JPH0735123B2 - サスペンションの圧力制御装置 - Google Patents

サスペンションの圧力制御装置

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JPH0735123B2
JPH0735123B2 JP9126189A JP9126189A JPH0735123B2 JP H0735123 B2 JPH0735123 B2 JP H0735123B2 JP 9126189 A JP9126189 A JP 9126189A JP 9126189 A JP9126189 A JP 9126189A JP H0735123 B2 JPH0735123 B2 JP H0735123B2
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智 長縄
修一 武馬
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隆 米川
敏男 大沼
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は車両サスペンションの圧力制御に関し、特に、
車両運転状態の変化等による車体姿勢の変化を抑制する
ようにサスペンション圧を制御する装置に関する。
(従来の技術) 例えば特開昭61−268509号公報および実開昭62−202404
号公報には、ストロークセンサで車体の姿勢変化を検出
し、ストローク検出値と予め設定した目標ストロークと
の偏差を算出し、この偏差に応じてサスペンション圧を
調節するサスペン制御装置の提案がある。
このような検出値読取/演算/補正出力の処理をマイク
ロプロセッサで所定周期で繰り返すか、あるいは、マイ
クロプロセッサに代えてアナログ電気回路を用いるとき
には、検出信号ラインに、所定時定数のローパスフィル
タを介挿して検出信号を時系列で平滑化し、平滑化した
信号に基づいてサスペンション圧の昇降を制御する。
(発明が解決しようとする課題) 前述の周期又は時定数が短か過ぎると、制御動作が不安
定となり、サスペンション圧が目標圧に対して高,低に
振動(ハンチング)することがある。長過ぎると、圧力
制御動作は安定するが目標車体姿勢に対する現実の車体
姿勢の偏差が大きくなったり、両姿勢の不一致期間が長
くなったりして、車体姿勢制御の精度が低くなる。前述
の周期又は時定数と共に、制御ゲイン(圧力補正量/偏
差)も圧力制御の安定性および制御精度に影響を及ぼ
し、制御ゲインが小さ過ぎると、圧力制御の応答性が低
く、大き過ぎると応答性は高いがサスペンション圧が目
標圧に対して高,低に振動し易くなる。
サスペンション圧力制御によってサスペンション圧が目
標圧に対して高,低に振動(ハンチング)するのを回避
するため、従来においては、前述の周期又は時定数は比
較的に長く設定し、制御ゲインは比較的に低く抑えるの
で、サスペンション圧力補正の応答性と制御精度が比較
的に低い。その結果、サスペンション圧のハンチングは
発生しにくいが、車両運転状態の変化や悪路による車輪
の突上げや落込みなどに対して適切にサスペンション圧
が制御されず乗員の乗心地が悪い。
本発明は、サスペンション圧力補正の応答性および制御
精度を高くすることを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明の圧力制御装置は、供給される圧力に応じて伸縮
するサスペンション(100fr)に圧力流体を供給するた
めの圧力源(1);圧力源(1)とサスペンション(10
0fr)の間にあって、サスペンション圧を目標圧に定め
る圧力制御手段(80fr);サスペンション(100fr)に
より支持された車体の高さを検出する高さ検出手段(15
fr);基準高さを指定する高さ指示情報(Ht)を発生す
る指示手段(17);高さ指示情報(Ht)が指示する基準
高さに対する高さ検出手段(15fr)が検出した高さ(DH
T)の差(EHT2)に対応した第1補正量(CH)を、所定
周期又は時定数ST1で算出する第1補正量演算手段(1
7);サスペンション圧(Pfr)を検出する圧力検出手段
(13fr);ST1より短い所定周期又は時定数ST2で、検出
したサスペンション圧(pfr)の変化方向を検出して、
変化方向に対応してサスペンション圧(pfr)が増加方
向のときにはサスペンション圧を低くする方向で低下方
向のときには高くする方向の第2補正量(SIfr)を算出
する第2補正量演算手段(18);および、第1補正量お
よび第2補正量に対応した圧力の補正をサスペンション
圧に加えるように圧力制御手段(80fr)を電気付勢する
目標圧設定手段(18,32,33);を備える。なお、カッコ
内の記号は、後述する実施例の対応要素又は対応パラメ
ータ記号を示す。
(作用) まず、指示手段(17)が基準高さを指定する高さ指示情
報(Ht)を発生し、高さ検出手段(15fr)がサスペンシ
ョン(100fr)により支持された車体の高さを検出し、
第1補正量演算手段(17)が、高さ指示情報(Ht)が指
示する基準高さに対する高さ検出手段(15fr)が検出し
た高さ(DHT)の差(EHT2)に対応した第1補正量(C
H)を、所定周期又は時定数ST1で算出し、目標圧設定手
段(18,32,33)が第1補正量に対応した圧力の補正をサ
スペンション圧に加えるように圧力制御手段(80fr)を
電気付勢するので、サスペンション(100fr)の圧力がS
T1周期又は時定数で更新され、ST1より長い時間区間の
時系列平均では、車高が基準高さに維持される。すなわ
ち車体姿勢が基準姿勢に維持される。
このような圧力制御において、制御ゲイン(CH/EHT2)
を高くすると、応答性は高いがサスペンション圧が目標
圧に対して高,低に振動(発振又はハンチング)し易く
なる。
ところが本発明では更に、第2補正量演算手段(18)
が、ST1より短い所定周期又は時定数ST2で、サスペンシ
ョン圧(pfr)の変化方向を検出して、変化方向に対応
してサスペンション圧(pfr)が増加方向のときにはサ
スペンション圧を低くする方向で低下方向のときには高
くする方向の第2補正量(SIfr)を算出し、目標圧設定
手段(18,32,33)が第2補正量にも対応した圧力の補正
をサスペンション圧に加えるように圧力制御手段(80f
r)を電気付勢するので、サスペンション圧が例えば上
昇を始めてこの上昇により車高が高くなってこれに対応
して第1補正量のフィードバックによりこの上昇が抑制
されるまでに、サスペンション圧が第2補正量のフィー
ドバックにより抑制されて車高の上昇が抑制され、これ
により第1補正量が抑制されることになる。すなわち、
比較的に長い周期又は時定数ST1の第1補正量(車高検
出器の検出値に基づいた補正量)のフィードバックより
も短い周期又は時定数ST2のフィードバックが早く作用
して、サスペンション圧補正量(第1補正量)を抑制す
る。この、第1補正量の抑制は、サスペンション圧が上
昇又は低下するときのみ作用するので、車高変化時又は
その直前に作用する。したがって、従来は前記高,低の
振動(発振又はハンチング)を生じ易いような比較的に
高い制御ゲインを設定しているときでも、このような
高,低の振動を生じるようなサスペンション圧上昇,低
下時には、補正量(第1補正量)が自動的に抑制される
ので、このような高,低の振動を生じにくくなる。すな
わち本発明によれば、比較的に高い制御ゲインを設定し
て、安定かつ応答性が高い圧力制御を実現できる。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の
実施例の説明より明らかになろう。
(実施例) 第1図に、車体支持装置の機構概要を示す。油圧ポンプ
1は、ラジアルポンプであり、エンジンルームに配設さ
れ、車両上エンジン(図示せず)によって回転駆動され
て、リザーバ2のオイルを吸入して、所定以上の回転速
度で、高圧ポート3に所定流量でオイルを吐出する。
サスペンション給圧用のラジアルポンプの高圧ポート3
には、脈動吸収用のアキュムレータ4,メインチェックバ
ルブ50およびリリーフバルブ60mが接続されており、メ
インチェックバルブ50を通して、高圧ポート3の高圧オ
イルが高圧給管8に供給される。
メインチェックバルブ50は、高圧ポート3が高圧給管8
の圧力よりも低いときには、高圧給管8から高圧ポート
3へのオイルと逆流を阻止する。
リリーフバルブ60mは、高圧ポート3の圧力が所定圧以
上になると高圧ポート3を、リザーバ2への戻り油路の
1つである。リザーバリターン管11に通流として、高圧
ポート3の圧力を実質上定圧力に維持する。
高圧給管8には、前輪サスペンション100fL,100frに高
圧を供給するための前輪高圧給管6と、後輪サスペンシ
ョン100rL,100rrに高圧を供給するための後輪高圧給管
9が連通しており、前輪高圧給管6にはアキュムレータ
7(前輪用)が、後輪高圧給管9にはアキュムレータ10
(後輪用)が連通している。
前輪高圧給管6には、オイルフィルタを介して圧力制御
弁80frが接続されており、この圧力制御弁80frが、前輪
高圧給管6の圧力(以下前輪ライン圧)を、所要圧(そ
の電気コイルの通電電流値に対応する圧力:サスペンシ
ョン支持圧)に調圧(降圧)してカットバルブ70frおよ
びリリーフバルブ60frに与える。
カットバルブ70frは、前輪高圧給管6の圧力(前輪側ラ
イン圧)が所定低圧未満では、圧力制御弁80frの(サス
ペンションへの)出力ポート84と、サスペンション100f
rのショックアブソーバ101frの中空ピストンロッド102f
rとの間を遮断して、ピストンロッド102fr(ショックア
ブソーバ101fr)から圧力制御弁80frへの圧力の抜けを
防止し、前輪側ライン圧が所定低圧以上の間は、圧力制
御弁80frの出力圧(サスペンション支持圧)をそのまま
ピストンロッド102frに供給する。
リリーフバルブ60frは、ショックアブソーバ101frの内
圧を上限値以下に制限する。すなわち、圧力制御弁80fr
の出力ポート84の圧力(サスペンション支持圧)が所定
高圧を越えると出力ポート84を、リザーバリターン管11
に通流として、圧力制御弁80frの出力ポートの圧力を実
質上所定高圧以下に維持する。リリーフバルブ60frは更
に、路面から前右車輪に突き上げ衝撃があってショック
アブソーバ101frの内圧が衝撃的に上昇するとき、この
衝撃の圧力制御弁80frへの伝播を緩衝するものであり、
ショックアブソーバ101frの内圧が衝撃的に上昇すると
きショックアブソーバ101frの内圧を、ピストンロッド1
00frおよびカットバルブを介して、リザーバリターン管
11に放出する。
サスペンション100frは、大略で、ショックアブソーバ1
01frと、懸架用コイルスプリング119frで構成されてお
り、圧力制御弁80frの出力ポート84およびピストンロッ
ド102frを介してショックアブソーバ101fr内に供給され
る圧力(圧力制御弁80frで調圧された圧力:サスペンシ
ョン支持圧)に対応した高さ(前右車輪に対する)に車
体を支持する。
ショックアブソーバ101frに与えられる支持圧は、圧力
センサ13frで検出され、圧力センサ13frが、検出支持圧
を示すアナログ信号を発生する。
サスペンション100fr近傍の車体部には、車高センサ15f
rが装着されており、車輪センサ15frのロータに連結し
たリンクが前右車輪の車輪に結合されている。車高セン
サ15frは、前右車輪部の車高(車輪に対する車体の高
さ)を示す電気信号(デジタルデータ)を発生する。
上記と同様な、圧力制御弁80fL,カットバルブ70fL,リリ
ーフバルブ60fL,車高センサ15fLおよび圧力センサ13
Lが、同様に、前左車輪部のサスペンション100fLに割り
当てて装備されており、圧力制御弁80fLが前輪高圧給管
6に接続されて、所要の圧力(支持圧)をサスペンショ
ン100fLのショックアブソーバ101fLのピストンロッド10
2fLに与える。
上記と同様な、圧力制御弁80rr,カットバルブ70rr,リリ
ーフバルブ60rr,車高センサ15rrおよび圧力センサ13rr
が、同様に、後右車輪部のサスペンション100rrに割り
当てて装備されており、圧力制御弁80rrが後輪高圧給管
9に接続されて、所要の圧力(支持圧)をサスペンショ
ン100rrのショックアブソーバ101rrのピストンロッド10
2rrに与える。
更に上記と同様な、圧力制御弁80rL,カットバルブ70rL,
リリーフバルブ6rL,車高センサ15rLおよび圧力センサ13
rLが、同様に、前左車輪部のサスペンション100rLに割
り当てて装備されており、圧力制御弁80rLが後輪高圧給
管9に接続されて、所要の圧力(支持圧)をサスペンシ
ョン100rLのショックアブソーバ101rLのピストンロッド
102rLに与える。
この実施例では、エンジンが前輪側に装備されており、
これに伴って油圧ポンプ1が前輪側(エンジンルーム)
に装備され、油圧ポンプ1から後輪側サスペンション10
0rr,100rLまでの配管長が、油圧ポンプ1から前輪側サ
スペンション100fr,100fLまでの配管長よりも長い。し
たがって、配管路による圧力降下は後輪側において大き
く、仮に配管に油漏れなどが生じた場合、後輪側の圧力
低下が最も大きい。そこで、後輪高圧給管9に、ライン
