JPH0733758A - (S)−2−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1−ニトロプロパン及びその製造方法 - Google Patents

(S)−2−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1−ニトロプロパン及びその製造方法

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JPH0733758A
JPH0733758A JP5177090A JP17709093A JPH0733758A JP H0733758 A JPH0733758 A JP H0733758A JP 5177090 A JP5177090 A JP 5177090A JP 17709093 A JP17709093 A JP 17709093A JP H0733758 A JPH0733758 A JP H0733758A
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butyldimethylsilyloxy
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JP5177090A
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Takashi Kitayama
隆 北山
Yoshinori Nishizawa
義則 西澤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生理活性物質(主としてフェロモン)等を大
スケールで、安価に製造するための中間体として有用な
化合物及び該生理活性物質並びにそれらの製造方法を提
供すること。 【構成】 下記〔化1〕で表される(S)−2−(t−
ブチルジメチルシリロキシ)−1−ニトロプロパン及び
その製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生理活性物質(主とし
てフェロモン)等を大スケールで、安価に製造するため
の合成中間体として有用な化合物及び該合成中間体から
得られる生理活性物質等並びにそれらの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
本発明の目的化合物の一つである6−(t−ブチルジメ
チルシリロキシ)−2−ヘプタノンを製造するための方
法としては、下記〔化8〕の反応式(従来法1)に示す
様に、先ず5−ニトロ−2−ペンタノンをパン酵母で還
元し、(S)−5−ニトロ−2−ペンタノールを調製
し、水酸基をt−ブチルジメチルシリル基で保護する。
次いでアセチルイミダゾールでニトロ基のα位をアセチ
ル化した後、トリブチルスタナン/アゾビスイソブチロ
ニトリル(以下、AIBNと略す)系で脱ニトロ水素化
反応を経て6−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−2
−ヘプタノンを得ることができることが報告されている
(K.Nakamuraら、Tetrahedron, 46, 7471(1990))。
【0003】
【化8】
【0004】しかしながら、上記の方法では光学活性な
化合物を得る際に、小スケール、低濃度の条件下で反応
を行う必要があり、実際上大スケールでの生産が困難で
あり、コスト面でも非常に不利である。
【0005】また、本発明の目的化合物の一つである
(S)−δ−メチル−δ−バレロラクトンを製造するた
めの方法としては、下記〔化9〕の反応式に示す様に、
ラセミ体の5−シアノペンタン−2−オール(J. Colon
geら、Bull. Chim. Fr., 2005(1966))に(R)−(−)
−1−(1−ナフチル)エチルイソシアネートを反応さ
せ、得られたジアステレオマーを分割した後に塩基でシ
アノ基を加水分解し、酸で還化反応をする方法(W. H.
Pirkleら、J. Org. Chem., 43, 378(1978)) が報告され
ている。
【0006】
【化9】
【0007】しかしながら、上記のいずれの方法も、光
学活性な化合物の取得が実際上困難か、或いは1連の反
応の後半に来るかのどちらかであり、コスト面でも非常
に不利である。
【0008】また、本発明の目的化合物の一つである
(2S,6R,8S)−2,8−ジメチル−1,7−ジ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン−4−オンを製造す
るための方法としては、下記〔化10〕の反応式に示す
様に、光学活性なエチル 3−ヒドロキシブタノエート
を出発原料とし、多段階を要する合成法が知られている
(William Kitchingら、J. Org. Chem., 57, 3365(199
2))。
【0009】
【化10】
【0010】しかしながら、上記の方法では光学活性な
化合物を得る際に、小スケール、濃度の条件下で反応を
行う必要があり、実際上大スケールでの生産が困難であ
