JPH0734850B2 - 濾過用素子 - Google Patents

濾過用素子

Info

Publication number
JPH0734850B2
JPH0734850B2 JP63067077A JP6707788A JPH0734850B2 JP H0734850 B2 JPH0734850 B2 JP H0734850B2 JP 63067077 A JP63067077 A JP 63067077A JP 6707788 A JP6707788 A JP 6707788A JP H0734850 B2 JPH0734850 B2 JP H0734850B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
membrane
filtration
fine powder
melt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63067077A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01164405A (ja
Inventor
善比古 武藤
Original Assignee
旭化成工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 旭化成工業株式会社 filed Critical 旭化成工業株式会社
Priority to JP63067077A priority Critical patent/JPH0734850B2/ja
Publication of JPH01164405A publication Critical patent/JPH01164405A/ja
Publication of JPH0734850B2 publication Critical patent/JPH0734850B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、中空糸状濾過膜からなる濾過用素子に関す
る。
詳しく述べるならば、多数本の中空糸状濾過膜の端部が
熱溶融によつて接着固定されている濾過用素子に関す
る。
(従来技術) 従来、中空糸状濾過膜からなる濾過用素子の端部を接着
固定するためには、特公昭39−28625号公報、特公昭44
−5526号公報に記載されているように、接着力が強固で
耐熱性もあり、機械的に強いエポキシ樹脂等の接着剤が
使われている。
(発明が解決しようとする問題点) エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が、多数本の中空糸状濾
過膜の接着固定に使用されると、次のような問題点があ
る。
濾過用素子からのTOCの溶出が問題となる半導体用薬品
の精製や超純水の用途に適用される濾過用素子におい
て、完全に溶出を抑えることが難しいエポキシ樹脂等の
接着剤が使われるのは、決して望ましくない。
また、弗素樹脂製の中空糸状濾過膜が開発され実用化さ
れているが、弗素樹脂は、エポキシ樹脂等の接着剤より
耐熱性、耐薬品性に優れているので、濾過用素子の利用
範囲がエポキシ樹脂の性質で決まつてしまい、弗素樹脂
製中空糸状濾過膜の特性が生かされない。
(問題を解決するための手段) 本発明者は、中空糸状濾過膜からなる濾過用素子につい
て鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂からなる中空糸
状濾過膜においては、中空糸状濾過膜を加熱処理し、中
空糸状濾過膜の端部の少なくとも外周部を溶融させて、
外周部どうしを接近させるか押しつければ、液密的な濾
過用素子の端部が得られるとの考えに至つた。
しかしながら、中空糸状濾過膜は、単なるチユーブとは
異なり、空隙率が30%以上の多孔質体であるため、加熱
による収縮量が大きく、中空糸状濾過膜の内径及び外径
が激減してしまう。
例えば、特開昭62−106808号公報に記載された方法で製
造したエチレン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂製
の内径0.77mm、外径1.24mm、空隙率67%の中空糸状濾過
