JPH0734952A - エンジン制御用スロットル弁開閉状態検出装置 - Google Patents

エンジン制御用スロットル弁開閉状態検出装置

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JPH0734952A
JPH0734952A JP18132493A JP18132493A JPH0734952A JP H0734952 A JPH0734952 A JP H0734952A JP 18132493 A JP18132493 A JP 18132493A JP 18132493 A JP18132493 A JP 18132493A JP H0734952 A JPH0734952 A JP H0734952A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、スロットル開度センサやアイド
ルスイッチを不要としてコストダウンを実現したエンジ
ン制御用スロットル弁開閉状態検出装置を得る。 【構成】 エンジン回転数に応じて吸気管3内のスロッ
トル弁4が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1及
び第2の圧力値を演算する圧力値演算手段20と、第1
及び第2の圧力値に対する吸気管圧力Pbの関係を表わ
すパラメータを演算するパラメータ演算手段20と、パ
ラメータを時系列的に演算処理して得られた代表値を学
習値として記憶する学習値演算手段20と、学習値と第
1及び第2の圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状態
のときの吸気管の圧力推定値を演算する圧力推定値演算
手段20と、吸気管圧力が圧力推定値に対して所定の関
係で小さいときにスロットル弁が閉状態であると判断す
るスロットル弁閉状態検出手段20とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アクセルが解放され
たことによってエンジンのスロットル弁が全閉又はほぼ
全閉に近い状態にあるか否かを検出するエンジン制御用
スロットル弁開閉状態検出装置に関し、特に信頼性の向
上及びコストダウンを実現したエンジン制御用スロット
ル弁開閉状態検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、多くのエンジン制御装置
には、エンジンのスロットル弁がほぼ全閉に近い閉状態
にあるか否かを検出するスロットル弁開閉状態検出装置
が設けられており、その検出結果に基づいて各種のエン
ジン制御が行われている。
【0003】例えば、特公昭53−42854号公報に
は、スロットル弁が閉状態であって且つエンジン回転数
が所定回転数よりも高い減速時において、燃料の供給を
停止させる燃料噴射装置が示されている。又、特公昭6
1−19818号公報には、スロットル弁が閉状態であ
って且つエンジン回転数が所定回転数より低いアイドル
時において、エンジン回転数を目標回転数に閉ループ制
御するエンジン回転数制御装置が示されている。
【0004】これらの従来装置においては、スロットル
弁の開閉に応動するスロットル開度センサや、スロット
ル全閉時にオン又はオフするアイドルスイッチ等を設け
ることによって、スロットル弁の閉状態を検出してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のエンジン制御用
スロットル弁開閉状態検出装置は以上のように、スロッ
トル開度センサやアイドルスイッチ等の専用のデバイス
を設ける必要があるため、装置全体が高価になり、コス
トダウンを実現することができないという問題点があっ
た。
【0006】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、エンジン回転数及び吸気管圧力
に基づいて燃料噴射量を決定するスピードデンシティ方
式の燃料噴射装置を用いたエンジン制御用スロットル弁
開閉状態検出装置において、スロットル開度センサやア
イドルスイッチ等を用いることなく、吸気管圧力を検出
する圧力センサ信号に基づいてスロットル弁の開閉状態
を検出することにより、検出信頼性を向上させると共に
コストダウンを実現したエンジン制御用スロットル弁開
閉状態検出装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るエンジン制御用スロットル弁開閉状態検出装置は、エ
ンジンの駆動タイミングに対応したエンジン回転数を演
算するエンジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧
力を検出する圧力検出手段と、少なくともエンジン回転
数に応じて、吸気管内のスロットル弁が閉状態のときの
吸気管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算する
圧力値演算手段と、第1及び第2の圧力値に対する吸気
管圧力の関係を表わすパラメータを演算するパラメータ
演算手段と、パラメータを時系列的に演算処理して得ら
れた代表値を学習値として記憶する学習値演算手段と、
学習値と第1及び第2の圧力値とに基づいてスロットル
弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を演算する圧力
推定値演算手段と、吸気管圧力が圧力推定値に対して所
定の関係で小さいときに、スロットル弁が閉状態である
と判断するスロットル弁閉状態検出手段とを備えたもの
である。
【0008】又、この発明の請求項2に係るエンジン制
御用スロットル弁開閉状態検出装置は、請求項1におい
て、圧力値演算手段は、高地でのスロットル弁閉状態時
の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値とし、低地で
のスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を第
2の圧力値とし、パラメータ演算手段は、第2の圧力値
と第1の圧力値との差に対する吸気管圧力と第1の圧力
値との差の比率をパラメータとし、学習値演算手段は、
パラメータが学習値よりも小さいときにパラメータを学
習値として記憶し、パラメータが学習値以上で且つ所定
値より小さいときに学習値を漸増して記憶し、圧力推定
値演算手段は、第2の圧力値と第1の圧力値との差に学
習値を乗算し、更に第1の圧力値を加算した値を圧力推
定値とし、スロットル弁閉状態検出手段は、吸気管圧力
が圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいとき
に、スロットル弁が閉状態であると判断するものであ
る。
【0009】又、この発明の請求項3に係るエンジン制
御用スロットル弁開閉状態検出装置は、請求項1におい
て、圧力値演算手段は、高地でのスロットル弁閉状態時
の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値とし、低地で
のスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値と第
1の圧力値との偏差を第2の圧力値とし、パラメータ演
算手段は、第2の圧力値に対する吸気管圧力と第1の圧
力値との差の比率をパラメータとし、学習値演算手段
は、パラメータが学習値よりも小さいときにパラメータ
を学習値として記憶し、パラメータが学習値以上で且つ
所定値より小さいときに学習値を漸増して記憶し、圧力
推定値演算手段は、第2の圧力値に学習値を乗算し、更
に第1の圧力値を加算した値を圧力推定値とし、スロッ
トル弁閉状態検出手段は、吸気管圧力が圧力推定値に所
定値を加算した値よりも小さいときに、スロットル弁が
閉状態であると判断するものである。
【0010】又、この発明の請求項4に係るエンジン制
御用スロットル弁開閉状態検出装置は、エンジンの駆動
タイミングに対応したエンジン回転数を演算するエンジ
ン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を検出する
圧力検出手段と、吸気管内のスロットル弁をバイパスす
るバイパス吸気通路と、バイパス吸気通路のバイパス空
気流量を推定演算するバイパス空気流量演算手段と、少
なくともエンジン回転数及びバイパス空気流量に応じて
スロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第
1及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手段と、第1
及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係を表わすパ
ラメータを演算するパラメータ演算手段と、パラメータ
を時系列的に演算処理して得られた代表値を学習値とし
て記憶する学習値演算手段と、学習値と第1及び第2の
圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状態のときの吸気
管の圧力推定値を演算する圧力推定値演算手段と、吸気
管圧力が圧力推定値に対して所定の関係で小さいとき
に、スロットル弁が閉状態であると判断するスロットル
弁閉状態検出手段とを備えたものである。
【0011】又、この発明の請求項5に係るエンジン制
御用スロットル弁開閉状態検出装置は、エンジンの駆動
タイミングに対応したエンジン回転数を演算するエンジ
ン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を検出する
圧力検出手段と、少なくともエンジン回転数に応じてス
ロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1
及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手段と、第1及
び第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係を表わすパラ
メータを演算するパラメータ演算手段と、パラメータを
時系列的に演算処理して得られた代表値を学習値として
記憶する学習値演算手段と、大気圧を検出する大気圧検
出手段と、大気圧に基づいて学習値の初期値を演算する
学習値初期値演算手段と、学習値と第1及び第2の圧力
値とに基づいてスロットル弁が閉状態のときの吸気管の
圧力推定値を演算する圧力推定値演算手段と、吸気管圧
力が圧力推定値に対して所定の関係で小さいときに、ス
ロットル弁が閉状態であると判断するスロットル弁閉状
態検出手段とを備えたものである。
【0012】又、この発明の請求項6に係るエンジン制
御用スロットル弁開閉状態検出装置は、エンジンの駆動
タイミングに対応したエンジン回転数を演算するエンジ
ン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を検出する
圧力検出手段と、少なくともエンジン回転数に応じて、
吸気管内のスロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に
関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手
段と、第1及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係
を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段と、
パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表値を
学習値として記憶する学習値演算手段と、パラメータが
学習値に対して所定の関係で小さいときに、スロットル
弁が閉状態であると判断するスロットル弁閉状態検出手
段とを備えたものである。
【0013】又、この発明の請求項7に係るエンジン制
御用スロットル弁開閉状態検出装置は、請求項6におい
て、圧力値演算手段は、高地でのスロットル弁閉状態時
の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値とし、低地で
のスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を第
2の圧力値とし、パラメータ演算手段は、第2の圧力値
と第1の圧力値との差に対する吸気管圧力と第1の圧力
値との差の比率をパラメータとし、学習値演算手段は、
パラメータが学習値よりも小さいときにパラメータを学
習値として記憶し、パラメータが学習値以上で且つ所定
値より小さいときに学習値を漸増して記憶し、スロット
ル弁閉状態検出手段は、パラメータが学習値に所定値を
加算した値よりも小さいときに、スロットル弁が閉状態
であると判断するものである。
【0014】又、この発明の請求項8に係るエンジン制
御用スロットル弁開閉状態検出装置は、エンジンの駆動
タイミングに対応したエンジン回転数を演算するエンジ
ン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を検出する
圧力検出手段と、少なくともエンジン回転数に応じて、
吸気管内のスロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に
関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手
段と、第1及び第2の圧力値にフィルタ処理を施して第
1及び第2のフィルタ後圧力値を演算するフィルタ後圧
力値演算手段と、第1及び第2のフィルタ後圧力値に対
する吸気管圧力の関係を表わすパラメータを演算するパ
ラメータ演算手段と、パラメータを時系列的に演算処理
して得られた代表値を学習値として記憶する学習値演算
手段と、学習値と第1及び第2の圧力値とに基づいてス
ロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を演算
する圧力推定値演算手段と、吸気管圧力が圧力推定値に
対して所定の関係で小さいときに、スロットル弁が閉状
態であると判断するスロットル弁閉状態検出手段とを備
えたものである。
【0015】又、この発明の請求項9に係るエンジン制
御用スロットル弁開閉状態検出装置は、請求項8におい
て、圧力値演算手段は、高地でのスロットル弁閉状態時
の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値とし、低地で
のスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を第
2の圧力値とし、フィルタ後圧力値演算手段は、第1及
び第2の圧力値に対して1次低域フィルタ処理を施して
第1及び第2のフィルタ後圧力値とし、パラメータ演算
手段は、第2のフィルタ後圧力値と第1のフィルタ後圧
力値との差に対する吸気管圧力と第1のフィルタ後圧力
値との差の比率をパラメータとし、学習値演算手段は、
パラメータが学習値よりも小さいときにパラメータを学
習値として記憶し、パラメータが学習値以上で且つ所定
値より小さいときに学習値を漸増して記憶し、圧力推定
値演算手段は、第2の圧力値と第1の圧力値との差に学
習値を乗算し、更に第1の圧力値を加算した値を圧力推
定値とし、スロットル弁閉状態検出手段は、吸気管圧力
が圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいとき
に、スロットル弁が閉状態であると判断するものであ
る。
【0016】又、この発明の請求項10に係るエンジン
制御用スロットル弁開閉状態検出装置は、エンジンの駆
動タイミングに対応したエンジン回転数を演算するエン
ジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を検出す
る圧力検出手段と、少なくともエンジン回転数に応じ
て、吸気管内のスロットル弁が閉状態のときの吸気管圧
力に関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧力値演
算手段と、第1の圧力値に基づいてスロットル弁が閉状
態のときの吸気管圧力が増加方向にあると判断したとき
のみ、第1の圧力値をフィルタ処理して第1のフィルタ
後圧力値を演算する第1のフィルタ後圧力値演算手段
と、第2の圧力値に基づいてスロットル弁が閉状態のと
きの吸気管圧力が増加方向にあると判断したときのみ、
第2の圧力値をフィルタ処理して第2のフィルタ後圧力
値を演算する第2のフィルタ後圧力値演算手段と、第1
及び第2のフィルタ後圧力値に対する吸気管圧力の関係
を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段と、
パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表値を
学習値として記憶する学習値演算手段と、学習値と第1
及び第2の圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状態の
ときの吸気管の圧力推定値を演算する圧力推定値演算手
段と、吸気管圧力が圧力推定値に対して所定の関係で小
さいときに、スロットル弁が閉状態であると判断するス
ロットル弁閉状態検出手段とを備えたものである。
【0017】又、この発明の請求項11に係るエンジン
制御用スロットル弁開閉状態検出装置は、請求項10に
おいて、圧力値演算手段は、高地でのスロットル弁閉状
態時の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値とし、低
地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値
を第2の圧力値とし、第1のフィルタ後圧力値演算手段
は、第1の圧力値が第1のフィルタ後圧力値よりも大き
いときのみ、第1の圧力値に対して1次低域フィルタ処
理を施して第1のフィルタ後圧力値とし、第2のフィル
タ後圧力値演算手段は、第2の圧力値が第2のフィルタ
後圧力値よりも大きいときのみ、第2の圧力値に対して
1次低域フィルタ処理を施して第2のフィルタ後圧力値
とし、パラメータ演算手段は、第2のフィルタ後圧力値
と第1のフィルタ後圧力値との差に対する吸気管圧力と
第1のフィルタ後圧力値との差の比率をパラメータと
し、学習値演算手段は、パラメータが学習値よりも小さ
いときにパラメータを学習値として記憶し、パラメータ
が学習値以上で且つ所定値より小さいときに学習値を漸
増して記憶し、圧力推定値演算手段は、第2の圧力値と
第1の圧力値との差に学習値を乗算し、更に第1の圧力
値を加算した値を圧力推定値とし、スロットル弁閉状態
検出手段は、吸気管圧力が圧力推定値に所定値を加算し
た値よりも小さいときに、スロットル弁が閉状態である
と判断するものである。
【0018】又、この発明の請求項12に係るエンジン
制御用スロットル弁開閉状態検出装置は、エンジンの駆
動タイミングに対応したエンジン回転数を演算するエン
ジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を検出す
る圧力検出手段と、少なくともエンジン回転数に応じ
て、吸気管内のスロットル弁が閉状態のときの吸気管圧
力に関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧力値演
算手段と、第1及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の
関係を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段
と、パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表
値を学習値として記憶する学習値演算手段と、学習値と
第1及び第2の圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状
態のときの吸気管の圧力推定値を演算する圧力推定値演
算手段と、圧力推定値に基づいて圧力推定値が減少方向
にあると判断したときのみ、圧力推定値に対してフィル
タ処理を施してフィルタ後圧力推定値を演算するフィル
タ後圧力推定値演算手段と、吸気管圧力がフィルタ後圧
力推定値に対して所定の関係で小さいときに、スロット
ル弁が閉状態であると判断するスロットル弁閉状態検出
手段とを備えたものである。
【0019】又、この発明の請求項13に係るエンジン
制御用スロットル弁開閉状態検出装置は、エンジンの駆
動タイミングに対応したエンジン回転数を演算するエン
ジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を検出す
る圧力検出手段と、少なくともエンジン回転数に応じ
て、吸気管内のスロットル弁が閉状態のときの吸気管圧
力に関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧力値演
算手段と、第1及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の
関係を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段
と、エンジン回転数の変化が所定値以上であることを検
出する回転数変化検出手段と、回転数変化検出手段がエ
ンジン回転数の変化を検出した後に所定期間作動するタ
イマ手段と、タイマ手段が作動していないときにパラメ
ータを時系列的に演算処理して得られた代表値を学習値
として記憶する学習値演算手段と、学習値と第1及び第
2の圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状態のときの
吸気管の圧力推定値を演算する圧力推定値演算手段と、
吸気管圧力が圧力推定値に対して所定の関係で小さいと
きに、スロットル弁が閉状態であると判断するスロット
ル弁閉状態検出手段とを備えたものである。
【0020】又、この発明の請求項14に係るエンジン
制御用スロットル弁開閉状態検出装置は、請求項13に
おいて、圧力値演算手段は、高地でのスロットル弁閉状
態時の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値とし、低
地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値
を第2の圧力値とし、パラメータ演算手段は、第2の圧
力値と第1の圧力値との差に対する吸気管圧力と第1の
圧力値との差の比率をパラメータとし、学習値演算手段
は、パラメータが学習値よりも小さいときにパラメータ
を学習値として記憶し、パラメータが学習値以上で且つ
所定値より小さいときに学習値を漸増して記憶し、圧力
推定値演算手段は、第2の圧力値と第1の圧力値との差
に学習値を乗算し、更に第1の圧力値を加算した値を圧
力推定値とし、スロットル弁閉状態検出手段は、吸気管
圧力が圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいと
きに、スロットル弁が閉状態であると判断するものであ
る。
【0021】又、この発明の請求項15に係るエンジン
制御用スロットル弁開閉状態検出装置は、エンジンの駆
動タイミングに対応したエンジン回転数を演算するエン
ジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を検出す
る圧力検出手段と、吸気管内のスロットル弁をバイパス
するバイパス吸気通路と、バイパス吸気通路のバイパス
空気流量を推定演算するバイパス空気流量演算手段と、
少なくともエンジン回転数及びバイパス空気流量に応じ
てスロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連した
第1及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手段と、第
1及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係を表わす
パラメータを演算するパラメータ演算手段と、バイパス
空気流量の変化が所定値以上であることを検出する空気
流量変化検出手段と、空気流量変化検出手段がバイパス
空気流量の変化を検出した後に所定期間作動するタイマ
手段と、タイマ手段が作動していないときにパラメータ
を時系列的に演算処理して得られた代表値を学習値とし
て記憶する学習値演算手段と、学習値と第1及び第2の
圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状態のときの吸気
管の圧力推定値を演算する圧力推定値演算手段と、吸気
管圧力が圧力推定値に対して所定の関係で小さいとき
に、スロットル弁が閉状態であると判断するスロットル
弁閉状態検出手段とを備えたものである。
【0022】又、この発明の請求項16に係るエンジン
制御用スロットル弁開閉状態検出装置は、エンジンの駆
動タイミングに対応したエンジン回転数を演算するエン
ジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を検出す
る圧力検出手段と、吸気管内のスロットル弁をバイパス
するバイパス吸気通路と、少なくともエアコン負荷の有
無に応じてバイパス吸気通路のバイパス空気流量を推定
演算するバイパス空気流量演算手段と、少なくともエン
ジン回転数とバイパス空気流量に応じてスロットル弁が
閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1及び第2の圧
力値を演算する圧力値演算手段と、第1及び第2の圧力
値に対する吸気管圧力の関係を表わすパラメータを演算
するパラメータ演算手段と、パラメータを時系列的に演
