JPH0734114Y2 - キーレス施錠装置 - Google Patents

キーレス施錠装置

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JPH0734114Y2
JPH0734114Y2 JP10744791U JP10744791U JPH0734114Y2 JP H0734114 Y2 JPH0734114 Y2 JP H0734114Y2 JP 10744791 U JP10744791 U JP 10744791U JP 10744791 U JP10744791 U JP 10744791U JP H0734114 Y2 JPH0734114 Y2 JP H0734114Y2
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JP
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locking
locking body
plate
spring
rearward
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光治 戸田
昌典 内田
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昭和ロック株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、キーを用いることなく
扉外側からの解錠を可能とするキーレス施錠装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】上記のようなキーレス施錠装置において
は、例えば、特開平2−30864号公報に記載されて
いるように、扉の扉外側に取り付けられている解錠操作
盤に、英数字の付された複数の押ボタンが配列されてい
る。上記解錠操作盤内には、上下動自在なスライド板
と、各押ボタンの後方にそれぞれ小形状の板材から成る
係止板とが設けられ、これら係止板はスライド板に設け
られている切欠き凹部内にスライド方向と交差して位置
している。各係止板は、それぞればね部材によって初期
位置に付勢される一方、押ボタンの押下操作に応じて上
記初期位置から後方に移動したときには、それぞれ位置
決め用ばねによって後退位置に定置される。
【0003】即ち、位置決め用ばねは、上下方向に延び
る基部に、後方へ延びる張出部が左右に対をなして上下
方向に形成され、左右の張出部の側方にそれぞれ係止板
が配され、後方へ移動した係止板の位置決め用係合溝が
上記の張出部と係合することにより、係止板が後退位置
に保持されるようになっている。
【0004】そして、予め定められた解錠組合せ番号に
対応する係止板には上記後退位置でのスライド板との交
差領域に、また、その他の係止板には上記初期位置での
スライド板との交差領域に、それぞれ開口部が形成され
ている。これにより、上記解錠組合せ番号に対応する押
ボタンが押された時にだけ、全ての係止板は、スライド
板との交差領域に開口部が位置するものとなり、これに
よって、スライド板は各係止体の開口部を通して上昇移
動可能状態となる。この状態において、開扉のためのノ
ブ操作を行う場合に、上記スライド板に上昇移動を生
じ、この移動動作に連動してデッドボルト等の施錠体が
扉の端面から没入する。この結果、キーを用いることな
く解錠して扉を開くことができるようになっている。
【0005】しかしながら、上記装置においては、解錠
組合せが製品組立段階で一義的に定まるものとなってお
り、使用者自らがこれを変更することに対する考慮はあ
まりなされていない。このような変更は、各係止板を、
扉の貫通穴を通して背面側から一旦取り外し、例えば前
後を逆にして装着し直す作業にて行うことが可能ではあ
るが、微小形状の上記係止板を扉を通して脱着する作業
時には、例えば、落下喪失を生じないように細心の注意
を払いながら行うことが必要であり、その作業は極めて
煩雑なものとなる。この結果、使用者は、製品組立段階
での解錠組合せ状態で使用を継続するしかなく、例えば
他人に解錠組合せ番号を知られた場合等においては、新
たな装置に取り替えることが必要となり、このため、使
用快適感が充分には得られないものとなっている。
【0006】そこで、本願出願人は、上記の係止板、即
ち係止体として、一方の側端部をスライド板の端面側に
向けて装着される平板部材より成ると共に、後退位置に
位置するときのスライド板との上記一方の側端部側の交
差領域と、裏返して装着したときの初期位置におけるス
ライド板との他方の側端部側の交差領域とにそれぞれ開
口部が形成され、かつ、両側端部間の中心線回りに回転
させることによりスライド板との交差領域を一方の側端
部側から他方の側端部側に切換えるための後方延出部を
備えているキーレス施錠装置を先に提案している(実願
平3−298号(実開平4−94070号公報)参照)。
【0007】このような構成によれば、各係止体に対
し、それまでの装着状態から180°回転させて裏返し
にした後、装着し直すという操作を後方延出部にて行う
ことが可能であり、これにより、解錠組合せを変更する
ことができる。従って、この場合には、係止体を解錠操
作盤から取り外す必要がないので、使用者自らが容易に
行うことができる。このため、例えば他人に解錠組合せ
番号を知られた場合等においても、その不具合状態を、
使用者自らの変更作業で迅速かつ容易に解消し得るの
で、使用快適性が従来よりも向上するようになってい
る。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記のキー
レス施錠装置において、各係止体は、一方の側端部がス
ライド板の側端部と常時対向するように、即ち前後方向
へは移動可能あるが回転を生じないように、係止体の幅
広部が係止体保持部材により保持されている。従って、
例えば初期位置にある係止体を180°回転させるため
には、係止体の後方延出部を掴んで、上記の幅広部が係
止体保持部材を通過し、この幅広部よりも幅が狭く係止
体保持部材位置において係止体が回転可能となる幅狭部
が係止体保持部材位置に位置するように、係止体を引き
出した後、係止体を回転させ、その後、係止体を前方へ
戻す操作を行う必要がある。そして、このときの係止体
を引き出す操作は、押ボタンを押して係止体を後方へ移
動させる操作に相当するので、係止体は、回転後に前方
へ戻されたとき、その位置決め用係合溝、即ち被係止部
が位置決め用ばねの張出部、即ち係止突片部に係合さ
れ、係止体は後退位置に保持されることになる。
【0009】この場合、係止体は引き出される前の位置
よりも後方位置にあり、操作者は、前方への戻りが不充
分であるものと勘違いし、さらに押し込み動作を行いが
ちである。このような操作が行われた場合、位置決め用
ばねの係止突片部が係止体の被係止部に押し潰されてし
