JPH0736357Y2

JPH0736357Y2 - 光学コンバータ

Info

Publication number: JPH0736357Y2
Application number: JP4488290U
Authority: JP
Inventors: 文介江村
Original assignee: 株式会社幸立工業
Priority date: 1990-04-26
Filing date: 1990-04-26
Publication date: 1995-08-16
Anticipated expiration: 2005-04-26
Also published as: JPH046011U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、カメラの撮影レンズなどの光学系に装着し
て、その焦点距離を変換する光学コンバータに関する。

［従来の技術］銀塩スチル・カメラやビデオ・カメラなどでは、撮影レ
ンズの前面又は後面とカメラ本体との間に装着して、撮
影レンズの焦点距離を例えば、２倍、1/2倍などに変換
する光学コンバータが知られている。

また、上記カメラの撮影レンズ前面に装着するタイプの
従来の光学コンバータとしては、その装着の向きを逆に
することにより、テレとワイド、例えば２倍と1/2倍の
変換を実現するものも公知である。

［考案が解決しようとする課題］しかし、上記従来例では、撮影レンズの前面に光学コン
バータを装着する構成として、撮影レンズの前面に設け
られているフィルタ装着用のネジに光学コンバータをね
じこむ方法を採用していたので、テレからワイド又はワ
イドからテレに変更するためは、光学コンバータ全体を
撮影レンズ前面のネジ部から外し、当該光学コンバータ
を逆向きにして再び撮影レンズ前面のネジ部にねじ込む
ことになる。このように、変更操作が極めて煩雑であ
り、迅速には行えなかった。例えば被写体をカメラ・フ
ァインダで覗きながら光学コンバータの装着向きを変え
ることは、不可能であった。

これに対し、本考案の出願人は、装着向きの変更を極め
て容易に且つ迅速に行える光学コンバータを提案した
（実願昭63-128011号、63-148720号及び実願平1-153157
号）。これらの出願に係る光学コンバータは、ビデオカ
メラなどのレンズ前部に装着するマウントと、当該マウ
ントから前方に延びる２つのガイド・レール（又は支持
板）に挟まれて回転自在に支持されるレンズ鏡筒とから
なる。レンズ鏡筒をマウントに対して前方に押し出した
状態でレンズ鏡筒の向きを変更し、レンズ鏡筒をマウン
トに押し込むことにより、光学変換倍率を２倍から1/2
倍、又は1/2倍から２倍に簡単に変更できるようにした
ものである。

しかし、上記出願の光学コンバータでは、レンズ鏡筒と
ガイド・レールとの間が単に、ピンにより連結又は連絡
されているのみであったので、光学変換倍率の変更操作
時に、即ちレンズ鏡筒を回転してマウントに戻す際に、
レンズ鏡筒が面振れを起こしやすく、従ってマウントへ
戻す操作をスムーズに行なえないという欠点があった。
また、構成部材が多数あり、製造コストが高くつくとい
う欠点がある。

そこで本考案は、このような欠点のない光学コンバータ
を提示することを目的とする。

［課題を解決するための手段］本考案に係る光学コンバータは、向きにより異なる変換
率で主レンズの焦点距離を変換する光学系を具備するレ
ンズ鏡筒と、当該レンズ鏡筒の外周に沿って延びる２つ
の支持アームにより当該レンズ鏡筒を移動自在に支持す
ると共に、主レンズに取り付けるためのマウントとから
なる光学コンバータであり、その特徴とする点は、当該
レンズ鏡筒の外周に周方向で180度離れて２つの頭部付
きのピン部材を植立し、当該ピン部材の各々の軸部を、
対応する上記支持アームの長孔に貫入させてあり、更
に、各ピン部材の軸部を、当該レンズ鏡筒を当該マウン
トに密接させた第１位置に係止すると共に、当該レンズ
鏡筒を当該マウントから引き出した第２位置に係止する
バネ材を配置したことにある。

［作用］上記バネ部材により、使用状態である第１位置でレンズ
鏡筒を安定に保持できる。また、第２位置でも当該レン
ズ鏡筒を安定に保持するので、光学変換率を変更するた
めのレンズ鏡筒の回転動作をスムーズに行なえる。更に
は、非常に少ない部品で済むので、安価に製造できる。