算処理して得られた代表値を学習値として記憶する学習
値演算手段と、エアコン負荷がオフからオンに変化した
後に所定期間作動するタイマ手段と、タイマ手段の作動
中に、学習値の更新を禁止すると共に、パラメータが学
習値と一致するようにバイパス空気流量を補正するバイ
パス空気流量補正手段と、学習値と第1及び第2の圧力
値とに基づいてスロットル弁が閉状態のときの吸気管の
圧力推定値を演算する圧力推定値演算手段と、吸気管圧
力が圧力推定値に対して所定の関係で小さいときに、ス
ロットル弁が閉状態であると判断するスロットル弁閉状
態検出手段とを備えたものである。
【0023】又、この発明の請求項17に係るエンジン
制御用スロットル弁開閉状態検出装置は、請求項16に
おいて、圧力値演算手段は、高地でのスロットル弁閉状
態時の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値とし、低
地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値
を第2の圧力値とし、パラメータ演算手段は、第2の圧
力値と第1の圧力値との差に対する吸気管圧力と第1の
圧力値との差の比率をパラメータとし、学習値演算手段
は、パラメータが学習値よりも小さいときにパラメータ
を学習値として記憶し、パラメータが学習値以上で且つ
所定値より小さいときに学習値を漸増して記憶し、バイ
パス空気流量補正手段は、パラメータが学習値よりも小
さいときにパラメータが学習値と一致するようにバイパ
ス空気流量を補正し、パラメータが学習値以上で且つ所
定値より小さいときにバイパス空気流量を漸増し、圧力
推定値演算手段は、第2の圧力値と第1の圧力値との差
に学習値を乗算し、更に第1の圧力値を加算した値を圧
力推定値とし、スロットル弁閉状態検出手段は、吸気管
圧力が圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいと
きに、スロットル弁が閉状態であると判断するものであ
る。
【0024】
【作用】この発明の請求項1においては、エンジン回転
数に応じてスロットル弁が閉状態であるときの吸気管圧
力に関連した第1及び第2の圧力値を演算し、第1及び
第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係を表わすパラメ
ータを演算し、パラメータを時系列的に演算処理して代
表値を求めて学習値とし、学習値と第1及び第2の圧力
値とに基づいてスロットル弁が閉状態のときの吸気管の
圧力推定値を演算し、吸気管圧力が圧力推定値に対し所
定の関係で小さいときにエンジンのスロットル弁が閉状
態であると判断する。
【0025】又、この発明の請求項2においては、高地
でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力相当値を第1の圧
力値とし、低地でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力相
当値を第2の圧力値とし、第2の圧力値と第1の圧力値
との差に対する吸気管圧力と第1の圧力値との差の比率
をパラメータとし、パラメータが学習値よりも小さいと
きにパラメータを学習値とし、パラメータが学習値以上
で且つ所定値より小さいときに学習値を漸増し、第2の
圧力値と第1の圧力値との差に学習値を乗算して更に第
1の圧力値を加算した値を圧力推定値とし、吸気管圧力
が圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいとき
に、スロットル弁が閉状態であると判断する。
【0026】又、この発明の請求項3においては、高地
でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力相当値を第1の圧
力値とし、低地でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力相
当値と第1の圧力値との偏差を第2の圧力値とし、第2
の圧力値に対する吸気管圧力と第1の圧力値との差の比
率をパラメータとし、パラメータが学習値よりも小さい
ときにパラメータを学習値とし、パラメータが学習値以
上で且つ所定値より小さいときに学習値を漸増し、第2
の圧力値と第1の圧力値との差に学習値を乗算して更に
第1の圧力値を加算した値を圧力推定値とし、吸気管圧
力が圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいとき
に、スロットル弁が閉状態であると判断する。
【0027】又、この発明の請求項4においては、エン
ジン回転数とバイパス空気流量に応じてスロットル弁が
閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1及び第2の圧
力値を演算し、第1及び第2の圧力値に対する吸気管圧
力の関係を表わすパラメータを演算し、パラメータを時
系列的に演算処理して代表値を求めて学習値とし、学習
値と第1及び第2の圧力値とに基づいてスロットル弁が
閉状態のときの吸気管の圧力推定値を演算し、吸気管圧
力が圧力推定値に対し所定の関係で小さいときにエンジ
ンのスロットル弁が閉状態であると判断し、バイパス空
気流量の有無によらずスロットル弁の開閉状態を正確に
検出する。
【0028】又、この発明の請求項5においては、エン
ジン回転数に応じてスロットル弁が閉状態のときの吸気
管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算し、第1
及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係を表わすパ
ラメータを演算し、パラメータを時系列的に演算処理し
て代表値を求めて学習値とし、大気圧に基づいて学習値
の初期値を演算し、学習値と第1及び第2の圧力値とに
基づいてスロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推
定値を演算し、吸気管圧力が圧力推定値に対し所定の関
係で小さいときにエンジンのスロットル弁が閉状態であ
ると判断し、大気圧の違いによらずスロットル弁の開閉
状態をエンジンの始動直後から正確に検出する。
【0029】又、この発明の請求項6においては、エン
ジン回転数に応じてスロットル弁が閉状態のときの吸気
管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算し、第1
及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係を表わすパ
ラメータを演算し、パラメータを時系列的に演算処理し
て代表値を求めて学習値とし、パラメータが圧力推定値
に対し所定の関係で小さいときにエンジンのスロットル
弁が閉状態であると判断し、圧力推定値の演算を省略す
る。
【0030】又、この発明の請求項7においては、高地
でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力相当値を第1の圧
力値とし、低地でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力相
当値を第2の圧力値とし、第2の圧力値と第1の圧力値
との差に対する吸気管圧力と第1の圧力値との差の比率
をパラメータとし、パラメータが学習値よりも小さいと
きにパラメータを学習値とし、パラメータが学習値以上
で且つ所定値より小さいときに学習値を漸増し、パラメ
ータが学習値に所定値を加算した値よりも小さいとき
に、スロットル弁が閉状態であると判断する。
【0031】又、この発明の請求項8においては、エン
ジン回転数に応じてスロットル弁が閉状態のときの吸気
管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算し、第1
及び第2の圧力値にフィルタ処理を施して第1及び第2
のフィルタ後圧力値を演算し、第1及び第2のフィルタ
後圧力値に対する吸気管圧力の関係を表わすパラメータ
を演算し、パラメータを時系列的に演算処理して代表値
を求めて学習値とし、学習値と第1及び第2の圧力値と
に基づいてスロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力
推定値を演算し、吸気管圧力が圧力推定値に対して所定
の関係で小さいときにスロットル弁が閉状態であると判
断し、エンジン状態急変時の学習値誤学習を防止してス
ロットル弁開閉状態を正確に検出する。
【0032】又、この発明の請求項9においては、高地
でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力相当値を第1の圧
力値とし、低地でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力相
当値を第2の圧力値とし、第1及び第2の圧力値に対し
て1次低域フィルタ処理を施して第1及び第2のフィル
タ後圧力値とし、第2のフィルタ後圧力値と第1のフィ
ルタ後圧力値との差に対する吸気管圧力と第1のフィル
タ後圧力値との差の比率をパラメータとし、パラメータ
が学習値よりも小さいときにパラメータを学習値とし、
パラメータが学習値以上で且つ所定値より小さいときに
学習値を漸増し、第2の圧力値と第1の圧力値との差に
学習値を乗算して更に第1の圧力値を加算した値を圧力
推定値とし、吸気管圧力が圧力推定値に所定値を加算し
た値よりも小さいときにスロットル弁が閉状態であると
判断する。
【0033】又、この発明の請求項10においては、エ
ンジン回転数に応じてスロットル弁が閉状態のときの吸
気管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算し、第
1の圧力値に基づいてスロットル弁が閉状態のときの吸
気管圧力が増加方向にあると判断したときのみ、第1の
圧力値をフィルタ処理して第1のフィルタ後圧力値を演
算し、第2の圧力値に基づいてスロットル弁が閉状態の
ときの吸気管圧力が増加方向にあると判断したときの
み、第2の圧力値をフィルタ処理して第2のフィルタ後
圧力値を演算し、第1及び第2のフィルタ後圧力値に対
する吸気管圧力の関係を表わすパラメータを演算し、パ
ラメータを時系列的に演算処理して代表値を求めて学習
値とし、学習値と第1及び第2の圧力値とに基づいてス
ロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を演算
し、吸気管圧力が圧力推定値に対して所定の関係で小さ
いときにスロットル弁が閉状態であると判断し、吸気管
圧力急減時の学習値誤学習を防止する。
【0034】又、この発明の請求項11においては、高
地でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力相当値を第1の
圧力値とし、低地でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力
相当値を第2の圧力値とし、第1の圧力値が第1のフィ
ルタ後圧力値よりも大きいときのみ、第1の圧力値に対
して1次低域フィルタ処理を施して第1のフィルタ後圧
力値とし、第2の圧力値が第2のフィルタ後圧力値より
も大きいときのみ、第2の圧力値に対して1次低域フィ
ルタ処理を施して第2のフィルタ後圧力値とし、第2の
フィルタ後圧力値と第1のフィルタ後圧力値との差に対
する吸気管圧力と第1のフィルタ後圧力値との差の比率
をパラメータとし、パラメータが学習値よりも小さいと
きにパラメータを学習値とし、パラメータが学習値以上
で且つ所定値より小さいときに学習値を漸増し、第2の
圧力値と第1の圧力値との差に学習値を乗算して更に第
1の圧力値を加算した値を圧力推定値とし、吸気管圧力
が圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいときに
スロットル弁が閉状態であると判断する。
【0035】又、この発明の請求項12においては、エ
ンジン回転数に応じてスロットル弁が閉状態のときの吸
気管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算し、第
1及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係を表わす
パラメータを演算し、パラメータを時系列的に演算処理
して代表値を求めて学習値とし、学習値と第1及び第2
の圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状態のときの吸
気管の圧力推定値を演算し、圧力推定値に基づいて圧力
推定値が減少方向にあると判断したときのみ、圧力推定
値に対してフィルタ処理を施してフィルタ後圧力推定値
を演算し、吸気管圧力がフィルタ後圧力推定値に対して
所定の関係で小さいときにスロットル弁が閉状態である
と判断し、スロットル弁開閉状態を安定に検出する。
【0036】又、この発明の請求項13においては、エ
ンジン回転数に応じてスロットル弁が閉状態のときの吸
気管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算し、第
1及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係を表わす
パラメータを演算し、エンジン回転数の変化が所定値以
上であることを検出し、エンジン回転数の変化を検出し
た後に所定期間作動するタイマ手段が作動していないと
きに、パラメータを時系列的に演算処理して代表値を求
めて学習値とし、学習値と第1及び第2の圧力値とに基
づいてスロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定
値を演算し、吸気管圧力が圧力推定値に対して所定の関
係で小さいときにスロットル弁が閉状態であると判断
し、エンジン状態急変時の学習値誤学習を防止してスロ
ットル弁開閉状態を正確に検出する。
【0037】又、この発明の請求項14においては、高
地でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力相当値を第1の
圧力値とし、低地でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力
相当値を第2の圧力値とし、第2の圧力値と第1の圧力
値との差に対する吸気管圧力と第1の圧力値との差の比
率をパラメータとし、パラメータが学習値よりも小さい
ときにパラメータを学習値とし、パラメータが学習値以
上で且つ所定値より小さいときに学習値を漸増し、第2
の圧力値と第1の圧力値との差に学習値を乗算して更に
第1の圧力値を加算した値を圧力推定値とし、吸気管圧
力が圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいとき
にスロットル弁が閉状態であると判断する。
【0038】又、この発明の請求項15においては、バ
イパス空気流量を推定演算し、エンジン回転数及びバイ
パス空気流量に応じてスロットル弁が閉状態のときの吸
気管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算し、第
1及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係を表わす
パラメータを演算し、バイパス空気流量の変化が所定値
以上であることを検出し、バイパス空気流量の変化を検
出した後に所定期間作動するタイマ手段が作動していな
いときに、パラメータを時系列的に演算処理して代表値
を求めて学習値とし、学習値と第1及び第2の圧力値と
に基づいてスロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力
推定値を演算し、吸気管圧力が圧力推定値に対して所定
の関係で小さいときにスロットル弁が閉状態であると判
断し、バイパス空気流量の変化状態によらず、エンジン
状態急変時の学習値誤学習を防止してスロットル弁開閉
状態を正確に検出する。
【0039】又、この発明の請求項16においては、エ
アコン負荷の有無に応じてバイパス空気流量を推定演算
し、エンジン回転数とバイパス空気流量に応じてスロッ
トル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1及び
第2の圧力値を演算し、第1及び第2の圧力値に対する
吸気管圧力の関係を表わすパラメータを演算し、パラメ
ータを時系列的に演算処理して代表値を求めて学習値と
し、エアコン負荷がオフからオンに変化した後に所定期
間作動するタイマ手段の作動中に、学習値の更新を禁止
すると共に、パラメータが学習値と一致するようにバイ
パス空気流量を補正し、学習値と第1及び第2の圧力値
とに基づいてスロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧
力推定値を演算し、吸気管圧力が圧力推定値に対して所
定の関係で小さいときにスロットル弁が閉状態であると
判断し、バイパス空気流量の違いによらず学習値の誤学
習を防止して、スロットル弁の開閉状態を正確に検出す
る。
【0040】又、この発明の請求項17においては、高
地でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力相当値を第1の
圧力値とし、低地でのスロットル弁全閉時の吸気管圧力
相当値を第2の圧力値とし、第2の圧力値と第1の圧力
値との差に対する吸気管圧力と第1の圧力値との差の比
率をパラメータとし、パラメータが学習値よりも小さい
ときにパラメータを学習値とし、パラメータが学習値以
上で且つ所定値より小さいときに学習値を漸増し、パラ
メータが学習値よりも小さいときにパラメータが学習値
と一致するようにバイパス空気流量を補正し、パラメー
タが学習値以上で且つ所定値より小さいときにバイパス
空気流量を漸増し、第2の圧力値と第1の圧力値との差
に学習値を乗算して更に第1の圧力値を加算した値を圧
力推定値とし、吸気管圧力が圧力推定値に所定値を加算
した値よりも小さいときにスロットル弁が閉状態である
と判断する。
【0041】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例1を図面に基づいて
説明する。図1はこの発明の実施例1(請求項1及び請
求項2に対応)の全体構成の概略を示す構成図であり、
スピードデンシティ方式SPI(シングル・ポイント・
インジェクション)による燃料制御のエンジンに適用し
た場合を示している。
【0042】図1において、1は例えば自動車に搭載さ
れた周知の火花点火式のエンジン、2は吸入空気を浄化
するエアクリーナ、3はエアクリーナ2を介して吸入空
気を通過させる吸気管、4は吸気管3に設けられて吸入
空気量を調整するスロットル弁であり、エンジン1は、
上流側からエアクリーナ2、吸気管3及びスロットル弁
4を介して燃焼用の空気を主に吸入する。
【0043】吸気管3は、上流側から、エアインテーク
部3aと、スロットル弁4により開口断面積が調整され
るスロットルボディ部3bと、吸気マニホールド部3c
とから構成されている。5は冷却水(後述する)の水温
を検出する水温センサであり、検出した水温に応じた検
出信号を出力する。
【0044】6はスロットルボディ部3b内のスロット
ル弁4をバイパスするように設けられたバイパスエア通
路であり、スロットルボディ部3bのスロットル弁4よ
りも上流及び下流に入口及び出口が設けられている。6
aはバイパスエア通路6に設けられたファーストアイド
ルエア通路(以下、FIA通路と略称する)6aであ
る。
【0045】7はFIA通路6aの途中に設けられたワ
ックス式のファーストアイドルエアバルブ(以下、FI
Aバルブと略称する)、8はエンジン1の外周を覆う冷
却水である。FIAバルブ7は、冷却水8の温度に応じ
て自動的にFIA通路6aの断面積を調整し、バイパス
空気流量の一部を制御する。
【0046】バイパスエア通路6のもう1つの入口は、
上記他方の入口よりも更に上流のスロットルボディ部3
bに位置しており、互いに並列状に接続されたエアコン
用バイパス通路9、並びに、アイドルスピードコントロ
ール用バイパス通路(以下、ISC用バイパス通路と略
称する)10となっている。各バイパス通路9及び10
の共通出口は、FIA通路6aのFIAバルブ7の下流
部に位置している。
【0047】11はエアコン用バイパス通路9の開口断
面積を制御するエアコンアイドルアップソレノイドバル
ブ(以下、ACIUSバルブと略称する)、12は自動
車の乗員により操作されるエアコンスイッチである。A
CIUSバルブ11は、エアコンスイッチ12のオンオ
フに応じて全開及び全閉し、バイパス空気流量の一部を
制御する。尚、ACIUSバルブ11の全開時のバイパ
ス空気流量は、エアコン負荷に合わせて、手動で調整で
きるようになっている。
【0048】13はISC用バイパス通路10の開口断
面積を制御するアイドルスピードコントロールソレノイ
ドバルブ(以下、ISCソレノイドバルブと略称する)
であり、駆動信号のデューティ比に応じて開度が調整さ
れ、例えば、アイドル時のエンジン回転数が目標回転数
になるようにバイパス空気流量の一部を制御する。
【0049】上記の構成により、バイパスエア通路6の
開口断面積(バイパスエア通路有効断面積)は、FIA
バルブ7、ACIUSバルブ11及びISCソレノイド
バルブ13によって制御され、バイパス空気流量を制御
するようになっている。バイパスエア通路6を通過した
バイパスエアは、燃焼用としてエンジン1に導入され
る。
【0050】14はバイパスエア通路6の出口部よりも
更に下流側に圧力取入口が設けられた圧力センサであ
り、吸気管3内の圧力(吸気管圧力)Pbを絶対値で検
出し、検出した吸気管圧力Pbに応じた検出信号を出力
する。尚、エンジン1の始動前の吸気管圧力Pbを検出
することにより、圧力センサ14は、大気圧センサとし
ても作用する。
【0051】15はバイパスエア通路6の入口よりも更
に上流のスロットルボディ部3bに設けられた単体のイ
ンジェクタであり、図示しない燃料系に接続されてお
り、エンジン1に吸入される燃焼用の吸入空気量に見合
った燃料を開弁により噴射供給する。噴射供給された燃
料は、吸入空気と共に混合気となってエンジン1に導入
される。
【0052】16は一次巻線及び二次巻線からなる点火
コイル、17は点火制御システムに接続されたイグナイ
タである。点火コイル16は、一次側がイグナイタ17
の最終段のトランジスタに接続され、二次側から発生し
た高電圧を、エンジン1の各気筒毎に設けられた点火プ
ラグ(図示せず)に供給して点火を行う。この場合、点
火コイル16の一次巻線の出力信号は、エンジン1の駆
動タイミングに同期した回転信号としても用いられてい
る。
【0053】18はエンジン1の排気管、19は排気管
18の下流に設けられた排気ガス浄化用の触媒である。
エンジン1からの排気ガスは、排気管18から触媒19
を通して有害成分が除去され、少なくとも一部が大気中
に排出される。
【0054】20はマイクロコンピュータ(後述する)
からなる制御装置であり、各種のスイッチ信号及びセン
サ信号等に基づいて、所定の演算処理によりアイドル回
転数制御量及び燃料噴射量等を算出し、ISCソレノイ
ドバルブ13及びインジェクタ15等を駆動制御する。
21は制御装置20を作動させるための電力供給電源と
なるバッテリ、22はバッテリ21と制御装置20との
間に挿入されたキースイッチである。
【0055】図2は図1内の制御装置20の具体的構成
を示すブロック図であり、100はマイクロコンピュー
タ、101〜103はマイクロコンピュータ100に各
種信号を入力するための第1〜第3入力インタフェイス
回路、104はマイクロコンピュータ100からの演算
結果を制御信号として出力するための出力インタフェイ
ス回路、105はマイクロコンピュータ100を作動さ
せるための第1電源回路である。
【0056】第1入力インタフェイス回路101は点火
コイル16からの一次側信号を取込み、第2入力インタ
フェイス回路102は、水温センサ5及び圧力センサ1
4からのアナログ信号を取込み、第3入力インタフェイ
ス回路103は、エアコンスイッチ12のオンオフ信号
を取込む。又、出力インタフェイス回路104は、IS
Cソレノイドバルブ13及びインジェクタに制御信号を
出力し、第1電源回路105は、キースイッチ22を介
してバッテリ21から給電される。
【0057】マイクロコンピュータ100は、以下の構
成要素200〜209を備えている。200は各種の演
算処理及び判定等を行うCPU、201はエンジン1の
回転周期を計測するためのカウンタ、202は制御用の
駆動時間を計測するためのタイマ、203は第2インタ
フェイス回路102を介して入力されたアナログ信号を
デジタル信号に変換するためのA/D変換器、204は
第3インタフェイス回路103を介して入力されたデジ
タル信号をCPU200に伝達するための入力ポートで
ある。
【0058】205はCPU200のワークメモリとし
て機能するRAM、206はCPU200の動作用メイ
ンフロープログラム(後述する)及び各種マップ等を格
納しているROM、207はCPU200の指令信号を
出力するための出力ポート、208はISCソレノイド
バルブ13に供給する駆動信号のデューティ比を計測す
るためのタイマ、209はCPU200と各種構成要素
201〜208とを結合するコモンバスである。
【0059】この発明の実施例1において、制御装置2
0は、点火コイル16の一次信号からエンジン1の駆動
タイミングに対応したエンジン回転数Neを演算するエ
ンジン回転数演算手段と、少なくともエンジン回転数N
eに応じて、吸気管内のスロットル弁4が閉状態のとき
の吸気管圧力Pbに関連した第1及び第2の圧力値を演