まい、動作不良を生じるという問題点を有している。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の考案のキーレ
ス施錠装置は、上記課題を解決するために、解錠操作盤
の表面に複数の押ボタンが配列され、この押ボタンの押
下操作によって係止体が初期位置から後方の後退位置へ
と押動され、解錠方向へのスライド板の移動が初期位置
または後退位置に移動した係止体の開口部を通じて可能
となり、後退位置に押動された係止体は、その被係止部
が位置決め用ばね部材の係止突片部と係合することによ
り後退位置に保持され、上記の各係止体は、一方の側端
部をスライド板の端面側に向けて装着される平板部材か
らなると共に、後退位置にある係止体の一方の側端部と
スライド板との交差領域と、裏返して装着されたときの
初期位置にある係止体の他方の側端部とスライド板との
交差領域とに上記の開口部が形成され、これら開口部の
後方に後方延出部を有し、この後方延出部を掴んで係止
体を、その被係止部が位置決め用ばね部材の係止突片部
よりも後方位置に達するように後方へ引き出した後、両
側端部間の中心線回りに回転させることにより、係止体
におけるスライド板との交差領域が一方の側端部側から
他方の側端部側に切り換わるキーレス施錠装置であっ
て、上記の係止体における後方延出部付近には、位置決
め用ばね部材を、その係止突片部が係止体における被係
止部と係合不能となる位置へ移動させる位置決め用ばね
部材駆動手段が設けられていることを特徴としている。
【0011】請求項2の考案のキーレス施錠装置は、上
記課題を解決するために、請求項1に記載のキーレス施
錠装置において、位置決め用ばね部材駆動手段は、各係
止体の後方延出部を挿通可能な後方延出部挿通穴を有す
ると共に、各係止体の後方延出部後方を覆う後退位置と
後方延出部を後方延出部挿通穴から後方へ突出させる進
出位置とに進退自在に設けられ、進出位置への移動によ
って位置決め用ばね部材をその係止突片部と係止体の被
係止部との係合不能位置へ移動させる後方延出部被覆部
材と、この後方延出部被覆部材を進出位置で保持する被
覆部材保持手段とを備えていることを特徴としている。
【0012】
【作用】請求項1の構成によれば、各係止体に対し、そ
れまでの装着状態から180°回転させて解錠組合せを
変更する場合、位置決め用ばね部材駆動手段を操作する
ことにより、位置決め用ばね部材を、その係止突片部が
係止体における被係止部と係合不能となる位置へ移動さ
せることができる。従って、後方延出部を掴んで係止体
を回転させた後、前方位置に戻したとき、係止体の被係
止部は位置決め用ばね部材の係止突片部に係止されるこ
とがない。従って、位置決め用ばねの係止突片部が係止
体の被係止部に押し潰されるといった事態が回避され
る。
【0013】請求項2の構成によれば、請求項1の構成
による作用に加え、各係止体の後方延出部の後方が被覆
部材保持手段により覆われているので、係止体が他人に
より不用意に操作され難くなっている。また、後方延出
部被覆部材を進出位置に移動させた場合には、この後方
延出部被覆部材の後方延出部挿通穴から係止体の後方延
出部が後方へ突出され、かつ後方延出部被覆部材が被覆
部材保持手段により進出位置で保持されるので、係止体
の後方延出部の操作が容易になる。
【0014】
【実施例】本考案の一実施例を図1ないし図22に基づ
いて以下に説明する。
【0015】図2の(a)(b)に示すように、扉1の
側端面に、ラッチボルト2とデッドボルト3とを有する
錠前4が取り付けられ、この錠前4を挟んで扉1の扉外
側表面にキーレス施錠装置5の解錠操作盤6が、また、
扉内側表面に扉内側固定盤7がそれぞれ取り付けられて
いる。これら各盤6・7の下端側における相対向する箇
所には、後述する角芯軸10にて相互に連結された操作
レバー8・8が取り付けられている。上記の解錠操作盤
6表面の上部には、例えば左右2列上下7段の計14個
の押ボタン34…が配列されており、上端側4個の押ボ
タン34…にはA〜Dの英文字が、他の押ボタン34…
には1〜9、0の数字が表面にそれぞれ付されている。
尚、扉1には、上記の錠前4及びキーレス施錠装置5を
貫通するシリンダ錠11がさらに設けられ、このシリン
ダ錠11には、解錠・施錠操作を行うためのサムターン
12が扉内側に突設されている。
【0016】上記の解錠操作盤6は、図3に示す枠体2
0と、図4および図5に示す上部構成部材、図15に示
す下部構成部材とを備えている。
【0017】上記の枠体20は、上下に長い断面略コ字
状の長座補強板21と、これを扉外側(以下、前方と称
する)から覆う長座22、および長座補強板21の上下
端にそれぞれ装着されるキャップ23・23とで構成さ
れている。長座補強板21及び長座22には、相互に対
応する位置に、それぞれ上部側から矩形の開口部21a
・22a、前記シリンダ錠11が嵌着される円形穴21
b・22b、前記角芯軸10が貫通する挿通穴21c・
22cが各々穿設されている。尚、長座22には、その
開口部22aを前方から覆うと共に上下にスライド自在
な化粧カバー24がさらに取り付けられている。
【0018】解錠操作盤6の上部構成部材は、主に、図
4に示すリーダーケース25、リセット動作体26、ス
ライド板としてのセンサープレート29の上部およびダ
ミープレート91と、図5に示すリーダーセンターボー
ド30、係止体としてのセンサーチップ31、リーダー
ケースカバー32、パネル係止スプリング92、および
後方延出部被覆部材であり、後述のリセットバー27と
共に位置決め用ばね部材駆動手段を構成する番号変更パ
ネル93とからなっている。
【0019】上記のリーダーケース25は、略箱形状を
なし、前記の開口部21a・22aを扉内側(以下、後
方と称する)から覆うように、枠体20に固定されてい
る。
【0020】このリーダーケース25には、上記開口部
21a・22aを後方から臨む位置に、左右二列上下各
7個の計14個の丸穴形状の挿通穴25a…と、各挿通
穴25aを上下に挟んでそれぞれ一対の矩形穴25b…
とが穿設されると共に、中央に深さの浅いガイド溝25
cが上下方向に延びる形状で形成されている。
【0021】リセット動作体26は、リーダーケース2
5のガイド溝25cに、上下動自在に配設されている。
このリセット動作体26は、図6に示すように、上下に
長いブロック形状のリセットバー27と、薄板状のバネ
材を曲げ成形して形成され、リセットバー27に前方か
ら組み付けられた位置決め用ばね部材としてのリセット
バースプリング28と、断面コ字形をなし、リセットバ
ースプリング28の前部を覆うようにリセットバー27
に組み付けられたスプリングアングル94とから構成さ
れている。リセットバースプリング28およびスプリン
グアングル94は、前面部においてリセットバー27の
前面部と連結されている。
【0022】リセットバー27の後部には、上下に延び
る凸条部27aが形成され、この凸条部27aに、多数
の復帰動作阻止部27b…と、2個の被押圧部27c・