圧検出用の圧力センサ13rmを接続している。一方、リザ
ーバリターン管11の圧力はリザーバ2側の端部で最も低
く、リザーバ2から離れる程、圧力が高くなる傾向を示
すので、リザーバリターン管11の圧力も後輪側で、圧力
センサ13rtで検出するようにしている。
後輪高圧給管9には、バイパスバルブ120が接続されて
いる。このバイパスバルブ120は、その電気コイルの通
電電流値に対応する圧力に、高圧給管8の圧力を調圧す
る(所要ライン圧を得る)ものである。また、イグニシ
ョンスイッチが開(エンジン停止:ポンプ1停止)にな
ったときには、ライン圧を実質上零(リザーバリターン
管11を通してリザーバ2の大気圧)にして(このライン
圧の低下により、カットバルブ70fr,70fL,70rr,70rL
オフとなって、ショックアブソーバの圧力抜けが防止さ
れる)、エンジン(ポンプ1)再起動時の負荷を軽くす
る。
第2図に、サスペンション100frの拡大縦断面を示す。
ショックアブソーバ101frのピストンロッド102frに固着
されたピストン103が、内筒104内を、大略で上室105と
下室106に2区分している。カットバルブ70frの出力ポ
ートより、サスペンション支持圧(油圧)がピストンロ
ッド102frに供給され、この圧力が、ピストンロッド102
frの側口107を通して、内筒104内の上室105に加わり、
更に、ピストン103の上下貫通口108を通して下室106に
加わる。この圧力と、ピストンロッド102frの横断面積
(ロッド半径の2乗×π)の積に比例する支持圧がピス
トンロッド102frに加わる。
内筒104の下室106は、減衰弁装置109の下空間110に連通
している。減衰弁装置109の上空間は、ピストン111で下
室112と上室113に区分されており、下室112には減衰弁
装置109を通して下空間110のオイルが通流するが、上室
113には高圧ガスが封入されている。
前右車輪の突上げ上昇により、相対的にピストンロッド
102frが内筒104の下方に急激に進入しようとすると、内
筒104の内圧が急激に高くなって同様に下空間110の圧力
が下室112の圧力より急激に高くなろうとする。このと
き、減衰弁装置109の、所定圧力差以上で下空間110から
下室112へのオイルの通流は許すが、逆方向の通流は阻
止する逆止弁を介してオイルが下空間110から下室112に
流れ、これによりピストン111が上昇し、車輪より加わ
る衝撃(上方向)のピストンロッド102frへの伝播を緩
衝する。すなわち、車体への、車輪衝撃(上突上げ)の
伝播が緩衝される。
前右車輪の急激な落込みにより、相対的にピストンロッ
ド102frが内筒104より上方に抜けようとすると、内筒10
4の内圧が急激に低くなって同様に下空間110の圧力が下
室112の圧力より急激に低くなろうとする。このとき、
減衰弁装置109の、所定圧力差以上で下室112から下空間
110へのオイルの通流は許すが、逆方向の通流は阻止す
る逆止弁を介してオイルが下室112から下空間110に流
れ、これによりピストン111が降下し、車輪より加わる
衝撃(下方向)のピストンロッド102frへの伝播を緩衝
する。すなわち、車体への、車輪衝撃(下落込み)の伝
播が緩衝される。
なお、車高上げなどのためにショックアブソーバ101fr
に加えられる圧力が上昇するに従がい、下室112の圧力
が上昇して、ピストン111が上昇し、ピストン111は、車
体荷重に対応した位置となる。
駐車中など、内筒104に対するピストンロッド102frの相
対的な上下動がないときには、内筒104とピストンロッ
ド102frの間のシールにより、内筒104より外筒114内へ
のオイルの漏れは実質上無い。しかし、ピストンロッド
102frの上下動負荷を軽くするため、該シールは、ピス
トンロッド102frが上下動するときには、わずかなオイ
ル漏れを生ずる程度のシール特性を有するものとされて
いる。外筒114に漏れたオイルは、外筒114を通して、大
気解放のドレイン14fr(第1図)を通して、第2のリタ
ーン管であるドレインリターン管12(第1図)を通し
て、リザーバ2に戻される。リザーバ2には、レベルセ
ンサ28(第1図)が装備されており、レベルセンサ28
は、リザーバ2内オイルレベルが下限値以下のとき、こ
れを示す信号(オイル不足信号)を発生する。
他のサスペンション100fL,100rrおよび100rLの構造も、
前述のサスペンション100frの構造と実質上同様であ
る。
第3図に、圧力制御弁80frの拡大縦断面を示す。スリー
ブ81には、その中心にスプール収納穴が開けられてお
り、スプール収納穴の内面に、ライン圧ポート82が連通
するリング状の溝83および低圧ポート85が連通するリン
グ状の溝86が形成されている。これらのリング状の溝83
と86の中間に、出力ポート84が開いている。スプール収
納穴に挿入されたスプール90は、その側周面中間部に、
溝83の右縁と溝86の左縁との距離に相当する幅のリング
状の溝91を有する。スプール90の左端部には、弁収納穴
が開けられており、この弁収納穴は溝91と連通してい
る。該弁収納穴には、圧縮コイルスプリング92で押され
た弁体93が挿入されている。この弁体93は中心に貫通オ
リフィスを有し、このオリフィスにより、溝91の空間
(出力ポート84)と、弁体93および圧縮コイルスプリン
グ92を収納した空間とが連通している。したがって、ス
プール90は、その左端において、出力ポート84の圧力
(調圧した、サスペンション100frへの圧力)を受け
て、これにより、右に駆動される力を受ける。なお、出
力ポート84の圧力が衝撃的に高くなったとき、これによ
り圧縮コイルスプリング92の押し力に抗して弁体93が左
方に移動して弁体93の右端に衝撃空間を生じるので、出
力ポート84の衝撃的な上昇のとき、この衝撃的な上昇圧
はすぐにはスプール90の左端面には加わらず、弁体93
は、出力ポート84の衝撃的な圧力上昇に対して、スプー
ル90の右移動を緩衝する作用をもたらす。また逆に、出
力ポート84の衝撃的な圧力降下に対して、スプール90の
左移動を緩衝する作用をもたらす。
スプール90の右端面には、オリフィス88fを介して高圧
ポート87に連通した目標圧空間88の圧力が加わり、この
圧力により、スプール90は、左に駆動される力を受け
る。高圧ポート87には、ライン圧が供給されるが、目標
圧空間88は、流路94を通して低圧ポート89に連通してお
り、この流路94の通流開口を、ニードル弁95が定める。
ニードル弁95が流路94を閉じたときには、オリフィス88
fを介して高圧ポート87に連通した目標圧空間88の圧力
は、高圧ポート87の圧力(ライン圧)となり、スプール
90が左方に駆動され、これにより、スプール90の溝91が
溝83(ライン圧ポート82)と連通し、溝91(出力ポート
84)の圧力が上昇し、これが弁体93の左方に伝達し、ス
プール90の左端に、右駆動力を与える。ニードル弁95が
流路94を全開にしたときには、目標圧空間88の圧力は、
オリフィス88fにより絞られるため高圧ポート87の圧力
(ライン圧)よりも大幅に低下し、スプール90が右方に
移動し、これにより、スプール90と溝91が溝86(低圧ポ
ート85)と連通し、溝91(出力ポート84)の圧力が低下
し、これが弁体93の左方に伝達し、スプール90の左端の
右駆動力が低下する。このようにして、スプール90は、
目標圧空間80の圧力と出力ポート84と圧力がバランスす
る位置となる。すなわち、目標圧空間88の圧力に実質上
比例する圧力が、出力ポート84に現われる。
目標圧空間88の圧力は、ニードル弁95の位置により定ま
りこの圧力が、流路94に対するニードル弁95の距離に実
質上反比例するので、結局、出力ポート84には、ニード
ル弁95の距離に実質上反比例する圧力が現われる。
ニードル弁95は磁性体の固定コア96を貫通している。固
定コア96の右端は、裁頭円錐形であり、この右端面に磁
性体プランジャ97の有底円錐穴形の端面が対向してい
る。ニードル弁95は、このプランジャ97に固着されてい
る。固定コア96およびプランジャ97は、電気コイル99を
巻回したボビンの内方に進入している。
電気コイル99が通電されると、固定コア96−磁性体ヨー
ク98a−磁性体端板98b−プランジャ97−固定コア96のル
ープで磁束が流れて、プランジャ97が固定コア96に吸引
されて左移動し、ニードル弁95が流路94に近づく(前記
距離が短くなる)。ところで、ニードル弁95の左端は目
標圧空間88の圧力を右駆動力として受け、ニードル弁95
の右端は、大気解放の低圧ポート98cを通して大気圧で
あるので、ニードル弁95は、目標圧空間88の圧力によ
り、その圧力値(これはニードル弁95の位置に対応)に
対応する右駆動力を受け、結局、ニードル弁95は流路94
に対して、電気コイル99の通電電流値に実質上反比例す
る距離となる。このような電流値対距離の関係をリニア
にするために、上述のように、固定コアとプランジャの
一方を裁頭円錐形とし、他方を、これと相対応する有底
円錐穴形としている。
以上の結果、出力ポート84には、電気コイル99の通電電
流値に実質上比例する圧力が現われる。この圧力制御弁
80frは、通電電流が所定範囲内で、それに比例する圧力
を出力ポート84に出力する。
第4図に、カットバルブ70frの拡大縦断面を示す。バル
ブ基体71に開けられたバルブ収納穴には、ライン圧ポー
ト72,調圧入力ポート73,排油ポート74および出力ポート
75が連通している。ライン圧ポート72と調圧入力ポート
73の間はリング状の第1ガイド76で区切られ、調圧入力
ポート73と出力ポート75の間は、円筒状のガイド77a,77
bおよび77cで区切られている。排油ポート74は、第2ガ
イド77cの外周のリング状溝と連通し、第2ガイド77a,7
7bおよび77cの外周に漏れたオイルをリターン管路11に
戻す。
第1および第2ガイド76,77a〜77cを、圧縮コイルスプ
リング79で左方に押されたスプール78が通っておりスプ
ール78の左端面にライン圧が加わる。スプール78の左端
部が進入した、第2ガイド77cの中央突起の案内孔は、
第2ガイド77cの外周のリング状の溝および排油ポート7
4を通してリターン管11に連通している。ライン圧が所
定低圧未満では第4図に示すように、圧縮コイルスプリ
ング79の反発力でスプール78が最左方に駆動されてお
り、出力ポート75と調圧入力ポート73の間は、スプール
78が第2ガイド77aの内開口を全閉していることによ
り、遮断されている。ライン圧が所定低圧以上になると
この圧力により圧縮コイルスプリング79の反発力に抗し
てスプール79が右方に駆動され始めて、所定低圧より高
い圧力でスプール79が最右方に位置(全開)する。すな
わち、スプール78が第2ガイド77aの内開口より右方に
移動し調圧入力ポート73が出力ポート75に連通し、ライ
ン圧(ライン圧ポート72)が所定低圧まで上昇したとき
カットバルブ70frは、調圧入力ポート73(圧力制御弁80
frの調圧出力)と出力ポート75(ショックアブソーバ10
1fr)の間の通流を始めて、ライン圧(ポート72)が更
に上昇すると、調圧入力ポート73(圧力制御弁80frの調
圧圧力)と出力ポート75(ショックアブソーバ101fr)
の間を全開とする。ライン圧が低下するときには、この
逆となり、ライン圧が所定低圧未満になると、出力ポー
ト75(ショックアブソーバ101fr)が、調圧入力ポート7
3(圧力制御弁80frの調圧出力)から完全に遮断され
る。
第5図に、リリーフバルブ60frの拡大縦断面を示す。バ
ルブ基体61のバルブ収納穴に、入力ポート62と低圧ポー
ト63が開いている。該バルブ収納穴には、円筒状の第1
ガイド64と第2ガイド67が挿入されており、入力ポート
62は、フィルタ65を通して、第1ガイド64の内空間と連
通している。第1ガイド64には、中心部にオリフィスを
有する弁体66が挿入されており、この弁体66は、圧縮コ
イルスプリング66aで左方に押されている。第1ガイド6
4の、弁体66および圧縮コイルスプリング66aを収納した
空間は、弁体66のオリフィスを通して、入力ポート62と
連通しており、また、ばね座66bの開口を通して、第2
ガイド67の内空間と連通する。円錐形状の弁体68が、圧
縮コイルスプリング69の反発力で左に押されて、ばね座
66bの上記開口を閉じている。入力ポート62の圧力(制
御圧)が所定高圧未満のときに、弁体66のオリフィスを
通して入力ポート62に連通した。コイルスプリング66a
収納空間の圧力が、圧縮コイルスプリング69の反発力よ
りも相対的に低いため、弁体68が、第5図に示すよう
に、弁座66bの中心開口を閉じており、したがって、出
力ポート62は、低圧ポート63と穴67aを通して連通し
た、第2ガイド67の内空間とは遮断されている。すなわ
ち、出力ポート62は、低圧ポート63から遮断されてい
る。
入力ポート62の圧力(制御圧)が所定高圧に上昇する
と、この圧力が弁体66のオリフィスを通して弁座66bの
中心開口に加わり、弁体68がこの圧力で右駆動され始め
て、入力ポート62の圧力が更に上昇すると、弁体68が最
右方に駆動される。すなわち、入力ポート62の圧力が、
低圧ポート63に放出され、制御圧が所定高圧程度以下に
抑制される。
