JPH0735552B2 - 溶融金属中における微細気泡の発生方法および装置 - Google Patents

溶融金属中における微細気泡の発生方法および装置

Info

Publication number
JPH0735552B2
JPH0735552B2 JP1120692A JP12069289A JPH0735552B2 JP H0735552 B2 JPH0735552 B2 JP H0735552B2 JP 1120692 A JP1120692 A JP 1120692A JP 12069289 A JP12069289 A JP 12069289A JP H0735552 B2 JPH0735552 B2 JP H0735552B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tuyere
gas
molten metal
bubbles
fine bubbles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1120692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02301526A (ja
Inventor
完二 相沢
信元 高柴
信司 小島
Original Assignee
川崎製鉄株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 川崎製鉄株式会社 filed Critical 川崎製鉄株式会社
Priority to JP1120692A priority Critical patent/JPH0735552B2/ja
Publication of JPH02301526A publication Critical patent/JPH02301526A/ja
Publication of JPH0735552B2 publication Critical patent/JPH0735552B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶融金属中における微細気泡の発生方法および
装置に係り、金属精錬反応の促進や、非金属介在物の除
去に有効な2mmφ以下の微細気泡の簡単な装置による有
効な発生方法および装置に関し、製鋼分野のみならず、
その他の金属精錬分野に広く利用される。
〔従来の技術〕
溶融金属中に微細な気泡を発生させることにより、金属
精錬反応の促進や非金属介在物の除去が図られることは
広く知られている。例えば、日本鉄鋼協会講演論文集CA
MP−ISIJ Vol.1(1988)P.1161〜1164には、大気圧下の
溶鋼中に微細気泡を吹込むことにより、介在物の除去効
率が飛躍的に改善されることや、気泡による減圧下での
脱ガス効率が大幅に改善されることが報告されている。
また住友軽金属技報Vol.26、No.2(April 1985)P.21〜
30には、アルミニウムの精錬においても、微細気泡の吹
込みが介在物の除去、脱ガスに効果的であることが報告
されている。すなわち、アルミニウムの溶湯処理におい
て、微細気泡が多数発生するほど、気泡と液状金属との
接触表面積が増大し、気液間の反応が促進され、また気
泡を介在物の浮上分離に利用する場合、多数の微細な気
泡の方が介在物を捕捉し易く、かつ分離効果も大きい。
更に微細気泡を用いた場合には、気泡が溶融金属の表面
で破壊する際の界面の乱れが少なく、大気や保温材、ス
ラグと溶融金属が反応して起る汚染や、浮上した介在物
の再巻き込みおよびスプラツシユの飛散が少ないという
利点があると報告されている。
その結果、溶融金属中に微細な気泡を多量に発生させる
技術開発はかなり古くから進められて来た。その最も一
般的な従来技術は、ポーラスイズルと称されている多孔
質耐火物を介して溶融金属中にガスを吹込む方法である
が、一般に溶融金属と耐火物との濡れ性が悪いために、
従来は耐火物表面の微小孔から発生した気泡が合体とし
て成長し、そのままでは微細な気泡を得ることが極めて
困難であつた。
この問題を解決するために、特開昭59−226129では、
「溶融金属容器の底部に設けた多孔性耐火物からなる吹
込プラグを用いて気体を吹込み、該溶融金属中の不純物
の浮上除去において、該吹込プラグの稼働表面積100cm2
当り、吹込ガス量を14.2Nl/分以下にすることを特徴と
した通気性耐火物による微細気泡の発生方法。」が開示
されている。
また、特開昭58−58965には、「タンデイツシユの如き
溶鋼収納容器の底に多孔質耐火物を取付けて、不活性ガ
スを溶鋼と多孔質耐火物の単位接触面積当り0.016〜1.4
Nl/min、cm2の割合で吹込みつつ、容器下部に設けた電
磁撹拌装置により溶鋼を撹拌し、ガス吹込部の溶鋼流速
を20cm/sec以上、80cm/sec未満とする清浄鋼の製造方
法。」が開示されている。
また、特公昭63−26169には第6図に示す如く、「容器
内下部溶鋼2に電磁コイル4にて磁力を作用せしめて0.