り、反応も多段階であることからコスト面でも非常に不
利である。
【0011】また、本発明の目的化合物の一つである
(E,E)−2−エチル−8−メチル−1,7−ジオキ
サスピロ[5.5]ウンデカンを製造するための方法と
しては、下記〔化11〕の反応式に示す様に、光学活性
な乳酸エチルを出発原料とし、水酸基保護、還元、ヨウ
ソ化、ニトリル化、グリニャール反応、エポキシ化、メ
チル化、脱保護環化(William Kitchingら、J. Chem. S
oc., Perkin trans. I 2501(1990) など、多段階を要す
る合成法が知られている。
【0012】
【化11】
【0013】しかしながら、上記の方法などに見られる
様に、多段階を要する行程を経るなどコスト面で非常に
不利である。
【0014】従って、本発明の目的は、生理活性物質
(主としてフェロモン)等を大スケールで、安価に製造
するための合成中間体として有用な化合物及び該合成中
間体から得られる生理活性物質等並びにそれらの製造方
法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の検
討を行った結果、特定の化合物を合成中間体とすること
によって、生理活性物質(主としてフェロモン)等を大
スケールで、安価に製造することができることを見出
し、本発明を完成した。
【0016】即ち、本発明は、下記〔化12〕(前記
〔化1〕と同じ)で表される(S)−2−(t−ブチル
ジメチルシリロキシ)−1−ニトロプロパン(第一発
明)を提供するものである。
【0017】
【化12】
【0018】また、(S)−1−ニトロ−2−プロパノ
ールとt−ブチルジメチルシリルクロリドとを反応させ
ることを特徴とする前記〔化12〕に示す(S)−2−
(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1−ニトロプロパ
ンの製造方法(第二発明)を提供するものである。
【0019】また、下記〔化13〕(前記〔化2〕と同
じ)で表される化合物の製造方法において、前記〔化1
2〕の化合物を出発原料とし、下記1及び2の反応を順
次行わせることを特徴とする光学活性6−(t−ブチル
ジメチルシリロキシ)−2−ヘプタノンの製造方法(第
三発明)を提供するものである。 1.塩基触媒を用いたメチルビニルケトンのマイケル付
加反応 2.トリブチルスタナン/AIBN系における脱ニトロ
水素化反応
【0020】
【化13】
【0021】また、前記〔化13〕の製造における中間
体である、下記〔化14〕(前記〔化3〕と同じ)で表
される(S)−6−(t−ブチルジメチルシリロキシ)
−5−ニトロ−2−ヘプタノン(第四発明)を提供する
ものである。
【0022】
【化14】
【0023】また、下記〔化15〕(前記〔化4〕と同
じ)で表される化合物の製造方法において、前記〔化1
2〕の化合物を出発原料とし、下記3及び4の反応を順
次行わせることを特徴とするδ−メチル−δ−バレロラ
クトンの製造方法(第五発明)を提供するものである。 3.塩基触媒を用いたアクリロニトリルのマイケル付加
反応 4.トリブチルスタナン/AIBN系における脱ニトロ
水素化反応、及び加水分解環化反応
【0024】
【化15】
【0025】また、前記〔化15〕の製造における中間
体である、下記〔化16〕(前記〔化5〕と同じ)で表
される(S)−2−(t−ブチルジメチルシリロキシ)
−5−シアノ−3−ニトロペンタン(第六発明)を提供
するものである。
【0026】
【化16】
【0027】また、下記〔化17〕(前記〔化6〕と同
じ)で表される化合物の製造方法において、前記〔化1
3〕を出発原料とし、下記5及び6の反応を順次行わせ
ることを特徴とする(2S,6R,8S)−2,8−ジ
メチル−1,7−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン
−4−オンの製造方法(第七発明)を提供するものであ
る。 5.塩基存在下でのエチル 3−テトラヒドロピラニロ
キシブタノエートを用いた反応 6.酢酸、水、テトラヒドロフラン(以下、THFと略
す)の混合溶液を用いた脱保護に続く環化反応
【0028】
【化17】
【0029】また、下記〔化18〕(前記〔化7〕と同
じ)で表される化合物の製造方法において、前記〔化1
3〕を出発原料とし、下記7及び8の反応を順次行わせ
ることを特徴とする(E,E)−2−エチル−8−メチ
ル−1,7−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカンの製
造方法(第八発明)を提供するものである。 7.塩基存在下での1−クロロ−3−テトラヒドロピラ
ニロキシペンタンを用いた反応 8.酢酸、水、THFの混合溶液を用いた脱保護に続く
環化反応
【0030】
【化18】
【0031】以下に、本発明(第一発明〜第八発明)に
ついて、下記〔化19〕〜〔化20〕に示す反応式を参
照しながら説明する。
【0032】上記第二発明で製造される上記第一発明の
〔化12〕で表される化合物は、下記〔化19〕に示す
