JPH0734700Y2 - 光学読取表示を施した複写伝票 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案はノーカーボン用紙を主体とする複写用紙を数枚
重ね合せてなる複写伝票、殊に、バーコードや読取用ナ
ンバーなどの情報伝達用の光学読取表示を施して、処理
を簡単且つ迅速に行うことが可能な複写伝票に関するも
のである。

【従来の技術】

従来、例えば商品移動に伴なう業務に必要とされる伝票
などのように一部は送り人の元票として、一部は運送や
経理その他の物流関連部門の各事務処理用の控えとして
用いることが可能なようにノーカーボン用紙を主体とす
る複写用紙を数枚重ね合せてなる複写伝票が用いられ
る。 また、これらの複写伝票において、処理を簡易迅速に行
う目的で、伝票にバーコードや読取用ナンバーなどの光
学読取表示を予め印刷しておくことが行なわれている。

【考案が解決しようとする課題】

ところが、バーコードや読取用ナンバーなどの光学読取
表示の読取は、光学読取表示の黒色部と白色部との反射
率の差によって個々の情報を識別するものである。 従って、第３図（ロ）に示すように薄手の複写用紙2bを
用いると、減感インキ層４の上に印刷された光学読取表
示５を読取る際に読取機からの光が複写用紙2bを透過す
る。そのため、次頁の複写用紙3bに印刷された光学読取
表示などの印刷物５が読取の邪魔をして誤読を生じる。 そこで、光学読取の際に次頁の印刷による影響を受ける
ことを防止するために第３図（イ）に示すように厚手の
複写用紙2a,3aが使用されていた。 そのため、最下用紙まで複写させるためには強い圧力を
加えなければならず、判読困難となる場合が多く、ま
た、プリンター印字をする場合にはプリンターの印字可
能の枚数を越えてしまうことになり、必然的に複写の枚
数を減らすことにより対応していた。

【考案の目的】

本考案はこれらの実情に鑑みてなされたものであって、
複写の枚数を減らすことなく、且つ誤読することなしに
光学読取による処理が可能な複写伝票を提供することを
目的とする。

【課題を解決するための手段】

本考案は、ノーカーボン用紙を主体とする複写用紙を複
数枚重ね合せてなり、前記複写用紙の表面所定位置に発
色防止用の減感インキ層が設けられているとともに、こ
の減感インキ層上に光学読取表示を施した複写伝票にお
いて、前記複写用紙の裏面における前記光学読取用表示
位置に誤読防止用の塗工層が設けられている、という構
成を以て前記課題を解決するための手段とした。

【作用】

複写用紙の裏面に設けた塗工層が、読取機から発せられ
る光を遮断して次頁へ透過するのを防止する。

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面を参照して説明する。 第１図および第２図は本考案の一実施例を示すものであ
り、それぞれ比較的薄手の上葉紙１、中葉紙２および下
葉紙３が背糊加工されて複写伝票が構成されている。 そして、上葉紙１はノーカーボンであるとともに、中葉
紙２は所定位置に減感インキ層４が設けられており、更
にその上に、バーコードからなる光学読取表示５が施さ
れている。 また、中葉紙２の裏面には光学読取表示５の位置に塗工
層６が設けられている。 この塗工層６は光学読取に支障がないばかりか、光学読
取機からの読取用の光を遮断して下葉紙３に透過させな
い効果のあるインキにより形成される。 試験の結果、白色インキでは遮断光効果が充分でなく誤
読を生じ、また、黒色インキの場合には読取部分の反射
率が低下して誤読或いは読取困難な場合が生じた。 そのため、塗工層６を白色インキおよび黒色インキによ
り形成することは避ける方が好ましい。 また、下葉紙３は、中葉紙２と同位置に減感インキ層４
およびバーコードからなる光学読取表示５が印刷されて
いる。 かかる構成を有する複写伝票は従来のものと同様に上葉
紙１上からボールペン、或いはプリンターなどのように
下頁へ加圧が可能な適宜の手段により記載すれば、中葉
紙２および下葉紙３に複写される。 このとき、上葉紙１、中葉紙２および下葉紙３とに薄手
のものを使用することによりきわめて容易に且つ確実に
複写が行なわれる。 そして、例えば上葉紙１を取除いて露出させた中葉紙２
について、その表面に予め印刷されている光学読取表示
５を読取機により読取った際に、読取機から発せられた
光は中葉紙２の裏面に設けられた塗工層６により遮断さ
れる。 従って、下葉紙３の表面に印刷されている事項、例えば
光学読取表示５が読取の邪魔をして誤読を生じる心配も
ない。 尚、本実施例では、光学読取表示５としてバーコードを
用いたが、例えばOCRBフォントのようなナンバーなどに
ついても同様に実施することができることは云うまでも
ない。

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、薄手の複写用紙を使用し
ても次頁の印刷が透けて誤読が生じるという従来の問題
点は解決でき、同時に読取率の向上にも効果的である。
また、薄手の用紙が使用できるので複写能力も向上し、
複写用紙の枚数を増加することでより頁数の多い帳票の
製品化が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる複写伝票の一実施例で、一部を
切除した状態の斜視図、第２図は第１図に示した複写伝
票の断面図、第３図は従来例を示すものであり、第３図
イは厚手の複写用紙使用時の読取光の反射状態、ロは厚
手の複写用紙使用時の読取光の反射状態をそれぞれ示す
説明図である。 １……複写上葉紙 ２……複写中葉紙 ３……複写下葉紙 ４……減感インキ層 ５……光学読取表示 ６……塗工層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ノーカーボン用紙を主体とする複写用紙を
   複数枚重ね合せてなり、前記複写用紙の表面所定位置に
   発色防止用の減感インキ層が設けられているとともに、
   この減感インキ層上に光学読取用表示が印刷されている
   光学読取表示を施した複写伝票において、前記複写用紙
   の裏面における前記読取用表示位置に誤読防止用の塗工
   層が設けられていることを特徴とする光学読取表示を施
   した複写伝票。