27cとが形成されている。復帰動作阻止部27bは、
リセットバースプリング28の後述する係止突片部28
a…と同一の上下間隔で設けられ、各々、凸条部27a
の両側方かつ後方へ突出している。各被押圧部27c
は、凸条部27aの上下部に設けられ、凸条部27aか
らさらに後方へ大きく突出している。被押圧部27cに
は、後述する番号変更パネル93の押圧面96dと対応
する被押圧面27dが形成されている。
【0023】リセットバースプリング28は、基部28
bからリセットバー27を挟んで両側に、各7個の係止
突片部28a…が後方かつ左右に広がる方向に傾斜して
延びたものとなっている。各7個の係止突片部28a…
は、前記リーダーケース25の挿通穴25a…と同一の
上下方向の間隔で設けられている。
【0024】スプリングアングル94は、図7および図
8に示すように、リセットバースプリング28の基部2
8bを覆うように設けられ、後方側の各端縁部94a・
94aが、各7個の係止突片部28a…における前端部
付近と当接している。即ち、スプリングアングル94に
より、左右の対向する両係止突片部28a・28aの開
き方向の寸法Dが設定されている。
【0025】センサープレート29は、上下に長尺であ
り、その上半分をリーダーケース25内に位置させて上
下にスライド自在に配設されている。このセンサープレ
ート29の上半分は、前記リーダーケース25の14個
の挿通穴25a…全体を外側から囲う枠部29a、およ
びこの枠部29aの両側部から後方へ延びる後方折曲部
29h・29hとして形成されている。枠部29aの内
周端面には、上記各挿通穴25a…の左右外側にそれぞ
れ対応する位置に、計14個の方形状の切欠き凹部29
b…が形成されている。これら切欠き凹部29b…と前
記リセット動作体26の係止突片部28a…とは、図1
2に示すように、各挿通穴25a…を挟んで左右に対を
なしてそれぞれ位置するようになっている。上記の一方
の後方折曲部29hの下端部には、センサープレート2
9に対する上方へのダミープレート91の移動を規制す
る係止片29iが形成されている。また、センサープレ
ート29の上端部には、前方へ突出する2本のスプリン
グ受片29j・29jが形成されている。これらスプリ
ング受片29j・29jの下には、図12に示すよう
に、リーダーケース25に保持されたセンサープレート
スプリング38・38が縮装されている。
【0026】ダミープレート91はセンサープレート2
9の上部とほぼ対応する形状をなしている。即ち、ダミ
ープレート91は、枠部29aと対応する枠部91a、
および後方折曲部29h・29hと対応する後方折曲部
91c・91cをそれぞれ有し、後方折曲部29h・2
9h間に配されている。上記の枠部91aには、枠部2
9aにおける切欠き凹部29b…と同一の上下間隔で、
切欠き凹部29b…と対応する切欠き凹部91b…が形
成されている。また、枠部91aの下端部には、ダミー
プレート91が上方へ移動したときにセンサープレート
29の係止片29iと係合する係合片91dが形成され
ている。そして、この係合片91dが上記の係止片29
iと係合したときに、図12に示すように、切欠き凹部
91b…の下縁部が切欠き凹部29b…の下縁部と上下
方向位置において、ほぼ一致するようになっている。ま
た、上記の切欠き凹部91b…の下縁部は、ダミープレ
ート91が上方へ移動したときに、センサーチップ31
の被係止部31cに当接するようになっている。
【0027】一方、枠部91aの上端部にはスプリング
保持部91eが形成され、このスプリング保持部91e
とリーダーセンターボード30の後述するスプリング保
持部30cとの間には、図14に示すように、ダミープ
レートスプリング98が縮装されている。このダミープ
レートスプリング98により、ダミープレート91は、
係合片91dがセンサープレート29の係止片29iと
係合する位置まで上昇するように付勢されている。さら
に、枠部91aにおける上下部の4個所には、ダミープ
レート91がセンサープレート29に対して円滑に摺動
するための摺接凸部91f…が形成されている。
【0028】リーダーセンターボード30は、リーダー
ケース25の前後方向中間位置に組み付けられ、リーダ
ーケース25内を後方から覆うようになっている。リー
ダーセンターボード30には、左右方向の中心位置にお
ける上下方向に、前記リセットバー27の凸条部27
a、復帰動作阻止部27b…および被押圧部27cが嵌
入するスリット状の案内溝30aが穿設され、この案内
溝30aを挟んで左右両側に、上記リーダーケース25
の挿通穴25a…と同一配列をなす計14個の中間支持
穴30b…がそれぞれ穿設されている。また、リーダー
センターボード30の上部には、ダミープレート91に
おけるスプリング保持部91eと対向するスプリング保
持部30cが形成されている。
【0029】センサーチップ31は、図9に示すよう
に、前後に細長い平板形状をなし、前後方向の中間領域
に最も幅広の中間部31aが形成され、この中間部31
aから前方に、狭幅部31b、および、側方へと左右に
傾斜して広がる被係止部31cが順次形成されている。
さらに、この被係止部31cの前方箇所には、上記の狭
幅部31bと同一幅寸法の領域であるスライド可否切換
部31dが形成されている。このスライド可否切換部3
1dには、左右方向の一方の前部と他方の後部とに開口
部31hが形成されている。スライド可否切換部31d
は、押ボタン34の操作に伴って進退するセンサーチッ
プ31において、センサープレート29の枠部29aと
交差して移動する部分となっている。スライド可否切換
部31dよりも前端側は、最も幅の狭い頭部31eが形
成されている。一方、上記中間部31aよりも後方に
は、この中間部31aから幅寸法が逐次狭小となって、
ストッパ取付部31fおよび後方延出部31gが形成さ
れている。
【0030】上記のセンサーチップ31は、リーダーセ
ンターボード30の中間支持穴30bを通して挿入さ
れ、さらに、リーダーケース25における挿通穴25a
から頭部31eが前方に突出する状態に組み付けられて
いる。そして、頭部31eの外周に押ボタンスプリング
33が縮装され、押ボタン34がその舌状突片34a・
34aをリーダーケース25の矩形穴25b・25bに
挿通させて組み付けられている。一方、センサーチップ
31の後方端側、即ちリーダーセンターボード30から
後方に突出するストッパ取付部31fの外周には、円錐
コイルばねよりなるチップセッティングスプリング35
が縮装され、その後方にリーダーケースカバー32が設
けられ、さらにその後方に番号変更パネル93が設けら
れている。尚、後述するように、特定のセンサーチップ
31にあっては、上記チップセッティングスプリング3
5の組み付けの前に、ストッパチップ36がセンサーチ
ップ31のストッパ取付部31fに外嵌される。
【0031】リーダーケースカバー32は、図5に示す
ように、リーダーケース25の後端面に取り付けられ、