反応式に従って、得ることができる。即ち、(S)−1
−ニトロ−2−プロパノールとt−ブチルジメチルシリ
ルクロリドとをジメチルホルムアミド(以下、DMFと
略す)中で反応させることにより、目的化合物(S)−
2−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1−ニトロプ
ロパンを得ることができる。
【0033】
【化19】
【0034】上記第三発明で製造される上記〔化13〕
で表される化合物は、下記〔化20〕に示す反応式に従
って得ることができる。即ち、上記第二発明で製造され
る(S)−2−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1
−ニトロプロパンのニトロ基のα位に、塩基触媒として
テトラメチルグアニジンを使用し、メチルビニルケトン
を付加させることにより、上記第四発明の〔化14〕で
表される化合物が得られる。得られた化合物をトリブチ
ルスタナン/AIBN系で脱ニトロ水素化反応を行うこ
とで、目的化合物(S)−6−(t−ブチルジメチルシ
リロキシ)−2−ヘプタノンを得ることができる。
【0035】
【化20】
【0036】また、上記第三発明で製造される(S)−
6−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−2−ヘプタノ
ンは、例えば4−クロロ−1−テトラヒドロピラニロキ
シブタンと反応させ、酸中で脱保護、及び環化反応をさ
せることで蜂のフェロモンである(2S.6R)−2−
メチル−1,7−ジオキサスピロ[5.6]ドデカン
(K. Nakamura ら、Tetrahedron., 32,4941(1991)) に
導くことができる。(下記〔化21〕に示す反応式参
照)
【0037】
【化21】
【0038】上記第五発明で製造される上記〔化15〕
で表される化合物は、下記〔化22〕に示す反応式に従
って得ることができる。即ち、上記第二発明で製造され
る(S)−2−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1
−ニトロプロパンのニトロ基のα位に、塩基触媒として
テトラメチルグアニジンを使用し、アクリロニトリルを
付加させることにより、上記第六発明の〔化16〕で表
される化合物が得られる。得られた化合物をトリブチル
スタナン/AIBN系で脱ニトロ水素化反応を行い、苛
性ソーダによる加水分解反応、続いて塩酸による環化反
応を用いることで目的化合物(S)−δ−メチル−δ−
バレロラクトンを得ることができる。
【0039】
【化22】
【0040】また、上記第五発明で製造される(S)−
δ−メチル−δ−バレロラクトンは、例えばヨウ化メチ
ルと反応させることで蜂の性フェロモンであるcis−
2−メチル−5−ヒドロキシヘキサノリド(J. W. Whee
ler ら、Tetrahedron Lett.,45, 4029(1976))に導くこ
とができる。(下記〔化23〕に示す反応式参照)
【0041】
【化23】
【0042】上記第七発明で製造される上記〔化17〕
で表される化合物は、下記〔化24〕に示す反応式に従
って得ることができる。即ち、上記第三発明で製造され
る光学活性6−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−2
−ヘプタノンを出発原料として、エチル 3−テトラヒ
ドロピラニロキシブタノエートをTHF中で、リチウム
ジイソプロピルアミド(以下、LDAと略す)存在下で
反応させ、縮合反応を行った後に、酢酸:THF:水
(4:2:1)の混合溶液を加え、室温で攪拌すること
で脱保護反応と、それに続く環化反応を行うことで、目
的化合物(2S,6R,8S)−2,8−ジメチル−
1,7−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン−4−オ
ンを得ることができる。
【0043】
【化24】
【0044】また、上記第七発明で製造される(2S,
6R,8S)−2,8−ジメチル−1,7−ジオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン−4−オンは、例えば水素化
リチウムアルミニウム(以下、LAHと略す)と反応さ
せることで、フェロモンである(2S,4S or 4R,
6R,8S)−2,8−ジメチル−1,7−ジオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン−4−オール(William Kitc
hingら、J. Org. Chem., 57, 3365(1992))に導くことが
できる。(下記〔化25〕に示す反応式参照)
【0045】
【化25】
【0046】上記第八発明で製造される上記〔化18〕
で表される化合物は、下記〔化26〕に示す反応式に従
って得ることができる。即ち、上記第三発明で製造され
る光学活性6−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−2
