JPH0734467U - 高輝度発光ダイオード表示器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高輝度光を放射することの可能な発光ダイオ
ード表示器を提供する。 【構成】 金属ケース内部に収納された発光ダイオード
チップと金属ケースの開口部に凸レンズを備えた発光ダ
イオード表示器において、金属ケース６の内面を放物面
鏡６Ａに形成し、その放物面の焦点付近に発光ダイオー
ドチップ７を設置する構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、発光ダイオード表示器（以下ＬＥＤ表示器と略称する）に関し、特 に高輝度の光を放射することのできるＬＥＤ表示器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、可視光域ＬＥＤは、種々の光学的表示器の発光手段として広く利用さ れており、例えば屋外表示器では高輝度型ＬＥＤが使用されている。また、赤外 光域ＬＥＤは屋外、屋内の光空間における光空間通信用発光器に利用され、特に 高輝度化、小型化、小電力化が必要な分野で有効に利用されている。

【０００３】 従来、この種のＬＥＤ表示器としては図５に示すような金属ケース封入型ＬＥ Ｄ表示器が知られている。金属ケース１の内壁１Ａは円筒形状であり、金属ケー ス１の基部底面１Ｂに対してほぼ垂直な円筒面である。ＬＥＤチップ３から放射 された光は放射角度θの広がりをもって開口部に設けられた凸レンズ５に向けて 放射される。このとき、ＬＥＤチップ３から放射される光は、立方体形状を有す るＬＥＤチップ３の発光する面５つのうち、主として上面のみから発光した光で あるため、光の利用効率は約２０％から３０％程度に過ぎない。

【０００４】 そこで、ＬＥＤの放射強度を高めるために、すなわち高輝度化するために 駆動電流を増やす ＬＥＤ発光器内部で発光した光をレンズで集光する 等の方法が従来行われている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記の方法では、チップの熱容量に限界があるために駆動電流 を定格以上に増やすことができない。また大電流を流すためには、チップ体積を 大きくする必要があり、そのためコスト高となる不都合があった。

【０００６】 またの方法では、前面に光学レンズを付加しても現状の光利用効率はせいぜ い約３０％である。それは立方体の構造をもつＬＥＤチップの全６面からなる発 光面のうち、主として上面で発光された光のみを利用しているためである。この ように高輝度化には限界があった。

【０００７】 本考案は、上記従来技術の問題点を解決するようにした高輝度発光ダイオード 表示器の提供を目的とする。

【０００８】

【課題が解決するための手段】

本考案は、このような従来技術の問題点を解決するために、金属ケース内部に 収納された発光ダイオードチップと金属ケースの開口部に凸レンズを備えた発光 ダイオード表示器において、 金属ケースの内面を放物面鏡に形成し、その放物面の焦点付近に発光ダイオー ドチップを設置する構成を特徴とする。

【０００９】

【作用】

本考案によれば、放物面の焦点付近に例えば立方体構造を有するＬＥＤチップ を設置すると、ＬＥＤチップの底面を除くすべての面（すなわち上面及び４つの 側面）から発光した光は、放物面鏡で反射されることにより平行光線となって金 属ケース開口部に向けて放射されるので、光の利用効率が著しく向上する。それ によって (1) 駆動電流、ＬＥＤチップの発光効率及びＬＥＤ発光素子の形状等を変更 することなく従来のＬＥＤ表示器の２倍以上の光放射強度が得られる (2) 消費電流、ＬＥＤ発光素子の発熱、寿命は従来品と同等でありながら、 ２倍以上の光放射強度が得られる (3) 従来品と同一光放射強度で使用する場合には、消費電力を約１／２に低 減することが可能となる という利点を得る。