8m/sec以上の溶鋼流6を発生させ、該溶鋼流6にガス管
8を介してプラグ10から不活性ガスを添加する溶鋼の清
浄化方法。」が示されている。更に、この発明は、第7
図に示す如く、「容器内下部溶鋼2に電磁コイル4にて
磁力を作用せしめて0.8m/sec以上の溶鋼流6を発生させ
ると共に、浸漬撹拌体12を設け、モーターMにて浸漬撹
拌体12を回転させ、同時にガス管14A、14Bを通じガス体
15と共に精錬剤16を吹込み添加する溶鋼の清浄化方
法。」も併せて開示されている。
また、特開昭62−192240では、第8図に示す如く、「耐
火物製のランス本体18と、このランス本体18の先端部に
多孔質耐火物で形成されたガス吐出部20と、前記ランス
本体18に形成されガス吐出部20にガス15を供給するガス
通路22と、前記ランス本体18をその軸を中心に回転させ
る回転手段を具備したことを特徴とする溶湯バブリング
装置。」が開示されている。
なお、先に示した住友軽金属技報Vol.26、No.2にはアル
ミニウムの脱ガスのために吹込む不活性ガスノズルの態
様が種々示されており、第9図に示す如く、2本のノズ
ル24から噴出する不活性ガスを中央の400〜500rpmにて
高速回転する回転体26にて剪断して微細気泡28を発生す
るノズルも示されている。
かくの如く、従来の微細気泡の発生方法は、溶湯の撹拌
や吹込装置の回転により、ガス吹込部の溶湯流速を特定
の値以上に限定するものが多かつた。しかし、所要量の
ガスを吹込もうとすると、多大の面積の吹込み羽口稼働
面を要し、補修コストおよび装置の寿命の点からも非現
実的である。また上記従来技術の如く、溶湯流動を発生
させるためには、当然浸漬回転撹拌体や電磁撹拌装置が
必要となり、設備が巨大となるほか、溶融金属の流動に
伴なう耐火物の損耗が増大する等の欠点がある。
一方、他の方法で溶融金属中において微細気泡を発生さ
せる方法もしくは装置としては、第10図に示す如き特公
昭61−56301がある。この発明では、「溶融金属の液面
に対して20°以下の角度で、流速がマツハ数2程度のガ
スジエツトを吹きつけ、そのガスジエツトの核部を液面
に衝突させることを特徴とする溶融金属中に微細気泡を
発生させる方法。」が開示されている。この場合は第10
図において、ガス吹込管32からガスが吹込まれ、その先
端には0.5〜1mmφの複数個の小孔を有するセラミツク製
ノズル34が取付けられており、上部には排気口36のほ
か、外気の巻き込みとスプラツシユ38の防止のためカバ
ー40が設けられている。
また、特開昭59−153822には、「製鉄用タンデイツシユ
中の溶鋼中介在物を除去する方法において、加熱分解に
より微細な気泡を生成する直径3〜100ミクロンの粉体
をタンデイツシユ内溶鋼中に吹込むことを特徴とする溶
鋼中介在物の除去方法。」が開示されている。
しかしながら、前者においては、20°以下という小さい
角度でガスジエツトを吹きつけることに伴なう溶融金属
の飛散が大となるほか、ノズル付近の保守にも問題を有
している。また、発生する気泡の量も使用したガス量に
比し極めて少く、その結果、介在物の除去以外の適用で
は、使用したガス量の割には上記従来技術をしのぐ効果
が得られない。また後者の発明も、微細な粉体を吹込む
装置が必要であるほか、粉体と共に溶融金属中に吹き込
まれるガスにより、非常に大きな気泡も同時に発生する
ので、溶融金属とスラグ、保温材の界面が撹乱され、汚
染発生の原因になる等の欠点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、溶融金属中における微細気泡発生方法
および発生装置に関する上記従来技術の問題点を解決し
て、簡単な装置を用いて大量の微細気泡を効率よく発生
させる方法ならびにその装置を提供しようとするもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
上記本発明の目的は、下記要旨の本発明による微細気泡
の発生方法によつて達成される。すなわち、 (1)溶融金属中に開口した第1羽口より亜音速のガス
を吹込んで気泡を発生させると同時に、前記第1羽口内
もしくはその外周に設けられた直径2mm以下の複数の細