各センサーチップ31…の後端側を支持する丸穴32a
…が穿設されている。これら丸穴32a…のうち、上部
における左右方向の一方側の丸穴32aと下部における
左右方向の他方側の丸穴32aとの外周部には、後方へ
突出するスプリング保持凸部32bが形成されている。
また、リーダーケースカバー32には、左右方向の中央
部における上部と下部とに、嵌入穴32d・32d、係
合片32c・32cが形成され、これら係合片32c・
32c間にねじ孔32e・32eが形成されている。
【0032】パネル係止スプリング92は、板ばねによ
って形成され、リーダーケースカバー32のねじ孔32
e・32eに螺着されるねじ95・95によりリーダー
ケースカバー32に取り付けられている。パネル係止ス
プリング92は、後部に、上方へ突出する係止部92a
と、この係止部92aから後方の斜め下方へ延びる押圧
部92bとを有している。
【0033】番号変更パネル93は、リーダーケースカ
バー32の丸穴32a…と対応する後方延出部挿通穴と
しての丸穴93a…、およびパネル係止スプリング92
の後部を挿通可能な係止角穴93bを有している。この
係止角穴93bおよび上記のパネル係止スプリング92
とによって被覆部材保持手段が構成されている。そし
て、番号変更パネル93は、図14に示すように、後述
の係合片96e・96eおよびリーダーケースカバー3
2との間に縮装されたパネル復帰スプリング99によっ
て、リーダーケースカバー32に組み付けられている。
この状態において、上記の各丸穴93aに挿通されてい
る各センサーチップ31は、その後端部が番号変更パネ
ル93から後方へは突出しておらず、センサーチップ3
1を操作できないようになっている。また、上記の係止
角穴93bはパネル係止スプリング92の押圧部92b
に対して下方へ若干ずれた位置に形成されている。これ
により、番号変更パネル93が前方へ移動したときに、
パネル係止スプリング92の後部が係止角穴93bの上
縁部に押されて下方へ回動すると共に、押圧部92bが
係止角穴93bを通過したときに、パネル係止スプリン
グ92の後部が元の位置へ復帰し、パネル係止スプリン
グ92の係止部92aにて後方への番号変更パネル93
の移動が規制されるようになっている。
【0034】上記の番号変更パネル93は、センサーチ
ップカバーパネル96と、このセンサーチップカバーパ
ネル96の後面に貼着された番号表示パネル97とから
なる。センサーチップカバーパネル96は、図10の
(a)(b)に示すように、平板状のパネル部96a
と、このパネル部96aにおける左右方向の中央部に形
成され、上部および下部を前方へ折曲することにより形
成された前方突出部96b・96bとを有している。上
記のパネル部96aには、リーダーケースカバー32の
スプリング保持凸部32bが形成されている丸穴32a
と対応する丸穴93aの形成部位に、前方へ突出するス
プリング保持凸部96c・96cが形成され、両スプリ
ング保持凸部32b・96c間にパネル復帰スプリング
99が縮装されている。一方、前方突出部96b・96
bには、番号変更パネル93が前方へ移動したときに、
リセットバー27の被押圧面27dと摺接し、かつこの
被押圧面27dを押圧して、リセットバー27、即ちリ
セット動作体26を上方へ移動させるための押圧面96
dと、リーダーケースカバー32における係合片32c
・32cに嵌入穴32d・32dを通じて前方側から係
合し、リーダーケースカバー32からの離脱を防止する
係合片96e・96eとが形成されている。
【0035】番号表示パネル97は、図11に示すよう
に、図2の(a)に示す各押ボタン34と対応する各丸
穴93aの側方に、押ボタン34に付されたものと同一
の英文字あるいは数字が付されたものとなっている。
【0036】次に、上記各部品の高さ方向の位置関係に
ついて、図12なしい図14を参照して説明する。
【0037】リセット動作体26は、その自重により、
リーダーセンターボード30の案内溝30aに沿って下
方へ移動するが、何れかのストッパチップ36が角形係
止部36bを内方に向けてセットされている場合、図1
3および図14に示すように、角形係止部36bに復帰
動作阻止部27bが当接した状態で保持される。この場
合、リセットバースプリング28の各係止突片部28a
…とセンサーチップ31…とは、高さ位置がずれた状態
となる。一方、全てのストッパチップ36が角形係止部
36bを外方に向けてセットされている場合、リセット
動作体26は、凸条部27aの下端面がリーダーセンタ
ーボード30の案内溝30aの下端部に当接した下端位
置で保持される。この位置において、リセットバースプ
リング28の各係止突片部28a…が、それぞれセンサ
ーチップ31…と同一高さで各センサーチップ31にそ
れぞれ中心側から近接して位置するようになっている。
【0038】また、センサープレート29は、センサー
プレートスプリング38・38により上方へ付勢されて
いるものの、後述するリトラクター42から、上記セン
サープレートスプリング38のばね力よりも大きな押し
下げ力を受けている。従って、センサープレート29
は、そのスライド範囲の下端位置で保持され、この位置
において、各センサーチップ31の一方の側端部側が、
センサープレート29およびダミープレート91の各切
欠き凹部29b…および91b…内に交差して位置する
ようになっている。
【0039】このときダミープレート91は、図12に
示すように、センサープレートスプリング38・38に
よって、係合片91dがセンサープレート29の係止片
29iと係合する位置まで上方へ押し上げられ、切欠き
凹部91b…の下縁部がセンサープレート29の切欠き
凹部29b…の下縁部と一致した状態となっている。
【0040】次に上記各部品の前後方向の位置関係につ
いて、図13におけるY−Y線矢視断面を示す図1を参
照して説明する。
【0041】チップセッティングスプリング35の前端
側のコイル径は、センサーチップ31における中間部3
1aとストッパ取付部31fとの間の肩部に当接するよ
うに設定されている。従って、同図の左側のセンサーチ
ップ31にて示されるように、センサーチップ31は、
上記チップセッティングスプリング35のばね力によっ
て、スライド可否切換部31dにおける後方側の開口部
31hがセンサープレート29の枠部29a、即ち切欠
き凹部29bと前後方向において一致する位置(以下、
この位置を初期位置と称する)に保持されている。この
とき、ダミープレート91の切欠き凹部91bは、セン
サーチップ31の被係止部31cと前後方向において一
致する位置にある。
【0042】一方、リセット動作体26が下端位置に保
持されている状態において、前記の押ボタン34の押し
込み操作が行われると、同図の右側のセンサーチップ3
1にて示されるように、センサーチップ31は後方へと
押動される。このとき、センサーチップ31の被係止部
31cにおける前端面の被係止面が、リセットバースプ