膜を285℃に設定された炉の中に10秒間放置したのち、
室温まで空冷して得られた中空糸の内径は0.30mmであり
加熱前の約39%にまで激減してしまう。
このことは、中空糸状濾過膜からなる濾過用素子におい
ては、致命的なことである。すなわち、SS分の多い液体
を濾過する時などは、中空糸状濾過膜の内径が小さいた
めに、中空糸状濾過膜の開口端がSS分で閉塞されてしま
い濾過不能となる場合がある。
また、高粘度液体の濾過に際しては、中空糸状濾過膜の
内径が小さいと中空糸状濾過膜の長手方向における圧力
損失が大きくなるため、長手方向での濾過圧力の減少が
大きく、透過量も低下してしまい、濾過用素子としての
経済性も低下し、実用上不利益となる。
同様に外径は、0.42mmまで激減してしまうため、加熱処
理中に中空糸状濾過膜どうしの接触を維持することは困
難であり、中空糸状濾過膜どおしの溶融接着が、容易に
はできないことが判明した。
本発明者は、いかに開口している孔4の径を実質的に濾
過用素子の長手方向で変えずに、液密的に多数本の中空
糸状濾過膜の溶融接着ができるかについて研究を重ねた
結果、中空糸状濾過膜で使つた濾過用素子からのTOCの
溶出がなく、濾過性能に影響を及ぼさない濾過用素子を
完成させるにいたつた。
すなわちこの発明は、(1) 熱可塑性樹脂からなる空
隙率30%〜95%の中空糸状濾過膜の端部の外周部の少な
くとも一部が、中空糸状濾過膜と同一素材が、中空糸状
濾過膜素材の融点の0.5〜1.5倍の融点を有しかつ中空糸
状濾過膜と相溶性のある熱可塑性樹脂を介して、多数本
液密的に溶融接着されており、その溶融接着部の断面に
開口している孔の径が、前記中空糸状濾過膜の内径と実
質的に同一で、かつ濾過用素子の長手方向で変わらない
ことを特徴とする濾過用素子、および、 (2) 中空糸状濾過膜と同一素材か、中空糸状濾過膜
素材の0.5〜1.5倍の融点を有する熱可塑性樹脂層が、溶
融接着部の外周部に溶融接着されていることを特徴とす
る上記(1)の濾過用素子に関する。
本発明に使用される中空糸状濾過膜は、熱可塑性樹脂か
らなる。熱可塑性樹脂としては、PTFE(ポリテトラフル
オロエチレン)、FEP(四ふつ化エチレン−六ふつ化プ
ロピレン共重合樹脂)、PFA(四ふつ化エチレン−パー
フロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、ETFE(四
ふつ化エチレン−エチレン共重合樹脂)、ポリエチレ
ン、ポリスルホンなどがあげられる。
また、本発明に用いられる中空糸状濾過膜としては、外
径8mm以下、好ましくは2mm以下で、膜厚が5μm以上、
好ましくは30〜500μmのものが適しており、膜の空隙
率は30〜95%、特に50〜85%が好適である。ここでいう
空隙率(Pr)とは、ごく一般的に用いられている意味と
同じであり、次式で定義される。
Pr=(1−Pb/Pa)×100(%) ここで、Paは空隙を有さない膜素材の密度、Pbは膜の重
量をその壁膜の体積で割つた値である。
本発明でいう濾過膜とは、平均孔径0.05〜1μのミクロ
フイルターの領域のみならず、よりふるい目の小さな限
外濾過膜をも含むものである。
つぎに、本発明の濾過用素子を図面によつて説明する。
第1図は本発明の濾過用素子の一例の概要を示す正面
図、第2図は第1図のA−A面で切つた濾過用素子の断
面図である。中空糸状濾過膜1の端部の外周部の少なく
とも一部が、中空糸状濾過膜と同一素材か、その融点の
0.5〜1.5倍の融点を有しかつ相容性を有する熱可塑性樹
脂を介して、多数本液密的に溶融接着され、溶融接着部
2を形成し、全体として濾過用素子5を形成している。
本発明でいう融点とは、結晶性樹脂の場合は融点、非晶
性樹脂の場合はガラス転移点をいう。中空糸状濾過膜の
融点の0.5〜1.5倍の融点を有する熱可塑性樹脂として
は、例えば、PTFE(融点327℃)、FEP(融点250〜295
℃)、PFA(融点302〜310℃)、ETFE(融点270℃)、ポ
リエチレン(融点108〜135℃)、ポリスルホン(ガラス
転移点190℃)などが挙げられる。ただし、溶融接着す
る時の最高加熱温度が、どちらか一方の素材の分解温度
以下であるような組合せでなければならない。濾過用素
