JPH0735871A - 核四重極共鳴信号測定方法及び核四重極共鳴装置 - Google Patents

核四重極共鳴信号測定方法及び核四重極共鳴装置

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JPH0735871A
JPH0735871A JP18289393A JP18289393A JPH0735871A JP H0735871 A JPH0735871 A JP H0735871A JP 18289393 A JP18289393 A JP 18289393A JP 18289393 A JP18289393 A JP 18289393A JP H0735871 A JPH0735871 A JP H0735871A
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nqr
pulse
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Yasuo Nagasawa
康夫 長沢
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パルスNQR測定装置において計測されるN
QR信号と励起パルスの残留信号との重畳信号からNQ
R信号を抽出する。 【構成】 パルスNQR計測装置において、NQR励起
/検知用の高周波コイル5の他に静磁場発生用コイル1
3及びその駆動電源14を設けるとともに測定系にデー
タ処理装置15を設け、静磁場発生中に計測した参照デ
ータと静磁場の無い状態での計測データを記憶する。こ
れら記憶された参照データと計測データの減算処理を行
い、NQR信号の有無を判定する。 【効果】 検波されたNQR信号の周波数に無関係に励
起パルスの影響を除去できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の物質中の原子の
原子核の核四重極共鳴(以下、NQRという)現象を利
用して特定の物質を検出する核四重極共鳴信号測定方法
及び核四重極共鳴装置に関し、特にプラスチック爆弾、
麻薬、覚醒剤などの取締の対象となる物質を高感度で遠
隔検知するのに好適な信号測定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機持ち込み荷物の危険物検査法とし
て、従来よりエックス線を利用して荷物中の内容を透視
し検査するエックス線検査法が用いられている。エック
ス線検査法は、エックス線が物質透過性を持ちその透過
性が物質の種類により異なることを利用したもので、エ
ックス線の透過性に特徴のある物質、例えば金属性の刀
剣や銃器などは明瞭に映像化でき、ハイジャック防止に
役立てられている。しかし、エックス線装置では、金属
等エックス線透過性に特徴のある物質以外の物質で構成
される危険物、例えば、プラスチック爆薬等は発見が極
めて困難である。
【0003】このような従来の危険物検査法に代る非破
壊検査法として、NQR現象を利用した危険物質の検知
装置の開発が行われている。NQR現象は、特定の化合
物においてその分子中の特定の原子、例えば窒素の原子
核が分子の電子勾配との相互作用により所定のエネルギ
ーギャップのエネルギーレベルを持つことにより、所定
の周波数、即ちNQR周波数の電波を吸収して励起され
る現象で、励起された原子核は励起状態から基底状態に
戻る際にNQR周波数の電波(NQR信号)を放射す
る。このようなNQR現象を呈する原子を含む化合物は
それぞれ化合物固有のNQR周波数を持つことから、N
QR信号を観察することにより特定物質の検知を行うこ
とができる。
【0004】図4はNQR現象を利用したNQR信号遠
隔検知装置の構成を示す図で、主として、検知しようと
する物質のNQR周波数f0の高周波パルスを発生する
高周波パルス発生系100と、被検体が置かれる検知部
200と、被検体から放射されるNQR信号を測定する
NQR信号測定系300とから成り、高周波パルス発生
系100は基準高周波fを発生する発振器1と、高周波
Fのパルス幅を決めるパルス信号pを発生するパルス発
生器2と、基準高周波信号fとパルス信号pとを合成し
高周波パルスpfを作り、NQR励起に必要な高周波電
