JPH0735420B2 - 活性水素含有基およびブロツク化イソシアナトカルボニル基を含有するポリマ−およびその製法 - Google Patents

活性水素含有基およびブロツク化イソシアナトカルボニル基を含有するポリマ−およびその製法

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JPH0735420B2
JPH0735420B2 JP62100871A JP10087187A JPH0735420B2 JP H0735420 B2 JPH0735420 B2 JP H0735420B2 JP 62100871 A JP62100871 A JP 62100871A JP 10087187 A JP10087187 A JP 10087187A JP H0735420 B2 JPH0735420 B2 JP H0735420B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は活性水素含有基およびブロック化イソシアナト
カルボニル基を含有するポリマーおよびその製法、特に
塗料およびその他の樹脂組成物として使用するのに好適
な活性水素含有基およびブロック化イソシアナトカルボ
ニル基を含有するポリマーおよびその製法に関する。
(従来の技術) イソシアナト基を有する化合物は、その優れた反応性の
故に、高分子化学を含む種々の領域で広く用いられてい
る。特に重合性の炭素−炭素不飽和基とイソシアナト基
の両者を同一分子内に有する化合物は、それらの両官能
基がそれぞれ異なる反応機構で種々の反応に参与するた
め、広汎な工業技術分野で使用することが出来る。この
ような有用性に着目し、本発明者らは先に次式で表わさ
れるアシルイソシアネート化合物を提供した〔例えば特
開昭60-115557号公報〕: [式中、Rは水素原子または低級アルキル基(例えばメ
チル、エチル、プロピル、ブチル)を示す。]。
この化合物はイソシアナトカルボニル基 を有しており、イソシアナト基に隣接したカルボニル基
がイソシアナト基の活性を高めて多種多様な付加反応等
を営みうる状態にある。
(発明の目的) 本発明は上記アシルイソシアネート化合物(II)を利用
して塗料やその他の樹脂組成物として有用なポリマーを
提供しようとするものである。
(発明の内容) 本発明によって提供されるポリマーは式: [式中R1は水素または低級アルキル基を示し、Bは炭素
数1〜25の酸素原子またはアルキルアミノ基を含んでい
てもよい直鎖または分岐の飽和脂肪族アルコール、炭素
数6〜15の芳香族アルコール、炭素数5〜7の活性メチ
レン含有化合物、炭素数4〜8のN−ヒドロキシイミド
化合物、炭素数4〜6のオキシム化合物、イミダゾール
化合物または2級アミン化合物からイソシアナト基との
付加反応に関与した水素原子を除外した残基を示
す。]、 式: [式中、Xはカルボキシル基、水酸基、炭素数4以下の
カルボニルオキシアルキレンヒドロキシル基、ヒドロキ
シフェニル基、フェニルアミド基、フェニルスルホン酸
基、カルボニルオキシアルキレンスルホン酸基、カルボ
ニルオキシフェニレンスルホン酸基、(N−アルキレン
スルホン酸基)アミド基、リン酸基、カルボニルアルキ
レンリン酸基、メチルアミノ基、フェニルアミノ基また
はカルボニルオキシアルキレン(t−ブチル)アミノ基
を示し、T1、T2、T3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数
8以下のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子または
ニトロ基を示す。] [式中、P、Q、YおよびZはそれぞれ独立に水素また
は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニ
ル基、炭素数10以下のアラルキル基、ハロゲン、シアノ
基、‐O-COR′(R′は炭素数1〜6のアルキル基、炭
素数8以下のアリール基、アルキルアリール基、ハロア
リール基、アルコキシアリール基または、炭素数4以下
のハロアルキル基、シアノメチル基、-CH2OCOR″(R″
は炭素数9以下のアルキル基、ハロアルキル基、または
フェニル基を示す。)またはCOORa(Raは炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数10以下のアリール基または炭素数