リング28における係止突片部28aの折曲げ部よりも
後方に位置するように変化し、この結果、上記押ボタン
34の押し込み操作が解除された後に、センサーチップ
31は、上記被係止面がリセットバースプリング28の
係止突片部28aに係合して前方への移動が阻止された
位置(以下、後退位置と称する)で保持される。この後
退位置においては、スライド可否切換部31dにおける
前方側の開口部31hがセンサープレート29の切欠き
凹部29bと前後方向において一致するようになってい
る。このとき、ダミープレート91の切欠き凹部91b
は、センサーチップ31のスライド可否切換部31dの
被開口部と前後方向において一致する位置にある。
【0043】従って、センサープレート29に対する後
述のリトラクター42からの押し下げ力が解除され、前
記センサープレートスプリング38のばね力によって、
上記センサープレート29に前記の下端位置から上昇移
動が生じようとする場合、14個の全てのセンサーチッ
プ31…において、上記開口部31hがセンサープレー
ト29の切欠き凹部29b…と交差する状態であれば、
これら各切欠き凹部29b…の下縁部が開口部31h…
を通して上昇可能となる。一方、14個の中の一つでも
開口部31hが切欠き凹部29b内に位置していないも
のがあれば、切欠き凹部29bの下縁部がセンサーチッ
プ31に当接して上昇移動が阻止される。このため、上
記のようにセンサープレート29に上昇移動を生じ得る
状態とするためには、後退位置での切欠き凹部29bと
の交差領域に開口部31hが位置するように装着された
センサーチップ31…を選んで、これらに対応する各押
ボタン34…の押し込み操作を行うこと、即ち予め設定
した解錠組合せ番号に対応する押ボタン操作を行うこと
(以下、この操作を整合押ボタン操作と称する)が必要
であり、上記解錠組合せ番号に対する押ボタン操作が一
つでも足りなかった場合や、また、上記以外の押ボタン
34の押し込み操作が行われた場合には、上記センサー
プレート29は移動阻止状態で保持されるものとなる。
【0044】解錠操作盤6の下部構成部材は、主に、図
15に示すリトラクタハブ41、リトラクタ42、ジョ
イント44、センサープレート29の下部、解錠リトラ
クター45および長座カバー46からなっている。
【0045】リトラクタハブ41は、前記枠体20にお
ける下端側の挿通穴21c・22cの位置に回動自在に
嵌着されている。リトラクタ42は、リトラクタハブ4
1の上方位置に、リトラクタ42を下方向に付勢するリ
トラクタスプリング43・43を両側に縮装した状態
で、上下動自在に配設されている。リトラクタ42の上
端部には、後方に折曲した係止面部42aが形成されて
いる。ジョイント44は、上記リトラクタ42の中央下
部側に回動自在に取り付けられている。
【0046】センサープレート29はその下部である面
板部29cが上記リトラクタ42に後方から重なるよう
に組み付けられている。このセンサープレート29の上
記面板部29cと前記の枠部29aとは、前後方向に段
差を有するように係止折曲部29dを介して連なってお
り、この係止折曲部29dが、上記リトラクタ42の係
止面部42aに下側から当接するように組み付けられ
る。この場合、前記センサープレートスプリング38で
上方に付勢されているセンサープレート29は、上記係
止面部42aで押し下げられた状態にて保持されるよう
に、リトラクタスプリング43のばね力の方がセンサー
プレートスプリング38よりも大きく設定されている。
また、面板部29cの下部には、前方へと局部的に曲げ
成形して形成された係止突片29gが形成されている。
【0047】解錠リトラクター45は、センサープレー
ト29の面板部29cに後方から重ねられ、上下動自在
に配設されている。この解錠リトラクター45には、後
方へと延びる断面山形状の解錠作動バー45aが立設さ
れている。また、この解錠リトラクター45は、左右両
側、および中央部側において前方にそれぞれ折曲げて形
成した被案内突片45b・45b、被作動突片45c
を、センサープレート29に穿設されているスリット状
の案内溝29e・29e・29fに嵌挿させて組み付け
られている。
【0048】長座カバー46は、上記解錠作動バー45
aおよびその下側に位置する前記シリンダ錠11が挿通
する切欠凹部46aと、前記リトラクタハブ41の後方
端側が嵌着される丸穴46bとを有し、枠体20の下部
を覆うように固定されている。
【0049】一方、前記の扉内側固定盤7は、図16の
(a)(b)に示すように、前記枠体20とほぼ同様
に、長座補強板51、この長座補強板51の表面を扉内
側から覆う長座52、長座補強板51および長座52に
穿設されている矩形開口部52aを扉内側から覆うべく
化粧カバー取付ねじ53によって固定される化粧カバー
54、長座補強板51の上下端にそれぞれ装着されるキ
ャップ55・55から成っている。
【0050】また、上記扉内側固定盤7を、扉1を貫通
して配設される上部引付脚56と下部引付脚57とを介
して前記扉内側固定盤7に連結固定することによって、
キーレス施錠装置5が構成されている。
【0051】上記の構成において、本キーレス施錠装置
5における動作を以下に説明する。
【0052】操作レバー8の回転操作が行われると、図
17の(a)に示すように、角芯軸10と一体的にリト
ラクタハブ41が回動し、このリトラクタハブ41にお
ける両側の傾動部41a・41aが水平状態から傾斜す
ることによって、リトラクタ42が押上げられる。この
結果、それまで、リトラクタ42の係止面部42aによ
って上昇移動が阻止されていたセンサープレート29
は、前記センサープレートスプリング38による引上げ
力が作用する状態に変化する。
【0053】そして、予め前記の整合押ボタン操作が行
われている場合には、上記リトラクタ42の係止面部4
2aへ係止折曲部29dが下側から接した状態を保持し
ながら、センサープレート29はリトラクタ42と一体
的に上昇する。一方、ダミープレート91は、センサー
プレート29の上昇動作の初期において、センサープレ
ート29と共に若干上昇するものの、切欠き凹部91b
…の下縁部が各センサーチップ31と衝突すると、上昇
を阻止され、センサーチップ31と当接した状態で下方
位置に保持される。
【0054】センサープレート29の上記の上昇移動が
生じると、リトラクタ42に取り付けられているジョイ
ント44の上端が、解錠リトラクター45の被作動突片
45cに下側から当接する。この結果、以降は、この解
錠リトラクター45も上方に押上げられ、従って、解錠
作動バー45aに上方への移動動作を生じる。
【0055】一方、上記整合押ボタン操作が行われてい
ない場合には、リトラクタ42に上昇移動を生じても、
センサープレート29はセンサーチップ31によって上
昇移動が阻止され、切欠き凹部29b…の下縁部がセン
サーチップ31のスライド可否切換部31dの被開口部