【００１０】 さらに、可視光用ＬＥＤ表示器の場合には、非拡散型及び拡散型発光素子を用 いて高輝度型表示器が得られ、従来品と同輝度をもつものであれば約１／２の省 電力型表示器が得られる。赤外光用ＬＥＤ発光素子の場合には、光空間データ通 信用ＬＥＤの小型化が達成され、約２倍の通信距離を有する光空間データ通信用 ＬＥＤ表示器が得られ、また車両感知器、測距センサ、存在検知器等の光学式ア クティブセンサが得られる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例につき図１から図４を参照して詳細に述べる。図１及 び図２において、金属ケース６の内面は放物面（正確には放物面の２焦点間の距 離を２等分した放物面）に形成されており、金属メッキ処理等が施されて放物面 鏡６Ａを形成している。

【００１２】 この放物面鏡６Ａの焦点付近にＬＥＤチップ７を設置し発光させた場合、図２ に示すようにＬＥＤチップ７の上面７Ａ及び側面７Ｂ，７Ｃ，７Ｄ，７Ｅの合計 ５面から放射された光はすべて放物面鏡６Ａで反射されて上方の開口部に向かっ て平行光線となって凸レンズ８に入射され集光される。

【００１３】 図５に示した従来例と比較すると、ＬＥＤチップの上面以外の全側面から放射 される光まで利用されるので、２倍以上の光放射強度を得ることができる。凸レ ンズ８は透明な樹脂充填材で形成されるが、透明樹脂充填材を使用せず、平凸ガ ラスレンズをその開口部に配置しても良い。

【００１４】 また、前述実施例においては金属ケースを使用したが、金属ケースを使用する 替わりに図３に示すように透明樹脂充填材の外周表面が回転放物面９となるよう にモールド成型し、その外周表面全体に鏡面処理層１０を施すことにより、上記 実施例と同等の効果を達成可能な放物面鏡を得ることができる。ＬＥＤチップ７ はモールド成型時に回転放物面９の焦点位置に設置したうえでモールド成型され る。凸レンズ８Ａも同様にモールド成型時に形成される。

【００１５】 図４は、本考案の光放射強度を従来例と比較して示すグラフであり、図４から 明らかなように両者同一の開口部直径に対して光放射強度は従来例に比べ本考案 の場合は２倍以上の光放射強度を得ることが可能となる。凸レンズに入射される 光線は平行光線であるが、凸レンズの焦点距離を変更することにより、任意の指 向角度を得ることが可能となる。

【００１６】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、放物面鏡を利用してＬＥＤチップからの放 射光を有効に利用するので、ＬＥＤチップの駆動電流、発熱量、寿命、形状等を 従来例と同等とすると、２倍以上の光放射強度を得ることが可能となる。したが って、光放射強度が従来例と同等で良い場合には従来例の約１／２の消費電力で 作動可能となり、省電力化に有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例としての高輝度ＬＥＤ表示器を
示す概略断面図である。

【図２】実施例におけるＬＥＤチップを示す斜視図であ
る。

【図３】本考案の他の実施例を示す概略断面図である。

【図４】実施例における光放射強度を従来例と比較して
示すグラフである。

【図５】従来のＬＥＤ表示器を示す概略断面図である。

【符号の説明】

６ 金属ケース ６Ａ 放物面鏡 ７ ＬＥＤチップ ８，８Ａ 凸レンズ ９ 回転放物面 １０ 鏡面処理層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 秋山 賢輔 東京都三鷹市下連雀五丁目１番１号 日本 無線株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属ケース内部に収納された発光ダイオ
   ードチップと該金属ケースの開口部に凸レンズを備えた
   発光ダイオード表示器において、 前記金属ケースの内面を放物面鏡に形成し、その放物面
   の焦点付近に前記発光ダイオードチップを設置すること
   を特徴とする高輝度発光ダイオード表示器。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記発光ダイオード
   チップから放射された光線が、前記金属ケースの開口部
   に設けられた凸レンズに平行光線となって入射されるこ
   とを特徴とする高輝度発光ダイオード表示器。