子としては、中空糸状濾過膜が同一素材の熱可塑性樹脂
を介して、または中空糸状濾過膜素材と同一の融点を有
する熱可塑性樹脂を介して溶融接着されてなるものが好
ましい。
濾過用素子5は溶融接着部2の端面に開口した多数の孔
4を有しており、この孔の径は熱可塑性樹脂を介して溶
融接着される前の中空糸状濾過膜1の内径と実質的に同
一である。しかも、濾過用素子5の長手方向全体にわた
つて、この径の大きさは実質的に変らない。いいかえれ
ば、中空糸状濾過膜1は、その端部の外周部の少なくと
も一部が前記熱可塑性樹脂を介して相互に溶融接着して
いるので、その内径ははじめの状態を維持しているので
ある。
第3図は本発明の濾過用素子の別の一態様を示す正面図
であり、第4図はB−B面で切つたその断面図である。
複数本束ねられた中空糸状濾過膜1は、その両端部にお
いて中空糸状濾過膜と同一素材かその融点の0.5〜1.5倍
の融点を有する熱可塑性樹脂を介して相互に溶融接着さ
れ、溶融接着部2を形成し、溶融接着部2の外周部には
さらに熱可塑性樹脂層6が溶融接着されて、全体として
濾過用素子5が形成されている。すなわち、溶融接着部
2の外周部に熱可塑性樹脂層6が設けられている以外
は、第1図に示された濾過用素子と同じ構造を有する。
熱可塑性樹脂層6は、中空糸状濾過膜と同一素材か、中
空糸状濾過膜素材の融点の0.5〜1.5倍の融点を有する熱
可塑性樹脂からなり、前記したものが使用できる。好ま
しくは、中空糸状濾過膜1と、それらを溶融接着する熱
可塑性樹脂と、熱可塑性樹脂層6がすべて同一素材から
形成されるのがよい。
第1図に示されるような濾過用素子は、溶融接着された
両端部にチユーブを液密に取り付け、このチユーブが原
液の出入口となるモジユール形態が可能である。
また、第3図に示される濾過用素子は、原液の出入口を
有するケース内に濾過用素子を挿入し、熱可塑性樹脂6
とケースとを液密的にシールした原液と濾過液とを隔離
したモジユール形態が取りうる。
以下、本発明の濾過用素子の製造方法の一例として、無
機微粉体を含有している中空糸状濾過膜を用いて濾過用
素子を作製する方法について述べる。
この例は、特開昭62−106808号公報に記載されている方
法で製造される中空糸状濾過膜のうち、該公報の実施例
7で示されている、無機微粉体(微分珪酸)を含み、ク
ロロトリフルオロエチレンオリゴマーが抽出されたエチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体中空糸(半抽出
膜)を用いた。この半抽出膜の端部の肉厚部の少なくと
も外周部に含有されている微粉珪酸を抽出した後、中空
糸状濾過膜と同一素材か中空糸状濾過膜素材の融点の0.
5〜1.5倍の融点を有し、中空糸状濾過膜素材と相溶性の
ある熱可塑性樹脂の微粉体(A)を付着させて、この端
部を加熱することにより、微粉体(A)と中空糸状濾過
膜の外周部を溶融し、半抽出膜の外周部の少なくとも一
部を微粉体(A)を介して溶融接着させる。そして、溶
融接着されている端部の最端部を切断し端部の断面に開
口している孔を得る。無機微粉体を含有した中空糸状濾
過膜から無機微粉体を抽出する方法は、無機微粉体の溶
剤にて行う。
例えば、無機微粉体が珪酸であれば、水酸化ナトリウム
の水溶液で半抽出膜から微粉珪酸を抽出すればよい。こ
の抽出操作を繰り返し行えば、より完全に微粉珪酸が抽
出でき、中空糸状濾過膜に残存する微粉珪酸の量は少な
くなる。
さらに、効率的に半抽出膜から無機微粉体を抽出する方
法は、無機微粉体の溶剤中に中空糸状濾過膜の端部を浸
し、超音波処理するのが良い。この時、半抽出膜の開口
端を封止しておけば、半抽出膜端部の外周部だけから無
機微粉体を抽出除去できる。本発明では、中空糸状濾過
膜の外周部の少なくとも一部が微粉体(A)を介して溶
融接着することが必須であることから、この抽出方法
は、好ましい方法である。超音波処理は、市販の超音波
洗浄器、例えば、BRANSONIC CLEANING EQUIPMENT COMPA
NY製MODEL MODEL B−2200などが使える。
半抽出膜の肉厚部の少なくとも中央部には無機微粉体が
含有されたままであるので、その後加熱しても半抽出膜
の内径は、実質的に減少しない。