と当接した状態で保持される。また、ダミープレート9
1も切欠き凹部91b…の下縁部が各センサーチップ3
1と当接した状態で保持される。
【0056】このとき、図17の(b)に示すように、
リトラクタ42に取り付けられているジョイント44
は、その上昇の途中で、左方へと延びる係止面部44a
がセンサープレート29の係止突片29gの下端に当接
することによって、ジョイントノック44bを中心とし
て左回りに回転し、これにより、解錠リトラクター45
の被作動突片45cに下側から当接する状態を生じなく
なる。この結果、解錠リトラクター45には上昇移動を
生じず、解錠作動バー45aは不動状態で保持される。
【0057】このように、上記キーレス施錠装置5にお
いては、整合押ボタン操作後の操作レバー8の操作時
に、解錠作動バー45aに上昇移動動作が生じるように
なっている。そして、この解錠作動バー45aに連動し
て、前記の錠前4において、デッドボルト3の没入を生
じるように構成されている。次に、この錠前4について
図18を参照して説明する。
【0058】錠前4は、前記扉1の側端面に沿って固定
される矩形板状のフロント61に、扉1に内装される箱
形のケース63を取り付けて構成され、ケース63内
に、前記デッドボルト3とラッチボルト2とが、図にお
いて左右方向に摺動自在にそれぞれ配設されている。
【0059】上記デッドボルト3よりも上方には、前記
シリンダ錠11のシリンダーテール11bに外嵌された
デッドハブ73が設けられている。上記シリンダーテー
ル11bが回転操作されることにより、デッドハブ73
の円筒部73aの外周からデッドボルト3における上面
の凹部3a内へと延びるアーム部73bによって、デッ
ドボルト3には、図示の解錠位置から、先端がフロント
61から突出する施錠位置への切換えが行われる。
【0060】そして、上記デッドハブ73の上方に前記
の解錠作動バー45aが位置しており、これに上昇移動
が生じると、略L字形状のジョイント82の右端側が押
上げられる。これにより、ジョイント82に、軸支点8
3回りの回動動作が生じて、左端側は下方に押し下げら
れる。このジョイント82の左端下部はジョイント伝達
ギア79に連結されており、このジョイント伝達ギア7
9に、その左端側の軸支点81を中心として右回りの回
動動作を生じる。そして、この回動動作が、このジョイ
ント伝達ギア79と前記デッドハブ73との相互に咬合
する歯形部79a・73dを介して、デッドハブ73を
左回りに回転させ、これにより、デッドボルト3に施錠
位置から解錠位置への没入動作が生じるようになってい
る。
【0061】このように、錠前4のデッドボルト3が突
出した施錠状態で、前記キーレス施錠装置5での整合押
ボタン操作後に操作レバー8の操作が行われると、解錠
作動バー45aに上方への移動動作が生じ、これによっ
て、デッドボルト3が没入して解錠状態への切換動作が
生じる。このとき同時に、前記角芯軸10の嵌挿された
ラッチハブ65にも回動動作を生じ、これにより、ラッ
チボルト2の没入状態ともなって、扉1の開閉が行われ
る。
【0062】また、本キーレス施錠装置5においては、
操作レバー8が操作されることによって、自動的に各部
品に初期位置への復帰動作が生じるようになっている。
即ち、前記のように、リトラクタハブ41に回動動作が
生じ、これと一体的に、リトラクタ42に上昇移動が生
じると、前記のリセット動作体26もやや遅れて上昇す
る。即ち、図14に示されているように、リトラクタ4
2上端の係止面部42aの上方にやや離間して、リセッ
トバー27における下端面27dが位置しており、この
下端面27dに上記係止面部42aが下側から当接して
押上げるようになっている。
【0063】このようにリセット動作体26が上昇する
ことにより、リセットバースプリング28における各係
止突片部28a…は、各センサーチップ31よりも上方
に移動する。この結果、押ボタン34の押し込み操作が
事前に行われて前記の後退位置で保持されていたセンサ
ーチップ31は、上記係止突片部28aによる係止状態
が解除される。従って、センサープレート29が不動状
態の場合、即ち、整合押ボタン操作が行われなかった場
合には、センサープレート29の切欠き凹部29b…が
各センサーチップ31と同一高さ位置に位置することか
ら、センサーチップ31は、その時点で、チップセッテ
ィングスプリング35のばね力によって上記切欠き凹部
29b…を通して初期位置に復帰する。
【0064】一方、センサープレート29がリトラクタ
42の上昇移動と共に上昇する場合、即ち、整合押ボタ
ン操作が事前に行われていた場合には、後退位置に位置
しているセンサーチップ31は、まず、開口部31hに
おける後縁部がセンサープレート29の切欠き凹部29
b・29b間の壁面に当接するまで前進し、その後、操
作レバー8から手が離されてこの操作レバー8が初期位
置に戻る過程で、これと一体的に、前記のリトラクタ4
2およびセンサープレート29がそれぞれ下降して切欠
き凹部29b…の高さ位置が各センサーチップ31と同
一となった時に、各切欠き凹部29b…を通して初期位
置に復帰する。
【0065】上記のようにリトラクタ42が下降する場
合には、これと一体的に、リセット動作体26にも下降
動作が生じる。しかしながら、その途中で、前記のスト
ッパチップ36と、リセットバー27の復帰動作阻止部
27b・27bとによって下降動作が阻止され、これに
よって、リセットバースプリング28の各係止突片部2
8a…は、各センサーチップ31と同一高さ位置に復帰
する手前の高さ位置で保持される。
【0066】即ち、図9に示すように、上記のストッパ
チップ36は、センサーチップ31のストッパ取付部3
1fに外嵌される円板部36aと、その周縁から側方に
突出する角形係止部36bとを有している。このストッ
パチップ36は、任意のセンサーチップ31に取り付け
可能であり、本実施例においては、図13に示すよう
に、A〜Dの押ボタン34…後方のセンサーチップ31
…に取り付けられている。尚、A・B・Dの押ボタン3
4…後方のセンサーチップ31…に取り付けられている
ストッパチップ36は、角形係止部36bを外方に向け
て取り付けられているので、実際に機能するのは、Cの
押ボタン34…後方のセンサーチップ31…に取り付け
られているストッパチップ36のみである。
【0067】上記のように、角形係止部36bを内方、
即ちリセット動作体26側に位置する向きとすることに
よって、図19において右側のセンサーチップ31にて
示すように、上記角形係止部36bは、リセットバー2
7における復帰動作阻止部27bの側部領域と上下方向
で重なって位置する。従って、リセット動作体26が前
記のようにリトラクタ42と共に上昇して、センサーチ
ップ31が初期位置に復帰し、或いは、整合押ボタン操
作後でセンサープレート29の枠部29aの壁面に当接
する位置まで前進すると、その後、上記リトラクタ41
の下降動作と共に下降するリセット動作体26は、その