−ヘプタノンを出発原料として、1−クロロ−3−テト
ラヒドロピラニロキシペンタンをTHF中で、LDA存
在下で反応させ、縮合反応を行った後に、酢酸:TH
F:水(4:2:1)の混合溶液を加え、室温で攪拌す
ることで脱保護反応と、それに続く環化反応を行うこと
で、目的化合物(E,E)−2−エチル−8−メチル−
1,7−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカンを得るこ
とができる。
【0047】
【化26】
【0048】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】実施例1(第一及び第二発明の実施例) (S)−2−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1−
ニトロプロパン(前記〔化1〕に示す化合物)の合成。 200mlフラスコ中、(S)−1−ニトロ−2−プロパ
ノール3.0g(29mmol)のDMF溶液50ml中にt
−ブチルジメチルシリルクロリド4.7g(31mmol)
を加え、更にイミダゾール7.5g(0.11mmol)を
0℃で加えた。3時間攪拌後、酢酸エチルで抽出し、飽
和食塩水で洗浄後、乾燥硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り精製し、無色油状の生成物を6.3g(収率100
%)得た。得られた生成物を分析した結果、以下の値と
なり、生成物が目的物化合物(S)−2−(t−ブチル
ジメチルシリロキシ)−1−ニトロプロパンであること
を確認した。
【0050】[α]D =+22.1°(c=1.77、
CHCl3 )。1 H NMR(CDCl3) δ=−0.02(m,6
H)、0.82(s,9H)、1.24(d,3H,J
=6.3Hz)、4.10〜4.53(m,3H)。 IR(neat):2936、1556、1468c
m-1
【0051】実施例2(第四発明の実施例) (S)−6−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−5−
ニトロ−2−ヘプタノン(前記〔化3〕に示す化合物)
の合成。 50mlフラスコ中、(S)−2−(t−ブチルジメチル
シリロキシ)−1−ニトロプロパン0.50g(2.2
8mmol)とテトラメチルグアニジン0.13g(1.1
4mmol)との乾燥THF溶液にメチルビニルケトン0.
19g(2.73mmol)を滴下し、室温で攪拌した。1
5時間後、反応溶液を水50mlに注ぎ、酢酸エチルで抽
出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、乾燥硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、無色油状の生成物を0.
45g(収率68.1%)得た。得られた生成物を分析
した結果、以下の値となり、生成物が目的物化合物
(S)−6−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−5−
ニトロ−2−ヘプタノンであることを確認した。
【0052】[α]D =+12.0°(c=1.51、
CHCl3 )。 元素分析: 実測値C,48.07:H,7.63:
N,8.01%。 計算値C,47.99:H,7.48:N,8.00
%。1 H NMR(CDCl3) δ=0.00〜0.10
(m,6H)、0.73〜0.92(m,9H)、1.
14〜1.27(m,3H)、1.88〜2.77
(m,4H)、2.14(s,3H)、3.83〜4.
44(m,2H)。 IR(neat):2932、1716、1526c
m-1
【0053】実施例3(第三発明の実施例) (S)−6−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−2−
ヘプタノン(前記〔化2〕に示す化合物)の合成。 50ml2口フラスコ中、(S)−6−(t−ブチルジメ
チルシリロキシ)−5−ニトロ−2−ヘプタノン200
mg(0.69mmol)の乾燥ベンゼン溶液にトリブチルス
タナン20mg(0.69mmol)とAIBN16.4mg
(0.10mmol)を加え、4時間環流した。反応溶液を
減圧下で濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製し、無色油状の生成物を89.3mg(収率5
2.9%)得た。得られた生成物を分析した結果、以下
の値となり、生成物が目的化合物(S)−6−(t−ブ
チルジメチルシリロキシ)−2−ヘプタノンであること
を確認した。
【0054】[α]D =+20.1°(c=1.02、
CHCl3 )。 元素分析: 実測値C,64.36:H,10.83
%。 計算値C,64.58:H,10.84%。1 H NMR(CDCl3) δ=0.00(s,6
H)、0.84(s,9H)、1.08(d,3H,J
=6.0Hz)、1.33〜1.63(m,4H)、
2.09(s,3H)、2.39(t,2H,J=7.