管より成る第2羽口より音速以上のガスジエツトを吹込
み前記第1羽口より発生した気泡に衝突させることを特
徴とする溶融金属中における微細気泡の発生方法。
また、本発明の目的は、下記要旨の微細気泡の発生装置
によつていずれも達成される。すなわち、 (2)溶融金属中に開口し開放端に通気性耐火物を有す
るガス供給路からなる第1羽口と、前記第1羽口の開口
内および/またはその外周に配設され音速以上のガスジ
エツトを発生させる直径2mm以下の複数の細管より成る
第2羽口と、を有して成ることを特徴とする溶融金属中
における微細気泡の発生装置。
(3)溶融金属中に開口し先端開口断面の平均流速が亜
音速となるガス供給管より成る第1羽口と、前記第1羽
口の開口内および/またはその外周に配設され音速以上
のガスジエツトを発生させる直径2mm以下の複数の細管
より成る第2羽口と、を有して成ることを特徴とする溶
融金属中における微細気泡の発生装置。である。
先ず本発明による微細気泡の発生装置の実施例を第1図
を参照して説明する。
溶融金属50中にはガス供給管52が浸漬されており、ガス
供給管52はその外側に耐火物54がライニングされてお
り、その先端の内側には通気性耐火物56が取付けられて
おり、これが本発明による第1羽口Aを形成する。通気
性耐火物56には、これを貫通する小径の複数の貫通孔58
が明けられており、貫通孔58が通気性耐火物56が溶融金
属50と対する面において、ガスジエツト吐出孔60となつ
て全体として第2羽口Bを形成する。第1羽口Aおよび
第2羽口Bにはそれぞれ異なる供給源からヘツダー等を
介して第1羽口Aには亜音速のガス62を、第2羽口Bに
は音速以上のガスジエツト64を供給する。
第1羽口Aから供給されるガス62の吹込み流速は亜音速
域の極力小さい値にする必要があり、第2羽口Bから吹
出されるガスジエツト64の流速は、音速以上とした理由
は、第1羽口Aにて形成された粗大気泡66Aにこれを衝
突させると、ジエツト衝突部の界面で溶融金属50のスプ
ラツシユの飛散が多くなり、界面が乱れる結果、粗大気
泡66Aの微細化が促進され、微細気泡66Bとなる。そのた
めに流速は音速以上を必要とするのでガスジエツト64の
流速を音速以上と限定した。しかして、貫通孔58の大き
さは、一般に介在物除去、治金反応の促進のためには2m
mφ以下が必要であるので、第2羽口Bを形成する複数
の貫通孔58の径をすべて2mmφ以下に限定した。
本発明による微細気泡の発生装置の他の態様を第3図に
よつて説明する。この場合は、第1羽口Aを形成するガ
ス供給管52は直径溶融金属50中に開口している。第2の
羽口Bは第1羽口Aの外周に一定距離を離れて複数の細
管68から形成されている。例えば第3図の如く、内管6
7、外管69の2重管の下端を接合して接合部70とし、上
記ガス供給管52は内管67であり、亜音速のガス62は内管
67の内部を通過し、これが第1羽口Aとなり、音速以上
のガス64は内管67と外管69の間隙から導入されて、下端
の接合部70に開口された複数の細管68から吐出され、こ
れが全体として第2羽口Bを形成する。この場合も細管
68の内径は2mmφ以下であつて全体として音速以上の流
速のガスジエツト64を吐出する。
この場合も、第1羽口Aから供給されるガス62と、第2
羽口Bから吐出されるガスジエツト64とはそれぞれ独立
した異なる供給源から供給される。第1羽口Aから吹込
まれるガス62の流速は、溶融金属50の差込みを防げる範
囲であれば音速より小さくても十分であり、むしろ粗大
気泡66Aを数多く発生させる必要がない場合は極力流速
を抑えた方がよい。
一方、第2羽口Bから吐出されるガスジエツト64の流速
は、ガス供給管52の外周径まで拡大しようとする粗大気
泡66Aの外周を激しく撹乱させるために音速以上が必要
であり、しかも極力高速にすることが望ましい。特にガ
スジエツト64の流速をマツハ2程度にすると、細管68群
のノズル先端からノズル径の10倍程度の距離までガスジ
エツト64の圧力変動が及ぶので、この範囲までの粗大気
泡66Aの気泡壁に衝突することにより、界面の乱れを増
加し、微細気泡66Bの発生を更に促進させることができ
る。
〔作用〕
上記本発明による微細気泡の発生装置の構成ならびに限