算する圧力値演算手段と、第1及び第2の圧力値に対す
る吸気管圧力Pbの関係を表わすパラメータKRを演算
するパラメータ演算手段と、パラメータKRを時系列的
に演算処理して得られた代表値を学習値KLとして記憶
する学習値演算手段と、学習値KLと第1及び第2の圧
力値とに基づいてスロットル弁4が閉状態のときの吸気
管の圧力推定値PBCを演算する圧力推定値演算手段
と、吸気管圧力Pbが圧力推定値PBCに対して所定の
関係で小さいときにスロットル弁が閉状態であると判断
するスロットル弁閉状態検出手段とを構成している。
【0060】圧力値演算手段は、高地でのスロットル弁
閉状態時の吸気管圧力に相当する値PBHを第1の圧力
値とし、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に
相当する値PBLを第2の圧力値とし、パラメータ演算
手段は、第2の圧力値と第1の圧力値との差に対する吸
気管圧力と第1の圧力値との差の比率をパラメータKR
とし、学習値演算手段は、パラメータKRが学習値KL
よりも小さいときにパラメータKRを学習値KLとして
記憶し、パラメータKRが学習値KL以上で且つ所定値
(例えば、1.2)より小さいときに学習値を漸増して
記憶する。
【0061】又、圧力推定値演算手段は、第2の圧力値
と第1の圧力値との差に学習値KLを乗算し、更に第1
の圧力値を加算した値を圧力推定値PBCとし、スロッ
トル弁閉状態検出手段は、吸気管圧力が圧力推定値に所
定値を加算した値よりも小さいときに、スロットル弁が
閉状態であると判断する。
【0062】以下、図1及び図2を参照しながら、制御
装置20の一般的な動作について説明する。まず、点火
コイル16の一次側から得られる点火信号は、第1入力
インタフェイス回路101を介して波形整形等が施さ
れ、割込み指令信号となってマイクロコンピュータ10
0に入力される。
【0063】この割込みがかけられる毎に、マイクロコ
ンピュータ100内のCPU200は、カウンタ201
の値を読取り、前回のカウンタ値との差からエンジン1
の回転周期を算出すると共に、エンジン回転数を表わす
回転数データNeを算出する。
【0064】又、水温センサ5及び圧力センサ14から
のアナログ信号は、第2入力インタフェイス回路102
を介してノイズ成分の除去や増幅等が施され、更に、A
/D変換器203を介して、吸気管圧力を表わす吸気管
圧力値Pb、並びに、冷却水8の温度を表わす冷却水温
値WTの各デジタルデータに変換される。ここで、吸気
管圧力値Pbは、検出された吸気管圧力に比例し、冷却
水温値WTは、検出された冷却水温に比例する。
【0065】エアコンスイッチ12からのオンオフ信号
は、第3入力インタフェイス回路103を介してデジタ
ル信号レベルに変換された後、入力ポート204に入力
される。
【0066】マイクロコンピュータ100内のCPU2
00は、これらの入力データに基づいて、例えば100
msec毎にバイパスエア制御量を算出すると共に、イ
ンジェクタ15の駆動時間を算出する。又、割込み指令
信号の発生に同期等することにより、バイパスエア制御
量に対応するデューティ比でタイマ208によって時間
計測し、同様に、燃料噴射量に相当する時間分をタイマ
202によって計測する。
【0067】タイマ208又は202による計測中にお
いては、CPU200から出力ポート207を介して、
出力インタフェイス回路104に駆動指令が与えられ
る。これにより、出力インタフェイス回路104は、I
SCソレノイドバルブ13に対して上記デューティ比の
駆動信号を供給し、ISCソレノイドバルブ13の開度
を制御する。又、インジェクタ15に対して駆動信号を
供給し、算出された駆動時間τだけインジェクタ15を
開弁駆動する。
【0068】第1電源回路105は、キースイッチ22
のオン時に、バッテリ21の電圧を定電圧に調整してマ
イクロコンピュータ100に供給し、マイクロコンピュ
ータ100を作動させる。
【0069】次に、図3のフローチャートを参照しなが
ら、この発明の実施例1の具体的な動作について説明す
る。
【0070】図3において、まず、キースイッチ22の
投入により制御装置20に電源が投入されると、マイク
ロコンピュータ100内のCPU200は作動を開始す
る。即ち、ステップS1において、RAM205の初期
化が完了したことを示すスタートフラグを0にリセット
する。
【0071】続いて、ステップS2へ進み、点火コイル
16からの点火信号により既に検出された回転周期か
ら、エンジン回転数を表わす実回転数データNeを求
め、これを読込む。又、ステップS3へ進み、圧力セン
サ14により検出された吸気管圧力を表わす吸気管圧力
値Pbを読込む。同様に、ステップS4へ進み、水温セ
ンサ5により検出された冷却水温を表わす冷却水温値W
Tを読込む。
【0072】次に、ステップS5へ進み、スタートフラ
グが0か否かを判定し、スタートフラグ=0(即ち、Y
ES)と判定された場合は、ステップS6へ進み、吸気
管圧力値Pbを大気圧値PaとしてRAM205に格納
し、ステップS6の処理終了後にステップS7へ進む。
又、ステップS5において、スタートフラグ=1(即
ち、NO)と判定された場合は、ステップS6の処理を
行わずにステップS7へ進む。
【0073】ステップS7においては、スロットル弁4
の開閉状態検出ルーチン(図5にその詳細を示す)を実
行し、スロットル弁4が閉状態と判定された場合には閉
弁フラグを1にセットし、スロットル弁4が閉状態でな
いと判定された場合には閉弁フラグを0にリセットす
る。
【0074】続いて、ステップS8へ進み、RAM20
5の初期化が完了したことを示すため、スタートフラグ
を1にセットする。又、ステップS9へ進み、アイドル
回転数制御ルーチン(図4にその詳細を示す)の処理を
実行する。
【0075】次に、ステップS10へ進み、閉弁フラグ
が1か否かを判定し、閉弁フラグ=1(即ち、YES:
スロットル弁4が閉弁状態である)と判定されたときに
は、ステップS11へ進み、エンジン回転数Neが15
00rpm以上か否かを判定する。もし、Ne≧150
0rpm(即ち、YES)と判定されたときは、エンジ
ン1が減速状態にあると判断してステップS12へ進
み、燃料噴射を停止するために、インジェクタ15の駆
動時間τを0に設定する。
【0076】一方、ステップS11において、Ne<1
500rpm(即ち、NO)と判定された場合は、ステ
ップS13へ進み、通常運転時のインジェクタ15の駆
動時間τを求める。又、ステップS10において、閉弁
フラグ=0(即ち、NO)と判定された場合は、判定ス
テップS11を実行せずにステップS13へ進む。
【0077】通常運転時のインジェクタ15の駆動時間
τを求めるステップS13においては、まず、エンジン
回転数Neと吸気管圧力値Pbとから2次元マップをマ
ッピングし、体積効率CEV(Ne,Pb)を演算によ
り求める。次に、ステップS14へ進み、冷却水温値W
Tから1次元マップをマッピングし、暖機増量係数CW
T(WT)を演算により求める。
【0078】最後に、ステップS15へ進み、定数K、
吸気管圧力値Pb、体積効率CEV及び暖機増量係数C
WTを用いて、インジェクタ15の駆動時間τを以下の
式に従って求める。
【0079】τ=K×Pb×CEV×CWT
【0080】ステップS15及びステップS12の処理
後は、ステップS2へ戻って上記動作を繰り返す。
【0081】次に、図4のフローチャート並びに図9〜
図11の説明図を参照しながら、図3中のアイドル回転
数制御ルーチン(ステップS9)の具体的処理について
説明する。まず、ステップS90において、閉弁フラグ
が1(即ち、スロットル弁4が閉状態)か否かを判定
し、閉弁フラグ=1(即ち、YES)であってスロット
ル弁4が閉状態ならば、ステップS91に進み、冷却水
温値WTが70℃相当値以上(エンジン1が十分暖機し
た状態)か否かを判定する。
【0082】もし、冷却水温値WT≧70℃相当値(即
ち、YES)であってエンジン1が十分暖機していれ
ば、ステップS92に進み、エアコンスイッチ12がオ
ン(即ち、エアコンがエンジン1により駆動されてい
る)か否かを判定する。
【0083】もし、エアコンスイッチ12がオフ(即
ち、NO)であれば、ステップS93に進み、目標回転
数を表わす目標回転数データNtを800rpm相当値
に設定し、エアコンスイッチ12がオン(即ち、YE
S)であれば、ステップS94に進み、目標回転数デー
タNtを1000rpm相当値に設定する。
【0084】ステップS93又はS94により目標回転
数データNtが設定された後、ステップS95に進み、
100msec毎のタイミングか否かを判定する。も
し、100msec毎のタイミングでない(即ち、N
O)と判定されれば、図4のアイドル回転数制御ルーチ
ンを終了してリターンし、100msec毎のタイミン
グである(即ち、YES)と判定されればステップS9
6に進む。
【0085】ステップS96においては、目標回転数デ
ータNtと実回転数データNeとの偏差ΔNを求め、偏
差ΔNの1次元マップのマッピングにより、エンジン回
転数を目標回転数に収束させるための制御ゲインKIを
求める。偏差ΔNから制御ゲインKIを求めるための1
次元マップとしては、例えば、図9のようなマップが用
いられる。
【0086】図9に示すように、偏差ΔNと制御ゲイン
KIとの関係は、偏差ΔNが0から増加又は減少するに
つれて、制御ゲインKIが0(不感帯域)から比例関係
に移行し、偏差ΔNが更に増加又は減少すると、発散を
防止するために制御ゲインKIにリミットがかけられ
る。
【0087】続いて、ステップS97においては、IS
Cソレノイドバルブ13によるISC用バイパス通路1
0の目標空気流量相当値となるISC用空気流量QIS
Cの前回値(100msec前の値)に対して、ステッ
プS96で求めた制御ゲインKIを加算してISC用空
気流量QISCを更新する。
【0088】又、ステップS98においては、更新され
たISC用空気流量QISCに応じて、1次元マップを
用いたマッピング演算により、ISCソレノイドバルブ
13を駆動して目標空気流量にするための駆動信号用デ
ューティ比を求める。デューティ比を求めるための1次
元マップとしては、例えば、図10のようなマップが用
いられる。
【0089】又、このときの駆動信号は図11に示すよ
うになり、ISCソレノイドバルブ13をオンにする1
サイクル中の時間をTONとし、1サイクルの時間をT
とすると、そのデューティ比は(TON/T)×100
[%]で与えられる。このデューティ比とISCソレノ
イドバルブ13の開度とは比例関係にある。
【0090】一方、ステップS90において、スロット
ル弁4が閉状態にない(閉弁フラグ=0)と判定される
か、又は、ステップS91において、十分に暖気してい
ない(冷却水温値WT<70℃相当値)と判定された場
合には、ステップS99に進み、ISC用空気流量値Q
ISCをオープン制御時の目標空気流量にするための所
定値QOPENに設定する。
【0091】こうして、ISC用空気流量値QISCを
設定後、デューティ比演算ステップS98に進み、図4
のアイドル回転数制御ルーチンを終了する。
【0092】次に、図13及び図14の説明図を参照し
ながら、この発明の実施例1の特徴とする図3中のスロ
ットル弁開閉状態検出ルーチン(ステップS7)の詳細
な処理動作について説明する。
【0093】図13は、各エンジン回転数Neに対応し
て記憶された低地全閉吸気圧力値PBL(Ne)及び高
地全閉吸気圧力値PBH(Ne)と、スロットル弁閉状
態判定用の基準として演算される予測全閉吸気圧力PB
Cとの各特性を示す説明図である。又、図14は、大気
圧Pa及びスロットル開度θの時間変化に対する、パラ
メータKR及び学習値KLの変化を示す説明図である。
【0094】一般に、吸気管圧力に基づいてスロットル
弁4が閉状態にあるか否かを判定するためには、スロッ
トル弁4が閉状態のときの吸気管圧力(以下、全閉吸気
管圧力と略称する)に所定値を加算した値より吸気管圧
力が小さければ、スロットル弁4が閉状態であると判定
すればよい。
【0095】ところが、全閉吸気管圧力は、大気圧やバ
イパス空気流量等によって変化し、又、エンジン1のば
らつきや調整状態によっても多少の変化を生じる。従っ
て、そのときの大気圧、バイパス空気流量、又は、エン
ジン1の状態に応じた全閉吸気圧力を予測する必要があ
る。
【0096】そこで、この発明の実施例1においては、
大気圧及びエンジンの状態を考慮した場合を例にとって
説明する。まず、エンジン回転数に応じて変化する全閉
吸気圧力値のうち、低地(例えば、大気圧=760mm
Hg、高度0m相当)における代表的な全閉吸気圧力値
PBL(Ne)と、高地(例えば、大気圧=460mm
Hg、高度4000m相当)における代表的な全閉吸気
圧力値PBH(Ne)とを予めROM206に記憶して
おく。
【0097】上記全閉吸気圧力値PBL(Ne)及びP
BH(Ne)を用いて、図13に示すように、そのとき
の運転状態(エンジン回転数Ne=N1、吸気管圧力P
b=P1)に対応したパラメータKRを、下記の(1)
式に基づいて演算する。
【0098】 KR={Pb−PBH(Ne)}/{PBL(Ne)−PBH(Ne)}… (1)
【0099】更に、(1)式から得られたパラメータK
Rに基づいて、そのときの大気圧やエンジン1の状態に
応じた全閉吸気圧力のうちの低地全閉吸気圧力値PBL
(Ne)及び高地全閉吸気圧力値PBH(Ne)に対す
る補間係数(低地で1.0、高地で0)を学習値KLと
して演算する。学習値KLは、そのときの大気圧に応じ
て全閉吸気圧力値を正規化するようになっている。
【0100】具体的には、図14に示すように、例えば
登坂によって大気圧が下がっていく場合には、スロット
ル弁4が閉状態にあるときのパラメータKRも低下する
ことを利用して、パラメータKRが学習値KLよりも小
さいときは学習値KLをそのときのパラメータKRに更
新する(図14中のA部分)。
【0101】一方、降坂によって大気圧が上がっていく
場合に対処するため、パラメータKRが所定値よりも小
さいか否かを判定し、パラメータKRが所定値よりも小
さい場合は車両が減速状態にあり降坂している可能性が
あるとして、学習値KLを漸増する(図14中のB部
分)。
【0102】このときの減速状態及び降坂判定基準とな
る所定値は、エンジン1のばらつき等を考慮して、1.
0よりも大きい値、例えば1.2に設定される。又、学
習値KLの漸増速度は、一般に有り得る降坂時の高度変
化速度(例えば30分間に1000m降坂)に対応して
設定される。
【0103】通常、平地でのエンジン減速状態におい
て、パラメータKRは基本的に1.0になるが、エンジ
ン減速時の吸気管圧力は、エンジンの固体差によって2
0%程度ばらつく可能性がある。従って、ばらつきの大
きいエンジンでも減速状態を判定することができるよう
に、所定値は上述の1.2程度に設定されている。
【0104】一方、降坂時においては、ほとんどの場
合、エンジンが減速状態となるため、逆に、パラメータ
KRが所定値よりも小さい(エンジン減速状態にある)
ことが判定された場合には、上述のように、車両が降坂
している可能性があることになる。
【0105】次に、上記学習値KL、低地全閉吸気圧力
値PBL(Ne)及び高地全閉吸気圧力値PBH(N
e)を用いて、下記の(2)式に基づき、そのときの大
気圧やエンジン1の状態に応じた予測全閉吸気圧力PB
Cを求める。
【0106】 PBC=PBH(Ne)+{PBL(Ne)−PBH(Ne)}×KL…(2)
【0107】更に、(2)式から得られた予測全閉吸気
圧力PBCに所定値ΔPBを加算した値と、吸気管圧力
Pbとを比較し、Pb<PBC+ΔPBであれば、スロ
ットル弁が閉状態であると判定する。このときの所定値
ΔPBは、スロットル弁4が閉状態であると判定された
結果、燃料カットやアイドル回転数制御等が行われても
問題が生じない程度(例えば、50mmHg程度)の値
に設定される。
【0108】次に、図5のフローチャートを参照しなが
ら、この発明による上記動作について更に詳細に説明す
る。まず、ステップS701において、スタートフラグ
が0か否かを判定し、もし、スタートフラグ=0(即
ち、YES)と判定された場合は、ステップS702へ
進み、学習値KLを低地相当の1.0に初期化する。
【0109】初期化ステップS702の処理後は、ステ
ップS703へ進む。一方、スタートフラグ判定ステッ
プS701において、スタートフラグ=1(即ち、N
O)と判定された場合は、ステップS702の処理を行
わずにステップS703へ進む。
【0110】ステップS703においては、エンジン回
転数Neから1次元マップをマッピングして、高地全閉
吸気圧力PBH(Ne)を求め、高地全閉吸気圧力PB
HとしてRAM205に格納する。又、ステップS70
4へ進み、エンジン回転数Neから1次元マップをマッ
ピングして低地全閉吸気圧力PBL(Ne)を求め、低
地全閉吸気圧力PBLとしてRAM205に格納する。
【0111】続いて、ステップS705へ進み、吸気管
圧力値PbとRAM205内の高地全閉吸気圧力PBH
と低地全閉吸気圧力PBLとから、下記の(3)式に基
づいて、パラメータKRを演算する。
【0112】 KR=(Pb−PBH)/(PBL−PBH)…(3)
【0113】(3)式は前述の(1)式に相当してい
る。(3)式から得られたパラメータKRはRAM20
5に格納される。
【0114】次に、ステップS706へ進み、パラメー
タKRが学習値KLより小さいか否かを判定し、もし、
KR<KL(即ち、YES)と判定された場合は、ステ
ップS707へ進み、学習値KLをパラメータKRの値
に更新(図14内のA部分)した後、ステップS711
へ進む。
【0115】一方、ステップS706において、KR≧
KL(即ち、NO)と判定された場合は、ステップS7
08へ進み、パラメータKRが所定値(=1.2)より
も小さいか否かを判定する。もし、ステップS708に
おいて、KR<1.2(即ち、YES)と判定された場
合は、ステップS709へ進み、更に、100ms毎の
タイミングか否かを判定する。
【0116】もし、ステップS709において、100
ms毎のタイミングである(即ち、YES)と判定され
れば、ステップS710へ進み、学習値KLに所定値Δ
KLを加算して学習値KLを更新(図14内のB部分)
し、ステップS711へ進む。
【0117】一方、ステップS708において、KR≧
1.2(即ち、NO)と判定された場合、又は、ステッ
プS709において、100ms毎のタイミングでない
(即ち、NO)と判定された場合は、学習値KLを更新
せずにステップS711へ進む。
【0118】ステップS711においては、学習値KL
と高地全閉吸気圧力PBHと低地全閉吸気圧力PBLと
から、下記の(4)式に基づいて、予測全閉吸気圧力P
BCを演算する。
【0119】 PBC=PBH+(PBL−PBH)×KL…(4)
【0120】(4)式は前述の(2)式に相当してい
る。(4)式から得られた予測全閉吸気圧力PBCはR
AM205に格納される。
【0121】次に、ステップS712へ進み、吸気管圧
力Pbと予測全閉吸気圧力PBCに所定値ΔPBを加算
した値とを比較し、吸気管圧力Pbが加算値PBC+Δ
PBよりも小さいか否かを判定する。もし、Pb<PB
C+ΔPB(即ち、YES)と判定された場合は、ステ
ップS713へ進み、スロットル弁が閉状態にあること
を示すため、閉弁フラグを1にセットする。
【0122】一方、ステップS712において、Pb≧
PBC+ΔPB(即ち、NO)と判定された場合は、ス
テップS714へ進み、スロットル弁が閉状態でないこ
とを示すため、閉弁フラグを0にリセットする。ステッ
プS713及びステップS714の処理後は、図3内の
処理ステップS8に戻る。
【0123】このように、スロットルセンサ及びアイド
ルスイッチを用いることなく、エンジン回転数Neに対
応した全閉吸気圧力値と実際の吸気管圧力Pbとの比較
に基づいてスロットル4の全閉状態を検出することによ
り、装置全体のコストダウンを実現することができる。
【0124】又、車両の周囲の大気圧Paに対応した低
地全閉吸気圧力値PBL及び高地全閉吸気圧力PBHと
記憶しておき、両圧力値の補間係数である学習値KLを
パラメータKRに基づく(1)式から演算することによ
り、大気圧Paの影響を加味した予測全閉吸気圧力PB
Cを(2)式から演算することができる。
【0125】従って、大気圧Paに対応した予測全閉吸
気圧力値PBCと吸気圧力検出値Pbとを比較すること
により、大気圧Paの影響を受けることなく、スロット
ル弁4の全閉状態を確実に判定することができる。
【0126】実施例2.尚、上記実施例1では、スロッ
トル弁4の開閉状態検出のために、高地での全閉吸気圧
力値及び低地での全閉吸気圧力値を用いたが、全閉吸気
圧力偏差を用いて、演算を簡略化してもよい。以下、全
閉吸気圧力偏差を用いたこの発明の実施例2(請求項3
に対応)について説明する。
【0127】この場合、制御装置20内の圧力値演算手
段は、高地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相
当する値PBHを第1の圧力値とし、低地でのスロット
ル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値と第1の圧力値
との偏差ΔPを第2の圧力値とし、パラメータ演算手段
は、第2の圧力値ΔPに対する吸気管圧力と第1の圧力
値PBHとの差の比率をパラメータKRとする。
【0128】従って、エンジン回転数Neに応じて変化
する高地における代表的な全閉吸気圧力値PBH(N
e)と、高地における代表的な全閉吸気圧力値PBH
(Ne)と低地における代表的な全閉吸気圧力値PBL
(Ne)との差である全閉吸気圧力偏差DPB(Ne)
とを予めROM206に記憶しておけばよい。
【0129】これにより、前述と同様に、図13に示す
ように、そのときの運転状態(エンジン回転数Ne=N
1、吸気管圧力Pb=P1)に対応して、下記の(5)
式に基づいて、パラメータKRを演算することができ
る。
【0130】 KR={Pb−PBH(Ne)}/{DPB(Ne)}…(5)
【0131】(5)式は前述の(1)式に対応してお
り、(1)式内のPBL(Ne)−PBH(Ne)をD
BL(Ne)に置き換えたものである。
【0132】以下、学習値KLと高地全閉吸気圧力値P
BH(Ne)と全閉吸気圧力偏差DPB(Ne)とか
ら、下記の(6)式に従って、そのときの大気圧やエン
ジンの状態に応じた予測全閉吸気圧力PBCを求める。
【0133】 PBC=PBH(Ne)+DPB(Ne)×KL…(6)
【0134】(6)式は前述の(2)式に対応してお
り、(2)式内のPBL(Ne)−PBH(Ne)をD
BL(Ne)に置き換えたものである。上記以外の点
は、実施例1と全く同様なのでその説明を省略する。
【0135】次に、図6のフローチャートを参照しなが
ら、この発明の実施例2による上記動作について具体的
に説明する。この発明の実施例2は、上記実施例1にお
けるスロットル弁開閉状態検出ステップS7(図3)の
処理ルーチン(図5)を、図6の処理ルーチンに置き換
えたものである。
【0136】図6において、S701〜S703、S7
06〜S710及びS712〜S714は前述と同様の
ステップであり、S720、S721及びS722は、
それぞれ、S704、S705及びS711に対応する
ステップである。従って、図5と同一処理ステップにつ
いては、その詳細な説明を省略する。
【0137】まず、前述と同様に、ステップS701及
びステップS702の処理を行い、ステップS703に
おいて、高地全閉吸気圧力PBHを求めた後、ステップ
S720へ進む。ステップS720においては、エンジ
ン回転数Neから1次元マップをマッピングして全閉吸
気圧力偏差DPB(Ne)を求め、全閉吸気圧力偏差Δ
PとしてRAM205に格納する。
【0138】次に、ステップS721へ進み、吸気管圧
力値Pbと高地全閉吸気圧力PBHと全閉吸気圧力偏差
ΔPとから、下記の(7)式に基づいて、パラメータK
Rを演算する。
【0139】KR=(Pb−PBH)/ΔP…(7)
【0140】(7)式は前述の(3)式に対応してい
る。(7)式から得られたパラメータKRはRAM20
5に格納される。その後、ステップS706〜S710
の処理を実行した後、ステップS722へ進み、学習値
KLと高地全閉吸気圧力PBHと全閉吸気圧力偏差ΔP
とから、下記の(8)式に基づいて、予測全閉吸気圧力
PBCを演算する。
【0141】PBC=PBH+ΔP×KL…(8)
【0142】(8)式は前述の(4)式に対応してい
る。(8)式から得られたパラメータKRはRAM20
5に格納される。その後、ステップS712〜ステップ
S714の処理を実行した後、図3内の処理ステップS
8に戻る。このように、全閉吸気圧力偏差ΔPを用いる
ことにより、全閉吸気圧力値の減算ステップが省略され
るため、演算が簡略化される。
【0143】実施例3.尚、上記実施例1及び実施例2
では、バイパス空気流量を考慮しなかったが、バイパス
空気流量が全閉吸気圧力に与える影響を考慮してもよ
い。この場合、バイパス空気流量の変化によらず、スロ
ットル弁4の閉状態を更に確実に判定することができ
る。以下、バイパス空気流量を考慮したこの発明の実施
例3(請求項4に対応)について説明する。
【0144】この場合、制御装置20は、バイパス吸気
通路9のバイパス空気流量QBYPSを推定演算するバ
イパス空気流量演算手段と、少なくともエンジン回転数
Ne及びバイパス空気流量QBYPSに応じてスロット
ル弁4が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1及び
第2の圧力値を演算する圧力値演算手段と、第1及び第
2の圧力値に対する吸気管圧力Pbの関係を表わすパラ