この無機微粉体の作用するところは、加熱された時に中
空糸状濾過膜が収縮するのを防ぐことにある。
本発明の製造方法の一例として、微粉体(A)を中空糸
状濾過膜の端部に付着させるに先立つて、中空糸状濾過
膜端部を液体に浸し、中空糸状濾過膜外表面に液体を付
着させるか、中空糸状濾過膜内部まで含浸させた後、微
粉体(A)を付着させることができる。
中空糸状濾過膜端部を浸す液体は、無機化合物や有機化
合物、あるいはそれらの混合溶液であればよく、例え
ば、水、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、エタノール、ジオキシルフタレートなどがあ
る。ただし、中空糸状濾過膜を分解させる液体の選定は
好ましくなく、例えば、ポリスルホンからなる中空糸状
濾過膜にN,N−ジメチルアセトアミドやN−メチルピロ
リドンなどを選定するのは好ましくない。
中空糸状濾過膜を液体に浸す時間は、0.2秒以上あれば
充分である。この時、中空糸状濾過膜1本あるいは複数
本束ねて液体に浸してもよく、複数本束ねて液体に浸す
場合には、液体の粘度の影響で束の中心部に液体が浸透
しにくい場合があるので、中空糸状濾過膜束の端部を液
体に含浸させながら超音波処理するなどすれば、液体が
束の内側の中空糸状濾過膜外周部に付着あるいは/及び
含浸する。さらに、液体の温度を高めておけば、液体の
粘度は低下し、より効果的である。
微粉体(A)は、中空糸状濾過膜素材と相溶性があり、
融点が中空糸状濾過膜素材の融点の0.5〜1.5倍の融点を
有することが好ましく、さらには融点が同一のものが良
い。最も好ましいのは、中空糸状濾過膜と同一素材から
なる微粉体を用いることである。
付着させる微粉体(A)の量は、中空糸状濾過膜の外径
及び中空糸状濾過膜端部に付着している液体あるいは含
浸している液体の種類によつて左右されるが、中空糸状
濾過膜端部の外周部に少なくとも膜厚の100分の1以
上、好ましくは100分の1から20倍の厚さまで付着させ
るのがよい。
また、付着させる微粉体(A)は、融点の異なる素材の
微粉体の混合物でも良い。
微粉体(A)を付着させる方法は、微粉体中に中空糸状
濾過膜を入れるか、微粉体を吹きつけるか、あるいは塗
布するかいずれの方法でもよい。
また、中空糸状濾過膜1本あるいは複数本束ねて微粉体
(A)を付着させてもよく、複数本束ねて微粉体中に入
れる場合には、中空糸状濾過膜束の端部を微粉体中に入
れながら超音波処理するなどすれば、微粉体(A)が束
の内側の中空糸状濾過膜の外周部に付着する。
なお、液体と微粉体(A)を混合しておき、この混合溶
液を中空糸状濾過膜あるいは中空糸状濾過膜束に付着さ
せてもかまわない。
加熱処理は、中空糸状濾過膜の素材の融点以上好ましく
は、融点+100℃の範囲で行うのが良い。
また、加熱処理する時間は、通常0.2秒から60分程度で
充分である。
この加熱によつて中空糸状濾過膜端部の外周部の少なく
とも一部が微粉体(A)を介して溶融し接着し合うこと
が必須である。
得られる濾過用素子の最終形体においては、溶融接着し
ている部分以外では、半抽出膜からほぼ完全に無機微粉
体が抽出された中空糸状濾過膜でなければ、濾過膜とし
ての機能が充分に発揮されない。
以下に、端部が溶融接着された半抽出膜の束からほぼ完
全に無機微粉体を抽出除去して、中空糸状濾過膜からな
る濾過用素子を作製する一方法について述べる。
半抽出膜から無機微粉体をほぼ完全に除去するには、無
機微粉体の溶剤を用いてくり返し抽出操作を行うか半抽
出膜が侵されない条件、例えば、高温、高濃度溶液で抽
出するのが望ましい。
本発明の中空糸状濾過膜からなる濾過用素子は、中空糸
状濾過膜に含有される無機微粉体の一部を抽出除去した
あと、好ましくは、中空糸状濾過膜端部の外周部に微粉
体(A)を付着させ、その部分を加熱処理する方法など
により、中空糸状濾過膜の端部の外周部を溶融して、中
空糸状濾過膜の外周部の少なくとも一部が微粉体(A)
を介して溶融接着して得られる物であるので、従来品の
ようにエポキシ樹脂等で中空糸状濾過膜の束を接着固定
させている物とは異なり、接着剤に由来する欠点がな
い。
前記した例では、無機微粉体の作用により、中空糸状濾
過膜の肉厚部分を全て溶融させることなく、中空糸状濾