なお、入力ポート62に衝撃的に高圧が加わると、弁体66
が右駆動されて、入力ポート62が第1ガイド64の側口64
aを通して基体61のバルブ収納空間に連通して低圧ポー
ト63に連通し、この流路面積が大きいので、出力ポート
62の急激な圧力上昇(圧力衝撃)が緩衝される。
第6図に、メインチェックバルブ50の拡大縦断面を示
す。バルブ基体51に開けられたバルブ収納穴には入力ポ
ート52と出力ポート53が連通している。バルブ収納穴に
は有底円筒状の弁座54が収納されており、弁座54の通流
口55を、圧縮コイルスプリング56で押されたボール弁57
が閉じているが、入力ポート52の圧力が出力ポート53の
圧力より高いとき、ボール弁57が入力ポート52の圧力で
右方に押されて通流口55を開く。すなわち、入力ポート
52から出力ポート53方向にはオイルが通流する。しか
し、出力ポート53の圧力が入力ポート52の圧力よりも高
いときには、ボール弁57が通流口を閉じるので、出力ポ
ート53から入力ポート52方向にはオイルは通流しない。
第7図に、バイパスバルブ120の拡大縦断面を示す。入
力ポート121は、第1ガイド123の内空間と連通してお
り、該内空間に、圧縮コイルスプリング124bで左方に押
された弁体124aが収納されている。この弁体124aは、左
端面中央にオリフィスを有し、このオリフィスを通し
て、入力ポート121が第1ガイド123の内空間と連通して
いる。該内空間は、流路122bを通して低圧ポート122と
連通するが、この流路122bがニードル弁125で開閉され
る。
ニードル弁125〜電気コイル129でなる、ソレノイド装置
は、第3図に示すニードル弁95〜電気コイル99でなるソ
レノイド装置と同一構造および同一寸法のもの(圧力制
御弁とバイパス弁に共用の設計)であり、オリフィス12
2bに対するニードル弁125の距離が電気コイル129の通電
電流値に実質上反比例する。オリフィス122bの通流開度
が、この距離に反比例するので、入力ポート121から弁
体124aのオリフィスを通り第1ガイド123の内空間を通
ってオリフィス122bを通って低圧ポート122に抜けるオ
イル流量が、弁体124aの左端面のオリフィスの前後差圧
に比例する。
以上の結果、入力ポート121の出力は、電気コイル129の
通電電流値に実質上比例する圧力となる。このバイパス
バルブ120は、入力ポート121の圧力(ライン圧)を、通
電電流が所定範囲内で、それに比例する圧力とする。ま
た、イグニションスイッチがオフ(エンジン停止:ポン
プ1停止)のときには、電気コイル129の通電が停止さ
れることにより、ニードル弁125が最右方に移動し、入
力ポート121(ライン圧)がリターン圧近くの低圧とな
る。
入力ポート121の圧力が衝撃的に上昇するときには、こ
の圧力を左端面に受けて弁体124aが右方に駆動されて、
低圧ポート122に連通した低圧ポート122aが、入力ポー
ト121に連通する。低圧ポート122aは比較的に大きい開
口であるので、入力ポート21の衝撃的な上昇圧は即座に
低圧ポート122aに抜ける。
リリーフバルブ60mは、前述のリリーフバルブ60frの構
造と同じ構造であるが、円錐形状の弁体(68:第5図)
を押す圧縮コイルスプリング(69)が、ばね力が少し小
さいものとされており、入力ポート(62)の圧力(高圧
ポート3の圧力)が、リリーフバルブ60frがその入力ポ
ート62の圧力を低圧ポート63に放出する圧力よりも少し
低い圧力である所定高圧未満のときには、出力ポート
(62)は、低圧ポート(63)から遮断されている。入力
ポート(62)の圧力が所定高圧以上になると、弁体(6
8)が最右方に駆動される。すなわち、入力ポート(6
2)の圧力が、低圧ポート(63)に放出され、高圧ポー
ト3の圧力が所定高圧以下に抑制される。
以上の構成により、第1図に示す車体支持装置におい
て、メインチェックバルブ50は、高圧ポート3から高圧
給管8へのオイルは供給するが、高圧給管8から高圧ポ
ート3への逆流は阻止する。
リリーフバルブ60mは、高圧ポート3の圧力すなわち高
圧給管8の圧力を所定高圧以下に抑制し、高圧ポート3
の圧力が衝撃的に上昇するとき、それをリターン管11に
逃して、高圧給管8への衝撃的な圧力の伝播を緩衝す
る。
バイパスバルブ120は、後輪高圧給管9の圧力を、所定
の範囲内に実質上リニアにコントロールし、定常時には
後輪高圧給管9の圧力を所定定圧に維持する。この定圧
制御は、圧力センサ13rmの検出圧を参照したバイパスバ
ルブ120の通電電流値制御による行なわれる。また、後
輪サスペンションに衝撃的な圧力上昇があるときには、
それをリターン管11に逃がして高圧給管8への伝播を緩
衝する。更には、イグニションスイッチが開(エンジン
停止:ポンプ1停止)のときには、通電が遮断されて、
後輪高圧給管9をリターン管11に通流とし、後輪高圧給
管9(高圧給管8)の圧力を抜く。
圧力制御弁80fr,80fL,80rr,80rLは、サスペンション圧
力制御により、所要の支持圧をサスペンションに与える
ように、電気コイル(99)の通電電流値が制御され、該
所要の支持圧を出力ポート(84)に出力する。出力ポー
ト(84)へ、サスペンションからの衝撃圧が伝播すると
きには、これを緩衝して、圧力制御用のスプール(91)
の乱調(出力圧の乱れ)を抑制する。すなわち安定して
所要圧をサスペンションに与える。
カットバルブ70fr,70fL,70rr,70rLは、ライン圧(前輪
高圧給管6,後輪高圧給管9)が所定低圧未満のときに
は、サスペンション給圧ライン(圧力制御弁の出力ポー
ト84とサスペンションの間)を遮断して、サスペンショ
ンよりの圧力の抜けを防止し、ライン圧が所定低圧以上
のときに、給圧ラインを全開通流とする。これにより、
ライン圧が低いときのサスペンション圧の異常低下が自
動的に防止される。
リリーフバルブ60fr,70fL,70rr,70rLは、サスペンショ
ン給圧ライン(圧力制御弁の出力ポート84とサスペンシ
ョンの間)の圧力(主にサスペンション圧)を高圧上限
値未満に制限し、車輪の突上げ,高重量物と搭載時の投
げ込み等により、給圧ライン(サスペンション)に衝撃
的な圧力上昇があるときにはこれをリターン管11に逃が
し、サスペンションの衝撃を緩和すると共にサスペンシ
ョンに接続された油圧ラインおよびそれに接続された機
械要素の耐久性を高める。
第8図に、車両に搭載された各種スイッチおよびセンサ
の状態に対応して、車両の運転状態,姿勢等を判定しこ
れに対応して第1図に示す各サスペンションの所要圧力
を、車体姿勢を所望のものとするものに設定する電気制
御系の構成概要を示す。
前述の車高センサ15fL,15fr,15rL,15rrには、ローパス
フィルタ311が接続されており、ローパスフィルタ31
1が、車高センサそれぞれの車高検出信号(アナログ信
号)の高周波(ノイズ)分を遮断し、かつ比較的に周波
数が高い振動分を平滑化し、このように整形された車高
信号を増幅器301が所定のレベル範囲に増幅して、A/D変
換器(IC)291に与える。
各サスペンションの油圧を検出する圧力センサ13fL,13f
r,13rL,13rrには、ローパスフィルタ312が接続されてお
り、このローパスフィルタ312が、圧力センサそれぞれ
の圧力検出信号(アナログ信号)の高周波(ノイズ)分
を遮断し、かつ比較的に周波数が高い振動分を平滑化
し、このように整形された圧力信号を増幅器302が所定
のレベル範囲に増幅して、A/D変換器(IC)292に与え
る。
後輪高圧給管9の圧力を検出する圧力センサ13rmおよび
リターン管11の後輪側の圧力を検出する圧力センサ13rt
には、ローパスフィルタ313が接続されており、このロ
ーパスフィルタ313が、圧力センサそれぞれの圧力検出
信号(アナログ信号)の高周波(ノイズ)分を遮断し、
かつ比較的に周波数が高い振動分を平滑化し、このよう
に整形された圧力信号を増幅器303が所定のレベル範囲
に増幅して、A/D変換器(IC)293に与える。
また、車両に搭載された車両前後方向の加速度(前後加
速度;+:加速度,−:減速度)を検出する前後加速度
センサ16pおよび車両横方向の横加速度(+:左から右
方向の加速度,−:右から左方向の加速度)を検出する
横加速度センサ16rにも、ローパスフィルタ313が接続さ
れており、このローパスフィルタ313が、加速度センサ
それぞれと圧力検出信号(アナログ信号)の高周波(ノ
イズ)分を遮断し、かつ比較的に周波数が高い振動分を
平滑化し、このように整形された加速度信号を増幅器30
3が所定のレベル範囲に増幅して、A/D変換器(IC)293
に与える。
圧力制御弁80fL,80fr,80rL,80rrの電気コイル99ならび
にバイパス弁120の電気コイル129には、コイルドライバ
33が接続されている。コイルドライバ33は、電気コイル
のそれぞれに通電するスイッチング回路と、電気コイル
それぞれの通電電流値を検出して電流値を示すアナログ
信号を発生する電流検出回路とを有し、デューティコン
トローラ(IC)32よりのオン(通電)/オフ(非通電)
の指示に対応して、オンが指示されたときには電気コイ
ルと定電流回路の出力端の間を導通(オン)とし、オフ
が指示されると遮断する。そして、検出電流値を示すア
ナログ電圧を常時A/D変換器(IC)293に与える。
デューティコントローラ32は、電気コイルのそれぞれ
(圧力制御弁のそれぞれおよびバイパス弁)宛てに、マ
イクロプロセッサ(以下CPUと称す)18から与えられる
通電電流値指定データを記憶(ラッチ)して、フィード
バックする検出電流値をA/D変換器(IC)293よりCPU18
に入力し、CPU18によって指定電流値になるように、オ
ン/オフデューティを調整し、このデューティに対応す
る時系列のオン/オフの指示を、コイルドライバ33に与
える。
A/D変換器291〜293は、入力ポートが4個(但し、293
はコイルバライバ33より圧力制御弁およびバイパス弁の
検出電流値を示すアナログ電圧が入力される)の、サン
プルホールド回路を内蔵するA/D変換用のICであり、CPU
18から変換の指示があると、入力ポートのアナログ電圧
をサンプルホールド回路に保持してデジタルデータ(車
高データ,圧力データ,加速度データ)に変換して、デ
ジタルデータを、CPU18が与えるクロックパルスに同期
してシリアルにCPU18に転送する。このアナログ電圧の
ホールドとデジタル変換およびデジタルデータの転送
を、入力ポート1〜4について順次に行なう。すなわち
CPU18が一度A/D変換を指示すると、4個の入力ポートの
アナログ電圧を順次にデジタル変換して、デジタルデー
タを順次にCPU18に転送する。
CPU18は、CPU17に、データ送受信関係に接続されてい
る。
CPU17には、ブレーキペダルの踏込み有(H)/無
(L)を示す信号,イグニションスイッチ20の開(L)
/閉(H)を示す信号,車両上変速機の出力軸の所定小
角度の回転につき1パルスの電気信号を発生する車速同
期パルス発生器25の発生パルス,ステアリングシャフト
に結合され、その所定小角度の回転につき1パルスの第
1組のパルスと、それより90度位相がずれた第2組のパ
ルスを発生するロータリエンコーダ26の、該第1組およ
び第2組のパルス,エンジンのスロットルバルブの回転
軸に結合され、スロットルバルブ開度を示す3ビットデ
ータを発生するアブソリュートエンコーダ27の発生デー
タ、および、リザーバ2のオイルレベルを検出するレベ
ルセンサ28の信号(H:下限レベル以下,L:下限レベルよ
り高いレベル)、が与えられると共に、図示しない他の
センサからの信号も、入/出力回路34から与えられる。
入/出力回路34には、警報灯等の表示器が接続されてお
り、サスペンションの圧力制御において、異常等を判定
すると、CPU17が入/出力回路34にその表示を指示す
る。
車両上バッテリ19には、低容量のバックアップ電源回路
23が接続されており、これが定電圧をCPU17に与えるの
で、バッテリ19の電圧が所定値以上である間、CPU17は
常時、動作状態にあり、その内部メモリのデータを保持
している。
車両上バッテリ19には、イグニションスイッチ20を介し
て高容量の定電圧電源回路21が接続されており、この電
源回路21が、CPU18等の弱電素子および回路に低定電圧
を与えると共に、ローパスフィルタ311〜313および入/
出力回路34等の回路には、高定電圧を与える。
イグニションスイッチ20には、自己保持用リレー22の接
片が並列に接続されており、このリレー22のオン(閉)
/オフ(開)をCPU17が行なう。
CPU17および18には、サスペンションそれぞれと圧力を
制御するプログラムが格納されている。このプログラム
に従がって、CPU18は主に、第1図に示すサスペンショ
ンシステムに備わった車高センサ15fL,15fr,15rL,15rr
および圧力センサ13fL,13fr,13rL,13rr,13rm,13rt、な
らびに、車上の前後加速度センサ16pおよび横加速度セ
ンサ16r、の検出値の読込みと、圧力制御弁80fL,80rL,8
0rrおよびバイパス弁120の電気コイル(99,129)への通
電電流値の制御を行なう。
CPU17は、イグニションスイッチ20が閉になってから開
になるまで、および開直後に渡って、サスペンションシ