0Hz)、3.71〜3.80(tq,1H,J=6.
0Hz)。 IR(neat):2980、1725、1255c
m-1
【0055】実施例4(第三発明の目的化合物〔化2〕
からフェロモンを合成する実施例) (2S,6R)−2−メチル−1,7−ジオキサスピロ
[5.6]ドデカン(下記〔化27〕に示す化合物)の
合成。
【0056】
【化27】
【0057】窒素雰囲気下、50ml3口フラスコ中、実
施例3で得られた(S)−6−(t−ブチルジメチルシ
リロキシ)−2−ヘプタノン50.0mg(2.05×1
-1mmol)の乾燥THF溶液中に、LDA21.9mgを
−78℃で滴下し、20分間攪拌した。この溶液に4−
クロロ−1−テトラヒドロピラニロキシブタン71.1
mg(3.69×10-1mmol)のTHF溶液を滴下し、−
78℃で1時間攪拌し、更にヨウ化ナトリウム33.0
mg(2.20×10-1mmol)を加え、1時間攪拌した。
反応溶液を水100mlに注ぎ、酢酸エチルで抽出した
後、有機相を飽和食塩水で洗浄後、乾燥硫酸ナトリウム
で乾燥、濃縮した。残渣にメタノール10mlと6N塩酸
5mlを加え、30分間還流後、反応溶液を中和し、酢酸
エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、乾燥
硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製し、無色油状の生
成物を7.45mg(収率19.5%)得た。得られた生
成物を分析した結果、以下の値となり、生成物が目的化
合物(2S,6R)−2−メチル−1,7−ジオキサス
ピロ[5.6]ドデカンであることを確認した。
【0058】[α]D =−104°(c=0.75、n
−ペンタン)。1 H NMR(CDCl3) δ=1.19(t,3H,
J=6.2Hz)、1.45〜1.90(m,14
H)、3.70〜3.90(m,3H)。
【0059】実施例5(第六発明の実施例) (S)−2−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−5−
シアノ−3−ニトロペンタン(前記〔化5〕に示す化合
物)の合成。 50mlフラスコ中、(S)−2−(t−ブチルジメチル
シリロキシ)−1−ニトロプロパン0.50g(2.2
8mmol)とテトラメチルグアニジン0.13g(1.1
4mmol)との乾燥アセトニトリル溶液にアクリロニトリ
ル0.18g(3.42mmol)を滴下し、室温で攪拌し
た。15時間後、反応溶液を水50mlに注ぎ、酢酸エチ
ルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、乾燥硫酸
ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより精製し、無色油状の生成物
を0.42g(収率67.2%)得た。得られた生成物
を分析した結果、以下の値となり、生成物が目的化合物
(S)−2−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−5−
シアノ−3−ニトロペンタンであることを確認した。
【0060】[α]D =10.7°(c=1.04、C
HCl3 )。 元素分析: 実測値C,45.49:H,6.41:
N,17.75%。 計算値C,45.57:H,6.37:N,17.71
%。1 H NMR(CDCl3) δ=0.00〜0.12
(m,6H)、0.85〜0.97(m,9H)、1.
18〜1.30(m,3H)、2.07〜2.90
(m,4H)、4.13〜4.64(m,2H)。 IR(neat):2941、2472、1546、1
458cm-1
【0061】実施例6(第五発明の実施例) (S)−δ−メチル−δ−バレロラクトン(前記〔化
4〕に示す化合物)の合成。 50ml2口フラスコ中、(S)−2−(t−ブチルメチ
ルシリロキシ)−5−シアノ−3−ニトロペンタン0.