メータKRを演算するパラメータ演算手段とを含んでい
る。
【0145】一般に、エンジン1のバイパス空気流量が
増加すると全閉吸気圧力が上がり、バイパス空気流量が
減少すると全閉吸気圧力は下がる。従って、バイパス空
気流量による全閉吸気圧力の変化を考慮していない上記
実施例1又は実施例2においては、全閉吸気圧力を予測
する際にバイパス空気流量が変化すると、アクセルを解
放してもスロットル弁が閉状態であると判定できなくな
ったり、アクセルを踏んでいるにもかかわらずスロット
ル弁が閉状態であると判定してしまうという不具合が生
じてしまう。
【0146】そこで、この発明の実施例3においては、
エンジン1のスロットル弁4をバイパスするバイパス吸
気通路6の空気流量QBYPSを推定演算し、このバイ
パス空気流量QBYPSに応じて予測全閉吸気圧力PB
Cを求める。
【0147】まず、エンジン回転数Reに応じて変化す
る吸気圧力のうち、低地におけるバイパス空気流量が0
のときの代表的な全閉吸気圧力値PBLZ(Ne)と、
低地におけるバイパス空気流量が256リットル/se
cのときの代表的な全閉吸気圧力値PBLF(Ne)
と、高地におけるバイパス空気流量が0のときの代表的
な全閉吸気圧力値PBHZ(Ne)と、高地におけるバ
イパス空気流量が256リットル/secのときの代表
的な全閉吸気圧力値PBHF(Ne)とを、予めROM
206に記憶させておく。
【0148】次に、図15に示すように、バイパス空気
流量QBYPSに応じた低地全閉吸気圧力PBLと、バ
イパス空気流量QBYPSに応じた高地全閉吸気圧力P
BHとを、下記の(9)式及び(10)式に基づいて演
算する。
【0149】 PBL={PBLZ(Ne)×(256−QBYPS)+PBLF(Ne)× QBYPS}/256…(9)
【0150】 PBH={PBHZ(Ne)×(256−QBYPS)+PBHF(Ne)× QBYPS}/256…(10)
【0151】(9)式及び(10)式により、バイパス
空気流量QBYPSを考慮したときの低地全閉吸気圧力
PBL及び高地全閉吸気圧力PBHが得られる。又、下
記の(11)式に基づいて、パラメータKRを演算す
る。
【0152】 KR=(Pb−PBH)/(PBL−PBH)…(11)
【0153】(11)式は、前述の(1)式、(3)
式、(5)式又は(7)式に対応している。(11)式
から得られたパラメータKRはRAM205に格納され
る。上記以外の処理動作は、実施例1又は実施例2と全
く同様なので、その説明を省略する。
【0154】次に、図7のフローチャートを参照しなが
ら、この発明の実施例3の上記動作について具体的に説
明する。図7は図3におけるスロットル弁開閉状態検出
ルーチン(ステップS7)を示す。図7において、S7
01、S702及びS705〜S714は図5内と同様
のステップであり、S733及びS734は、それぞれ
図5内のステップS703及びS704に対応してい
る。従って、図5と同一処理ステップについては、その
説明を省略する。
【0155】図7の場合、ステップS730〜S732
が追加されている。まず、前述と同様に、ステップS7
01及びステップS702の処理を実行した後、ステッ
プS730へ進み、エアコンスイッチ12(図1参照)
がオンか否かを判定する。
【0156】もし、エアコンスイッチ12がオフ(即
ち、NO)であれば、バイパス空気流量をアップする必
要がないため、エアコン用バイパス通路9はACIUS
バルブ11により全閉されている。
【0157】従って、ステップS731に進み、冷却水
温値WTに応じた1次元マップ(図12参照)をマッピ
ングし、FIAバルブ7によるFIA通路6aの空気流
量相当の値のFIA空気流量QFIA(WT)を求めた
後、このFIA空気流量QFIA(WT)に対して、図
3のステップS9で求めたISC用バイパス通路10の
空気流量相当の値のISC用空気流量QISCを加算
し、バイパスエア通路6の空気流量相当の値であるバイ
パス空気流量QBYPSを求め、RAM205に格納す
る。
【0158】一方、ステップS730でエアコンスイッ
チがONの場合は、A/C用バイパス通路9はACIU
Sバルブ11により全開されている。従って、ステップ
S732にて、ステップS731と同様にFIA空気流
量QFIA(WT)を求め、このFIA空気流量QFI
A(WT)にISC用空気流量QISCを加算し、更に
予めROM206に格納されているA/C用バイパス通
路9の空気流量相当の値のA/C用空気流量QACを加
算してバイパスエア通路6の空気流量相当の値であるバ
イパス空気流量QBYPSを求め、RAM205に格納
する。
【0159】ステップS731及びステップS732の
処理後、ステップS733へ進み、先に求めたバイパス
空気流量QBYPSとエンジン回転数に応じて変化する
高地におけるバイパス空気流量が0のときの代表的な全
閉吸気圧力値PBHZ(Ne)と高地におけるバイパス
空気流量が256リットル/secのときの代表的な全
閉吸気圧力値PBHF(Ne)とから上記(10)式に
従ってバイパス空気流量QBYPSに応じた高地全閉吸
気圧力PBHを求め、RAM205に格納する。
【0160】次に、ステップS734へ進み、先に求め
たバイパス空気流量QBYPSと、低地におけるバイパ
ス空気流量が0のときの代表的な全閉吸気圧力値PBL
Z(Ne)と、低地におけるバイパス空気流量が256
リットル/secのときの代表的な全閉吸気圧力値PB
LF(Ne)とから、上記(9)式に従ってバイパス空
気流量QBYPSに応じた低地全閉吸気圧力PBLを求
め、RAM205に格納する。
【0161】その後、前述と同様に、ステップS705
〜S714の処理を実行して、図3の処理に戻る。この
ように、バイパス空気流量を考慮した低地全閉吸気圧力
値PBLZ及び高地全閉吸気圧力値PBHZに基づい
て、信頼性の高い予測全閉吸気圧力値PBCを求めるこ
とにより、スロットル弁閉状態を確実に判定することが
できる。
【0162】実施例4.又、上記実施例1では、ステッ
プS702において、学習値KLを低地相当の1.0に
初期化したが、大気圧Paに応じた1次元マップをマッ
ピングして学習値KLの初期値KLINIT(Pa)を
求めてもよい。この場合、スロットル弁閉状態の誤判定
を防止することができる。
【0163】以下、学習値KLとしてマッピングした初
期値KLINIT(Pa)を用いたこの発明の実施例4
(請求項5に対応)について説明する。この場合、制御
装置20は、大気圧Paに基づいて学習値の初期値KL
INIT(Pa)を演算する学習値初期値演算手段を含
んでいる。
【0164】例えば、上記実施例1のように学習値KL
の初期値を1.0に設定すると、高地でエンジン始動後
一度もスロットル弁4を閉状態まで戻さずに、軽くアク
セルを踏み込んでレーシングした場合、学習値KLはそ
の時の大気圧相当に更新されず、1.0のままとなる。
従って、そのときの吸気圧力が低地の全閉吸気圧力相当
以下であると、スロットル弁4が閉状態にあると判定し
て燃料カットが行われてしまい、エンジン回転数Neが
落ち込むという不具合が発生する。
【0165】そこで、この発明の実施例4においては、
エンジン始動時に大気圧Paを検出し、この大気圧Pa
に応じた1次元マップ(図16参照)をマッピングし、
学習値の初期値KLINIT(Pa)を求め、学習値K
Lとして格納する。上記以外の処理動作は、実施例1と
全く同様なので、その説明を省略する。
【0166】次に、図8のフローチャートを参照しなが
ら、上記実施例4の動作について具体的に説明する。図
8は図3内のスロットル弁開閉状態検出ルーチン(ステ
ップS7)を示し、図8において、S701及びS70
3〜S714は図5中のステップと同様であり、S74
0はステップS702に対応している。従って、図5と
同一処理ステップについては、その詳細な説明を省略す
る。
【0167】まず、ステップS701において、スター
トフラグが0か否かを判定し、スタートフラグ=0(即
ち、YES)の場合は、ステップS740へ進み、図3
のステップS6で求めた大気圧値Paに応じて、図16
の1次元マップをマッピングし、学習値の初期値である
KLINIT(Pa)を学習値KLとしてRAM205
に格納する。ステップS740の処理後は、ステップS
703へ進む。
【0168】一方、ステップS701において、スター
トフラグ=1(即ち、NO)と判定された場合は、その
ままステップS703へ進む。その後、前述と同様に、
ステップS703〜S714の処理を実行して図3の処
理に戻る。このように、大気圧値Paに応じた学習値初
期値KLINIT(Pa)をマップ演算することによ
り、信頼性の高い学習値KLが得られるため、スロット
ル閉状態を誤判定することを防止することができる。
【0169】実施例5.尚、上記実施例1又は実施例2
では、学習値KLの初期値として、低地相当の値1.0
を設定し(ステップS702)、(1)式及び(3)
式、又は、(5)式及び(7)式のように、低地全閉吸
気圧力PBLと高地全閉吸気圧力PBHとの差ΔPと、
吸気管圧力Pbと高地全閉吸気圧力PBHとの差(Pb
−PBH)との比率を、パラメータKRとして演算(ス
テップS705又はS721)している。
【0170】そして、パラメータKRが学習値KLより
も小さいときには、パラメータKRを学習値KLとして
記憶し(ステップS707)、パラメータKRが学習値
KLよりも大きく且つ所定値(=1.2)より小さいと
きに学習値KLを漸増して記憶している(ステップS7
10)。
【0171】最後に、全閉吸気圧力偏差ΔPと学習値K
Lとを乗算した値(ΔP・KL)に高地全閉吸気圧力P
BHを加算した値(PBH+ΔP・KL)を、予測全閉
吸気圧力PBCとして演算し(ステップS711又はS
722)、吸気管圧力Pbが、予測全閉吸気圧力PBC
と所定値ΔPBとを加算した値(PBC+ΔPB)より
も小さいときに、エンジン1のスロットル弁4が閉状態
であると判断している。
【0172】しかし、この発明の実施例5においては、
学習値KLの初期値として高地相当値0を設定してお
き、前述と同様に、全閉吸気圧力偏差ΔPと、低地全閉
吸気圧力PBLと吸気管圧力Pbとの差との比率をパラ
メータKRとして演算する(ステップS705又はS7
21)。
【0173】この場合、続いて、実施例1又は実施例2
とは逆に、パラメータKRが学習値KLよりも大きいと
きにパラメータKRを学習値KLとして記憶し、パラメ
ータKRが学習値KLよりも小さく且つ所定値(=−
0.2)より大きいとき学習値KLを漸減して記憶する
ことになる。
【0174】又、全閉吸気圧力偏差ΔPに学習値KLを
乗算した値(ΔP・KL)を低地全閉吸気圧力PBLか
ら減算し、この値(PBL−DPB・KL)が予測全閉
吸気圧力PBCとして演算される。最後に、前述と同様
に、吸気管圧力Pbが予測全閉吸気圧力PBCに所定値
ΔPBを加算した値(PBC+ΔPB)より小さいとき
に、エンジン1のスロットル弁4が閉状態であると判断
される。
【0175】実施例6.又、上記実施例3では、図7内
のステップS712において、予測全閉吸気圧力PBC
と所定値ΔPBとを加算した値(PBC+ΔPB)と、
検出された吸気管圧力Pbとを比較し、Pb<PBC+
ΔPBであればスロットル弁閉状態と判定(ステップS
713)したが、学習値KLに所定値ΔKCを加算した
値(KL+ΔKC)と、パラメータKRとを比較し、K
R<KL+ΔKCであればスロットル弁閉状態と判定し
てもよい。
【0176】この発明の実施例6(請求項6及び請求項
7に対応)において、制御装置20は、パラメータKR
が学習値KLに対して所定の関係で小さいときに、スロ
ットル弁4が閉状態であると判断するスロットル弁閉状
態検出手段を含んでいる。又、スロットル弁閉状態検出
手段は、パラメータKRが学習値KLに所定値ΔKCを
加算した値よりも小さいときに、スロットル弁4が閉状
態であると判断する。
【0177】この場合、予測全閉吸気圧力PBCを演算
する必要がなくなるので、演算が簡略化される。以下、
パラメータ最小値を比較判定基準としたこの発明の実施
例6について説明する。
【0178】例えば、前述の実施例3においては、パラ
メータKRを上記(11)式から演算し、このパラメー
タKRに基づいて、全閉吸気圧力値PBL及びPBHの
補間係数即ち学習値KLを演算し、この学習値KLに基
づいて、(4)式から予測全閉吸気圧力PBCを演算し
ている。
【0179】しかし、ここで、(11)式を変形する
と、下記の(12)式のようになることが分かる。
【0180】 Pb=PBH+(PBL−PBH)×KR…(12)
【0181】従って、(12)式より、Pb<PBC+
ΔPBか否かを判定する代わりに、KR<KL+ΔKC
か否かを判定し、もし、KR<KL+ΔKCであれば、
スロットル弁4が閉状態であると判定すればよいことに
なる。但し、所定値ΔKCは、前述の所定値ΔPBを用
いて、以下の(13)式のように表わされる。
【0182】 ΔKC=ΔPB/(PBL−PBH)…(13)
【0183】これにより、予測全閉吸気圧力PBCを求
めるための(4)式の演算が不要となり、演算を省略し
て簡略化することができる。
【0184】次に、図17のフローチャートを参照しな
がら、この発明の実施例6の上記動作について具体的に
説明する。図17はこの発明の実施例6によるスロット
ル弁開閉状態検出ルーチンを示し、図17において、S
701、S706〜S710、S713、S714及び
S730〜S734は図7内のステップと同様であり、
S740は図8内のステップと同様である。ここでは、
学習値KLの初期設定ステップとして、実施例4のステ
ップS740を適用している。又、S741は、図7内
の判定ステップS712に対応している。
【0185】前述と同様に、まず、ステップS701に
おいてスタートフラグ=0を判定した場合は、ステップ
S740に進み、ステップS6(図3参照)で求めた大
気圧値Paに応じて1次元マップ(図16)をマッピン
グすることにより、学習値の初期値KLINIT(P
a)を求め、学習値KLとしてRAM205に格納す
る。
【0186】以下、ステップS730においてエアコン
スイッチ12のオフを判定した場合は、ステップS73
1において、冷却水温値WTに応じた1次元マップ(図
12)をマッピングすることにより、FIAバルブ7に
よるFIA通路6aの空気流量相当の値のFIA空気流
量QFIA(WT)を求め、これにステップS9で求め
たISC用空気流量QISCを加算してバイパス空気流
量QBYPSを求め、RAM205に格納する。
【0187】又、ステップS730でエアコンスイッチ
のオンを判定した場合は、ステップS732においてF
IA空気流量QFIA(WT)を求め、これにISC用
空気流量QISC及びエアコン用空気流量QACを加算
してバイパス空気流量QBYPSを求め、RAM205
に格納する。
【0188】次に、ステップS733において、バイパ
ス空気流量QBYPS、バイパス空気流量が0のときの
高地全閉吸気圧力値PBHZ(Ne)及びバイパス空気
流量が256リットル/secのときの高地全閉吸気圧
力値PBHF(Ne)から、上記(10)式に従ってバ
イパス空気流量QBYPSに応じた高地全閉吸気圧力P
BHを求め、RAM205に格納する。
【0189】又、ステップS734において、バイパス
空気流量QBYPS、バイパス空気流量が0のときの低
地全閉吸気圧力値PBLZ(Ne)及びバイパス空気流
量が256リットル/secのときの低地全閉吸気圧力
値PBLF(Ne)から、上記(9)式に従ってバイパ
ス空気流量QBYPSに応じた低地全閉吸気圧力PBL
を求め、RAM205に格納する。
【0190】次に、ステップS705において、吸気管
圧力値Pb、高地全閉吸気圧力PBH及び低地全閉吸気
圧力PBLから、上記(11)式に基づいてパラメータ
KRを演算し、RAM205に格納する。
【0191】続いて、ステップS706においてパラメ
ータKRと学習値KLとを比較判定し、KR<KLの場
合は、ステップS707において学習値KLをパラメー
タKRの値に更新し(図14のA部分)、KR≧KLの
場合は、ステップS708において、パラメータKRと
所定値1.2とを比較判定する。
【0192】そして、KR<1.2の場合は、ステップ
S709において、100ms毎のタイミングか否かを
判定し、100ms毎のタイミングであればステップS
710において学習値KLに所定値ΔKLを加算して学
習値KLを更新し(図14のB部分)、KR≧1.2の
場合又は100ms毎のタイミングでない場合は、学習
値KLを更新しない。以上の処理動作は前述と同様であ
る。
【0193】次に、ステップS741において、パラメ
ータKRと、学習値KLに所定値ΔKCを加算した値
(KL+ΔKC)とを比較し、パラメータKRが加算値
(KL+ΔKC)よりも小さいか否かを判定する。
【0194】もし、KR<KL+ΔKC(即ち、YE
S)と判定された場合は、ステップS713に進み、ス
ロットル弁が閉状態にあることを示すため、閉弁フラグ
を1にセットする。又、KR≧KL+ΔKC(即ち、N
O)と判定された場合は、ステップS714に進み、ス
ロットル弁が閉状態でないことを示すため、閉弁フラグ
を0にリセットする。ステップS713及びステップS
714の処理後は図3の処理に戻る。
【0195】実施例7.次に、エンジン状態の急変時に
おける学習値KLの誤学習を防止したこの発明の実施例
7(請求項8及び請求項9に対応)について説明する。
【0196】この場合、制御装置20は、第1及び第2
の圧力値にフィルタ処理を施して第1及び第2のフィル
タ後圧力値を演算するフィルタ後圧力値演算手段と、第
1及び第2のフィルタ後圧力値に対する吸気管圧力Pb
の関係を表わすパラメータKRを演算するパラメータ演
算手段とを含んでいる。
【0197】又、フィルタ後圧力値演算手段は、第1及
び第2の圧力値に対して1次低域フィルタ処理を施して
第1及び第2のフィルタ後圧力値PBHF及びPBLF
とし、パラメータ演算手段は、第2のフィルタ後圧力値
と第1のフィルタ後圧力値との差に対する吸気管圧力と
第1のフィルタ後圧力値との差の比率をパラメータKR
とする。
【0198】以下、図18及び図19を参照しながら、
この発明の実施例7の動作について説明する。図18は
ブレーキング時のエンジン回転数Ne、吸気管圧力(検
出値)Pb、パラメータKR及び学習値KLの時間変化
を示すタイミングチャート、図19はエアコン投入時の
バイパス空気流量QBYPS、吸気管圧力(検出値)P
b、パラメータKR及び学習値KLの時間変化を示すタ
イミングチャートである。
【0199】図18及び図19において、吸気管圧力
(検出値)Pbは一点鎖線で示され、フィルタ処理前の
全閉吸気圧力値PBL及びPBHは実線で示され、フィ
ルタ処理後の全閉吸気圧力値PBLF及びPBHFは破
線で示され、フィルタ処理前の全閉吸気圧力値PBL及
びPBHに基づくパラメータKR及び学習値KLは実線
で示され、フィルタ処理後の全閉吸気圧力値PBLF及
びPBHFに基づくパラメータKR及び学習値KLは、
それぞれ破線及び一点鎖線で示されている。
【0200】例えば、上記実施例3においては、予測全
閉吸気圧力PBCをエンジン回転数Neやバイパス空気
流量QBYPSから予測しているが、実際には、バイパ
ス空気流量QBYPSを調整するアクチュエータの動作
遅れ、圧力センサ14の応答遅れ、又は、制御装置20
の内部のインタフェイス回路101〜104の遅れ等の
ため、吸気管圧力の検出値Pbには実際の吸気管圧力の
変化に対して遅れが生じる。
【0201】従って、エンジン回転数Neやバイパス空
気流量QBYPSの変化に応じて求めた低地全閉吸気圧
力値PBL及び高地全閉吸気圧力値PBHに対し、吸気
管圧力の検出値Pbは、相対的にタイミングが遅れるこ
とになる。例えば、図18に示すように、ブレーキング
等によってエンジン回転数Neが急激に低下した場合、
低地全閉吸気圧力値PBLや高地全閉吸気圧力値PBH
の増加に対し、吸気管圧力Pbの増加タイミングは遅れ
る。
【0202】この結果、上記(11)式によって求めら
れるパラメータKRは一時的に正規の値より低下し、こ
れにより学習値KLも低下してしまう(図18の実線参
照)。学習値KLは、比較的時間をかけて更新されるた
め、一旦低下すると、二点鎖線のようにしばらくは正規
値まで戻らないため、この期間中、スロットル弁4の閉
状態検出はできなくなる。
【0203】又、図19に示すように、エアコンがオフ
からオンに投入されたことによってバイパス空気流量Q
BYPSが急増した場合、上記ブレーキング時と同様
に、低地全閉吸気圧力値PBLや高地全閉吸気圧力値P
BHの増加に対し、吸気管圧力Pbの増加が遅れる。従
って、上記(11)式によって求められるパラメータK
Rは一時的に正規の値より低下し、これにより学習値K
Lも低下して、しばらくは正規値に戻らないため、スロ
ットル弁4の閉状態検出ができなくなるという不具合が
生じる。
【0204】そこで、この発明の実施例7においては、
低地全閉吸気圧力値PBL及び高地全閉吸気圧力値PB
Hに対して、下記の(5)式及び(6)式に従って1次
低域フィルタ処理を施す。これにより、低地全閉吸気圧
力値PBL及び高地全閉吸気圧力値PBHから、吸気管
圧力の検出値Pbの遅れに合わせて遅らせたフィルタ後
低地全閉吸気圧力値PBLF及びフィルタ後高地全閉吸
気圧力値PBHFが求められる。
【0205】 PBLF←PBLF×KFILT+PBL×(1−KFILT)…(14) PBHF←PBHF×KFILT+PBH×(1−KFILT)…(15)
【0206】(14)式及び(15)式のフィルタ処理
により、フィルタ後低地全閉吸気圧力値PBLF及びフ
ィルタ後高地全閉吸気圧力値PBHFの変化と、吸気管
圧力検出値Pbの変化とが相対的に一致するようにな
る。以下、フィルタ後低地全閉吸気圧力値PBLF及び
フィルタ後高地全閉吸気圧力値PBHFを用い、(1
1)式に対応した下記の(16)式に基づいてパラメー
タKRを演算する。
【0207】 KR=(Pb−PBHF)/(PBLF−PBHF)…(16)
【0208】(16)式のように、フィルタ処理された
全閉吸気圧力値PBLF及びPBHFを用いてパラメー
タKRを演算することにより、エンジン回転数Neの急
低下時やバイパス空気流量QBYPSの急増時等のよう
に、全閉吸気圧力PBL又はPBHが急増する場合であ
っても、図18及び図19内の破線(KR′)で示すよ
うに、パラメータKRが正規の値を下回ることはなくな
る。
【0209】従って、学習値KLは一点鎖線(KL′)
のように低下が防止されるので、低下しない正確な学習
値KLを用いて、スロットル弁4の閉状態を正確に検出
することができる。
【0210】次に、図20のフローチャートを参照しな
がら、この発明の実施例7による上記動作について具体
的に説明する。図20において、S701、S706〜
S714、S730〜S734及びS740は前述と同
様のステップであり、S744はステップS705に対
応している。又、S742及びS743は新たに追加さ
れたフィルタ処理ステップである。
【0211】従って、前述と同様のステップについては
説明を省略する。まず、ステップS701、S740及
びS730〜S734により、バイパス空気流量QBY
PSに応じた高地全閉吸気圧力PBH及び低地全閉吸気
圧力PBLを求めた後、フィルタ処理ステップS742
及びS743に進む。
【0212】ステップS742においては、高地全閉吸
気圧力PBHに対して上記(15)式に基づく1次低域
フィルタ処理を施し、フィルタ後高地全閉吸気圧力PB
HFとしてRAM205に格納する。又、ステップS7
43においては、低地全閉吸気圧力PBLに対して上記
(14)式に基づく1次低域フィルタ処理を施し、フィ
ルタ後低地全閉吸気圧力PBLFとしてRAM205に
格納する。
【0213】次に、ステップS744において、吸気管
圧力値Pb、フィルタ後高地全閉吸気圧力PBHF及び
フィルタ後低地全閉吸気圧力PBLFを用い、上記(1
6)式に基づいてパラメータKRを演算し、RAM20
5に格納する。以下、前述と同様に、ステップS706
〜S714により、スロットル弁4が閉状態か否かを判
定して閉弁フラグをセット又はリセットした後、図3の
処理に戻る。
【0214】実施例8.上記実施例7においては、吸気
管圧力Pbの急増時における誤学習を防止するために、
常にフィルタ処理を施すようにしたが、以下の実施例8
(請求項10及び請求項11に対応)のように、吸気管
圧力Pbの急減時の誤学習を防止するために、選択的に
フィルタ処理を施すようにしてもよい。
【0215】この場合、制御装置20は、第1の圧力値
に基づいてスロットル弁4が閉状態のときの吸気管圧力
が増加方向にあると判断したときのみ、第1の圧力値を
フィルタ処理して第1のフィルタ後圧力値を演算する第
1のフィルタ後圧力値演算手段と、第2の圧力値に基づ
いてスロットル弁4が閉状態のときの吸気管圧力が増加
方向にあると判断したときのみ、第2の圧力値をフィル
タ処理して第2のフィルタ後圧力値を演算する第2のフ
ィルタ後圧力値演算手段と、第1及び第2のフィルタ後
圧力値に対する吸気管圧力の関係を表わすパラメータを
演算するパラメータ演算手段とを含んでいる。
【0216】又、第1のフィルタ後圧力値演算手段は、
第1の圧力値PBHが第1のフィルタ後圧力値PBHF
よりも大きいときのみ、第1の圧力値に対して1次低域
フィルタ処理を施して第1のフィルタ後圧力値とし、第
2のフィルタ後圧力値演算手段は、第2の圧力値PBL
が第2のフィルタ後圧力値PBLFよりも大きいときの
み、第2の圧力値に対して1次低域フィルタ処理を施し
て第2のフィルタ後圧力値とし、パラメータ演算手段
は、第2のフィルタ後圧力値と第1のフィルタ後圧力値
との差に対する吸気管圧力と第1のフィルタ後圧力値と
の差の比率をパラメータとする。
【0217】以下、エアコン遮断時を例にとり、パラメ