定要件の限定理由を第1図および第3図によつて説明し
たが、その作用についてそれぞれ説明する。
第1図において、ガス供給管52より亜音速ガス62を吹込
み通気性耐火物56を通過すると、流速が減少して十分小
さくなり、通気性耐火物56の表面から僅かに離れた図示
のAまでの範囲に付着気泡66Aが発生する。この付着気
泡66Aは、溶融金属50に対する通気性耐火物56との濡れ
性が悪いために、通過した吹込みガス62が耐火物56の表
面で微細気泡とならず集合合体して粗大な付着気泡66A
となつたものである。この付着気泡66Aは第1図の如く
上方に通気性耐火物56があつて浮上しにくい場合には、
通気性耐火物56の外周から更に横に拡がつて、ガス供給
管52を保護する耐火物54の外径まで達することがある。
そのため一部の気泡66Aは微細化されることなく、付着
気泡66Aの外周から離脱して離脱気泡66Cとなつて分離し
て浮上する。この離脱気泡66Cの発生量を極力少くする
ために第1羽口Aからのガス吹込み流速は亜音速域の極
力小さい流速とする必要がある。
一方、残る大部分の付着気泡66Aは本発明による方法に
より微細化される。すなわち、貫通孔58を通過したガス
ジエツト64は付着気泡66Aの内面に衝突する。このガス
ジエツト64の運動エネルギーが十分大きいと、付着気泡
壁を打ち抜き、第1図においてほぼBにて示す範囲まで
溶融金属50中に突入した後分裂して微細気泡66Bとな
る。この時の微細気泡66Bの直径は、ガスジエツト64が
付着気泡66Aの気泡壁に衝突して作るくぼみの径に近い
寸法になるので、微細気泡66Bを得るためには、ガスジ
エツト64を吐出する貫通孔58の径を小さくする必要があ
り、本発明では2mmφ以下に限定したことは先に述べた
とおりである。
発生した気泡のうち離脱気泡66Cの如き粗大気泡66Aは、
直ちに浮上し、その際溶融金属50の上昇流を発生させ
る。一方、本発明により発生した微細気泡66Bの浮上速
度は小さく、溶融金属50の局所的な流動の影響を受け易
いので、すぐには浮上せず、第1図にてCにて示す如き
比較的広い領域にまで分散する。
第1図に示した本発明を取鍋内に収容された溶融金属に
適用した場合を第2図にて説明する。
取鍋68中に収容された溶融金属50にランス(ガス供給
管)52の先端に本発明による複数の貫通孔58を有する通
気性耐火物56より成る微細気泡発生装置76を浸漬し、そ
れぞれガス流量調節弁71A、71Bを有するガス供給路72
A、72Bを通じ、第1羽口Aに亜音速ガス62を、第2羽口
Bに音速以上のガスジエツクト64を供給する。この場合
ランス52の先端部の微細気泡発生装置76を可能な限り取
鍋68底部の深い部位に浸漬してそれぞれのガスを吹込む
と、上記説明した如き作用により発生した大きな離脱気
泡66Cは直ちに浮上するので、溶融金属50の循環流50Aを
発生する。従つて発生した微細気泡66Bはこの上昇流に
伴われて一旦溶融金属50の表面近くまで浮上するが、再
び下降流に伴われて下降し、取鍋68内の上下を循環して
分散される。かくの如く、微細気泡66Bの分散化によつ
て溶融金属50中の非金属介在物との接触の機会が増加す
るので、非金属介在物は微細気泡66Bに付着して浮上分
離されるのに極めて効果的である。
〔応用例〕
(a)本発明を応用した変形例を第4図にて説明する。
第1羽口Aから吹込んだガス62により粗大気泡66Aを作
る代りに、第2羽口Bから吹込んだ音速以上のガスジエ
ツト64によつても微細気泡66Bとなれず、溶融金属50中
に滞留しているガスを本装置によつて捕集して付着気泡
66Aを作るのに使用することができる。すなわち、第4
図に示す装置を溶融金属50中に浸漬しておく、微細気泡
66Bになれず滞留していたガスは下部の凹部73に捕集さ
れるので、凹部73の外周の第2羽口Bから音速以上のガ
ス64を吹込めば、捕集されたガス74は付着気泡66Aとな
つて、順次音速以上のガス64によつて微細気泡66Bとな
る。この場合は第1羽口Bと凹部73とを含む全体が、本
発明による第1羽口Aであり、従つて単位時間に凹部73
に捕集されるガス量、もしくは第2羽口Bからのガス吹
込量を凹部73の面積で割つた値が、本発明における第1
羽口Aからのガス吹込速度に相当する。従つて第4図に