10g(3.67×10-4mol)の乾燥ベンゼン溶液にト
リブチルスタナン0.11g(3.67×10-4mol)と
AIBN6.02mg(3.67×10-5mol)を加え、2
4時間還流した。反応溶液を減圧下で濃縮後1N Na
OHを10ml加え、更に5時間還流した。反応後、6N
HCl50mlを反応混合物に加え、室温で3時間攪拌
した。反応溶液を水50mlに注ぎ、酢酸エチルで抽出し
た。有機相を飽和食塩水で洗浄後、乾燥硫酸ナトリウム
で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより精製し、無色油状の生成物を25.9
mg(収率61.9%)得た。得られた生成物を分析した
結果、以下の値となり、生成物が目的化合物(S)−δ
−メチル−δ−バレロラクトンであることを確認した。
【0062】[α]D =−30.2°(c=1.60、
EtOH)。 元素分析: 実測値C,62.98:H,8.78%。 計算値C,63.14:H,8.83%。1 H NMR(CDCl3) δ=1.37(d,3H,
J=6.3Hz)、1.43〜1.99(m,4H)、
2.38〜2.83(m,2H)、4.40〜4.53
(m,1H)。 IR(neat):2940、1730、1452c
m-1
【0063】実施例7(第七発明の実施例) (2S,6R,8S)−2,8−ジメチル−1,7−ジ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン−4−オン(前記
〔化6〕に示す化合物)の合成。 窒素雰囲気下、50ml3口フラスコ中、(S)−6−
(t−ブチルジメチルシリロキシ)−2−ヘプタノン1
3.0mg(1.23×10-1mmol)の乾燥THF溶液中
に、LDA82.0μlを−78℃で滴下し、5分間攪
拌した。この溶液に3−テトラヒドロピラニロキシブタ
ン酸エチル40.0mg(1.85×10-1mmol)のTH
F溶液を滴下し、−78℃で1時間攪拌し、更にヨウ化
ナトリウム18.4mg(1.23×10-1mmol)を加
え、1時間攪拌した。反応溶液を水50mlに注ぎ、酢酸
エチルで抽出した後、有機相を飽和食塩水で洗浄後、乾
燥硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣に酢
酸:THF:水(4:2:1)の混合溶液3mlを加え、
室温で2日間攪拌した。反応後、飽和炭酸ナトリウム溶
液20mlでアルカリ溶液にした後、ジエチルエーテルで
抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄、乾燥硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより精製し、無色油状の生成物
を13.8mg(収率56.9%)得た。得られた生成物
を分析した結果、以下の値となり、生成物が目的化合物
(2S,6R,8S)−2,8−ジメチル−1,7−ジ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン−4−オンであるこ
とを確認した。
【0064】元素分析: 実測値C,66.38:H,
9.06%。 計算値C,66.64:H,9.15%。1 H NMR(CDCl3) δ=0.97(m,1
H)、0.98(d,3H,J=6.1Hz)、0.9
9(d,3H,J=6.1Hz)、1.14(m,1
H)、1.25(m,1H)、1.40(m,1H)、
1.75(m,1H)、1.82(m,1H)、1.9
5(m,1H)、2.16(d,1H,J=14.4H
z)、2.44(dd,1H,J=14.4,1.8H
z)、3.32(m,1H)、3.77(dd,1H,
J=6.3、2.2Hz)。
【0065】実施例8(第八発明の実施例) (E,E)−2−エチル−8−メチル−1,7−ジオキ
サスピロ[5.5]ウンデカン(前記〔化7〕に示す化
合物)の合成。 窒素雰囲気下、50ml3口フラスコ中、(S)−6−
(t−ブチルジメチルシリロキシ)−2−ヘプタノン1
3.0mg(1.23×10-1mmol)の乾燥THF溶液
に、LDA82.0μlを−78℃で滴下し、5分間攪
拌した。この溶液に1−クロロ−3−テトラヒドロピラ
ニロキシペンタン38.1mg(1.85×10-1mmol)
のTHF溶液を滴下し、−78℃で1時間攪拌し、更に
ヨウ化ナトリウム18.4mg(1.23×10-1mmol)
を加え、1時間攪拌した。反応溶液を水50mlに注ぎ、
酢酸エチルで抽出した後、有機相を飽和食塩水で洗浄
後、乾燥硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣
に酢酸:THF:水(4:2:1)の混合溶液3mlを加
え、室温で2日間攪拌した。反応後、飽和炭酸ナトリウ
ム溶液20mlでアルカリ溶液にした後、ジエチルエーテ
ルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄、乾燥硫酸ナト
リウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製し、無色油状の生
成物を4.20mg(収率17.2%)得た。得られた生
成物を分析した結果、以下の値となり、生成物が目的化
合物(E,E)−2−エチル−8−メチル−1,7−ジ
オキサスピロ[5.5]ウンデカンであることを確認し
た。
【0066】[α]D =−72.9°(c=0.40、
n−ペンタン)。 元素分析: 実測値C,72.60:H,11.07
%。 計算値C,72.68:H,11.18%。1 H NMR(CDCl3) δ=0.75(t,3H,
J=7.4Hz)、1.05(d,3H,J=6.1H
z)、1.07(m,2H)、1.32〜1.59
(m,7H)、1.65〜1.80(m,2H)、1.
