JPH0735945B2 - 冷蔵庫等の断熱壁体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は冷蔵庫等の断熱壁体に関し、特に、冷却器等の
部品が取付けられる断熱壁体に関するものである。

（ロ）従来の技術 従来技術として、実公昭46−12775号公報には、内箱
と、この内箱を覆うように形成された外箱と、この外箱
及び内箱の間に充填される断熱材と、前記内箱及び断熱
材の間であって、棚、冷却器、露受皿等を支持する部位
に設けられ、前記内箱に形成された取付け穴に嵌合する
凸部を有する補強板と、この補強板と前記内箱との相対
的位置ずれを防止するテープとから成る冷蔵庫が開示さ
れている。

また、実公昭46−13317号公報には、シール材と補強板
とをねじによって内箱に仮止めし、その後ポリウレタン
等の発泡断熱材を外箱と内箱間に発泡充填し、しかる後
ねじを外してから棚支えを固定するようにした冷蔵庫が
開示されている。

（ハ）発明が解決しようとする課題 斯かる従来技術のうち、前者のものは、内箱に形成され
た取付け穴からの断熱材の漏れを防止するために、補強
板の部品取付け穴及び内箱と補強板の周縁との隙間を相
当広い面積で全てテープシールする必要があり、既存の
テープでは大きさに限度があるため、何ケ所もテープシ
ール作業をする煩わしさがあった。

一方、後者のものは、仮止め作業、ねじの外し作業、そ
して棚の固定作業を必要とし、作業工数が増加し、しか
も、ポリウレタンが内箱と補強板との間隙より漏出する
のを防止するシール材を必要としていた。

本発明はこれら各従来技術の問題点に鑑み、補強板の取
付け作業の簡素化と断熱材の漏出防止構造の簡素化を図
った冷蔵庫等の断熱壁体を提供するものである。

（ニ）課題を解決するための手段 本発明は上記課題を解決するために、外板と、複数の小
凸部及び複数の位置決め用大凸部を一体に形成したシー
ト状の樹脂製内板と、該内板の小凸部に嵌合する冷却器
等の部品の取付け穴及び前記大凸部に嵌合する位置決め
用穴を形成した補強板と、前記外板と前記補強板を取付
けた内板との空間に発泡充填した断熱材によって構成し
て成る冷蔵庫等の断熱壁体である。

（ホ）作 用 本発明によると、内板にビスの取付け孔が形成されず、
断熱材の漏出を防止するためのシール材を不要にするこ
とができる。

（ヘ）実 施 例 以下に本発明の断熱壁体を、第１図乃至第６図を参照し
て説明する。（１）は前面開口部に断熱開閉扉（２）を
備えた断熱構造の冷蔵庫本体であり、四角形状の開口部
を形成した天壁（３）には、本発明の断熱壁体として冷
凍装置用取付け架台（４）が、着脱自在に配設されてい
る。

この取付け架台（４）は、鉄板等の金属製外板（５）
と、ポリプロピレン等の樹脂成型品であるシート状の内
板（６）と、該内板（６）の裏面に配設した冷却器等の
部品取付け用の補強板（７）及び外板（５）と内板
（６）との空間に発泡充填した断熱材（８）によって構
成されている。

而して、前記内板（６）には、外板（５）の方向に突出
する４個の位置決め用大凸部（９）及び部品の取付板に
対応する位置にあり、部品取付けの目印となる計８個の
小凸部（10）が一体に形成されている。これに対して、
補強板（７）には、前記内板（６）の大凸部（９）に嵌
合する４個の位置決め用穴（11）及び内板（６）の小凸
部（10）に嵌合する計８個の部品取付け穴（12）を形成
している。

これら架台（４）の構成部品を、発泡作業に先がけて、
まず補強板（７）に形成した位置決め穴（11）を、内板
（６）の大凸部（９）に嵌合させ、内板（６）の裏面に
補強板（７）を載せると、補強板（７）の部品取付け穴
（12）は、自ずと内板（６）の小凸部（10）に嵌合する
ことになる。次に、補強板（７）の浮き上がりを防止す
るために、必要最小限のテープ止めを施した後、外板
（５）と内板（６）を接合し、両者を図示しない治具に
よって押えて、外板（５）側から断熱材（８）を発泡充
填して取付け架台（４）の製作を完了する。

この際、内板（６）の大凸部（９）の作用によって、補
強板（７）の水平方向の位置ずれを防止することがで
き、内板（６）には全く孔が形成されていないため、断
熱材（８）の漏出を確実に防止することができる。従っ
て、テープ止めを最小限に留めることができると共に、
シール材も全く無用にすることができるのである。

以上の様に構成された取付け架台（４）に対して、実施
例は第４図及び第６図に示すように、冷却器（13）が固
定される。詳述すると、冷却器（13）は、該冷却器（1
3）を支持する取付け板（14）を介して架台（４）に固
定される。従って、取付け板（14）には、上端を外方に
折曲した取付け面（14A）に、内板（６）の小凸部（1
0）に対応する取付け孔（15）が形成されている。この
取付け孔（15）を小凸部（10）に一致させ、ビス（16）
を取付け面（14A）の取付け孔（15）から挿入し、内板
（６）の小凸部（10）を突き破って補強板（７）の取付
け穴（12）に締着して、架台（４）への冷却器（13）の
取付けを完了する。

斯くして、冷却器（13）が取付けられた架台（４）を、
天壁（３）の上に載置し取付けボルト（17）によって接
続される。この後で架台（４）の上には、冷凍装置を構
成する電動圧縮機（18）、凝縮器（19）及び凝縮器冷却
用送風機（20）が載置されて取付けられる。一方、庫内
側には冷却器（13）の前方に冷気循環ファン（21）が配
設されると共に、これらの下方には吸込口（22）及び吹
出口（23）を形したユニットカバー（24）が配設されて
いる。

なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
例えば、断熱壁体は断熱箱体そのものであってもよい
し、取付け部品も冷却器に限られるものではない。

（ト）発明の効果 本発明は以上の様に、断熱材の漏れ防止のためのテープ
シールを補強板に施す必要がないので、補強板の取付け
を簡単に行なうことができる。

また、部品取付け部からの断熱材の漏れを、シール材を
使用することなく確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は本発明の実施例に係り、第１図は断
熱壁体の断面図、第２図は第１図の円内部の拡大図、第
３図は断熱材の発泡前の断熱壁体の分解斜視図、第４図
は冷却器を取付けた状態の断熱壁体の断面図、第５図は
冷蔵庫の斜視図、第６図は第５図のＡ−Ａ断面図であ
る。 （４）……取付け架台（断熱壁体）、（５）……外板、
（６）……内板、（７）……補強板、（８）……断熱
材、（９）……大凸部、（10）……小凸部、（11）……
位置決め用穴、（12）……部品取付け穴、（13）……冷
却器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外板と、複数の小凸部及び複数の位置決め
   用大凸部を一体に形成したシート状の樹脂製内板と、該
   内板の小凸部に嵌合する冷却器等の部品の取付け穴及び
   前記大凸部に嵌合する位置決め用穴を形成した補強板
   と、前記外板と前記補強板を取付けた内板との空間に発
   泡充填した断熱材によって構成したことを特徴とする冷
   蔵庫等の断熱壁体。