５は継
鉄部鉄心15の内後部に圧入固定されている。以上の構成
において端子台本体は固定子巻線を収納するスロット部
６よりも内径側に装着され外径寸法が巻線端末９の内径
寸法よりも小であるため、前記歯部鉄心５の外径側開口
７から巻線を直巻巻装する際、巻線案内治具10の装着お
よびフライヤー巻線機のフライヤー11の回転運動の障害
にならず自動巻線が可能であり、前記端子台本体１の中
央部に設けられた穴２は回転子シャフト12に装着するワ
ッシャ13の外径よりも大径であるため、モータ組立時、
前記回転子シャフト12にシャウトワッシャ13を装着した
まま回転子16の組付も可能であり、端子台本体１の表面
積が大きく取れるため、巻線保護用の温度フューズや運
転用コンデンサの取付け、また必要に応じ配線引回しの
ためのスペースを確保することも可能となる。また巻線
端末処理用端子台の端子３は巻線巻装工程以前に前記歯
部鉄心５に装着されているため、巻線端末９の始端及び
終端（巻線端末線14）を前記端子３へ自動巻付け可能と
なり、巻付終了後継鉄部鉄心15の内径部に圧入固定され
る。以上のように本実施例によれば、端子台本体１の外
径が固定子のスロット部６よりも内径側に装着され、装
着するワッシャ13の外径よりも大径であり、端子３は巻
線巻装工程以前に前記端子台本体１に装着されるか、ま
たは一体に構成され、コネクタハウジング４が端子台本
体１と一体であるため、フライヤー巻線機のフライヤー
11の回転運動に支障なく、巻線終了後巻線端末線14の処
理も容易であり、口出線処理も容易であり、モータ組立
時回転子16の組付も容易である。

発明の効果 以上の実施例の説明より明らかなように本発明によれ
ば、フライヤー巻線機により固定子歯部鉄心の外径側開
口より自動巻線が可能であり、同時に巻線端末線の自動
結線も可能となり、端子を端子台表面の任意の位置に設
け配線引回しをすることも可能となり、モータ組立も支
障なく行なう事ができ、組立工数を削減する事ができる
という効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例によるインナーロータ型電動
機固定子の歯部鉄心の巻線巻装時における側面断面図、
第２図は同上面図、第３図は巻線巻装後の同固定子と回
転子を示す側面断面図、第４図は本発明の別の実施例に
よる同上面図、第５図は従来のインナーロータ型電動機
固定子の側面断面図である。 １……端子台本体、２……穴、３……端子、４……コネ
クタハウジング、５……歯部鉄心、６……スロット部、
７……外径側開口、８……絶縁用部材、９……巻線端
末、10……巻線案内治具、11……フライヤー、12……回
転子シャフト、13……ワッシャ、14……巻線端末線、15
……継鉄部鉄心。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】固定子の巻線端末線を巻回し電気的接続の
   可能な複数の端子の一端が端子台本体またはコネクタハ
   ウジングの表面からモータの軸方向へ大きく突出し、他
   端が口出線接続用のコネクタハウジング内に配置され、
   前記コネクタハウジングとこれと一体に絶縁性材料によ
   り構成された端子台本体はその外径寸法が巻線端末の内
   径よりも小であり、回転子シャフトに挿着するシャフト
   ワッシャの外径またはベアリング軸受の外径寸法よりも
   大なる内径を有する穴が設けられており、これらが一部
   品として、固定子の巻線端末の内側に装着されてなるイ
   ンナーロータ型電動機固定子の巻線端末処理用端子台。