力に増幅する高周波パルス増幅器3とから成る。
【0005】検知部200は、高周波パルス増幅器3の
出力する高周波パルスにより被検体4に高周波電波を照
射するとともに高周波電波の照射後、被検体4から放射
されるNQR信号を検知する高周波コイル5と、その同
調回路6と、同調回路6の接続を高周波パルス発生系1
00或いはNQR信号測定系200のいずれか一方に切
換えるスイッチ回路7が備えられる。
【0006】NQR信号測定系300は、高周波コイル
5から送られる測定信号を増幅するための低雑音増幅器
8と、増幅された測定信号に搬送波である高周波fを加
え位相検波してNQR信号を検波する位相検波器9と、
位相検波器9で得られたNQR信号をデジタル変換する
A/D変換器10と、デジタル信号として得られた複数
の測定結果の加算平均をとる加算平均回路11と、オシ
ロスコープ、CRT等測定結果を表示する表示装置12
とから成る。
【0007】このような構成において、高周波パルス照
射時においては、高周波パルス増幅器3から出力された
高周波パルスpfをスイッチ回路7及び同調回路6を介
して高周波コイル5に印加し、被検体4に高周波電波を
照射する。高周波パルスの終了と同時にスイッチ回路7
は同調回路6から高周波パルス増幅器3を切り放し、低
雑音増幅器8を同調回路6に接続し、高周波パルスによ
り励起された被検体4から放射されるNQR信号の測定
を開始する。
【0008】NQR信号の測定において、被検体から放
射されたNQR信号はまず低雑音増幅器8で増幅され、
位相検波器9で検波される。しかし、一般に励起パルス
直後に被検体から放射されるNQR信号は極めて微弱で
1マイクロボルトまたはそれ以下の信号であり、励起パ
ルスと検知しようとする信号の比は通常108以上であ
る。このため低雑音増幅器8の出力信号波形p8は図3
に示すようにスイッチ回路4から漏れ込んだ僅かな励起
パルス信号p’とそれに続く微弱なNQR信号qが出力
される。図では説明のためNQR信号を誇張して大きく
記しているが、実際のNQR信号は更に微弱で、低雑音
増幅器8の出力信号をオシロスコープで観測した場合
は、通常励起パルスp’のみが観測されNQR信号qは
回路の熱雑音に埋もれて信号として認識できない。これ
は位相検波器9で検波される段階でも同様でNQR信号
はノイズに埋もれ認識できない(図2のp9)。
【0009】このように一回のパルス計測ではNQR信
号は検知できないため、繰り返し励起パルスを発生し、
得られた計測データをA/D変換器10でディジタルデ
ータとして加算平均回路11に送る。加算平均回路11
は複数の測定データを加算平均することにより回路のラ
ンダムノイズを低減し、NQR信号(図2のp11)を取
り出すことができる。得られたNQR信号は表示装置1
2或いはデータ解析装置で表示し観測することができ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで通常NQR励
起に用いられる高周波コイル5は電波の放射効率及びN
QR信号の検知感度の高いものが望まれるため、高いQ
値を持つ。コイルがQ値を持つことにより、矩形変調さ
れた高周波が入力されると、信号の立上がり・立下がり
にQ値で決る時定数τの遅れが発生する。即ち、励起パ
ルスの電圧をVE0とすると、励起パルス終了t秒後に高
周波コイル5に残留する電圧VEは VE=VE0EXP(−t/τ) である(図3(a))。従って、NQR信号を測定する
際、この励起パルスの残留電圧による残留信号p9が図
3(b)に示すような検波波形として観測される。尚、
励起パルスの周波数はf0であるので、減衰波形は振動
しない単純な減衰信号として表われる。
【0011】一方、NQR信号も励起パルスの印加直後
から発生して一定の減衰時定数をもってその信号強度は
時間と共に減衰していくため、励起パルスの残留信号の
影響は長時間に及び、NQR信号は励起パルスの残留信
号に重畳した信号となって観測されることになる。その
検波波形を図3(c)、(d)に示した。ここでNQR
信号の周波数fRは被検体の温度によって僅かながら変
動するが、この周波数fRと励起周波数f0との間に僅か
な周波数の相違がある場合には、検波される検波信号は
励起パルスの漏れ信号に引き続いて周数fD(fD=f0