過膜端部の少なくとも外周部だけを溶融させるので、中
空糸状濾過膜の内径を殆ど縮ませずに中空糸状濾過膜の
端部と溶融接着でき、濾過性能の低下がない濾過用素子
を得ることができる。
さらに付け加えるならば、微粉体(A)を中空糸状濾過
膜の外周部に付着させるために液体を使うこともでき
る。液体を用いた場合は、端部が加熱された時に液体が
気化し、その気化熱によつて加熱された中空糸状濾過膜
から熱を奪うので、中空糸状濾過膜の内部のほうまで温
度が上昇するのを妨げ、その結果、中空糸状濾過膜の収
縮を抑える作用があると考えられる。
しかしながら、液体を使うことは、本発明の必須要件で
はない。
次に、無機微粉体を含有していない中空糸状濾過膜を用
いて濾過用素子を作成する方法について延べる。
まず、特開昭53−43390号公報の実施例1で示される方
法で目止めし、中空糸状濾過膜の端部をそろえて束ね、
この端部をエポキシ樹脂で接着固形した後、最端部を切
断して開口端を得る。
もう一方の端部を同様に目止めした後、この束の全周に
わたつて非粘着性のテープを巻く。このテープは、中空
糸状濾過膜素材の融点より高い融点を有することが望ま
しい。
この目止めされている中空糸状濾過膜どおしの隙間に無
機微粉体(A)を前述した超音波処理によつて埋め込
む。
そして、この端部を加熱処理すると同時に、エポキシ樹
脂で接着固定された開口端から常温の不活性ガスを導入
する。
この方法によれば、中空糸状濾過膜の内径は、縮むこと
なく、無機微粉体(A)を介して中空糸状濾過膜が液密
的に溶融接着されている。溶融接着された最端部を切断
することにより、開口端が得られる。
もう一方の、エポキシ樹脂によつて接着固定されている
部分を切り落とし、前記溶融接着された端部の製造方法
とほぼ同様な操作を行えば、束の両端ともが液密的に溶
融接着された開口端を得ることができる。
別の方法としては、前法同様の目止めした後、中空糸状
濾過膜の端部をそろえて束ねた後、この束の全周にわた
つて非粘着性のテープを巻く。
非粘着性のテープは、中空糸状濾過膜の素材の融点より
高い融点を有する素材からなることが望ましい。
この目止めされている中空糸状濾過膜の端部に液体を含
浸させた後、前述の方法で中空糸状濾過膜どおしのすき
間に無機微粉体(A)を埋め込む。
そして、この端部を加熱処理することによつて無機微粉
体(A)を介して液密的に中空糸状濾過膜どおしを溶融
接着できる。
この溶融接着された束の最端部を切り落とし、目止めさ
れていた部分を除去すれば、開口端が得られる。
(実施例1) 特開昭62−106808号公報の実施例7に記載されている、
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂製の、微
粉珪酸を含みクロロトリフルオロエチレンオリゴマーが
抽出された中空糸(半抽出膜)を用いた。この半抽膜の
内径は0.77mm、外径は1.24mm平均孔径0.21μ、空隙率67
%であり、融点は約270℃である。
まず、この半抽出膜の開口端部を特公昭53−43390号公
報の実施例1で示される方法で目止めした後、この半抽
出膜の端部だけを5%NaOH水溶液(25℃)に浸しながら
前記市販の超音波洗浄器MODEL B−2200を用いて、65分
間の超音波処理を行い、膜外周部の微粉珪酸を除去し
た。
この処理された10本の目止めされたままの半抽出膜の端
部を整え束ね、端部の束の外周部にテープ(NITOFLON P
IPESEAL(商品名))を巻き、この束の端部を中空糸状
濾過膜と同一素材からなる微粉体(ASTM100メツシユパ
ス)の中に入れ、30秒間超音波処理したのち、285℃に
設定された炉の中に端部だけ約270秒間放置した後、炉
から抜き出し放冷した。
この操作を半抽出膜のもう一方の端部にも施した後、こ
の10本の半抽出膜の束全体を70℃、40%NaOH水溶液中に
一時間浸漬して、半抽出膜全体から微粉珪酸をほぼ完全
に抽出除去した。
この束の両端部にある目止め部をナイフで切断し、溶融
接着した端部の断面に開口する孔を得、中空糸状濾過膜
からなる第1図に示されるような濾過用素子を作製し
た。
開口している孔の径を、表−1に記載した。