示す如き装置も溶融金属50の残存浮遊ガスを捕集して微
細気泡を発生させる装置として効果的である。
(b)次に本発明装置の使用態様の特殊な例を第5図に
て説明する。すなわち本発明装置を第5図に示す如く、
溶融金属50中で装置を水平にして使用することもでき
る。この場合は第1羽口A、第2羽口Bの溶融金属50と
接触する面は、取鍋等の容器に対し垂直となるので、通
気性耐火物56を通過して発生した付着気泡66Aは上方に
分裂して浮上する傾向がある。従つて第1羽口Aの前面
には第1図について説明したと同様の気泡界面ができる
ので、これを第2羽口Bのガスジエツト64で撹乱するの
で微細気泡66Bが発生する。
なお、本発明において吹込むガスとしては、不活性ガス
のほか精錬の目的によつては、酸素、空気、その他のガ
スも使用可能であつて、溶融金属中に微細気泡を拡散さ
せることにより、化学的、物理的な反応の促進、操作の
改善、向上が期待できるガス種類を任意に選択すること
ができる。
〔実施例〕
実施例1 上記第1図で説明した態様の実施例について説明する。
稼働部径100mmφ×長さ200mmのポーラスプラグより成る
通気性耐火物56の層を貫通する内径0.5mmの細管より成
る貫通孔58を20本埋め込み、通気性耐火物56の背面およ
び細管群58Aの一端からそれぞれ異なるヘツダーを設け
て第1羽口Aおよび第2羽口Bより成る微細気泡発生装
置76を作製した。通気性耐火物56の側面は非通気性耐火
物74で被覆し側面からのガス漏洩がないようにした。こ
の装置76を第1図の如く、その稼働面が下向きになるよ
うにして1600℃の溶鋼内に約150mmの深さに浸漬し、ポ
ーラスプラグ56および細管群58Aからそれぞれ10Nl/mi
n、100Nl/minの流量のArガスを吹込んだ。この時のガス
流速はポーラスプラグ56の稼働面で平均0.02m/sec、細
管58の出口で370m/secであつた。
発生した気泡を鋼製の丸棒に付着させ、丸棒表面の凝固
層に残つた痕跡から気泡径を調査した処、1〜2mm径の
微細気泡跡が多数認められた。
本発明の効果を確認するために、次に細管群58AからのA
rガスの吹込みを中止し、ポーラスプラグ56から100Nl/m
inのArガスのみを吹込むとポーラスプラグ56稼働面近傍
が波立ち、前回と同様に丸棒表面の凝固層に残つた痕跡
からは、2mm以下の微細気泡跡はほとんど認められなか
つた。従つてポーラスプラグ56の第1羽口Aからの発生
気泡を細管群58Aの第2羽口Bからのガスジエツト64に
よつて撹乱することにより微細気泡66Bが発生すること
を確認した。
実施例2 上記第3図で説明した態様の実施例について説明する。
第3図に示す如く、外周を耐火物54にて被覆した内径40
mmの鋼管をガス供給管52とし、内部に0.5mmφの細管68
を10本配置して本発明の微細気泡発生装置76を作製し、
実施例1と同様に稼働面が下向きになるようにして1600
℃の溶鋼内に浸漬し、細管群68Aからは50Nl/min、ガス
供給管52からは2Nl/minの流量のArガスを吹込み、実施
例1と同様に丸棒による気泡径を調査したところ1〜2m
mφの微細気泡跡が多数認められた。
次に細管群68からのArガス吹込を中止し、ガス供給管52
からのみ52Nl/minのArガスを吹込んだところ、2mmφ以
下の微細気泡跡がほとんど認められず、実施例1と同様
に本発明の効果が確認された。
〔発明の効果〕
本発明は従来の微細気泡の発生方法および装置の欠点を
検討し、特に通気性耐火物の微細な小孔群もしくは小径
のガスジエツト吹込み孔から溶融金属中に単にガスを吹
込んだのでは、表面の濡れ性が悪いために気泡が合体し
て微細気泡ができない事実から、本発明は、溶融金属中
に開口した第1羽口から亜音速のガスを吹込んで気泡を
発生させると共に、第1羽口内もしくはその外周から音
速以上のガスジエツトを吹込み第1羽口より発生した気
泡に衝突させる方法をとり、その装置も前記微細気泡の
発生方法の実施に適合するように構成したので次の効果
を挙げることができた。
(イ)本発明の方法は、不規則に変化する第1羽口によ
り発生した気泡の内面に、第2羽口よりのガスジエツト
を衝突させるので、溶融金属中に突入するジエツトの形