−fR)を持つ減衰振動波形のNQR信号が観測される
(図3(c))。
【0012】これに対し、NQR信号の周波数fRとN
QR励起に用いられる高周波パルスの周波数f0とが等
しい(f0=fR)場合には、同図(d)に示すようにN
QR信号の減衰信号は、励起パルスの残留信号と同様振
動しない信号となる。従って、これらが重畳された検波
波形は、励起パルスのみの残留信号と区別することが困
難である。
【0013】このため、まず高周波コイル5内に被検体
4の存在しない状態での参照データを測定しておき、次
に被検体4が存在する状態で測定した計測データを差し
引くことにより励起パルスの残留信号による誤差成分を
除去し、NQR信号の有無を判定する方法が考えられ
る。しかし、一般に高いQ値を持つ高周波コイル5にお
いては被検体4の有無によってコイルの同調周波数やQ
値が変化するため正確な参照データを得ることができな
い。
【0014】この発明はこのような従来の問題点を解決
するためになされたもので、NQR信号の周波数に関係
なく、励起パルスの影響を除去して真のNQR信号を容
易且つ正確に測定することができるNQR信号測定法及
びその装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明のNQR信号測定方法は、特定の周波数の電波
をパルス状にして被検体に照射した後、パルス状電波に
より励起した被検体中の特定物質から放射されるNQR
信号を検知するNQR信号測定方法において、被検体に
静磁場が存在しない状態でNQR信号を測定した第1の
測定結果と、被検体にNQR信号の検知を不能にする大
きさの静磁場を印加した状態でNQR信号を測定した第
2の測定結果とを差引き、真のNQR信号を測定するも
のである。
【0016】また本発明のNQR装置は、特定の周波数
の高周波パルスを発生する高周波パルス発生手段と、高
周波パルスにより駆動されパルス状電波を被検体に照射
するとともにパルス状電波により励起した被検体中の特
定物質から放射されるNQR信号を検知する検知部と、
検知部の検知したNQR信号を検波する検波手段と、パ
ルス状電波発生手段および検波手段のいずれかを検知部
に選択的に接続する切換え手段とを備えたNQR装置に
おいて、検知部は被検体に静磁場を印加する静磁場発生
手段を備えたものであり、この静磁場発生手段はと被検
体にNQR信号を不能にする大きさの静磁場を印加する
ことができるものである。
【0017】
【作用】被検体に静磁場が存在する状態でパルス状電波
を照射した場合には、ゼーマン効果によりNQR信号は
観測できなくなる。即ち、特定の物質中の原子核の磁気
モーメントが静磁場と同じ方向に配向しようとするた
め、この原子核の四重極子モーメントは、分子の電場勾
配と平行な配向に留まり、NQR現象を生じることなく
NQR信号は観測されない。しかし、検知部のコイルに
はコイルのQ値で決る時定数τの励起パルスの残留電圧
が存在するために第1の測定結果としては、この残留電
圧による減衰信号が得られる。
【0018】一方、被検体に静磁場が存在しない状態で
パルス状電波を照射した場合には、被検体に特定の物質
が存在するときにはその物質中の原子核のNQR現象に
よりNQR信号が観測される。このNQR信号は励起パ
ルス直後の減衰信号として得られ、この場合にも第1の
測定と同様に励起パルスの残留電圧による減衰信号が観
測されるので、第2の測定結果はNQR信号と励起パル
スの残留信号との重畳された信号が検出される。この第
2の測定結果から第1の測定結果を差引くことにより残
留信号による誤差成分を除去し真のNQR信号が求めら
れる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して更に
説明する。尚、図1において図4と同一の構成部分につ
いては同一の番号を付けて表わした。図1は本発明によ
るNQR信号測定装置の全体構成を示す図で、検知しよ
うとする物質に照射される特定された周波数(NQR周
波数)f0の高周波パルスを発生する高周波パルス発生
系100と、被検体4が置かれる検知部200と、被検
体4から放射されるNQR信号を測定するNQR信号測
定系300と、図示しない計測シーケンスを制御する制
御装置とから成る。
【0020】高周波パルス発生系(高周波パルス発生手