10以下のアラルキル基)を示す。] で表される繰り返し単位を有するポリマーであって、式
(I)の繰り返し単位がm個(mは正の整数)、式(I
I)の繰り返し単位がn個(nは正の整数)および式(I
II)の繰り返し単位がl個(lは0または正の整数)存
在し、式(I)中のブロック化イソシアナトカルボニル
基が1.0〜99.0重量%(ポリマー重量基準)および式(I
I)中の活性水素含有基が0.1〜90.0重量%(ポリマー重
量基準)結合した、分子量1,000〜100,000を有する、活
性水素含有基およびブロック化イソシアナトカルボニル
基を含有するポリマーである。
上記ポリマーは、 式: [式中、R1およびBは前記と同意義。] で表されるブロック化アシルイソシアネート化合物、
式: [式中、X、T1、T2およびT3は前記と同意義。] で表される活性水素含有基含有エチレン系不飽和化合
物、および必要に応じ式: [式中、P、Q、YおよびZは前記と同意義。] で表される他の重合性モノマーを重合させることにより
得られる。
ブロック化アシルイソシアネート化合物(I)は前記ア
シルイソシアネート化合物(VII)を式: B−H (VIII) [式中、Bは前記と同意義。] で表されるブロック化剤によりブロック化することによ
り得られる。アシルイソシアネート化合物(VII)は、
特開昭60-115557号公報に記載の方法により得てもよ
く、ディー・マクロモレクラーレ・ケミー(Die Makrom
oleklare Chemie)131(1970)247〜257(No.3199)に
記載の中間体を経て製造してもよい。通常、α−アルキ
ルアクリルアミドとオキザリルハライドの反応によって
製造することが出来る。反応は、ハロゲン化炭化水素の
ような不活性溶媒の存在下、0〜80℃の温度で行なわれ
る。
前記したように、アシルイソシアネート化合物(VII)
は、種々の反応を営む可能性を有するものであるから、
これにブロック化剤(VIII)を作用させた場合、所望の
アシルイソシアネート化合物(VII)とブロック化剤(V
III)の間の付加反応に加えおよび/または代わり、ア
シルイソシアネート化合物(VII)自体の二量化、三量
化、多量化(重合)などや、生成したブロック化アシル
イソシアネート化合物(I)の重合、生成したブロック
化アシルイソシアネート化合物(I)のアミド態NH基と
アシルイソシアネート化合物(VII)の反応など種々の
副反応の進行が予測されたのであるが、現実には少なく
とも100℃を越えない温度範囲においては上記所望反応
が優先的に進行することが確認された。特に室温(0〜
30℃)を越えない比較的低温下では、所望の反応のみが
定量的に進行し、予測された種々の副反応は実質的完全
に回避することができる。
ブロック化剤(VIII)としては活性水素を有する化合物
が使用され、普通には単官能性のアルコール類やフェノ
ール類が用いられる。具体的にはメタノール、エタノー
ル、クロロエタノール、プロパノール、ブタノール、ペ
ンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノー
ル、ノナノール、3,3,5−トリメチルヘキサノール、2
−エチルヘキサノール、フェニルカルビノール、メチル
フェニルカルビノール、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、フ
ェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノー
ル、クロロフェノール、エチルフェノール、t−ブチル
フェノール、ノニルフェノール等を代表例とする炭素数
1〜25の酸素原子またはアルキルアミノ基を含んでもよ
い直鎖または分岐の飽和脂肪族アルコールまたは炭素数
6〜15の芳香族アルコールが例示される。これらの他、
炭素数5〜7の活性メチレン化合物(例えばアセチルア
セトン、マロン酸ジエチル)、炭素数4〜8のN−ヒド
ロキシイミド類(例えばN−ヒドロキシフタルイミド、
N−ヒドロキシグルタルイミド、N−ヒドロキシスクシ
ンイミド)、炭素数4〜6のオキシム類(例えばメチル
エチルケトオキシム、アセトンオキシム、シクロヘキサ
ノンオキシム)、イミダゾール類(例えば1,3−イミダ
ゾール)、2級アミン類(例えばジシクロヘキシルアミ