ステム(第1図)のライン圧の設定/解除,車両運転状
態の判定、および、判定結果に対応した、適切な車高お
よび車体姿勢の確立に要する所要圧力(サスペンション
それぞれに設定すべき圧力)の算出を行ない、車両運転
状態の判定のために各種検出値をCPU18からもらい、所
要出力を設定するに要する通電電流値をCPU18に与え
る。
以下、第9a図以下に示すフローチャートを参照して、CP
U17および18の制御動作を説明 するが、まず理解を容易にするために、CPU17の内部メ
モリに割り当てられている主なレジスタに割り当てた記
号と、各レジスタに書込まれる主なデータの内容を、第
1表に要約して示す。
なお、図面のフローチャートおよび後述の説明におい
て、レジスタ記号そのものがレジスタの内容を意味する
こともある。
まず第9a図を参照する。それ自身に電源が投入される
(ステップ1:バックアップ電源回路23が定電圧を発生す
る:バッテリ19が車体に装着される)と、CPU17は、内
部レジスタ,カウンタ,タイマ等を初期待機状態の内容
に設定して、出力ポートには、初期待機状態(機構各要
素の電気的付勢なし)とする信号レベルを出力する(ス
テップ2:以下カッコ内では、ステップとかサブルーチン
とかの語を省略し、それらに付した記号のみを記す)。
次にCUP17は、イグニションスイッチ20が閉であるかを
チェックして(3)、それが開であるときには、閉にな
るのを待つ。
イグニションスイッチ20が閉になると、リレー22のコイ
ルに通電して、自己保持リレー22の接片を閉とする
(4)。イグニションスイッチ20が閉になったことによ
り、高容量定電圧電源回路21がバッテリ19に接続され
て、電源回路21が低定電圧をCPU18等の弱電素子および
電気回路に与え、高定電圧をローパスフィルタ311〜313
および入/出力回路34等の回路に与えているので、CPU1
8等も電気的に付勢されて動作状態となっているが、リ
レー22のオンにより、リレー接片を介しても電源回路21
がバッテリ19に接続されるので、それ以後、仮にイグニ
ションスイッチ20が開になっても、 CPU17がリレー22をオフにするまでは、第8図に示す電
気回路系はすべて電気的に付勢されて動作状態を維持す
る。
CPU17は、リレー22をオンにすると、その割込み入力ポ
ートASR0〜ASP2へのパルス信号の到来に応答して実行す
る割込み処理を許可する(5)。
ここで入力ポートASR0〜ASR2へのパルス信号に応答した
割込み処理の概要を説明する。まず車速同期パルス発生
器25の発生パルスに応答した割込み処理(入力ポートAS
R2)を説明すると、発生器25が1パルスを発生すると、
これに応答して割込処理(ASR2)に進み、そのときの車
速計時レジスタの内容を読取って車速計時レジスタを再
スタートし、読取った内容(車速同期パルスの周期)よ
り車速値を算出し、それまでに保持している前数回の車
速算出値と荷重平均をとって得た値Vsを車速レジスタVS
に書込み、この割込み処理に進む直前のステップに戻る
(リターン)。
この割込み処理(ASR2)の実行により、車速レジスタVS
に、常時、そのときの車速(車速演算値の時系列平滑
値)を示すデータVsが保持されている。
ステアリングシヤフトの回転方向を検出するためのロー
タリエンコーダ36の、第1組の発生パルスに応答した割
込み処理(入力ポートASR0)を説明すると、第1組の発
生パルスの立上りと立下がりでこの割込み処理(ASR0)
に進み、立上りに応答して割込み処理(ASR0)に進んだ
ときには、回転方向判別用のフラグレジスタにHを書込
み、立下がりに応答して割込み処理(ASR0)に進んだと
きには、該フラグレジスタをクリア(Lを書込み)し
て、この割込み処理に進む直前のステップに戻る。
なお、ロータリエンコーダ26の第1組のパルスの立上り
(フラグレジスタ=H)の次に第2組のパルスの立上り
が現われるときには、ステアリングシャフトは左回転駆
動されており、第1組のパルスの立下り(フラグレジス
タ=L)の次に第2組のパルスの立上りが現われるとき
には、ステアリングシャフトは右回転駆動されている。
ステアリングシヤフトの回転速度(舵角速度)を検出す
るためのロータリエンコーダ36の、第2組の発生パルス
に応答した割込み処理(入力ポートASR1)を説明する
と、第2組のパルス(の立下がり)が到来すると、これ
に応答して割込み処理(ASR1)に進み、そのときのステ
アリング計時レジスタの内容を読取ってステアリング計
時レジスタを再スタートし、読取った内容(舵角速度同
期パルスの周期)に、前記回転方向判別用のフラグレジ
スタの内容がHであると+(左回転)の符号を、該フラ
グレジスタの内容がLであると−(右回転)の符号を付
して、それより速度値(方向+,+を含む)を算出し、
それまでに保持している前数回の速度算出値と荷重平均
をとって得た値Ssを舵角速度レジスタSSに書込み、この
割込み処理に進む直前のステップに戻る(リターン)。
この割込み処理(ASR1)の実行により、舵角速度レジス
タSSに、常時、そのとき舵角速度(速度演算値の時系列
平滑値)を示すデータSs(+は左回転,−は右回転)が
保持されている。
CPU17は、上述の割込み処理を許可すると、CPU18がレデ
ィ信号を与えているか否かをチェックし(6)、かつサ
スペンション圧制御が指示されている(SCSオン)か否
(SCSオフ)からチェックする(7)。
ところでCPU18は、それ自身に電源が投入される(イグ
ニションスイッチ20が閉になる)と初期化を実行して、
内部レジスタ,カウンタ,タイマ等を初期待機状態の内
容に設定して、出力ポートには、初期待機状態(機構各
要素の電気的付勢なし)とする信号レベル(デューティ
コントローラ32には、全電気コイルオフを指定するデー
タ)を出力する(第12a図の82)。そして、デュテーィ
コントローラ32に、バイパス弁120の全閉をもたらす最
高電流値データを与えて、バイパス弁120への通電を指
示する。以上の設定により、圧力制御弁80fL,80fr,80
rL,80rrは通電電流値が零で、その出力ポート(84)に
は、リターン管11の圧力を出力するが、バイパス弁120
が全閉になったことにより、またイグニションスイッチ
20が閉(エンジン回転)でポンプ1が回転駆動されるこ
とにより、高圧給管8,前輪高圧給管6(アキュムレータ
7)および後輪高圧給管9(アキュムレータ10)の圧力
が上昇を始める。
その後CPU18は、第2設定周期ST2で、車高センサ15fL,1
5fr,15rL,15rr,圧力センサ13fL,13fr,13rL,13rr,13rm,1
3rt,前後加速度センサ16pおよび横加速度センサ16rの検
出値、ならびに、コイルドライバ33の電流検出値、を読
込んで(第12a図の89)内部レジスタに更新書込みし、C
PU17が検出データの転送を要求して来ると、そのときの
内部レジスタのデータをCPU17に転送する(第12b図の10
4,105)。また、CPU17が、圧力制御弁80fL,80fr,80rL,8
0rrおよびバイパス弁120の通電電流値データを送って来
ると、バイパス弁120はそのままデューティコントロー
ラ32に与えるが、圧力制御弁80fL,80fr,80rL,80rrの通
電電流値データは内部レジスタに書込んで(第12b図の1
03)、これにサスペンション圧の変化率対応の補正を施
こして、デューティコントローラ32に与える(第12a図
の91〜93)。
さてCPU17は、前述のステップ6,7のチェックにおいて、
CPU18がビジィ信号を与えているときには、そこで待機
して待機処理(8〜11)を実行する。
待機処理(8)では、全圧力センサの圧力検出値,コイ
ルドライバ33の、全電気コイルの電流検出値および全車
高センサの車高検出値を参照して異常有無の判定と、サ
スペンションの制御待機時(停止中)の圧力設定(バイ
パス弁120を非通電として全開とし、圧力制御弁を非通
電とする)を行ない、異常を判定すると、異常に対応し
た報知および圧力設定(バイパス弁120非通電,圧力制
御弁非通電)を行なう(10)。異常を判定しないと、異
常処理を解除(異常報知をクリア)する(11)。
さて、CPU18がレディを知らせると、前述の異常処理
(実行していない場合もある)を解除し(12)、前述の
待機処理(実行していない場合もある)を解除する(1
3)。
そして、CPU17は、CPU18に、圧力センサ13rmの検出圧デ
ータDphの転送を指示してこれを受取ってレジスタDPHに
書込み(14)、検出圧(高圧給管8の後輪側圧力)Dph
が、所定値Pph(カットバルブ70fL,70fr,70rL,70rrが開
き始める所定低圧よりも低い圧力値)以上になったか
(ライン圧がある程度立上ったか)をチエックする(1
5)。ライン圧が立上っていないと、ステップ6に戻
る。
ライン圧が立上ると、CPU17は、CPU18に、圧力センサ13
fL,13fr,13rL,13rrの検出圧(初期圧)データPfL0,Pf
r0,PrL0,Prr0の転送を指示してこれらを受取ってレジス
タPFL0,PFR0,RRL0,PRR0に書込む(16)。
そして、内部ROMの一領域(テーブル1)の、所要圧力
を得るに要する通電電流値データを、レジスタPFL0,PFR
0,PRL0,PRR0の内容PfL0,Pfr0,PrL0,Prr0でアクセスし
て、圧力PfL0を圧力制御弁80fLの出力ポート84に出力す
るに要する電気コイル99への通電電流値IhfL,圧力Pfr0
を圧力制御弁80frの出力ポートに出力するに要する通電
電流値Ihfr,圧力PrL0を圧力制御弁80rLの出力ポートに
出力するに要する通電電流値IhrL、および、圧力Prr0
圧力制御弁80rrの出力ポートに出力するに要する通電電
流値Ihrr、をテーブル1から読み出して、出力レジスタ
IHfL,IHfr,IHrLおよびIHrrに書込み(17)、これらの出
力レジスタのデータをCPU18に転送する。
CPU18はこれらのデータを受け取るとデューティコント
ローラ32に与える。
デューティコントローラ32は、通電電流値データIhfL,I
hfr,IhrLおよびIhrrを記憶(ラッチ)して、CPU18がフ
ィードバックする、圧力制御弁80fLの通電電流値(検出
値)がIhfLになるように、圧力制御弁80fLの電気コイル
99のオン(通電)/オフ(非通電)デューティを調整
し、この調整したデューティに対応する時系列のオン/
オフの指示を、コイルドライバ33に、圧力制御弁80fL
てに与え、他の圧力制御弁80fr,80rL,80rr宛てにも、同
様なデューティ制御を行なうように、時系列のオン/オ
フの指示をコイルドライバ33に与える。
このような電流設定により、圧力制御弁80fL,80fr,80
rL,80rrは、ライン圧が所定低圧以上であると、それぞ
れ実質上PfL0,Pfr0,PrL0,Prr0の圧力を出力ポート(8
4)に出力し、ライン圧の、所定低圧以上への上昇に応
答してカット弁70fL,70fr,70rL,70rrが開いたときに
は、その時の各サスペンションの圧力(初期圧)PfL0,P
fr0,PrL0,Prr0と実質上等しい圧力が、カット弁70fL,70
fr,70rL,70rrを通して圧力制御弁80fL,80fr,80rL,80rr
からサスペンション100fL,100fr,100rL,100rrに供給さ
れる。
したがって、イグニションスイッチ20が開(エンジン停
止:ポンプ1停止)から閉(ポンプ1駆動)になって、
始めてカット弁70fL,70fr,7frL,70rrが開いて(ライン
圧が所定低圧以上)、サスペンションの油圧ラインが圧
力制御弁の出力ポートと連通するとき、圧力制御弁の出
力圧とサスペンション圧とが実質上等しく、サスペンシ
ョンの急激な圧力変動を生じない。すなわち車体姿勢の
衝撃的な変化を生じない。
以上が、イグニションスイッチ20が開から閉に切換わっ
たとき(エンジンスタート直後)の、圧力制御弁80fL,8
0fr,80rL,80rrの初期出力圧設定である。
次に、CPU17は、ST1時限のタイマST1スタートする。ST1
はレジスタST1内容であり、レジスタST1には、CPU18が
検出値を読込む第2設定周期ST2よりも長い第1設定周
期を示すデータST1が書込まれている。例えば、ST1は40
〜400msec程度、ST2は8〜40msec程度である。
タイマST1をスタートするとCPU17は、状態読取(20)を
行なう。
これにおいては、イグニションスイッチ20の開閉信号,
ブレーキペダル踏込み検出スイッチBPSの開閉信号,ア
ブソリュートエンコーダ27のスロットル開度データ、お
よび、リザーバレベル検知スイッチ28の信号を読込んで
内部レジスタに書込む共に、CPU18に検出データの転送
を指示して、車高センサ15fL,15fr,15rL,15rrの車高検
出データDfL,Dfr,DrL,Drr,圧力センサ13fL,13fr,13rL,1
3rr,13rm,13rtと圧力検出データPfL,Pfr,PrL,Prr,Prm,P
rt、ならびに、圧力制御弁およびバイパス弁80fL,80fr,
80rL,80rr,120の通電電流値検出データの転送を受け
て、内部レジスタに書込む、そして、これらの読込み値
を参照して異常/正常の判定をして、異常のときには、
ステップ8に進む。
正常の場合にはCPU17は、次にライン圧制御(LPC)を実