途中で、上記ストッパチップ36の角形係止部36b
に、復帰動作阻止部27bの側部側が上方から当接し、
それ以降の下降動作が阻止された状態で保持される。
【0068】従って、その後に整合押ボタン操作を行っ
てセンサープレート29をスライド動作可能状態にする
ためには、Cの押ボタン34を先に、かつ、他に角形係
止部36bを内方に向けてストッパチップ36が取り付
けられているセンサーチップ31があれば、そのセンサ
ーチップ31を後方へ移動させる押ボタン34もCの押
ボタン34と同時に操作する必要がある。即ち、図20
において右側のセンサーチップ31に示すように、この
センサチップ31が後方に移動されることによって、セ
ンサチップ31によるリセット動作体26の下降動作阻
止状態が解除される。
【0069】その後、Cの押ボタン34後方のセンサー
チップ31はリセットバースプリング28の係止突片部
28aによって後退位置で保持され、その後に、他のセ
ンサーチップ31…に対して、残りの整合押ボタン操作
をそれぞれ行うことにより、センサープレート29のス
ライド可能状態とすることができる。
【0070】上記のように、本キーレス施錠装置5にお
いては、角形係止部36bを内方に向けてストッパチッ
プ36が取り付けられたセンサーチップ31を後方へ移
動させる押ボタン34を他の押ボタン34…よりも先
に、かつ、その押ボタン34が複数ある場合にはそれら
を同時に押下することが必要である。このように、本キ
ーレス施錠装置5では、単に解錠組合せ番号に対応する
押ボタン操作を行うだけでは解錠させることができず、
手順や同時操作の条件が必要となっているので、万一、
解錠組合せ番号を他人に知られた場合でも施錠装置とし
ての機能が確保され、これによって、利用者の信頼感を
向上し得るものとなっている。
【0071】また、従来のキーレス施錠装置において
は、解錠組合せ番号は製品組立段階で一義的に定められ
ていたが、本キーレス施錠装置5では、利用者自らが、
センサーチップ31を180°回転させることによっ
て、容易に変更し得るものとなっている。この操作につ
いて以下に説明する。
【0072】先ず、扉内側固定盤7における化粧カバー
54を外し、矩形開口部52aおよび扉1の貫通開口部
を通じて、番号変更パネル93の中央部を前方へ押す。
ここで、リセット動作体26が下端位置にある場合、図
21に示すように、番号変更パネル93の前方突出部9
6b・96bにおける押圧面96d・96dは、リセッ
ト動作体26の被押圧部27c・27cにおける被押圧
面27d・27dと当接している。また、リセット動作
体26の各係止突片部28aは対応するセンサーチップ
31と同一高さ位置にあり、パネル係止スプリング92
は押圧部92bの後端部が番号変更パネル93の係止角
穴93bに挿入された状態にある。
【0073】従って、番号変更パネル93が前方へ押さ
れると、リセット動作体26は、図22に示すように、
被押圧部27c・27cの被押圧面27d・27dが前
方突出部96b・96bの押圧面96d・96dにて押
されることにより、上方へ移動する。この過程におい
て、パネル係止スプリング92の後部は、押圧部92b
が係止角穴93bの上縁部と当接したときに下方へ回動
し、押圧部92bが係止角穴93bを通過したときに元
の位置へ復帰する。従って、番号変更パネル93に対す
る前方への押圧力を解除したとき、パネル復帰スプリン
グ99に付勢されて後方へ移動しようとする番号変更パ
ネル93は、その係止角穴93bの上縁部がパネル係止
スプリング92の係止部92aにて係止され、後方への
移動を阻止される。
【0074】上記の状態において、リセット動作体26
の各係止突片部28aは対応するセンサーチップ31よ
りも上方位置にあり、各センサーチップ31は後方延出
部31gが番号変更パネル93の丸穴93aから後方へ
大きく突出している。
【0075】次に、図1における右側のセンサーチップ
31にて示すように、後方延出部31gを後方から掴
み、図中二点鎖線で示すように、中間支持穴30bの位
置に狭幅部31bが位置するように引き出した後、この
センサーチップ31を180°回転させる。その後、こ
のセンサーチップ31を中間支持穴30bに中間部31
aが位置するように戻す。
【0076】尚、センサーチップ31の回転作業を終え
たときには、パネル係止スプリング92の押圧部92b
を押すことにより、番号変更パネル93を元の後方位置
に復帰させることができる。
【0077】上記のような操作により、後退位置にてセ
ンサープレート29をスライド可能とする同図の装着状
態から、後退位置ではスライド不可状態となる装着状態
に、また、その逆にする操作を各センサーチップ31毎
に行うことができる。これにより、解錠組合せ番号を、
利用者の要求に合わせて適宜変更することが可能であ
る。これによっても、例えば他人に解錠組合せ番号を知
られた場合等に、その不具合状態を、使用者自らの変更
作業で迅速かつ容易に解消することができる。
【0078】また、上記のセンサーチップ31を回転さ
せる操作は、番号変更パネル93を前方へ押してパネル
係止スプリング92にて前方位置に保持させた後、行う
ことが可能となる。この場合、リセット動作体26、即
ち各係止突片部28aは、対応するセンサーチップ31
よりも確実に上方位置へ移動している。従って、180
°回転されて戻されたセンサーチップ31の被係止部3
1cの前縁部が係止突片部28aに衝突し、係止突片部
28aを損傷する事態が回避されている。
【0079】即ち、例えば図1における左側の初期位置
にあるセンサーチップ31を後方へ引き出して180°
回転させた場合、センサーチップ31の被係止部31c
は係止突片部28aよりも後方位置にある。従って、セ
ンサーチップ31は、前方へ戻されたとき、被係止部3
1cが係止突片部28aと係合するので、後退位置に保
持される。このとき、操作者が、初期位置にあったセン
サーチップ31は初期位置に戻るものと勘違いしてセン
サーチップ31を前方へ押した場合、強度の小さい係止
突片部28aは簡単に折曲され、損傷する。従って、上
記のように、センサーチップ31を回転させるときに、
係止突片部28aを上方へ移動させておくことにより、
係止突片部28aの損傷が回避される。
【0080】また、各センサーチップ31は、番号変更
パネル93を前方へ進出させない限り、容易には操作す
ることができないので、他人にセンサーチップ31を操
作され難くなっている。
【0081】
【考案の効果】請求項1の考案のキーレス施錠装置は、
以上のように、係止体における後方延出部付近には、位
置決め用ばね部材を、その係止突片部が係止体における
被係止部と係合不能となる位置へ移動させる位置決め用
ばね部材駆動手段が設けられている構成である。
【0082】これにより、各係止体に対し、それまでの
装着状態から180°回転させて解錠組合せを変更する
場合、位置決め用ばね部材駆動手段を操作することによ
り、位置決め用ばね部材を、その係止突片部が係止体に