ン)等を用いてもよい。
ブロック化剤(VIII)は常温で液体である場合が多く、
それ自体ブロック化反応の媒質として役立ちうるが、ブ
ロック化剤(VIII)が液体であると固体であるとを問わ
ず不活性溶媒を使用してもよい。不活性溶媒としては反
応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、種々のも
のを使用することが出来、例えばペンタン、ヘキサン、
ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂環式炭化
水素類、石油エーテル、石油ベンジンなどの石油系炭化
水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエ
タンなどのハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、イ
ソプロピルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン類、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど
から適宜に選択すればよい。これらは単独または混合物
のいずれで使用されてもよい。
ブロック化反応は一般に−20〜100℃で行なうことが好
ましいが、室温(0〜30℃)付近で行なうのが有利であ
る。100℃以上の高温では副反応を起こす可能性があ
り、他方余り低温になると反応速度が小となって不利で
ある。反応に際し、スズ系の触媒の使用が考慮されても
よいが、通常は触媒使用の必要性を認めない。
本発明によれば、ブロック化アシルイソシアネート化合
物(I)はその活性点がブロックされているので、非ブ
ロック状態では反応・ゲル化する可能性のある活性水素
含有基を持つエチレン系不飽和化合物ともエチレン性不
飽和結合による重合反応が可能となる。
活性水素含有基含有エチレン系不飽和化合物は式: [式中、X、T1、T2およびT3は前記と同意義。] で表される化合物であり、その例としては、不飽和酸類
(例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮
酸、2−イソプロピルアクリル酸、トランス−2−デセ
ン酸、シス−2−デセン酸、α−クロロアクリル酸、β
−トランス−ニトロアクリル酸)、不飽和アルコール類
(例えば上記不飽和酸とエチレングリコールやプロピレ
ングリコールのようなグリコールとのモノエステル、ク
ロトンアルコール、シンナミルアルコール、o−ヒドロ
キシスチレン)、不飽和アミド類(例えばアクリル酸ア
ミド、メタクリル酸アミド、クロトン酸アミド、桂皮酸
アミド、p−ベンズアミドスチレン)、不飽和スルホン
酸類もしくはその塩(例えばアクリル酸−2−スルホエ
チル、メタクリル酸−2−スルホエチル、タ−シャリ−
ブチルアクリルアミドスルホン酸、アクリル酸4−スル
ホフェニル、p−ビニルベンゼンスルホン酸)、不飽和
リン酸類(例えばアシッドホスホキシエチルメタクリレ
ート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、
リン酸ビニル、リン酸イソプロペニル)、不飽和アミン
類(例えばアリルアミン、o−アミノスチレン、m−ア
ミノスチレン、メタクリ酸t−ブチルアミノエチル)等
が例示される。これらは単独でも混合物として用いても
よい。
上記2種の単量体化合物に加え、必要に応じて使用され
る他の重合性モノマーは、活性水素含有基を有しないエ
チレン系不飽和化合物であり、式: [式中、P、Q、YおよびZは前記と同意義。] で表されるモノマーである。その具体例としては、モノ
オレフィンおよびジオレフィン類(例えばスチレン、α
−メチルスチレン、α−エチルスチレン、イソブチレン
(2−メチル−プロパン−1)、2−メチル−ブテン−
1、2−メチル−ペンテン−1、2,3−ジメチル−ブテ
ン−1、2,3−ジメチル−ペンテン−1、2,4−ジメチル
−ペンテン−1、2,3,3−トリメチル−ヘプテン−1、
2,3−ジメチル−ヘキセン−1、2,4−ジメチル−ヘキセ
ン−1、2,5−ジメチル−ヘキセン−1、2−メチル−
3−エチル−ペンテン−1、2,3,3−トリメチル−ペン
テン−1、2,3,4−トリメチル−ペンテン−1、2,3,4−