行する。
これにおいては、基準圧(リリーフバルブ60mのリリー
フ圧(所定高圧)より少し低い固定値)に対する検出ラ
イン圧Prmの偏差の絶対値と極性(高/低)を算出し
て、現在バイパス弁120に流している通電電流値に、前
記偏差に対応して該偏差を零とする補正値を加えて、今
回のバイパス弁120通電電流値を算出し、これを出力レ
ジスタに書込む。
なお、この出力レジスタと内容は、後述するステップ36
で、CPU18に転送する。
この「ライン圧制御」(LPC)により、後輪高圧給管9
の圧力が、リリーフバルブ60mのリリーフ圧(所定高
圧)より少し低い所定値になるように、バイパス弁120
の通電電流値が制御されることになる。
次に第9b図を参照する。上記ライン圧制御(LPC)を終
えるとCPU17は、スイッチ20の開閉をチェックする(2
2)。
スイッチ20が開になっていると、停止処理(23)を行な
い、リレー22をオフにして、割込みASR0〜ASR2を禁止す
る。なお、停止処理(23)においては、まずバイパス弁
120を非通電にして全開(ライン圧をリターン管11に放
出)にする。
スイッチ20が開(エンジン停止:ポンプ1停止)になっ
てポンプ1の高圧吐出が停止し、バイパス弁120が全開
になったことにより、高圧給管8,前輪高圧給管6(アキ
ュムレータ7)および後輪高圧給管9(アキュムレータ
10)の圧力がリターン管11の圧力となり、リターン管11
の圧力がリザーバ2に抜けることにより、高圧給管8等
が大気圧となる。
高圧給管8等が、カットバルブ70fL,70fr,70rL,70rrが
完全遮断に転ずる所定低圧以下の圧力になったタイミン
グで、CPU17は、圧力制御弁80fL,80fr,80rL,80rrが非通
電とする。
さて、スイッチ20が閉であるときには、車両走行状態を
示すパラメータを算出する(25)。すなわち、舵角速度
レジスタSSの内容Ssを読取って、〔今回読取った値Ss−
前回読取った値〕/DT1=Sa(舵角加速度)、を算出して
レジスタSAに書込む。そして、〔サブルーチン20で読込
んだ、今回読込みのスロットル開度Tp−前回読込んだス
ロットル開度〕=Ts(スロットル開閉速度)、を算出し
てレジスタTSに書込む。次いで、〔サブルーチン20で読
込んだ、今回読込みの前後加速度Pg−前回読込んだ前後
加速度〕=Pa(前後加速度の変化率)、を算出してレジ
スタPAに書込み、〔サブルーチン20で読込んだ、今回読
込みの横加速度Rg−前回読込んだ横加速度〕=Ra(横加
速度の変化率)、を算出してレジスタRAに書込む。
次にCPU17は、「車高偏差演算」(31)を実行して、目
標車高に対する車体車高の偏差を算出してこれを零とす
るに要するサスペンション圧力補正量(第1補正量:各
サスペンション毎)を算出する。この内容の詳細は、第
10a図を参照して後述する。
CPU17は、「車高偏差演算」(31)の次に「ピッチング
/ローリング予測演算」(32)は実行して、車体に実際
に加わっている縦,横加速度に対応するサスペンション
圧補正量(第2補正量:各サスペンション毎)を算出し
て、〔サスペンション初期圧(PfL0,Pfr0,PrL0,Prr0
+第1補正量+第2補正量〕(算出中間値:各サスペン
ション毎)を算出する。この内容の詳細は、第10b図を
参照して後述する。
CPU17は次に、「圧力補正」(33)を実行して、圧力セ
ンサ13rmで検出するライン圧(高圧)および圧力センサ
13rtで検出するリターン圧(低圧)に対応して、前記
「算出中間値」を補正する。この内容の詳細は、第10c
図を参照して後述する。
CPU17は次に、「圧力/電流変換」(34)で、上記補正
した「算出中間値」(各サスペンション毎)を、圧力制
御弁(80fL,80fr,80rL,80rr)に流すべき電流値に変換
する。この内容は第10d図を参照して後述する。
CPU17は次に、「ワープ補正」(35)で、横加速度Rgお
よびステアリング速度Ssに対応した、旋回時ワープ補正
値(電流補正値)を算出して、これを前記圧力制御弁に
流すべき電流値を加える。この内容の詳細は、第10e図
を参照して後述する。
CPU17は次に、「出力」(36)で、以上のようにして算
出した、圧力制御弁に流すべき電流値、各圧力制御弁宛
てで、CPU18に転送すると共に、前述の「ライン圧制
御」(LPC)で算出したバイパス弁12に流すべき電流値
を、バイパス弁120宛てで、CPU18に転送する。
ここでCPU17は、1サイクルのサスペンション圧力制御
に含まれるすべてのタスクを完了したことになる。そこ
で、タイマSTがタイムオーバするのを待って(37)、タ
イムオーバすると、ステップ19に戻って、タイマSTを再
スタートして、次のサイクルのサスペンション圧力制御
のタスクを実行する。
以上に説明したCPU17のサスペンション圧力制御動作に
より、CPU18には、ST1周期(第1設定周期)で、センサ
検出値の転送がCPU17から要求(サブルーチン20)さ
れ、これに応答してCPU18が、第2設定周期ST2で読込ん
で過去数回の読込値と荷重平均平滑化しているセンサ検
出値データをCPU17に転送する(第12a図の89,90および
第12b図の105)。
また、CPU18には、ST1周期で、圧力制御弁のそれぞれお
よびバイパス弁120に流すべき電流値データが、CPU17か
ら転送され、CPU18は、この転送を受ける毎に、バイパ
ス弁120に流す電流値データはそのままデューティコン
トローラ32に出力(ラッチ)するが、圧力制御弁宛ての
電流値データはレジスタに更新書込みして(第12b図の1
03)、デューティコントローラ32には、第2設定周期ST
2で、サスペンション圧変化率対応の補正量を算出して
この補正量をレジスタに書込んでいる電流値データに加
え、このように補正した電流値データを与える(第12a
図の88〜93)。
したがって、デューティコントローラ32は、ST1周期で
目標電流値データを更新しつつ、バイパス弁120の電流
値(コイルドライバ33が検出した電流値)が目標電流値
になるように、通電デューティを制御するが、圧力制御
弁のそれぞれについてはこのような通電デューテイ制御
をST2周期で行なう。
第10a図を参照して、「車高偏差演算」(31)の内容を
説明すると、まず概要では、車高センサ15fL,15fr,15
fL,15rrの車高検出値DfL,Dfr,DrL,Drr(レジスタDFL,DF
R,DRL,DRRの内容)より、車体全体としてのヒーブ(高
さ)DHT,ピッチ(前輪側車高と後輪側車高の差)DPT,ロ
ール(右輪側車高と左輪側車高との差)DRTおよびワー
プ(前右車輪車高と後左車輪車高の和と、前左車輪車高
と後右車輪車高の和との差)DWTを算出する。
すなわち、各輪車高(レジスタDFL,DFR,DRL,DRRの内
容)を、車体全体としての姿勢パラメータ(ヒーブDHT,
ピッチDPT,ロールDRTおよびワープDWT)に変換する。
DHT=DFL+DFR+DRL+DRR, DPT=−(DFL+DFR)+(DRL+DRR), DRT=(DFL−DFR)+(DRL−DRR), DWT=(DFL−DFR)−(DRL−DRR) である。このDPTの算出は「ピッチングエラーCPの算
出」(51)で実行し、DPTの算出は「ローリングエラーC
Rの算出」(52)で実行し、DWTの算出は「ワープエラー
CWの算出」(53)で実行する。
そして、「ヒーブエラーCHの算出」(50)で、車速Vsよ
り目標ヒーブHtを導出して、算出したヒーブDHTの、目
標ヒーブHtに対するヒーブエラー量を算出し、PID(比
例,積分,微分)制御のために、算出したヒーブエラー
量をPID処理して、ヒーブエラー対応のヒーブ補正量CH
(第1補正量)を算出する。
同様に、「ピッチングエラーCPの算出」(51)で、前後
加速度Pgより目標ピッチPtを導出して、算出したピッチ
DPTの、目標ピッチPtに対するピッチエラー量を算出
し、PID(比例,積分,微分)制御のために、算出した
ピッチエラー量をPID処理して、ピッチエラー対応のピ
ッチ補正量CPを算出する。
同様に、「ローリングエラーCRの算出」(52)で、横加
速度Rgより目標ロールRtを導出して、算出したロールDR
Tの、目標ロールRtに対するロールエラー量を算出し、P
ID(比例,積分,微分)制御のために、算出したロール
エラー量をPID処理して、ロールエラー対応のロール補
正量CRを算出する。
同様に、「ワープエラーCWの算出」(53)で、目標ワー
プWtを零として、算出したワープDWTの、目標ワープWt
に対するワープエラー量を算出し、PID(比例,積分,
微分)制御のために、算出したワープエラー量をPID処
理して、ワープエラー対応のワープ補正量CWを算出す
る。なお、算出したワープエラー量(目標ワープが零で
あるので、DWTである)の絶対値が所定値以下(許容範
囲内)のときには、PID処理するワープエラー量は零と
し、所定値を越えるときにPID処理するワープエラー量
をDWTとする。
「ヒーブエラーCHの算出」(50)の内容を詳細に説明す
ると、CPU17はまず、車速Vsに対応する目標ヒーブHt
を、内部ROMの1領域(テーブル2H)から読み出してヒ
ーブ目標値レジスタHtに書込む(39)。
第10a図中に「テーブル2H)として示すように、車速Vs
に対等付けられている目標ヒーブHt(車高基準値)は、
車速Vsが80km/h以下の低速度で高い値Ht1で、車速Vsが1
20km/h以上の高速度では低い値Ht2であるが、Vsが80km/
hを越え120km/h未満の範囲では、車速Vsに対して目標値
がリニア(曲線でもよい)に変化している。このように
目標値をリニアに変化させるのは、例えば仮に100km/h
以下では目標値をHt1に、100km/h以上では目標値をHt2
に、段階的に切換わるようにすると、Vsが100km/h付近
のとき、Vsのわずかな速度変化により目標ヒーブが大き
く段階的に変化して、車高が高速で頻繁に大きく上下し
て車高安定性が悪くなるので、これを防止するためであ
る。上記テーブル2Hの設定によれば、車速Vsのわずかな
高低変化では目標値はわずかに変わるだけであるので、
車高目標値の変化がわずかとなり、車高安定性が高くな
る。
CPU17は次に、前述のヒーブDHTを算出する(40)。そし
て、前回算出したヒーブエラー量を書込んでいるレジス
タEHT2の内容をレジスタEHT1に書込み(41)、今回のヒ
ーブエラー量HT−DHTを算出して、これをレジスタEHT2
に書込む(42)。
以上により、レジスタEHT1には前回(ST1前)のヒーブ
エラー量が、レジスタEHT2には今回のヒーブエラー量が
格納されている。CPU17は次に、前回迄のエラー積分値
を書込んでいるレジスタITH2の内容をレジスタITH1に書
込み(43)、今回のPID補正量IThを次式で算出する。
ITh=Kh1・EHT2+Kh2・(EHT2+Kh3+ITH1) +Kh4・Kh5・(EHT2−EHT1) Kh1・EHT2は、PID演算のP(比例)項であり、Kh1は比
例項の係数、EHT2はレジスタEHT2の内容(今回のヒーブ
エラー量)である。
Kh2・(EHT2+Kh3・ITH1)は、I(積分)項であり、Kh
2は積分項の係数、ITH1は前回までの補正量積分値(初
期圧の設定16〜18からの、補正量出力の積分値)、Kh3
は今回のエラー量EHT2と補正量積分値ITH1との間の重み
付け係数である。
Kh4・Kh5・(EHT2−EHT1)は、D(微分)項であり、微
分項の係数が、Kh4・Kh5であるが、Kh4は車速Vsに対応
付けられた値を用い、Kh5は舵角速度Ssに対応付けられ
ている値を用いる。すなわち、内部ROMの1領域(テー
ブル3H)より、その時の車速Vsに対応付けられている車
速補正係数Kh4を読み出し、かつ、内部ROMの1領域(テ
ーブル4H)より、その時の舵角速度Vsに対応付けられて
いる舵角速度補正係数Kh5を読み出して、これらの積Kh4
・Kh5を微分項の係数とする。
第10a図中に「テーブル3H」として示すように、車速補
正係数Kh4は、大略で、車速Vsが高い程大きい値であ
り、微分項の重みを大きくする。これは、微分項がヒー
ブの変化に対して速くこれを目標値に収めようとする補
正項であって、車速が高い程外乱に対する車高変化の速
度が速いので、車速に応じて高めている。一方、車速Vs
がある程度以上(テーブル3Hでは40km/h以上)になる
と、ブレーキの踏込み/解放,アクセスペダルによる加
/減速,ステアリングの回転による旋回/旋回戻し、等
が急激に行なわれると車体姿勢の変化が急激でしかもき
わめて大きくなり、このような急激な姿勢変化を速く補
償するような過大な微分項は、車高制御安定性がくずれ
る。したがってテーブル3Hの車速補正係数Kh4は、より
細かくは、車速Vsの変化に対して、車速Vsが低いときに
は大きく変化し、車速Vsが高い程小さく変化する。すな
わち車速Vsが低いときには、車速の変動に対しての微分
項の重みが大きく変わるが、車速Vsが高いときには車速
の変動に対して微分項の重み変化が小さい。
第10a図中に「テーブル4H」として示すように、舵角速
度補正係数kh5は、大略で、舵角速度Ssが高い程大きい
値であり、微分項の重みを大きくする。これは、微分項
がヒーブの変化に対して速くこれを目標値に収めようと