ータKR及び学習値KLの誤演算を防止できるようにし
たこの発明の実施例8について、図21を参照しながら
説明する。図21はエアコン遮断時でのバイパス空気流
量QBYPS、吸気管圧力Pb、パラメータKR及び学
習値KLの時間変化を示すタイミングチャートであり、
図21において、実線、破線及び一点鎖線は、それぞれ
図18及び図19内と同様のものを示している。
【0218】上記実施例7においては、吸気管圧力検出
値Pbの遅れ時間のばらつきにかかわらずパラメータK
Rが正規値を下回らないようにしようとすると、1次低
域フィルタ処理による遅れ時間が吸気管圧力検出値Pb
の遅れ時間の最大値よりも小さくならないように、1次
低域フィルタ処理の係数KFILT(0〜1)を比較的
大きい値に設定しなければならない。
【0219】従って、例えば、図21に示すように、エ
アコンがオンからオフに遮断されたことによってバイパ
ス空気流量QBYPSが急減した場合、フィルタ後低地
全閉吸気圧力値PBLFやフィルタ後高地全閉吸気圧力
値PBHF(破線)の減少に対し、吸気管圧力Pb(一
点鎖線)の減少が速くなる。
【0220】この結果、上記(16)式から算出される
パラメータKRは一時的に正規値よりも低下し(図21
内の破線KR′参照)、これにより学習値KLも低下し
てしまい(図21内の一点鎖線KL′参照)、前述のよ
うに、学習値KLがしばらくは正規値まで戻らないた
め、スロットル弁の閉状態検出ができなくなるという不
具合が生じる。
【0221】そこで、この発明の実施例8においては、
低地全閉吸気圧力PBLがフィルタ後低地全閉吸気圧力
PBLFよりも小さいときには、全閉吸気圧力が減少方
向にあるエンジン状態と判定して、上記(14)式によ
る1次低域フィルタ処理を実行せず、低地全閉吸気圧力
PBLをそのままフィルタ後低地全閉吸気圧力PBLF
として設定する。
【0222】同様に、高地全閉吸気圧力PBHがフィル
タ後高地全閉吸気圧力PBHFよりも小さいときは、全
閉吸気圧力が減少方向にあるエンジン状態と判定して、
上記(15)式による1次低域フィルタ処理を実行せ
ず、高地全閉吸気圧力PBHをそのままフィルタ後高地
全閉吸気圧力PBHFとして設定する。
【0223】このように、選択的にフィルタ処理を行
い、全閉吸気圧力急減時でのフィルタ処理を禁止するこ
とにより、図21の実線に示すように、パラメータKR
が正規値を下回ることはなくなる。
【0224】従って、クラッチミートなどによってエン
ジン回転数Neが急激に上昇した場合や、エアコンがオ
ンからオフに遮断されるなどによってバイパス空気流量
が急減した場合のように、全閉吸気圧力が急減しても、
一点鎖線で示すような学習値KLの低下を防ぐことがで
き、スロットル弁4の閉状態を正確に検出することがで
きる。上記以外の点は、実施例7と全く同様なのでその
説明を省略する。
【0225】次に、図22のフローチャートを参照しな
がら、この発明の実施例8による上記動作について具体
的に説明する。図22において、S701、S730〜
S734、S740及びS742〜S744は前述と同
様のステップであり、S745〜S748は新たに追加
されたフィルタ処理の判定及び禁止ステップである。
【0226】尚、ステップS744に続くS706以降
のステップは、図20と同様であるため図示しない。
又、前述と同様のステップについては説明を省略する。
まず、ステップS701、S740及びS730〜S7
34により、バイパス空気流量QBYPSに応じた高地
全閉吸気圧力PBH及び低地全閉吸気圧力PBLを求め
た後、フィルタ処理判定ステップS745に進む。
【0227】ステップS745においては、高地全閉吸
気圧力PBHがフィルタ後高地全閉吸気圧力PBHFよ
り大きいか否かを判定し、もし、PBH>PBHF(即
ち、YES)と判定されれば、全閉吸気圧力が増加方向
にあるエンジン状態と判断して、高地全閉吸気圧力PB
Hに対するフィルタ処理ステップS742に進み、フィ
ルタ後高地全閉吸気圧力PBHFを演算する。
【0228】一方、PBH≦PBHF(即ち、NO)と
判定された場合は、全閉吸気圧力が減少方向にあるエン
ジン状態と判断して、フィルタ処理禁止ステップS74
6に進み、高地全閉吸気圧力PBHをそのままフィルタ
後高地全閉吸気圧力PBHFとして格納する。
【0229】次に、フィルタ処理ステップS742又は
フィルタ処理禁止ステップS746の実行後、低地全閉
吸気圧力PBLに対するフィルタ処理判定ステップS7
47に進み、低地全閉吸気圧力PBLがフィルタ後低地
全閉吸気圧力PBLFより大きいか否かを判定する。
【0230】もし、PBL>PBLF(即ち、YES)
と判定された場合は、全閉吸気圧力が増加方向にあるエ
ンジン状態と判断して、低地全閉吸気圧力PBLに対す
るフィルタ処理ステップS743に進み、フィルタ後低
地全閉吸気圧力PBLFを演算する。
【0231】一方、PBL≦PBLF(即ち、NO)と
判定された場合は、全閉吸気圧力が減少方向にあるエン
ジン状態と判断して、ステップS748に進み、低地全
閉吸気圧力PBLをそのままフィルタ後低地全閉吸気圧
力PBLFとして格納する。
【0232】次に、フィルタ処理ステップS743又は
フィルタ処理禁止ステップS748の実行後、ステップ
S744に進み、実施例7(図20)と同様に、ステッ
プS744及びステップS706〜S714の処理を実
行し、図3の処理に戻る。このように、吸気管圧力急減
時のフィルタ処理を禁止することにより、吸気管圧力P
bが急変するエンジン過渡状態における学習値KLの低
下を確実に防止することができる。
【0233】実施例9.上記実施例8では、吸気管圧力
急減時における予測全閉吸気圧力PBCの急減を考慮し
なかったが、以下の実施例9(請求項12に対応)のよ
うに、予測全閉吸気圧力PBCに対して選択的にフィル
タ処理を施すことにより、予測全閉吸気圧力PBCの急
減を防止してもよい。
【0234】この場合、制御装置20は、圧力推定値P
BCに基づいて圧力推定値PBCが減少方向にあると判
断したときのみ、圧力推定値PBCに対してフィルタ処
理を施してフィルタ後圧力推定値PBCFを演算するフ
ィルタ後圧力推定値演算手段と、吸気管圧力がフィルタ
後圧力推定値に対して所定の関係で小さいときに、スロ
ットル弁が閉状態であると判断するスロットル弁閉状態
検出手段とを含んでいる。
【0235】以下、エアコン遮断時を例にとり、予測全
閉吸気圧力PBCの急減を防止するようにしたこの発明
の実施例9について、図23を参照しながら説明する。
【0236】図23はエアコン投入及び遮断時でのバイ
パス空気流量QBYPS、吸気管圧力Pb、閉弁フラグ
の時間変化を示すタイミングチャートであり、図23に
おいて、全閉吸気圧力値PBL及びPBHは実線で示さ
れ、吸気管圧力Pbは一点鎖線で示され、フィルタ処理
前の予測全閉吸気圧力PBCは破線で示され、フィルタ
処理後の予測全閉吸気圧力PBCFは二点鎖線で示され
ている。
【0237】上記実施例8では、例えば図23に示すよ
うに、エアコンがオンからオフに遮断されたことによっ
てバイパス空気流量QBYPSが急減した場合、予測全
閉吸気圧力値PBC(破線)の減少に対し吸気管圧力P
b(一点鎖線)の減少が遅れるため、一時的に、Pb≧
PBC+ΔPBとなる。
【0238】従って、前述のステップS712及びS7
14を介して、閉弁フラグが一時的に0にリセットされ
てしまい(図23内のA部分)、その結果、例えば、燃
料カットが一時的にとぎれ、ドライバビリティが損なわ
れるといった不具合が生じる。
【0239】そこで、この発明の実施例9においては、
以下のように、予測全閉吸気圧力値PBCの急減をフィ
ルタ処理により防止する。即ち、実施例8と同様に予測
全閉吸気圧力値PBCを求めた後、予測全閉吸気圧力値
PBCとフィルタ後予測全閉吸気圧力値PBCFとを比
較し、予測全閉吸気圧力値PBCがフィルタ後予測全閉
吸気圧力値PBCFよりも小さい場合は、予測全閉吸気
圧力PBCが低下した状態と判断し、下記の(17)式
に基づいてフィルタ後予測全閉吸気圧力値PBCFを演
算する。
【0240】 PBCF=PBCF×KPBCF+PBC×(1−KPBCF)…(17)
【0241】一方、予測全閉吸気圧力値PBCがフィル
タ後予測全閉吸気圧力値PBCF以上の場合は、予測全
閉吸気圧力PBCが増加した状態と判断し、予測全閉吸
気圧力値PBCをそのままフィルタ後予測全閉吸気圧力
値PBCFとして格納する。即ち、この場合、予測全閉
吸気圧力値PBCのフィルタ処理を禁止する。こうして
得られたフィルタ後予測全閉吸気圧力値PBCFは、以
下のように、スロットル弁4の開閉状態の検出に用いら
れる。
【0242】即ち、フィルタ後予測全閉吸気圧力PBC
Fに所定値ΔPBを加算した値(PBCF+ΔPB)
と、吸気管圧力Pbとを比較し、Pb<PBCF+ΔP
Bであれば、スロットル弁4が閉状態であると判定す
る。
【0243】以上の処理により、予測全閉吸気管圧力P
BCが低下したときのみ、スロットル弁4が閉状態か否
かの判定値(PBCF+ΔPB)が低下するのを遅らせ
ることができるため、閉弁フラグが一時的に0にリセッ
トされることを防ぐことができる(図23内のB部
分)。上記以外の点は、実施例8と全く同様なのでその
説明を省略する。
【0244】次に、この発明の実施例9による上記動作
について、図24のフローチャートを参照しながら具体
的に説明する。図24において、S706〜S711、
S713及びS714は前述と同様のステップであり、
S752はステップS712に対応している。尚、ステ
ップS701、S740、S730〜S734、S74
5〜S748及びS744は、図22と同様であるため
図示されていない。又、上記実施例8と同一処理部分に
ついては、その説明を省略する。
【0245】S749〜S751は、予測全閉吸気圧力
値PBCの急減を防止するために追加挿入された予測全
閉吸気圧力値PBCの判定ステップ、フィルタ処理ステ
ップ及びフィルタ処理禁止ステップである。
【0246】まず、図22に示した処理ルーチンにより
学習値KL及びパラメータKRが演算され、続いて、ス
テップS706〜S711により予測全閉吸気圧力PB
Cが演算された後、ステップS749において、予測全
閉吸気圧力値PBCがフィルタ後予測全閉吸気圧力値P
BCFよりも小さいか否かを判定する。
【0247】もし、PBC<PBCF(即ち、YES)
と判定された場合は、ステップS750に進み、上記の
(17)式に基づいてフィルタ後予測全閉吸気圧力値P
BCFを演算し、RAM205に格納する。
【0248】一方、PBC≧PBCF(即ち、NO)と
判定された場合は、フィルタ処理禁止ステップS751
に進み、予測全閉吸気圧力値PBCをそのままフィルタ
後予測全閉吸気圧力値PBCFとして格納する。ステッ
プS750又はS751の処理終了後、吸気管圧力Pb
の判定ステップS752に進む。
【0249】ステップS752においては、吸気管圧力
Pbと、フィルタ後予測全閉吸気圧力PBCFに所定値
ΔPBを加算した値(PBCF+ΔPB)とを比較し、
吸気管圧力Pbが加算値(PBCF+ΔPB)よりも小
さいか否かを判定する。
【0250】以下、Pb<PBCF+ΔPB(即ち、Y
ES)と判定された場合は、ステップS713に進み、
スロットル弁閉状態を示す閉弁フラグを1にセットし、
Pb≧PBCF+ΔPB(即ち、NO)と判定された場
合は、ステップS714に進み、スロットル弁4が閉状
態でないことを示すため、閉弁フラグを0にリセット
し、図3の処理に戻る。
【0251】実施例10.尚、上記実施例7〜実施例9
では、低地全閉吸気圧力PBLと高地全閉吸気圧力PB
Hをそれぞれ演算に用いたが、前述の実施例2と同様
に、低地全閉吸気圧力PBLと高地全閉吸気圧力PBH
との差を予め全閉吸気圧力偏差ΔPとしてROM206
に記憶しておき、演算を簡略化してもよい。
【0252】実施例11.又、上記実施例7及び実施例
8では、予測全閉吸気圧力PBCに所定値ΔPBを加算
した値と、吸気管圧力Pbとを比較したが、前述の実施
例6と同様に、学習値KLに所定値ΔKCを加算した値
と、パラメータKRとを比較判定してもよい。
【0253】同様に、上記実施例9では、フィルタ後予
測全閉吸気圧力PBCFに所定値ΔPBを加算した値
と、吸気管圧力Pbとを比較したが、フィルタ処理後の
学習値KLFに所定値ΔKCを加算した値と、パラメー
タKRとを判定してもよい。
【0254】実施例12.次に、エンジン1の過渡状態
を検出してから所定時間だけ経過するまでは学習値KL
の学習を禁止することにより、学習値KLの誤学習を防
止したこの発明の実施例12(請求項13及び請求項1
4に対応)について説明する。
【0255】この場合、制御装置20は、エンジン回転
数Neの変化が所定値以上であることを検出する回転数
変化検出手段と、エンジン回転数の変化を検出した後に
所定期間作動するタイマ手段と、タイマ手段が作動して
いないときに、パラメータを時系列的に演算処理して得
られた代表値を学習値として記憶する学習値演算手段と
を含んでいる。
【0256】以下、この発明の実施例12の動作につい
て、図25のタイミングチャートを参照しながら説明す
る。尚、ここで、エンジン過渡状態とは、エンジン回転
数Neの回転変動が所定値以上の場合、又は、バイパス
空気流量QBYPSの変動が所定値以上の場合をいう。
【0257】例えば、上記実施例6では、全閉吸気圧力
をエンジン回転数Neやバイパス空気流量QBYPSか
ら予測しているが、前述したように、圧力センサ14の
応答遅れや制御装置20の内部のインタフェイス回路1
01〜104の遅れ等によって、吸気管圧力の検出値P
bが実際の吸気管圧力の変化に対し遅れる。従って、エ
ンジン回転数Neの変化に対応して求められた低地全閉
吸気圧力値PBLや高地全閉吸気圧力値PBHに対し
て、吸気管圧力の検出値Pbは時間的に遅れることにな
る。
【0258】その結果、例えば上記実施例7で述べた通
り、図25のようにブレーキング等によってエンジン回
転数Neが急激に低下した場合、低地全閉吸気圧力値P
BLや高地全閉吸気圧力値PBH(実線)の増加に対
し、吸気管圧力Pb(一点鎖線)の増加が遅れる。この
ため、上記(3)式によって求められるパラメータKR
(実線)は一時的に正規の値より低下し、これにより、
学習値KL(一点鎖線)も低下してしばらくは正規の値
まで戻らない。従って、スロットル弁4の閉状態検出が
できなくなるという不具合が生じる。
【0259】そこで、この発明の実施例12において
は、エンジン回転数Neの変化が所定値以上であること
を検出した後、吸気管圧力Pbが安定するまでの期間
(例えば、1sec間)は、学習値KLの演算を禁止す
る。これにより、エンジン回転数Neが急激に低下して
全閉吸気圧力Pbが急増する場合であっても、図25の
一点鎖線に示すような学習値KLの低下をK′(破線)
のように防ぐことができ、スロットル弁4の閉状態を正
確に検出することができる。
【0260】以下、この発明の実施例12による上記動
作について、図26及び図27のフローチャートを参照
しながら具体的に説明する。図26及び図27におい
て、S701、S740、S730〜S734及びS7
06〜S714は図17内と同様のステップであり、S
760〜S768は、追加挿入されたエンジン回転数初
期化ステップ、タイマ処理ステップ及びエンジン回転数
検出ステップである。
【0261】まず、図26内のステップS701でスタ
ートフラグ=0が判定された場合、ステップS740に
おいて、大気圧値Paに応じた学習値初期値KLINI
T(Pa)をRAM205に格納する。
【0262】続いて、ステップS760に進み、学習値
演算禁止用のタイマカウンタTMを0に初期化する。
又、ステップS761において、100msec前のエ
ンジン回転数Nebを初期化するため、現在のエンジン
回転数Neを100ms前のエンジン回転数Nebに格
納する。
【0263】ステップS701でスタートフラグ=1と
判定された場合、及び、ステップS761の処理実行後
は、エアコン判定ステップS730に進む。以下、ステ
ップS730〜S734及びS705において、エアコ
ンスイッチ12のオンオフに応じたバイパス空気流量Q
BYPSを考慮してパラメータKRを演算する。
【0264】次に、ステップS762において、100
ms毎のタイミングか否かを判定し、100ms毎のタ
イミング(即ち、YES)であれば、ステップS763
に進み、学習値演算禁止用のタイマカウンタTMを1だ
けデクリメントする。但し、タイマカウンタTMの最小
値(min)は0に制限されているものとする。
【0265】続いて、ステップS764において、現在
のエンジン回転数Neと100ms前のエンジン回転数
Nebとの差を求め、これを回転数偏差ΔNeとしてR
AM205に格納する。又、次の100ms後に同様の
回転数偏差ΔNeを求めるための準備として、ステップ
S765において、現在のエンジン回転数Neを100
ms前のエンジン回転数Nebに格納する。
【0266】次に、ステップS766において、回転数
偏差ΔNeの絶対値|ΔNe|が所定値DNDEC以上
か否かを判定し、もし、|ΔNe|≧DNDEC(即
ち、YES)であればステップS767に進み、学習値
演算禁止用のタイマカウンタTMに1secを表わす数
値である「10」をセットする。
【0267】ステップS762において、100ms毎
のタイミングでない(即ち、NO)と判定された場合、
又は、ステップS767において、|ΔNe|<DND
EC(即ち、NO)と判定された場合、並びに、ステッ
プS767の処理終了後はステップS768(図27参
照)に進む。
【0268】上記のステップS762〜S767の処理
により、学習値演算禁止用のタイマカウンタTMは、|
ΔNe|≧DNDEC(ステップS766)となったと
きに初期値「10」がセットされ(ステップS76
7)、その後、100ms毎に1ずつデクリメントされ
て、1sec後に0となる(図25参照)。
【0269】図27内のステップS768においては、
学習値演算禁止用のタイマカウンタTMが0か否かを判
定し、TM=0(即ち、YES)の場合は、100ms
間の回転数偏差ΔNeが所定値DNDEC以上となった
後に1sec以上経過しているものと判断し、学習値演
算ステップS706〜S710へ進む。
【0270】一方、ステップS768において、TM≠
0(即ち、NO)と判定された場合は、学習値演算ステ
ップS706〜S710の処理を省略し、予測全閉吸気
圧力値PBCの演算ステップS711に進む。以下、ス
テップS712〜S714により、閉弁フラグをセット
又はリセットした後、図3の処理に戻る。
【0271】実施例13.上記実施例12では、エンジ
ン回転数Neの変化量ΔNeに基づいてタイマカウンタ
TMを設定したが、以下の実施例13(請求項15に対
応)のように、バイパス空気流量QBYPSの変化量Δ
QBに基づいてタイマカウンタTMを設定してもよい。
【0272】この場合、制御装置20は、バイパス空気
流量QBYPSの変化ΔQBが所定値以上であることを
検出する空気流量変化検出手段と、バイパス空気流量の
変化を検出した後に所定期間作動するタイマ手段と、タ
イマ手段が作動していないときに、パラメータKRを時
系列的に演算処理して得られた代表値を学習値KLとし
て記憶する学習値演算手段とを含んでいる。
【0273】例えば、実施例12の場合、バイパス空気
流量QBYPSの変化を考慮していないため、バイパス
空気流量QBYPSの変化に対応して求められた低地全
閉吸気圧力値PBLや高地全閉吸気圧力値PBHに対し
て、吸気管圧力の検出値Pbは時間的に遅れることにな
る。
【0274】その結果、例えば、図28に示すように、
エアコンがオフからオンに投入されたことによってバイ
パス空気流量QBYPSが急増した場合、低地全閉吸気
圧力値PBLや高地全閉吸気圧力値PBH(実線)の増
加に対し吸気管圧力Pb(一点鎖線)の増加が遅れる。
【0275】従って、前述と同様に、上記(3)式によ
って求められるパラメータKR(実線)は一時的に正規
値よりも低下し、学習値KL(一点鎖線)も低下して、
しばらくは正規値まで戻らず、スロットル弁4の閉状態
検出ができなくなるという不具合が生じる。
【0276】次に、この発明の実施例13の動作につい
て、図28のタイミングチャートを参照しながら説明す
る。この場合、バイパス空気流量QBYPSの変化ΔQ
Bが所定値DQBYPS以上であることを検出した後、
吸気管圧力Pbが安定するまでの期間(例えば、1se
c間)は学習値KLの演算を禁止する。
【0277】これにより、バイパス空気流量QBYPS
が急増して全閉吸気圧力が急増した場合であっても、図
28内の一点鎖線で示すような学習値KLの低下を、K
L′(破線)のように防ぐことができる。従って、スロ
ットル弁4の閉状態を正確に検出することができる。上
記以外の点は、実施例12と全く同様なのでその説明を
省略する。
【0278】次に、この発明の実施例13による上記動
作について、図29のフローチャートを参照しながら具
体的に説明する。図29において、S701、S74
0、S760、S730〜S734、S705、S76
2、S763及びS767は図26内と同様のステップ
であり、S769〜S772は、それぞれ、図26内の
ステップS761及びS764〜S766に対応したバ
イパス空気流量初期化ステップ及びタイマ処理ステップ
である。
【0279】尚、S768以降のステップについては、
図27と同一であるため図示を省略する。又、図26及
び図27と同一の処理ステップについては、その説明を
省略する。
【0280】まず、前述と同様に、ステップS701に
おいて、スタートフラグ=0と判定された場合は、ステ
ップS740及びステップS760において、学習値K
L及び学習値演算禁止用のタイマカウンタTMを初期化
した後、バイパス空気流量初期化ステップS769に進
む。
【0281】ステップS769においては、100ms
間のバイパス空気流量変化ΔQBを検出するために用い
られる100ms前のバイパス空気流量QBYPSBを
初期化するため、現在のバイパス空気流量QBYPSを
100ms前の空気流量QBYPSBとして格納する。
【0282】以下、前述と同様のステップS730〜S
734、S705、S762及びS763を介して、バ
イパス空気流量偏差ΔQBの演算ステップS770に進
み、現在のバイパス空気流量QBYPSと100ms前
のバイパス空気流量QBYPSBとの差(変化量)を求
め、バイパス空気流量偏差ΔQBとしてRAM205に
格納する。
【0283】又、ステップS771において、100m
s後に同様のバイパス空気流量偏差ΔQBを求めるため
の準備として、現在のバイパス空気流量QBYPSを1
00ms前のバイパス空気流量QBYPSBとして格納
する。
【0284】続いて、ステップS772において、バイ
パス空気流量偏差ΔQBの絶対値|ΔQB|が所定値D
QBYPS以上か否かを判定し、|ΔQB|≧DQBY
PS(即ち、YES)と判定された場合には、ステップ
S767に進み、学習値演算禁止用のタイマカウンタT
Mに1secを表わす数値「10」をセットする。
【0285】ステップS762において、100ms毎
のタイミングでない(即ち、NO)と判定された場合、
又は、ステップS772において、|ΔQB|<DQB
YPS(即ち、NO)と判定された場合、並びに、ステ
ップS767の処理終了後は、ステップS768(図2
7参照)に進む。
【0286】上記のステップS762、S763、S7
70〜S772及びS767の処理により、学習値演算
禁止用のタイマカウンタTMは、|ΔQB|≧DQBY
PS(ステップS772)となったときに初期値「1
0」がセットされ(ステップS767)、その後、10
0ms毎に1ずつデクリメントされて、1sec後に0
となる(図28参照)。
【0287】ステップS768に進んだ後は、実施例1
2と同様にステップS768〜S714(図27)の処
理を実行して図3の処理に戻る。
【0288】実施例14.尚、上記実施例12及び実施
例13では、低地全閉吸気圧力PBLと高地全閉吸気圧
力PBHとを用いてパラメータKRを演算したが、前述
の実施例2と同様に、低地全閉吸気圧力PBLと高地全
閉吸気圧力PBHとの差を予め全閉吸気圧力偏差ΔPと
してROM206に記憶しておき、パラメータKRの演
算に用いてもよい。
【0289】実施例15.又、上記実施例12及び実施
例13では、予測全閉吸気圧力PBCに所定値ΔPBを
加算した値と、吸気管圧力Pbとを比較判定したが、前
述の実施例6と同様に、学習値KLに所定値ΔKCを加
算した値とパラメータKRとを比較判定してもよい。
【0290】実施例16.又、例えば、上記実施例13
では、エアコン用空気流量を標準的な値として演算した
が、実際のエアコン用空気流量が標準値と一致しない場
合には学習値KLを誤学習してしまうおそれがあるの
で、エアコン投入時の直前直後における大気圧変化がな
いことに着目して、以下の実施例16(請求項16及び
請求項17に対応)のように、エアコン投入から所定期
間は学習値KLの更新を禁止してもよい。
【0291】この場合、制御装置20は、少なくともエ
アコン負荷の有無に応じてバイパス空気流量QBYPS
を推定演算するバイパス空気流量演算手段と、エアコン
負荷がオフからオンに変化した後に所定期間作動するタ
イマ手段と、タイマ手段の作動中に、学習値KLの更新
を禁止すると共に、パラメータKRが学習値KLと一致
するようにバイパス空気流量QBYPSを補正するバイ
パス空気流量補正手段とを含んでいる。
【0292】又、バイパス空気流量補正手段は、パラメ
ータが学習値よりも小さいときにパラメータが学習値と
一致するようにバイパス空気流量を補正し、パラメータ
が学習値以上で且つ所定値より小さいときにバイパス空
気流量を漸増する。
【0293】例えば、上記実施例13においては、図2
9内のステップS731及びS732のように、エンジ