トリメチル−ペンテン−1,2−メチル−オクテン−1、
2,6−ジメチル−ヘプテン−1、2,6−ジメチル−オクテ
ン−1、2,3−ジメチル−デセン−1、2−メチル−ノ
ナデセン−1、エチレン、プロピレン、ブチレン、アミ
レン、ヘキシレン、ブタジエン−1,3、イソプレン)、
ハロゲン化モノオレフィンおよびジオレフィン類(例え
ばα−クロロスチレン、α−ブロモスチレン、2,5−ジ
クロロスチレン、2,5−ジブロモスチレン、3,4−ジクロ
ロスチレン、オルソ、メタおよびパラ−フルオロスチレ
ン、2,6−ジクロロスチレン、2,6−ジフルオロスチレ
ン、3−フルオロ−4−クロロスチレン、3−クロロ−
4−フルオロスチレン、2,4,5−トリクロロスチレン、
ジクロロモノフルオロスチレン、2−クロロプロペン、
2−クロロブテン、2−クロロペンテン、2−クロロヘ
キセン、2−クロロヘプテン、2−ブロモブテン、2−
ブロモヘプテン、2−フルオロヘキセン、2−フルオロ
ブテン、2−ヨードプロペン、2−ヨードペンテン、4
ーブロモヘプテン、4−クロロヘプテン、4−フルオロ
ヘプテン、シスおよびトランス−1,2−ジクロロエチレ
ン、1,2−ジブロモエチレン、1,2−ジフルオロエチレ
ン、1,2−ジヨードエチレン、クロロエチレン(ビニル
クロライド)、1,1−ジクロロエチレン(ビニリデンク
ロライド)、ブロモエチレン、フルオロエチレン、ヨー
ドエチレン、1,1−ジブロモエチレン、1,1−ジフルオロ
エチレン、1,1−ジヨードエチレン、1,1,2−トリフルオ
ロエチレン、クロロブタジエン)、有機および無機酸の
エステル類(例えばビニルアセテート、ビニルプロピオ
ネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビ
ニルバレレート、ビニルカプロエート、ビニルエナンテ
ート、ビニルベンゾエート、ビニルトルエート、ビニル
−p−クロロベンゾエート、ビニル−o−クロロベンゾ
エート)、ビニル−p−メトキシベンゾエート、ビニル
−p−エトキシベンゾエート、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチ
ルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメ
タクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタ
クリレート、デシルメタクリレート、メチルクロトネー
ト、エチルチグレート、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアク
リレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、
オクチルアクリレート、3,5,5−トリメチルヘキシルア
クリレート、デシルアクリレートおよびドデシルアクリ
レート、イソプロペニルアセテート、イソプロペニルプ
ロピオネート、イソプロペニルブチレート、イソプロペ
ニルイソブチレート、イソプロペニルバレレート、イソ
プロペニルカプロエート、イソプロペニルエナンテー
ト、イソプロペニルベンゾエート、イソプロペニル−p
−クロロベンゾエート、イソプロペニル−o−クロロベ
ンゾエート、イソプロペニル−o−ブロモベンゾエー
ト、イソプロペニル−m−クロロベンゾエート、イソプ
ロペニルトルエート、イソプロペニル−α−クロロアセ
テート、イソプロペニル−α−ブロモプロピオネート、
ビニル−α−クロロアセテート、ビニル−α−ブロモア
セテート、ビニル−α−クロロプロピオネート、ビニル
−α−ブロモプロピオネート、ビニル−α−ヨードプロ
ピオネート、ビニル−α−クロロブチレート、ビニル−
α−クロロバレレート、ビニル−α−プロモバレレー
ト、アクリルクロライド、アリルシアナイド、アリルブ
ロマイド、アリルフルオライド、アリルヨージド、アリ
ルクロライドカーボネート、アリルニトレート、アリル
チオシアネート、アリルホルメート、アリルアセテー
ト、アセテートプロピオネート、アリルブチレート、ア
リルバレレート、アリルカプロエート、アリル−3,5,5
−トリメチルヘキサエート、アリルベンゾエート、アリ
ルアクリレート、アリルクロトネート、アリルオレエー
ト、アリルクロロアセテート、アリルトリクロロアセテ
ート、アリルクロロプロピオネート、アリルクロロバレ