する補正項であって、舵角速度Ssが高い程外乱に対する
車高変化の速度が速いので、舵角速度に応じて高めてい
る。一方、舵角速度Ssがある程度以下(テーブル4Hでは
50゜/msec以下)では、進行方向の変化が極くゆるやか
に微分項の重み付けは小さく、50゜/msecを越え400゜/m
sec以下では、舵角速度Ssに実質上比例した速度で車高
変化が現われる。400゜/msec以上の舵角速度では、車体
姿勢の変化が急激でしかもきわめて大きくなり、このよ
うな急激な姿勢変化を速く補償するような過大な微分項
は、車高制御安定性がくずれて危険となる。したがっ
て、舵角速度Ssに対応する微分項の係数Kh5は、Ssが50
゜/msec以下では一定値とし、50゜/msecを越え400゜/ms
ec以下ではSsに実質上比例する高い値とし、400゜/msec
を越えると400゜/msecのときの値の一定値としている。
以上に説明した微分項Kh4・Kh5・(EHT2−EHT1)の導入
により、また更に、その係数Kh4を車速Vsに対応して大
きくし、係数Kh5を舵角速度Ssに対応して大きくするこ
とにより、車速Vsおよび舵角速度Ssに対応した重み付け
の微分制御が実現し、車速Vsおよび舵角速度Vsの変動に
対して、高い安定性の車高制御が実現する。
上述のように、ヒーブエラー補正量IThをPID演算(44)
で算出すると、CPU17は、算出したヒーブエラー補正量I
ThをレジスタITH2に書込む(45)。
次にこの補正量は、ヒーブエラー補正量の重み係数Kh6
(後述するピッチエラー補正量,ロールエラー補正量お
よびワープエラー補正量に対する重み付け:総補正量中
の寄与比)を乗じて、、ヒーブエラーレジスタCHに書込
む。
以上のようにヒーブエラーCHの演算(50)を実行する
と、CPU17、「ピッチングエラーCPの演算」(51)を実
行して、ピッチエラー補正量CPを、ヒーブエラーCHと同
様に算出してピッチエラーレジスタCPに書込む。なお、
これにおいて、ヒーブ目標値HTに対応するピッチ目標値
PTは、CPU17の内部ROMの一領域(テーブル2P)より、そ
の時の前後加速度Pgに対応するデータPt(前後加速度Pg
に応じた目標値)を読み出して得る。
第11a図に、テーブル2Pの内容を示す。前後加速度Pgに
対応するピッチ目標値Ptは、前後加速度Pgによって現わ
れるピッチを相殺する方向(減少)にある。aの領域は
前後加速度Pgの増大(減少)につれて目標ピッチを大き
くし省エネルギを狙うもので、bの領域は異常なPgに対
してセンサの異常が考えられるのでピッチ目標値を小さ
くして、実際はPgが発生していないにもかかわらずピッ
目標値を与えてしまうのを防止するためのものである。
その他の演算処理動作は、前述の「ヒーブエラーCHの演
算」(50)の内容と同様であり、そのステップ39のHT,H
tをPT,Ptと置換し、ステップ40のDHT算出式を前述のDPT
算出式に置換し、ステップ41のEHT1,EHT2をEPT1,EPT2に
置換し、ステップ42のEHT2,HT,DHTをEPT2,PT,DPTに置換
し、ステップ43のITH1,ITH2をITP1,ITP2に置換し、サブ
ルーチン44のITh算出式を、それと全く対応関係にある
ピッチエラー補正量ITp算出式に置換し、テーブル3H
を、ピッチ補正量ITp算出用の係数テープル(3P)に置
換し、テーブル4Hもピッチ補正量ITp算出用の係数テー
ブル(4P)に置換し、ステップ45のITH2,IThをITP2,ITp
に置換し、かつステップ46のCH,Kh6,IThをCP,Kp6,ITpと
置換することにより、「ピッチエラーCPの演算」(51)
の内容を示すフローチャートが現われる。CPU17はこの
フローチャートで表わされる処理を実行する。
次にCPU17は、「ローリングエラーCRの演算」(52)を
実行して、ロールエラー補正量CRを、ヒーブエラーCHと
同様に算出してロールエラーレジスタCRに書込む。な
お、これにおいて、ヒーブ目標値HTに対応するロール目
標値RTは、CPU17の内部ROMの一領域(テーブル2R)よ
り、その時の横加速度Rgに対応するデータRt(横加速度
Rgに応じたロール目標値)を読み出して得る。
第11b図に、テーブル2Rの内容を示す。横加速度Rgに対
応するロール目標値Rtは、横加速度Rgによって現われる
ロールを相殺する方向(減少)にある。aの領域は横加
速度Rgの増大(減少)につれて目標ロールを大きくし省
エネルギを狙うもので、bの領域は異常なRgに対してセ
ンサの異常が考えられるのでロール目標値を小さくし
て、実際はRgが発生していないにもかかわらず目標値を
与えてしまうのを防止するためである。その他の演算処
理動作は、前述の「ヒーブエラーCHの演算」(50)の内
容と同様であり、そのステップ39のHT,HtをRT,Rtと置換
し、ステツプ40のDHT算出式を前述のDRT算出式に置換
し、ステップ41のEHT1,EHT2をERT1,ERT2に置換し、ステ
ップ42のEHT2,HT,DHTをERT2,RT,DPTに置換し、ステップ
43のITH1,ITH2をITR1,ITR2に置換し、サブルーチン44の
ITh算出式を、それと全く対応関係にあるロールエラー
補正量ITr算出式に置換し、テーブル3Hを、ロール補正
量ITr算出用の係数テーブル(3R)に置換し、テーブル4
Hもロール補正量ITp算出用の係数テーブル(4R)に置換
し、ステップ45のITH2,IThをITR2,ITrに置換し、かつス
テップ46のCH,Kh6,IThをCR,Kr6,ITrと置換することによ
り、「ロールエラーCRの演算」(51)の内容を示すフロ
ーチャートが現われる。CPU17はこのフローチャートで
表わされる処理を実行する。
CPU17は次に、「ワープエラーCWの演算」(53)を実行
して、ワープエラー補正量CWを、ヒープエラーCHと同様
に算出してワープエラーレジスタCWに書込む。なお、こ
れにおいて、ヒーブ目標値HTに対応するワープ目標値PW
は零に定めている。その他の演算処理動作は、前述の
「ヒーブエラーCHの演算」(50)の内容と同様であり、
そのステップ39のHT,HtをWT,0と置換し、ステップ40のD
HT算出式を前述のDWT算出式に置換し、ステップ41のEHT
1,EHT2をEWT1,EWT2に置換し、ステップ42の内容を、DWT
の絶対値が所定値Wm以下(許容範囲内)であるときには
WTを0に、Wmを越えるときにはWTに−DWTとして、WTを
レジスタEWT2に書込む内容に変更し、ステップ43のITH
1,ITH2をITW1,ITW2に置換し、サブルーチン44のITh算出
式を、それと全く対応関係にあるワープエラー補正量IT
w算出式に置換し、テーブル3Hを、ワープ補正量ITr算出
用の係数テーブル(3W)に置換し、テーブル4Hもワープ
補正量ITw算出用の係数テーブル(4W)に置換し、ステ
ップ45のITH2,IThをITW2,ITwに置換し、かつステップ46
のCH,Kh6,IThをCW,Kw6,ITwと置換することにより、「ワ
ープエラーCWの演算」(53)の内容を示すフローチャー
トが現われる。CPU17は、このフローチャートで表わさ
れる処理を実行する。
以上のように、ヒーブエラー補正量CH,ピッチエラー補
正量CP,ロールエラー補正量CRおよびワープエラー補正
量WPを算出すると、 CPU17は、これらの補正量を、各車輪部のサスペンショ
ン圧力補正量EHfL(サスペンション100fL宛て),EHfr
(100fr宛て),EHrL(100rL宛て),EHrr(100rr宛て)
に逆変換する。すなわち次のように、サスペンション圧
力補正量を算出する。
FHfL=KfL・Kh7・(1/4)・(CH−CP+CR+CW), EHfr=Kfr・Kh7・(1/4)・(CH−CP−CR−CW), EHrL=KrL・Kh7・(1/4)・(CH+CP+CR−CW), EHrr=Krr・Kh7・(1/4)・(CH+CP−CR+CW) 係数KfL,Kfr,KrL,Krrは、ライン圧基準点13rmおよびリ
ターン圧基準点13rtに対する、サスペンション100fL,10
0fr,100rL,100rrの配管長の異なりによる、サスペンシ
ョン供給圧偏差を補償するための補正係数である。Kh7
は、舵角速度Ssに対応して、車高偏差補正量を増減する
ための係数であり、CPU17の内部ROMの1領域(テーブル
5)より、舵角速度Ssに対応して読み出されるものであ
る。舵角速度Ssが大きいと大きい姿勢変化が見込まれ姿
勢エラー量の増大が見込まれる。
したがって、係数Kh7は、大略で、舵角速度Ssに比例し
て大きく設定されている。しかし、舵角速度Ssがある程
度以下(テーブル5では50゜/msec以下)では、進行方
向の変化が極くゆるやかで姿勢変化は小さくゆるやか
で、50゜/msecを越え400゜/msec以下では、舵角速度S
に実質上比例した速度で姿勢変化が現われる。
400゜/msecを越える舵角速度では、車体姿勢の変化が急
激でしかもきわめて大きくなり、このような急激な姿勢
変化を速く補償するような過大な補正量は、車高制御安
定性がくずれる。
したがって、舵角速度Ssに対応する補正係数Kh7は、Ss
が50゜/msec以下では一定値とし、50゜/msecを越え400
゜/msec以下ではSsに実質上比例する高い値とし、400゜
/msecを越えると400゜/msecのときの値の一定値として
いる。
次に、第10b図を参照して、「ピッチング/ローリング
予測演算」(32)の内容を説明する。前述の「車高偏差
演算」(31)が、大略で、車体姿勢を所定の適切なもの
に維持するように、現状の車高,前後加速度および横加
速度より現車体姿勢を判定して(フィードバックし
て)、現車体姿勢を該所定の適切なものにするようにサ
スペンション圧を調整(フィードバック制御)しようと
するものであるのに対して、「ピッチング/ローリング
予測演算」(32)は、大略で、車体の前後,横加速度を
制御しようとするものである。すなわち、車体の前後加
速度Pgおよび横加速度Rgの変化を抑制しようとするもの
である。
CPU17はまず、前後加速度Pgの変化によるピッチの変化
を抑制するための補正量CGTを算出する(55〜58)。
これにおいては前回の、Pg対応の補正量を書込んでいる
レジスタGPT2の内容をレジスタGPT1に書込み(55)、内
部ROMの1領域(テーブル6)より、VsおよびPg対応の
補正量Gptを読み出してこれをレジスタGPT2に書込む(5
7)。
テーブル6のデータGptは、Vsを指標としてグループ化
されており、CPU17は、Vsでグループを指定して、指定
したグループ内の、Pg対応のデータGptを読み出す。各
グループは、小さいVsに割り当てられているもの程、不
感帯a幅(第10b図に示すテーブル6中の、Gpt=0の横
軸)が大きく設定されている。bは前後加速度Pgの増加
につれゲインを上げ制御性能を上げる領域、cはセンサ
以上が考えられるため制御性能をおとす領域である。
次にCPU17は、前後加速度Pgの変化を抑制するための補
正量CGPを次式で算出しレジスタCGPに書込む(58)。
CGP=Kgp3・〔Kgp1・GPT2+Kgp2・(GPT2−GPT1)〕 GPT2はレジスタGPT2の内容であり、今回、テーブル6よ
り読み出した補正量Gptである。GPT1はレジスタGPT1の
内容であり、前回にテーブル6より読み出した補正量で
ある。P(比例)項Kgp1・GPT2のKgp1は比例項の係数で
ある。
D(微分)項Kgp2・(GPT2−GPT1)のKgp2は微分項の係
数であり、この係数kgp2は、車速Vsに対応して内部ROM
の一領域(テーブル7)から読み出したものである。第
10b図中に「テーブル7」として示すように、係数kgp2
は、大略で、車速Vsが高い程大きい値であり、微分項の
重みを大きくする。これは、微分項が前後加速度Pgの変
化を速く抑制しようとする補正項であって車速が高い程
ブレーキの踏込み/解放,アクセルペダルによる加/減
速,ステアリングの回転による旋回/旋回戻し、等によ
る前後加速度Pgの変化が速いので、この速い変化に対応
させて速くこれを抑制しようとするためである。一方、
車速Vsがある程度以上になると、ブレーキの踏込み/解
放,アクセルペダルによる加/減速,ステアリングの回
転による旋回/旋回戻し、等が急激に行なわれると縦加
速度Pgの変化が急激でしかもきわめて大きくなり、この
ような急激な変化を速く抑制するような過大な微分項
は、前後加速度抑制の安定性がくずれる。したがってテ
ーブル7の係数Kgp2は、より細かくは、車速Vsの変化に
対して、車速Vsが低いときには大きく変化し、車速Vsが
所定値以上では一定としている。すなわち車速Vsが低い
ときには、車速の変動に対して微分項の重みが大きく変
わるが、車速Vsが高いときには車速の変動に対して微分
項の重み変化がなくなる。
算出した前後加速度Pgの変化抑制用の補正量CGPは、サ
スペンションに対してピッチ補正量であり、Kgp3は、後
述のロール補正量CGRおよびGESに対する重み付け係数で
ある。
CPU17は次に、横加速度Pgの変化によるロールの変化を
抑制(つまり横加速度Pgの変化を抑制)するための補正
量CGPを算出する(59〜62)。これにおいては前回の、R
g対応の補正量を書込んでいるレジスタGRT2の内容をレ