98〜2.15(m,2H)、3.55(m,1H)、
3.83(m,1H)。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、生理活性物質(主とし
てフェロモン)等を大スケールで、安価に製造するため
の合成中間体として有用な化合物及び該合成中間体から
得られる生理活性物質等並びにそれらの製造方法を提供
することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記〔化1〕で表される(S)−2−
    (t−ブチルジメチルシリロキシ)−1−ニトロプロパ
    ン。 【化1】
  2. 【請求項2】 (S)−1−ニトロ−2−プロパノール
    とt−ブチルジメチルシリルクロリドとを反応させるこ
    とを特徴とする前記〔化1〕に示す(S)−2−(t−
    ブチルジメチルシリロキシ)−1−ニトロプロパンの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 下記〔化2〕で表される化合物の製造方
    法において、前記〔化1〕の化合物を出発原料とし、下
    記1及び2の反応を順次行わせることを特徴とする光学
    活性6−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−2−ヘプ
    タノンの製造方法。 1.塩基触媒を用いたメチルビニルケトンのマイケル付
    加反応 2.トリブチルスタナン/アゾビスイソブチロニトリル
    系における脱ニトロ水素化反応 【化2】
  4. 【請求項4】 前記〔化2〕の製造における中間体であ
    る、下記〔化3〕で表される(S)−6−(t−ブチル
    ジメチルシリロキシ)−5−ニトロ−2−ヘプタノン。 【化3】
  5. 【請求項5】 下記〔化4〕で表される化合物の製造方
    法において、前記〔化1〕の化合物を出発原料とし、下
    記3及び4の反応を順次行わせることを特徴とするδ−
    メチル−δ−バレロラクトンの製造方法。 3.塩基触媒を用いたアクリロニトリルのマイケル付加
    反応 4.トリブチルスタナン/アゾビスイソブチロニトリル
    系における脱ニトロ水素化反応、及び加水分解環化反応 【化4】
  6. 【請求項6】 前記〔化4〕の製造における中間体であ
    る、下記〔化5〕で表される(S)−2−(t−ブチル
    ジメチルシリロキシ)−5−シアノ−3−ニトロペンタ
    ン。 【化5】
  7. 【請求項7】 下記〔化6〕で表される化合物の製造方
    法において、前記〔化2〕に示す光学活性6−(t−ブ
    チルジメチルシリロキシ)−2−ヘプタノンを出発原料
    とし、下記5及び6の反応を順次行わせることを特徴と
    する(2S,6R,8S)−2,8−ジメチル−1,7
    −ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン−4−オンの製
    造方法。 5.塩基存在下でのエチル 3−テトラヒドロピラニロ
    キシブタノエートを用いた反応 6.酢酸、水、テトラヒドロフランの混合溶液を用いた
    脱保護に続く環化反応 【化6】
  8. 【請求項8】 下記〔化7〕で表される化合物の製造方
    法において、前記〔化2〕に示す光学活性6−(t−ブ
    チルジメチルシリロキシ)−2−ヘプタノンを出発原料
    とし、下記7及び8の反応を順次行わせることを特徴と
    する(E,E)−2−エチル−8−メチル−1,7−ジ
    オキサスピロ[5.5]ウンデカンの製造方法。 7.塩基存在下での1−クロロ−3−テトラヒドロピラ
    ニロキシペンタンを用いた反応 8.酢酸、水、テトラヒドロフランの混合溶液を用いた
    脱保護に続く環化反応 【化7】
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