レート、アリルラクテート、アリルピルベート、アリル
アミノアセテート、アリルアセトアセテート、アリルチ
オアセテート、メタリルクロライド、メタリルシアナイ
ド、メタリルアセテート、メタリルクロロアセテート、
β−エチルアリルアセテート、β−プロピルアリルアセ
テート、1−ブテン−4−オールアセテート、2−メチ
ル−ブテン−4−オールアセテート、2−(2,2−ジメ
チルプロピル)−1−ブテン−4−オールアセテート、
1−ペンテン−4−オ−ルアセテート、メチル−α−ク
ロロアクリレート、メチル−α−ブロモアクリレート、
メチル−α−フルオロアクリレート、メチル−α−ヨー
ドアクリレート、エチル−α−クロロアクリレート、プ
ロピル−α−クロロアクリレート、イソプロピル−α−
ブロモアクリレート、アミル−α−クロロアクリレー
ト、デシル−α−クロロアクリレート、メチル−α−シ
アノアクリレート、エチル−α−シアノアクリレート、
アミル−α−シアノアクリレート、デシル−α−シアノ
アクリレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエー
ト、ジアリルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチ
ルフマレート、ジメタリルフマレート、ジエチルグルタ
コネート)、有機ニトリル類(例えばアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、3−オ
クテンニトリル、クロトニトリル、オレオニトリル)等
が挙げられる。
重合は上記単量体化合物を重合に不活性な溶媒中でラジ
カル共重合することにより行なう。
重合開始剤は通常のラジカル開始剤が好適に用いられ、
その具体例としてはアゾビスイソブチロニトリル、過酸
化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、テトラメチ
ルチウラムジスルフィド、2,2′−アゾビス(4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、アセチルシク
ロヘキシルスホニルパーオキシド、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。開
始剤の使用量は単量体化合物の合計量に対し通常0.1〜1
0重量%である。重合温度は通常20〜200℃、好ましくは
80〜150℃である。
重合に不活性な溶媒としては、前記ブロック化反応に用
いられるブロック化剤、不活性溶媒またはそれらの混合
物が用いられる。ブロック化剤を重合溶媒として使用す
ることは、ブロック化アシルイソシアネート化合物
(I)におけるブロック化イソシアナトカルボニル基と
活性水素含有基を持ったエチレン系不飽和化合物におけ
る活性水素含有基との間の副反応を抑制し、ゲル化を防
止する点で有利である。重合溶媒として使用するブロッ
ク化剤としては特にアルコール類が好ましい。
重合反応は単量体化合物と溶媒との混合物中に重合開始
剤を配合して行ってもよい。また、ブロック化剤を重合
溶媒として使用する場合には、多量のブロック化剤中に
アシルイソシアネート化合物(VII)を混入して、ブロ
ック化反応を進行せしめ、次いで他の単量体化合物と重
合開始剤を混入して重合反応を実施してもよい。単量体
化合物の配合割合は、その合計量を基準としてブロック
化アシルイソシアネート化合物(I)1.0〜99.0重量
%、活性水素含有基含有エチレン系不飽和化合物0.1〜9
0.0重量%であり、残部は必要に応じて使用される他の
重合性モノマーであってもよい。重合に際し、所望によ
り他の添加物、例えば、重合調節剤等を配合してもよ
い。
(作用および効果) このようにして製造されたポリマー中のブロック化イソ
シアナトカルボニル基は、熱、光、触媒などにより容易
に解離して反応性のイソシアナトカルボニル基を生成す
る。特にブロック化イソシアナトカルボニル基はブロッ
ク化イソシアナト基に比べて低温で解離することができ
る。解離により生成したイソシアナトカルボニル基は架
橋反応の反応点として利用される。架橋により生成する
結合は通常アシルウレタン結合またはアシル尿素結合で
あり、分子間凝集力が強く、分子間水素結合の形成能力
も高い。また、ポリマー中に活性水素基が導入されたこ
とにより、極性が上がり、水素結合能が向上し、高密