ジスタGRT1に書込み(59)、内部ROMの1領域(テーブ
ル8)より、VsおよびRg対応の補正量Grtを読み出して
これをレジスタGRT2に書込む(61)。テーブル8のデー
タGrtは、Vsを指標としてグループ化されており、CPU17
は、Vsでグループを指定して、指定したグループ内の、
Rg対応のデータGrtを読み出す。各グループは、小さいV
sに割り当てられているもの程、不感帯a幅(第10b図に
示すテーブル8中の、Grt=0の横幅)が大きく設定さ
れている。bは横加速度Rgの増加につれゲインを上げ制
御性能を上げる領域、cはセンサ以上が考えられるため
性制性能をおとす領域である。
次にCPU17は、横加速度Rgの変化を抑制するための補正
量CGRを次式で算出しレジスタCGRに書込む(62)。
CGR=Kgr3・〔Kgr1・GRT2+Kgr2・(GRT2+GRT1)〕GGR
T2はレジスタGRT2の内容であり、今回テーブル8より読
み出した補正量Grtである。GRT1はレジスタGRT1の内容
であり前回テーブル8より読み出した補正量である。P
(比例)項Kgr1・GRT2のKgr1は比例項の係数である。
D(微分)項Kgr2・(GRT2−GRT1)のKgr2は微分項の係
数であり、この係数Kgr2は、車速Vsに対応して内部ROM
の一領域(テーブル9)から読み出したものである。第
10b図中に「テーブル9」として示すように、係数Kgr2
は、大略で、車速Vsが高い程大きい値であり、微分項の
重みを大きくする。これは、微分項が横加速度Rgの変化
を速く抑制しようとする補正項であって、車速が高い程
ステアリングの回転による旋回/旋回戻し、による横加
速度Rgの変化が速いので、この速い変化に対応させて速
くこれを抑制しようとするためである。一方、車速Vsが
ある程度以上になると、ステアリングの回転による旋回
/旋回戻し、が急激に行なわれると横加速度Rgの変化が
急激でしかもきわめて大きくなり、このような急激な変
化を速く抑制するような過大を微分項は、横加速度抑制
の安定性がくずれる。したがってテーブル9の係数Kgr2
は、より細かくは、車速Vsの変化に対して、車速Vsが低
いときには大きく変化し、車速Vsが所定値以上では一定
としている。すなわち車速Vsが低いときには、車速の変
動に対して微分項の重みが大きく変わるが、車速Vsが高
いときには車速の変動に対して微分項の重み変化がなく
なる。
算出したCGRは、サスペンションに対してはロール補正
量であり、Kgr3は、前述のピッチ補正量CGPおよび後述
のロール補正量GESに対する重み付け係数であるが、車
速Vsが低いときには、横加速度Rgの変化率は低いので、
低速域ではこのロール補正量CGRの寄与比を下げ、高速
域で一定値となるように、内部ROMの一領域(テーブル1
0)に、速度Vs対応で係数データKgr3を格納している。C
PU17は、速度Vsに対応する係数Kgr3を読み出して、上述
のCGRの算出に用いる。
ステアリングポジシヨン(回転位置)の変化(舵角速度
Ss)により横加速度Rgが変化し、この変化率は車速Vsに
も依存する。すなわち横加速度Rgの変化が、舵角速度Ss
およびVsにも対応するので、この変化を抑制するに要す
るロール補正量GesをCPU17の内部ROMの一領域(テーブ
ル11)に書込んでいる。CPU17は、舵角加速度Saが実質
上零であるかをチェックして(64)、それが実質上零で
ないと、テーブル11より、VsおよびSsの組合せに対応す
るロール補正量Gesを読出してレジスタGESに書込む(6
5)。実質上零である(前回の舵角速度と今回の舵角速
度が等しい:前回読出したロール補正量Gesを、そのま
ま今回のロール補正量とすればよい)と、レジスタGES
への更新書込み(65)は実行しない。
CPU17は次に、算出したピッチ補正量CGP,ロール補正量C
GRおよびロール補正量DESを、各サスペンション宛てと
圧力補正量に変換して、この圧力補正量を、先に「車高
偏差演算」(31)で算出した値EHfL,EHfr,EHrL,EHrr
(レジスタEHfL,EHfr,EHrL,EHrrの内容)に加算して、
得た和EhfL,Ehfr,EhrL,EhrrをレジスタEHfL,EHfr,EHrL,
EHrrに更新書込みする(66)。
EhfL=EHfL +KgfL・(1/4)・(−CGP+Kcgrf・CGR+KgefL・GES) Ehfr=EHfr +Kgfr・(1/4)・(−CGP−Kcgrf・CGR−Kgefr・GES) EhrL=EHrL +KgrL・(1/4)・(CGP+Kcgrr・CGR+KgefL・GES) Ehrr=EHrr +Kgrr・(1/4)・(CGP+Kcgrr・CGR−Kgerr・GES) 上式の右辺第1項が、先に「車高偏差演算」(31)で算
出した値であって、レジスタEHfL,EHfr,EHrL,EHrrに書
込まれていたものであり、右辺第2項が、前述のピッチ
補正量CGP,ロール補正量CGRおよびロール補正量GESを、
各サスペンション宛ての圧力補正値に変換した値であ
る。なお、右辺第2項の係数KgfL,Kgfr,KgrLおよびKgrr
は、 KgfL=KfL・Kgs, Kgfr=Kfr・Kgs, KgrL=KrL・Kgs, Kgrr=Krr・Kgs であり、KfL,Kfr,KrL,Krrは、圧力基準点に対する各サ
スペンションの配管長のばらつきによる圧力誤差を補正
するための係数(配管長補正係数)であり、Kgsは、テ
ーブル12に示すように、舵角速度Ssに対応付けて予め定
めている係数であって、前述の「車高偏差演算」(31)
で算出した圧力補正値に対する、「ピッチング/ローリ
ング予測演算」(32)で算出した、加速度変化抑制のた
めの圧力補正値(上記4式の右辺第2項:(1/4)・
(−CGP+Kcgrf・CGR+KgefL・GES)等)の重み付けを
規定する。舵角速度Ssが大きいと速い加速度変化が見込
まれ、加速度変化抑制のための圧力補正値の重み付けを
大きくするのが良い。したがって、係数Kgsは、大略
で、舵角速度Ssに比例して大きく設定されている。しか
し、舵角速度Ssがある程度以下(テーブル12では50゜/m
sec以下)では、加速度の変化が極く小さく、50゜/msec
を越え400゜/msec以下では、舵角速度Ssに実質上比例し
た速度で加速度が変化する。400゜/msec以上の舵角速度
では、旋回半径の変化が急激でしかもきわめて大きくな
って加速度変化(特に横加速度)がきわめて大きく、こ
のような急激な加速度変化を速く補償するような過大な
補正量は、加速度制御の安定性がくずれる。したがっ
て、舵角速度Ssに対応する重み係数Kgsは、Ssが50゜/ms
ec以下では一定値とし、50゜/msecを越え400゜/msec以
下ではSsに実質上比例する高い値とし、400゜/msecを越
えると400゜/msecのときの値の一定値としている。
CPU17は次に、初期圧レジスタPFL0,PFR0,PRL0,PRR0に書
込んでいる初期圧データ(ステップ16〜18で設定)を、
サブルーチン66で算出した、車高偏差調整のための補正
圧と加速度抑制制御のための補正圧の和(レジスタEH
fL,EHfr,EHrL,EHrrの内容)に加算して、各サスペンシ
ョンに設定すべき圧力を算出して、レジスタEHfL,EHfr,
EHrL,EHrrに更新書込みする(67)。
第10c図を参照して「圧力補正」(33)の内容を説明す
ると、CPU17は、圧力センサ13rmの検出圧Dph(レジスタ
DPHの内容)に対応する、ライン圧変動による圧力制御
弁の出力圧の変動を補償する補正量PHを内部ROMの1領
域(テーブル13H)より読み出し、かつ、圧力センサ13r
tの検出圧DpL(レジスタDPLの内容)に対応する、リタ
ーン圧変動による圧力制御弁の出力圧の変動を補償する
補正量PLf(前輪側補正量)およびPLr(後輪側補正値)
を内部ROMの一領域(テーブル13L)より読み出して、圧
力制御弁に加わるライン圧およびリターン圧の変動によ
る圧力制御弁出力圧の変動を補償する圧力補正値PDf=P
H−PLfおよびPDr=PH−PLrを算出する(68,69)。な
お、リターン圧に対応する補正値を前輪側と後輪側に分
けているのは、前輪側はリザーバに近く後輪側はリザー
バに遠く、低圧検出用の圧力センサ13rtは後輪側のリタ
ーン圧を検出するので、後輪側と前輪側とでリターン圧
差が比較的に大きいので、これによる誤差を小さくする
ためである。テーブル13Lに、後輪側に割り当てる補正
値データ群と前輪側に割り当てる補正値データ群の2群
を格納しており、前輪側のサスペンションに関しては後
者の、後輪側のサスペンションに関しては前者のデータ
群より、そのときの圧力センサ13rtと検出圧に対応する
補正値を読み出すようにしている。
尚、圧力センサ13m,13rtが故障した場合はそれぞれに対
応する補正値は所定の値に維持される。
CPU17は、補正値PDfおよびPDrを算出すると、これらの
補正値をレジスタEHfL,EHfr,EHrL,EHrrの内容に加え
て、レジスタEHfL,EHfr,EHrL,EHrrに更新書込みする(7
0)。
第10d図を参照して、「圧力/電流変換」(34)の内容
を説明すると、CPU17は、レジスタEHfL,EHfr,EHrLおよ
びEHrrのデータEHfL,EHfr,EHrLおよびEHrrが示す圧力を
発生するための、圧力制御弁80fL,80fr,80rLおよび80rr
に流すべき電流値IhfL,Ihfr,IhrLおよびIhrrを、圧力/
電流変換テーブル1から読み出して、それぞれ電流出力
レジスタIHfL,IHfr,IHrLおよびIHrrに書込む(34)。
第10e図を参照して、ワープ補正(35)の内容を説明す
る。このワープ補正(35)は、横加速度Rgと舵角速度Ss
から、適切な目標ワープDWTを算出し(73)、また、前
述のレジスタIHfL,IHfr,IHrL,IHrrの内容を出力した場
合に現われるワープを算出して、これの、目標ワープDW
Tに対するエラーワープ量を算出し(74〜76)、このエ
ラーワープ量を零とするに要する、電流補正値dIfL,dIf
r,dIrL,dIrrを算出して(77)、これらの電流補正値を
レジスタIHfL,IHfr,IHrL,IHrrの内容に加算し、和をこ
れらのレジスタに更新書込みする(78)。
CPU17の内部ROMの1領域(テーブル14)には、横加速度
Rg対応のワープ目標値Idrが書込まれており、またテー
ブル15には舵角度Ss対応のワープ目標値Idsが書込まれ
ており、テーブル16には、これから出力しようとするレ
ジスタIHfL,IHfr,IHrL,IHrrの値で規定される車体前後
傾斜ならびに横加速度Rg(横傾斜)に対応するワープ補
正量Idrsが書込まれている。なお、前後傾斜を、 K=|(IhfL+Ihfr)/(IhrL+Ihrr)| で表わし、テーブル16にはこのK対応のデータグループ
が書込まれており、各データグループの各データは、横
加速度Rgに対応付けられている。
CPU17は、テーブル14より、横加速度Rgに対応するワー
プ目標値Idrを読み出し、舵角速度Ssに対応するワープ
目標値Idrを読み出し、かつ、レジスタIHfL,IHfr,IHrL,
IHrrの値で規定される車体前後傾斜ならびに横加速度Rg
(横傾斜)に対応するワープ補正量Idrsをテーブル16か
ら読み出して、ワープ目標値DWTを次式のように計算す
る(73)。
DWT=Kdw1・Idr+Kdw2・Ids+Kdw3・IDrs CPU17は次に、レジスタIHfL,IHfr,IHrL,IHrrの内容Ih
fL,Ihfr,IhfL,Ihrrで規定されるワープ (IhfL−Ihfr)−(IhrL−Ihrr) を算出して、それが許容範囲(不感帯)内にあるか否か
をチェックして(74)、許容範囲を外れていると、目標
ワープDWTより算出ワープ (IhfL−Ihfr)−(IhrL−Ihrr)を減算した値をワープ
エラー補正量レジスタDWTに書込み(75)、許容範囲内
のときには、レジスタDWTの内容(DWT)を変更しない。
そして、ワープエラー補正量DWT(レジスタDWTの内容)
に、重み係数Kdw4を乗算して積をレジスタDWTに更新書
込みして(76)、このワープエワー補正量DWTを、各サ
スペンション圧力補正量(正確には、圧力補正量に対応
する圧力制御弁通電電流補正値)に変換して(77)、そ
の分の補正を電流出力レジスタIHfL,IHfr,IHrLおよびIH
rrの内容に加える(78)。
これらの電流出力レジスタIHfL,IHfr,IHrLおよびIHrrの
データは、「出力」(36)のサブルーチンで、圧力制御
弁80fL,80fr,80rrおよび80rr宛てで、CPU18に転送す
る。
以上に説明した、状態読取(20)〜出力(36)の処理が
ST1周期で行なわれるので、CPU18には、CPU17からST1周
期で検出データの転送が(状態読取20で)指示され、か
つ、CPU17からST1周期で、圧力制御弁80fL,80fr,80rL,8
0rrおよびバイパス弁120宛ての通電電流値データが与え
られる。CPU18は、送られて来た圧力制御弁80fL,80fr,8
0rL,80rrの通電電流値データをレジスタRIHfL,RIHfr,RI
HrL,RIHrrに更新書込みする。したがって、CPU18のレジ