態は複雑に変化し、単に溶融金属の表面にジエツトを衝
突させる従来技術よりも、はるかに気泡の微細化が容易
である。
(ロ)本発明では、発生するスプラツシユも周囲の溶融
金属に取り込まれるので、飛散防止の手段を省略でき
る。
(ハ)本発明による装置は、溶融金属撹拌用ランスの先
端に取付け得る簡単な装置であり、特別の設備を設ける
必要がなく、しかも大量の微細気泡を確実に発生させる
ことができる。
(ニ)本発明は単に溶融のみならず、あらゆるその他の
金属精錬に適用でき、更にその溶融金属の精錬目的によ
つて使用するガスも単に不活性ガスのみならず、酸素、
空気、その他の気体をも使用できるので、微細気泡を利
用する多くの溶融金属の精錬の発展に寄与できる効果は
極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の装置の構成および作用を説明
する模式断面図、第2図は本発明による微細気泡発生装
置を取鍋中の溶融金属に適用した場合の溶融金属流動を
示す模式断面図、第3図は本発明の他の実施例の構成お
よび作用を示す断面図、第4図は本発明装置の応用例を
示す断面図、第5図は本発明装置の特殊な使用態様を示
す断面図、第6図〜第10図は溶融金属中における微細気
泡発生方法もしくは装置の従来技術を示す断面図であ
る。 50…溶融金属、52…ガス供給管 54…耐火物 56…通気性耐火物(ポーラスプラグ) 58…貫通孔、58A…細管群 60…ガスジエツト吐出孔 62…亜音速ガス 64…音速以上のガスジエツト 66A…付着気泡(粗大気泡) 66B…微細気泡、66C…離脱気泡 68…取鍋、70…接合部 73…凹部、74…捕集ガス 76…微細気泡発生装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融金属中に開口した第1羽口より亜音速
    のガスを吹込んで気泡を発生させると同時に、前記第1
    羽口内もしくはその外周に設けられた直径2mm以下の複
    数の細管より成る第2羽口より音速以上のガスジエツト
    を吹込み前記第1羽口より発生した気泡に衝突させるこ
    とを特徴とする溶融金属中における微細気泡の発生方
    法。
  2. 【請求項2】溶融金属中に開口し開放端に通気性耐火物
    を有するガス供給路から成る第1羽口と、前記第1羽口
    の開口内および/またはその外周に配設され音速以上の
    ガスジエツトを発生させる直径2mm以下の複数の細管よ
    り成る第2羽口と、を有して成ることを特徴とする溶融
    金属中における微細気泡の発生装置。
  3. 【請求項3】溶融金属中に開口し先端開口断面の平均流
    速が亜音速となるガス供給管より成る第1羽口と、前記
    第1羽口の開口内および/またはその外周に配設され音
    速以上のガスジエツトを発生させる直径2mm以下の複数
    の細管より成る第2羽口と、を有して成ることを特徴と
    する溶融金属中における微細気泡の発生装置。
JP1120692A 1989-05-15 1989-05-15 溶融金属中における微細気泡の発生方法および装置 Expired - Fee Related JPH0735552B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1120692A JPH0735552B2 (ja) 1989-05-15 1989-05-15 溶融金属中における微細気泡の発生方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1120692A JPH0735552B2 (ja) 1989-05-15 1989-05-15 溶融金属中における微細気泡の発生方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02301526A JPH02301526A (ja) 1990-12-13
JPH0735552B2 true JPH0735552B2 (ja) 1995-04-19

Family