着、高接着性、高鮮映性、高耐熱性、高耐油性を有する
樹脂が得られる。更に、1つのポリマー鎖にブロック化
イソシアナトカルボニル基と活性水素含有基の両者が存
在するので、他の硬化剤の存在がなくても硬化し、一液
タイプの硬化性樹脂が得られる。ポリマー中に導入され
た活性水素含有基が酸性またはアルカリ性の場合、これ
を中和することにより良好な水分散性を付与することも
できる。
従って、本発明のポリマーは被覆材(例えば、プラスチ
ック用塗料、自動車用塗料、電着用塗料、封止用コーテ
ィング剤、耐熱性コーティング剤、接着剤、成形用樹脂
等として有用なものである。
(実施例) 本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1 t−ブタノールでブロックされたメタクリロイルイソシ
アネート(BMAIと略す)3.7g、2−ヒドロキシルエチル
メタクリレート(2-HEMA)2.6g、スチレン(ST)2.0gと
n−ブチルアクリレート(NBA)5.3gをt−ブタノール1
8gに加え、80℃に加熱して均一溶液とした。そこに2,
2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.41g
を酢酸ブチル5gに溶かした溶液を1時間で滴下した。こ
れをその後その温度で2時間熟成することにより、重合
率89率89%でn=12300の共重合体を得た。
実施例2 t−ブタノールでブロックされたメタクリロイルイソシ
アネート(BMAI)3.7g、アクリルアミド1.4gと、n−ブ
チルアクリレート(NBA)7.9gをジオキサン25gに加え、
85℃に加熱して溶解させた。そこに2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.39gをジオキサン5g
に溶かした溶液を1時間で滴下した。これをその後その
温度で2時間熟成することにより、重合率91%でn=
8600の共重合体を得た。
実施例3 ピロリドン5.3g、酢酸ブチル5.0gとn−ブチルアクリレ
ート(NBA)5.0gを混合し、そこにメタクリロイルイソ
シアネート(MAI)1.7gを滴下した。混合物を80℃付近
で加熱撹拌を続けた。赤外線吸収スペクトルによりν
NCOの吸収の消失を確認した後、メチルメタクリレート
(MMA)5.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(2−HEMA)2.0gとピロリドン21gを加え、更に2,2′−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)450mgを酢酸
ブチル15gに溶かした溶液を1時間で滴下した。これを
その後その温度で2時間熟成することにより、重合率87
%でn=10,000の共重合体を得た。
実施例4〜22 実施例1および2と同様にポリマーを合成した。条件お
よび結果を表−1に示す。ただし、表中の記号は次の意
味を有する:BMAI,対応するブロック化剤でブロックされ
たメタクリロイルイソシアネート;ST,スチレン;MMA,メ
チルメタクリレート;NBA,n−ブチルアクリレート;EA,エ
チルアクリレート;EHA,エチルヘキシルアクリレート;AI
BN,アゾビスイソブチロニトリル;ABDV,2,2′−アゾビス
(2,4ジメチルバレロニトリル;2-HEMA,2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート;2-HEA,2−ヒドロキシエチルアクリ
レート;ホスマーM,
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 218/02 MLH 220/06 MLR 7242−4J 220/34 MNR 220/44 MMY 7242−4J 226/02 MNL 230/02 MNS // C09D 133/24 PFY

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: [式中R1は水素または低級アルキル基を示し、Bは炭素
    数1〜25の酸素原子またはアルキルアミノ基を含んでい
    てもよい直鎖または分岐の飽和脂肪族アルコール、炭素
    数6〜15の芳香族アルコール、炭素数5〜7の活性メチ
    レン含有化合物、炭素数4〜8のN−ヒドロキシイミド