(実施例2) 実施例1と同様に目止めし、膜外周部の微粉珪酸を除去
した半抽出膜を10本束ね、この束が隙間なく入る半抽出
膜と同一素材からなる中空円筒状スリーブの中に半抽出
膜の端部を挿入した。スリーブの中に入つていない半抽
出膜の束の外周部に日本バルカ株式会社製のシールテー
プを巻きつけ、実施例1と同様に微粉体の中にこのスリ
ーブを入れ、超音波処理を30秒間行った。その後、285
℃に設定された炉の中にこのスリーブの部分だけを入
れ、同時に半抽出膜のもう一方の開口端から約25℃の窒
素ガスを20ml/min〜4000ml/minの範囲で流したまま約5
分間放置した後、炉から抜き出し放冷した。
そして、スリーブの端部の一部をダイヤモツドカツター
で切り落とし、溶融接着した端部の断面に開口している
孔を得た。
この操作を半抽出膜のもう一方の端部にも施した後、こ
の10本の半抽出膜の束全体を70℃、40%NaOH水溶液中に
一時間浸漬して、半抽出膜全体から微粉珪酸をほぼ完全
に抽出除去し、中空糸状濾過膜からなる第3図に示した
ような濾過用素子を作製した。
開口している孔の径を、表−1に記載した。
(比較例) 特開昭62−106808号公報の実施例7で示されるクロロト
リフルオロエチレンオリゴマー及び微粉珪酸を抽出して
得られたエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体多
孔膜を用いて、特公昭53−43390号公報の実施例1に示
される方法で、10本の該多孔膜をエポキシ樹脂を用いて
接着固定して、濾過用素子を作製した。
開口している孔の径を表−1に記載した。
(参考例) 実施例1、実施例2および比較例で作製したそれぞれの
濾過用素子を室温に保たれた200mlの35%過酸化水素水
に浸漬した。この浸漬液は、一日に一回交換し、定期的
に浸漬液のTOCを(株)島津製作所製TOC−500で測定し
た。
測定結果は、表−2に示した。
(発明の効果) 表−1及び表−2に示されるように、実施例1及び実施
例2の濾過用素子は、TOCの溶出がなく、開口している
孔の径も殆ど縮んでおらず、中空糸状濾過膜の内径が小
さくなることによる濾過性能の低下はない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の濾過用素子の一例の概要を示す正面図
であり、第2図は第1図のA−A面の概要を示す断面図
である。 第3図は端部外周部に熱可塑性樹脂層を有する本発明の
濾過用素子の一例の概要を示す正面図であり、第4図は
第3図のB−B面を示す断面図の概要である。 1……中空糸状濾過膜、2……溶融接着部 3……断面、4……孔 5……濾過用素子、6……熱可塑性樹脂層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂からなる空隙率30%〜95%の
    中空糸状濾過膜1の端部の外周部の少なくとも一部が、
    中空糸状濾過膜と同一素材か、中空糸状濾過膜素材の融
    点の0.5〜1.5倍の融点を有しかつ中空糸状濾過膜と相溶
    性のある熱可塑性樹脂を介して、多数本液密的に溶融接
    着されており、その溶融接着部2の断面3に開口してい
    る孔4の径が、前記中空糸状濾過膜の内径と実質的に同
    一で、かつ濾過用素子の長手方向で変わらないことを特
    徴とする濾過用素子5
  2. 【請求項2】中空糸状濾過膜と同一素材か、中空糸状濾
    過膜素材の融点の0.5〜1.5倍の融点を有する熱可塑性樹
    脂層6が、溶融接着部2の外周部に溶融接着されている
    ことを特徴とする請求項(1)記載の濾過用素子
JP63067077A 1987-07-13 1988-03-23 濾過用素子 Expired - Lifetime JPH0734850B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63067077A JPH0734850B2 (ja) 1987-07-13 1988-03-23 濾過用素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62-174453 1987-07-13
JP17445387 1987-07-13