スタRIHfL,RIHfr,RIHrL,RIHrrには常時圧力制御弁80fL,
80fr,80rL,80rrに流すべき電流値を示すデータが格納さ
れており、かつ、それらはST1周期で更新される。
第12a図を参照して、CPU18の制御動作を説明する。CPU1
8はそれ自身に電源が投入される(81)と、初期化(8
2),状態読取(83)および異常チェック(84,85)を経
て、異常がないと「通信割込」を許可して(86)、CPU1
7にレディを送信する(87)。
そしてタイマST2をスタートして(88)、車高センサ15f
L,15fr,15rL,15rr,圧力センサ13fL,13fr,13rL,13rr,13r
m,13rt、および加速度センサ16r,16p、ならびに、圧力
制御弁80fL,80fr,80rL,80rrおよびバイパス弁120の通電
電流値を、A/D変換器291〜293でデジタル変換して読込
む(89)。次に、車高センサ15fL,15fr,15rL,15rrの検
出データdfL,dfr,drL,drrを、それまでの複数回の読込
み値の平均値(荷重平均値)と荷重平均(平滑化)して
車高データ(平均値)DfL,Dfr,DrL,Drrを得て、レジス
タDFL,DFR,DRL,DRRに更新書込みし、更に、圧力センサ1
3fL,13fr,13rL,13rrの検出データpfL,pfr,prL,prrを、
それまでの複数回の読込み値の平均値(荷重平均値)と
荷重平均(平滑化)して車高データ(平均値)PfL,Pfr,
PrL,Prrを得て、レジスタPFL,PFR,PRL,PRRに更新書込み
する(90)。他の圧力センサ13rm,13rt,加速度センサ16
r,16pならびに圧力制御弁およびバイパス弁の通電電流
値データも同様に処理してレジスタに更新書込みする。
CPU18は次に、圧力センサ13fL,13fr,13rL,13rrの圧力検
出データ(読込み値)pfL,pfr,prL,prrと変化率dpfL,dp
fr,dprL,dprrを算出する(91)。これらの変化率は、今
回の読込み値より前回の読込み値を減算して得る。今回
の読込み値は、レジスタに、前回の読込み値と置き換え
て書込む。
CPU18は次に、変化率dpfL,dpfr,dprL,dprrのそれぞれに
対応する圧力制御弁の通電電流補正値(出力圧補正値:
第2補正量)SIfL,SIfr,SIrL,SIrrを、内部ROMの1領域
(テーブル17)より読み出し、これらをレジスタRIHfL,
RIHfr,RIHrL,RIHrrのデータのそれぞれに加えて、得た
和を出力レジスタOIHfL,OIHfr,OIHrL,OIHrrに更新書込
みして(92)、これらの出力レジスタのデータをデュー
ティコントローラ32に与える(93)。
なお、通電電流補正値(第2補正量:SIfL,SIfr,SIrL,SI
rr)は、第12a図のテーブル17に示すように、概略で変
化率に逆比例する値であり、変化率が正(圧力上昇)の
ときには負値であり、変化率が負(圧力降下)のときに
は正値である。
CPU18は次に、圧力制御弁80fL,80fr,80rL,80rrおよびバ
イパス弁120の通電電流値データをデューティコントロ
ーラ32に与えて(94)、タイマST2のタイムオーバを待
って、すなわちステップ88のタイマSt2スタートからの
時間経過が第2設定周期ST2になるのを待って(95)、
ステップ88に戻り、またタイマST2をスタートする。以
後、ステップ88〜95の処理のST周期で繰返す。したがっ
て、圧力センサ13fL,13fr,13rL,13rrの検出圧の読込み
(89),検出圧の変化率の演算(91),変化率対応の補
正値(第2補正量)の演算(91),CPU17が指示した圧力
(電流値)に対する第2補正量の補正(92)、および、
補正した圧力(電流値)の出力(93)が、第2設定周期
ST2で行なわれる。前述のように、レジスタRIHfL,RIHf
r,RIHrL,RIHrrのデータ(CPU17よりの圧力指示値:通電
電流指示値)は第1設定周期ST1で更新されるので、車
高センサで検出した車高(ヒーブ)の、基準車高に対す
る偏差を補正する第1補正量を含む圧力指示値(通電電
流指示量)がST1周期で更新演算されるのに対して、サ
スペンション圧の変化率対応の第2補正量は、ST2周期
で更新演算されて第1補正量を含む圧力指示値に補正と
して加えられる。
第12b図に、CPU17がCPU18にデータ送信信号(通信割込
信号)を送って来たときの、CPU18の通信割込処理動作
を示す。CPU17が通信割込信号を送って来るとCPU18は、
CPU17が送って来るデータを受信して(101)、受信デー
タ中の識別ビットより、送って来たデータが、圧力制御
弁およびバイパス弁の通電電流値データ(出力指示デー
タ:第9b図の36)か、あるいは、データ転送要求(第9a
図の20)かを判定して(102)、通電電流値データであ
ると、受信データの中の圧力制御弁80fL,80fr,80rL,80r
r宛ての通電電流値データIHfL,IHfr,IHrL,IHrrをレジス
タRIHfL,RIHfr,RIHrLL,RIHrrに更新書込みして、バイパ
ス弁120宛ての通電電流値データはデューテイコントロ
ーラ32に与える(103)。データ転送要求であったとき
には、レジスタDFL,DFR,DRL,DRR,PFL,PFR,PRL,PRR等々
に書込んでいる車高データ,圧力データおよび通電電流
値(検出値)データをCPU17に転送する(104,105)。
〔発明の効果〕
以上の通り本発明によれば、第2補正量演算手段(18)
が、ST1より短い所定周期又は時定数ST2で、サスペンシ
ョン圧(pfr)の変化方向を検出して、変化方向に対応
してサスペンション圧(pfr)が増加方向のときにはサ
スペンション圧を低くする方向で低下方向のときには高
くする方向の第2補正量(SIfr)を算出し、目標圧設定
手段(18,32,33)が第2補正量にも対応した圧力の補正
をサスペンション圧に加えるように圧力制御手段(80f
r)を電気付勢するので、サスペンション圧が例えば上
昇を始めてこの上昇により車高が高くなってこれに対応
して第1補正量のフィードバックによりこの上昇が抑制
されるまでに、サスペンション圧が第2補正量のフィ−
ドバックにより抑制されて車高の上昇が抑制され、これ
により第1補正量が抑制されることになる。すなわち、
比較的に長い周期又は時定数ST1の第1補正量(車高検
出器の検出値に基づいた補正量)のフィードバックによ
りも短い周期又は時定数ST2のフィードバックが早く作
用して、サスペンション圧補正量(第1補正量)を抑制
する。この、第1補正量の抑制は、サスペンション圧が
上昇又は低下するときのみ作用するので、車高変化時又
はその直前に作用する。
したがって、従来は前記高,低の振動(発振又はハンチ
ング)を生じ易いような比較的に高い制御ゲインを設定
しているときでも、このような高,低の振動を生じるよ
うなサスペンション圧上昇,低下時には、補正量(第1
補正量)が自動的に抑制されるので、このような高,低
の振動を生じにくくなる。
すなわち本発明によれば、比較的に高い抑制ゲインを設
定して、安定かつ応答性が高い圧力制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例のサスペンション給圧シス
テムを示すブロック図である。 第2図は、第1図に示すサスペンション100fLの拡大縦
断面図である。 第3図は、第1図に示す圧力制御弁80fLの拡大縦断面図
である。 第4図は、第1図に示すカットバルブ70fLの拡大縦断面
図である。 第5図は、第1図に示すリリーフバルブ60fLの拡大縦断
面図である。 第6図は、第1図に示すメインチェックバルブ50の拡大
縦断面図である。 第7図は、第1図に示すバイパスバルブ120の拡大縦断
面図である。 第8図は、第1図に示すサスペンション給圧システムの
車高センサ,圧力センサ等の検出値に対応してサスペン
ション圧を制御する電気制御系の構成を示すブロック図
である。 第9a図および第9b図は、第8図に示すマイクロプロセッ
サ17の制御動作を示すフローチャートである。 第10a図,第10b図,第10c図,第10d図および第10e図
は、第9b図に示すサブルーチンの内容をフローチャート
である。 第11a図および第11b図は、CPU17の内部ROMに書込まれて
いるデータの内容を示すグラフである。 第12a図および第12b図は、第8図に示すマイクロプロセ
ッサ18の制御動作を以すフローチャートである。 1:ポンプ、2:リザーバ、3:高圧ポート 4:アキュムレータ、6:前輪高圧給管、7:アキュムレータ 8:高圧給管、9:後輪高圧給管、10:アキュムレータ 11:リザーバリターン管、12:ドレインリターン管 13fL,13fr,13rL,13rr,13rm,13rt:圧力センサ 14fL,14fr,14rL,14rr:大気解放のドレイン 15fL,15fr,15rL,15rr:車高センサ 16p:前後加速度センサ、16r:横加速度センサ 17:マイクロプロセッサ、18:マイクロプロセッサ 19:バッテリ、20:イグニションスイッチ 21:定電圧電源回路、22:リレー、23:バックアップ電源
回路 24:ブレーキランプ、25:車速同期パルス発生器 26:ロータリエンコーダ 27:アブソリュートエンコーダ 28:湯面検出スイッチ、291〜293:A/D変換器 301〜303:信号処理回路、31:ローパスフィルタ 32:デューティコントローラ、33:コイルドライバ 34:入/出力回路、50:メインチェックバルブ 51:バルブ基体、52:入力ポート、53:出力ポート 54:弁座、55:通流口 56:圧縮コイルスプリング、57:ボール弁 60fr,60fL,60rr,60rL:リリーフバルブ、61:バルブ基体 65:入力ポート、63:低圧ポート、64:第1ガイド 65:フィルタ、66:弁体、67:第2ガイド 68:弁体、69:圧縮コイルスプリング 60m:メインリリーフバルブ 70fr,70fL,70rr,70rL:カットバルブ 71:バルブ基体、72:ライン圧ポート、73:調圧入力ポー
ト 74:排油ポート、75:出力ポート、76:第1ガイド 77:ガイド、78:スプール 79:圧縮コイルスプリング 80fr,80fL,80rr,80rL:圧力制御弁 81:スリーブ、82:ライン圧ポート、83:溝 84:出力ポート、85:低圧ポート、86:溝 87:高圧ポート、88:目標圧空間、88f:オリフィス 89:低圧ポート、90:スプール、91:溝 92:圧縮コイルスプリング、93:弁体 94:流路、95:ニードル弁、96:固定コア 97:プランジャ、98a:ヨーク、98b:端板 98c:低圧ポート、99:電気コイル 100fr,100fL,100rr,100rL:サスペンション 101fr,101fL,101rr,101rL:ショックアブソーバ 102fr,102fL,102rr,102rL:ピストンロッド 103:ピストン、104:内筒、105:上室 106:下室、107:側口、108:上下貫通口 109:弁衰弁装置、110:下空間、111:ピストン 112:下室、113:上室、114:外筒 120:バイパスバルブ、121:入力ポート 122:低圧ポート、122a:低圧ポート、122b:流路 123:第1ガイド、124a:弁体 124b:圧縮コイルスプリング、125:ニードル弁 129:電気コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 油谷 敏男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 米川 隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大沼 敏男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 審査官 大島 祥吾

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給される圧力に応じて伸縮するサスペン
    ションに圧力流体を供給するための圧力源; 該圧力源と前記サスペンションの間にあって、サスペン
    ション圧を目標圧に定める圧力制御手段; 前記サスペンションにより支持された車体の高さを検出
    する高さ検出手段; 基準高さを指定する高さ指示情報を発生する指示手段; 高さ指示情報が指示する基準高さに対する前記高さ検出
    手段が検出した高さの差に対応した第1補正量を、所定
    周期又は時定数ST1で算出する第1補正量演算手段; サスペンション圧を検出する圧力検出手段; 前記ST1より短い所定周期又は時定数ST2で、検出したサ
    スペンション圧の変化方向を検出して、変化方向に対応
    してサスペンション圧が増加方向のときにはサスペンシ
    ョン圧を低くする方向で低下方向のときには高くする方
    向の第2補正量を算出する第2補正量演算手段;およ
    び、 前記第1補正量および第2補正量に対応した圧力の補正
    をサスペンション圧に加えるように前記圧力制御手段を
    電気付勢する目標圧設定手段; を備えるサスペンションの圧力制御装置。
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