段)100は基準高周波fを発生する発振器1と、高周
波fのパルス幅を決めるパルス信号pを発生するパルス
発生器2と、基準高周波信号fとパルス信号pとを合成
し高周波パルスpfを作り、NQR励起に必要な高周波
電力に増幅する高周波パルス増幅器3とから成る。高周
波パルス発生系100で発生される信号を図2に示し
た。
【0021】このように高周波パルスpfは矩形波pで
変調された高周波であるため、その周波数は、発振器1
により発生する高周波fの周波数をf0とするとき、こ
の周波数f0を中心とした帯域幅を持つ。従って、励起
周波数f0と検知を目的とするNQR周波数fRとの間に
僅かな周波数の相違が有ってもNQR信号の検知が可能
となる。尚、検知可能な帯域幅FWは励起周波数f0と励
起パルス幅TWによるが、f0≒5MHz、パルス幅TW
≒200マイクロ秒ではFW≒2〜4kHzである。
【0022】検知部200は、高周波パルス増幅器3の
出力する高周波パルスにより被検体4に高周波電波を照
射するとともに高周波電波の照射後、被検体4から放射
されるNQR信号を検知する高周波コイル5と、その同
調回路6と、高周波コイル5の同調回路6の接続を高周
波パルス発生系10或いはNQR信号測定系20のいず
れか一方に切換えるスイッチ回路7が備えられ、更に高
周波コイル5の周囲に静磁場発生用コイル13が配置さ
れる。
【0023】ここで励起用高周波パルスの電力は、高周
波コイル5内の被検体7にNQR励起に必要なエネルギ
ーを供給するに充分なパルス電力が要求され、例えば空
港荷物用検査用コイルでは少なくとも数キロワットから
数10キロワットの電力で駆動される必要があり、この
場合、同調回路6の入力端での電圧は数十V〜数百Vで
ある。
【0024】静磁場発生用コイル13はNQR励起・検
知用の高周波コイル5と電磁的に結合し相互干渉するこ
とがないように、そして互いのコイル軸方向が直交する
ように配置される。また静磁場発生用コイル13で発生
される磁場強度は、ゼーマン効果によって対象とする物
質の原子のNQR現象を不能とする強度であればよく、
例えば100〜500ガウス程度の比較的低磁場が発生
できるものでよい。静磁場発生用コイル13は直流電源
14により駆動される。
【0025】NQR信号測定系(測定手段)300は、
低雑音増幅器8と、位相検波器9と、A/D変換器10
と、加算平均回路11と、データ処理装置15と、オシ
ログラフ、CRT等の表示装置12とから成る。低雑音
増幅器8は、高周波コイル5から得られた測定信号のう
ち一定レベル以上の信号をカットする。位相検波器9
は、増幅された測定信号に発振器1からの高周波fを加
え位相検波してNQR信号を検波する。A/D変換器1
0は、パルス発生器2が発生したパルス信号pをコント
ロール信号として位相検波器9で得られた信号のうちN
QR信号をデジタル変換する。加算平均回路11は、並
列又は直列で送られるデジタルNQR信号の複数回の測
定結果の加算平均をとる。NQR信号測定系300で観
測される信号を図2に示した。
【0026】データ処理装置15は、第1回の測定シー
ケンスで得られた参照データを記録すると共に第2回の
測定シーケンスで得られた測定データと参照データとの
差を取り、表示装置12に表示させる。表示装置12は
測定データと参照データとの差に基づき、特定物質の有
無を表示する装置であってもよく、また計測データの差
の波形を解析しその結果を表示するデータ解析装置を備
えていてもよい。尚、デジタル化されたNQR信号波形
を観測するためには、一般に使用されているようにデジ
タル波形データを図示しないD/A変換器によりアナロ
グ信号に変換しCRT表示器で観測することができる。
また例えばNQR信号の振幅は被検体内に含まれる検知
目的物質の量に比例するので、NQR信号の信号強度が
一定レベルを越えたときデータ処理装置15のCRTに
警告メッセージとして表示することも可能である。
【0027】制御装置は、高周波パルス発生系100に
おける高周波及びパルス発生のシーケンス、スイッチ回
路7の制御、静磁場発生用コイル13を駆動する直流電
源14の制御及びNQR信号測定系300の測定のシー
ケンスを制御する。このような構成において、まず第1
回の測定においては、直流電源14により静磁場発生用
コイル13を駆動し静磁場を発生させた状態で、制御装
置により制御されたNQR測定シーケンスで計測を行
う。即ち、高周波パルス照射時においては、高周波パル
ス増幅器3から出力された高周波パルスをスイッチ回路
7及び同調回路6を介して高周波コイル5に印加し、被
検体4に高周波電波を照射する。高周波パルスの終了と
同時にスイッチ回路7は同調回路6から高周波パルス増
幅器3を切り放し、低雑音増幅器8を同調回路6に接続
し、低雑音増幅器8に入力される信号を増幅した後、位
相検波器9において検波する。
【0028】低雑音増幅器8に入力される信号は、スイ
ッチ回路7から漏れ込んだわずかな励起パルス信号とそ
れに続く励起パルスの残留信号であるが、増幅器の飽和
レベル以上の信号はカットされて位相検波器9に出力さ
れる。このような測定信号は位相検波器9において高周
波fを加えることにより位相検波される。このような1
回のパルス計測で得られるNQR信号波形は、回路のラ
ンダムノイズに埋れたデータであるため検知することが
できない。従って、繰返し励起パルスを発生し、得られ
た複数の計測データをA/D変換器10でデジタル変換
した後、デジタル加算平均回路11で加算平均すること
により、回路のランダムノイズを低減し、認識可能なN
QR信号波形を得ることができる。
【0029】この加算平均回路11で得られた信号は被
検体7がNQR信号を発生する物質であるか否かに拘ら
ず励起パルスの残留信号データである。このようにして
得られた計測結果はデータ処理装置15において参照デ
ータとして記録される。次いで、直流電源14をオフに
して静磁場の存在しない状態で、第1回と同様の測定シ
ーケンスでNQR計測を繰り返し、加算平均回路11で
測定データを得る。データ処理装置15は、この測定デ
ータと先に計測した参照データとの差を取る。この際、
低雑音増幅器8に入力される信号は、第1回の測定と同
様にスイッチ回路7から漏れ込んだわずかな励起パルス
信号とそれに続く励起パルスの残留信号と、更に被検体
4に特定物質が存在するときはその物質から放射された
NQR信号であり、このNQR信号は減衰する励起パル
スの残留信号に重畳されている。次いで位相検波回路9
で検波されるNQR信号は、その周波数fRと高周波f
の周波数f0とが一致するときは振動しない減衰信号と
してであり、その周波数fRと高周波fの周波数f0とが
所定の帯域巾ずれているときには周波数fD(=f0−f
R)で振動する減衰信号となり、いずれの場合にも加算
平均回路11で得られる測定データはNQR信号と残留
信号との和となる。
【0030】従って被検体7がNQR信号を発生する物
質を含むものであれば、参照データとの差のデータは0
とはならないので、その物質の存在が検知できる。一方
被検体7がNQR信号を発生しない物質であれば計測デ
ータにはNQR信号は表われず、励起パルスの残留信号
のみが測定されるため、参照データとの差のデータは0
となる。データ処理装置15は、以上の判定結果を表示
装置12に表示させる。表示は、デジタル化された波形
データ(差データ)をD/A変換器によりアナログ信号
に変換しCRT上に波形として表示させることができ
る。またNQR信号の強度が一定のレベルを越えたとき
に警告メッセージを表示するようにしてもよい。これに
よりNQR信号の有無、即ち特定物質の存否を容易にか
つ確実に判定できる。
【0031】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように本発
明のNQR信号測定方法及びNQR装置によれば、被検
体に特定の励起パルスを照射する検知部に静磁場を発生
させる手段を設け、静磁場の存在下及び非存在下でNQ
R信号測定を行い、両者の差を取るようにしたので、励
起パルスの残留信号の影響を受けないでNQR信号の有
無を容易かつ確実に判定できる。従って、電波の放射効
率及びNQR信号の検知感度の高く、Q値の高い高周波
コイルを使用しても励起パルスの立ち下がり時間が長引
くことに伴う残留信号の重畳を問題とすることなく確実
な判定が可能となる。
【0032】本発明のNQR信号測定法及びNQR装置
は、このように窒素化合物等の特定の物質の存否を確実
に判定することができるので、従来のエックス線検査法