JP63067077A JPH0734850B2 (ja) 1987-07-13 1988-03-23 濾過用素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01164405A JPH01164405A (ja) 1989-06-28
JPH0734850B2 true JPH0734850B2 (ja) 1995-04-19

Family

ID=26408271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63067077A Expired - Lifetime JPH0734850B2 (ja) 1987-07-13 1988-03-23 濾過用素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0734850B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0734852B2 (ja) * 1988-12-28 1995-04-19 旭化成工業株式会社 中空糸状ミクロフィルター束の製造方法
JP3077020B2 (ja) 1996-04-25 2000-08-14 株式会社キッツ 中空糸型分離膜モジュール
WO2000044485A2 (en) * 1999-01-29 2000-08-03 Millipore Corporation Perfluorinated thermoplastic filter cartridge

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01164405A (ja) 1989-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4980060A (en) Hollow fiber membranes with fusion-bonded end portions
EP0641247B1 (en) Hollow fiber filter cartridge and method of manufacture
KR100809177B1 (ko) 스파이럴형 막 요소 및 그 제조 방법
US5538642A (en) Spiral wound membrane element
KR100455263B1 (ko) 필터 엘리멘트(filter element)
JPS61242607A (ja) スリツトを有する中空糸型モジユ−ルの製造方法
JP2009101311A (ja) 濾過用分離膜エレメント及び濾過用膜モジュール
JP3115624B2 (ja) 中空糸型膜モジュールおよびその製造方法
CN109550410A (zh) 一种聚四氟乙烯中空纤维膜及制造方法
JP2507456B2 (ja) フィルタ−エレメントとその製法
JPH0734850B2 (ja) 濾過用素子
CN112654416B (zh) 用于制成过滤和/或扩散装置的方法
JPH01164404A (ja) 濾過素子
JPH0671536B2 (ja) フツ素樹脂製プリ−ツ状フイルタ−部材
JP3077260B2 (ja) 中空糸状多孔質分離膜エレメントおよびその製造方法
JPH03106421A (ja) 流体分離モジュール及びその製造法
JPH0734852B2 (ja) 中空糸状ミクロフィルター束の製造方法
JPH03106422A (ja) 流体分離モジュール及びその製造方法
JPS61149220A (ja) フイルタ−エレメント
JPH09276667A (ja) 耐溶剤性中空糸状半透膜型カートリッジ及びその半透膜型モジュール
JPH0734851B2 (ja) 中空糸状多孔質膜を用いた濾過素子
JP2992087B2 (ja) 濾過モジュールの製造法
JP3628383B2 (ja) 熱水の濾過処理用中空糸膜モジュール及びその製造方法
JPH01293105A (ja) 濾過用素子の製造法
JP3046086B2 (ja) 中空糸膜束の樹脂固定方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term