ID=14792604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1120692A Expired - Fee Related JPH0735552B2 (ja) 1989-05-15 1989-05-15 溶融金属中における微細気泡の発生方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0735552B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4335643C1 (de) * 1993-10-15 1994-10-27 Mannesmann Ag Verfahren und Vorrichtung zum Einleiten von Gasen in Metallschmelzen
CN109881025B (zh) * 2019-03-13 2020-11-17 上海交通大学 铝熔体超音速除气装置和方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02301526A (ja) 1990-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3227547A (en) Degassing molten metals
EP0674016B1 (en) Gas atomizer with reduced backflow
US3891730A (en) Method for making metal powder
CN1038046C (zh) 金属熔体中引入气体的方法和设备
EP0556343B1 (en) Jet flow device for injecting gas into molten metal
Luomala et al. Splashing and spitting behaviour in the combined blown steelmaking converter
JP4556804B2 (ja) 溶融金属の注入管および注入方法
US6709630B2 (en) Metallurgical lance and apparatus
JPH0735552B2 (ja) 溶融金属中における微細気泡の発生方法および装置
US4011290A (en) Method and device for dispersing a melt with a fluid jet
JP4289182B2 (ja) タンディッシュ用注入管
Jong-Leng et al. Experimental study of splash generation in a flash smelting furnace
JP5047185B2 (ja) Ld製鋼用の改良型ランス
JP2024500653A (ja) 金属浴中の溶融金属および/またはスラグを処理するための方法、および溶融金属を処理する金属プラント
JPS6156301B2 (ja)
CN219425607U (zh) 一种连铸吹氩中间包用超声细化气泡的装置
CN109396365A (zh) 一种新的旋流下铸装置
JP2976848B2 (ja) タンディッシュ内溶鋼の高清浄化方法
JPS6112814A (ja) 固体粒子加速用ノズル装置
KR100289874B1 (ko) 개방 용기의 조절된 난류 정화를 위한 방법 및 장치
JP6888492B2 (ja) 溶鋼の精錬装置及び溶鋼の精錬方法
Lee et al. Metallurgical performance of the water‐cooled lance at the BHP Sydney Steel Mill: A physical modelling study
Müller et al. Control of ejections caused by bubble bursting in steelmaking processes
JPH07238312A (ja) 極低炭素鋼の製造方法及び真空脱ガス装置
Peaslee Modeling of multiphase interactions in metallurgical reactors

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees