JPH0735765Y2 - 自動車の車体嵩上げ用スペーサー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はランドクルーザー型自動車の車体嵩上げ用スペ
ーサーに関するものでオフロードを走行するときに装着
する専用パーツであり、また競技用カーに装着するパー
ツである。

「従来の技術」 ランドクルーザー型の自動車はリーフスプリングによる
車軸懸架方式からコイルスプリングによる車軸懸架方式
（リジッドアクスル）に変えることでスプリング回りの
摩擦をなくし、サスペンシヨン系のフリクシヨンを大幅
に低減するとともにフロントオーバーハング部のシヤツ
クルなどのサスペンシヨン構成部品をなくして路面との
干渉を減少させ、操縦安定性の向上と乗り心地の向上を
図り、併せて悪路走破性の向上を図つている。そしてコ
イルスプリングはアクスルハウジングの両側部上面に設
けたスプリング受用の突部（ホーシング）と、フレーム
に設けたスプリング受用のブラケツトとの間に弾装して
いる。（実開昭62-40004号公報第１図） 「考案が解決しようとする課題」 コイルスプリングをフレームとアクスルハウジングの間
に弾装することで従来型のリーフスプリングにおけるオ
ーバーハング量よりも短いオーバーハング量とすること
はできるが、コイルスプリングの高さを延長することは
安全走行のため自ら制限がある。

「課題を解決するための手段」 円筒体の下部外周に鍔縁を設け、鍔縁の下部から更に円
筒体を縮径し、且つ、延長して縮径部を一体に形成し、
鍔縁の下面に該縮径部を囲み、かつ、外周立下がり壁を
残して凹溝を設け、更に鍔縁の下部外側に半周に達する
円弧状の凹部を設けたスペーサーであり、下部螺旋条を
アクスルハウジングの両側部に突設されているホーシン
グに被せ、ホーシング上に立設したコイルスプリングの
上部螺旋条内にスペーサーの前記円筒体の下部縮径部を
装入し、鍔縁に設けた前記凹溝をコイルスプリングの上
部螺旋条に被せるとともに該螺旋条端部を鍔縁の下部外
側に設けた前記凹部に挾着させ、更に円筒体の上端面を
車体フレームに設けたスプリング受用のブラケツトに圧
接させてコイルスプリングの高さに円筒体の高さを加え
ることにより車高を嵩上げし、オーバーハング角を大き
くすることで車体の前部及び後部と路面との干渉を減少
させ悪路走破性の向上を図ることによりアプローチアン
グルを稼ぐことを目的とする。またスペーサの前記円筒
体の上部外周に鍔縁を設け前記ブラケツトに対する受承
面積を広くすることができる。

「作用」 前後のアクスルハウジングの各両側部と、各両側部と対
向する車体フレームに設けたコイルスプリング受用の各
ブラケツトとの間に、スペーサーをそれぞれ装入し高さ
を延長したコイルスプリングを弾装し、車高を嵩上げし
て車体フレームを懸架するのである。

「実施例」 本考案の実施例を図面によつて説明すると、第１図乃至
第４図に示すように鉄製の分厚い肉厚を有する円筒体
（１）の下部外周に鍔縁（２）を一体に突設し、鍔縁
（２）の下部から更に縮径した縮径部（1a）を一体に延
長して形成する。鍔縁（２）の下面外周に立下がり壁
（2a）を残し、かつ、縮径部（1a）を囲んで凹溝（2b）
を設けるとともに、鍔縁（２）の下部外側に半周に達す
る円弧状の凹部（2c）を設ける。円筒体（１）の上部外
周にも鍔縁（３）を一体に突設しかつ、鍔縁（３）の下
部外側に半周に達する円弧状の凹部（3a）を設けてスペ
ーサー（４）を形成するのである。尚、円筒体（１）の
内壁上部は外側へ拡開するテーパー斜壁（1b）に形成し
ている。

フロント側のアクスルハウジング（５）とリヤ側のアク
スルハウジング（６）のそれぞれの両側部上面に突設さ
れている各ホーシング（７）と車体フレームに設けられ
ているスプリング受用のブラケツト（８）の間にコイル
スプリング（９）を、その下部螺旋条をホーシング
（７）に被せ立設するとともにその上部螺旋条内にスペ
ーサー（４）に形成した前記縮径部（1a）を嵌合して弾
装することにより車体を嵩上げしたコイルスプリング
（９）で懸架するのである。

「考案の効果」 本考案はこのようにして成るから、スペーサー（４）を
装入し嵩上げしたコイルスプリング（４）‥をホーシン
グ（７）とブラケツト（８）‥間に弾装し車高を嵩上げ
しているためオーバーハング量Ｓ（オーバーハング角）
が従来のコイルスプリングによる車軸懸架方式よりも短
かくなり（大きくなり）従つて路面と車体下部との干渉
が減少するためオフロードにおける悪路走破性が向上す
るのである。即ち車体下部の障害物から受ける損傷を防
止でき、かつ、安全走行できる。またコイルスプリング
（９）はスペーサー（４）の凹溝（2b）と、凹部（2c）
及びホーシング（７）によつて確実に支持され、スペー
サー（４）は、その凹部（2c）に対しコイルスプリング
（９）の螺旋条端部が強固に挟着するため、みだりに動
いたりコイルスプリング（９）から脱落する恐れがな
い。

このように本考案は構造が堅牢で耐久性に富むとともに
装着が容易であり、しかも製造容易な有用考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスペーサーの正面図、第２図は同
平面図、第３図は同底面図、第４図は第１図におけるX-
X断面図、第５図はフロント側に立設されたコイルスプ
リングに本考案に係るスペーサーを装着した状態を示す
要部切欠斜視図、第６図は同要部切欠正面図、第７図は
リヤ側に立設されたコイルスプリングに本考案に係るス
ペーサーを装着した状態を示す要部切欠斜視図、第８図
は同要部切欠正面図である。 （１）……円筒体、（1a）……縮径部、（２）……鍔
縁、（2a）……立上がり壁、（2b）……凹溝、（2c）…
…凹部、（４）……スペーサー、（５）（６）……アク
スルハウジング、（７）……ホーシング、（８）……ブ
ラケツト、（９）……コイルスプリング

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アクスルハウジングの両側部上面に設けら
   れているホーシングと、車体フレームに設けられている
   コイルスプリング受用のブラケット間にコイルスプリン
   グを装着する車軸懸架方式のサスペンション装置を有す
   る自動車において、円筒体の下部外周に鍔縁を一体に設
   け、鍔縁の下部から更に円筒体を縮径し、且つ、延長し
   て縮径部を一体に形成したスペーサーを、該縮径部を前
   記コイルスプリングの上部螺旋条内に装入し鍔縁で支持
   すると共にスペーサ上端面を前記コイルスプリング受用
   ブラケットに圧接させて成る自動車の車体嵩上げ用スペ
   ーサー。
2. 【請求項２】鍔縁の下面に円筒体の縮径部を囲み、且
   つ、外周立下がり壁を残して凹溝を設け、更に鍔縁の下
   部外側に半周に達する円弧状の凹部を設けて成る請求項
   （１）記載の自動車の車体嵩上げ用スペーサー。