［実施例］以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。但
し、理解を容易にするために図面は幾分誇張されてお
り、各部材が正確な比例関係で描かれていないことが理
解されるべきである。

第１図は本考案の一実施例の側面図、第２図は平面図を
示す。本考案に係る光学コンバータ10は例えば、ビデオ
・カメラの撮影レンズ12の前面に設けられているフィル
タ装着用のネジに取り付けて使用する。14は変換レンズ
系を組み込んだレンズ鏡筒、16はビデオ・カメラの撮影
レンズ12に装着できるマウントである。マウント16の外
端部には、ビデオ・カメラの撮影レンズ12の前面のフィ
ルタ・ネジに適合するネジ18を切ってある。

マウント16からは、レンズ鏡筒14の外周面に沿って２本
の支持アーム20,20が延びている。第３図はレンズ鏡筒1
4の正面図を示す。レンズ鏡筒14の中央部分を１周にわ
たり小高く且つ平坦に形成してあり、第３図から分かる
ように、この小高くなった部分15に、180°離れて２本
のネジ（又は、頭付きのピン）22,22を螺入してある。
詳細は後述するが、支持アーム20とネジ22との連結によ
り、レンズ鏡筒14は可動的にマウント16に取り付けられ
ている。

第５図はマウント16の側面図であり、上半分は中央縦断
面図を示す。また、支持アーム20のネジ22との連結部分
は、通常、カバー24により隠蔽されているが、カバー24
を外した状態での、支持アーム20の平面図を第５図に図
示した。支持アーム20には、レンズ鏡筒14の２つの位
置、即ち、レンズ鏡筒14をマウント16に押し付けた使用
位置と、変倍するためにレンズ鏡筒14を最大限、マウン
ト16から引き出した変更位置との間でのネジ22の頭部を
収容できる細長い凹み26を設け、更に、その凹み26に
は、２つの位置の間でネジ22の軸部が貫通して移動自在
な長円形の孔28を開けてある。そして、この孔28に沿っ
て、第６図に示すようなほぼＵ字形状に曲げた剛性のワ
イヤ30を配置してある。このワイヤ30は、細長い凹み26
の一端部に形成された突起32を挟み込むように凹み26内
に配置されている。

ワイヤ30は第６図に示すように、ネジ22の軸部の直径と
同じ又はこれより少し広い間隔のＵ字の基底部分と、当
該基底部からほぼ直角に折り立てた直立部とからなり、
当該直立部では、所定の中間位置で、直立部相互の間隔
をネジ22の軸部の直径より狭くする曲り部30aを設け、
直立部の先端30bを相互に外側に曲げてある。詳細は後
述するが、ワイヤ30の曲り部30aは、レンズ鏡筒14を上
記使用位置に付勢する位置に形成されており、また、直
立部先端の曲げ30bは、上記変更位置でレンズ鏡筒14を
安定に支持できるような位置に形成されている。

レンズ鏡筒14の両端面14A,14Bは、側部を0.5mm程度で面
取りしてある程度で、基本的に平坦である。マウント16
の、レンズ鏡筒14と当接する内面16Aは、レンズ鏡筒14
の端面14A,14Bに密接し、且つ、所定の光軸に沿って位
置決めする相補的な形状に形成してあり、その外側は、
レンズ鏡筒14を誘導するようなテーパー面16Bとしてあ
る。第７図は、レンズ鏡筒14をマウント16に押し付けた
使用状態での部分断面図を示す。但し、レンズ鏡筒14の
レンズ系は、図示を省略した。

第８図は、ワイヤ30とネジ22の軸部との位置関係を示す
平面図であり、第８図（ａ）は、レンズ鏡筒14をマウン
ト16に押し付けた使用位置の状態、同（ｂ）は、レンズ
鏡筒14を少し引き出した中間状態、同（ｃ）は、レンズ
鏡筒14を最大限引き出して、レンズ鏡筒14を２つのネジ
22,22を中心にレンズ鏡筒14を回転自在に支持する変更
位置の状態を示す。

使用状態（第８図（ａ））では、ネジ22は、ワイヤ30の
曲げ部30aにより光軸に沿ってマウント16の方向に付勢
される。即ち、レンズ鏡筒14はマウント16に押し付けら
れ、レンズ鏡筒14の端面14A又は同14Bは、第７図に示す
ように、マウント16の内面16Aにぴったり密接する。こ
の状態で、レンズ鏡筒14の光学素子により、所望の光学
変換効果が得られる。

例えば２倍の光学変換率から、1/2倍に変更しようとす
る場合、ワイヤ30の曲り部30aに抗してレンズ鏡筒14を
前に押し出す。すると、ワイヤ30の直立部が両側に拡が
ってネジ22の軸部が曲り部30aを通過し、第８図（ｂ）
の状態になる。なお、第８図（ｂ）に示すように、凹み
26には、ワイヤ30の直立部が両側に拡がった状態で、当
該直立部の先端30bを逃がすため空間26A,26Bを設けてあ
る。

レンズ鏡筒14を更に押し出すと、第８図（ｃ）に示すよ
うに、ネジ22の軸部がワイヤ30の直立部の先端30bにま
で達し、ワイヤ30は元の形状に復帰する。この位置で、
ネジ22の軸部がワイヤ30の直立部の先端30bと、ネジ22
が貫通する孔28の端部とにより、レンズ鏡筒14が安定に
保持されるように、先端部30bと孔28の端部の加工位置
を決定してある。第８図（ｃ）の状態では、２つのネジ
22,22を結ぶ直線を中心にレンズ鏡筒14が回転自在であ
り、従って、レンズ鏡筒14をマウント16に対して逆向き
に変更できる。そのように変更した後、ワイヤ30の直立
部の先端30bに抗してレンズ鏡筒14をマウント16側に押
し戻すことにより、上述とは逆の動作で第８図（ａ）の
状態になり、別の光学変換率になる。なお、支持アーム
20とレンズ鏡筒14の小高くなった部分15とを密接に形成
し、孔28とネジ22の軸部との横方向の余裕量を少なくす
ることにより、レンズ鏡筒14の端面14A,14Bの面取り程
度で、レンズ鏡筒14をマウント16の内面の所定位置に正
確に位置決めできた。

上記実施例では、マウント16は、支持アーム20,20と共
にプラスチック樹脂により一体成形可能であり、非常に
少数の部品で製造できる。

上記実施例では、Ｕ字状のワイヤ30によりレンズ鏡筒14
を使用位置及び変更位置で安定に保持できるようにした
が、別の形状のバネ材、例えばワイヤ30の２つの直立部
のみからなるバネ材等によっても同様の作用効果を得る
ことができるのは明らかであり、本考案はワイヤ30の形
状に限定されない。また、ネジ22は、通常の平頭ネジに
スリーブを被せたものであってもよい。

［考案の効果］以上の説明から容易に理解できるように、本考案によれ
ば、倍率変換作業を極めて容易に、迅速且つスムーズに
行えるコンパクトな光学コンバータを提供できる。ま
た、その構成部品数が非常に少数で済むので、安価に製
造できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の側面図、第２図は本実施例
の平面図、第３図はレンズ鏡筒14の正面図、第４図はマ
ウント16の一部断面の側面図、第５図は支持アーム20
の、カバー24を外した状態の平面図レンズ鏡筒の平面
図、第６図はワイヤ30の平面図、第７図は使用状態での
レンズ鏡筒14及びマウント16の密接状態の部分断面図、
第８図は、各位置でのネジ22の軸部とワイヤ30との関係
を説明する図である。 10:光学コンバータ、12:撮影レンズ、14:レンズ鏡筒、1
6:マウント、18:ネジ、20:支持アーム、22:ネジ、24:カ
バー、26:凹み、28:孔、30:ワイヤ、32:突起

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】向きにより異なる変換率で主レンズの焦点
距離を変換する光学系を具備するレンズ鏡筒と、当該レ
ンズ鏡筒の外周に沿って延びる２つの支持アームにより
当該レンズ鏡筒を移動自在に支持すると共に、主レンズ
に取り付けるためのマウントとからなる光学コンバータ
であって、当該レンズ鏡筒の外周に周方向で180度離れて２つの頭
部付きのピン部材を植立し、当該ピン部材の各々の軸部
を、対応する上記支持アームの長孔に貫入させてあり、更に、各ピン部材の軸部を、当該レンズ鏡筒を当該マウ
ントに密接させた第１位置に係止すると共に、当該レン
ズ鏡筒を当該マウントから引き出した第２位置に係止す
るバネ材を配置したことを特徴とする光学コンバータ。