おける被係止部と係合不能となる位置へ移動させること
ができる。従って、位置決め用ばねの係止突片部が係止
体の被係止部に押し潰されるといった事態を回避し得る
という効果を奏する。
【0083】請求項2の考案のキーレス施錠装置は、以
上のように、請求項1に記載のキーレス施錠装置におい
て、位置決め用ばね部材駆動手段は、各係止体の後方延
出部を挿通可能な後方延出部挿通穴を有すると共に、各
係止体の後方延出部後方を覆う後退位置と後方延出部を
後方延出部挿通穴から後方へ突出させる進出位置とに進
退自在に設けられ、進出位置への移動によって位置決め
用ばね部材をその係止突片部と係止体の被係止部との係
合不能位置へ移動させる後方延出部被覆部材と、この後
方延出部被覆部材を進出位置で保持する被覆部材保持手
段とを備えている構成である。
【0084】これにより、請求項1の考案の効果に加
え、係止体が他人により不用意に操作され難くなる。ま
た、後方延出部被覆部材を進出位置に移動させた場合に
は、この後方延出部被覆部材の後方延出部挿通穴から係
止体の後方延出部が後方へ突出され、かつ後方延出部被
覆部材が被覆部材保持手段により進出位置で保持される
ので、係止体の後方延出部の操作が容易になるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例におけるキーレス施錠装置を
示すものであって、一方の押ボタンを押下したときの図
13におけるY−Y線矢視断面図である。
【図2】上記キーレス施錠装置および錠前の扉への取り
付け状態を示すものであって、同図(a)は扉外側から
見た正面図、同図(b)は側面図である。
【図3】上記キーレス施錠装置の解錠操作盤の枠体構造
を示す分解斜視図である。
【図4】上記解錠操作盤の上部側における前部側の構成
を示す分解斜視図である。
【図5】上記解錠操作盤の上部側における後部側の構成
を示す分解斜視図である。
【図6】上記解錠操作盤内に組み付けられるリセット動
作体の分解斜視図である。
【図7】上記リセット動作体におけるリセットバースプ
リングとスプリングアングルとの組み付け状態を示す側
面図である。
【図8】上記リセット動作体におけるリセットバースプ
リングとスプリングアングルとの組み付け状態を示す横
断面図である。
【図9】上記解錠操作盤内のセンサーチップの組み付け
を説明するための分解斜視図である。
【図10】図5に示したセンサーチップカバーパネルを
示すものであって、同図(a)は側面図、同図(b)は
正面図である。
【図11】図5に示した番号表示パネルの正面図であ
る。
【図12】上記解錠操作盤において、リーダーケースカ
バーよりも扉内側の部品を示す背面図である。
【図13】上記解錠操作盤の上部側を部分断面で示し、
また、下部側を長座カバーを外して示した背面図であ
る。
【図14】図13におけるX−X線矢視断面図である。
【図15】上記解錠操作盤における下部側の構成を示す
分解斜視図である。
【図16】上記キーレス施錠装置における扉内側固定盤
を示すものであって、同図(a)は縦断面図、同図
(b)は扉内側から見た正面図である。
【図17】上記解錠操作盤における下部側の動作状態を
示すものであって、同図(a)は整合押ボタン操作後の
動作を示す模式図、同図(b)は非整合押ボタン操作後
の動作を示す模式図である。
【図18】上記キーレス施錠装置と組合わせて用いられ
る錠前の内部構造を示す正面図である。
【図19】図13におけるZ−Z線矢視断面図である。
【図20】図19に示したキーレス施錠装置において、
同図における右側の押ボタンが操作された状態を示す断
面図である。
【図21】上記キーレス施錠装置におけるリセット動作
体と番号変更パネルとの位置関係を示す概略の側面図で
ある。
【図22】図21に示した状態から番号変更パネルが操
作された状態を示す概略の側面図である。
【符号の説明】
5 キーレス施錠装置 6 解錠操作盤 26 リセット動作体 27 リセットバー(位置決め用ばね部材駆動手段) 27d 被押圧面 28 リセットバースプリング(位置決め用ばね部
材) 28a 係止突片部 29 センサープレート(スライド板) 29b 切欠き凹部 31 センサーチップ(係止体) 31h 開口部 31c 被係止部31c 31g 後方延出部 34 押ボタン 92 パネル係止スプリング(被覆部材保持手段) 93 番号変更パネル(位置決め用ばね部材駆動手
段、後方延出部被覆部材) 93b 係止角穴(被覆部材保持手段) 93a 丸穴(後方延出部挿通穴) 96d 押圧面

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】解錠操作盤の表面に複数の押ボタンが配列
    され、この押ボタンの押下操作によって係止体が初期位
    置から後方の後退位置へと押動され、解錠方向へのスラ
    イド板の移動が初期位置または後退位置に移動した係止
    体の開口部を通じて可能となり、後退位置に押動された
    係止体は、その被係止部が位置決め用ばね部材の係止突
    片部と係合することにより後退位置に保持され、上記の
    各係止体は、一方の側端部をスライド板の端面側に向け
    て装着される平板部材からなると共に、後退位置にある
    係止体の一方の側端部とスライド板との交差領域と、裏
    返して装着されたときの初期位置にある係止体の他方の
    側端部とスライド板との交差領域とに上記の開口部が形
    成され、これら開口部の後方に後方延出部を有し、この
    後方延出部を掴んで係止体を、その被係止部が位置決め
    用ばね部材の係止突片部よりも後方位置に達するように
    後方へ引き出した後、両側端部間の中心線回りに回転さ
    せることにより、係止体におけるスライド板との交差領
    域が一方の側端部側から他方の側端部側に切り換わるキ
    ーレス施錠装置であって、 上記の係止体における後方延出部付近には、位置決め用
    ばね部材を、その係止突片部が係止体における被係止部
    と係合不能となる位置へ移動させる位置決め用ばね部材
    駆動手段が設けられていることを特徴とするキーレス施
    錠装置。
  2. 【請求項2】上記の位置決め用ばね部材駆動手段は、各
    係止体の後方延出部を挿通可能な後方延出部挿通穴を有
    すると共に、各係止体の後方延出部後方を覆う後退位置
    と後方延出部を後方延出部挿通穴から後方へ突出させる
    進出位置とに進退自在に設けられ、進出位置への移動に
    よって位置決め用ばね部材をその係止突片部と係止体の
    被係止部との係合不能位置へ移動させる後方延出部被覆
    部材と、この後方延出部被覆部材を進出位置で保持する
    被覆部材保持手段とを備えていることを特徴とする請求
    項1に記載のキーレス施錠装置。
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