JPH0736428U - 変圧器用鉄芯となる短冊型硅素鋼板の自動積み重ねロボット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この考案は、変圧器鉄芯の加工性及び組立性を
考え、短冊型硅素鋼板薄板の積み重ねたものを組み合わ
せたものに分解し、この短冊型硅素鋼板を自動組立する
ロボットに関する。従来の組立作業での問題は、手作業
による為に時間がかかること、また単純作業の繰り返し
であるため、作業者にとって辛い仕事となることであ
る。また、手作業による為に作業者による品質的なバラ
ツキと同一作業者でも都度バラツキが生じるなどの問題
があった。これらの問題を解決するためのロボットによ
る自動組立である。 【構成】図１の供給用テーブル１１の上に短冊型硅素鋼
板を、１セツト分以上の枚数を置く。この板をバキュー
ムプレート３１に取り付けられているバキュームパッド
によって、上から一枚ずつ吸着し反対側のセットテーブ
ル２１に置く。変圧器の鉄芯の一部として、一般には一
枚毎または数枚毎に長手方向にずらして、１セット分必
要枚数をセットする。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

【０００１】 この考案は、変圧器用鉄芯の一部を構成する積み重ねられた短冊型硅素鋼板を 組み上げる自動組み立てロボットに関する。

【考案の概要】

【０００２】 この考案は、変圧器用鉄芯の加工性及び組立性を考え、短冊型薄板の積み重ね たものを組み合わせたものに分解し、この短冊型硅素鋼板を自動組み立てするロ ボットに関する。 また、自動組み立てにおいて、供給テーブルには前記短冊型薄板を一組分必要 枚数以上積み重ね、セット用テーブルには短冊型鋼板薄板を長手方向に必要寸法 、一例として薄板の幅のサイズだけ長手方向にずらした二種類のセット位置に、 任意に設定する枚数を各々連続して交互に繰り返して置き、一組分必要枚数を交 互に積み重ねるロボットに関するものである。

【従来の技術】

【０００３】 変圧器は、その使用目的によって多種多様であるが、ここでは図２に示す代表 的なもので説明する。 変圧器は、ロの字型の鉄芯１とコイル２、３によって構成されており、コイル２ に電気を流して鉄芯１に磁束を誘起し、この磁束によってコイル３に電圧が誘起 される。前記コイル２の線径およびターン数によって、鉄芯に誘起される磁束量 が決まり、この磁束量とコイル３のターン数によってコイル３に誘起される電圧 が決まり、コイル３に継がれる負荷に流れる電流に応じて、コイル１にも電流が 流れる。 図２の変圧器のロの字型鉄芯は、図３に示す短冊型薄板の積層に分解して、こ れを４つ組み合わせるのが一般的な方法である。鉄芯を薄板の積層のは、磁気損 失を少なくするためであるが、ここでは説明を省略する。図３で示すように、短 冊型薄板の積層は一例としてここでは短冊の短辺だけずらしてある。一枚ずつず らす場合と複数枚ずつ同じように重ね合わせてからずらす場合と色々である。 この図３に示す積層された短冊型鉄芯は、前記図２のロの字型鉄芯の一部（１／ ４）であって、短冊型鉄芯１ａを縦横に３つ組み合わせたのが図４である。図４ では、１ａ、１ｂ、１ｃとしてあるが、上下の板の重なり具合が若干異なる。 すなわち、図４の１ａ、１ｂ、１ｃのコの字型に組み合わせた状態で上と下の面 は同一になるようにする。 以上の薄板を重ね合わせ、コの字の磁芯を組み上げるまでは、従来簡単な治具を 使って手作業でしていた。 図４のコの字型磁芯を組み上げたところで、図２に示すコイル２及び３を挿入し 、その後図３に示す積層された第四の短冊型鉄芯を組み込む。 ここまでの組み立て作業で、図２に示す変圧器が完成される。 従来の組立作業での問題は、全て手作業による為に時間がかかること、また単純 作業の繰り返しであるため、作業者にとって辛い仕事となることである。また、 手作業による為に作業者による品質的なバラツキと同一作業者でも都度バラツキ が生じるなどの問題があった。

【考案が解決しようとする課題】

【０００４】 上述した現在の手作業による変圧器の組み立てでの問題を解消するため、特に 変圧器としての電気特性を左右する磁芯の組み立てをロボットで行おうとするの が本考案である。 本考案によって、作業者を単純作業から開放することも可能とした。

【実施例】

【０００５】 図１が本考案による、変圧器用鉄芯となる短冊型硅素鋼板の自動積み重ねロボ ットである。図１において供給用テーブル１１の上に鋼板薄板を少なくとも磁芯 １セット分以上の枚数を重ねてセットする。この重ねられた薄板１０は、カセッ トなどの治具を使ってある程度、縦横の端面を揃えておくことが必要である。 供給用テーブル１１の上に積み上げられた薄板１０は、第８図のように一枚ずつ バキュームパッド３１ａ、３１ｂによって上方より吸着され、反対側にあるセッ トテーブル２１に置かれる。第二図に示すように本考案によるロボットは、薄板 を一枚ずつ、又は特定数枚ずつずらして積み上げるのであるが、この薄板長手方 向のずれは、図１のバキュームプレート３１がリニアーガイド３３で矢印Ａ方向 にスライドするようにしている。 バキュームパッド３１ａ、３１ｂが供給テーブルから薄板一枚を吸着する高さ とこの薄板一枚をセットテーブルに置く高さは常に同じになるように、二つのテ ーブルは一枚移動する毎に薄板一枚の厚み分だけ上下する。すなわち、バキュー ムパッドの１サイクル毎に、供給用テーブル１１は上方へ、セットテーブル２１ は下方へ動く。二つのテーブルの上下の動きはリニアーガイド３４、３５、３６ 、３７をガイドとして行われる。（図１でリニアーガイド３５、３６、３７は省 略。） 供給用テーブル１１と重ねられた鋼板薄板１０の間には、図５で示す様に板１ ４、ローラ１３、板１２がある。 これは、材料である鋼板薄板の供給とロボットが組み上げた短冊型鉄芯の排出を 容易にするためのものである。供給用テーブルについて説明すると、図１におい て供給すべき材料（薄板）が少なくなり、供給する必要があるとき、ロボットの ハンドリングを一度中止し、供給用テーブルが下降する。図５を参照すると明ら かなように、ストッパー４１によってローラー１３の下降は止まる。ローラー１ ３の下降が止まり、供給用テーブル１１と板１４が、あとわずか移動すると図５ で板１２はローラ１３のコロの上に乗り、板１２は長手方向に移動容易となる。 板１２が充分長ければ、事前に供給用の材料を積み上げ、即座にロボツトのハン ドリング可能の位置までずらすことが出来る。 セツト用テーブルについても図第５とまったく同じものが乗っている。 セットテーブルの上下の動きも上記と同様であり、詳細の説明は省略する。

【考案の効果】

【０００６】 本考案、自動積み重ねロボットによって、変圧器用鉄芯となる短冊型硅素鋼板 の組みあがり状態の寸法的なバラツキが極端に少なくなった。 薄板の積層で縦横の端面が寸法的に揃った為、最終製品である変圧器の電気特性 のバラツキも少なくなった。 また、単純作業を作業者から開放した。

【図面の簡単な説明】

【０００７】

【図１】本考案の積み上げロボットの斜視図である。

【図２】一般的な変圧器の斜視図である。

【図３】変圧器鉄芯を加工性を考慮して分割し硅素鋼板
薄板を積層に組んだ鉄芯の一部である。

【図４】第２図を３つ組み上げた鉄芯の斜視図である。

【図５】供給用テーブルおよびセット用テーブルの上に
部品の説明図である。

【図６】セット板の斜視図である。

【図７】ローラの斜視図である。

【図８】バキュームパッドに関する説明図である。

【符号の説明】

１…………鉄芯 ２、３……コイル １０…………供給用材料（薄板） １１…………供給用テーブル １２…………給排用板 １３…………ローラ １４…………板 ２１…………セット用テーブル ３１…………バキュームプレート ３２…………モータ ３３…………リニアーガイド ３４…………リニアーガイド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｈ 39/043 (72)考案者 菊池 忠弘 東京都練馬区谷原１丁目13番12号 株式会 社青木精機製作所内 (72)考案者 宮内 孟 東京都北区志茂２丁目31番10号 株式会社 電機精工社内 (72)考案者 河辺 嘉行 東京都荒川区東尾久２丁目41番５号 電光 工業株式会社内 (72)考案者 榛葉 健児 東京都練馬区高松５丁目14番９号 永和機 械株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】供給用テーブル上に積み重ねて装着した硅
   素鋼板を、上方よりバキュームパット等により吸着し、
   セット用テーブルに一組分必要枚数を縦と横の端面を揃
   えて置き換える自動積み重ねロボットにおいて、前記硅
   素鋼板のセット位置が、鋼板の長手方向に予め設定した
   寸法分だけずれた変圧器用鉄芯となる短冊型硅素鋼板の
   自動積み重ねロボット。 【請求項１】前記短冊型硅素鋼板の二種類のセット位置
   に、任意に指定する枚数を各々連続して繰り返して置
   き、一組分必要枚数を交互に積み重ねるロボット。