では不可能な範囲の物質の特定が可能であり、航空機持
ち込み荷物中に危険物の検知、通関貨物中に混入せしめ
られた上記取締対象物の検知、その他、危険物・管理物
質の持ち込み制限施設等の入退場管理監視等、広い分野
に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 NQR信号測定装置の全体構成を示す図。
【図2】 図1のNQR信号測定装置における発生信号
及び測定信号を示す図。
【図3】 NQR信号測定装置の測定系で計測される測
定結果を説明する図。
【図4】 従来のNQR信号測定装置の全体構成を示す
図。
【符号の説明】
1…基準高周波発振器(高周波パルス発生手段) 2…パルス発生器(高周波パルス発生手段) 3…高周波パルス増幅器(高周波パルス発生手段) 4…被検体 5…高周波コイル(検知部) 6…同調回路(検知部) 7…スイッチ回路 8…低雑音増幅器(測定手段) 9…位相検波器(測定手段) 10…A/D変換器(測定手段) 11…ディジタル加算平均回路(測定手段) 12…データ表示装置 13…静磁場発生用コイル(静磁場発生手段) 14…直流電源(静磁場発生手段) 15…データ処理装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定の周波数の電波をパルス状にして被検
    体に照射した後、前記パルス状電波により励起した前記
    被検体中の特定物質から放射される核四重極共鳴信号を
    検知する核四重極共鳴信号測定方法において、前記被検
    体に静磁場が存在しない状態で核四重極共鳴信号を測定
    した第1の測定結果と、前記被検体に前記核四重極共鳴
    信号の検知を不能にする大きさの静磁場を印加した状態
    で核四重極共鳴信号を測定した第2の測定結果とを差引
    き、真の核四重極共鳴信号を求めることを特徴とする核
    四重極共鳴信号測定方法。
  2. 【請求項2】特定の周波数の高周波パルスを発生する高
    周波パルス発生手段と、前記高周波パルスによって駆動
    されパルス状電波を被検体に照射するとともに前記パル
    ス状電波により励起した前記被検体中の特定物質から放
    射される核四重極共鳴信号を検知する検知部と、前記検
    知部の検知した核四重極共鳴信号を測定する測定手段
    と、前記パルス状電波発生手段および前記測定手段のい
    ずれかを前記検知部に選択的に接続する切換え手段とを
    備えた核四重極共鳴装置において、前記検知部は前記被
    検体に静磁場を印加する静磁場発生手段を備えたことを
    特徴とする核四重極共鳴装置。
JP18289393A 1993-07-23 1993-07-23 核四重極共鳴信号測定方法及び核四重極共鳴装置 Pending JPH0735871A (ja)

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JP18289393A Pending JPH0735871A (ja) 1993-07-23 1993-07-23 核四重極共鳴信号測定方法及び核四重極共鳴装置

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JP (1) JPH0735871A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2506753A (en) * 2012-09-07 2014-04-09 Morpho Detection Inc A nuclear quadrupole resonance (NQR) sensor assembly with interference removal
US9575147B2 (en) 2012-09-07 2017-02-21 Morpho Detection, Llc Nuclear quadrupole resonance system and method of using the same to remove interference components from sensor signals

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