    化合物、炭素数4〜6のオキシム化合物、イミダゾール
    化合物または2級アミン化合物からイソシアナト基との
    付加反応に関与した水素原子を除外した残基を示
    す。]、 式: [式中、Xはカルボキシル基、水酸基、炭素数4以下の
    カルボニルオキシアルキレンヒドロキシル基、ヒドロキ
    シフェニル基、フェニルアミド基、フェニルスルホン酸
    基、カルボニルオキシアルキレンスルホン酸基、カルボ
    ニルオキシフェニレンスルホン酸基、(N−アルキレン
    スルホン酸基)アミド基、リン酸基、カルボニルアルキ
    レンリン酸基、メチルアミノ基、フェニルアミノ基また
    はカルボニルオキシアルキレン(t−ブチル)アミノ基
    を示し、T1、T2、T3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数
    8以下のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子または
    ニトロ基を示す。]、 および式: [式中、P、Q、YおよびZはそれぞれ独立に水素また
    は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニ
    ル基、炭素数10以下のアラルキル基、ハロゲン、シアノ
    基、‐O-COR′(R′は炭素数1〜6のアルキル基、炭
    素数8以下のアリール基、アルキルアリール基、ハロア
    リール基、アルコキシアリール基または、炭素数4以下
    のハロアルキル基)、シアノメチル基、-CH2OCOR″
    (R″は炭素数9以下のアルキル基、ハロアルキル基、
    またはフェニル基を示す。)またはCOORa(Raは炭素数
    1〜20のアルキル基、炭素数10以下のアリール基または
    炭素数10以下のアラルキル基)を示す。] で表される繰り返し単位を有するポリマーであって、式
    (I)の繰り返し単位がm個(mは正の整数)、式(I
    I)の繰り返し単位がn個(nは正の整数)および式(I
    II)の繰り返し単位がl個(lは0または正の整数)存
    在し、式(I)中のブロック化イソシアナトカルボニル
    基が1.0〜99.0重量%(ポリマー重量基準)および式(I
    I)中の活性水素含有基が0.1〜90.0重量%(ポリマー重
    量基準)結合した、分子量1,000〜100,000を有する、活
    性水素含有基およびブロック化イソシアナトカルボニル
    基を含有するポリマー。
  2. 【請求項2】式: [式中、R1およびBは前記と同意義。] で表されるブロック化アシルイソシアネート化合物、
    式: [式中、X、T1、T2およびT3は前記と同意義。] で表される活性水素含有基含有エチレン系不飽和化合
    物、および必要に応じ式: [式中、P、Q、YおよびZは前記と同意義。] で表される他の重合性モノマーを重合させることを特徴
    とする で表される繰り返し単位を有するポリマーであって、式
    (I)の繰り返し単位がm個(mは正の整数)、式(I
    I)の繰り返し単位がn個(nは正の整数)および式(I
    II)の繰り返し単位がl個(lは0または正の整数)存
    在し、式(I)中のブロック化イソシアナトカルボニル
    基が1.0〜99.0重量%(ポリマー重量基準)および式(I
    I)中の活性水素含有基が0.1〜90.0重量%(ポリマー重
    量基準)結合した、分子量1,000〜100,000を有する、活
    性水素含有基およびブロック化イソシアナトカルボニル
    基を含有するポリマーの製法。
  3. 【請求項3】重合が不活性溶媒中で実施される特許請求
    の範囲第2項記載の製法。
  4. 【請求項4】不活性溶媒の少なくとも一部としてブロッ
    ク化アシルイソシアネート化合物の製造に用いるブロッ
    ク化剤を使用する特許請求の範囲第3項記載の製法。
  5. 【請求項5】不活性溶媒の少なくとも一部としてアルコ
    ールを使用する特許請求の範囲第3項または第4項記載
    の製法。
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