ン1のスロットル弁4をバイパスするバイパス吸気通路
6の空気流量QBYPSを、エアコンスイッチ12がオ
フのときには下記の(18)式に基づいて、又、エアコ
ンスイッチ12がオンのときには下記の(19)式に基
づいて推定演算している。
【0294】 QBYPS=QFIA(WT)+QISC…(18) QBYPS=QFIA(WT)+QISC+QAC…(19)
【0295】但し、(18)式及び(19)式におい
て、QFIA(WT)は、冷却水温値WTに応じて予め
ROM206に格納されているFIA空気流量(図12
参照)であり、QISCは、図3内のステップS9で求
められたISC用空気流量であり、QACは、予めRO
M206に格納されているエアコン用バイパス通路9の
標準的な空気流量相当値のエアコン用空気流量である。
【0296】このように、上記実施例13においては、
バイパス空気流量QBYPSを冷却水温値WTやエアコ
ンスイッチ12の状態に応じて推定演算しているが、エ
アコンスイッチ12がオンのときに加算されるエアコン
用空気流量QACは、エアコン用バイパス通路9の標準
的な空気流量相当の値である。
【0297】従って、エアコン負荷が標準より重たい夏
場にACIUSバルブ11の空気流量を手動で増加方向
に調整したり、エアコン負荷が標準より軽い冬場にAC
IUSバルブ11の空気流量を手動で減少方向に調整し
た場合、エアコン用バイパス通路9の空気流量は必ずし
も標準的なエアコン用空気流量QACとは一致しなくな
る。
【0298】例えば、エアコン用バイパス通路9の空気
流量が標準的なエアコン用空気流量QACよりも少ない
場合、図30に示すように、吸気管圧力Pb(一点鎖
線)は、エアコンスイッチ12がオンのときに、エアコ
ン用バイパス通路9の空気流量が標準的な場合(破線)
よりも小さくなる。
【0299】この結果、上記(11)式によって求めら
れるパラメータKRは、エアコンスイッチ12がオフの
ときよりも低下し、これにより学習値KLも低下する。
この学習値KLは、図30内の一点鎖線のように、エア
コンスイッチ12がオンからオフに遮断された後、しば
らくは正規の値まで戻らない。従って、スロットル弁の
閉状態検出ができなくなるという不具合が生じる。
【0300】又、エアコン用バイパス通路9の空気流量
が標準的なエアコン用空気流量QACよりも多い場合、
図31に示すように、吸気管圧力Pbは、エアコンスイ
ッチ12をオンに投入したときに、エアコン用バイパス
通路9の空気流量が標準的な場合(破線)よりも大きく
なる。
【0301】この結果、上記(11)式によって求めら
れるパラメータKRは、エアコンスイッチ12がオフの
ときよりも増加する。しかし、学習値KL(図31内の
一点鎖線)がそのときのパラメータKR(実線)に達す
るまでには、しばらく時間を要するため、エアコンスイ
ッチ12がオフからオンに投入された後、しばらくはス
ロットル弁の閉状態検出ができなくなるという不具合が
生じる。
【0302】そこで、この発明の実施例16は、エアコ
ンスイッチ12がオフからオンに変化した場合、その直
前直後における大気圧の変化がないことから、エアコン
用空気流量QACの値が正しければ学習値KLが変化し
ないことに着目し、エアコンスイッチ12がオフからオ
ンに変化した後の所定期間(例えば、60sec間)は
学習値KLの更新を禁止し、逆に、パラメータKRが学
習値KLと一致するようにエアコン用空気流量QACを
補正するようにしたものである。
【0303】以下、この発明の実施例16の動作につい
て、図32及び図33のタイミングチャートを参照しな
がら説明する。まず、エアコンスイッチ12がオフから
オンに投入された後、所定期間のパラメータKRが学習
値KLよりも小さい場合には、下記の(20)式に基づ
いて、パラメータKRが学習値KLに一致するためのバ
イパス空気流量QBYPS′を求める。
【0304】 QBYPS′=[256×[Pb−{(1−KL)×PBHZ(Ne)+KL ×PBLZ(Ne)}]]/[{(1−KL)×PBHF(Ne)+KL×PB LF(Ne)}−{(1−KL)×PBHZ(Ne)+KL×PBLZ(Ne) }]…(20)
【0305】又、(20)式により演算されたバイパス
空気流量QBYPS′と、既に上記(19)式により演
算されたバイパス空気流量QBYPSとから、下記の
(21)式に基づいて、エアコン用空気流量QACをQ
AC′に補正する(図32のC部分)。
【0306】 QAC′=QAC−(QBYPS−QBYPS′)…(21)
【0307】一方、エアコンスイッチ12がオフからオ
ンに投入された後、所定期間のパラメータKRが学習値
KLよりも大きい場合には、それがエアコン用空気流量
QACの誤差に起因するのか、又は、スロットル弁4を
わずかに開いたことに起因するのかを判断することはで
きない。
【0308】しかしながら、パラメータKRが所定値
(例えば、1.2)よりも小さいか否かを判定し、も
し、パラメータKRが所定値よりも小さい場合には、減
速状態であってスロットル弁4が全閉である可能性があ
ることから、エアコン用空気流量QACの誤差に起因す
る可能性があると判断する。従って、学習値KLの誤学
習を防止するため、エアコン用空気流量QACを漸増し
てパラメータKRを学習値KLに一致させる(図33の
D部分)。
【0309】以上の処理により、エアコン用空気流量Q
ACの誤差による学習値KLの誤検出を防ぐことができ
る。更に、大気圧Paの変化による全閉吸気圧力の変化
と、バイパス空気流量QBYPSの変化による全閉吸気
圧力の変化とは、全く同一ではないが、学習値KL及び
エアコン用空気流量QACの両者により、それぞれ独立
して補正することができるため、より正確に全閉吸気圧
力を予測することができる。
【0310】次に、図34及び図35のフローチャート
を参照しながら、この発明の実施例16による上記動作
について具体的に説明する。図34及び図35におい
て、S701、S740、S760、S730〜S73
4及びS705〜S714は図27及び図29内と同様
のステップであり、S780〜S789は、追加挿入さ
れたエアコン用空気流量初期化ステップ、タイマ処理ス
テップ及び学習値更新禁止ステップである。
【0311】尚、前述と同一の処理ステップについて
は、その説明を省略する。まず、前述と同様に、ステッ
プS701において、スタートフラグ=0と判定された
場合は、ステップS740及びステップS760におい
て、学習値KL及び学習値演算禁止用のタイマカウンタ
TMを初期化した後、エアコン用空気流量初期化ステッ
プS780に進み、エアコン用空気流量QACとして初
期値QACINIを格納する。
【0312】以下、前述と同様のステップS730〜S
734、S705、S762及びS763を介して、パ
ラメータKRを演算すると共に、100ms毎のタイミ
ングであればタイマカウンタTMを1だけデクリメント
する。ステップS762で100msのタイミングでな
いと判断された場合、及び、ステップS763の処理後
は、ステップS781に進む。
【0313】ステップS781においては、エアコンス
イッチ12がオンか否かを判定し、オンでない(即ち、
NO)と判定された場合にはステップS782に進み、
タイマカウンタTMに60secに相当する値「60
0」をセットする。ステップS781において、エアコ
ンスイッチ12がオン(即ち、YES)と判定された場
合、及びステップS782の処理終了後はステップS7
83に進む。
【0314】以上のステップS762、S763、S7
81及びS782により、エアコンスイッチ12がオン
であって且つオフからオンに投入された後で60sec
以上経過したときに、タイマカウンタTMが0となる
(図32及び図33参照)。
【0315】ステップS783においては、エアコンス
イッチ12がオンか否かを判定し、オンでない(即ち、
NO)と判定された場合はステップS706(図35参
照)に進み、エアコンスイッチ12がオンである(即
ち、YES)と判定した場合はステップS768に進
む。
【0316】ステップS768において、タイマカウン
タTMが0(即ち、YES)と判定された場合は、エア
コンスイッチがオフからオンに変化した後に所定時間
(60sec)以上経過したと判断して、ステップS7
06に進み、前述のステップS706〜S714を実行
した後、図3の処理に戻る。
【0317】一方、ステップS768において、タイマ
カウンタTM≠0(即ち、NO)と判定された場合は、
エアコンスイッチ12がオフからオンに変化した後の6
0sec以内であると判断し、ステップS784(図3
5参照)に進む。尚、ステップS784、S787及び
S788は、前述のステップS706、S708及びS
709と同様である。
【0318】ステップS784においては、パラメータ
KRが学習値KLより小さいか否かを判定し、KR<K
L(即ち、YES)と判定された場合は、ステップS7
85に進み、上記(20)式に基づいて、パラメータK
Rが学習値KLに一致するためのバイパス空気流量QB
YPS′を求める。
【0319】又、ステップS786において、バイパス
空気流量QBYPS′と、ステップS732(図34参
照)で演算されたバイパス空気流量QBYPSとを用
い、上記(21)式に基づいて得られたエアコン用空気
流量QAC′により、エアコン用空気流量QACを補正
し(図32内のC部分)、ステップS711に進む。
【0320】一方、ステップS784において、KR≧
KL(即ち、NO)と判定された場合は、ステップS7
87に進み、パラメータKRが所定値1.2よりも小さ
いか否かを判定する。もし、KR<1.2(即ち、YE
S)と判定された場合はステップS788に進み、10
0ms毎のタイミングか否かを判定し、100ms毎の
タイミングであればステップS789に進む。
【0321】ステップS789においては、エアコン用
空気流量QACに所定値ΔQACを加算してエアコン用
空気流量QACを更新し(図33内のD部分)、ステッ
プS711に進む。
【0322】一方、ステップS787において、KR≧
1.2(即ち、NO)と判定された場合、又は、ステッ
プS788において、100ms毎のタイミングでない
(即ち、NO)と判定された場合は、学習値KLを更新
せずにステップS711へ進む。
【0323】実施例17.尚、上記実施例16では、パ
ラメータKRを演算するために、低地全閉吸気圧力PB
L及び高地全閉吸気圧力PBHを用いたが、前述の実施
例2と同様に、低地全閉吸気圧力PBLと高地全閉吸気
圧力PBHとの差を予め全閉吸気圧力偏差ΔPとしてR
OM206に記憶しておいてもよい。
【0324】実施例18.又、上記実施例16では、予
測全閉吸気圧力PBCに所定値ΔPBを加算した値と、
吸気管圧力Pbとを比較したが、前述の実施例6と同様
に、学習値KLに所定値ΔKCを加算した値とパラメー
タKRとを比較判定してもよい。
【0325】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、エンジンの駆動タイミングに対応したエンジン回転
数を演算するエンジン回転数演算手段と、エンジンの吸
気管圧力を検出する圧力検出手段と、少なくともエンジ
ン回転数に応じて、吸気管内のスロットル弁が閉状態の
ときの吸気管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演
算する圧力値演算手段と、第1及び第2の圧力値に対す
る吸気管圧力の関係を表わすパラメータを演算するパラ
メータ演算手段と、パラメータを時系列的に演算処理し
て得られた代表値を学習値として記憶する学習値演算手
段と、学習値と第1及び第2の圧力値とに基づいてスロ
ットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を演算す
る圧力推定値演算手段と、吸気管圧力が圧力推定値に対
して所定の関係で小さいときにスロットル弁が閉状態で
あると判断するスロットル弁閉状態検出手段とを設けた
ので、スロットル開度センサやアイドルスイッチを用い
なくてもスロットル弁の開閉状態を検出することがで
き、コストダウンを実現したエンジン制御用スロットル
弁開閉状態検出装置が得られる効果がある。
【0326】又、この発明の請求項2によれば、請求項
1において、圧力値演算手段は、高地でのスロットル弁
閉状態時の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値と
し、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当
する値を第2の圧力値とし、パラメータ演算手段は、第
2の圧力値と第1の圧力値との差に対する吸気管圧力と
第1の圧力値との差の比率をパラメータとし、学習値演
算手段は、パラメータが学習値よりも小さいときにパラ
メータを学習値として記憶し、パラメータが学習値以上
で且つ所定値より小さいときに学習値を漸増して記憶
し、圧力推定値演算手段は、第2の圧力値と第1の圧力
値との差に学習値を乗算し、更に第1の圧力値を加算し
た値を圧力推定値とし、スロットル弁閉状態検出手段
は、吸気管圧力が圧力推定値に所定値を加算した値より
も小さいときにスロットル弁が閉状態であると判断する
ようにしたので、スロットル開度センサやアイドルスイ
ッチを用いなくてもスロットル弁の開閉状態を検出する
ことができ、コストダウンを実現したエンジン制御用ス
ロットル弁開閉状態検出装置が得られる効果がある。
【0327】又、この発明の請求項3によれば、請求項
1において、圧力値演算手段は、高地でのスロットル弁
閉状態時の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値と
し、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当
する値と第1の圧力値との偏差を第2の圧力値とし、パ
ラメータ演算手段は、第2の圧力値に対する吸気管圧力
と第1の圧力値との差の比率をパラメータとし、学習値
演算手段は、パラメータが学習値よりも小さいときにパ
ラメータを学習値として記憶し、パラメータが学習値以
上で且つ所定値より小さいときに学習値を漸増して記憶
し、圧力推定値演算手段は、第2の圧力値に学習値を乗
算し、更に第1の圧力値を加算した値を圧力推定値と
し、スロットル弁閉状態検出手段は、吸気管圧力が圧力
推定値に所定値を加算した値よりも小さいときにスロッ
トル弁が閉状態であると判断するようにしたので、演算
を簡略化すると共に、スロットル開度センサやアイドル
スイッチを用いなくてもスロットル弁の開閉状態を検出
することができ、コストダウンを実現したエンジン制御
用スロットル弁開閉状態検出装置が得られる効果があ
る。
【0328】又、この発明の請求項4によれば、エンジ
ンの駆動タイミングに対応したエンジン回転数を演算す
るエンジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を
検出する圧力検出手段と、吸気管内のスロットル弁をバ
イパスするバイパス吸気通路と、バイパス吸気通路のバ
イパス空気流量を推定演算するバイパス空気流量演算手
段と、少なくともエンジン回転数及びバイパス空気流量
に応じてスロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関
連した第1及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手段
と、第1及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係を
表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段と、パ
ラメータを時系列的に演算処理して得られた代表値を学
習値として記憶する学習値演算手段と、学習値と第1及
び第2の圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状態のと
きの吸気管の圧力推定値を演算する圧力推定値演算手段
と、吸気管圧力が圧力推定値に対して所定の関係で小さ
いときにスロットル弁が閉状態であると判断するスロッ
トル弁閉状態検出手段とを設けたので、スロットル開度
センサやアイドルスイッチを不要としてコストダウンを
実現すると共に、バイパス空気流量にかかわらずスロッ
トル弁の開閉状態を正確に検出することができるエンジ
ン制御用スロットル弁開閉状態検出装置が得られる効果
がある。
【0329】又、この発明の請求項5によれば、エンジ
ンの駆動タイミングに対応したエンジン回転数を演算す
るエンジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を
検出する圧力検出手段と、少なくともエンジン回転数に
応じてスロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連
した第1及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手段
と、第1及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係を
表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段と、パ
ラメータを時系列的に演算処理して得られた代表値を学
習値として記憶する学習値演算手段と、大気圧を検出す
る大気圧検出手段と、大気圧に基づいて学習値の初期値
を演算する学習値初期値演算手段と、学習値と第1及び
第2の圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状態のとき
の吸気管の圧力推定値を演算する圧力推定値演算手段
と、吸気管圧力が圧力推定値に対して所定の関係で小さ
いときにスロットル弁が閉状態であると判断するスロッ
トル弁閉状態検出手段とを設けたので、スロットル開度
センサやアイドルスイッチを不要としてコストダウンを
実現すると共に、エンジンの始動直後からスロットル弁
の開閉状態を正確に検出することができるエンジン制御
用スロットル弁開閉状態検出装置が得られる効果があ
る。
【0330】又、この発明の請求項6によれば、エンジ
ンの駆動タイミングに対応したエンジン回転数を演算す
るエンジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を
検出する圧力検出手段と、少なくともエンジン回転数に
応じて、吸気管内のスロットル弁が閉状態のときの吸気
管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧力
値演算手段と、第1及び第2の圧力値に対する吸気管圧
力の関係を表わすパラメータを演算するパラメータ演算
手段と、パラメータを時系列的に演算処理して得られた
代表値を学習値として記憶する学習値演算手段と、パラ
メータが学習値に対して所定の関係で小さいときにスロ
ットル弁が閉状態であると判断するスロットル弁閉状態
検出手段とを設けたので、演算を簡略化すると共に、ス
ロットル開度センサやアイドルスイッチを不要としてコ
ストダウンを実現したエンジン制御用スロットル弁開閉
状態検出装置が得られる効果がある。
【0331】又、この発明の請求項7によれば、請求項
6において、圧力値演算手段は、高地でのスロットル弁
閉状態時の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値と
し、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当
する値を第2の圧力値とし、パラメータ演算手段は、第
2の圧力値と第1の圧力値との差に対する吸気管圧力と
第1の圧力値との差の比率をパラメータとし、学習値演
算手段は、パラメータが学習値よりも小さいときにパラ
メータを学習値として記憶し、パラメータが学習値以上
で且つ所定値より小さいときに学習値を漸増して記憶
し、スロットル弁閉状態検出手段は、パラメータが学習
値に所定値を加算した値よりも小さいときに、スロット
ル弁が閉状態であると判断するようにしたので、演算を
簡略化すると共に、スロットル開度センサやアイドルス
イッチを不要としてコストダウンを実現したエンジン制
御用スロットル弁開閉状態検出装置が得られる効果があ
る。
【0332】又、この発明の請求項8によれば、エンジ
ンの駆動タイミングに対応したエンジン回転数を演算す
るエンジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力を
検出する圧力検出手段と、少なくともエンジン回転数に
応じて、吸気管内のスロットル弁が閉状態のときの吸気
管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧力
値演算手段と、第1及び第2の圧力値にフィルタ処理を
施して第1及び第2のフィルタ後圧力値を演算するフィ
ルタ後圧力値演算手段と、第1及び第2のフィルタ後圧
力値に対する吸気管圧力の関係を表わすパラメータを演
算するパラメータ演算手段と、パラメータを時系列的に
演算処理して得られた代表値を学習値として記憶する学
習値演算手段と、学習値と第1及び第2の圧力値とに基
づいてスロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定
値を演算する圧力推定値演算手段と、吸気管圧力が圧力
推定値に対して所定の関係で小さいときにスロットル弁
が閉状態であると判断するスロットル弁閉状態検出手段
とを設けたので、スロットル開度センサやアイドルスイ
ッチを不要としてコストダウンを実現すると共に、エン
ジン状態が急変してもスロットル弁の開閉状態を正確に
検出することができるエンジン制御用スロットル弁開閉
状態検出装置が得られる効果がある。
【0333】又、この発明の請求項9によれば、請求項
8において、圧力値演算手段は、高地でのスロットル弁
閉状態時の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値と
し、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当
する値を第2の圧力値とし、フィルタ後圧力値演算手段
は、第1及び第2の圧力値に対して1次低域フィルタ処
理を施して第1及び第2のフィルタ後圧力値とし、パラ
メータ演算手段は、第2のフィルタ後圧力値と第1のフ
ィルタ後圧力値との差に対する吸気管圧力と第1のフィ
ルタ後圧力値との差の比率をパラメータとし、学習値演
算手段は、パラメータが学習値よりも小さいときにパラ
メータを学習値として記憶し、パラメータが学習値以上
で且つ所定値より小さいときに学習値を漸増して記憶
し、圧力推定値演算手段は、第2の圧力値と第1の圧力
値との差に学習値を乗算し、更に第1の圧力値を加算し
た値を圧力推定値とし、スロットル弁閉状態検出手段
は、吸気管圧力が圧力推定値に所定値を加算した値より
も小さいときにスロットル弁が閉状態であると判断する
ようにしたので、スロットル開度センサやアイドルスイ
ッチを不要としてコストダウンを実現すると共に、エン
ジン状態が急変してもスロットル弁の開閉状態を正確に
検出することができるエンジン制御用スロットル弁開閉
状態検出装置が得られる効果がある。
【0334】又、この発明の請求項10によれば、エン
ジンの駆動タイミングに対応したエンジン回転数を演算
するエンジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力
を検出する圧力検出手段と、少なくともエンジン回転数
に応じて、吸気管内のスロットル弁が閉状態のときの吸
気管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧
力値演算手段と、第1の圧力値に基づいてスロットル弁
が閉状態のときの吸気管圧力が増加方向にあると判断し
たときのみ、第1の圧力値をフィルタ処理して第1のフ
ィルタ後圧力値を演算する第1のフィルタ後圧力値演算
手段と、第2の圧力値に基づいてスロットル弁が閉状態
のときの吸気管圧力が増加方向にあると判断したときの
み、第2の圧力値をフィルタ処理して第2のフィルタ後
圧力値を演算する第2のフィルタ後圧力値演算手段と、
第1及び第2のフィルタ後圧力値に対する吸気管圧力の
関係を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段
と、パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表
値を学習値として記憶する学習値演算手段と、学習値と
第1及び第2の圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状
態のときの吸気管の圧力推定値を演算する圧力推定値演
算手段と、吸気管圧力が圧力推定値に対して所定の関係
で小さいときにスロットル弁が閉状態であると判断する
スロットル弁閉状態検出手段とを設けたので、スロット
ル開度センサやアイドルスイッチを不要としてコストダ
ウンを実現すると共に、スロットル弁が閉状態のときの
吸気管圧力が急変してもスロットル弁の開閉状態を正確
に検出することができるエンジン制御用スロットル弁開
閉状態検出装置が得られる効果がある。
【0335】又、この発明の請求項11によれば、請求
項10において、圧力値演算手段は、高地でのスロット
ル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値
とし、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相
当する値を第2の圧力値とし、第1のフィルタ後圧力値
演算手段は、第1の圧力値が第1のフィルタ後圧力値よ
りも大きいときのみ、第1の圧力値に対して1次低域フ
ィルタ処理を施して第1のフィルタ後圧力値とし、第2
のフィルタ後圧力値演算手段は、第2の圧力値が第2の
フィルタ後圧力値よりも大きいときのみ、第2の圧力値
に対して1次低域フィルタ処理を施して第2のフィルタ
後圧力値とし、パラメータ演算手段は、第2のフィルタ
後圧力値と第1のフィルタ後圧力値との差に対する吸気
管圧力と第1のフィルタ後圧力値との差の比率をパラメ
ータとし、学習値演算手段は、パラメータが学習値より
も小さいときにパラメータを学習値として記憶し、パラ
メータが学習値以上で且つ所定値より小さいときに学習
値を漸増して記憶し、圧力推定値演算手段は、第2の圧
力値と第1の圧力値との差に学習値を乗算し、更に第1
の圧力値を加算した値を圧力推定値とし、スロットル弁
閉状態検出手段は、吸気管圧力が圧力推定値に所定値を
加算した値よりも小さいときにスロットル弁が閉状態で
あると判断するようにしたので、スロットル開度センサ
やアイドルスイッチを不要としてコストダウンを実現す
ると共に、スロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力が
急変してもスロットル弁の開閉状態を正確に検出するこ
とができるエンジン制御用スロットル弁開閉状態検出装
置が得られる効果がある。
【0336】又、この発明の請求項12によれば、エン
ジンの駆動タイミングに対応したエンジン回転数を演算
するエンジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力
を検出する圧力検出手段と、少なくともエンジン回転数
に応じて、吸気管内のスロットル弁が閉状態のときの吸
気管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧
力値演算手段と、第1及び第2の圧力値に対する吸気管
圧力の関係を表わすパラメータを演算するパラメータ演
算手段と、パラメータを時系列的に演算処理して得られ
た代表値を学習値として記憶する学習値演算手段と、学
習値と第1及び第2の圧力値とに基づいてスロットル弁
が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を演算する圧力推
定値演算手段と、圧力推定値に基づいて圧力推定値が減
少方向にあると判断したときのみ、圧力推定値に対して
フィルタ処理を施してフィルタ後圧力推定値を演算する
フィルタ後圧力推定値演算手段と、吸気管圧力がフィル
タ後圧力推定値に対して所定の関係で小さいときにスロ
ットル弁が閉状態であると判断するスロットル弁閉状態
検出手段とを設けたので、スロットル開度センサやアイ
ドルスイッチを不要としてコストダウンを実現すると共
に、スロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力が急減し
でも、スロットル弁の閉状態を正確且つ安定に検出でき
るエンジン制御用スロットル弁開閉状態検出装置が得ら
れる効果がある。
【0337】又、この発明の請求項13によれば、エン
ジンの駆動タイミングに対応したエンジン回転数を演算
するエンジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力
を検出する圧力検出手段と、少なくともエンジン回転数
に応じて、吸気管内のスロットル弁が閉状態のときの吸
気管圧力に関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧
力値演算手段と、第1及び第2の圧力値に対する吸気管
圧力の関係を表わすパラメータを演算するパラメータ演
算手段と、エンジン回転数の変化が所定値以上であるこ
とを検出する回転数変化検出手段と、回転数変化検出手
段がエンジン回転数の変化を検出した後に所定期間作動
するタイマ手段と、タイマ手段が作動していないときに
パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表値を
学習値として記憶する学習値演算手段と、学習値と第1
及び第2の圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状態の
ときの吸気管の圧力推定値を演算する圧力推定値演算手
段と、吸気管圧力が圧力推定値に対して所定の関係で小
さいときにスロットル弁が閉状態であると判断するスロ
ットル弁閉状態検出手段とを設けたので、スロットル開
度センサやアイドルスイッチを不要としてコストダウン
を実現すると共に、エンジン回転数の変化状態にかかわ
らずスロットル弁の開閉状態を正確に検出することがで
きるエンジン制御用スロットル弁開閉状態検出装置が得
られる効果がある。
【0338】又、この発明の請求項14によれば、請求
項13において、圧力値演算手段は、高地でのスロット
ル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値
とし、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相
当する値を第2の圧力値とし、パラメータ演算手段は、
第2の圧力値と第1の圧力値との差に対する吸気管圧力
と第1の圧力値との差の比率をパラメータとし、学習値
演算手段は、パラメータが学習値よりも小さいときにパ
ラメータを学習値として記憶し、パラメータが学習値以
上で且つ所定値より小さいときに学習値を漸増して記憶
し、圧力推定値演算手段は、第2の圧力値と第1の圧力
値との差に学習値を乗算し、更に第1の圧力値を加算し
た値を圧力推定値とし、スロットル弁閉状態検出手段
は、吸気管圧力が圧力推定値に所定値を加算した値より
も小さいときにスロットル弁が閉状態であると判断する
ようにしたので、スロットル開度センサやアイドルスイ
ッチを不要としてコストダウンを実現すると共に、エン
ジン回転数の変化状態にかかわらずスロットル弁の開閉
状態を正確に検出することができるエンジン制御用スロ
ットル弁開閉状態検出装置が得られる効果がある。
【0339】又、この発明の請求項15によれば、エン
ジンの駆動タイミングに対応したエンジン回転数を演算
するエンジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力
を検出する圧力検出手段と、吸気管内のスロットル弁を
バイパスするバイパス吸気通路と、バイパス吸気通路の
バイパス空気流量を推定演算するバイパス空気流量演算
手段と、少なくともエンジン回転数及びバイパス空気流
量に応じてスロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に
関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手
段と、第1及び第2の圧力値に対する吸気管圧力の関係
を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段と、
バイパス空気流量の変化が所定値以上であることを検出
する空気流量変化検出手段と、空気流量変化検出手段が
バイパス空気流量の変化を検出した後に所定期間作動す
るタイマ手段と、タイマ手段が作動していないときにパ
ラメータを時系列的に演算処理して得られた代表値を学
習値として記憶する学習値演算手段と、学習値と第1及
び第2の圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状態のと
きの吸気管の圧力推定値を演算する圧力推定値演算手段
と、吸気管圧力が圧力推定値に対して所定の関係で小さ
いときに、スロットル弁が閉状態であると判断するスロ
ットル弁閉状態検出手段とを設けたので、スロットル開
度センサやアイドルスイッチを不要としてコストダウン
を実現すると共に、バイパス空気流量の変化状態にかか
わらずスロットル弁の開閉状態を安定に検出することが
できるエンジン制御用スロットル弁開閉状態検出装置が
得られる効果がある。
【0340】又、この発明の請求項16によれば、エン
ジンの駆動タイミングに対応したエンジン回転数を演算
するエンジン回転数演算手段と、エンジンの吸気管圧力
を検出する圧力検出手段と、吸気管内のスロットル弁を
バイパスするバイパス吸気通路と、少なくともエアコン
負荷の有無に応じてバイパス吸気通路のバイパス空気流
量を推定演算するバイパス空気流量演算手段と、少なく
ともエンジン回転数とバイパス空気流量に応じてスロッ
トル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1及び
第2の圧力値を演算する圧力値演算手段と、第1及び第
2の圧力値に対する吸気管圧力の関係を表わすパラメー
タを演算するパラメータ演算手段と、パラメータを時系
列的に演算処理して得られた代表値を学習値として記憶
する学習値演算手段と、エアコン負荷がオフからオンに
変化した後に所定期間作動するタイマ手段と、タイマ手
段の作動中に、学習値の更新を禁止すると共に、パラメ
ータが学習値と一致するようにバイパス空気流量を補正
するバイパス空気流量補正手段と、学習値と第1及び第
2の圧力値とに基づいてスロットル弁が閉状態のときの
吸気管の圧力推定値を演算する圧力推定値演算手段と、
吸気管圧力が圧力推定値に対して所定の関係で小さいと
きに、スロットル弁が閉状態であると判断するスロット
ル弁閉状態検出手段とを設けたので、スロットル開度セ
ンサやアイドルスイッチを不要としてコストダウンを実
現すると共に、エアコン負荷用バイパス空気流量の変化
にかかわらずスロットル弁の開閉状態を正確に検出する
ことができるエンジン制御用スロットル弁開閉状態検出
装置が得られる効果がある。
【0341】又、この発明の請求項17によれば、請求
項16において、圧力値演算手段は、高地でのスロット
ル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を第1の圧力値
とし、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧力に相
当する値を第2の圧力値とし、パラメータ演算手段は、
第2の圧力値と第1の圧力値との差に対する吸気管圧力
と第1の圧力値との差の比率をパラメータとし、学習値
演算手段は、パラメータが学習値よりも小さいときにパ
ラメータを学習値として記憶し、パラメータが学習値以
上で且つ所定値より小さいときに学習値を漸増して記憶
し、バイパス空気流量補正手段は、パラメータが学習値
よりも小さいときにパラメータが学習値と一致するよう
にバイパス空気流量を補正し、パラメータが学習値以上
で且つ所定値より小さいときにバイパス空気流量を漸増
し、圧力推定値演算手段は、第2の圧力値と第1の圧力
値との差に学習値を乗算し、更に第1の圧力値を加算し
た値を圧力推定値とし、スロットル弁閉状態検出手段
は、吸気管圧力が圧力推定値に所定値を加算した値より
も小さいときに、スロットル弁が閉状態であると判断す
るようにしたので、スロットル開度センサやアイドルス
イッチを不要としてコストダウンを実現すると共に、エ
アコン負荷用バイパス空気流量の変化にかかわらずスロ
ットル弁の開閉状態を正確に検出することができるエン
ジン制御用スロットル弁開閉状態検出装置が得られる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1が適用されるエンジン制御
装置全体の概略を示す構成図である。
【図2】図1内の制御装置の内部構成を示すブロック図
である。
【図3】図1のエンジン制御装置の概略動作を示すフロ
ーチャートである。
【図4】図3内のアイドル回転数制御ステップの処理ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施例1による図3内のスロットル
弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図6】この発明の実施例2による図3内のスロットル
弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図7】この発明の実施例3による図3内のスロットル
弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図8】この発明の実施例4による図3内のスロットル
弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図9】この発明の各実施例で用いられる目標回転数デ
ータと実回転数データとの偏差ΔNと制御ゲインKIと
の関係を示すマップ特性図である。
【図10】この発明の各実施例で用いられる駆動信号の
デューティ比とISC用空気流量QISCとの関係を示
すマップ特性図である。
【図11】図10内の駆動信号のデューティ比を示す説
明図である。
【図12】この発明の各実施例で用いられる冷却水温値
WTとFIA空気流量QFIAとの関係を示すマップ特
性図である。
【図13】この発明の各実施例で用いられるエンジン回
転数Neと全閉吸気圧力及び吸気管圧力Pbとの関係を
示すマップ特性図である。
【図14】この発明の各実施例によるスロットル弁開閉
状態検出動作を示すタイミングチャートである。
【図15】この発明の実施例3で用いられるエンジン回
転数Neとバイパス空気流量QBYPS及び全閉吸気圧
力Pbとの関係を示すマップ特性図である。
【図16】この発明の実施例4で用いられる大気圧Pa
と学習値の初期値KLINIT(Pa)との関係を示す
マップ特性図である。
【図17】この発明の実施例6による図3内のスロット
ル弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンを示すフロー
チャートである。
【図18】この発明の実施例7によるエンジン回転数急
減時の動作を示すタイミングチャートである。
【図19】この発明の実施例7によるバイパス空気流量
急増時の動作を示すタイミングチャートである。
【図20】この発明の実施例7による図3内のスロット
ル弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンを示すフロー
チャートである。
【図21】この発明の実施例8によるバイパス空気流量
急減時の動作を示すタイミングチャートである。
【図22】この発明の実施例8による図3内のスロット
ル弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンの主要部を示
すフローチャートである。
【図23】この発明の実施例9によるバイパス空気流量
急減時の動作を示すタイミングチャートである。
【図24】この発明の実施例9による図3内のスロット
ル弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンの主要部を示
すフローチャートである。
【図25】この発明の実施例12によるエンジン回転数
急減時の動作を示すタイミングチャートである。
【図26】この発明の実施例12による図3内のスロッ
トル弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンの前半部を
示すフローチャートである。
【図27】この発明の実施例12による図3内のスロッ
トル弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンの後半部を
示すフローチャートである。
【図28】この発明の実施例13によるバイパス空気流
量急増時の動作を示すタイミングチャートである。
【図29】この発明の実施例13による図3内のスロッ
トル弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンの主要部を
示すフローチャートである。
【図30】一般的なエアコン遮断時のバイパス空気流量
急減時の動作を示すタイミングチャートである。
【図31】一般的なエアコン投入時のバイパス空気流量
急増時の動作を示すタイミングチャートである。
【図32】この発明の実施例16によるエアコン遮断時
のバイパス空気流量急減時の動作を示すタイミングチャ
ートである。
【図33】この発明の実施例16によるエアコン投入時
のバイパス空気流量急増時の動作を示すタイミングチャ
ートである。
【図34】この発明の実施例16による図3内のスロッ
トル弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンの前半部を
示すフローチャートである。
【図35】この発明の実施例16による図3内のスロッ
トル弁開閉状態検出ステップの処理ルーチンの後半部を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 3 吸気管 4 スロットル弁 5 水温センサ 6 バイパスエア通路 6a FIA通路 7 FIAバルブ 9 エアコン用バイパス通路 10 ISCバイパス通路 11 ACIUSバルブ 13 ISCソレノイドバルブ 14 圧力センサ 16 点火コイル 20 制御装置 KR パラメータ KL 学習値 Ne エンジン回転数 Pa 大気圧 Pb 吸気管圧力 PBH 高地全閉吸気圧力(第1の圧力値) PBL 低地全閉吸気圧力(第2の圧力値) ΔP 圧力偏差(第2の圧力値) PBC 予測全閉吸気圧力(圧力推定値) QBYPS バイパス空気流量 WT 冷却水温値 S7 スロットル弁開閉状態検出ステップ S703、S733 第1の圧力値PBHを演算するス
テップ S704、S734 第2の圧力値PBLを演算するス
テップ S705、S721、S744 パラメータKRを演算
するステップ S706 パラメータKRと学習値KLとを比較するス
テップ S708 パラメータKRを所定値と比較するステップ S710 学習値を漸増するステップ S711、S722 圧力推定値PBCを演算するステ
ップ S712、S741、S752 スロットル弁閉状態を
判定するステップ S720 第2の圧力値ΔPを演算するステップ S730、S781 エアコン状態を判定するステップ S731、S732 バイパス空気流量QBYPSを演
算するステップ S740 学習値の初期値KLINITを演算するステ
ップ S742 第1のフィルタ後圧力値PBHFを演算する
ステップ S743 第2のフィルタ後圧力値PBHLを演算する
ステップ S745、S747 圧力値の変化を判定するステップ S746、S748 フィルタ処理を禁止するステップ S750、S751 フィルタ後圧力推定値PBCFを
演算するステップ S763、S767、S768 タイマステップ S764〜S766 エンジン回転数の変化を検出する
ステップ S770〜S772 バイパス空気流量の変化を検出す
るステップ S780 エアコン用空気流量QACを初期化するステ
ップ S782、S783 タイマステップ S784〜S789 学習値の更新を禁止するステップ S785 バイパス空気流量を補正するステップ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正内容】
【0090】一方、ステップS90において、スロット
ル弁4が閉状態にない(閉弁フラグ=0)と判定される
か、又は、ステップS91において、十分に暖機してい
ない(冷却水温値WT<70℃相当値)と判定された場
合には、ステップS99に進み、ISC用空気流量値Q
ISCをオープン制御時の目標空気流量にするための所
定値QOPENに設定する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0147
【補正方法】変更
【補正内容】
【0147】まず、エンジン回転数Neに応じて変化す
る吸気圧力のうち、低地におけるバイパス空気流量が0
のときの代表的な全閉吸気圧力値PBLZ(Ne)と、
低地におけるバイパス空気流量が256リットル/se
cのときの代表的な全閉吸気圧力値PBLF(Ne)
と、高地におけるバイパス空気流量が0のときの代表的
な全閉吸気圧力値PBHZ(Ne)と、高地におけるバ
イパス空気流量が256リットル/secのときの代表
的な全閉吸気圧力値PBHF(Ne)とを、予めROM
206に記憶させておく。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0172
【補正方法】変更
【補正内容】
【0172】しかし、この発明の実施例5においては、
学習値KLの初期値として低地相当値0を設定して
き、全閉吸気圧力偏差ΔPと、低地全閉吸気圧力PBL
と吸気管圧力Pbとの差との比率をパラメータKRとし
て演算する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0199
【補正方法】変更
【補正内容】
【0199】図18及び図19において、吸気管圧力
(検出値)Pbは一点鎖線で示され、フィルタ処理前の
全閉吸気圧力値PBL及びPBHは実線で示され、フィ
ルタ処理後の全閉吸気圧力値PBLF及びPBHFは破
線で示され、フィルタ処理前の全閉吸気圧力値PBL及
びPBHに基づくパラメータKR及び学習値KLは、そ
れぞれ実線および二点鎖線で示され、フィルタ処理後の
全閉吸気圧力値PBLF及びPBHFに基づくパラメー
タKR及び学習値KLは、それぞれ破線及び一点鎖線で
示されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0204
【補正方法】変更
【補正内容】
【0204】そこで、この発明の実施例7においては、
低地全閉吸気圧力値PBL及び高地全閉吸気圧力値PB
Hに対して、下記の(14)式及び(15)式に従って
1次低域フィルタ処理を施す。これにより、低地全閉吸
気圧力値PBL及び高地全閉吸気圧力値PBHから、吸
気管圧力の検出値Pbの遅れに合わせて遅らせたフィル
タ後低地全閉吸気圧力値PBLF及びフィルタ後高地全
閉吸気圧力値PBHFが求められる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0217
【補正方法】変更
【補正内容】
【0217】以下、エアコン遮断時を例にとり、パラメ
ータKR及び学習値KLの誤演算を防止できるようにし
たこの発明の実施例8について、図21を参照しながら
説明する。図21はエアコン遮断時でのバイパス空気流
量QBYPS、吸気管圧力Pb、パラメータKR及び学
習値KLの時間変化を示すタイミングチャートであり、
図21において、実線、二点鎖線、破線及び一点鎖線
は、それぞれ図18及び図19内と同様のものを示して
いる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0236
【補正方法】変更
【補正内容】
【0236】図23はエアコン投入及び遮断時でのバイ
パス空気流量QBYPS、吸気管圧力Pb、閉弁フラグ
の時間変化を示すタイミングチャートであり、図23に
おいて、全閉吸気圧力値PBL及びPBHは実線で示さ
れ、吸気管圧力Pbは一点鎖線で示され、フィルタ処理
前の予測全閉吸気圧力PBCに所定値ΔPBを加算した
は破線で示され、フィルタ処理後の予測全閉吸気圧力
PBCFに所定値ΔPBを加算した値は二点鎖線で示さ
れている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0259
【補正方法】変更
【補正内容】
【0259】そこで、この発明の実施例12において
は、エンジン回転数Neの変化が所定値以上であること
を検出した後、吸気管圧力Pbが安定するまでの期間
(例えば、1sec間)は、学習値KLの演算を禁止す
る。これにより、エンジン回転数Neが急激に低下して
全閉吸気圧力Pbが急増する場合であっても、図25の
一点鎖線に示すような学習値KLの低下をKL′(破
線)のように防ぐことができ、スロットル弁4の閉状態
を正確に検出することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0298
【補正方法】変更
【補正内容】
【0298】例えば、エアコン用バイパス通路9の空気
流量が標準的なエアコン用空気流量QACよりも少ない
場合、図30に示すように、吸気管圧力Pb(一点鎖
線)は、エアコンスイッチ12がオンのときに、エアコ
ン用バイパス通路9の空気流量が標準的な場合よりも小
さくなる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0300
【補正方法】変更
【補正内容】
【0300】又、エアコン用バイパス通路9の空気流量
が標準的なエアコン用空気流量QACよりも多い場合、
図31に示すように、吸気管圧力Pbは、エアコンスイ
ッチ12をオンに投入したときに、エアコン用バイパス
通路9の空気流量が標準的な場合よりも大きくなる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図23
【補正方法】変更
【補正内容】
【図23】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24
【補正方法】変更
【補正内容】
【図24】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02B 77/08 N 7541−3G F02D 41/02 310 Z 8011−3G

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動タイミングに対応したエ
    ンジン回転数を演算するエンジン回転数演算手段と、 前記エンジンの吸気管圧力を検出する圧力検出手段と、 少なくとも前記エンジン回転数に応じて、吸気管内のス
    ロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1
    及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手段と、 前記第1及び第2の圧力値に対する前記吸気管圧力の関
    係を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段
    と、 前記パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表
    値を学習値として記憶する学習値演算手段と、 前記学習値と前記第1及び第2の圧力値とに基づいて前
    記スロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を
    演算する圧力推定値演算手段と、 前記吸気管圧力が前記圧力推定値に対して所定の関係で
    小さいときに、前記スロットル弁が閉状態であると判断
    するスロットル弁閉状態検出手段とを備えたエンジン制
    御用スロットル弁開閉状態検出装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力値演算手段は、高地でのスロッ
    トル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を前記第1の
    圧力値とし、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧
    力に相当する値を前記第2の圧力値とし、 前記パラメータ演算手段は、前記第2の圧力値と前記第
    1の圧力値との差に対する前記吸気管圧力と前記第1の
    圧力値との差の比率を前記パラメータとし、 前記学習値演算手段は、前記パラメータが前記学習値よ
    りも小さいときに前記パラメータを前記学習値として記
    憶し、前記パラメータが前記学習値以上で且つ所定値よ
    り小さいときに前記学習値を漸増して記憶し、 前記圧力推定値演算手段は、前記第2の圧力値と前記第
    1の圧力値との差に前記学習値を乗算し、更に前記第1
    の圧力値を加算した値を前記圧力推定値とし、 前記スロットル弁閉状態検出手段は、前記吸気管圧力が
    前記圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいとき
    に、前記スロットル弁が閉状態であると判断することを
    特徴とする請求項1のエンジン制御用スロットル弁開閉
    状態検出装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力値演算手段は、高地でのスロッ
    トル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を前記第1の
    圧力値とし、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧
    力に相当する値と前記第1の圧力値との偏差を第2の圧
    力値とし、 前記パラメータ演算手段は、前記第2の圧力値に対する
    前記吸気管圧力と前記第1の圧力値との差の比率を前記
    パラメータとし、 前記学習値演算手段は、前記パラメータが前記学習値よ
    りも小さいときに前記パラメータを前記学習値として記
    憶し、前記パラメータが前記学習値以上で且つ所定値よ
    り小さいときに前記学習値を漸増して記憶し、 前記圧力推定値演算手段は、前記第2の圧力値に前記学
    習値を乗算し、更に前記第1の圧力値を加算した値を前
    記圧力推定値とし、 前記スロットル弁閉状態検出手段は、前記吸気管圧力が
    前記圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいとき
    に、前記スロットル弁が閉状態であると判断することを
    特徴とする請求項1のエンジン制御用スロットル弁開閉
    状態検出装置。
  4. 【請求項4】 エンジンの駆動タイミングに対応したエ
    ンジン回転数を演算するエンジン回転数演算手段と、 前記エンジンの吸気管圧力を検出する圧力検出手段と、 吸気管内のスロットル弁をバイパスするバイパス吸気通
    路と、 前記バイパス吸気通路のバイパス空気流量を推定演算す
    るバイパス空気流量演算手段と、 少なくとも前記エンジン回転数及び前記バイパス空気流
    量に応じて前記スロットル弁が閉状態のときの吸気管圧
    力に関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧力値演
    算手段と、 前記第1及び第2の圧力値に対する前記吸気管圧力の関
    係を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段
    と、 前記パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表
    値を学習値として記憶する学習値演算手段と、 前記学習値と前記第1及び第2の圧力値とに基づいて前
    記スロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を
    演算する圧力推定値演算手段と、 前記吸気管圧力が前記圧力推定値に対して所定の関係で
    小さいときに、前記スロットル弁が閉状態であると判断
    するスロットル弁閉状態検出手段とを備えたエンジン制
    御用スロットル弁開閉状態検出装置。
  5. 【請求項5】 エンジンの駆動タイミングに対応したエ
    ンジン回転数を演算するエンジン回転数演算手段と、 前記エンジンの吸気管圧力を検出する圧力検出手段と、 少なくとも前記エンジン回転数に応じて前記スロットル
    弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1及び第2
    の圧力値を演算する圧力値演算手段と、 前記第1及び第2の圧力値に対する前記吸気管圧力の関
    係を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段
    と、 前記パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表
    値を学習値として記憶する学習値演算手段と、 大気圧を検出する大気圧検出手段と、 前記大気圧に基づいて前記学習値の初期値を演算する学
    習値初期値演算手段と、 前記学習値と前記第1及び第2の圧力値とに基づいて前
    記スロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を
    演算する圧力推定値演算手段と、 前記吸気管圧力が前記圧力推定値に対して所定の関係で
    小さいときに、前記スロットル弁が閉状態であると判断
    するスロットル弁閉状態検出手段とを備えたエンジン制
    御用スロットル弁開閉状態検出装置。
  6. 【請求項6】 エンジンの駆動タイミングに対応したエ
    ンジン回転数を演算するエンジン回転数演算手段と、 前記エンジンの吸気管圧力を検出する圧力検出手段と、 少なくとも前記エンジン回転数に応じて、吸気管内のス
    ロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1
    及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手段と、 前記第1及び第2の圧力値に対する前記吸気管圧力の関
    係を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段
    と、 前記パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表
    値を学習値として記憶する学習値演算手段と、 前記パラメータが前記学習値に対して所定の関係で小さ
    いときに、前記スロットル弁が閉状態であると判断する
    スロットル弁閉状態検出手段とを備えたエンジン制御用
    スロットル弁開閉状態検出装置。
  7. 【請求項7】 前記圧力値演算手段は、高地でのスロッ
    トル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を前記第1の
    圧力値とし、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧
    力に相当する値を前記第2の圧力値とし、 前記パラメータ演算手段は、前記第2の圧力値と前記第
    1の圧力値との差に対する前記吸気管圧力と前記第1の
    圧力値との差の比率を前記パラメータとし、 前記学習値演算手段は、前記パラメータが前記学習値よ
    りも小さいときに前記パラメータを前記学習値として記
    憶し、前記パラメータが前記学習値以上で且つ所定値よ
    り小さいときに前記学習値を漸増して記憶し、 前記スロットル弁閉状態検出手段は、前記パラメータが
    前記学習値に所定値を加算した値よりも小さいときに、
    前記スロットル弁が閉状態であると判断することを特徴
    とする請求項6のエンジン制御用スロットル弁開閉状態
    検出装置。
  8. 【請求項8】 エンジンの駆動タイミングに対応したエ
    ンジン回転数を演算するエンジン回転数演算手段と、 前記エンジンの吸気管圧力を検出する圧力検出手段と、 少なくとも前記エンジン回転数に応じて、吸気管内のス
    ロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1
    及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手段と、 前記第1及び第2の圧力値にフィルタ処理を施して第1
    及び第2のフィルタ後圧力値を演算するフィルタ後圧力
    値演算手段と、 前記第1及び第2のフィルタ後圧力値に対する前記吸気
    管圧力の関係を表わすパラメータを演算するパラメータ
    演算手段と、 前記パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表
    値を学習値として記憶する学習値演算手段と、 前記学習値と前記第1及び第2の圧力値とに基づいて前
    記スロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を
    演算する圧力推定値演算手段と、 前記吸気管圧力が前記圧力推定値に対して所定の関係で
    小さいときに、前記スロットル弁が閉状態であると判断
    するスロットル弁閉状態検出手段とを備えたエンジン制
    御用スロットル弁開閉状態検出装置。
  9. 【請求項9】 前記圧力値演算手段は、高地でのスロッ
    トル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を前記第1の
    圧力値とし、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管圧
    力に相当する値を前記第2の圧力値とし、 前記フィルタ後圧力値演算手段は、前記第1及び第2の
    圧力値に対して1次低域フィルタ処理を施して第1及び
    第2のフィルタ後圧力値とし、 前記パラメータ演算手段は、前記第2のフィルタ後圧力
    値と前記第1のフィルタ後圧力値との差に対する前記吸
    気管圧力と前記第1のフィルタ後圧力値との差の比率を
    前記パラメータとし、 前記学習値演算手段は、前記パラメータが前記学習値よ
    りも小さいときに前記パラメータを前記学習値として記
    憶し、前記パラメータが前記学習値以上で且つ所定値よ
    り小さいときに前記学習値を漸増して記憶し、 前記圧力推定値演算手段は、前記第2の圧力値と前記第
    1の圧力値との差に前記学習値を乗算し、更に前記第1
    の圧力値を加算した値を前記圧力推定値とし、 前記スロットル弁閉状態検出手段は、前記吸気管圧力が
    前記圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいとき
    に、前記スロットル弁が閉状態であると判断することを
    特徴とする請求項8のエンジン制御用スロットル弁開閉
    状態検出装置。
  10. 【請求項10】 エンジンの駆動タイミングに対応した
    エンジン回転数を演算するエンジン回転数演算手段と、 前記エンジンの吸気管圧力を検出する圧力検出手段と、 少なくとも前記エンジン回転数に応じて、吸気管内のス
    ロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1
    及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手段と、 前記第1の圧力値に基づいて前記スロットル弁が閉状態
    のときの吸気管圧力が増加方向にあると判断したときの
    み、前記第1の圧力値をフィルタ処理して第1のフィル
    タ後圧力値を演算する第1のフィルタ後圧力値演算手段
    と、 前記第2の圧力値に基づいて前記スロットル弁が閉状態
    のときの吸気管圧力が増加方向にあると判断したときの
    み、前記第2の圧力値をフィルタ処理して第2のフィル
    タ後圧力値を演算する第2のフィルタ後圧力値演算手段
    と、 前記第1及び第2のフィルタ後圧力値に対する前記吸気
    管圧力の関係を表わすパラメータを演算するパラメータ
    演算手段と、 前記パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表
    値を学習値として記憶する学習値演算手段と、 前記学習値と前記第1及び第2の圧力値とに基づいて前
    記スロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を
    演算する圧力推定値演算手段と、 前記吸気管圧力が前記圧力推定値に対して所定の関係で
    小さいときに、前記スロットル弁が閉状態であると判断
    するスロットル弁閉状態検出手段とを備えたエンジン制
    御用スロットル弁開閉状態検出装置。
  11. 【請求項11】 前記圧力値演算手段は、高地でのスロ
    ットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を前記第1
    の圧力値とし、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管
    圧力に相当する値を前記第2の圧力値とし、 前記第1のフィルタ後圧力値演算手段は、前記第1の圧
    力値が前記第1のフィルタ後圧力値よりも大きいときの
    み、前記第1の圧力値に対して1次低域フィルタ処理を
    施して前記第1のフィルタ後圧力値とし、 前記第2のフィルタ後圧力値演算手段は、前記第2の圧
    力値が前記第2のフィルタ後圧力値よりも大きいときの
    み、前記第2の圧力値に対して1次低域フィルタ処理を
    施して前記第2のフィルタ後圧力値とし、 前記パラメータ演算手段は、前記第2のフィルタ後圧力
    値と前記第1のフィルタ後圧力値との差に対する前記吸
    気管圧力と前記第1のフィルタ後圧力値との差の比率を
    前記パラメータとし、 前記学習値演算手段は、前記パラメータが前記学習値よ
    りも小さいときに前記パラメータを前記学習値として記
    憶し、前記パラメータが前記学習値以上で且つ所定値よ
    り小さいときに前記学習値を漸増して記憶し、 前記圧力推定値演算手段は、前記第2の圧力値と前記第
    1の圧力値との差に前記学習値を乗算し、更に前記第1
    の圧力値を加算した値を前記圧力推定値とし、 前記スロットル弁閉状態検出手段は、前記吸気管圧力が
    前記圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいとき
    に、前記スロットル弁が閉状態であると判断することを
    特徴とする請求項10のエンジン制御用スロットル弁開
    閉状態検出装置。
  12. 【請求項12】 エンジンの駆動タイミングに対応した
    エンジン回転数を演算するエンジン回転数演算手段と、 前記エンジンの吸気管圧力を検出する圧力検出手段と、 少なくとも前記エンジン回転数に応じて、吸気管内のス
    ロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1
    及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手段と、 前記第1及び第2の圧力値に対する前記吸気管圧力の関
    係を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段
    と、 前記パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表
    値を学習値として記憶する学習値演算手段と、 前記学習値と前記第1及び第2の圧力値とに基づいて前
    記スロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を
    演算する圧力推定値演算手段と、 前記圧力推定値に基づいて前記圧力推定値が減少方向に
    あると判断したときのみ、前記圧力推定値に対してフィ
    ルタ処理を施してフィルタ後圧力推定値を演算するフィ
    ルタ後圧力推定値演算手段と、 前記吸気管圧力が前記フィルタ後圧力推定値に対して所
    定の関係で小さいときに、前記スロットル弁が閉状態で
    あると判断するスロットル弁閉状態検出手段とを備えた
    エンジン制御用スロットル弁開閉状態検出装置。
  13. 【請求項13】 エンジンの駆動タイミングに対応した
    エンジン回転数を演算するエンジン回転数演算手段と、 前記エンジンの吸気管圧力を検出する圧力検出手段と、 少なくとも前記エンジン回転数に応じて、吸気管内のス
    ロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力に関連した第1
    及び第2の圧力値を演算する圧力値演算手段と、 前記第1及び第2の圧力値に対する前記吸気管圧力の関
    係を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段
    と、 前記エンジン回転数の変化が所定値以上であることを検
    出する回転数変化検出手段と、 前記回転数変化検出手段が前記エンジン回転数の変化を
    検出した後に所定期間作動するタイマ手段と、 前記タイマ手段が作動していないときに前記パラメータ
    を時系列的に演算処理して得られた代表値を前記学習値
    として記憶する学習値演算手段と、 前記学習値と前記第1及び第2の圧力値とに基づいて前
    記スロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を
    演算する圧力推定値演算手段と、 前記吸気管圧力が前記圧力推定値に対して所定の関係で
    小さいときに、前記スロットル弁が閉状態であると判断
    するスロットル弁閉状態検出手段とを備えたエンジン制
    御用スロットル弁開閉状態検出装置。
  14. 【請求項14】 前記圧力値演算手段は、高地でのスロ
    ットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を前記第1
    の圧力値とし、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管
    圧力に相当する値を前記第2の圧力値とし、 前記パラメータ演算手段は、前記第2の圧力値と前記第
    1の圧力値との差に対する前記吸気管圧力と前記第1の
    圧力値との差の比率を前記パラメータとし、 前記学習値演算手段は、前記パラメータが前記学習値よ
    りも小さいときに前記パラメータを前記学習値として記
    憶し、前記パラメータが前記学習値以上で且つ所定値よ
    り小さいときに前記学習値を漸増して記憶し、 前記圧力推定値演算手段は、前記第2の圧力値と前記第
    1の圧力値との差に前記学習値を乗算し、更に前記第1
    の圧力値を加算した値を前記圧力推定値とし、 前記スロットル弁閉状態検出手段は、前記吸気管圧力が
    前記圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいとき
    に、前記スロットル弁が閉状態であると判断することを
    特徴とする請求項13のエンジン制御用スロットル弁開
    閉状態検出装置。
  15. 【請求項15】 エンジンの駆動タイミングに対応した
    エンジン回転数を演算するエンジン回転数演算手段と、 前記エンジンの吸気管圧力を検出する圧力検出手段と、 吸気管内のスロットル弁をバイパスするバイパス吸気通
    路と、 前記バイパス吸気通路のバイパス空気流量を推定演算す
    るバイパス空気流量演算手段と、 少なくとも前記エンジン回転数及び前記バイパス空気流
    量に応じて前記スロットル弁が閉状態のときの吸気管圧
    力に関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧力値演
    算手段と、 前記第1及び第2の圧力値に対する前記吸気管圧力の関
    係を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段
    と、 前記バイパス空気流量の変化が所定値以上であることを
    検出する空気流量変化検出手段と、 前記空気流量変化検出手段がバイパス空気流量の変化を
    検出した後に所定期間作動するタイマ手段と、 前記タイマ手段が作動していないときに前記パラメータ
    を時系列的に演算処理して得られた代表値を前記学習値
    として記憶する学習値演算手段と、 前記学習値と前記第1及び第2の圧力値とに基づいて前
    記スロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を
    演算する圧力推定値演算手段と、 前記吸気管圧力が前記圧力推定値に対して所定の関係で
    小さいときに、前記スロットル弁が閉状態であると判断
    するスロットル弁閉状態検出手段とを備えたエンジン制
    御用スロットル弁開閉状態検出装置。
  16. 【請求項16】 エンジンの駆動タイミングに対応した
    エンジン回転数を演算するエンジン回転数演算手段と、 前記エンジンの吸気管圧力を検出する圧力検出手段と、 吸気管内のスロットル弁をバイパスするバイパス吸気通
    路と、 少なくともエアコン負荷の有無に応じて前記バイパス吸
    気通路のバイパス空気流量を推定演算するバイパス空気
    流量演算手段と、 少なくとも前記エンジン回転数と前記バイパス空気流量
    に応じて前記スロットル弁が閉状態のときの吸気管圧力
    に関連した第1及び第2の圧力値を演算する圧力値演算
    手段と、 前記第1及び第2の圧力値に対する前記吸気管圧力の関
    係を表わすパラメータを演算するパラメータ演算手段
    と、 前記パラメータを時系列的に演算処理して得られた代表
    値を前記学習値として記憶する学習値演算手段と、 前記エアコン負荷がオフからオンに変化した後に所定期
    間作動するタイマ手段と、 前記タイマ手段の作動中に、前記学習値の更新を禁止す
    ると共に、前記パラメータが前記学習値と一致するよう
    に前記バイパス空気流量を補正するバイパス空気流量補
    正手段と、 前記学習値と前記第1及び第2の圧力値とに基づいて前
    記スロットル弁が閉状態のときの吸気管の圧力推定値を
    演算する圧力推定値演算手段と、 前記吸気管圧力が前記圧力推定値に対して所定の関係で
    小さいときに、前記スロットル弁が閉状態であると判断
    するスロットル弁閉状態検出手段とを備えたエンジン制
    御用スロットル弁開閉状態検出装置。
  17. 【請求項17】 前記圧力値演算手段は、高地でのスロ
    ットル弁閉状態時の吸気管圧力に相当する値を前記第1
    の圧力値とし、低地でのスロットル弁閉状態時の吸気管
    圧力に相当する値を前記第2の圧力値とし、 前記パラメータ演算手段は、前記第2の圧力値と前記第
    1の圧力値との差に対する前記吸気管圧力と前記第1の
    圧力値との差の比率を前記パラメータとし、 前記学習値演算手段は、前記パラメータが前記学習値よ
    りも小さいときに前記パラメータを前記学習値として記
    憶し、前記パラメータが前記学習値以上で且つ所定値よ
    り小さいときに前記学習値を漸増して記憶し、 前記バイパス空気流量補正手段は、前記パラメータが前
    記学習値よりも小さいときに前記パラメータが前記学習
    値と一致するように前記バイパス空気流量を補正し、前
    記パラメータが前記学習値以上で且つ所定値より小さい
    ときに前記バイパス空気流量を漸増し、 前記圧力推定値演算手段は、前記第2の圧力値と前記第
    1の圧力値との差に前記学習値を乗算し、更に前記第1
    の圧力値を加算した値を前記圧力推定値とし、 前記スロットル弁閉状態検出手段は、前記吸気管圧力が
    前記圧力推定値に所定値を加算した値よりも小さいとき
    に、前記スロットル弁が閉状態であると判断することを
    特徴とする請求項16のエンジン制御用スロットル弁開
    閉状態検出装置。
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